JPH09511335A - 車輌のグリップ性能を測定するための装置及び方法 - Google Patents

車輌のグリップ性能を測定するための装置及び方法

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JPH09511335A JP7525848A JP52584895A JPH09511335A JP H09511335 A JPH09511335 A JP H09511335A JP 7525848 A JP7525848 A JP 7525848A JP 52584895 A JP52584895 A JP 52584895A JP H09511335 A JPH09511335 A JP H09511335A
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Abstract

(57)【要約】 車輌のサスペンション(30)を構成する所定の部材より得られた力の測定値及び変位の測定値より求められる総和パラメータに関連付けることにより車輌(10)のグリップ性能を測定するための装置及び方法が開示される。車輌の少なくとも一つの車輪(20)24)について、その各支持部材(48a、48b、54a、54b等)に作用する瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び相対方向が測定される。荷重力ベクトルは相対平面について第一の荷重力成分、第二の荷重力成分、第一及び第二の荷重力成分に垂直な第三の荷重力成分に分解される。次いで荷重力成分は共通の基準平面に関連付けられ、これにより正規化された荷重力成分が求められ、この正規化された荷重力成分が加算されることにより車輌の車輪と地表平面との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する正規化された第一、第二、第三の荷重力成分が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】 車輌のグリップ性能を測定するための装置及び方法 発明の背景 本発明は、車輌のサスペンションを構成する所定の部材より得られた力の測定 値及び直線変位若しくは角度変位の測定値より求められる総和パラメータに関連 付けることにより、乗用車、レーシングカー、自動二輪等の如き車輌のグリップ 性能を測定するための装置及び方法に係る。車輌のタイヤと路面との間に発生す る時間に依存するグリップ力を示すパラメータを求めるに当り、本発明は車輌又 はその構成部材に対し行われる機械的及び空気力学的変更や調整の最終的な影響 を比較し最適化するための基準を形成し、更には車輌の各車輪に作用する力の絶 対的な値を求め、路面グリップ力を比較することを可能にする。 車輌の性能と呼ばれるものの測定は、車輌エンジニア及びタイヤ設計者を長年 に亘り悩ませている一つの問題である。広義には、車輌の全体としての性能は前 輪及び後輪の制動応答、加速応答、コーナリング応答の何れか又は全てに基づく ものである。性能の改善は車輌の一定の機械的及び空気力学的設計パラメータを 改善することにより、若しくはアンチロックブレーキ装置、トラクションコント ロール装置、アクティブな車高調整装置の如きコンピュータにより制御される調 整装置を用いることによって設計上の不十分な点を動的に補償することにより行 われる。しかしこれまで解析用のデータや性能の改善を判定するための基準 がないことに起因して設計や調整装置の性能解析は設計そのものよりも遅れてい る。互いに共働して車輌に全体としての性能を与える個々の応答が一つのパラメ ータに依存しているのではなく、究極的にはタイヤのデザイン及び構造、質量分 布及び空気力学的影響を含む機械的装置、シャシー、サスペンション、フレーム の設計、路面温度及び気温を含む道路の状態及び走行状態の如き無数の変量の間 の複雑な三次元的相互作用に依存していることが問題を複雑にしている。これら の変量の相互作用的な影響は車輌の性能を測定することができる何れの装置によ っても考慮されなければならない。 車輌の性能を測定し処理する従来の試みに於いては、主観的な勘や試行錯誤に 焦点が置かれており、またはより最近では車輌の制動応答、加速応答、コーナリ ング応答に影響を及ぼす相互作用的な変量の少なくとも幾つかをシミュレートす る複雑な演算によるモデル化に焦点が置かれている。しかしこれらの変量の間の 相互作用が複雑であることにより、車輌の性能を近似することさえできないこと が判っている。例えばある与えられた車輌の機械的装置や空気力学的構成部材が 変更されない場合であっても、走行路面の状態や周囲の状態の変化の如き過渡現 象が少なくとも自動車レースに於いてはある程度車輌の性能に影響を及ぼし、こ のことは勝敗となって現れる。車輌の性能を演算によるモデル化する際の複雑さ の例として、下記の表1は車輌の グリップ、バランス、抗力に影響する因子として考慮されなければならない項目 のごく一部を示している。 性能設計と性能解析との間のギャップは自動車レースの分野に於いて最も顕著 である。大抵のクラスの自動車レース、特にインディ5000のレーシングカー の場合には、車輌の設計及び性能に対するアプローチに関し競争者の類似性が確 保されるよう車輌の仕様が故意に制限されるという点に於いて例外がある。少な くともエンジニアや設計者の観点からすれば不幸なことに、インディ、CART 、フォーミュラ1を含む上位クラスの自動車レースに於いては、車輌の調整装置 を制御するための閉ループ装置を使用することが禁止されるようになってきてい る。従って設計段階及びレース前のチューニング又はセットアップ段階に於いて 車輌の性能を最適化する必要性が常に早いラップタイムを達成する上で一層重要 のものになってきている。事実同一の構造のレーシングカーを走らせる場合にも チームによって性能のばらつきが生じており、また同一のチームについても走行 する日や走行路面によって性能のばらつきが生じている。 現在のところ、レーシングカーの制動、加速、コーナリングの性能は、コーナ リング速度及びスプリットタイム、動的な車高変化、長手方向及び横方向の加速 度、衝撃変位、 エンジン及びタイヤの温度及び圧力の点についてトラックに於いて判定されてい る。しかしこれらのデータの何れも車輌の性能、即ちグリップ力の決定的な因子 の定量的な指標を明確に与えるものではない。多数の設計変更や調整又は単なる トラック又は周囲の状況の変化の累積的な影響と考えられるものに応答して日毎 に車輌の相対的な性能を主体的に判断することが要求されるのは最終的にはドラ イバである。しかしドライバが異なれば車輌の性能のレベルに関する感覚的な意 見が異なる。同じドライバの場合にも、その経験のレベルやその時々の精神状態 が認識に影響し、エンジニアや設計者が性能を客観的に判定する際の比較基準を 排除する。 以上の点から、自動車レースの分野及び自動車産業に於いては、相互作用によ り車輌の全体としての性能を最終的に決定するセットアップ及び設計上の全ての 変量をある程度客観的に且つ予測可能に最適化する手段が必要とされていること は明らかである。かかる手段は車輌の機械的又は空気力学的装置に対し行われる 変更、改良又は調節の全体としての性能に与える影響を客観的に比較し評価する ためのある程度の基準を与えることが好ましい。また好ましい手段は周囲の状況 や路面の種類又は状態の変化の如き過渡現象を考慮すると共に過渡現象により影 響されず、更には車輌の各車輪に作用する力の絶対的な値を検出することを可能 にする。かかる手段は種々のタイヤ、サスペンション、 機械的及び空気力学的設計、エンジン設計の性能を解析的に測定し比較するとい う点に於いて設計エンジニアにより歓迎され、走行前にレーシングカーのセット アップパラメータをチューニングし最適化するという点に於いてレースエンジニ アにより歓迎され、種々の閉ループ制御装置、警報装置又は安全装置(例えば安 全なコーナリングを可能にするためのエンジン速度にリンクされる)の設計を可 能にするという点に於いてドライバにより歓迎される。 発明の概要 本発明は車輌のサスペンションを構成する所定の部材より得られた力の測定値 及び直線変位若しくは角度変位の測定値より求められる総和パラメータに関連付 けることによって乗用車、レーシングカー等の如き車輌のグリップ性能、即ち路 面保持性能を測定するための装置及び方法に係る。制動、加速、コーナリングに 関し車輌の動的性能を最終的に決定する因子は、車輌の車輪、即ちタイヤと路面 との間の界面を郭定する接触領域に於ける摩擦グリップ力の相互作用であること が判っている。路面と各タイヤとの間に発生する時間に依存する横方向グリップ 力、長手方向グリップ力、上下方向グリップ力を示す意味のある力ベクトルを発 生する装置及び方法を提供するに際し、本発明は車輌に対し行われる機械的又は 空気力学的調整の影響を客観的に比較し最適化するための基準を確立することが できる。更に演算によるモデル化によって車輌の性能を予測しようと するのではなく、各タイヤの接触領域に於けるグリップ力について車輌の性能を 直接測定することに関し、本発明は単なるシミュレーションによっては補償する ことができない過渡現象により影響を受けない。遠心力が特定されると共に車輌 の車輪、即ちタイヤに作用する空気力学的長手方向のリフト力及び上下方向の抗 力が測定されることにより、本発明は更に各車輪の真の力のバランスを求めて各 車輪に作用する力の絶対的な値を求めることができる。 本発明の装置及び方法は車輌のサスペンションを構成する所定の部材に作用す る力ベクトルを動的に測定することを含み、力ベクトルは車輌のグリップ性能、 即ち摩擦による路面保持性能に直接関連していることが判っている。例えば車輪 支持系、即ちアップライトをシャシーに取り付ける支持部材、前輪側に於いて車 輌を操舵し後輪側に於いてアップライトを所定のトーにてシャシーに保持するト ーリンク制御装置、シャシーをアップライト上に支持するスプリング、バンパ、 ショックアブソーバ、プッシュロッド等に作用する上下方向力、横方向力、長手 方向力を測定すべく、車輌のサスペンション部材若しくはシャシーに設けられる 力測定装置、歪みゲージ、角度変位センサ又は距離センサの組合せを用いて測定 が行われる。これらの力の動的測定値、即ち時間依存の測定値より力ベクトルが 計算され、次いでそれらの成分の力が例えばタイヤと路面との間に作用する力の 方向、即ち路面に垂直な方向、路面の平面内に て車輌の長手方向中心線に垂直な方向、路面の平面内にて車輌の長手方向中心線 に平行な車輌の前進方向について加算される。サスペンション部材より得られ加 算された力の成分は車輌の車輪と路面との間の接触領域に於ける力に直接関連し ており、従って車輌の最終的なグリップ性能、即ち路面保持性能を測定するため の基準を与える。 従って本発明は下記の説明に於いて例示される種々の部材及び工程の組合せを 有している。本発明の一つの利点は路面と各タイヤとの間に発生する時間に依存 する横方向のグッリップ力、長手方向のグリップ力、上下方向のグリップ力を示 す意味のある基準を生成することである。かかる基準は車輌に対し行われる機械 的又は空気力学的調整の影響を客観的に比較し最適化することを容易にし、また 各車輪に於ける真の力のバランスを求めて各車輪に作用する力の絶対的な値を求 める際に使用される。本発明の他の一つの利点は、車輌の性能に影響を及ぼす過 渡現象を演算モデル化することなく過渡現象を補償することができることである 。本発明のこれら及び他の利点及び目的は以下の詳細な説明に於いて明らかとな る。 図面の簡単な説明 図1は代表的なロードレーシングカーの平面図であり、レーシングカーはその 長手方向中心線に対し対称であることを示している。 図2は図1のロードレーシングカーの正面図である。 図3は図1のロードレーシングカーの背面図である。 図4は図1のロードレーシングカーの側面図であり、車輌の底面の基準平面と 地表平面との間の傾斜角を測定するための方法を示している。 図5は図1のロードレーシングカーの車輪の説明図であり、車輪の上下方向中 心線と地表平面に垂直な線との間のキャンバ角を測定するための方法を示してい る。 図6はロードレーシングカーの車輪対及び支持サスペンションの説明図であり 、レーシングカーの底面の基準平面と地表平面との間のロール角を測定するため の方法を示している。 図7は図1のロードレーシングカーの後輪のサスペンション部材に発生する力 ベクトルの自由体線図である。 図8は図1のレーシングカーの車輪と地表平面との間の関係を示す説明図であ る。 図9はラップ数の関数として図8の車輪及びアップライト系の質量の変化を示 すグラフである。 図10は車速の関数として図8の車輪に作用する空気力学的抗力、リフト力、 横力を示すグラフである。 図11は図1のロードレーシングカーのステアリングラックの直線変位の関数 として図5のキャンバ角の変化を示すグラフである。 図12は図1のロードレーシングカーの前輪のサスペンション部材に発生する 力ベクトルの自由体線図である。 図13A乃至図13Eは図7の自由体線図に示された力を解析するための工程 の代表的な構成を示すブロック図である。 図13Fは図8の車輪に作用する遠心力を解析するための工程の代表的な構成 のブロック図である。 図13Gは図10に示された空気力学的力を解析するための工程の代表的な構 成のブロック図である。 図14A乃至図14Eは図12の自由体線図に示された力を解析するための工 程の代表的な構成のブロック図である。 図15はマクファーソンストラットを含む乗用車の代表的な車輪及びアップラ イト系を示す説明図である。 図16は図15のストラットのピストンの拡大部分図であり、ピストンをアッ プライトより隔離する荷重隔離部材の周りに於けるロードセルの配置を示してい る。 図17は図15の車輪及びアップライト系に発生する力の自由体線図である。 図18A乃至図18Dは図17の自由体線図に示された力を解析するための工 程の代表的な構成のブロック図である。 図19は本発明に従ってアクスルとアップライトとの間に荷重担持部材を含む 代表的な車輪及びアップライト系の断面図である。 図20は図15の中間荷重部材に発生する力ベクトルの 自由体線図である。 図21は地表平面を郭定する座標軸について図20の力ベクトルを正規化する 構成を示す自由体線図である。 図22A及び図22Bは図20及び図21の自由体線図に示された力を解析す るための工程の代表的な構成のブロック図である。 図23はインディ型又はフォーミュラ1型のロードレーシングカーの車輪及び アップライト系に組み込まれた状態にて図19の荷重担持部材の他の一つの実施 形態を示す断面図である。 図24は図23の荷重担持部材及びアップライトの正面図である。 図25は図24の線25−25に沿う図23の荷重担持部材及びアップライト の断面図である。 図26は図25の荷重担持部材の軸受ケージを拡大して示す断面図である。 発明の詳細な説明 下記の記述に於いては、本発明の概念がまずロードレーシングカーに適用され た実施形態について説明され、次いで乗用車に適用された実施形態について説明 される。しかし本発明の重要性及び利点に鑑みれば、本発明は車輪と道路、トラ ック又は他の路面との間のグリップに関する車輌の性能が測定され測定結果が処 理される必要がある自転車等の如き任意の車輌やトラック、自動二輪、ドラッグ レー シングカー等の如き任意の原動機付き車輌に適用可能なものである。 図1に於いて、インディ型又はフォーミュラ1型のロードレーシングカーが符 号10にて全体的に示されている。ロードレーシングカー10はシャシー12を 含み、シャシー12は長手方向中心線18に沿って前方部14と後方部16との 間に延在している。レーシングカー10を走行させるべく、一対の前輪20a及 び20bがそれぞれ軸中心線22a、22bに沿って前方部14に配置されてお り、一対の後輪24a及び24bがそれぞれ対応する軸中心線26a、26bに 沿って後方部16に配置されている。シャシー12は符号28にて全体的に示さ れたフロントサスペンションにより前輪20に懸架され、符号30にて全体的に 示されたリヤサスペンションにより後輪24に懸架されている。フロントウイン グ32がシャシー12の前方部14より延在し、リヤウイング34が後方部16 より延在している。ウイング32及び34はレーシングカー10の空気力学的特 性を変化させるよう位置決め可能である。 