【発明の詳細な説明】
CCKまたはガストリンを調節する
5−ヘテロシクロ−1,5−ベンゾジアゼピン
本発明は、5−ヘテロシクロ−1,5−ベンゾジアゼピン誘導体、それらの製
造方法、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの薬剤への用途に関する。
さらに詳しくは、本発明はCCK−A受容体に対してアゴニスト活性を示し、こ
れによって哺乳動物におけるホルモンのガストリンおよびコレシストキニン(C
CK)の調節を可能とする化合物に関する。
コレシストキニン(CCK)およびガストリンは、胃腸組織および中枢神経系
に存在する構造的に関連したペプチドである。コレシストキニンにはCCK−3
3、その固有単離形の33のアミノ酸のニューロペプチド、そのカルボキシル末
端オクタペプチド、CCK−8(天然由来のニューロペプチドも)、並びに39
−および12−アミノ酸型が含まれる。ガストリンは34−、17−および14
−アミノ酸形で生じ、最少活性配列はC−末端テトラペプチド、Trp−Met
−Asp−Phe−NH2(CCK−4)であり、これはCCKおよびガストリ
ンが共有する共通構造要素である。
CCKおよびガストリンは胃腸のホルモンおよび中枢および末梢神経系におけ
る神経伝達物質であり、体中の様々な部位にある特定の受容体に結合することに
よってそれぞれの生物学的役割を果たしている。CCK−AおよびCCK−Bと
呼ばれるコレシストキニン受容体の少なくとも2つのサブタイプがあり、両者と
も末梢神経系および中枢神経系に見られる。
”末梢タイプ”受容体と一般に呼ばれるCCK−A受容体は、膵臓、胆のう、
回腸、幽門括約筋および迷走神経求心性神経繊維に主に見られる。タイプ−A
CCK受容体は脳の別の領域でも見られ、そして多くのCNS作用をもたらす作
用をする。CCK−8およびタイプ−A CCK選択的アゴニストは数種の動物
において食物摂取量を抑制する能力があるため、食欲抑制薬として働くタイプ−
A受容体選択的CCKアゴニストとして作用する新規物質の開発にかなりの関心
がよせられている。
CCK−Bまたはガストリン受容体は末梢神経、胃腸平滑筋および胃腸粘膜、
とりわけ、壁細胞、ECL細胞、D細胞および主細胞に見られる。CCK−B受
容体はまた脳で圧倒的に見られ、不安、覚醒および神経弛緩薬の作用の調節に関
係してきた。
Gasc等の米国特許第4,988,692号には、コレシストキニンアンタ
ゴニストとして働いて、その受容体における内因性ホルモンの作用を逆転させた
りまたは妨げる、3−アシルアミノ 1−アルキル−5−フェニル 1,5−ベ
ンゾジアゼピン誘導体のグループが記載されている。
米国特許第4,490,304号並びにPCT出願第WO90/06937号
および第WO91/19733号には、CCK−Aアゴニスト活性を示すペプチ
ド誘導体が記載されている。そのような化合物は動物、特に人間の食欲の調節並
びに胃腸障害または中枢神経障害の治療および/または予防のための化合物であ
ると記載されている。
参照することによってここに記載されたものとする米国特許第5,187,1
54号には、ニューロペプチドコレシストキニン(CCK)を、初期の非インシ
ュリン依存性糖尿病の症状を有しかつ急速な空腹を示す患者の空腹の調整に用い
ることが記されている。さらに、明細書は、空腹を抑制する化合物が初期の糖尿
病または糖尿病前症に伴う症状の緩和または消去に有用であることを教示してい
る。具体的な症状には、正常レベル内での空腹を維持する一方で、血中グルコー
スおよびインシュリンレベルの上昇、インシュリン抵抗、感染しやすさまたは糖
尿になりやすさの上昇が含まれる。
今般我々は、CCK−A受容体に対してアゴニスト活性を示し、これによって
哺乳動物におけるホルモンのガストリンおよびコレシストキニン(CCK)の調
節を可能とする、5−ヘテロシクロ−1,5−ベンゾジアゼピン誘導体の新規な
グループを見いだした。これらの化合物のあるものはまたCCK−B受容体にお
けるアンタゴニスト活性も示す。
従って、本発明は一般式(I)
の化合物およびそれらの生理学的な塩または溶媒和物を提供するものであり、式
中、
Xは水素、トリフルオロメチル、アルキル、C1-4アルキルチオ、−O(C1-4
アルキル)またはハロゲンであり;
R1は式II
または−NR4R5であり;
R2は
(1) その2−位置で結合し、そしてピロール、テトラヒドロピロール、
インドール、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、インドリン、キノ
リンまたは4−オキソベンゾピランから選択される複素環(ここで上記ピロール
、テトラヒドロピロール、インドールまたはインドリンはその環窒素上で下記定
義通りの基R8で任意に置換されており、上記インドール、インドリン、キノリ
ン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンまたは4−オキソベンゾピランはそのベン
ゾ環において下記定義通りの基R9で任意に置換されている)、あるいは
(2) フェニル、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、−
O(C1-4アルキル)、−O(CH2C6H5)、−COO(C1-4アルキル)、ア
ミノ、ジメチルアミノ、−NHR10、1−ピロリジニルもしくはテトラゾリルで
独立してモノ−もしくはジ−置換されたフェニル;あるいは
(3) ピリジン、またはハロゲン、メチル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ
、カルボキシ、−O(C1-4アルキル)、−O(CH2C6H5)、−COO(C1- 4
アルキル)、アミノもしくはジメチルアミノで独立してモノ−もしくはジ−置
換されたピリジニル;あるいは
(4) −NHR11(ここでR11は下記定義通りであるか、またはR11はN
−1位置に基R10を含む7−インダゾリルである)であり;
R3はピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、フラニル、チオ
フェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、
イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾ
ール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルから
選択される複素環式基(その炭素原子環員によって分子の残りに結合している)
であり、この複素環式基は、ハロゲン、C1-4アルキル、ニトロ、カルボキシル
、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、アミノ
、
C1-4アルキルアミノまたはジ(C1-4アルキル)アミノから選択される、同じま
たは異なる3つ以下の置換基で置換されていてもよく;
R4は独立してC3-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6アルケニル、フェ
ニル、−(CH2)pCNまたは−(CH2)pCOO(C1-4アルキル)であり、
そしてR5は独立してC3-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6アルケニル、
ベンジル、フェニル、または1つ以上のフッ素原子、シアノ、ヒドロキシ、ジメ
チルアミノ、−O(C1-4アルキル)、−O(CH2C6H5)、−NH(C1-4ア
ルキル)、−COO(C1-4アルキル)、−N(C1-4アルキル)2ピロリジノ、
モルホリノまたはハロゲンで任意に置換されたC1-3アルキルで独立してモノ−
もしくはジ−置換されたフェニルであるか、あるいはR4はC1-2アルキルであり
、そしてR5は2−または4−位置でクロロ、メチル、メトキシまたはメトキシ
カルボニルで置換されたフェニルであり;
R6は水素またはメチルであり;
R7は水素、ヒドロキシ、フルオロ、ジメチルアミノ、−O(C1-4アルキル)
または−O(CH2C6H5)であり;
R8は、−(CH2)bCOOHであり;
R9はメチル、クロロ、ニトロ、ヒドロキシ、メトキシまたは−NHR10であ
り;
R10は水素、アセチル、C1-4アルキル、−SO3H、−SO2CH3、−SO2
CF3または−SO2C6H5、C1-4アルコキシカルボニルであり;
R11はフェニル、またはフッ素、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキルチオ
、−(CH2)cCOOH、−(CH2)cCOO(C1-4アルキル)、−(CH2
)cSCH3、−(CH2)cSOCH3、−(CH2)cSO2CH3、−(CH2)c
CO2NH2、−SCH2COOH、−CONH(SO2CH3)、−CONH(S
O2CF3)
、−(CH2)cN(C1-4アルキル)2、−(CH2)cNH(SO2CF3)、−(
CH2)cN(SO2CF3)(C1-4アルキル)、−(CH2)cSO2NHCO(C1-4
アルキル)、−(CH2)cSO2N(C1-4アルキル)CO(C1-4アルキル)
、−(CH2)cCONHSO2(C1-4アルキル)、−(CH2)cCON(C1-4
アルキル)SO2(C1-4アルキル)、−(CH2)cOR12−(CH2)cNHR10
で独立してモノ−もしくはジ−置換されたフェニル、または−(CH2)c(テト
ラゾリル)、−(CH2)c(カルボキサミドテトラゾリル)もしくは−(CH2
)c(ピロリジニル)でモノ−置換されたフェニルであるか、あるいはR11はピ
リジン、またはハロゲン、メチル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、
−O(C1-4アルキル)、アミノ、ジメチルアミノ、−NHR10で独立してモノ
−もしくはジ−置換されたピリジニルであり;
R12は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、−CH2C6H5、−CH2
COOH、−CH2CONH2、−CH2CONH(C1-4アルキル)、−CH2C
ON(C1-4アルキル)2または
であり;
Zは1または2であり:
nは1または2であり;
pは1−4の整数であり;
bは0−3の整数であり;そして
cは0または1である。
R1が式(II)の基であるとき、そのような基の例は、R6が水素または特にメ
チル、R7が水素、ヒドロキシル、メトキシまたはフッ素、そしてnが1である
ものである。
R1が基NR4R5であるとき、適した基の例は、R4がプロピルもしくはイソプ
ロピルのようなC3-6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、そして
R5がC3-6アルキル、ベンジル、またはパラ位置でヒドロキシ、ジメチルアミノ
メトキシ、トリフルオロメチル、フッ素、ピロリジノまたはモルホリノで任意に
置換されたフェニルであるものである。この基において、特に有用なR1基の例
は、R4がプロピル、および特にイソプロピル、R5がフェニル、またはパラ位置
でヒドロキシ、メトキシ、ジメチルアミノ、フッ素またはモルホリノから選択さ
れる基で置換されたフェニルであるものである。
特に適したR1の例は、R1が式(II)の基であり、ここで、R6がメチル、n
が1、そしてR7が水素、ヒドロキシ、フッ素またはメトキシであるものか、あ
るいはR1が基NR4R5であり、ここで、R4がプロピルまたはイソプロピル、そ
してR5がパラ位置でヒドロキシ、メトキシ、フルオロ、ジメチルアミノ、ピロ
リジノまたはモルホリノから選択される基で任意に置換されたフェニルであるも
のである。特に重要なR1基は、R4がイソプロピル、そしてR5が4−メトキシ
フェニルであるものである。
R2がインドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン
または4−オキソベンゾピランから選択される基であるとき、任意の置換基R9
は、水素、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、ニトロまたはアミノから選択される
基であると好都合であり、窒素上の任意な置換基(R8)は−CH2CO2Hであ
るのが適している。
R2が任意に置換されたフェニル基であるとき、これはフェニル、または塩素
、フッ素、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシルから選択される同じまたは異
な
る1または2個の基で置換されたフェニルであると好都合である。
R2が基NHR11であるとき、R11はフェニル[フルオロ、ヒドロキシ、アミ
ノ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチルスルホニルアミノ、C1-4アルコキシ
カルボニル、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、アセチルアミノまた
はOR12(R12は水素、メチル、ベンジル、CH2CO2H、CH2CONH2、C
H2CONHCH3、CH2CON(CH3)2、
である)
で任意に置換されている]または7−インダゾリル基[N−1置換基(R10)は
水素である]であると都合がよい。
R11がモノ置換フェニル基であるとき、メタ位置で置換されていると好都合で
ある。
特に適したR2基の例はインドール、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオ
フェン、インドリン、キノリン、4−オキソベンゾピラン、任意に置換されたフ
ェニル基または基NHR11である。R2は基インドール、インドリンまたはベン
ゾフラン、任意に置換されたフェニル基または基NHR11から選択されると好都
合である。R2はインドール、任意に置換されたフェニル基または基NHR11で
あるとさらに好都合である。
R3がピリジルであるとき、適した基の例は2−ピリジル、3−ピリジルおよ
び4−ピリジルである。
R3がピリミジニルであるとき、適した基の例は2−ピリミジニルまたは5ピ
リミジニルである。
R3がピラゾリルであるとき、適した基の例は1,3,5−トリメチル−1H
−ピラゾール−4−イルである。
特に適したR3基の例は、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジルの
ようなピリジル、2−ピリミジニルまたは5−ピリミジニルのようなピリミジニ
ル、あるいは1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルである。
本発明による特に有用な化合物のグループの例は、R1が基NR4R4(R4はプ
ロピルまたはイソプロピル、そしてR5はパラ位置でヒドロキシ、メトキシ、フ
ルオロ、ジメチルアミノまたはモルホリノから選択される基で任意に置換された
フェニルである)で表され;R2がフェニル(塩素、フッ素、ヒドロキシ、アミ
ンまたはカルボキシから選択される1または2個の基で独立して任意に置換され
ている)、NHR11{R11はフェニル[アミノ、ジメチルアミノ、トリフルオロ
メチル−スルホニルアミノ、カルボキシ、1H−テトラゾール−5−イル、アセ
チルアミノまたはOR12(R12は水素、メチル、ベンジル、CH2CO2H、CH2
CONH2、CH2CONHCH3、CH2CON(CH3)2、
である)で任意に置換されており、置換基は好ましくはメタ位置にある]である
}、またはインドール(窒素原子は基−CH2CO2Hで任意に置換されており、
そしてベンゾ環は塩素、メチル、メトキシ、ニトロ、ヒドロキシまたはアミノで
任意に置換されている)で表され;R3が2−、3−または4−ピリジルのよう
なピリジル、2−または5−ピリミジニルのようなピリミジニル、あるいは1,
2,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルで表され、そしてXが水素ま
たはフッ素であるものである。
CCK−A受容体に対して非常に高いかつ選択的な親和性並びに非常にすぐれ
た有効性を示す本発明の化合物の中で特に重要な種類は、R2がインドール基の
化合物である。この種類の中で好ましいグループの化合物は、インドール基が窒
素原子上で基−CH2CO2Hによって置換されているもの、さらに好ましくは窒
素原子が置換されておらず、インドール基のベンゾ環が塩素、メチル、メトキシ
、ニトロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される基で任意に置換されているも
のである。このグループの中で特に有用な化合物は、R4がイソプロピル、R5が
p−メトキシフェニル、R3がピリジル、ピリミジニルまたは1,3,5−トリ
メチル−1H−ピラゾール−4−イル、特に3−ピリジル、そしてXが水素を表
す化合物である。
本発明の好ましい化合物の例を次に示す:
1−H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−
フェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イ
ル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン
−3−イル}−アミド;
1−H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−
フェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリミジン−2−
イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピ
ン−3−イル}−アミド;
2−[2,4−ジオキソ−3−(3−フェニル−ウレイド)−5−ピリジン−2
−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−
1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミ
ド;およびこれらの光学的対掌体。
本発明の特に好ましい化合物の例を次に示す:
1−H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−
フェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イ
ル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン
−3−イル}−アミド;および
これらの光学的対掌体。
ここで、アルキルという用語は、相当するアルキルの直鎖および分枝鎖の脂肪
族異性体を一般に意味する。例えば、C1-6アルキルという用語はメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−
ペンチル等を意味する。
ここで、シクロアルキルという用語は、相当するアルキルの全ての脂環式異性
体を意味する。例えば、C3-6シクロアルキルという用語はシクロプロピル、シ
クロペンチルおよびシクロヘキシルのような基を意味する。
ハロゲンという用語はF、Cl、BrまたはIを意味する。
基または基の一部としてのテトラゾールという用語は、(1H)−テトラゾー
ル−5−イル基およびその互変異性体を指す。
当業者であれば、立体中心が式(I)の化合物に存在することは分かるであろ
う。従って、本発明は式(I)の全ての可能な立体異性体および幾何異性体を含
み、ラセミ化合物ばかりでなく、光学活性異性体をも含むものである。式(I)
の化合物が単一の光学的対掌体として望まれるとき、それは最終生成物を分割す
ることによって、または異性的に純粋な出発物質または都合のよい中間体から立
体特異的に合成することによって得られる。最終生成物、中間体または出発物質
の分割は、当業界で公知の適当な方法によって行いうる。例えば、E.L.El
ielによるStereochemistory of Carbon Com pounds
(マクグロー ヒル、1962)およびS.H.WilenによるTables of Resolving Agents
を参照。さらに、式(
I)の化合物の互変異性体が可能な状態では、本発明は化合物の全ての互変異性
体形を包含する。
当業者にとって、本発明の化合物が薬学的に許容されるその塩または溶媒和物
の形で用いられることも明らかなことである。式(I)の化合物の生理学的に許
容される塩は例えば、薬学的に許容される無機または有機酸から形成される一般
的な塩、並びに第4アンモニウム酸付加塩である。適した塩のさらに具体的な例
は塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオ
ン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、パモエ酸
、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、
サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−
2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の塩である。それら自体では薬学的に許
容されないシュウ酸のような他の酸は、本発明の化合物およびそれらの薬学的に
許容される塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に有用である。以後、本発
明の化合物と言うとき、式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容される
塩および溶媒和物を含むものとする。
本発明の化合物はCCK−Aアゴニスト活性を示し、CCK−A受容体と結合
したときには完全なまたは部分的なコレシストキニンアゴニストと考えることが
でき、胆のう収縮を十分にまたはある程度刺激したりおよび/または動物におい
て食物の摂取を減少させる。
CCK−A受容体のアゴニストとして、本発明の化合物は、肥満症、並びに糖
尿病または高血圧症のような関連した病状の治療に都合のよい有用な食欲抑制薬
である。さらに、ここに記載の化合物は、哺乳動物、特に人間において満足感を
誘導し、食欲を調整し、そして食物の摂取を調整して、食欲を調節し、肥満症を
治療し、そして体重の減少を持続させる新しい解決法を提供するものである。こ
れらの化合物はまた、急速な空腹を伴う非インシュリン依存性糖尿病の治療に有
効である。
さらに、本発明の特定の化合物はまた、M.PatelおよびC.F.Spr
aggsのBr.J.Pharmac、(1992)、106、275−
282におよびJ.J.ReevesおよびR.StablesのBr.J.P
harmac、(1985)、86、677−684に記載の方法を用いて、摘
出したモルモットの回腸の縦筋肉−腸管筋叢のCCK−4刺激収縮の抑制、およ
び摘出したラットの胃の粘膜におけるペンタガストリン刺激酸分泌の抑制によっ
て証明されたように、特定部位に特異的なCCK−Bおよびガストリン受容体に
おいていくらかのアンタゴニスト活性を示す。
本発明の化合物のCCK−AおよびCCK−B受容体に対する相対的な親和力
は、Fornos等のJ.Pharmacol.Exp.Ther.、1992
、261、1056−1063に記載のような公知の一般的な方法を用いて測定
しうる。
本発明の化合物のペンタガストリン刺激酸分泌のような胃酸分泌を抑制する能
力は、HedgesおよびParsonsのJournal of Physi
ology、1977、267、191−194に記載の方法を用いて、ラット
の知覚胃フィステルで測定しうる。
式(I)の化合物は空腹を抑制または遅らせる。これは標準試験を用いて測定
しうる。例えば、餌を18時間与えなかったラットに、メチルセルロースの餌を
チューブを通して強制的に与える前の設定時間(20分前)に、試験化合物を腹
腔内投与して前処理する。餌にはフェノールレッドのような標識成分が含まれる
。ある所定時間間隔の後、ラットを犠牲にし、胃の中の餌の量を、存在する標識
物質の濃度を測定することによって判定する。次に、この値を、試験化合物で前
処理した対照動物と比較する。
本発明の化合物は、水溶性が比較的良好であると共に、経口的生物学的利用能
が良好であるという面で、特に有利な活性の特徴を有することが分かった。
特に、本発明は、治療に用いるためのおよび特に人間用の薬剤に用いるための
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する
ものである。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
もしくは溶媒和物を、CCKおよび/またはガストリンの効果の調節が治療利点
である症状の治療用薬剤の製造に使用する方法を提供する。
本発明の別の態様では、特に、CCKおよび/またはガストリンの効果の調節
が治療利点である症状の、人間を含めた哺乳動物の治療方法であって、治療に有
効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を
患者に投与することを含む方法を提供する。
治療ということが、予防法並びに確定した疾患または症状の治療も示している
ことは、当業者には明らかなことである。さらに、治療に必要な本発明の化合物
の量が、治療する症状の性質、並びに患者の年齢および症状で変わり、最終的に
は担当の医者または獣医の裁量によることは明らかである。しかしながら、たい
ていは、人間の大人に用いる投与量は一般に0.02〜5000mg/日、例え
ば1〜1500mg/日である。所望の投与量を都合よく、1回の投与の形、ま
たは適当な間隔で何回かに分けて投与する分割投与の形、例えば1日当たり2、
3、4またはそれ以上に分割した投与の形で存在させてもよい。
本発明の化合物を原料薬品として治療に投与してもよいが、活性成分を医薬配
合物として存在させるのが好ましい。従って、本発明はさらに、式(I)の化合
物またはその薬学的に許容される塩と、1種以上の薬学的に許容されるその担体
、および任意に、他の治療および/または予防成分を含む医薬配合物を提供する
ものである。担体は、配合物の他の成分と適合性であるという意味で”許容され
る”ものでなければならず、そしてそれを処方する対象に悪影響を及ぼさないも
のでなければならない。
本発明の配合物は例えば、経口、口内、非経口、インプラントまたは直腸投与
用に特に配合されたものがあるが、経口投与が好ましい。口内投与の場合、組成
物は一般的な方法で配合された錠剤またはロゼンジの形をとる。経口投与のため
の錠剤およびカプセルは、一般的な賦形剤、例えば結合剤(例えば、シロップ、
アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプンの粘質物、または
ポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば、ラクトース、糖、マイクロクリスタ
リンセルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、またはソルビトー
ル)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポ
リエチレングリコール、またはシリカ)、分散剤(例えば、ジャガイモデンプン
またはナトリウムデンプングリコレート)、または湿潤剤、例えばラウリル硫酸
ナトリウムを含有しうる。錠剤は当業界で周知の方法によって被覆してもよい。
適した錠剤被覆の例は一般的な腸内分解性コーティングである。
あるいは、本発明の化合物を水性もしくは油性懸濁液、溶液、エマルジョン、
シロップまたはエリキシルのような経口液体製剤へ配合してもよい。さらに、こ
れらの化合物を含有する配合物を、使用前に水または他の適当な賦形剤と共に構
成するための乾燥生成物としてもよい。そのような液体製剤は一般的な添加剤、
例えば、懸濁化剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコー
ス/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素添加食用脂肪;乳化剤、例
えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性賦形剤(食用
油を含んでいてもよい)、例えばアーモンド油、分別ココナッツ油、油状エステ
ル、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;および防腐剤、例えばp−
ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸を含有しうる。
そのような製剤はまた、例えばココアバターまたはグリセリドのような一般的な
座薬基剤を含有する、座薬として配合してもよい。
経口投与の場合、本発明の化合物は、腸分解性物質から製造されたまたは腸分
解性フィルムで被覆された腸分解性被覆錠剤またはカプセルとして投与されるの
が好都合である。
さらに、本発明の組成物は注射または連続注入による非経口的投与用に配合し
うる。注射用の配合物は油性もしくは水性賦形剤中の懸濁液、溶液またはエマル
ジョンのような形をとってもよく、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のよ
うな配合剤を含んでいてもよい。あるいは、活性成分は使用前に適当な賦形剤(
例えば、滅菌した発熱物質を含まない水)と共に構成するために、粉末状であっ
てもよい。
本発明の組成物はまたデポ製剤として配合しうる。そのように長く作用する製
剤は注入(例えば、皮下または筋肉内)により、または筋肉内注射により投与し
うる。従って、本発明の化合物は適当な重合体または疎水性物質(例えば、許容
される油中のエマルジョンとして)、イオン交換樹脂、または少し可溶性の塩の
ような少し可溶性の誘導体と共に配合しうる。
本発明の組成物は活性剤を0.1〜99%含有し、錠剤およびカプセルの場合
は30〜95%、液体製剤の場合は3〜50%含有する。
一般式(I)の化合物およびそれらの塩は、後記の一般的な方法によって製造
しうる。以下の記載において、基R1〜R12およびXは、断りがなければ、式(
I)の化合物に対して定義した通りであるか、またはそれらに変換可能な基であ
る。
従って、これらの方法のいずれかでは、敏感なまたは反応性の基を保護する必
要があったりおよび/または望ましい。保護基は有機合成の標準的な方法に従っ
て用いる(T.W.GreenおよびP.G.M Watts、(1991)、Protecting Groups in Organic Synthes is
、ジョン ウイリー アンド サンズ)。これらの基は当業界で公知の方法
を用いて、合成の都合のよい段階で除去される。例えば、アミノ基はアリールメ
チル(例えばベンジル)、アシル、またはアリルスルホニルのよ
うなスルホニル、フタルイミド、またはトシルから選択される基で保護し、その
後、適当ならば標準条件を用いて、望ましいときは加水分解または水添分解によ
って、保護基を除去する。ヒドロキシルおよびカルボキシル基は、どのような一
般的なヒドロキシルまたはカルボキシル保護基を用いて保護してもよい。適した
ヒドロキシルおよびカルボキシル保護基の例はアルキル、例えばメチル、第3ブ
チルまたはメトキシメチル、アリールメチル、例えばベンジルジフェニルメチル
またはトリフェニルメチル、複素環式基、例えばテトラヒドロピラニル、アシル
、例えばアセチルまたはベンジル、およびトリアルキルシリルのようなシリル基
、例えば、ブチルジメチルシリルである。ヒドロキシル保護基は一般的な技術に
よって除去しうる。従って、例えば、アルキル、シリル、アシルおよび複素環式
基は酸性または塩基性条件下で加水分解することによって除去しうる。トリフェ
ニルメチルのようなアリールメチル基は酸性条件下での加水分解により同様に除
去しうる。ベンジルのようなアリールメチル基はパラジウム担持炭のような貴金
属触媒の存在下での水添分解によって開裂しうる。シリル基はまたフッ化テトラ
−n−ブチルアンモニウムのようなフッ化物イオン源を用いて除去すると好都合
である。
第1の一般的なプロセスAによると、式(I)の化合物は、R1、R2、R3、
Xおよびzが式(I)で定義した意味を有する式(III)
のアミンと、化合物R11Y(IV)[ここで、Yは基−NCO、HNCOClまた
はNHCORa(Raはニトロ置換フェノキシ基または1−イミダゾール基である
)である]との反応によって製造しうる。
反応はハロ炭化水素(例えばジクロロメタン)、エーテル(例えばテトラヒド
ロフラン)、またはニトリル(例えばアセトニトリル)、あるいはこれらの混合
物のような適当な溶媒の存在下、0〜80℃の温度で行うのが好都合である。
Yが−NCOである式(IV)の化合物は、購入しても、あるいは塩化メチレン
のような適当な溶媒中でのアミンH2N−R11とホスゲンまたはトリホスゲンと
の反応によって製造してもよい。YがNHCOClである式(IV)の化合物は、
塩化メチレンのような適当な溶媒中でのアミンH2NR11とホスゲンまたはトリ
ホスゲンとの反応によっても製造される。YがNHCORa、そしてRaが1−イ
ミダゾール基である式(IV)の化合物は、適当な溶媒(ジクロロメタン、エーテ
ル、テトラヒドロフラン)中、0〜80℃(一般には室温)にて、アミンH2N
R11をカルボニルジイミダゾールで処理することにより製造される。YがHNC
ORa、そしてRaがニトロ置換フェノキシ基である式(IV)の化合物は、塩基(
ピリジン、トリエチルアミン)の存在下、適当な溶媒(ジクロロメタン)中で、
0〜50℃での、アミンH2NR11と適当なクロロホルメートRaCOClとの反
応によって製造される。
さらに一般的なプロセスBによると、式(I)の化合物は、任意に第3アミン
(例えばトリエチルアミン)のような塩基の存在下、式(V)
(ここで、Yは基−NCO、−NHCOClまたはNHCORaであり、Raはニ
トロ置換フェノキシ基または1−イミダゾール基である)
の中間体と、アミン(VI)
H2N−R11 (VI)
との反応によって製造しうる。
反応は、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)またはエーテル(例え
ばテトラヒドロフラン)またはアミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド)
のような適当な溶媒中、任意に室温ないし溶媒の還流温度で行うと好都合である
。
式(V)の化合物はその場(in situ)でアミン(III)から製造するのが好都
合である。
Yが基NHCORa、そしてRaが1−イミダゾール基であるときのプロセス(
B)の特別の態様では、イミダゾリド(V)はその場で形成され、この場合、式
(VI)のアミンは、カルボニルジイミダゾールの存在下、上記の条件で、式(II
I)
の化合物と混合する。
Yが基NHCORa、そしてRaがニトロ置換フェノキシ基であるときのプロセ
ス(B)の場合、第1アミン(VI)との反応は第3アミンのような塩基、例えば
トリエチルアミンの存在下で行うのが好ましい。
Yがイソシアネート基−N=C=OであるときのプロセスBの場合、第1アミ
ン(VI)はハロ炭化水素のような中性溶媒、例えば塩化メチレン中で行うのが好
ましい。イソシアネートは、第1アミン(VI)を添加する前に、その場で発生さ
せると好都合である。
Raが任意に置換されたフェノキシ基である式(V)の化合物は、ピリジンの
ような塩基の存在下、相当するニトロ置換フェニルクロロホルメートと反応させ
ることによって第1アミン(III)から製造しうる。反応はハロ炭化水素のよう
な溶媒、例えばジクロロメタン中、0〜50℃で行いうる。
Raが1−イミダゾール基である式(V)の化合物は、ハロゲン化炭化水素(
例えばジクロロメタン)またはエーテル(例えばテトラヒドロフラン)のような
適当な溶媒の存在下、0〜80℃(都合がよいのは室温)で、式(III)の化合
物をカルボニルジイミダゾールと反応させることによって製造しうる。
Yがイソシアネート基−N=C=Oまたは塩化カルバモイル−NHCOClで