図2に於いて、前輪20a及び20bはそれぞれ地表平面35を郭定する地面 上に載置され、それぞれ上下方向中心線36a、36bに沿って配置されている 。地表平面35を郭定する地面の表面形状に応じて、地表平面35はレーシング カー10の車輪20及び24の全てに共通の一つの平面と考えられてもよく、ま た各車輪毎に異なる平面と 考えられてもよい。それぞれ車輪20a、20bを支持するアップライト38a 、38bが設けられており、各アップライトはそれぞれ車輪20のマウントを支 持するアクスル部40a、40bとステアリングアーム部42a、42bとを有 するよう形成されている。車輪20a、20bの操舵位置、即ち操舵角を制御す べく、ステアリングアーム部42a、42bはそれぞれステアリングタイロッド 44a、44bに枢着されており、各ステアリングタイロッドは共通のステアリ ングラック45を有する枢動カップリングまで内方へ延在している。ステアリン グラック45はステアリングホイール47に連結されており、ステアリングホイ ールの回転によりラック45及びタイロッド44の運動が制御され、これにより 車輪20の操舵角位置、即ち車輪20の軸中心線22とレーシングカー10の長 手方向中心線18との間の相対角度が変化される。アップライト38a及び38 bは更に一対のアッパAアーム、即ちウィッシュボーン46a及び46bと一対 のロアAアーム、即ちウィッシュボーン48a、48bとによりシャシー12に 枢動連結されており、各Aアームは所定の角度をなすよう頂点に於いて互いに接 続された一対の細長い脚部を有するよう形成されている。 レーシングカー10の走行中にシャシー12の前方部14を持ち上げる衝撃力 を減衰させるべく、符号50にて全体的に示されたインボート取り付け型のショ ックアブソー バ装置が長手方向に配設された一対のショックアブソーバ52a、52bの配列 として設けられており、これらのショックアブソーバは油圧式又は空気圧式のも のであってよく、また一対のばねを含んでいてよい。一対のプッシュロッド54 a、54bがそれぞれ車輪20a、20bよりの衝撃力を伝達するようになって おり、各プッシュロッドは通常時にはアップライト38に枢着された第一の端部 とロッカー56A、56Bを介してショックアブソーバ52に枢着された第二の 端部との間に於いて上下方向中心線36に対し所定の角度をなすよう延在してい る。プッシュロッド54はアップライト38に枢着されているので、シャシー1 2に対し相対的に枢動可能である。 図1及び図3に於いて、地表平面35上に前輪20と共に載置された後輪24 a及び24bは、それぞれ対応する上下方向中心線58a、58bに沿って配置 され、また対応するアップライト60a、60bに支持されている。アップライ ト60a、60bはそれぞれトーリンク部62a、62bを有し、トーリンク部 62a、62bはそれぞれシャシー12に設けられた枢動カップリングまで内方 へ延在するタイロッド64a、64bに枢着されている。アップライト60a、 60bは更に一対のアッパAアーム、即ちウイッシュボーン66a、66bと一 対のロアAアーム、即ちウイッシュボーン68a、68bとによりシャシー12 に枢動連結されており、各Aアームは所定の角度をなす よう頂点に於いて互いに接続された一対の細長い脚部を有するよう形成されてい る。一対のアクスル70a、70bがそれぞれシャフト71a、71bを介して シャシー12に枢動連結されており、各シャフトは後輪24へ駆動力を伝達すべ くシャシー12とアクスル70との間に延在している。 前方部14の場合と同様、符号72にて全体的に示されたインボード取り付け 型のショックアブソーバ装置が、レーシングカー10の走行中にシャシー12の 後方部16を持ち上げる衝撃力を減衰させるべく同様の態様にて設けられている 。ショックアブソーバ装置72はショックアブソーバ装置50の場合と同様、長 手方向に配設された一対のショックアブソーバ74a、74bの配列として設け られており、ショックアブソーバ74a、74bも一対のばねを含んでいてよく 、また油圧式又は空気圧式のものであってよく、車輪24a、24bよりプッシ ュロッド76a、76bを介して衝撃力を伝達する。プッシュロッド76a、7 6bはそれぞれ通常時にはアップライト60に枢着された第一の端部とロッカー 78a、78bを介してショックアブソーバ74に枢着された第二の端部との間 に於いて上下方向中心線58に対し所定の角度にて延在している。プッシュロッ ド76もアップライト60に枢着されているので、シャシー12に対し相対的に 枢動可能である。 図1、図2、図3に於いてフロントサスペンション28 及びリヤサスペンション30の構成部材には、それぞれレーシングカー10の走 行中に各サスペンション部材に作用する瞬間的な荷重力ベクトルを測定する力セ ンサ80a〜80tが設けられている。本発明によれば、サスペンション部材に 作用するベクトルは車輪20及び24と地表平面10との間の接触領域内に於け る摩擦グリップ力、即ち路面保持力に直接関連していることが判っている。制動 、加速、コーナリングに関し、レーシングカー10の如き車輌の最終的な性能を 決定する因子であることが判っているのはこれらの摩擦グリップ力である。 力センサ80は歪みゲージ型又はロードセル型のものであってよく、また荷重 力ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号を与えるべく方向を 測定するための直線変位成分又は回転変位成分を含んでいてよい。説明の目的で 、力センサ80はサスペンション28及び30の構成部材とシャシー12との間 に配置された状態にて図示されている。しかし本発明の実施者の設計上の好みに 応じてセンサ80はサスペンション28及び30の構成部材とアップライト38 及び60との間にてサスペンション部材上に直接配置されてもよく、また後に詳 細に説明する如くアクスル40及び70の軸受とアップライト38及び60との 間にてサスペンション部材上に配置されてもよい。本発明の装置及び方法は種々 のセンサ位置に対し適合化可能であるので、図示の実施形態はセンサの位置や配 列を限定 するものではない。 センサ80により与えられる荷重力出力信号を記憶し解析すべく、図1のブロ ック82にて示されている如き処理装置がレーシングカー10に搭載されている 。センサ80により与えられる荷重力出力信号はパーソナルコンピュータ等へダ ウンロードされるよう処理装置82内にただ単に記憶されるだけでもよく、或い は外部ステーションに於いて解析されるようリアルタイムのテレメータリンクア ップを介して外部ステーションへ伝達されてもよい。 センサ80により与えられる荷重力出力信号より意味のある値を導き出すため には、出力信号により示される各荷重力ベクトル(任意の関連する平面に対し分 解可能である)の成分を共通の基準平面に関連付け、これにより後に加算される 正規化された荷重力成分を導き出す必要がある。この場合基準平面に関連付けら れた正規化された成分ベクトルが、レーシングカー10の車輪20及び24と地 表平面35との間にてレーシングカー10の長手方向中心線18に対し垂直に作 用する横方向荷重力、長手方向中心線18に平行な方向に作用する長手方向荷重 力、地表平面35に垂直に作用する上下方向荷重力に直接対応するよう、基準平 面は地表平面35に設定されることが好ましい。かくしてサスペンション28及 び30の構成部材より取り出された力ベクトルの加算され正規化された成分は、 車輪20及び24と地表平面35との間の接触領域に於ける摩擦グリ ップ力に直接関連付けられ、これによりレーシングカー10の最終的なグリップ 性能、即ち路面保持性能の指標を与えるのに有用である。グリップ性能、即ち路 面保持性能は、ドライバーがレーシングカーの制御可能状態を完全に失うことな くコーナリングフォースを発生し得る程度を意味する。路面保持性能を高くする ためには、レーシングカーの車輪はタイヤと路面との間の界面に於ける接触領域 の面積を最適化する角度に維持される必要がある。 図4に於いて、センサ80の荷重力出力信号により示される荷重力ベクトルを 地表平面35に関連付ける場合には、レーシングカー10の例えばリヤサスペン ション30の構成部材の関係が地表平面35よりシャシー12の前方部14及び 後方部16までの距離により変化される。この点に関しレーシングカー10は少 なくとも一対の距離センサ84a、84bを有し、これらのセンサはレーザ型又 は音波型のものであってもよく、またシャシー12に沿う第一の前方の点及び第 二の後方の点に図示されている如く配置されてよい。図示の如く配置されたセン サ84a、84bは、上下方向中心線36b、58bに於いて記号f及びrによ り示された距離、即ちレーシングカー10の底面86を郭定するシャシー12の 下面と地表平面35との間の距離に対応する距離出力信号を発生する。従ってw を上下方向中心線36bと58bとの間のホイールベース長さとして、傾斜角θ は下記の式にて表される。 θ=tan-1((r-f)/w)……(1) 傾斜角θは地表平面35に対し正規化された成分を求めるべく荷重力ベクトル の成分に関連付けられる。しかし傾斜角θの値が幾分か一層正確に測定される必 要がある場合には、距離fは一層後方の位置にて測定され、それに応じて長さw が補正される。傾斜角θはシャシー12に沿う任意の前方の点と後方の点との間 に於いて測定されてよく、或いはアップライト38又は60に設けられた距離セ ンサより直接求められてもよい。アップライト38又は60よりずれた位置にて 傾斜角θを直接測定する場合には、各地表平面35に対する各車輪20及び24 の関係から個別に測定値が与えられる。 レーシングカー(図1〜図3参照)の車輪が後輪24bとして解図的に示され た図5に於いて、例えば地表平面35に対するサスペンション30の構成部材の 関係が車輪24bの上下方向中心線58bと地表平面35との間の関係により変 化されることが判る。従って記号i及びoにより示された距離に対応する軸中心 線26bに沿う二つの点に於ける距離出力信号を発生すべく、符号87a及び8 7bにて示された少なくとも一対の追加の距離センサが例えば後輪24bのアッ プライト60b(図3参照)上に設けられている。Li及びLoにて示された距 離は既知の値であるので、車輪24bの上下方向中心線58bと地表平面35に 垂直な線88との間の瞬間的なキャンバ角γは下記の 式により表される。 γ=tan-1((o-i)/(Li−Lo))……(2) 傾斜角θの場合と同様、キャンバ角γは地表平面35に対し正規化された成分ベ クトルを求めるべく、センサ80の荷重力出力信号により表される荷重力ベクト ルの成分との関連で使用される。 レーシングカー10の一対の車輪が後輪24及びリヤサスペンション30によ り解図的に示された図6に於いて、地表平面35及びシャシー12に対する例え ばサスペンション30を構成する部材の関係がシャシー12のロール角によりコ ーナリング等に於いて影響を受けることが解る。このロール角を測定すべく、少 なくとも一対の追加の距離センサ90a及び90bが長手方向中心線18(図1 参照)に対し実質的に垂直な方向に隔置されたシャシー12上の二つの点に設け られている。センサ90a及び90bはかくして設けられているので、記号a及 びbにより示された距離に対応する距離出力信号を発生し、下記の式に示されて いる如くシャシー12の底面86と地表平面35との間の角度としてロール角α を計算することができる。 α=tan-1((b-a)/c)……(3) 尚式3に於いて、cはセンサ90aと90bとの間の距離である。傾斜角θ及び キャンバ角γの場合と同様、ロール角αは地表平面35に対し正規化された成分 ベクトルを求めるべく、センサ80の荷重力出力信号により表される荷 重力ベクトルの成分との関連で使用される。 傾斜角θ、キャンバ角γ、ロール角αを求める上述の方法の代わりに又は上述 の方法に加えて、地表平面35までの距離の測定はサスペンション28及び30 を構成する部材より直接求められてもよい。リヤサスペンション30について図 6に示されている如く、符号92a及び92bにより示されている如きアウトボ ード側の距離センサが、Aアーム68と地表平面35との間の距離に対応する距 離出力信号を発生するよう例えばロアAアーム68に設けられてよい。かかる距 離センサの出力信号は地表平面35に対し正規化された成分ベクトルを求めるべ く、センサ80の荷重力出力信号に対応する荷重力ベクトルの成分との関連で使 用される。 レーシングカー10の如きロードレーシングカーの車輪に於けるグリップ力の 測定に対し上述の装置及び方法を適用することの例として、後輪24b及びその サスペンション部材、即ちアップライト60b、タイロッド64b、アッパAア ーム66b、ロアAアーム68b、プッシュロッド76bを図7に示された自由 体線図について考える。図7に於いて、サスペンション部材に作用する荷重力ベ クトルに対応する荷重力出力信号を発生する図1及び図3の力センサ80は80 i、80j、80k、80l、80tにて示されており、更に力センサ80uも 図示されている。センサ80により測定される力ベクトルの分解及び地表平 面35の如き共通の基準平面に対する力ベクトルの関連付けを容易にすべく、そ れぞれレーシングカー10の長手方向中心線18に垂直な方向、長手方向中心線 18に平行な方向、地表平面35に垂直な方向のx、y、zにて示された座標軸 を基準に取る。更に水平方向を郭定する座標軸x、y及び上下方向を郭定する座 標軸zを基準に下記の値を定義することが有用である。 また説明の目的で、アッパAアーム66bの取り付け内端は長手方向中心線18 を通るレーシングカー10の中央垂直平面より等距離の位置に隔置され、ロアA アーム68bの取り付け内端も同様に中央垂直平面より等距離の位置に隔置され ているものと仮定する。 上述の距離測定方法により角度θ、γ、αが求められる。次いでアッパAアー ム66bに作用する力についての解析が以下の如く行われる。尚下記の式に於い て、全ての数字は特に断らない限り数値ではなく符号を意味する。 (a) アッパAアーム66bの相対平面内に於ける横方向荷重力: Acos 130+Bcos 120 ……(4) (b) 地表平面35に対し正規化されたアッパAアーム 66bの横方向荷重力: (Acos 130+Bcos 120)cos(γ+140−90°) ……(5) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた第一の正規化された上下方向 荷重力成分: (Acos 130+Bcos 120)sin(γ+140−90°) ……(6) (d) アッパAアーム66bの相対平面内に於ける長手方向荷重力: Asin 130−Bsin 120 ……(7) (e) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力: (Asin 130−Bsin 120)cos(100−θ) ……(8) (f) 正規化された長手方向荷重力より求められた第二の正規化された上下方 向荷重力成分: (Asin 130−Bsin 120)sin(100−θ) ……(9) (g) 正規化された総上下方向荷重力成分: (Acos 130+Bcos 120)sin(γ+140−90°) +(Asin 130−Bsin 120)sin(100−θ) ……(10) 次ぎにロアAアーム68bに作用する力を以下の如く考える。 (a) ロアAアーム68bの相対平面内に於ける横方向荷重力: Dcos 170−Ecos 180 ……(11) (b) 地表平面に対し正規化されたロアAアーム68bの横方向荷重力: (Dcos 170−Ecos 180)sin(220−γ) ……(12) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた第一の正規化された上下方向 荷重力成分: −(Dcos 170−Ecos 180)cos(220−γ) ……(13) (d) ロアAアーム68bの相対平面内に於ける長手方向荷重力: Dsin 170+Esin 180……(14) (e) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力: (Dsin 170+Esin 180)cos(190+θ) ……(15) (f) 正規化された長手方向荷重力より求められた第二の正規化された上下方 向荷重力成分: −(Dsin 170+Esin 180)sin(190+θ) ……(16) (g) 正規化された総上下方向荷重力成分: −(Dcos 170−Ecos 180)cos(220−γ) −(Dsin 170+Esin 180)sin(190+θ) ……(17) 次にタイロッド64bに作用する力を解析する。 (a) タイロッド64bの相対平面に於ける横方向荷重 力: Ccos 150 ……(18) (b) 地表平面35に対し正規化された横方向荷重力: Ccos 150 (cos(160+γ−90°))……(19) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた正規化された上下方向荷重力 成分: −Ccos 150(sin(160+γ−90°))……(20) (d) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力成分: Csin 150 ……(21) 更にプッシュロッドの力成分を解析する。 (a) プッシュロッドよりの長手方向力: −Fsin 210 ……(22) (b) プッシュロッドの上下方向力: −Fsin 210(sin(200-γ+220−90°)) ……(23) (c) プッシュロッドの横方向力: Fcos 210(cos(200-γ+220−90°)) ……(24) 式4〜24より、車輪24bを支持するサスペンション部材60b、64b、 66b、68b、76bに作用する瞬間的な全ての力のバランスが求められ、地 表平面35に対し正規化される。従って車輪24bと地表平面35との界面に於 ける接触領域内の瞬間的なグリップ力の成分は以 下の通りである。 (a) 地表平面35に垂直な方向の総上下方向荷重力: (Acos 130+Bcos 120)sin(γ+140−90°) +(Asin 130−Bsin 120)* sin(100−θ) −((Dcos 170−Ecos 180)cos(220−γ) −(Dsin 170+Esin 180)sin(190+θ) −Ccos 150 sin(160+γ−90°) −Fsin 210(sin(200−γ+220−90°)) ……(25) (b) 地表平面35内にてレーシングカー10の長手方向中心線18に垂直な 方向の総横方向荷重力: (Acos 130+Bcos 120)cos(γ+140−90°) +(Dcos 170−Ecos 180)sin(220−γ) +Ccos 150(cos(160+γ−90°))+Fcos 210 * (cos(200 -γ+220−90°))……(26) (c) 地表平面35内にてレーシングカー10の長手方向中心線18に平行な 方向の総長手方向荷重力: (Asin 130−Bsin 120)cos(100−θ) +(Dsin 170+Esin 180) * cos(190+θ)+Csin 150−Fsin 210 ……(27) 式25〜27により与えられる荷重力は例えばレーシングカー10の比較用の グリップ性能を評価する際の客観的基準として直接使用されてもよいが、これら の荷重力より 車輪24bに対する全ての力のバランスも求められる。この場合力のバランスを 完全なものにするために考慮されなければならない因子として、コーナリング中 に発生する横方向の遠心力、車輪24bの表面に作用する長手方向のリフト力、 上下方向及び横方向の抗力等の空気力学的力がある。 まず遠心力の影響を考慮すると、車輪24bとバンク角を有する楕円形のトラ ックとして示された地表平面35との間の関係を解図的に示す図8に於いて、ト ラックのバンク角φとトラック位置との間の既知のグラフより、トラックのバン ク角φがレーシングカー10の任意の瞬間的な位置について求められる。更に車 輪24b及びアップライト60bを含む系の質量mが一定であると仮定され、或 いは図9に示されている如く、系の質量250とトラック変位、即ちラップ数2 52との間の既知のグラフよりゴム及びブレーキパッドの損失を補償するために 計算される。更に長手方向中心線18に垂直な方向のレーシングカー10の横加 速度aが例えばアクセロメータ型のものであってよいセンサにより連続的に検出 される。車輪24b及びアップライト60の質量中心254について図8に示さ れている如く、m、a、φを求められた値として、車輪24bに作用する遠心力 の上下方向成分及び横方向成分はそれぞれ下記の式により求められる。 車輪24bに作用する遠心力の上下方向成分: m a sin φ……(28) 車輪24bに作用する遠心力の横方向成分: m a cos φ……(29) 次に車輪24bに作用する空気力学的力の影響について考える。まずレーシン グカー10の車速258の関数として車輪24bに作用する空気力学的力256 を示す図10を参照する。レーシングカー10の車速が判れば、或る与えられた 空気力学的環境及びトー及びキャンバの設定について車輪24bに作用する空気 力学的リフト力、横力、抗力が測定される。これらの測定値より図10に示され ている如き既知のグラフに基づき瞬間的な抗力260、リフト力262、横力2 64が求められる。車輪24bに作用する遠心力、空気力学的力、荷重力が図示 の如く求められると、全体としての力のバランスが求められる。 次にレーシングカー10の車輪に於けるグリップ力の測定に対する本発明の装 置及び方法の適用を前輪20bについて説明する。後輪の場合と同様、角度θ、 γ、αが図4乃至図6との関連で上述した如く求められる。更に図11に示され ている如く、シャシー12に対し固定されてはいない前輪20の如き車輪につい ては、ステアリングラック45の直線変位の関数としてキャンバ角γの変化を測 定することが有用である。ステアリングラック45の変位Mの関数としてキャン バ変化Δγを示す図11に示されている如き既知のグラフより、ステアリングラ ック45の或る与 えられた変位Mについて測定されたキャンバ角γを基準に対応するキャンバ変化 Δγが求められる。 図12には、前輪20b及びそのサスペンション部材、即ちアップライト38 b、ステアリングタイロッド44b、ステアリングラック45、アッパAアーム 46b、ロアAアーム48b、プッシュロッド54bが自由体線図として図示さ れている。また図1及び図3の力センサ80も図示されており、これらのセンサ はサスペンション部材に作用する荷重力ベクトルに対応する荷重力出力信号を発 生し、符号80e、80f、80g、80h、80rにて示されており、更に力 センサ80vも図示されている。センサ80により測定される力ベクトルの分解 及び地表平面35の如き共通の基準平面に対する力ベクトルの関連付けを容易に すべく、レーシングカー10の長手方向中心線18に垂直な方向、長手方向中心 線18に平行な方向、地表平面35に垂直な方向の座標軸x、y、zを基準に取 る。更に座標軸x、y、zを基準に下記の値を定義することが有用である。 またアッパAアーム46bの取り付け内端は長手方向中心線18を通って延在す るレーシングカー10の中央垂直平面より等距離の位置に隔置され、ロアAアー ム48bの取り付け内端も同様に中央垂直平面より等距離の位置に隔置されてい るものと仮定する。 角度θ、γ、αは図4乃至図6との関連で上述した如く求められる。更に或る 与えられたステアリングラックの変位Mについてのキャンバ変化Δγが、0に等 しい変位Mに於いて測定されたキャンバ角γを基準に図11との関連で上述した 如く求められる。角度θ、γ、αがかくして求められると、アッパAアーム46 bに作用する力の解析が以下の如く行われる。尚下記の式に於いて、全ての数字 は特に断らない限り数値ではなく符号を意味する。 (a) アッパAアーム46bの相対平面内に於ける横方向荷重力: Gcos 350+Hcos 360 ……(30) (b) 地表平面35に対し正規化されたアッパAアーム46bの横方向荷重力 : (Gcos 350+Hcos 360) * cos(90°−370+γ−Δγ+500)……(31) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた第一の正規化された上下方向 荷重力成分: (Gcos 350+Hcos 360) * sin(90°−370+γ−Δγ+500)……(32) (d) アッパAアーム46bの相対平面内に於ける長手方向荷重力: Gsin 350−Hsin 360 ……(33) (e) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力: (Gsin 350−Hsin 360) * cos(400+θ) ……(34) (f) 正規化された長手方向荷重力より求められた第二の正規化された上下方 向荷重力成分: (Gsin 350−Hsin 360) * sin(400+θ) ……(35) (g) 正規化された総上下方向荷重力成分: (Gcos 350+Hcos 360) * sin(90°−370+γ−Δγ+500) +(Gsin 350−Hsin 360)sin(400+θ) ……(36) 次ぎにロアAアーム48bに作用する力を以下の如く考える。 (a) ロアAアーム48bの相対平面内に於ける横方向荷重力: Icos 380−Jcos 390 ……(37) (b) 地表平面に対し正規化されたロアAアーム48bの横方向荷重力: (Icos 380−Jcos 390) * cos(410+500+γ−Δγ−90°)……(38) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた第一の正規化された上下方向 荷重力成分: (Icos 380−Jcos 390) * sin(410+500+γ−Δγ−90°)……(39) (d) ロアAアーム48bの相対平面内に於ける長手方向荷重力: Isin 380+Jsin 390 ……(40) (e) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力: (Isin 380+Jsin 390)cos(450+θ) ……(41) (f) 正規化された長手方向荷重力より求められた第二の正規化された上下方 向荷重力成分: (Isin 380+Jsin 390)sin(450+θ) ……(42) (g) 正規化された総上下方向荷重力成分: (Icos 380−Jcos 390) * sin(410+500+γ−Δγ−90°) +(Isin 380+Jsin 390)sin(450+θ) ……(43) 続けてタイロッド44bに作用する力を解析する。 (a) タイロッド44bの相対平面に於ける横方向荷重力: Kcos 430 ……(44) (b) 地表平面35に対し正規化された横方向荷重力: Kcos 430(cos(440−α))……(45) (c) 正規化された横方向荷重力より求められた正規化された上下方向荷重力 成分: Kcos 430(sin(440−α))……(46) (d) 地表平面35に対し正規化された長手方向荷重力成分: −Ksin 430 ……(47) 更にプッシュロッドの力成分を解析する。 (a) プッシュロッドよりの長手方向力: −Lsin 420 ……(48) (b) プッシュロッドの上下方向力: −Lcos 420 * (sin(460−410−500−γ+Δγ+90°)) ……(49) (c) プッシュロッドの横方向力: −Lcos 420 * (cos(460−410−500−γ+Δγ+90°)) ……(50) 式30〜50より、車輪20bを支持するサスペンショ ン部材38b、44b、45、46b、48b、54bに作用する瞬間的な全て の力のバランスが求められ、地表平面35に対し正規化される。従って車輪20 bと地表平面35との界面に於ける接触領域内の瞬間的なグリップ力の成分は以 下の通りである。 (a) 地表平面35に垂直な方向の総上下方向荷重力: (Gcos 350+Hcos 360) * sin(90°−370+γ−Δγ+500) +(Gsin 350−Hsin 360)sin(400+θ) +(Icos 380−Jcos 390) * sin(410+500+γ−Δγ−90°) +(Isin 380+Jsin 390)sin(450+θ) +Kcos 430 sin(440−α)−Lcos 420 * (sin(460−410−500−γ+Δγ+90°)) ……(51) (b) 地表平面35内にてレーシングカー10の長手方向中心線18に垂直な 方向の総横方向荷重力: (Gcos 350+Hcos 360) * cos( 90°−370+γ−Δγ+500) +(Icos 380−Jcos 390) * cos(410+500+γ−Δγ−90°) +Kcos 430(cos(440−α)) −Lcos 420 * (cos(460−410 -500−γ+Δγ−90°)) ……(52) (c) 地表平面35内にてレーシングカー10の長手方向中心線18に平行な 方向の総長手方向荷重力: (Gsin 350−Hsin 360)cos(400+θ) +(Isin 380+Jsin 390) * cos(450+θ)−Ksin 430−Lsin 420 ……(53) 前述の式の場合と同様、式51〜53により表される荷重力は、車輪24に作 用する遠心力及び空気力学的力の影響を含む全ての力のバランスを求める際の客 観的基準として直接使用されてよい。更に上述の解析はレーシングカー10の全 体としてのグリップ性能の評価を完全なものにすべくレーシングカー10の他の 各車輪20及び24について継続される。 図13及び図14に於いて、式4〜89に示された解析が後輪24bについて 図13A〜図13Gのブロック図に図示されており、前輪20bについて図14 A〜図14Eのブロック図に図示されている。図13及び図14のブロック図よ り、これらの図に示された工程及び入力/出力の関係はパーソナルコンピュータ 等の処理装置により実行される機械により読取り可能なファームウエア又はソフ トウエアプログラムに翻訳可能であることが理解されよう。図13Aには式4〜 27に示された工程の図式が符号600にて全体的に示されたブロック図として 図示されている。 まず図13Aに於いて、入力パラメータ又はセンサの読み入力がそれぞれ記号w 、r、f、Lo、i、o、Liにて示された値又は読みとしてブロック602、 604、606、608、610、612、614により受けられる。ブロック 620は入力w、r、fを受けて傾斜角θを演算し、ブロック622は入力Lo 、i、o、Liを受けてキャンバ角γを演算する。 アッパAアーム66b(図3参照)に於ける荷重力の解析を示す図13Bに於 いて、センサの読み入力はそれぞれ角度の読み140、力の読みA、力の読みB 、角度の読み120、角度の読み130、角度の読み100としてブロック63 0、632、634、636、638、640により受けられる。荷重力A、B 及び角度120、130はブロック632、634、636、638よりブロッ ク642により受けられ、該ブロック642に於いてアッパAアーム66bの相 対平面内に於ける横荷重力成分が求められる。同様に荷重力A、B及び角度12 0、130はブロック632、634、636、638よりブロック644によ り受けられ、該ブロック644に於いてアッパAアーム66bの相対平面内に於 ける方向荷重力成分が求められる。 次にブロック646及び648がそれぞれ地表平面35(図3参照)を基準と する相対横方向荷重力成分をブロック642より受け、相対長手方向荷重力成分 をブロック6 44より受ける。またブロック646はそれぞれブロック622(図32A参照 )及び630より角度γ及び140を受け、ブロック648はそれぞれブロック 620(図13A)及び645より角度θ及び100を受ける。ブロック646 及び648に於いて求められた正規化された横方向及び長手方向の荷重力成分は それぞれブロック650及び652に於いて地表平面35を基準とする荷重力の 上下方向成分を求めるために使用され、これらの上下方向の成分はブロック65 4に於いて加算され、これにより地表平面35を基準とする総上下方向荷重力が 求められる。 ロアAアーム68b(図3参照)に作用する荷重力の解析を示す図13Cに於 いて、追加のセンサの読みがそれぞれ角度の読み190、力の読みE、力の読み D、角度の読み170、角度の読み180、角度の読み220としてブロック6 60、662、664、666、668、670により受けられる。荷重力E、 D及び角度170、180はブロック662、664、666、668よりブロ ック672により受けられ、該ブロック672に於いてロアAアーム68bの相 対平面内に於ける長手方向荷重力成分が求められる。同様に荷重力E、D及び角 度170、180はブロック662、664、666、668よりブロック67 4により受けられ、該ブロック674に於いてロアAアーム68bの相対平面内 に於ける横方向荷重力成分が求められる。 次にブロック676及び682がそれぞれ地表平面35(図3参照)を基準と する相対長手方向荷重力成分をブロック672より受け、相対横方向荷重力成分 をブロック674より受ける。またブロック676はそれぞれブロック620( 図13A参照)及び660より角度θ及び190を受け、ブロック678はそれ ぞれブロック622(図13A参照)及び670より角度γ及び220を受ける 。ブロック676及び678に於いて求められた正規化された長手方向及び横方 向の荷重力成分はそれぞれブロック680及び682に於いて使用され、これに より地表平面35を基準とする荷重力の上下方向成分が求められ、これらの上下 方向の成分はブロック684に於いて加算され、これにより地表平面35を基準 とする総上下方向荷重力が求められる。 プッシュロッド76b(図3参照)に於ける荷重力の解析に関する図式600 を示す図13Dに於いて、センサの読み入力はそれぞれ角度の読み200、力の 読みF、角度の読み210としてブロック690、692、694により受けら れる。角度200、210及び荷重力Fはブロック690、692、694より ブロック696により受けられ、地表平面35を基準とする上下方向荷重力成分 が求められる。ブロック696は更にブロック670(図13C参照)より角度 220を受け、またブロック622(図13A参照)より角度γを受ける。同様 にブロック690、 692、694よりの角度200、210及び荷重力F、ブロック670よりの 角度220、ブロック622よりの角度γはブロック698により受けられ、地 表平面35を基準とする横方向荷重力成分が求められる。地表平面35を基準と する長手方向荷重力成分を求めるべく、ブロック700がブロック692より力 Fを受け、ブロック694より角度210を受ける。 タイロッド70b(図3参照)に於ける荷重力の解析に関する図式600を示 す図13Eに於いて、センサの読み入力はそれぞれ力の読みC及び角度の読み1 50、160としてブロック702、704、706により受けられる。力C及 び角度150はブロック702及び704よりブロック708により受けられ、 地表平面35を基準とする長手方向荷重力成分が求められ、またブロック710 により受けられ、タイロッド70bの相対平面内に於ける横方向荷重力成分が求 められる。ブロック710に於いて求められた相対横方向荷重力成分は、地表平 面35に対し正規化された横方向荷重力成分を求めるためにブロック712によ り使用され、また地表平面35に対し正規化された上下方向荷重力を求めるため にブロック714により使用される。更にブロック712及び714はそれぞれ ブロック706より角度160を受け、またブロック622(図13A参照)よ り角度γを受ける。かくして式4〜27により定義される工程は車輪24bと地 表平面35との間の界面 に於ける接触領域内の瞬間的な総上下方向グリップ力、総横方向横方向グリップ 力、総長手方向グリップ力を求めるために使用される。 図13Fに於いて、車輪24bの解析は式28及び29の遠心力を解析する工 程の構成である符号720にて全体的に示されたブロック図により行われる。ブ ロック図720に於いて、センサの読みはそれぞれラップ数の読み、トラック位 置の読み、横方向加速度の読みaとしてブロック722、724、726により 受けられる。ブロック722のラップ数の読みより、系の質量mが系の質量とラ ップ数との間の既知の関係に基づきブロック728に於いて求められる。同様に ブロック724のトラック位置の読みより、バンク角φがバンク角φとトラック 位置との間の既知の関係に基づきブロック730に於いて求められる。かくして 変数a、m、φが求められると、遠心力の上下方向成分がブロック732に於い て求められ、遠心力の横方向成分がブロック734に於いて求められる。 図13G及びそのブロック図740に於いて、車輪24bの周りの力のバラン スは車輪24bに作用する空気力学的力の解析により完全なものにされる。図1 0にグラフとして示された空気力学的抗力、リフト力、横力を解析する工程の構 成を示すブロック図740に於いて、センサの読みは車速としてブロック742 により受けられる。ブロック742の車速の読みより、空気力学的力の抗力成分 が抗 力と車速との間の既知の関係に基づきブロック744に於いて求められる。同様 に空気力学的力のリフト力及び横力の成分がリフト力と車速との間の既知の関係 及び横力と車速との間の既知の関係に基づきそれぞれブロック746及び748 に於いて求められる。 式30〜53に示された工程のための図式が符号800にて全体的に示された ブロック図として図示された図14A〜14Eを参照する。まず図14A及び図 14Eに於いて、入力パラメータ、即ちセンサの読み入力はそれぞれ記号w、r 、f、Lo、o、i、Li、a、b、cにより示された値、即ち読みとしてブロ ック802、804、806、808、810、812、814、816、81 8、820により受けられる。ブロック820は入力w、r、fを受けて傾斜角 θを演算し、ブロック822は入力Lo、i、o、Liを受けてキャンバ角γを 演算し、ブロック824は入力a、b、cを受けてロール角αを演算する。更に ブロック822に関し、ステアリングラック変位の読みMがブロック830によ り受けられ、更にブロック832により受けられ、該ブロック832に於いて変 位Mとキャンバ角変化Δγとの間の既知の関係に関連付けられる。かくしてキャ ンバ角γ及びキャンバ角変化Δγが求められると、キャンバ角γはブロック83 4に於いてシャシー12(図2参照)を通る横断方向垂直平面に対し関連付けら れる。ブロック834は更に角度の読み500を受ける。 アッパAアーム46b(図2参照)に於ける荷重力の解析を示す図14Bに於 いて、センサの読み入力は更にそれぞれ角度の読み370及び360、力の読み G及びH、角度の読み350及び400としてブロック840、842、844 、846、850により受けられる。角度360、350及び荷重力G、Hはブ ロック842、844、846、848よりブロック852により受けられ、該 ブロック852に於いてアッパAアーム46bの相対平面内に於ける横方向荷重 力成分が求められる。同様に角度360、350及び荷重力G、Hはブロック8 42、844、846、848よりブロック854により受けられ、該ブロック 854に於いてアッパAアーム46bの相対平面内に於ける長手方向荷重力成分 が求められる。 次にブロック856及び858がそれぞれ地表平面35(図2参照)を基準と する相対横方向荷重力成分をブロック852より受け、相対長手方向荷重力成分 をブロック854より受ける。またブロック856はそれぞれブロック834( 図14A参照)及びブロック840よりシャシー12を通る横断方向垂直平面を 基準とするキャンバ角γ及び角度370を受ける。更にブロック858はそれぞ れブロック820(図14A参照)及び850より角度θ及び400を受ける。 ブロック856及び858に於いて求められた正規化された横方向及び長手方向 の荷重力成分は、地表平面35を基準とする荷重力の上下方向成分を求める ためにそれぞれブロック860及び862に於いて使用され、かくして求められ た上下方向成分はブロック864に於いて加算され、これにより地表平面35を 基準とする総上下方向荷重力が求められる。 ロアAアーム48b(図2参照)に作用する荷重力の解析を示す図14Cに於 いて、追加のセンサの読みがそれぞれ角度の読み410、力の読みJ、力の読み I、角度の読み380、角度の読み390、角度の読み450としてブロック8 70、872、874、876、878、880により受けられる。荷重力J、 I及び角度380、390はブロック872、874、876、878よりブロ ック882により受けられ、該ブロック882に於いてロアAアーム48bの相 対平面内に於ける横方向荷重力成分が求められる。同様に荷重力J、I及び角度 380、390はブロック872、874、876、878よりブロック884 により受けられ、該ブロック884に於いてロアAアーム48bの相対平面内に 於ける長手方向荷重力成分が求められる。 次にブロック886及び888がそれぞれ地表平面35(図2参照)を基準と する相対横方向荷重力成分をブロック882より受け、相対長手方向荷重力成分 をブロック884より受ける。またブロック886はそれぞれブロック834( 図14A参照)及び870よりシャシー12を通る横断方向垂直平面を基準とす るキャンバ角γ及び410 を受ける。更にブロック888はそれぞれブロック820(図14A参照)及び 880より角度θ及び450を受ける。ブロック886及び888に於いて求め られた正規化された横方向及び長手方向の荷重力成分はそれぞれブロック890 及び892に於いて使用され、これにより地表平面35を基準とする荷重力の上 下方向成分が求められ、この上下方向の成分はブロック894に於いて加算され 、これにより地表平面35を基準とする総上下方向荷重力が求められる。 プッシュロッド54b(図2参照)に於ける荷重力の解析に関する図式800 を示す図14Dに於いて、センサの読み入力はそれぞれ角度の読み460、力の 読みL、角度の読み420としてブロック900、902、904により受けら れる。角度460、420及び荷重力Lはブロック900、902、904より ブロック906により受けられ、地表平面35を基準とする上下方向荷重力成分 が求められる。ブロック906は更にブロック834(図14A参照)よりシャ シー12を通る横断方向垂直平面を基準とするキャンバ角γを受ける。同様にブ ロック900、902、904よりの角度460、420及び荷重力L、ブロッ ク834よりのシャシー12を通る横断方向垂直平面を基準とするキャンバ角γ はブロック908により受けられ、地表平面35を基準とする横方向荷重力成分 が求められる。地表平面35を基準とする長手方向荷重力成分を求 めるべく、ブロック910はブロック902より力Lを受け、ブロック904よ り角度420を受ける。 タイロッド44b(図2参照)に於ける荷重力の解析に関する図式800を示 す図14Eに於いて、センサの読み入力はそれぞれ力の読みK及び角度の読み4 40、430としてブロック920、922、924により受けられる。力K及 び角度430はブロック920及び924よりブロック926により受けられ、 ステアリングタイロッド44bの相対平面内に於ける横方向荷重力成分が求めら れる。ブロック926に於いて求められた相対横方向荷重力成分は、地表平面3 5に対し正規化された横方向荷重力成分を求めるためにブロック928により使 用される。更にブロック928はブロック922より角度440を受け、またブ ロック824よりロール角αを受ける。同様に地表平面35を基準とする長手方 向荷重力成分を求めるべく、ブロック932はブロック924より角度430を 受け、ブロック920より力の読みKを受ける。かくして式30〜53により定 義される工程は車輪20bと地表平面35との間の界面に於ける接触領域内の瞬 間的な総上下方向グリップ力、総横方向横方向グリップ力、総長手方向グリップ 力を求めるために使用される。 次に図15を参照して乗用車等の車輪に於けるグリップ力の測定に適用された 本発明の装置及び方法を符号1000にて全体的に示された車輪及びアップライ ト系について 説明する。車輪及びアップライト系1000は車輪1002を含み、車輪100 2はアクスル中心線1005を有するアクスル1004に支持されており、車輪 1002はそれが載置された地表平面1010に垂直な線1008により示され た平面に対しキャンバ角γをなすよう上下方向中心線1006に沿って配置され ている。アクスル1004はカップリング1012により第一の中間荷重部材1 014に枢着されており、第一の中間荷重部材1014はトーリンクであってよ く、カップリング1018によりシャシー1016に枢着された枢点まで延在し ている。ロードレーシングカー10のシャシー12の場合と同様、シャシー10 16の下面は底面1020を郭定しており、底面1020は地表平面1010に 対し傾斜角θ(図4参照)を郭定している。 シャシー1016に対する衝撃力を減衰させるべく、符号1021にて全体的 に示されたマクファーソン型のものであってよいストラット型のピストン部材が 設けられている。ストラット1021はシャシー1016より車輪1002の上 下方向中心線1006に対し所定の角度βをなす長手方向中心線1024に沿っ てアクスル1004を支持するアップライト1022まで延在している。またス トラット1021はアウタスプリング1026と可動のピストン部(図示せず) を有するストラット型のインナピストン部材1028とを有している。 Aアーム、ウィッシュボーン等であってよい第二の中間荷重部材1030がシ ャシー1016を車輪1002上に支持している。第二の中間荷重部材1030 はユニバーサルジョイント1032によりシャシー1016に枢着された第一の 端部とユニバーサルジョイント1034によりアップライト1022に枢着され た第二の端部とを有している。 ロードレーシングカー10のサスペンション28及び30の構成部材の場合と 同様、系1000のサスペンション部材にもそれらに作用する瞬間的な荷重力ベ クトルを測定する力センサが設けられている。力センサは系1000の構成部材 とシャシー1016との間に配置されてもよく、構成部材とアップライト102 2との間にて構成部材上に直接配置されてもよく、後に詳細に説明する如くアク スル1004の軸受とアップライト1022との間に配置されてもよい。しかし センサの組み込み及びデータの解析を容易にするためには、それぞれブロック1 036、1037、1038、1040、1041にて示された一連の荷重セン サにより部材1014、1021、1030をアップライト1022より隔離す ることが好ましい。荷重センサ1038の構成を詳細に示す図16に詳細に示さ れている如く、測定される力が単純に加算されるよう荷重センサ1042a〜1 042gがストラット1021の長手方向軸線1024に垂直に又は平行に配置 される。荷重センサ10 36及び1040を含む荷重センサも力の加算が容易に行われるようアクスル中 心線1005又は車輪の上下方向中心線1006に垂直に又は平行に配置される 。荷重センサ1038については、フランジ部1046を有する荷重隔離部材1 044がアップライト1022(図13参照)とストラット1021との間に介 装される。ロードセル1042が荷重隔離部材1044とアップライト1022 との間に配置され、ストラット1021及びそのピストン部材1028はアップ ライト1022より隔離される。同様にセンサ1036、1037、1040、 1041も中間荷重部材1030及び1014をシャシー1016及びアップラ イト1022より隔離することによって力の加算が容易に行われるよう荷重隔離 部材を含んでいる。 図17に於いて、車輪及びアップライト系1000、即ちトーリンク1014 、ストラット1021、中間荷重部材1030を含むサスペンション部材に於い て測定される力が説明の目的で自由体の力線図として図示されている。測定され る力の分解及びそれらの力の地表平面1010の如き共通の基準平面に対する関 連付けを容易にすべく、それぞれアクスル中心線1005に平行な横方向、アク スル中心線1005に垂直な長手方向、車輪の上下方向中心線1006に平行な 上下方向に設定された相対座標軸x、y、zを基準に取り、これによりアップラ イト1022の相対水平平面、相対横方向平面、相対上下方向平面を定義する。 更に相対座標軸x、y、zを基準に下記の値を定義することが有用である。 角度θ及びγは図4及び図5との関連で上述した如く求められ、角度βは図1 3との関連で上述した如く求められる。角度θ、γ、βが求められると、ストラ ット1021の荷重隔離部材1044に作用する力が以下の如く解析される。尚 下記の式に於いて、全ての数字は特に断らない限り数値ではなく符号を意味する 。 (a) アップライト1022の相対平面に於ける上下方向荷重力: (1340−1330)sinβ+(1380−1370)sinβ +(1390−1400−1410)cosβ……(54) (b) アップライト1022の相対平面に於ける横方向 荷重力1022: (1340−1330)cosβ+(1380−1370)cosβ +(1410−1390−1400)sinβ……(55) (c) アップライト1022の相対平面に於ける長手方向荷重力1022: 1350−1360……(56) 次にトーリンク1014に作用する力について以下の如く考える。 (a) アップライト1022の相対平面に於ける上下方向荷重力: 1260−1250……(57) (b) アップライト1022の相対平面に於ける横方向荷重力: 1320−1310……(58) (c) アップライト1022の相対平面に於ける長手方向荷重力: 1270+1290−1300−1280……(59) また中間荷重部材1030に作用する力について以下の如く考える。 (a) アップライト1022の相対平面に於ける上下方向荷重力: 1180−1170……(60) (b) アップライト1022の相対平面に於ける横方向荷重力: 1240−1230……(61) (c) アップライト1022の相対平面に於ける長手方向荷重力: 1190+1210−1220−1200……(62) 式54〜62により求められた力を加算してアップライト1022の相対平面 に於ける総上下方向荷重力、総横方向荷重力、総長手方向荷重力を求める。 (a) アップライト1022の相対平面に於ける総上下方向荷重力: (1340-1330)sinβ+(1380−1370)sinβ +(1390−1400−1410)cosβ +1260−1250+1180−1170……(63) (b) アップライト1022の相対平面に於ける総横方向荷重力: (1340−1330)cosβ+(1380−1370)cosβ +(1410−1390−1400)sinβ +1320−1310+1240−1230……(64) (c) アップライト1022の相対平面に於ける総長手方向荷重力: 1350−1360+1270+1290−1300 −1280+1190+1210−1220−1200……(65) 式63の総上下方向荷重力を地表平面1010に対し正規化する。 (a) 正規化された上下方向荷重力成分: −式63/√((1+(tanγ)2+(tanθ)2) ……(66) (b) 正規化された横方向荷重力成分: (−式63)tanθ /√((1+(tanγ)2+(tanθ)2)……(67) (c) 正規化された長手方向荷重力成分: (−式63)tan γ /√((1+(tanγ)2+(tanθ)2)……(68) 式65の総長手方向荷重力を地表平面1010に対し正規化する。 (a) 正規化された上下方向荷重力成分: 式65/√((1/cos γ)2+(1/sinθ)2−1) ……(69) (b) 正規化された横方向荷重力成分: ((−式65)tanθ) /√((1/cos γ)2+(1/sinθ)2−1) ……(70) (c) 正規化された長手方向荷重力成分: (−式65) /(tanγ√((1/cos γ)2+(1/sinθ)2−1)) ……(71) 式64の総横方向荷重力を地表平面1010に対し正規化する。 (a) 正規化された上下方向荷重力成分: 式64/√((1/sin γ)2+(1/cosθ)2−1) ……(72) (b) 正規化された横方向荷重力成分: (式64) /(tanγ√((1/sin γ)2+(1/cosθ)2−1)) ……(73) (c) 正規化された長手方向荷重力成分: ((式64)tanθ) /√((1/sinγ)2+(1/cosθ)2−1) ……(74) 式66〜74より、系1000に於ける瞬間的な全体としての力のバランスが 地表平面1010について求められ、車輪1002の比較用のグリップ性能を評 価する際の客観的基準として使用される。更にロードレーシングカー10との関 連で上述した如く、車輪1002に作用する遠心力及び空気力学的力の影響を含 む全体としての力のバランスが求められる。 図18A〜図18Dには式54〜74に示された工程が符号1500にて全体 的に示されたブロック図として図示されている。まず図18Aに於いて、入力パ ラメータ、即ちセンサの読み入力がそれぞれ記号w、r、f、Lo、o、i、L i、βにて表現される値又は読みとしてブロック1510、1520、1530 、1540、1550、1560、1570、1580により受けられる。ブロ ック1 600が入力w、r、fを受けて傾斜角θを演算し、ブロック1610が入力L o、i、o、Liを受けてキャンバ角γを演算する。 ストラット1021(図15参照)に於ける荷重力の解析を示す図18Bに於 いて、センサの読み入力がそれぞれ荷重力1330、1340、1370、13 80、1390、1400、1410、1350、1360としてブロック17 00、1702、1704、1706、1708、1710、1711、171 2、1714により受けられる。荷重力1330、1340、1370、138 0、1390、1400、1410はブロック1700、1702、1704、 1706、1708、1710、1711よりブロック1720により受けられ 、該ブロック1720に於いてアップライト1022(図15参照)の相対軸に 於ける上下方向荷重力が求められる。同様に荷重力1330、1340、137 0、1380、1390、1400、1410はブロック1700、1702、 1704、1706、1708、1710、1711よりブロック1722によ り受けられ、該ブロック1722に於いてアップライトの相対軸に於ける横方向 荷重力が求められる。同様にブロック1724がそれぞれブロック1712及び 1714より荷重力1350及び1360を受け、アップライトの相対軸を基準 とする長手方向荷重力を演算する。 次にブロック1730、1732、1734がそれぞれ 地表平面1010(図15参照)を基準とする相対上下方向荷重力をブロック1 720より受け、相対横方向荷重力をブロック1722より受け、相対長手方向 荷重力をブロック1724より受ける。またブロック1730及び1732はそ れぞれ図18Aのブロック1580、1600、1610より角度β、θ、γを 受け、地表平面を基準としてストラット1021に作用する荷重力の上下方向成 分、横方向成分、長手方向成分を演算する。更にブロック1734は図18Aの ブロック1600より角度θを受け、ブロック1610より角度γを受ける。 トーリンク1014(図15参照)に作用する荷重力の解析を示す図18Cに 於いて、センサの読み入力がそれぞれ荷重力1260、1250、1320、1 310、1270、1290、1300、1280としてブロック1800、1 802、1804、1806、1808、1810、1812、1814により 受けられる。荷重力1260及び1250はそれぞれブロック1800及び18 02よりブロック1820により受けられ、該ブロック1820に於いてアップ ライト1022(図15参照)の相対軸に於ける上下方向荷重が求められる。同 様に荷重力1320及び1310はそれぞれブロック1804及び1806より ブロック1822により受けられ、該ブロック1822に於いてアップライトの 相対軸に於ける横方向荷重が求められる。同様にブロック1824がそれぞれブ ロック1 808、1810、1812、1814より荷重力1270、1290、130 0、1280を受け、アップライトの相対軸を基準とする長手方向荷重力を演算 する。 次にブロック1830、1832、1834が地表平面1010(図15参照 )を基準とする相対上下方向荷重力をブロック1820より受け、相対横方向荷 重力をブロック1822より受け、相対長手方向荷重力をブロック1824より 受ける。また1830、1832、1834はそれぞれ図18Aのブロック16 00及び1610より角度θ及びγを受け、地表平面を基準としてトーリンク1 114に作用する荷重力の上下方向成分、横方向成分、長手方向成分を演算する 。 中間荷重部材1030(図15参照)に作用する荷重力の解析を示す図18D に於いて、センサの読み入力はそれぞれ荷重力1170、1180、1240、 1230、1190、1210、1220、1200としてブロック1900、 1902、1904、1906、1908、1910、1912、1914によ り受けられる。荷重力1170及び1180はそれぞれブロック1900及び1 902よりブロック1920により受けられ、該ブロック1920に於いてアッ プライト1022(図15参照)の相対軸に於ける上下方向荷重が求められる。 同様に荷重力1240及び1230はそれぞれブロック1904及び1906よ りブロック1922により受けられ、該ブロック19 22に於いてアップライトの相対軸に於ける横方向荷重が求められる。同様にブ ロック1924がそれぞれブロック1908、1910、1912、1914よ り荷重力1190、1210、1220、1200を受け、アップライトの相対 軸を基準とする長手方向荷重力を演算する。 次にブロック1930、1932、1934がそれぞれ地表平面1010(図 15参照)を基準とする相対上下方向荷重力をブロック1920より受け、相対 横方向荷重力をブロック1922より受け、相対長手方向荷重力をブロック19 24より受ける。またブロック1930、1932、1934は図18Aのブロ ック1600及び1610より角度θ及びγを受け、地表平面を基準として中間 荷重部材1030に作用する荷重力の上下方向成分、横方向成分、長手方向成分 を演算する。かくして式75〜89により定義される工程は車輪1002と地表 平面との間の界面に於ける接触領域内の瞬間的な総上下方向グリップ力、総横方 向グリップ力、総長手方向グリップ力を求めるために使用される。 図19に於いて、本発明を実施するための他の一つの構成であって、任意の型 式のサスペンションに組み込まれるのに適した他の一つの構成が符号2000に て全体的に示された代表的な車輪及びアップライト系の解図との関連で図示され ている。車輪及びアップライト系2000はアクスル2004に支持された車輪 2002を含み、アクスル 2004はアップライト2006により支持されている。アクスル2004がア ップライト2006内にて回転可能であるよう、アクスル2004とアップライ ト2006との間には軸受2008が介装されている。一般に図示の他の一つの 構成はサスペンション部材又はサスペンション部材とアップライト又はシャシー との間に作用する荷重力ではなくアクスルとアップライトとの間に作用する荷重 力を測定するために設けられる。かくしてフランジ2012を有するよう構成さ れる荷重担持部材2010がアクスル2004とアップライト2006との間に 介装される。符号2014a、2014b、2014d、2014eにて示され ている如く、ロードセル型のものであることが好ましい力センサがアクスル20 04及び車輪2002をアップライト2006より隔離すべく荷重担持部材20 10とアップライト2006との間に介装される。更に第三のロードセル対(図 示せず)が系2000の計測を完全なものにするために使用されてよい。 図20には、中間荷重担持部材2010について測定される力がそれぞれアッ プライト2006の相対的横方向軸線、相対的長手方向軸線、相対的上下方向軸 線の方向に設定された相対座標軸x、y、zとの関連で自由体線図として図示さ れている。中間荷重担持部材2010及びそのフランジ部2014について測定 される荷重力が符号2110、2120、2130、2140、2150、21 60、 2170、2180、2190、2200にて図示されており、下記の荷重力成 分がアップライト2006の相対的横方向軸線、相対的長手方向軸線、相対的上 下方向軸線を基準に求められる。 (a) アップライト2006の相対平面に於ける上下方向荷重力: 2120+2160−2150−2110……(75) (b) アップライト2006の相対平面に於ける横方向荷重力: 2200−2190……(76) (c) アップライト2006の相対平面に於ける長手方向荷重力: 2180+2140−2170−2130……(77) アクスル2004は車輌の中心線に対し相対的にトーイン又はトーアウト方向 に変化しないものと仮定して、式75〜77により示される荷重力が図4及び図 5との関連で上述した如く求められてよい傾斜角θ及びキャンバ角γを介して地 表平面に関連付けられる。更に車輪2002がシャシーに対し相対運動する際に アップライト2006が回転するものと仮定して他の一つの角度ωが地表平面の 長手方向を基準にしたアップライト2006の回転として定義される。回転角ω は例えば地表平面を基準に測定された回転角度ωとシャシーに対するAアームの 如きサスペンション部材の角度変位σとの間の既知の関係より求められる。 かくして角度θ、γ、ωが求められると、横方向の基準座標軸X、長手方向の基 準座標軸Y、上下方向の基準座標軸Zにより郭定される地表平面を基準に図20 より得られた力を示す図21を参照して、式75〜77より分解された下記の正 規化された荷重力成分が求められる。 (a) 式75の上下方向荷重力より求められた地表平面に於ける上下方向荷重 力V1: 式75/√(((1+(tan γ)2+(tan(ω+θ))2) ……(78) (b) 式75の上下方向荷重力より求められた地表平面に於ける長手方向荷重 力V2: ((式75)tan(ω+θ)) /√(((1+(tan γ)2+(tan(ω+θ))2) ……(79) (c) 式75の上下方向荷重力より求められた地表平面に於ける横方向荷重力 V3: −((式75)tanγ) /√(((1+(tan γ)2+(tan(ω+θ))2) ……(80) (d) 式77の長手方向荷重力より求められた地表平面に於ける長手方向荷重 力L1: 式77/(tan(ω+θ) * √(1/(cos γ)2+1/(sin(ω+θ))2−1)) ……(81) (e) 式77の長手方向荷重力より求められた地表平面に於ける横方向荷重力 L2: 式77(tanγ) /√(1/(cos γ)2+1/(sin(ω+θ))−1) ……(82) (f) 式77の長手方向荷重力より求められた地表平面に於ける上下方向荷重 力L3: −(式77)/ /√(1/(cos γ)2+1/(sin(ω+θ))2−1) ……(83) (g) 式76の横方向荷重力より求められた地表平面に於ける上下方向荷重力 H2: 式76 /√(1/(sin γ)2+1/(cos(ω+θ))2−1) ……(84) (h) 式76の横方向荷重力より求められた地表平面に於ける横方向荷重力H1 : 式76/(tanγ * √(1/(sin γ)2+1/(cos(ω+θ))2−1)) ……(85) (i) 式76の横方向荷重力より求められた地表平面に於ける長手方向荷重力 H3: 式76(tan(ω+θ)) /√(1/(sin γ)2+1/(cos(ω+θ))2−1) ……(86) 正規化された力の上下方向成分、横方向成分、長手方向成分が式78〜86に よ、与えられると、車輪2002と地表平面との間の界面に於ける接触領域内の 瞬間的な加算された総グリップ力が以下の如く表される。 (a) 地表平面の上下方向Zの総荷重力: V1+L3+H2……(87) (b) 地表平面の上下方向Yの総荷重力: V2+L1+H3……(88) (c) 地表平面の上下方向Xの総荷重力: V3+L2+H1……(89) 図22A及び図22Bに於いて、式75〜89により示された工程が符号25 00にて全体的に示されたブロック図として図示されている。ブロック図250 0に於いて、入力パラメータ、即ちセンサの読み入力がそれぞれ記号Lo、i、 o、Li、w、r、f、σにて表現される値又は読みとしてブロック2510、 2520、2530、2540、2550、2560、2570、2580によ り受けられる。ブロック2600が入力Lo、i、o、Liを受けてキャンバ角 γを演算し、ブロック2610が入力w、r、fを受けて傾斜角θを演算する。 角度変位σはブロック2580よりブロック2590により受けられて回転角ω と角度変位σとの間の既知の関係に関連付けられ、それらの関係がブロック26 20により受けられて回転角度ω が演算される。 またセンサの読み入力はそれぞれ荷重力2120、2160、2150、21 10、2200、2190、2180、2140、2170、2130としてブ ロック2720、2760、2750、2710、2800、2790、278 0、2740、2770、2730により受けられる。荷重力2120、216 0、2150、2110はブロック2720、2760、2750、2710よ りブロック2810により受けられ、該ブロック2810に於いてアップライト 2006(図19参照)の相対軸に於ける上下方向荷重が求められる。