ある式(V)の化合物は,塩化メチレンのような適当な溶媒中、ホスゲン(CO
Cl2)またはトリホスゲンとの反応によって第1アミン(III)から製造しうる
。
さらに一般的なプロセスCによると、式(I)の化合物は式(VII)
の化合物と、式(VIII)
R1COCH2hal (VIII)
(ここで、hal=ClまたはBrである)
のハロアセトアミドとの反応によっても製造される。
反応は、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性中性溶媒中で、式(VII
)の化合物を水素化ナトリウムのような強塩基で処理し、次にアセチルハライド
(VIII)と反応させることによって行うと好都合である。
アセチルハライド(VIII)は、トリエチルアミンのような適当な塩基を用い、
アミンR1−Hと、0℃のジクロロメタン中の相当する臭化ハロアセチルとを反
応させることによって製造される。
R1が基−NR4R5であるアミンR1−Hは、アミンH2N−R5の適当なアルデ
ヒドまたはケトンでの還元アルキル化によって製造しうる。
一般的なプロセスDによると、一般式(I)の化合物はまた、式(III)の中
間体と、次のような式(IX)
HOOC−R2 (IX)
の酸との反応によって製造しうる。
式(III)の中間体と式(IX)の酸との反応は、適当な脱水剤、例えばジクロ
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−
3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDC)または4−ベンゾトリアゾ
ール−1−イルオキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ
ホスフェート[BOP、特に適当なアルコール(N−ヒドロキシルスクシンイミ
ドまたはN−ヒドロキシベンズトリアゾール)の存在下]の存在下で行いうる。
あるいは、一般式(I)の化合物は、式(III)の中間体と、酸塩化物または
その無水物(混合無水物を含めた)のような酸(IX)の活性誘導体との反応によ
って得てもよい。
一般的なプロセスDに適した溶媒は例えば、N,N−ジメチルホルムアミドま
たはジクロロメタンである。好ましい温度は0〜60℃である。この反応に好ま
しい塩基は例えば、トリエチルアミン N−メチルモルホリンまたはN,N−ジ
メチルアミノピリジン(DAMP)である。
さらに一般的なプロセス(E)によると、式(I)の化合物は、R3が水素で
ある式(I)の化合物に相当する化合物と、ハライドR3hal(ここで、ha
lはClまたはBr、そしてR3は式(I)で定義した通りの基、さらに詳しく
はヘテロアリール基、例えばピリジル、ピリミジニル等である)との反応によっ
て製造しうる。反応は銅金属および酢酸カリウムの存在下、およびジメチルスル
ホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒の存在下で行うと好
都合であり、好ましくは、反応は25〜100℃で行う。
さらに一般的なプロセス(F)によると、本発明の化合物は、本発明の他の化
合物に変換しうる。例えば、R8が基(CH2)bCO2Hである式(I)の化合物
は、水素化ナトリウムのような強塩基の存在下、R8が水素である式(I)の化
合物と、化合物Br(CH2)bCOOR*(ここで、R*はC1-4アルキルであ
る)とを反応させ、次に、酸性または塩基性加水分解のような一般的な方法によ
りカルボキシ保護基を除去することによって製造しうる。
またR11がアルコキシカルボニル基で置換されたフェニルである式(I)の化
合物を、一般的な方法、例えば酸加水分解によって加水分解すると、R11がカル
ボキシで置換されたフェニルである式(I)の化合物が得られる。
式(III)の化合物は、式(X)
(ここで、WはCH−N3またはC=N−NHPhである)
の化合物を還元することによって製造しうる。
WがCH−N3である式(X)の化合物は、炭素もしくは炭酸カルシウムのよ
うな支持体に担持された5〜10%パラジウム、または酸化パラジウム(IV)の
ような適当な触媒の存在下で水素添加することによって式(III)の化合物に還
元しうる。反応は、アルカノール(例えばエタノール)、エステル(例えば酢酸
エチル)または酢酸のような溶媒の存在下で行うと好都合である。
WがC=N−NHPhである式(X)の化合物は、亜鉛および酢酸との反応に
よって式(III)の化合物に還元しうる。この反応は0〜50℃で実施しうる。
WがCHN3である式(X)の化合物は、水素化ナトリウムまたはカリウムヘ
キサメチルジシラジドまたはカリウムt−ブトキシドのような強塩基で処理し、
その後、トリ−イソプロピルベンゼンスルホニルアジドまたはジ−t−ブトキシ
アジドジカルボキシレートで処理することによって、WがCH2である式(X)
の化合物から製造しうる。反応は、エーテル(例えばテトラヒドロフラン)のよ
うな溶媒中、−78〜20°で行うと好都合である。
式(III)の化合物はまた、ジメチルホルムアミドのような溶媒中での、Wが
CH2である式(X)の化合物と、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
およびO−(ジフェニル−ホスフェニル)ヒドロキシルアミンのような適当な塩
基との反応によって製造しうる。
WがC=NNHPhまたはCH2である式(X)の化合物は、エーテルのよう
な適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中での、オルト−フェニレンジアミン
(XI)と、QがCH2またはC=NNHPhである二酸塩化物(XII)との反
応によって製造しうる。
QがC=NNHPhである式(XII)の化合物は、ケトマロン酸とフェニルヒ
ドラゾンとを反応させ、次に、五塩化リンと反応させることによって製造しうる
。
式(XI)の化合物は公知の化合物であるか、あるいは類似の方法で製造しう
る化合物である。例えば、式(XI)の化合物はアミン(XIII)
のアルキル化によって製造しうる。従って、アミン(XIII)は、任意にヨウ化
ナトリウムの存在下、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒および炭酸カ
リウムのような塩基中、halが塩素または臭素である化合物R1COCH2ha
lと反応させてもよい。
下記の式(III)の中間体の別の製造は、次式(XIV)の中間体を水素化ナト
リウムで処理し、次に、N,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒中の
ハロアセトアミド(VIII)を0℃で加えて、次式(XV)の保護された中間体を
得る
ことを含むものである。
中間体(XVI)は、塩化メチレン中でのHBrでの処理によってアミン(III
)に変換しうる。
中間体(XIV)は、トリエチルアミンを塩基として用い、ジクロロメタン中、
ベンジルオキシクロロホルメートと反応させることによって、式(XVI)の中間
体から得られる。この反応は室温で行うと好都合である。
中間体(XVI)は次のプロセスによってフェニレンジアミン(XIII)から製
造される。
ジアミン(XIII)とp−メトキシベンゾクロリドとを反応させ、次に、この
よ
うにして形成されたアミドを水素化リチウムアルミニウムで還元すると、次式の
N−保護ジアミン(XVII)が得られる。
式(XVII)と二酸塩化物(XII;Q=C=NNHPh)とを反応させ、次に、
亜鉛および酢酸で還元すると、次式のアミン(XVIII)が得られる。
式(XVIII)の化合物は、Ce(NO2)6NH4(硝酸セリウムアンモニウム
)との反応によって、必要な化合物(XVI)に変換しうる。
式(VII)の化合物は、上記の一般的なプロセスA、BまたはCを用いて、式
(XVI)の化合物から製造しうる。
R3が水素である式(I)の化合物に相当するものは、一般的なプロセスA、
BおよびCを用いて、R3が水素である相当するアミン(III)から製造しうる。
R3が水素である式(III)の化合物は、R3が一般的な方法で除去しうるp−メ
トキシベンジル基である中間体を用いるR3が複素環式基である式(III)の化合
物の製造について上で述べた一般的なプロセスを用いて製造しうる。
従って、ジアミン(XIX)
とハロアセトアミド(VIII)との反応でジ置換ジアミン(XX)
が得られる。
化合物(XX)と、QがC=NNHPhである二酸塩化物(XII)とを反応さ
せ、次に、亜鉛および酢酸で還元するとベンゾジアゼピン(XIX)
が得られる。
式(XXI)の化合物と硝酸セリウムアンモニウムとの反応で、R3が水素であ
る式(III)の化合物に相当するものが得られる。
ジアミン(XIX)は、ニトロフルオロ誘導体(XXII)
とp−メトキシベンジルアミンとを反応させ、次に、ニトロ基を還元することに
よって製造しうる。
WがCH2である式(X)の化合物は、銅ダストおよび酢酸カリウムの存在下
、X、zおよびR1が式(I)で定義した通りの意味を有する式(XXIII)
の化合物と、臭化物R3Br(ここで、R3は上記の通りの意味を有する)とを反
応させることによって製造しうる。反応は加熱しながら、ジメチルホルムアミド
のような極性溶媒中で行うのが好ましい。
化合物(XXIII)は、X1、zおよびR1が上で定義した意味を有するジアミ
ン(XXIV)
と、二塩化マロニルとを、WがCH2である式(X)の化合物の製造について記
載したのと同様に反応させることによって製造しうる。
式(I)の化合物は少なくとも1つの非対称炭素原子、すなわち置換尿素基が
結合しているジアゼピン環の炭素原子を含む。式(I)の化合物の特定の光学的
対掌体は、キラルHPLCのような一般的な方法を用いるラセミ化合物の分割に
より得られる。あるいは、必要な光学的対掌体は、アミン(III)から式(I)
の化合物を製造する上記プロセスのいずれかを用いて、式(III)の相当する光
学的対掌体から製造しうる。アミン(III)の光学的対掌体は、適当に光学的に
活性な酸での塩形成のような一般的な方法を用いて、または分取キラルHPLC
により、ラセミアミン(II)から製造しうる。
実施例
次の実施例では本発明のいくつかの具体的な化合物の合成について説明し、そ
して一般的なプロセスA〜Eの具体的な応用についてさらに例示する。従って、
次の実施例部分は本発明の範囲を限定するものではない。
これらのプロセス、スキームおよび実施例で用いる記号および慣行は、現代の
科学文献、例えば、Journal of American Chemica
l Societyで用いられているものである。断りがなければ、全ての出発
物質は市販のものであり、さらに精製することなく使用した。特に、次の略号を
実施例および明細書で用いる:g(グラム);mg(ミリグラム);L(リット
ル);mL(ミリリットル);psi(ポンド/インチ2);M(モル);mM
(ミリモル);i.v.(静脈内);Hz(ヘルツ);mol(モル);RT(
室温);min(分);h(時間);M.p.(融点);TLC(薄層クロマト
グラフィー);MeOH(メタノール);TFA(トリフルオロ酢酸);THF
(テトラヒドロフラン);ジメチルスルホキシド(DMSO);EtOAc(酢
酸エチル);ジクロロメタン(DCM);ジメチルホルムアミド(DMF);1
,1−カルボニルジイミダゾール(CDI);イソブチルクロロホルメート(i
BuCF);N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu);N−ヒドロキシベン
ズトリアゾール(HOBT);1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチ
ルカルボジイミドヒドロクロリド(EDC);ビス(2−オキソ−3−オキサゾ
リジニル)ホスフィン酸塩化物(BOP);t−ブチルオキシカルボニル(BO
C);ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);ベンジルオキシカルボニル
(Cbz);4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)。エーテルは全てジエチ
ルエーテルである。断りがなければ、温度は℃(摂氏度)で表す。断りがなけれ
ば、反応は全て室温で行った。
1HNMRスペクトルはVarian VXR−300またはVarian
Unity−300装置で記録した。化学シフトは百万当たりの部(ppm、d
単位)で表す。カップリング定数はヘルツ(Hz)の単位である。スプリットパ
ターンはs,一重項;d,二重項;t、三重項;q,四重項;m,多重項;b,
ブロードとして示す。
低分解能質量スペクトル(MS)はJOEL JMS−AX505HA、JO
EL SX−102またはSCIEX−APIiii分光計で記録した。質
量スペクトルは全てエレクトロスプレーイオン化(ESI)、化学的イオン化(
CI)、電子衝撃(EI)の下でプラスのイオンモードで、あるいは高速原子衝
撃(FAB)法によって得た。赤外(IR)スペクトルは、1−mm NaCl
セルを用いてNicolet 510 FT−IR分光計で得た。回転はパーキ
ン・エルマー241旋光計で記録した。反応は全て、UV光、7%エタノールホ
スホモリブデン酸またはp−アニスアルデヒド溶液で可視化した、0.25mm
E.メルクシリカゲルプレート(60F−254)上での薄層クロマトグラフ
ィーによって調べた。フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル(23
0〜400メッシュ、メルク)上で行った。
生成物は、デルタ−パックラジアル圧縮カートリッジ(C18、300A、15
m、47mm×300mm)を備えたWaters Model 3000De
lta Prepを用いて、分取逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HP
LC)により精製した。溶媒系にはA、水性0.1%トリフルオロ酢酸、B、6
0%アセトニトリル、40%水性0.1%トリフルオロ酢酸、およびC、アセト
ニトリルが含まれていた。全ての溶媒は0.1%TFAを含有していた。全ての
場合で直線勾配を用い、流量は100mL/分(to=5.0分)であった。分
析純度は、Waters 990ダイオード配置分光計(1範囲は200−40
0nM)を備えたWaters 600Eシステムを用いて、RP−HPLCに
よって調べた。固定相はVydac C18カラム(5m、4.6mm×250m
m)であった。流量は1.0〜1.5ml/分(to=2.8または3.0分)
であり、溶媒系は上記の通りであった。データは保持時間(分)、Tr、(時間
における%アセトニトリル)として示した。
実施例12−[2,4−ジオキソ−3−(3−フェニル−ウレイド)−5−ピリジン−2 −イル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1 −イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
フェニルイソシアネート(25.6mg)の塩化メチレン(1ml)中の溶液
を、2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イル−2,3,
4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イ
ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(100mg)の
塩化メチレン(1ml)中の溶液に加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌し
た。溶媒を真空中で除去し、残留物を酢酸エチルから再結晶して、表題生成物(
44mg)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(300MHz,C
DCl3);1.03(2×d,J=7Hz,6H),3.81(s,3H),
4.17(d,J=16Hz,1H),4.37(d,J=16Hz,1H),
5.0(sept,J=7.1Hz,1H),5.40(d,J=6.3Hz,
1H),6.40(d,J=5.3Hz,1H),6.8−7.3(m,17H
),7.80(br,1H),8.42(d,J=3.9Hz,1H)。Tlc
(10%MeOH,CH2Cl2)Rf=0.53。m/z[MH]+=593。
実施例21H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ ェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イル −2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン− 3−イル}−アミド
2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イル−2,3,4
,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−(
4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(276mg)、BOP(244mg
)、
HOBT(78mg)、DMAP(69mg)およびインドール−2−カルボン
酸(98mg)のDMF(1ml)中の溶液を室温で18時間撹拌した。反応混
合物を酢酸エチル(15ml)で希釈し、1N水性水酸化ナトリウム溶液(2×
15ml)、水(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、、乾燥(K2C
O3)し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。線状勾配(20%A、80%B
ないし90%B、10%C、30分)を用いてRP−HPLCによって精製して
、表題生成物(26.6mg)を白色の親液性物質として得た;
Tr=21.3分。1H NMR(300MHz,CDCl3);0.98(2×
d,J=7Hz,6H),3.68(s,3H),4.17(d,J=16.6
Hz,1H),4.37(d,J=16.8Hz,1H),4.87(sept
,J=6.8Hz,1H),5.40(d,J=6.8Hz,1H),6.40
(d,J=5.3Hz,1H),6.75−6.84(m,5H),6.92−
6.99(m,2H),7.07(t,J=7.3Hz,1H),7.09−7
.2(m,4H),7.24(t,J=9.2Hz,1H),7.40(t,J
=9.1Hz,2H),7.52(d,J=7.9Hz,1H),7.72(m
,2H),8.38(d,J=4.4Hz,1H),9.19(s,1H)。m
/z[MH]+=617。
実施例3および4(+)または(−)1H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル− (4−メトキシ−フェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5− ピリジン−2−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1 ,4]ジアゼピン−3−イル}−アミド
実施例2の100mg部を半分取Pirkle D−ロイシンカラムに施し、
個々の光学的対掌体をヘキサン(77%)、イソプロピルアルコール(20%)
およびアセトニトリル(3%)からなるイソクラティク溶媒系で溶離した。各溶
媒は0.3%のジエチルアミンを含んでいた。適切なフラクションを集め、一緒
にした。溶媒は真空中で除き、残留物を水中で粉砕した。得られた沈殿物を濾過
によって分離し、真空中で乾燥した。
実施例3:キラル分析(Pirkle D−ロイシン、2mL/分)
Tr=19.62分(100%)。m/z[MH]+=617。
実施例4:キラル分析(Pirkle D−ロイシン、2mL/分)
Tr=22.797分(98.4%)。m/z[MH]+=617。
実施例51H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ ェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリミジン−2−イ ル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン −3−イル}−アミド
2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イル−2,3,4
,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−(
4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(933mg、1.97mmol)のDM
F(20mL)中の溶液に、インドール−2−カルボン酸(333mg、2.0
7mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(266mg、1.97mmol)お
よび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロク
ロリド(415mg、2.16mmol)を、周囲温度で撹拌しながら連続して加え
た。得られた混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて
、黄色油を得た。これを酢酸エチル(100mL)に溶解し、水(2×30mL
)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄褐色の泡状物
を得た。粗生成物を酢酸エチル(600mL)で溶離するシリカゲル(30g)
上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。適切なフラクションを
一緒にし、真空中で濃縮して、表題化合物(902mg、1.46mmol)を白色
泡状
物として得た。1H NMR(CDCl3,400MHz,);9.44(s,1
H),8.75(d,2H,J=4.4Hz),7.64−6.88(m,15
H),5.60(d,1H,J=6.8Hz),5.03(m,1H),4.4
5(d,1H,J=16.6Hz),3.99(d,1H,J=16.6Hz)
,3.81(s,3H),1.07(m,6H);
TLC(CH2Cl2/CH3OH(19:1));Rf=0.63;
MS(FAB)m/z 618.2(MH+)。
実施例61H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ ェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−(1,3,5−トリ メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H −ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−アミド
2−[3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−(1,3,5−トリメチル−1H
−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1
,4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェ
ニル)−アセトアミド(385mg、0.76mmol)のDCM(5mL)中の溶
液に、インドール−2−カルボン酸(148mg、0.92mmol)、HOBT(
125mg、0.92mmol),EDC(176mg、0.92mmol)およびTE
A(2g)を加えた。溶液を室温で48時間撹拌し、次に、DCM(100mL
)に注いだ。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(×2)、ブラインで抽出し、M
gSO4で乾燥し、真空中で濃縮した。得られた固体をエタノール中で粉砕して表題化合物
(159mg)を得た:Tr=18.3分(30分間30−55%C
);1H NMR(d6−DMSO,300MHz)δ11.8(s,1H),8
.45(s,1H),7.7−6.9(m,12H),5.36(m,1H),
4.78(m,1H),4.23(m,2H),3.79(s,3H),
3.64(d,3H,J=26.6),2.11(d,3H,J=31),1.
5(d,3H,J=72);低分解能MS(FAB)m/e 648(MH+)
。
実施例71H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ ェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル −2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン− 3−イル}−アミド
1H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−
フェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−アミド(0
.14g、0.26mmol)および3−ブロモピリジン(40μL、0.42mmol
)のDMF(1mL)中の溶液に、銅粉末(46mg、0.73mmol)および酢
酸カリウム塩(38mg、0.73mmol)を加えた。不均質溶液を100℃で1
5時間撹拌し、その後、セライトに通して熱濾過し、メタノールで洗浄した。得
られた沈殿物を濾過し、RPHPLC(30分間40−60%C)によって精製
して表題化合物(19mg)を白色親液性物質として得た:Tr=8.7分(3
0分間40−60%C);1H NMR(d6−アセトン,300MHz)δ10
.98(s,1H),9.02(s,1H),8.76(s,1H),7.85
(d,1H,J=8.8),7.5(m,15H),5.68(d,1H,J=
7.6),5.02(m,1H),4.65(ABq,2H,J=16.8,1
35),4.02(s,3H),2.19(d,3H,J=2.0),2.18
(d,3H,J=2.0);低分解能MS(FAB)m/e617(MH+)。
実施例82−[2,4−ジオキソ−3−(3−フェニル−ウレイド)−5−ピリジン−3 −イル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1 −イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
フェニルイソシアネート(36.6mg,0.295mmol)の塩化メチレン(
1mL)中の溶液を、2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3
−イル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1
−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
(140mg.0.295mmol)の塩化メチレン(1mL)中の溶液に加え、得
られた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除き、残留物を酢酸エチ
ル中の5%メタノールから再結晶して表題化合物(49mg)を白色粉末として
得た:1H NMR(300MHz,CDCl−3);s8.72(s,1H)
,8.56(d,1H,J=8.0),7.92(d,1H,J=8.0),6
.91−7.43(m,16H),6.43(d,1H,J=8.3),5.4
3(d,1H,J=8.3),4.95(sept,1H,J=6.8),4.
60(d,1H,J=11.8),4.18(d,1H,J=11.8),3.
88(s,3H),1.06(m,6H);低分解能MS(FAB)m/e59
3(m+)。
実施例93−(3−{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル)−カルバモイル メチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,5−テト ラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−ウレイド) −安息香酸t−ブチルエステル
トリホスゲン(22.1mg)を、m−アミノ安息香酸t−ブチル(43.3
mg,0.224mmol)のTHF(5mL)およびトリエチルアミン(0.06
8mL)中の0℃溶液に加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、
2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,
5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプ
ロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(106mg.0.2
24mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除き
、残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、0.5N塩酸(2×30mL)、
水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空
中で濃縮して表題化合物(115mg)を白色固体として得た:1
H NMR(300MHz,CDCl−3);δ8.62(s,1H),8.
59(d,1H,J=8.0),7.92(d,1H,J=8.0),6.91
−7.83(m,15H),6.43(d,1H,J=8.1),5.43(d
,1H,J=8.1),4.91(sept,1H,J=6.8),4.60(
d,1H,J=11.8),4.18(d,1H,J=11.8),3.86(
s,3H),1.66(s,9H),1.06(m,6H)。
実施例103−(3−{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル)−カルバモイル メチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,5−テト ラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−ウレイド) −安息香酸
3−(3−{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル)−カルバモイ
ルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−ウレイド
)−安息香酸t−ブチルエステル(115mg,0.224mmol)および4N
HClのジオキサン(1mL)中の混合物を室温で1.75時間撹拌し、その後
、さらにジオキサン中の1mLの4N HClを加え、そして反応混合物を室温
で一晩撹拌した。エーテル(20mL)を加え、得られた沈殿物をエーテル(3
×30ml)中で粉砕して表題化合物を白色粉末として得た:1
H NMR(300MHz,CDCl−3);s8.61(s,1H),8.
56(d,1H,J=8.2),7.91(d,1H,J=8.2),6.91
−7.83(m,16H),6.41(d,1H,J=7.9),5.43(d
,1H,J=7.9),4.91(sept,1H,J=6.8),4.60(
d,1H,J=11.8),4.18(d,1H,J=11.8),3.86(
s,3H),1.06(m,6H);低分解能MS(FAB)m/e 637(
m+)。
実施例111H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ ェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−インドールジオキソ−5−ピリジン −4−イル−2,3,4,5,5a,9a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[b] [1,4]ジアゼピン−3−イル}−アミド
23.3mg(0.049mmol)の2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5
−ピリジン−4−イル−2,3,4,5,5a,9a−ヘキサヒドロ−ベンゾ[
b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキ
シ−フェニル)−アセトアミドのDMF0.5mL中の溶液に、8.5mg(0
.052mmol;1.05当量)のインドール−2−カルボン酸、6.7mg(0
.049mmol;1当量)のN−ヒドロキシベンゾトリアゾール、および10.4
mg(0.054mmol;1.1当量)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−
3−エチルカルボジイミドヒドロクロリドを周囲温度で撹拌しながら連続して加
えた。得られた混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ
て黄色油状物を得た。これをDCM(30mL)に取り、飽和NaHCO3で洗
浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄褐色泡状物を得た。
粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(4:1;100mL)、酢酸エチル(10
0mL)で連続して溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーに
より精製した。適切なフラクションを一緒にし、真空中で濃縮して、10.2m
g(0.017mmol)の表題化合物を白色泡状物として得た:1H NMR(ア
セトン−d6,300MHz);d10.83(s,1H),8.63(s,1
H),7.69(m,2H),7.61(d,1H,J=8.2),7.53(
m,3H),7.45(m,1H),7.38−7.28(m,4H),7.2
3(t,1H),7.09(m,4H),5.50(d,1H,J=7.6),
4.85(m,1H),4.65(d,
1H,J=16.6),4.28(d,1H,J=16.7),3.86(s,
3H),1.01(m,6H);TLC Rf=0.36(EtOAc);MS
(FAB)m/z 617.3(MH+)。
実施例123−(3−{7−フルオロ−1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル) −カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3 ,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル }−ウレイド)−安息香酸t−ブチルエステル
2−(3−アミノ−7−フルオロ−2.4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イ
ル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン
−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メチル−フェニル)−アセトアミ
ド(0.165mmol)のアセトニトリル4mL中の溶液を、59mgの3−[(
4−ニトロフェニル)オキシカルボノル]−アミノ−安息香酸t−ブチルエステ
ル(0.165mmol、1当量)と一緒にし、窒素下、3時間、還流加熱した。得
られたスラリーを5℃に冷却し、30分間保持し、濾過し、高真空下で乾燥して
、93mgの表題化合物を結晶質固体として得た:1H NMR(300MHz
,d6−DMSO);d9.41(s,1H),8.74(d,1H,J=2.