同様に荷 重力2200及び2190はそれぞれブロック2800及び2790よりブロッ ク2820により受けられ、該ブロック2820に於いてアップライトの相対軸 に於ける横方向荷重が求められる。同様にブロック2830がそれぞれブロック 2780、2740、2770、2730より荷重力2180、2140、21 70、2130を受け、アップライトの相対軸を基準とする長手方向荷重力を演 算する。 次にブロック2900、2910、2920がそれぞれ地表平面を基準とする 相対上下方向荷重力をブロック2810より受け、相対横方向荷重力をブロック 2820より受け、相対長手方向荷重力をブロック2830より受ける。またブ ロック2900、2910、2920はそれぞれブロック2600、2610、 2620より角度γ、θ、ω を受ける。かくして式75〜89により定義される工程は車輪2002と地表平 面との間の界面に於ける接触領域内の瞬間的な総上下方向グリップ力、総横方向 クリップ、総長手方向グリップ力を求めるために使用される。 図23には、図19の荷重担持部材2010の他の一つの実施形態が車輪に組 み込まれた状態にて符号3000にて全体的に示されており、車輪は説明の目的 でインディ型又はフォーミュラ1型の従動後輪として符号3010にて全体的に 示されている。尚車輪3010はレーシングカーの前輪、即ち駆動輪であっても よく、或いは乗用車の前輪又は後輪であってもよい。何れにせよ車輪3010は 上下方向中心線3020及び軸中心線3030に対し配向される。また車輪30 10はリム部3040を含み、地表平面3060と接触した状態にて図示された タイヤ3050がリム部の周りに取り付けられている。リム部3040はアクス ル3080を介して対応するアップライト3070に支持されており、アクスル 3080は車輪3010を支持する第一の外端3090よりアップライト307 0により受けられた第二の内端3100まで延在している。更に図24に於いて 、アップライト3070は多数のサスペンション部材を介してシャシー(図示せ ず)に枢着されるよう、複数個のフランジ部3102、3104、3106、3 108(図24参照)まで外方へ延在する状態にて一体的に形成されている。説 明の目的で、これらのサスペンション 部材は図23に於いてはそれぞれアッパAアーム3110、トーリンク3120 、プッシュロッド3130としてフランジ部3102、3104、3106に連 結されており、フランジ部3108に枢着されたロアAアームは図に於いては隠 れている。或いはこれらのサスペンション部材は乗用車のショックアブソーバ、 マクファーソンストラット、トーリンク、又はウィッシュボーンとして設けられ てもよい。何れにせよ車輪3010は仮想線にて示されたホイールナット又は他 の締結要素3135によりアクスル3080に保持される。 上述の種々の構成に於いて一般的である如く、車輪3010はアクスル308 0に同軸に受けられたブレーキディスク3140を含んでいる。ブレーキディス ク3140は対応するベル3150を有し、ベル3150は複数個の締結要素( 一対の締結要素が共通の符号3160にて示されている)によりブレーキディス ク3140に取り付けられている。ベル3150はリム部3040に取り付けら れるよう該リム部まで外方へ延在し、またアクスル3080のフランジ部317 0まで外方へ延在している。複数個のラグ(一対のラグが共通の符号3180に て示されている)がフランジ部3170及びベル3150を貫通して延在しリム 部3040とねじ係合するよう設けられている。ブレーキディスク3140を換 気すべく、アップライト3070は複数個の荷重伝達ベーンを有するよう形成さ れ、荷重 伝達ベーンの一つが符号3190にて示されている。 更に車輪3010は図23に於いては地表平面3060の座標系内にてそれぞ れ符号3200a及び3200bにて示された正の横力及び負の横力に曝される よう図示されている。車輪3010の座標系に於いては、横力3200はアクス ル3080とアップライト3070との間に作用する符号3210にて示された 力ベクトルに対応している。図19乃至図22との関連で上述した方法に於いて は、力ベクトル3210は符号3220にて示されたキャンバ角γに関連付ける ことによって地表平面3060に対し正規化される。 横力ベクトル3210の大きさ及び相対方向を測定すベく、荷重担持部材30 00は図24及び図25に示された構造を有するよう構成されている。特に図2 5に於いて、荷重担持部材3000はプラネタリ軸受キャリア3300を含んで いる。軸受キャリア3300はアクスル3080と共に直線運動し得るようアク スル3080に同軸に受けられており、また第一の外端3310より力伝達部3 330を郭定するよう構成された第二の内端3320まで延在している。アクス ル3080が軸受キャリア3300内にて回転し得るよう、符号3340にて全 体的に示された回転軸受組立体が軸受キャリア3300とアクスル3080との 間に介装されている。同様に軸受キャリア3300がアップライト3070に対 し相対的に直線運動し得るよう、 符号3350にて全体的に示された第一のリニア軸受組立体がアップライト30 70と軸受キャリア3300との間に介装されている。少なくとも一つの力セン サ(一対の力センサが符号3360a及び3360bにて示されている)が軸受 キャリア3300の力伝達部3330に接続されており、この力センサは力伝達 部の直線運動に応答して横力ベクトル3200の大きさ及び相対方向に対応する 荷重力出力信号を発生する。仮想線にて示されたリテーナ3362が荷重担持部 材3000を含む組立体をアクスル3080に固定するために設けられている。 リテーナ3362は更に車輪3010(図23参照)の等速ジョイント又は他の ジョイントのハウジング3364をアクスル3080に固定している。 第一のリニア軸受組立体3350はアップライト3070との間にて軸受キャ リア3300に同軸に受けられた実質的に円筒形の軸受ケージ3370を含んで いる。図26に詳細に示されている如く、軸受ケージ3370は外端3380と 内端3390との間に延在し、それぞれ共通の符号3400にて示された複数個 の半径方向に配列された孔を有している。また図25に於いて、共通の符号34 10にて示された少なくとも一つの、好ましくは複数個の半径方向に配列された ボール軸受が孔3400内にて回転し得るよう孔3400内に保持されており、 これにより軸受キャリア3300がアップライト3070に対し相対的に直 線運動し得るようになっている。ボール軸受3410は一対の実質的に円筒形の レース部材3420a及び3420bにより孔3400内に保持されており、各 レース部材は軸受ケージ3370の対応する端部3380又は3390の周りに 同心に配置されている。更にスペーサ部材3430がリニア軸受組立体のレース 部材3420の間にて軸受ケージ3370の周りに同心に配置されており、これ によりレース部材と軸受ケージとが隔置された状態に維持されている。 アクスル3080が軸受キャリア3300内にて回転することにより発生され る半径方向の荷重を担持すべく、回転軸受組立体3340が設けられており、こ の軸受組立体は複数個の半径方向に配列されたローラ軸受(そのうちの一つが符 号3440にて示されている)を含んでいる。ローラ軸受3440は実質的に円 筒形のアウトボード側の回転軸受レース3450内にてアクスル3080と軸受 キャリアの第一の端部3310との間に保持されている。また回転軸受組立体3 340は実質的に円筒形のインボード側の回転軸受レース3470内にてアクス ル3080と軸受キャリアの第二の端部3320との間に保持された複数個の半 径方向に配列されたボール軸受(そのうちの一つが3460にて示されている) を含んでいる。軸受レース3450は軸受キャリア3300の内方へ延在する第 一のフランジ部3472内に保持されている。図示の如くインボー ド側の回転軸受レース3470は軸線方向の荷重及び半径方向の荷重を担持する 二列式の回転接触構造を郭定する二つの部分よりなる組立体として構成されてい る。また軸受レース3470はスナップリング3480及び軸受キャリア330 0の内方へ延在する第二のフランジ部3482により軸受キャリア3300内に 保持されている。 アクスル3080が軸受キャリア3300内にて回転すると、軸受キャリア3 300に対し実質的に接線方向の軸受抗力が発生し、軸受キャリアにはトルクが 及ぼされる。従って軸受キャリア3300がアップライト3070に対し角方向 に位置決めされた状態を維持すべく、符号3500にて全体的に示された回転防 止組立体が設けられており、この回転防止組立体は軸受キャリア3300がアク スル3080の周りに回転することを抑制するようアップライト3070に連結 されている。回転防止組立体3500はアップライト3070に螺合する外端3 520より内端3530まで実質的にアクスル3080に沿って延在する細長い スタッド部材3510aを含んでいる。軸受キャリアの第二の端部3320はス タッド部材3510aに連結されるようインボード方向へ延在し、これにより外 端3520と内端3530との間にてスタッド部材3510に同軸に受けられた 第一のボス部3540を郭定している。符号3550にて全体的に示された第二 のリニア軸受組立体が軸受キャリアの第一のボス部3540とスタッド部材35 1 0aとの間に介装され、これによりボス部3540がスタッド部材3510aに 沿って直線運動し得るようになっている。第二のリニア軸受組立体3550はア ウタレース3570内にてスタッド部材3510aと軸受キャリアの第一のボス 部3540との間に保持された複数個の半径方向に配列されたボール軸受(その うちの一つが符号3560にて示されている)を含んでいる。第一のボス部35 40がアウタレースに沿って容易に運動し得るよう、細長いスタッド部材351 0aはスリーブ3580内に受けられており、スリーブ3580はボール軸受3 560のためのインナレースを郭定すると共に第一の荷重センサの保持部材35 82aのための間隔を与えている。 横力ベクトル3210の大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号を容易 に発生し得るよう、力センサ3360a及び3360bが対をなして互いに対向 するようアップライト3070と軸受キャリア3300との間に配置されている 。一対の一方向のロードセルとして設けられてよい各力センサ3360は、例え ば60のロックウェル硬さになるよう硬化処理された対応する軸受面3610a 及び3610bに対向するよう配置されている。軸受面3610aはロードセル のボタン3612の対向面として設けられており、軸受面3610bは第二の荷 重センサの保持部材3582bの対向面として設けられている。更に図24に於 いて、保持部材3582bが一対の対応するスタッド 部材3614a及び3614bと共に荷重センサ3360をアップライト307 0内に固定している。図示の構造に於いては、第一の荷重センサの保持部材35 82aには第二の一対の荷重センサ(図示せず)をアップライト3070内に固 定するための対応するスタッド部材3510a及び3510bが設けられている 。スタッド部材3510aについて説明した如く、各スタッド部材3510及び 3614はスタッド部材3614について図23に於いて符号3616にて示さ れた対応するスリーブ内に配置され、これにより保持部材3582が対応する一 対の荷重センサ3360に対し適正な間隔に保持されている。荷重担持部材30 00の上述の構造により任意の数の荷重センサ又は荷重センサ対をアクスル30 80の周りの半径位置に容易に配置することができる。従ってアクスル3080 とアップライト3070との間に作用する偏差的な横力ベクトル(コーナリング 、旋回等の際に車輪3010(図1参照)に作用する)の測定は本発明の範囲内 に属するものである。 軸受キャリアの力伝達部3330は力センサ3360に接続可能であるよう、 力センサ3360の間に介装された第二のボス部3620まで延在している。第 二のボス部3620は軸受キャリア3300及びアクスル3080と共に直線運 動して各力センサ3360のダイヤフラム要素3630a及び3630bを軸受 面3610の対応する一つに当接し力伝達可能に係合する状態に選択的に付勢す るよ う構成されている。各力センサ3360はこの力伝達係合に応答し、これにより ベクトル3210の如き瞬間的な少なくとも横方向荷重力ベクトルに対応する荷 重力出力信号を発生する。次いでベクトル3210は処理装置(図示せず)によ り車輪3010の相対平面(図1参照)を基準に車輪3010と地表平面306 0(図1参照)との間に作用する瞬間的なグリップ力に対応する横方向荷重力の 主要な成分に分解される。 作動に於いては、アクスル3080が回転軸受組立体3340に沿って軸受キ ャリア3300内にて回転し、軸受キャリア3300は例えば横力ベクトル32 10に応答して第一のリニア軸受組立体3350に沿ってアクスル3080と共 に直線移動せしめられる。アップライト3070に対するかかる直線運動は約0 .002インチ(0.05mm)である。軸受キャリアの第二の端部3320の力 伝達部3330は力センサ3360と係合しているので、軸受キャリア3300 が直線運動することにより力センサ3360が対向する軸受面3610と当接し 力伝達可能に係合するよう付勢される。力センサ3360はかかる係合に応答し 、これによりベクトル3210の大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号 を発生する。この信号は車輪3010のキャンバに起因して車輪3010と地表 平面3060(図1参照)との間に発生する瞬間的なグリップ力の主要な成分に 対応する荷重力成分に分解されるよう処理装 置等へ供給される。横方向荷重力ベクトルの測定が説明の目的でコーナリング等 に於ける車輪3010のグリップ性能、即ちトラクション性能を示すものとして 選択されているが、上述の説明より、車輪と地表平面との間に発生する長手方向 及び上下方向の荷重力成分を求めるべく力センサの他の構成が荷重担持部材30 00内に組み込まれてよいことが理解されよう。 ロードレーシングの場合には、好ましくは少なくとも一対の荷重センサ336 0を含む荷重担持部材3000が車輌の各車輪に設けられる。しかし乗用車等の 場合には、車輪の横方向グリップ力、即ちトラクション力の変化を検出するため の一つの力センサ3360のみが各車輪に使用される。 本発明の範囲内にて上述の装置及び方法に種々の変更が加えられてよいので、 以上の説明に含まれる全ての事項及び添付の図面に示された全ての事項は本発明 を説明するためのものであり、本発明を限定するのものではない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持さ れており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前記 前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車輌 の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも一 つの支持部材により前記車輪上に支持された車輌に於いて、少なくとも一つの車 輪と該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を測定す る方法にして、 (a)前記シャシーを前記車輪上に支持する前記支持部材に作用する瞬間的な荷 重力ベクトルの大きさ及び相対方向を測定する工程と、 (b)相対平面について前記工程(a)の荷重力ベクトルを第一の荷重力成分、 該第一の荷重力成分に垂直な第二の荷重力成分、前記第一及び第二の荷重力成分 に垂直な第三の荷重力成分に分解する工程と、 (c)前記第一の荷重力成分を基準平面に関連付けて第一の正規化された荷重力 成分を求める工程と、 (d)前記第二の荷重力成分を前記基準平面に関連付けて前記第一の正規化され た荷重力成分に垂直な第二の正規化された荷重力成分を求める工程と、 (e)前記第三の荷重力成分を前記基準平面に関連付けて前記第一及び前記第二 の正規化された荷重力成分に垂直な 第三の正規化された荷重力成分を求める工程と、 (f)前記第一、第二、第三の正規化された荷重力成分を加算し、これにより前 記車輪と前記地面との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する正規化された 第一の総荷重力成分、第二の総荷重力成分、第三の総荷重力成分を求める工程と 、 を含んでいることを特徴とする方法。 