3),8.61(dd,1H,J=1.5,4.9),7.99(m,1H),
7.95(m,1H),7.67(dd,1H,J=5.6,9.3),7.5
7(m,2H),7.48(m,1H),7.31(m,4H),7.10(d
,2H,J=8.9),6.97(d,1H,J=7.7),6.87(dd,
1H,J=8.9),5.16(,1H,J=7.6),4.78(m,1H)
,4.56(dd,1H,J=16.5),4.19(d,1H,J=16.5
),3.84(s,3H),1.54(s,9H),0.98(m,6H);低
分解能MS(FAB)m/e 710(MH+)。
実施例133−(3−{7−フルオロ−1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル) −カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3 ,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル }−ウレイド)−安息香酸
3−(3−{7−フルオロ−1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フェニル
)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イ
ル}−ウレイド)−安息香酸t−ブチルエステル(0.118mmol)および4m
Lのトリフルオロ酢酸の混合物を窒素下で1.5時間撹拌した。トリフルオロ酢
酸を真空中で除き、残留物をジエチルエーテル中で粉砕した。スラリーを濾過し
、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥して、85mgの表題化合物を白
色結晶質トリフルオロ酢酸塩として得た:1H NMR(300MHz,d6−D
MSO);d9.33(s,1H),8.70(b,1H),8.57(d,1
H,J=4.7),8.00(m,1H),7.97(d,1H,J=8.6)
,7.61(dd,1H,J=5.5,9.1),7.55(dd,1H,J=
4.88,8.2),7.47(m,2H),7.26(m,4H),7.05
(d,2H,J=9.0),6.92(d,1H,J=7.8),6.82(d
d,1H,J=2.8,9.6),5.10(d,1H,J=7.6),4.7
2(m,1H),4.51(d,1H,J=16.8),4.14(d,1H,
J=16.8),3.78(s,3H),0.92(m,6H);低分解能MS
(FAB)m/e 655(MH+)。
実施例14および15(+)または(−)1H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル− (4−メトキシフェニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−5−ピ リジン−3−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1, 4]ジアゼピン−3−イル}−アミド
実施例7の光学的対掌体を、ダイセルケミカルインダストリーのキラルパック
−AD分取カラム(20ミクロン、5cm×50cm)を固定相として備えたW
ater Model 4000 Delta Prepを用いる分取高圧液体
クロマトグラフィー(HPLC)によって分離した(>99.9%ee)。使用
移動相は72%ヘキサン/21%イソプロピルアルコール/7%クロロホルムで
あった。50mL/分(to=16分)の流量のイソクラティク状態を用いた。
適切なフラクションを一緒にし、真空中で濃縮し、水およびアセトニトリルから
親液性化して目標類似体を得た。分析純度は、ヒューレットパッカード1050
ダイオート配置分光計(ラムダ範囲200−400)を備えたヒューレットパッ
カード1020システムを用いるHPLCによって調べた。固定相はダイセルケ
ミカルインダストリーのキラルパック−AD(10ミクロン、0.46cm×2
5cm)であった。移動相は上記のものと同じであり、流量は1.0mL/分(
to=3分)であった。2つの異性体の保持時間(分)、Tr、は次の通りであ
った。
光学的対掌体1、実施例14:Tr=25.06分
光学的対掌体2、実施例15:Tr=81.39分
中間体1イソプロピル−(4−メトキシフェニル)アミン
周囲温度の4−メトキシフェニルアミン(1.24g、6.22ミリモル)の
メタノール(15mL)中の撹拌溶液に、氷酢酸(415mg、6.91mmol)
、アセトン(669mg、11.5mmol)、およびTHF中の1Mナトリウムシ
アノボロハイドライド(12.7mL、12.6mmol)を連続して加えた。反応
混合物を一晩、室温で撹拌した。6N HClでpHを2に調整し、30分間撹
拌して過剰のナトリウムボロハイドライドを除いた。次に、1N NaOHでp
Hを8.5に調整し、得られた溶液をジエチルエーテル(2×50mL)および
酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機抽出物を一緒にし、硫酸ナトリウムで
乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.42g、5.91mmol)
を黄色油状物として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3);δ6.7
8(d,J=8.8Hz,2H),6.57(d,J=9.1Hz,2H),3
.75(s,3H),3.55(m,1H),2.92(br s,1H),1
.18(d,J=6.1Hz,6H);TLC(EtOAc/ヘキサン(2:3
)):Rf=0.72。
中間体22−ブロモ−N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)アセトアミド
イソプロピル−(4−メトキシフェニル)−アミン(25.11g、152mm
ol)のジクロロメタン(250mL)中の溶液に、トリエチルアミン(15.3
8g、152mmol)を撹拌しながら周囲温度で加えた。溶液を氷浴(<3℃)で
冷却し、ジクロロメタン(100mL)に溶解した臭化ブロモアセチル(30.
68g、152mmol)を45分かけて滴加した。反応混合物を一晩、周囲温度で
撹拌し、0.3N HCl(300mL)およびブライン(300mL)で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて、暗褐色
油状物を得た。油状物をシリカゲル(150g)のパッドに通して濾過し、これ
を酢酸エチル/ヘキサン(1.1、900mL)で溶離し、濾液を減圧下で蒸発
させて、表題化合物(41.05g、143mmol)を褐色油として得、これを放
置して結晶化させた。1H NMR(300MHz,CDCl3);d1.04(
d,J=6.8Hz,6H),3.53(s,2H),3.84(s,3H),
4.93(m,1H),6.93(d,J=9.1Hz,2H),7.10(d
,J=9.1Hz,3H);TLC(EtOAc/ヘキサン(3:17)):Rf
=0.18。
中間体32−(フェニルヒドラゾノ)−マロン酸
周囲温度のケトマロン酸一水和物(29.33g)のエタノール(140mL
)および水(300mL)中の激しく撹拌した溶液に、フェニルヒドラジン(2
3.3g)を40分かけて滴加した。得られたスラリーを一晩、周囲温度で撹拌
した。固体を濾過によって分離し、冷水(100mL)およびエタノール(25
ml)で連続して洗浄し、空気乾燥した。その後の乾燥は75℃で一晩、真空オ
ーブン中で行って、表題化合物を黄色固体(42.38g)として得た。1H
NMR(300MHz,DMSO−d6);d7.12(t,1H),7.35
−7.48(m,4H);融点:155−157℃(分解)。
中間体42−(フェニルヒドラゾノ)−プロパンジオールジクロリド
5℃の2−(フェニルヒドラゾノ)マロン酸(14.73g)のクロロホルム
(90mL)中の撹拌溶液に、五塩化リン(36.84g)を20分かけて滴加
した。完全に添加した後、溶液を室温に温め、1時間撹拌し、次に、3時間還流
加熱した。溶液を氷浴で冷却し、得られた沈殿物を濾過によって分離し、冷ヘキ
サン(50mL)で洗浄し、真空下で一晩乾燥して、表題化合物(13.4g)
を鮮やかな黄色固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)
;d7.12(t,1H),7.20−7.56(m,4H);融点:135−
138℃(分解)。
中間体52−(2−アミノピリジル)ニトロベンゼン
水素化ナトリウム(油中60%、1.26g)を2−アミノピリジン(2.0
0g)のTHF(10mL)中の0℃溶液に加え、得られた混合物を0℃で1時
間撹拌した。2−フルオロニトロベンゼン(2.21mL)のTHF(8mL)
中の溶液を滴加し、得られた混合物を一晩で室温にした。飽和水性炭酸水素ナト
リウム(10mL)を加え、分離した水性相をジクロロメタン(3×10mL)
に抽出した。一緒にした有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(
MgSO4)、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離
剤はシクロヘキサン:酢酸エチル;3:1)で表題化合物(2.23g)をオレ
ンジ/赤色の固体として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3);6.
83(m,3H),7.42(dt,J=1.7Hz,1H),7.40(dt
,J=1.7Hz,1H),8.08(dd,J=1.7Hz,1H),8.2
1(d,J=1,1.5Hz,1H),8.61(dt,J=1.7Hz,1H
),10.0(s,1H);融点:71℃。
中間体6N−(2−ピリジル)フェニレンジアミン
2−(2−アミノピリジル)ニロトベンゼン(2.14g)を氷酢酸(45m
L)に溶解し、鉄屑(5.57g)を加え、得られた混合物を室温で72時間撹
拌し、その後、固体はセライトに通して濾過することによって除去し、溶媒は真
空中で濃縮することによって除いた。水性炭酸水素ナトリウム(2M)溶液を加
えて溶液のpHを8に調整し、次に、この混合物をジクロロメタン(3×30m
L)に抽出した。一緒にした有機層をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(
MgSO4)、真空中で濃縮して、表題化合物(1.68g)をベージュ色の固
体として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3);6.12(br,2
H),6.42(d,J=6Hz,1H),6.68(m,1H),6.78(
m,3H),7.008(dt,J=1,6.0Hz,1H),7.15(dd
,J=1,5.8Hz,1H),7.42(m,1H),8.15(br,1H
);Tlc(シクロヘキサン:酢酸エチル;1:1);Rf=0.2。
中間体7N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−2−[2−(ピリジン− 2−イルアミノフェニルアミノ)]−アセトアミド
N−(2−ピリジル)フェニレンジアミン(2.00g)、イソプロピル−(
4−メトキシフェニル)アミン(3.08g)および炭酸カリウム(1.50g
)のDMF(30mL)中の混合物を室温で22時間撹拌した。溶媒を真空中で
除き、残留物を酢酸エチル(50mL)と水(3×30mL)との間で分配した
。有機相をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空中で濃
縮して、粗製表題化合物を褐色固体として得た。酢酸エチル:ヘキサン(1:1
)からの2回の再結晶で、表題化合物を淡黄褐色固体として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3);1.01(d,J=7Hz,6H)
,3.4(s,2H),3.83(s,3H),4.98(sept,J=7H
z),6.08(s,1H),6.31(d,J=8.5Hz,1H),6.4
2(d,J=8.0Hz,1H),6.66(m,2H),6.9−7.1(m
,6H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.40(d,J=6.5
Hz,1H),8.18(d,J=3.5Hz,1H);Tlc(10% Me
OH、CH2Cl2);Rf=0.42。
中間体82−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−ピリジン−2− イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1 −イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−アセトアミド
N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−2−[2−(ピリジン−
2−イルアミノフェニルアミノ)]−アセトアミド(500mg)のTHF(2
0mL)中のおよび2−(フェニルヒドラゾノ)−プロパンジオイルジクロリド
(317mg)のTHF(20mL)中の溶液を、THF(20mL)の0℃試
料に同時に加え、得られた混合物を室温に一晩温めた。溶媒を真空中で除き、残
留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、2N水性炭酸水素ナトリウム(2×3
0mL)、水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4
)、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲル上でのフラッシュクロマ
トグラフィーを行い、10%メタノール/塩化メチレンで溶離して、表題化合物
をヒドラゾン(460mg)の3:2混合物として得た。光学的対掌体の混合物
であるため1H NMRデータは判断できなかった。Tlc(10%MeOH、
CH2Cl2);Rf=0.62。
中間体92−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−2−イル−2,3,4, 5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソ プロピル−N−(4−メトキシフェニル)−アセトアミド
2−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−ピリジン−2
−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−
1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−アセトアミド
(460mg)、亜鉛ダスト(430mg)および酢酸(5.6mL)を室温で
3時間撹拌した。セライトに通して濾過することによって固体を除去し、濾液を
真空中で濃縮し、残留物をヘキサンとの共沸混合物にした。残留物を酢酸エチル
(50mL)に溶解し、2N水性炭酸水素ナトリウム(2×30mL)、水(3
0mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空中で濃
縮して、粗生成物(270mg)を得た。これはさらに精製することなく用いた
。1H NMR(300MHz,CDCl3);1.03(d,J=7Hz,6H
),3.79(s,3H),4.02(d,J=10Hz,1H),4.40(
s,1H),4.42(d,J=10Hz,1H),5.0(sept,J=7
.1Hz,1H),6.8−7.3(m,10H),7.44(d,J=8.0
Hz,1H),7.68(d,J=8.0Hz,1H),7.80(m,1H)
,8.42(d,J=3.9Hz,1H);Tlc(10%MeOH、CH2C
l2);Rf=0.23。
中間体10(2−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−2−イル−アミン
5℃に冷却した、2−アミノピリミジン(10g、105mmol)のDMF(1
00mL)中の溶液に、鉱油(5.47g、137mmol)中の60%水素化ナト
リウムを加え、得られた混合物を冷却しながら1時間撹拌した。DMF(30m
L)中の1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(14.83g105、mmol)を、
冷却撹拌溶液に20分かけて滴加した。溶液をゆっくり周囲温度に温め、3時間
撹拌した。水(300mL)を加えて生成物を沈殿させ、濾過によって分離し、
乾燥して、表題化合物(13.39g、61.9mmol)をオレンジ色の固体とし
て得た。1H NMR(アセトン−d6,400MHz);10.34(br s
,1H),9.00(d,1H,J=8.6Hz),8.60(d,2H,J=
4.8Hz),8.23(d,1H,J=8.4Hz),7.74(t,1H)
,7.17(t,1H),7.06(t,1H);TLC(EtOAc/ヘキサ
ン(3:17)):Rf=0.27。
中間体11N−ピリミジン−2−イル−ベンゼン−1,2−ジアミン
(2−ニトロフェニル)−ピリミジン−2−イル−アミン(13.2g、61
.1mmol)の、EtOAc(450mL)およびCH3OH(350ml)の混
合物中の溶液に、ラニーニッケル(16g(水で濡れている))を加え、反応混
合物を1気圧の水素の下、周囲温度で3時間水素添加した。触媒を濾過により除
去し、濾液を真空中で濃縮して赤褐色固体を得た。これを冷CH3OH(250
mL)中で粉砕すると、表題化合物(8.21g、44.1mmol)がグレーの固
体として得られた。1H NMR(CDCl3,400MHz);8.38(d,
2H,J=4.9Hz),7.37(d,1H,J=7.9Hz),7.08(
t,1H),7.00(br s,1H),6.83(m,2H),6.67(
t,1H),3.60(br s,2H);Tlc(EtOAc/ヘキサン(2
:1));Rf=0.33。
実施例12N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−2−[2−(ピリミジン −2−イルアミノ)−フェニルアミノ]−アセトアミド
N−ピリミジン−2−イル−ベンゼン−1,2−ジアミン(82mg、0.4
41mmol)のDMF(2mL)中の溶液に、炭酸カリウム(61mg、0.44
1mmol)、ヨウ化カリウム(7mg、0.044mmol)および2−ブロモ−N−
イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(126mg、
0.441mmol)を加えた。得られた反応混合物を一晩、60℃で撹拌した。溶
媒を真空中で除き、粗製物質をCH2Cl2(35mL)と水(15mL)との間
で分配した。有機相を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油
状物を得た。これをEtOH(6mL)中で粉砕し、濾過すると、表題化合物(
96.7mg、0.247mmol)が黄色結晶として得られた。1
H NMR(CDCl3,300MHz);8.36(d,2H,J=4.9H
z),7.38(dd,1H,J=1.2,7.8Hz),7.06−6.90
(m,6H),6.75(t,1H),6.66(t,1H),6.36(dd
,1H,J=1.2,7.8Hz),4.97(m,1H),3.87(s,3
H),3.43(s,2H),1.04(d,6H,J=6.8Hz);TCL
(EtOAc);Rf=0.62;MS(FAB)m/z 392.0(MH+)
。
中間体132−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−ピリミジン−2 −イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン− 1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミ ド
氷浴中で冷却した、N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−2−
[2−(ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニルアミノ]−アセトアミド(5
00mg、1.28mmol)のTHF(12mL)中のスラリーに、THF(6m
L)中の2−(フェニル−ヒドラゾノ)プロパンジオイルジクロリド(344m
g、0.141mmol)を5分かけて滴加した。添加完了後、溶液を室温に温め、
一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた油状物を酢酸エチル(80m
L)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾
過し、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン
(2:1、250mL)で溶離するシリカゲル(15g)上でのフラッシュクロ
マトグラフィーによって精製した。適切なフラクションを一緒にし、濃縮して、表題化合物
(500mg、0.886mmol)を黄色泡状物として得た。1H N
MR(CDCl3,300MHz);11.22(s,1H),8.58(m,
2H),7.70−6.90(m,14H),5.05(m,
1H),4.46(m,1H),3.82(m,4H),1.12(m,6H)
TCL(EtOAc/ヘキサン(2:1));Rf=0.21:MS(FAB)
m/z 654.1(MH+)。
中間体142−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリミジン−2−イル−2,3,4 ,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−イ ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
周囲温度の、2−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−
ピリミジン−2−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4
ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−
アセトアミド(500mg、0.886mmol)の酢酸(12mL)中の撹拌溶液
に、亜鉛ダスト(530mg)を加え、得られた混合物を1時間撹拌した。亜鉛
を濾過によって除去し、濾液を真空中で濃縮し、得られた油状物を水(30mL
)と酢酸エチル(80mL)との間で分配した。6N水酸化ナトリウムでpHを
8に調整し、相を分離した。水性相は酢酸エチル(2×35mL)で抽出し、有
機相は一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して黄色泡
状物を得た。粗生成物を、塩化メチレン/メタノール(19:1、250mL)
で溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。適切なフラクショ
ンを一緒にし、濃縮して、表題化合物(255mg、0.537mmol)を白色ガ
ラスとして得た。1H NMR(CDCl3,400MHz);8.78(d,2
H,4.9Hz)、7.59(dd,1H,J=1.1,8.3Hz),7.3
3−7.25(m,3H),7.16(t,1H),7.05(dd,1H,J
=1.4,8.3Hz),6.96(dd,1H,J=2.7,8.7Hz),
6.89(dd,1H,J=2.7,8.5Hz),6.86(dd,1H,J
=1.2,8.2Hz),5.06(m,1H),4.52
(d,1H,J=16.6Hz),4.43(s,1H),3.85(d,1H
,J=16.6Hz),3.82(s,3H),2.60(br s,2H),
1.11(d,6H,J=1.0Hz);TCL(CH2Cl2/CH3OH(9
:1));Rf=0.48;MS(FAB)m/z 475.3(MH+)。
中間体15(2−ニトロフェニル)−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4− イル)−アミン
1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(7.47mL、70.9mmol)のエタノ
ール(35mL)およびH2O(105mL)中の溶液に、4−アミノ−1,3
,5−トリメチルピラゾール(8.8g、70.9mmol)を加えた。溶液を15
時間還流し、次に室温に冷却した。沈殿物を濾過によって除去し、25%水性エ
タノールで洗浄して、表題化合物(8.6g)を得た。1H NMR(CDCl3
,300MHz)δ8.81(s,1H),8.18(dd,2H,J=1.6
,8.7Hz),6.69(m,1H),6.61(dd,1H,J=1.2,
8.7Hz),3.77(s,3H),2.10(s,3H),2.06(s,
3H);低分解能MS(FAB)m/z 247(MH+)。
中間体16N−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ベンゼン−1 ,2−ジアミン
(2−ニトロフェニル)−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4
−イル)−アミン(8.6g、35mmol)の酢酸エチル(175mL)中の溶液
に、10%パラジウム担持炭素(1g)を加えた。溶液を水素雰囲気(50ps
i)下で15時間撹拌し、その後、セライトの床に通して濾過し、酢酸エチルで
洗浄し、真空中で濃縮して表題化合物(7.56g)を得た。1H NMR(C
DCl3,300MHz)δ6.74(m,3H),6.32(d,1H,
J=1.9,7.2Hz),4.6(s,1H),3.75(s,3H),3.
1(s,2H),2.05(m,6H);低分解能MS(FAB)m/z217
(MH+)。
中間体17N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−2−[2−(1,3,5 −トリメチル−1H−ピラゾール−イルアミノ)−フェニルアミノ]−アセトア ミド
N−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ベンゼン−
1,2−ジアミン(7.56g、35.0mmol)および2−ブロモ−N−イソプ
ロピル−N−(4−メトキシフェニル)−アセトアミド(7.18g、38.5
.mmol)のDMF(70mL)中の溶液に、炭酸カリウム(14.5g、105
mmol)およびヨウ化カリウム(581mg、3.5mmol)を加えた。溶液を80
℃で15時間加熱し、その後、DCM(100mL)に注いだ。混合物をH2O
(×4)、1N HCl(×2)およびブラインで抽出し、MgSO4で乾燥し
、真空中で濃縮した。得られた泡状物をEt2O中で粉砕して、表題化合物(1
1.9g)を得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.08(s,
1H),7.07(dd,4H,J=2.2,6.6),6.63(m,2H)
,6.31(m,2H),5.03(m,1H),4.76(s,1H),3.
87(s,3H),3.74(s,3H),3.46(s,2H),2.02(
m,6H),1.07(d,6H,J=6.8);低分解能MS(FAB)m/
z 422(MH+)。
中間体182−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−(1,3,5− トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ− ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(4 −メトキシ−フェニル)−アセトアミド
N−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−2−[2−(1,3,5
−トリメチル−1H−ピラゾール−イルアミノ)−フェニルアミノ]−アセトア
ミド(3.0g、7.1mmol)のTHF(70mL)中の溶液、および2−(フ
ェニル−ヒドラゾノ)−プロパンジオイルジクロリド(1.75g、7.1mmol
)のTHF(70mL)中の溶液を、0℃に冷却したTHF(35mL)に同時
に加えた。溶液を室温で15時間撹拌し、その後、真空中で濃縮して表題化合物
(8.1g)を得た。これはさらに精製することなく用いた。
中間体192−[3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−(1,3,5−トリメチル−1H− ピラゾール−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1, 4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニ ル)−アセトアミド
2−[2,4−ジオキソ−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−5−(1,3,5
−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ
−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(
4−メトキシフェニル)−アセトアミド(4.6g、7.74mmol)の氷酢酸(
45mL)中の溶液に、亜鉛ダスト(4.6g)を加えた。不均質溶液を室温で
15時間撹拌し、その後、セライト床に通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濃
縮して乾燥した。得られた油状物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和炭
酸水素ナトリウム(×3)、ブラインで抽出し、MgSO4で乾燥し、真空中
で濃縮した。得られた油状物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5
%メタノール/DCM)により精製して表題化合物(385mg)を得た。1H
NMR(CDCl3,300MHz)δ7.60−6.80(m,10H),
5.05(m,1H),4.4(m,1H),3.82(s,3H),3.74
(s,3H),3.62(s,2H),2.24(s,3H),1.20(s,
3H),1.09(m,6H);低分解能MS(FAB)m/z 505(MH+
)。
中間体20(4−メトキシベンジル)−(2−ニトロフェニル)−アミン
エタノール(200mL)および水(600mL)に溶解した2−フルオロベ
ンゼン(80.65mL、0.77mmol)に、4−メトキシベンジルアミン(1
00mL、0.77mmol)を加えた。反応混合物を92℃で15時間加熱し、室
温に冷却し、オレンジ色の沈殿物を濾過によって分離した。沈殿物をエタノール
:水(1:3)から再結晶し、次いで、酢酸エチルに溶解し、MgSO4で乾燥
し、真空中で濃縮して表題化合物(117.88g)を得た。1H NMR(3
00MHz,CDCl3)d8.35(bs,1H),8.18(d,J=8.
5Hz,1H),7.38(dd,J=7.3,7.8Hz,1H),7.27
(d,J=8.5Hz,2H),6.85(m,3H),6.66(dd,J=
7.3,7.8Hz,1H),4.47(collapsedABq,J=4.
9Hz,2H),3.81(s,3H);低分解能MS(FAB)m/z 25
8.99(MH+)。
中間体21N−(4−メトキシベンジル)−ベンゼン−1,2−ジアミン
亜鉛ダスト(50g)を、オーバーヘッド撹拌機付き三つ口丸底フラスコ中の
15℃に冷却した氷酢酸(500mL)中の(4−メトキシベンジル)−(2−
ニトロフェニル)−アミン(50g、mmol)に加えた。反応混合物を室温に温め
、15時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を濃
縮して乾燥した。得られた油状物を酢酸エチル/水に取り、炭酸水素ナトリウム
で水性層のpHを8に調整した。水性層を酢酸エチル(×4)で抽出し、MgS
O4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィー(50%ヘキサン/DCM)によって精製して表題化合物(33.34
g)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d7.32(d,J=8
.5Hz,2H),6.88(d,J=8.5Hz,2H),6.97(m,4
H),4.25(s,2H),3.81(s,3H);低分解能MS(FAB)
m/z476(MH+)。
中間体22N−イソプロピル−2−[2−(4−メトキシーベンジルアミノ)−フェニルア ミノ]−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
N−(4−メトキシベンジル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(2.42g、
10.6mmol)のDMF(40mL)中の溶液に、炭酸カリウム(1.47g、
10.6mmol)、ヨウ化カリウム(176g、1.06mmol)、および2−ブロ
モ−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(3.
03g、10.6mmol)を加えた。得られた反応混合物を一晩、60℃で撹拌し
た。溶媒を真空中で除き、粗製物質をEtOAc(150mL)に溶解し、水(
2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾
過し、濃縮して褐色油状物を得た。エーテル(70mL)を添加して形成した
沈殿物を濾過して表題化合物(1.39g、3.21mmol)を黄色固体として得
た。残りの濾液を減圧下で濃縮して褐色油状物を得た。これを、EtOAc/ヘ
キサン(1:4、900mL)で溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマト
グラフィーによって精製した。適切なフラクションを一緒にし、減圧下で濃縮し
て2回目の回収物の表題化合物(1.86g、4.29mmol)を褐色油状物とし
て得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):d7.30(m,2H),
7.05(m,2H),6.95(m,2H),6.88(m,2H),6.7
3−6.61(m,3H),6.28(m,1H),5.01(m,1H),4
.23(s,2H),3.87(s,3H),3.80(s,3H),3.40
(s,2H),1.07(m,6H);TLC(EtOAc/ヘキサン(1:4
));Rf=0.14。
中間体23N−イソプロピル−2−[5−(4−メトキシーベンジル)−2,4−ジオキソ −3−(フェニル−ヒドラゾノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b ][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセ トアミド
氷浴(<5℃)で冷却した、N−イソプロピル−2−[2−(4−メトキシベ
ンジルアミノ)−フェニルアミノ]−N−(4−メトキシフェニル)−アセトア
ミド(3.25g、7.51mmol)のTHF(50mL)中の溶液に、THF(
50mL)中の2−(フェニル−ヒドラゾノ)プロパンジオイルジクロリド(1
.84g、7.51mmol)を20分かけて滴加した。添加完了後、溶液を室温に
温め、一晩撹拌した。溶液を減圧下で蒸発させ、得られた油状物を酢酸エチル(
300mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)およびブラ
インで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して表題化合物(4
.55g、7.51mmol)を黄色油状物として得た。1H NMR(300
MHz,CDCl3)d 11.46(s,0.5H),10.69(s,0.
5H),7.56−6.95(m,15H),6.77−6.66(m,2H)
,5.34(m,1H),5.05(m,1H),4.79(m,1H),4.