2.請求の範囲第1項の方法に於いて、 前記基準平面は前記地表平面であり、 前記第一の正規化された荷重力成分は前記車輌の前記長手方向中心線に垂直な 前記地表平面内の横方向荷重力成分として求められ、 前記第二の正規化された荷重力成分は前記車輌の前記長手方向中心線に平行な 前記地表平面内の長手方向荷重力成分として求められ、 前記第三の正規化された荷重力成分は前記地表平面に垂直な上下方向荷重力成 分として求められることを特徴とする方法。 3.請求の範囲第1項の方法に於いて、前記車輌は少なくとも一つの駆動輪を含 み、前記方法は更に (i)前記工程(a)に戻り、前記車輌の各車輪に於ける正規化された総横方向 荷重力成分、総長手方向荷重力成分、総上下方向荷重力成分を求める工程を含ん でいることを特徴とする方法。 4.請求の範囲第2項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記車輌の前記底面と前記地表平面との間の傾斜角を求める工程と、 前記傾斜角を前記第一、前記第二、前記第三の荷重力成分に関連付けて前記横 方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を求める工 程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 5.請求の範囲第2項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記車輌の前記底面と前記地表平面との間のロール角を求める工程と、 前記ロール角を前記第一、前記第二、前記第三の荷重力成分に関連付けて前記 横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を求める 工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 6.請求の範囲第2項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記車輪の上下方向中心線と前記地表平面に垂直な線との間のキャンバ角を求 める工程と、 前記キャンバ角を前記第一、前記第二、前記第三の荷重力成分に関連付けて前 記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を求め る工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 7.請求の範囲第2項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 少なくとも一つの前記支持部材と前記地表平面との間の瞬間的な距離を測定す る工程と、 前記瞬間的な距離を前記第一、前記第二、前記第三の荷重力成分に関連付けて 前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を測 定する工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 8.請求の範囲第2項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記アップライトと前記地表平面との間の瞬間的な距離を測定する工程と、 前記瞬間的な距離を前記第一、前記第二、前記第三の荷重力成分に関連付けて 前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を求 める工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 9.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持さ れており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前記 前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車輌 の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも一 つの支持部材により前記車輪上に支持され、前記支持部材は前記アップライトに 枢着された第一の端部と前記シャシーに枢着された第二の端部 との間に延在する少なくとも一つの中間荷重部材を含む車輌に於いて、少なくと も一つの車輪と該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ 力を測定する方法にして、 (a)前記中間荷重部材に作用する荷重力ベクトルを測定し得るよう前記中間荷 重部材を前記アップライトより隔離する所定のジオメトリを有するよう構成され た荷重隔離部材を前記中間荷重部材の前記第一の端部と前記アップライトとの間 に介装する工程と、 (b)前記中間荷重部材に作用する瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び相対方 向を測定する工程と、 (c)相対平面について前記工程(b)の各荷重力ベクトルを少なくとも一つの 荷重力成分に分解する工程と、 (d)前記荷重力成分を加算し、これにより前記車輪と前記地面との間に発生す る瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの総荷重力成分を求める工程と 、 を含んでいることを特徴とする方法。 10.請求の範囲第9項の方法に於いて、前記シャシーを前記車輪上に支持する 前記支持部材は更に前記アップライトに連結された第一の端部と前記シャシーに 連結された第二の端部との間に延在するストラット型のピストン部材を含み、前 記ピストン部材は前記車輪の上下方向中心線に対し所定の角度をなす方向に沿っ て延在するよう配置されており、前記方法は更に前記工程(b)に先立ち 前記ピストン部材に作用する荷重力ベクトルを測定し得るよう前記ピストン部 材を前記アップライトより隔離する所定のジオメトリを有するよう構成された荷 重隔離部材を前記ピストン部材の前記第一の端部と前記アップライトとの間に介 装する工程 を含んでいることを特徴とする方法。 11.請求の範囲第9項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記アップライトと前記地表平面との間の少なくとも一つの瞬間的な距離を測 定する工程と、 前記瞬間的な距離を前記荷重力成分に関連付けて前記地表平面に対し正規化さ れた前記荷重力成分を求める工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 12.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持 されており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前 記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車 輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも 一つの支持部材により前記車輪上に支持され、前記支持部材は前記アップライト に枢着された第一の端部と前記シャシーに枢着された第二の端部との間に延在す る少なくとも一つの中間荷重部材を含む車輌に於いて、少なくとも一つの車輪と 該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を測定する 方法にして、 (a)前記中間荷重部材に作用する荷重力ベクトルを測定し得るよう前記中間荷 重部材を前記シャシーより隔離する所定のジオメトリを有するよう構成された荷 重隔離部材を前記中間荷重部材の前記第二の端部と前記シャシーとの間に介装す る工程と、 (b)前記中間荷重部材に作用する瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び相対方 向を測定する工程と、 (c)相対平面について前記工程(b)の各荷重力ベクトルを少なくとも一つの 荷重力成分に分解する工程と、 (d)前記荷重力成分を加算し、これにより前記車輪と前記地面との間に発生す る瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの総荷重力成分を求める工程と 、 を含んでいることを特徴とする方法。 13.請求の範囲第12項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記シャシーと前記地表平面との間の少なくとも一つの瞬間的な距離を測定す る工程と、 前記瞬間的な距離を前記荷重力成分に関連付けて前記地表平面に対し正規化さ れた前記荷重力成分を求める工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 14.車輪がアップライトに支持され、上下方向中心線及び軸中心線を有すると 共に、前記車輪を支持する第一の端部及び前記アップライトに受けられた第二の 端部を有する アクスルを有し、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し 、前記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前 記車輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なく とも一つの支持部材により前記車輪上に支持された車輌に於いて、少なくとも一 つの車輪と該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を 測定する方法にして、 (a)前記アクスルと前記アップライトとの間に作用する瞬間的な荷重力ベクト ルの大きさ及び相対方向を測定し得るよう所定のジオメトリを有するよう構成さ れた荷重担持部材を前記アップライトと前記アクスルとの間に介装する工程と、 (b)前記荷重担持部材に作用する少なくとも一つの瞬間的な荷重力ベクトルの 大きさ及び相対方向を測定する工程と、 (c)相対平面について前記工程(b)の前記荷重力ベクトルを前記車輪と前記 地面との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの荷重力成 分に分解する工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 15.請求の範囲第14項の方法に於いて、前記工程(c)に先立ち 前記アップライトと前記地表平面との間の少なくとも一 つの瞬間的な距離を測定する工程と、 前記瞬間的な距離を前記荷重力成分に関連付けて前記地表平面に対し正規化さ れた前記荷重力成分を求める工程と、 を含んでいることを特徴とする方法。 16.請求の範囲第14項の方法に於いて、前記荷重担持部材は 前記アクスルと共に直線運動し得るよう前記アクスルに同軸に受けられたプラ ネタリ軸受キャリアであって、第一の外端より第二の内端まで延在し力伝達部を 郭定するよう構成されたプラネタリ軸受キャリアと、 前記軸受キャリアと前記アクスルとの間に介装され、前記軸受キャリア内にて 前記アクスルが回転することを可能にする回転軸受組立体と、 前記アップライトと前記軸受キャリアとの間に介装され、前記アップライトに 対し相対的に前記軸受キャリアが直線運動することを可能にする第一のリニア軸 受組立体と、 前記軸受キャリアの前記力伝達部に駆動接続され、前記軸受キャリアの直線運 動に応答して前記荷重力ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信 号を発生する少なくとも一つの力センサと、 を含んでいることを特徴とする方法。 17.請求の範囲第16項の方法に於いて、前記荷重担持部材は更に前記アップ ライトに連結され前記軸受キャリアが前記アクスルの周りに回転することを防止 する回転防止 組立体を含んでいることを特徴とする方法。 18.請求の範囲第17項の方法に於いて、前記回転防止組立体は 前記アップライトに連結された外端より内端まで実質的に前記アクスルに沿っ て延在する細長いスタッド部材と、 前記軸受キャリアの第二の端部は内方へ延在し、前記外端と前記内端との間に て前記スタッド部材に同軸に受けられたボス部を郭定していることと、 前記軸受キャリアの前記ボス部が前記スタッド部材に沿って直線運動し得るよ う前記ボス部と前記スタッド部材との間に介装された第二のリニア軸受組立体と 、 を含んでいることを特徴とする方法。 19.請求の範囲第18項の方法に於いて、前記第二のリニア軸受組立体は前記 スタッド部材と前記軸受キャリアの前記ボス部との間に保持された複数個の半径 方向に配列されたボール軸受を含んでいることを特徴とする方法。 20.請求の範囲第16項の方法に於いて、前記第一のリニア軸受組立体は 前記アクスルとの間にて前記軸受キャリアに同軸に受けられ且つ外端と内端と の間に延在する実質的に円筒形の軸受ケージであって、前記内端及び前記外端は 複数個の半径方向に配列された孔を有する実質的に円筒形の軸受ケージと、 前記孔内にて回転可能に前記孔内に保持され、前記アッ プライトに対し相対的に前記軸受キャリアが直線運動することを可能にする少な くとも一つのボール軸受と、 を含んでいることを特徴とする方法。 21.請求の範囲第16項の方法に於いて、前記回転軸受組立体は 前記アクスルと前記軸受キャリアの前記第一の端部との間に保持された複数個 の半径方向に配列されたローラ軸受と、 前記アクスルと前記軸受キャリアの前記第二の端部との間に保持された複数個 の半径方向に配列されたボール軸受と、 を含んでいることを特徴とする方法。 22.請求の範囲第16項の方法に於いて、互いに対向する対の状態に配置され 、横方向荷重力成分として前記処理装置により分解される前記荷重力出力信号を 発生する少なくとも第一及び第二の力センサを含んでいることを特徴とする方法 。 23.請求の範囲第22項の方法に於いて、対応する前記力センサに対向して配 置された一対の軸受面を含み、前記軸受キャリアの前記力伝達部は前記第一の力 センサと前記第二の力センサとの間に介装され、前記軸受面の一方と当接し力伝 達可能に係合するよう前記力センサを選択的に付勢するよう構成されており、前 記力センサは前記力伝達係合に応答して前記荷重力出力信号を発生するよう構成 され ていることを特徴とする方法。 24.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持 されており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前 記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車 輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも 一つの支持部材により前記車輪上に支持された車輌に於いて、少なくとも一つの 車輪と該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を測定 する装置にして、 前記シャシーを前記車輪上に支持する前記支持部材に作用する瞬間的な荷重力 ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号を発生する少なくとも 一つの力センサと、 前記荷重力出力信号に応答して相対平面について前記荷重力ベクトルを第一の 荷重力成分と該第一の荷重力成分に垂直な第二の荷重力成分と前記第一及び第二 の荷重力成分に垂直な第三の荷重力成分とに分解し、前記第一の荷重力成分を基 準平面に関連付けて第一の正規化された荷重力成分を求め、前記第二の荷重力成 分を前記基準平面に関連付けて前記第一の正規化された荷重力成分に垂直な第二 の正規化された荷重力成分を求め、前記第三の荷重力成分を前記基準平面に関連 付けて前記第一及び前記第二の正規化された荷重力成分に垂直な第三の正規化さ れた荷重力成分を 求め、前記正規化された第一、第二、第三の荷重力成分を加算して前記車輪と前 記地面との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する正規化された第一の総荷 重力成分、第二の総荷重力成分、第三の総荷重力成分を求める処理装置と、 を含んでいることを特徴とする装置。 