34−4.08(m,2H),3.86(s,2H),3.74(s,3H),
3.72(s,3H),1.11(m,6H);TLC(EtOAc/ヘキサン
(2:3));Rf=0.30。
中間体242−[3−アミノ−5−(4−メトキシーベンジル)−2,4−ジオキソ−2, 3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル]− N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
N−イソプロピル−2−[5−(4−メトキシベンジル)−2,4−ジオキソ
−3−(フェニル−ヒドラゾノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b
][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−(4−メトキシフェニル)−アセト
アミド(4.55g、7.51mmol)の酢酸(50mL)中の撹拌溶液に、亜鉛
ダスト(4.50g)を加え、得られた混合物を4時間室温で撹拌した。亜鉛を
濾過によって分離し、濾液を真空中で濃縮し、得られた油状物を水(150mL
)と酢酸エチル(250mL)との間で分配した。6N水酸化ナトリウムでpH
を8に調整し、相を分離した。水性相を酢酸エチル(2×80mL)で抽出し、
有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して褐色
油状物を得た。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(2:1、500mL)および
塩化メチレン/メタノール(19:1、500mL)で連続溶離するシリカゲル
(70g)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。適切なフラ
クションを一緒にし、濃縮して表題化合物(2.85g、5.52mmol)を褐色
油状物として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):d 7.43(
d,J=7.3Hz,1H),7.30−7.19(m,4H),7.05−
6.90(m,5H),6.59(d,J=8.8Hz,2H),5.13(d
,J=15.1Hz,1H),5.00(m,1H),4.86(d,J=15
.1Hz,1H),4.25(s,1H),4.21(d,J=16.6Hz,
1H),3.85(s,3H),3.69(s,3H),3.48(d,J=1
6.6Hz,1H),1.09(m,6H);TLC(CH2Cl2/CH3OH
(29:1));Rf=0.11。
中間体252−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ [b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メト キシ−フェニル)−アセトアミド
周囲温度の2−[3−アミノ−5−(4−メトキシベンジル)−2,4−ジオ
キソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1
−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
(2.63g、5.09mmol)のアセトニトリル/H2O(9:1、70mL)
中の撹拌溶液に、硝酸セリウムアンモニウム(10.05g、18.3mmol)を
1時間かけて分けて加えた。溶液を一晩、室温で撹拌した。溶液を真空中で濃縮
し、トルエン(2×50mL)で洗浄し、残留物をCH2Cl2(3×50mL)
で抽出し、濾過し濃縮してオレンジ色のガラス状を得た。粗生成物をCH2Cl2
/CH3OH(15:1、1.5L)およびCH2Cl2/CH3OH(10:1、
1.3L)で連続溶離するシリカゲル(100g)上でのフラッシュクロマトグ
ラフィーによって精製した。適切なフラクションを一緒にし、減圧下で濃縮して表題化合物
(1.97g、4.97mmol)を褐色泡状物として得た。1H NM
R(300MHz,DMSO−d6):d 10.68(br s,1H),7
.39−6.98(m,8H),5.75(s,1H),4.76(m,1H)
,4.16−3.92(m,4H)
,3.77(s,3H),3.15(m,2H),0.97(m,6H);TL
C(CH2Cl2/CH3OH(13:1));Rf=0.21。中間体26 1H−インドール−2−カルボン酸{1−[イソプロピル−(4−メトキシフェ ニル)−カルバモイルメチル]−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒ ドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル}−アミド
2−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベン
ゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メ
トキシ−フェニル)−アセトアミド(350mg、0.883mmol)のDMF(
10mL)中の溶液に、インドール−2−カルボン酸(142mg、0.883
mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(119mg、0.883mmol)、
および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロ
クロリド(169mg、0.883mmol)を撹拌しながら連続して加えた。得ら
れた混合物を周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて黄色油状
物を得た。これを酢酸エチル(60mL)に溶解し、水(20mL)およびブラ
イン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して黄
色油状物を得た。これは放置すると固化した。粗生成物を沸騰エタノール(20
mL)中で粉砕し、冷却し、濾過し、乾燥して表題化合物(169mg、0.3
13mmol)を黄色固体として得た。1H NMR(300MHz,アセトン−d6
):d 10.85(br s,1H),9.83(br s,1H),7.6
7(m,2H),7.53(m,2H),7.37−7.20(m,7H),7
.04(m,3H),5.28(d,J=7.5Hz,1H),4.87(m,
1H),4.31(d,J=16.3Hz,1H),4.13(d,J=16.
6Hz,1H),3.83(s,3H),1.02(m,6H);TLC(CH2
Cl2/CH3OH(19:1));
Rf=0.24;MS(FAB);m/z=540(MH+)。
中間体27N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−2−フェニルアミノアセ トアミド
N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)ブロモアセトアミド(2
57.6g、924mmol)、1,2−フェニレンジアミン(100g、924mm
ol)および炭酸カリウム(128g、924mmol)のDMF(1200mL)中
の混合物を0℃で2時間撹拌し、次に、室温で20時間撹拌した。反応混合物を
セライトに通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。得られた残留物をEtOA
c(1200mL)に溶解し、水(3×200mL)、ブライン(200mL)
で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空中で濃縮した。約70%の溶媒を除去し
た後、沈殿物が形成した。これを濾過によって取り出し、冷EtOAcで洗浄し
、乾燥して表題化合物(67.1g)をベージュ色の固体として得た。一緒にし
た濾液を真空中で濃縮して、黒ずんだ油状物(88g)を得た。エタノールから
の2回の再結晶で2回目の表題化合物がベージュ色の固体(29.6g)として
得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6):s 7.22(m,
2H),7.05(m,2H),6.47(m,1H),6.34(m,2H)
,5.95(m,1H),4.81(sept,1H,J=6.8),4.59
(dt,1H,J=27.2,6.1),4.4(s,2H),3.77(s,
3H),3.30(s,2H),0.96(d,6H,J=6.8)。
中間体282−(2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1, 4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニ ル)−アセトアミド
N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−2−フェニルアミノア
セトアミド(20g、63.8mmol)のTHF(500mL)中の溶液およびマ
ロニルジクロリド(6.2mL、63.8mmol)のTHF(500mL)中の溶
液を、THF(100mL)に40分かけて同時に加え、得られた溶液を室温で
72時間撹拌し、その後、さらに3.0mLのマロニルジクロリドを加えた。5
時間後、溶媒を真空中で除き、残留物をメチレンジクロリド(300mL)に溶
解し、2N水性炭酸水素ナトリウム(2×200ml)で洗浄した。一緒にした
有機相を水(2×200mL)、ブライン(200ml)で洗浄し、乾燥し(M
gSO4)、真空中で濃縮して粗生成物(23.8g)を得た。次に、これをエ
ーテル中で粉砕し、得られた褐色固体を塩化メチレン中の5%メタノールで溶離
するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(8.8
5g)をベージュ色の固体として得た。1H NMR(300MHz,CDCl
−3):s 7.7(s,1H),7.4(m,1H),6.90−7.3(m
,7H),4.97(sept,1H,J=6.8),4.4(m,1H),3
.81(s,3H),3.78(m,1H),3.40(s,2H),1.06
(d,6H,J=6.8)。
中間体292−(2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,5−テトラヒ ドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル]−N−イソプロピル−N −(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
2−(2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1
,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェ
ニル)−アセトアミド(3.5g,9.48mmol)、銅粉末(1.09g、17
.06mmol)、3−ブロモピリジン(0.91mL、9.48mmol)および酢酸
カリウム(1.11g、11.37mmol)のDMF(80mL)中の混合物を1
00℃で7時間加熱した。さらに0.4mLの3−ブロモピリジンを加え、得ら
れた混合物を100℃でさらに14時間撹拌した。銅粉末(1.09g、17.
06mmol)、3−ブロモピリジン(0.91mL、9.48mmol)および酢酸カ
リウム(1.11g、11.37mmol)を加え、反応混合物を110℃に6時間
加熱した。固体を濾過により除き、濾液を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチル
(150mL)と10%水性水酸化アンモニウム溶液(150mL)との間で分
配した。一緒にした有機相を水(2×100mL)、ブライン(50mL)で洗
浄し、乾燥し(MgSO4)、真空中で濃縮して粗生成物を得た。これをエーテ
ル中で粉砕して、表題化合物(2.56g)をクリーム色の固体として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl−3):s 7.86(d,1H,J=8
.1),7.01−7.43(m,10H),6.92(d,1H,J=8.3
),5.05(sept,1H,J=6.8),4.22(m,2H),3.8
8(s,3H),3.58(dd,2H,J=32.2,12.0),1.06
(m,6H)。
中間体302−(3−アジド−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4, 5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソ プロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
カリウムヘキサメチルジシラジド(トルエン中0.5M、4.59mL、2.
29mmol)を、2−(2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4
,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イ
ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(750mg、1
.64mmol)のTHF(15mL)の−78℃溶液に7分かけて滴加し、得られ
た溶液を−78℃で17分間撹拌し、2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼン
スルホニルアジド(632mg、2.05ミリモル)を加え、反応混合物を−7
8℃で4分間撹拌し、その後、酢酸(0.235mL)を加え、反応混合物を室
温にした。溶媒を真空中で除き、粗生成物を得た。これを塩化メチレン中の5%
メタノールで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表 題化合物
(530mg)を無色泡状物として得た。1H NMR(300MHz
,CDCl−3):s 7.96(d,1H,J=8.0),6.91−7.4
3(m,11H),5.05(sept,1H,J=6.8),4.42(d,
1H,J=12.1),4.38(s,1H),4.22(d,1H,J=12
.1),3.88(s,3H),1.06(m,6H)。
中間体312−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4, 5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソ プロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
2−(3−アジド−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4
,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イ
ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(530mg、1
.06mmol)および10%パラジウム担持炭素(53mg)の混合物をエタノー
ル(50ml)中、水素雰囲気下で9時間撹拌した。別のパラジウム担持炭素を
加え(53mg)、得られた混合物をさらに16時間撹拌した。セライトに通し
て濾過することにより固体を除き、濾液を真空中で濃縮して表題化合物(520
mg)を得た。これはさらに精製することなく用いた。1H NMR(300M
Hz,CDCl−3)s8.52(m,2H),7.92(d,1H,J=8.
0),6.91−7.43(m,11H),5.05(sept,1H,J=6
.8),4.42−4.22(m,3H),3.88(s,3H),1.06(
m,6H)。
中間体322−(2,4−ジオキソ−5−ピリジン−4−イル−2,3,4,5−テトラヒ ドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N −(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
400mg(1.08ミリモル)の1−[イソプロピル−(4−メトキシ−フ
ェニル)−アミノ]−1,5−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−
2,4−ジオンのDMF20ml中の撹拌溶液に、212mg(2.16mmol、
2.0当量)の酢酸カリウム、206mg(3.25mmol、3.0当量)の銅ダ
スト、および245mg(2.62mmol、2当量)の4−ブロモピリジンを加え
た。得られた溶液を122℃で7時間加熱した。反応混合物をセライトのパッド
に通して熱濾過し、パッドを10mLのメタノールで洗浄し、濾液を真空中で濃
縮した。残留物をEtOAc(100mL)で希釈し、5%水性水酸化アンモニ
ウム(5×25mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)、溶
媒を真空中で除いた。EtOAc/ヘキサン/NH4OH(80:20:1)を
溶離剤としてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより物質を精製し、次
に、EtOHから再結晶して、80mg(16%)の表題化合物を得た。1H
NMR(アセトン−d6,300MHz)d8.57(d,1H,J=4.6)
,7.46(m,3H),7.31(m,4H),6.97(m,3H),4.
86(sept,1H),4.48(d,1H,J=16.8),4.21(d
,1H,J=16.8),3.86(s,3H),3.67(d,1H,J=1
2.2),3.22(d,1H,J=12.2),1.02(m,6H);低分
解能MS(FAB)m/z 459.2(MH+)。
中間体332−(3−アミノ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−4−イル−2,3,4, 5,5a,9a−ヘキサヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル )−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
80mg(0.175mmol)の2−(2,4−ジオキソ−5−ピリジン−4−
イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1
−イル)−N−イソプロピル-N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
のDMF3mL中の撹拌溶液に、0℃のTHF中の0.210mL(0.209
mmol、1.2当量)の1Nナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを加えた
。0.5時間撹拌した後、62mg(0.262mmol、1.5当量)のO−(ジ
フェニル−ホスフィニル)ヒドロキシルアミン(Harger、J.C.S.P
erkin I、3284−3288(1981))を加え、反応混合物を
16時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。
粗生成物を、EtOAc(100mL)、DCM/CH3OH(19:1、10
0mL)で連続溶離する5gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー
によって精製した。適切なフラクションを一緒にし、真空中で濃縮して、表題化 合物
を透明なガラス状物として得た。低分解能MS(FAB);m/z474.
2(MH+);TLC Rf=0.31(DCM/CH3OH、19:1)。
中間体342−アミノ−N−イソプロピル−N−(4−メトキシーフェニル)−アセトアミ ド
2.86gの2−ブロモ−N−イソプロピル−N−(4−メトキシーフェニル
)−アセトアミド(10mmol)の100mLメタノール中の溶液を、0℃にてア
ンモニアで飽和し、密閉フラスコ中で3日間、周囲温度にて放置した。メタノー
ルおよびアンモニアを真空中で除き、残留物を100mLのクロロホルムに溶解
し、水(2×50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥し、濾過し
、真空中で濃縮し、高真空下で乾燥して、2.7gの表題化合物を油状物として
得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d6.96(m,4H),4.