25.請求の範囲第24項の装置に於いて、 前記基準平面は前記地表平面であり、 前記第一の正規化された荷重力成分は前記車輌の前記長手方向中心線に垂直な 前記地表平面内の横方向荷重力成分として求められ、 前記第二の正規化された荷重力成分は前記車輌の前記長手方向中心線に平行な 前記地表平面内の長手方向荷重力成分として求められ、 前記第三の正規化された荷重力成分は前記地表平面に垂直な上下方向荷重力成 分として求められることを特徴とする装置。 26.請求の範囲第24項の装置に於いて、前記車輌は少なくとも一つの駆動輪 を有し、前記装置は更に前記車輌の各車輪に設けられた少なくとも一つの力セン サであって、前記シャシーを前記車輌の各車輪上に支持する各支持部材に作用す る瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する追加の荷重力出力信 号を発生する少なくとも一つの力センサを含み、前記処理装置は更に前記追加の 荷重 力出力信号に応答して前記車輌の各車輪に於ける正規化された総横方向荷重力、 総長手方向荷重力、総上下方向荷重力を求めるよう構成されていることを特徴と する装置。 27.請求の範囲第25項の装置に於いて、更に第一の前方位置と第二の後方位 置にて前記シャシーに設けられた一対の距離センサであって、前記シャシーに沿 う二つの点に於ける前記車輌の前記底面と前記地表平面との間の距離に対応する 距離出力信号を発生する一対の距離センサを含み、前記処理装置は前記距離出力 信号に応答して前記底面と前記地表平面との間の傾斜角を求め、前記第一の荷重 力成分、前記第二の荷重力成分、前記第三の荷重力成分を前記傾斜角に関連付け て前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分を 求めるよう構成されていることを特徴とする装置。 28.請求の範囲第25項の装置に於いて、更に前記車輪の前記アップライトに 設けられた少なくとも一対の距離センサであって、前記アップライトより前記地 表平面までの距離に対応する距離出力信号を発生する少なくとも一対の距離セン サを含み、前記処理装置は前記距離出力信号に応答して前記車輪の前記上下方向 中心線と前記地表平面に垂直な線との間のキャンバ角を求め、前記第一の荷重力 成分、前記第二の荷重力成分、前記第三の荷重力成分を前記キャンバ角に関連付 けて前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上下方向荷重力成分 を求めるよう構成さ れていることを特徴とする装置。 29.請求の範囲第25項の装置に於いて、更に前記車輌の前記長手方向中心線 に対し実質的に垂直に前記シャシーに設けられた一対の距離センサであって、前 記シャシーに沿う二つの点に於ける前記車輌の前記底面と前記地表平面との間の 距離に対応する距離出力信号を発生する一対の距離センサを含み、前記処理装置 は前記距離出力信号に応答して前記底面と前記地表平面との間のロール角を求め 、前記第一の荷重力成分、前記第二の荷重力成分、前記第三の荷重力成分を前記 ロール角に関連付けて前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重力成分、前記上 下方向荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする装置。 30.請求の範囲第25項の装置に於いて、更に前記シャシーを前記車輪上に支 持する前記支持部材の少なくとも一つに設けられた少なくとも一つの距離センサ であって、前記支持部材と前記地表平面との間の距離に対応する距離出力信号を 発生する少なくとも一つの距離センサを含み、前記処理装置は更に前記距離出力 信号に応答して前記第一の荷重力成分、前記第二の荷重力成分、前記第三の荷重 力成分を前記距離出力信号に関連付けて前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷 重力、前記上下方向荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする装 置。 31.請求の範囲第25項の装置に於いて、更に前記アップライトに設けられた 少なくとも一つの距離センサであっ て、前記アップライトと前記地表平面との間の距離に対応する距離出力信号を発 生する少なくとも一つの距離センサを含み、前記処理装置は更に前記距離出力信 号に応答して前記第一の荷重力成分、前記第二の荷重力成分、前記第三の荷重力 成分を前記距離出力信号に関連付けて前記横方向荷重力成分、前記長手方向荷重 力、前記上下方向荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする装置 。 32.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持 されており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前 記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車 輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも 一つの支持部材により前記車輪上に支持され、前記支持部材は前記アップライト に枢着された第一の端部と前記シャシーに枢着された第二の端部との間に延在す る少なくとも一つの中間荷重部材を含む車輌に於いて、少なくとも一つの車輪と 該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を測定する装 置にして、 前記中間荷重部材の前記第一の端部と前記アップライトとの間に介装された荷 重隔離部材であって、前記中間荷重部材を前記アップライトより隔離する所定の ジオメトリを有するよう構成された荷重隔離部材と、 前記荷重隔離部材と前記アップライトとの間に介装され た少なくとも一つの力センサであって、前記中間荷重部材に作用する瞬間的な荷 重力ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号を発生する少なく とも一つの力センサと、 前記荷重力出力信号に応答して相対平面について前記荷重力ベクトルを少なく とも一つの荷重力成分に分解し、前記荷重力成分を加算して前記車輪と前記地面 との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの総荷重力成分 を求める処理装置と、 を含んでいることを特徴とする装置。 33.請求の範囲第32項の装置に於いて、前記アップライトと前記シャシーと の間に延在する前記中間荷重部材は前記アップライトに連結された第一の端部と 前記シャシーに連結された第二の端部との間に延在するストラット型のピストン 部材を含み、前記ピストン部材は前記車輪の前記上下方向中心線に対し所定の角 度をなす方向に沿って延在するよう配置されており、前記装置は更に 前記ピストン部材の前記第一の端部と前記アップライトとの間に介装された荷 重隔離部材であって、前記ピストン部材を前記アップライトより隔離する所定の ジオメトリを有するよう構成された荷重隔離部材と、 前記荷重隔離部材と前記アップライトとの間に介装された少なくとも一つの力 センサであって、前記ピストン部材に作用する瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ 及び相対方向 に対応する前記荷重力出力信号を前記処理装置へ出力する少なくとも一つの力セ ンサと、 を含んでいることを特徴とする装置。 34.請求の範囲第32項の装置に於いて、更に前記車輪の前記アップライトに 設けられた少なくとも一対の距離センサであって、前記アップライト上の少なく とも二つの点より前記地表平面までの距離に対応する距離出力信号を発生する少 なくとも一対の距離センサを含み、前記処理装置は更に前記距離出力信号に応答 して前記荷重力成分を前記距離出力信号に関連付け、これにより前記地表平面に 対し正規化された前記荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする 装置。 35.車輪が上下方向中心線及び軸中心線を有すると共に、アップライトに支持 されており、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部との間に延在し、前 記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記シャシーは前記車 輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝される少なくとも 一つの支持部材により前記車輪上に支持され、前記支持部材は前記アップライト に枢着された第一の端部と前記シャシーに枢着された第二の端部との間に延在す る少なくとも一つの中間荷重部材を含む車輌に於いて、少なくとも一つの車輪と 該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間のグリップ力を測定する装 置にして、 前記中間荷重部材の前記第二の端部と前記シャシーとの間に介装された荷重隔 離部材であって、前記中間荷重部材を前記シャシーより隔離する所定のジオメト リを有するよう構成された荷重隔離部材と、 前記荷重隔離部材と前記シャシーとの間に介装された少なくとも一つの力セン サであって、前記中間荷重部材に作用する瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び 相対方向に対応する荷重力出力信号を発生する少なくとも一つの力センサと、 前記荷重力出力信号に応答して相対平面について前記荷重力ベクトルを少なく とも一つの荷重力成分に分解し、前記荷重力成分を加算して前記車輪と前記地面 との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの総荷重力成分 を求める処理装置と、 を含んでいることを特徴とする装置。 36.請求の範囲第35項の装置に於いて、更に前記シャシーに設けられた少な くとも一対の距離センサであって、前記シャシーの前記底面上の少なくとも二つ の点より前記地表平面までの距離に対応する距離出力信号を発生する少なくとも 一対の距離センサを含み、前記処理装置は更に前記距離出力信号に応答して前記 荷重力成分を前記距離出力信号に関連付け、これにより前記地表平面に対し正規 化された前記荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする装置。 37.車輪がアップライトに支持され、上下方向中心線及び軸中心線を有すると 共に、前記車輪を支持する第一の端部及び前記アップライトに受けられた第二の 端部を有するアクスルを有し、車輌は長手方向中心線に沿って前方部と後方部と の間に延在し、前記前方部と前記後方部との間に延在するシャシーを有し、前記 シャシーは前記車輌の底面を郭定する下面を有し、瞬間的な荷重力ベクトルに曝 される少なくとも一つの支持部材により前記車輪上に支持された車輌に於いて、 少なくとも一つの車輪と該車輪の位置に於ける地表平面を郭定する地面との間の グリップ力を測定する装置にして、 前記アップライトと前記アクスルとの間に介装された荷重担持部材であって、 前記アクスルと前記アップライトとの間に作用する瞬間的な荷重力の大きさ及び 相対方向を測定し得るよう所定のジオメトリを有するよう構成された荷重担持部 材と、 前記荷重担持部材と前記アップライトとの間に介装された少なくとも一つの力 センサであって、前記アクスルと前記アップライトとの間に作用する少なくとも 一つの瞬間的な荷重力ベクトルの大きさ及び相対方向に対応する荷重力出力信号 を発生する少なくとも一つの力センサと、 前記荷重力出力信号に応答して相対平面について前記荷重力ベクトルを前記車 輪と前記地面との間に発生する瞬間的なグリップ力に対応する少なくとも一つの 荷重力成分に 分解する処理装置と、 を含んでいることを特徴とする装置。 38.請求の範囲第37項の装置に於いて、更に前記車輪の前記アップライトに 設けられた少なくとも一対の距離センサであって、前記アップライト上の少なく とも二つの点より前記地表平面までの距離に対応する距離出力信号を発生する少 なくとも一対の距離センサを含み、前記処理装置は更に前記距離出力信号に応答 して前記荷重力成分を前記距離出力信号に関連付け、これにより前記地表平面に 対し正規化された前記荷重力成分を求めるよう構成されていることを特徴とする 装置。 39.請求の範囲第37項の装置に於いて、前記荷重担持部材は 前記アクスルと共に直線運動し得るよう前記アクスルに同軸に受けられたプラ ネタリ軸受キャリアであって、第一の外端より第二の内端まで延在し力伝達部を 郭定するよう構成されたプラネタリ軸受キャリアと、 前記軸受キャリアと前記アクスルとの間に介装され、前記軸受キャリア内にて 前記アクスルが回転することを可能にする回転軸受組立体と、 前記アップライトと前記軸受キャリアとの間に介装され、前記アップライトに 対し相対的に前記軸受キャリアが直線運動することを可能にする第一のリニア軸 受組立体と、 前記力センサは前記軸受キャリアの前記力伝達部に駆動 接続され、前記軸受キャリアの直線運動に応答して前記荷重力出力信号を発生す るよう構成されていることと、 を含んでいることを特徴とする装置。 40.請求の範囲第39項の装置に於いて、前記荷重担持部材は更に前記アップ ライトに連結され前記軸受キャリアが前記アクスルの周りに回転することを防止 する回転防止組立体を含んでいることを特徴とする装置。 41.請求の範囲第40項の装置に於いて、前記回転防止組立体は 前記アップライトに連結された内端より外端まで実質的に前記アクスルに沿っ て延在する細長いスタッド部材と、 前記軸受キャリアの第二の端部は内方へ延在し、前記内端と前記外端との間に て前記スタッド部材に同軸に受けられたボス部を郭定していることと、 前記軸受キャリアの前記ボス部が前記スタッド部材に沿って直線運動し得るよ う前記ボス部と前記スタッド部材との間に介装された第二のリニア軸受組立体と 、 を含んでいることを特徴とする装置。 42.請求の範囲第41項の装置に於いて、前記第二のリニア軸受組立体は前記 スタッド部材と前記軸受キャリアの前記ボス部との間に保持された複数個の半径 方向に配列されたボール軸受を含んでいることを特徴とする装置。 43.請求の範囲第39項の装置に於いて、前記第一のリニア軸受組立体は 前記アクスルとの間にて前記軸受キャリアに同軸に受けられ且つ外端と内端と の間に延在する実質的に円筒形の軸受ケージであって、前記内端及び前記外端は 複数個の半径方向に配列された孔を有する実質的に円筒形の軸受ケージと、 前記孔内にて回転可能に前記孔内に保持され、前記アップライトに対し相対的 に前記軸受キャリアが直線運動することを可能にする少なくとも一つのボール軸 受と、 を含んでいることを特徴とする装置。 44.請求の範囲第39項の装置に於いて、前記回転軸受組立体は 前記アクスルと前記軸受キャリアの前記第一の端部との間に保持された複数個 の半径方向に配列されたローラ軸受と、 前記アクスルと前記軸受キャリアの前記第二の端部との間に保持された複数個 の半径方向に配列されたボール軸受と、 を含んでいることを特徴とする装置。 45.請求の範囲第39項の装置に於いて、互いに対向する対の状態に配置され 、横方向荷重力成分として前記処理装置により分解される前記荷重力出力信号を 発生する少なくとも第一及び第二の力センサを含んでいることを特徴とする装置 。 46.請求の範囲第45項の装置に於いて、対応する前記 力センサに対向して配置された一対の軸受面を含み、前記軸受キャリアの前記力 伝達部は前記第一の力センサと前記第二の力センサとの間に介装され、前記軸受 面の一方と当接し力伝達可能に係合するよう前記力センサを選択的に付勢するよ う構成されており、前記力センサは前記力伝達係合に応答して前記荷重力出力信 号を発生するよう構成されていることを特徴とする装置。
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