99(m,1H),3.84(s,3H),2.97(s,2H),1.58(
s,2H),1.05(d,6H,J=6.6);低分解能MS(ESI);m
/e 223(MH+)。
中間体352−(4−フルオロ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−N−イソプロピル−N− (4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
9.06gの2,5−ジフルオロニトロベンゼン(60mmol)および12.6
4gの2−アミノ−N−イソプロピル−N−(4−メトキシーフェニル)−アセ
トアミド(60mmol、1.0当量)の混合物を、2:1のエタノール/水 22
5mL中で混合し、窒素下で加熱還流し、一晩激しく撹拌した(約16時間)。
得られたスラリーを周囲温度に冷却し、濾過し、2:1 水/エタノールで洗浄
した。湿った固体を塩化メチレンに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空
中で蒸発させた。残留物をヘキサン中で粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄した。
生成物を高真空下で乾燥して、9.32gの表題化合物をオレンジ色の固体とし
て得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d7.89(dd,1H,J
=3.1,9.3),7.12(m,3H),6.99(m,2H),6.35
(dd,1H,J=4.8,9.2),5.03(m,1H),3.89(s,
3H),3.57(s,2H),1.09(d,6H,J=6.8);低分解能
MS(ESI);m/e 362(MH+)。
中間体362−(2−アミノ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−N−イソプロピル−N− (4−メトキシーフェニル)−アセトアミド
30mLの酢酸エチル、175mLのエタノールおよび2.50gの2−(4
−フルオロ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−N−イソプロピル−N−(4−メ
トキシ−フェニル)−アセトアミド(6.92mmol)の溶液を、0.25gのパ
ラジウム担持炭素(10重量%)と一緒にし、そして水素バルーンの下で16時
間、水素添加した。反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させて、1.91gの表 題化合物
を固体として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d
7.03(m,2H),6.94(m,2H),6.36(m,3H),4.9
9(m,1H),4.37(b,3H),3.86(s,3H),3.39(s
,2H),1.07(d,6H,J=6.8);低分解能MS(FAB)m/e
332(MH+)。
中間体372−(7−フルオロ−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベン ゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メ トキシ−フェニル)−アセトアミド
1.724gの2−(2−アミノ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−N−イ
ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(5.20mmol)
のテトラヒドロフラン15mL中の溶液を滴加漏斗に移した。0.506mLの
マロニルジクロリド(5.20mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン15m
L中の溶液を別の滴加漏斗に移した。各試薬の各溶液を、激しく撹拌しながら、
窒素下、周囲温度で100mLのテトラヒドロフランに30分かけて同時に滴加
した。周囲温度で20分間撹拌した後、追加の0.506mLのマロニルジクロ
リド(5.20mmol、0.1当量)を1回で加えた。さらに2.5時間撹拌して
反応させ、次に、真空中で蒸発させた。残留物を1:3 酢酸エチル/ヘキサン
、次に3:1 酢酸エチル/ヘキサンで溶離するフラッシュグレードシリカゲル
で精製した。適切なフラクションを一緒にし、真空中で蒸発させ、残留物をヘキ
サン中で粉砕した。ヘキサンを真空中で除き、残留固体を高真空下で乾燥して、
1.061gの表題化合物を黄褐色固体として得た。1H NMR(300MH
z,CDCl3)d8.14(b,1H),7.45(dd,1H,J=5.5
,9.2)、7.29(m,1H),7.05(m,1H),6.94(m,3
H),6.78(m,1H),4.99(m,1H),4.37(dd,1H,
J=16.4)、3.82(s,3H),3.69(d,1H,J=16.0)
,
3.40(m,2H),1.09(d,6H,J=6.8);低分解能MS(F
AB);m/e 400(MH+)。
中間体382−(7−フルオロ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル−2,3,4 ,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イ ソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
0.880gの2−(7−フルオロ−2,4−ジオキソ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピ
ル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(2.20mmol)、420
mgの銅(青銅、6.61mmol、3当量)、476mgの酢酸カリウム(4.8
5mmol、2.2当量)、および0.290mLの3−ブロモピリジン(4.85
mmol、2.2当量)のジメチルホルムアミド10mL中の混合物を、窒素下、3
時間、100℃で加熱した。さらに0.132mLの3−ブロモピリジン(2.
43mmol、1.1当量)を加え、反応をさらに2時間維持した。反応混合物を周
囲温度に冷却し、焼結ガラス漏斗に通して濾過し、次に、真空中で蒸発させた。
残留部を酢酸エチルと水性水酸化アンモニウム(5mLの濃縮物を100mLに
希釈)との間で分配した。層を分離した後、有機層を水性水酸化アンモニウム(
5mLの濃縮物を100mLに希釈)、次いで飽和水性ブラインで洗浄した。有
機相を水性HCl(1N)で3回抽出した。酸の相を一緒にし、水性水酸化ナト
リウム(1N)で中和した。中和混合物を塩化メチレンで2回抽出した。塩化メ
チレン層を一緒にし、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させ
た。残留物をヘキサン中で粉砕し、次に、真空中で濃縮して、0.705gの表 題化合物
を黄褐色固体として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d
8.60(m,2H),8.08(b,1H),7.54(b,1H),7.3
9(m,1H),7.15(m,2H),7.00(m,
3H),6.57(dd,1H,J=2.7,9.2),4.95(m,1H)
,4.32(d,1H,J=17.9),4.14(d,1H,J=17.8)
,3.85(s,3H),3.61(d,1H,J=12.1),3.52(d
,1H,J=12.1),1.06(d,6H,J=6.8);低分解能MS(
FAB);m/e 477(MH+)。
中間体393−ニトロ−安息香酸−t−ブチルエステル
カリウムt−ブトキシド固体(3.82g、32.30mmol)を、塩化3−ニ
トロベンゾイル(5.00g、26.94mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(7
0mL)中の溶液に加え、窒素下、2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮
し、ジクロロメタンと水との間で分配した。相を分離した後、水性層を酢酸エチ
ルで逆抽出した。有機層を一緒にし、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、
真空中で濃縮した。粗生成物を、n−ヘキサン中の0〜5%勾配の酢酸エチルを
用いるフラッシュグレードシリカゲルで精製した。生成物を含有するフラクショ
ンを一緒にし、真空中で濃縮し、次に、高真空下で乾燥して、3.82gの表題 化合物
を油状物として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)d8.7
9(m,1H),8.35(m,2H),7.62(m,1H),1.63(s
,9H);低分解能MS(CI);m/e 224(MH+)。
中間体403−アミノ−安息香酸−t−ブチルエステル
3−ニトロ−安息香酸t−ブチルエステル(3.77g、16.9mmol)の無
水エタノール(50mL)中の溶液を、パラジウム担持炭素(10重量%、0.
30g)と一緒にし、水素ガスのバルーンの下で約3時間水素添加した。反応混
合物を珪藻土のパッドに通して濾過し、真空中で濃縮し、これを高真空下で乾燥
して結晶化して、3.28gの表題化合物を黄褐色の固体として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3)d7.38(d,1H,J=8.0H
z),7.29(m,1H),7.19(m,1H),6.83(m,1H),
1.58(s,9H);低分解能MS(CI);m/e 194(MH+)。
中間体413−[(4−ニトロフェニル)オキシカルボニル]−アミノ−安息香酸t−ブチ ルエステル
4−ニトロ−フェニルクロロホルメートの乾燥ジクロロメタン(25mL)中
の溶液を、3−アミノ−安息香酸t−ブチルエステル(3.15g、16.24
mmol)および無水ピリジン(1.379mL、17.05mmol)の無水ジクロロ
メタン(25mL)中の溶液に、窒素下、0〜5℃で、20分かけて滴加した。
反応混合物を周囲温度に温め、一晩撹拌した。水性HCl(1N)で洗浄した後
、反応溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮して固体にした。粗
生成物をn−ヘキサン中で30分間、スラリーにし、濾過し、高真空下で乾燥し
て、4.460gの表題化合物を白色結晶固体として得た。1H NMR(30
0MHz,CDCl3)d8.30(m,2H),7.92(m,1H),7.
78(d,2H,J=7.5Hz),7.43(m,3H),7.11(bs,
1H),1.69(s,9H);低分解能MS(L−SIMS);m/e 35
8(MH+・)。
中間体422−(3−アジド−7−フルオロ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル −2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イ ル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
窒素下、−78℃の、262mgの2−(7−フルオロ−2,4−ジオキソ−
−5−ピリジン−3−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1
,4]ジアゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェ
ニル)−アセトアミド(0.550mmol)の無水テトラヒドロフラン5mL中の
溶液を、1.54mLのカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中
0.5M、0.770mmol、1.4当量)で滴加処理した。15分間撹拌した後
、212mgの2,4,5−トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(0.
687mmol、1.25当量、J.Org.Chem.、1984、49、143
0−1434)を加えた。4分間撹拌した後、反応混合物を、78.6mLの氷
酢酸(1.38mmol、2.5当量)を加えることによって急冷し、そして周囲温
度に温めた。反応混合物を真空中で蒸発させ、1:1の酢酸エチル/ヘキサンを
用いるフラッシュグレードシリカで精製した。適切なフラクションを一緒にし、
真空中で蒸発させ、高真空下で乾燥して、170gの表題化合物を非晶質固体と
して得た。低分解能MS(FAB)m/e 518(MH+);TLC(シリカ
)3:1 酢酸エチル:ヘキサン Rf=0.68。
中間体432−(3−アミノ−7−フルオロ−2,4−ジオキソ−5−ピリジン−3−イル −2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イ ル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
152mgの2−(3−アジド−7−フルオロ−2,4−ジオキソ−5−ピリ
ジン−3−イル−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジア
ゼピン−1−イル)−N−イソプロピル−N−(4−メトキシ−フェニル)−ア
セトアミドの酢酸エチル10mL中の溶液を、60mgのパラジウム担持炭素(
10重量%)と一緒にし、水素ガスのバルーンの下で16時間水素添加した。混
合物を濾過し、真空中で蒸発させ、3:7のメタノール/酢酸エチルを用いるフ
ラッシュグレードシリカで精製した。適切なフラクションを一緒にし、真空中で
蒸発させ、高真空下で乾燥して、82mgの表題化合物を泡状物として得た。低
分解能MS(FAB)m/e 492(MH+);TLC(シリカ)95:5
ジクロロメタン/メタノール Rf=0.30。薬剤実施例
錠剤
活性成分: 50mg
無水ラクトース USP: 163mg
マイクロクリスタリンセルロース NF: 69mg
予備ゲル化デンプン Ph.Eur. 15mgステアリン酸マグネシウム USP 3mg
圧縮重量: 300mg
活性成分、マイクロクリスタリンセルロース、ラクトースおよび予備ゲル化デ
ンプンを、500ミクロンのふるいに通してふるい、適当なミキサーで混合した
。
ステアリン酸マグネシウムを250ミクロンのふるいに通してふるい、活性配合
物と混合した。配合物を適当なパンチを使用して錠剤に圧縮し、次に、酢酸フタ
ル酸セルロースで被覆した。
CCK−A受容体結合分析
組織試料調製:
0.3Mサッカロースおよび2.0Mサッカロースの各溶液を調製し、一晩、
4℃で冷蔵した。翌日、最終濃度が0.01%ダイズトリプシンインヒビター(
50mg/500mLサッカロース)および100mMフッ化フェニルメチルス
ルホニル(8.5mg/500mLサッカロース)になるようにインヒビターを
加えた。
ラットをギロチンを使用して断頭することにより犠牲にした。ラットの外腹壁
をメタノールで湿らせ、柔毛および皮を除去した。開腹し、膵臓を注意深く切り
取り、0.3Mサッカロースを含有する50mLビーカー内に置いた。膵臓の全
てを採取した後、余分な脂肪およびリンパ節を除いた。膵臓組織を約4.0gの
アリコートに分けて、各1.0mLの0.3Mサッカロースを含有する30mL
ビーカーに入れた。
4℃の低温室で、膵臓をはさみで細かく切り刻み、0.3Mサッカロースで1
:10(重量:体積)に希釈した。アリコートを冷やした40mL Wheat
on dounce中で、”B”乳棒の4回の上下ストローク、次に”A”乳棒
の4回の上下ストロークにてホモジネートした。ホモジネートを2層のチーズク
ロスに通して濾過し、冷やした500mLビーカーに入れ、撹拌しながら2.0
Mサッカロースで希釈して、最終濃度が1.3Mのサッカロースホモジネートを
得た。得られた1.3Mホモジネートを氷上の18薄壁36mLポリアロマー管
に分配し(1管当たり約30mLのホモジネート)、その後、液体が管の頂部か
ら約0.5cmのところになるまで、各管に0.3Mサッカロースを加え
た。試料をSorvall RC70超遠心分離機で27,500RPM(10
0,000×g)にて3時間、4℃で回転させた。界面部分を冷やしたメスシリ
ンダーに集め、冷蒸留水で希釈混合して全体体積を312mLにし、100,0
00×gで50分間、回転させた。ペレットをKRH緩衝液に再懸濁し、15m
L Wheaton dounceに移し、マッチした”A”(密な)乳棒の4
回の上下ストロークにてホモジネートした。このホモジネートを2〜27mLポ
リカーボネートびんに移し、4℃にて100,000×gで30分間、回転させ
た。ペレットを再懸濁し(1mL KRH緩衝液/本来の組織のg重量)、適当
な大きさのdounceに移し、マッチした”A”乳棒の4回の上下ストローク
にてホモジネートした。1mLのアリコートはマイクロ遠心分離管に−70℃に
て貯蔵する。
KRH緩衝液:pH=7.4、4℃
分析:
試験化合物は、所望の最終分析濃度より10倍濃く濃縮されたストック濃度の
分析結合緩衝液で希釈した。
化合物 50mL+緩衝液 400mL+ボルトン−ハンター試薬(Amer
sham、2000 CI/mmol)で標識した[125I]硫酸化CCK−8 2
5mL+ラットの膵臓膜試料 25mLを、30分間、25℃でインキュベート
し、インキュベートの間、穏やかに振盪した。
1mMのL−364718(最終濃度)を非特異的結合の判定に用いた。
反応はブランデル細胞採取機を用いて停止し、各3mLの氷冷(4℃)分析結
合緩衝液で3回洗浄した。
組織を、分析緩衝液で予め湿らせたワットマンGF/B濾紙上に集め、濾紙を
ガンマカウンターを使用して計測した。
CCK−B受容体結合分析
組織試料調製:
ハートレイ(Hartley)のオスのモルモット(250〜300g、チャールス
リバー)を断頭により犠牲にした。脳を取り出し、4℃の緩衝液(緩衝液=50
mM トリス/HCL、pH=7.4)中に置いた。皮質を切り取り、4℃の緩
衝液中に置いた。全ての皮質の総重量を測定し、組織を緩衝液で1:10(重量
:体積)に希釈した。
Tekmar Tissuemizerを用いて皮質を細かく切り刻み、モー
ターで動くガラス/テフロンホモジナイザーを使用して、5回の上下ストローク
にて緩衝液中でホモジネートした。試料は4℃(氷上)に維持した。
16,000RPM(最高47,800×g)で回転するSA 600ロータ
ーを使用して、膜をSorvall RC5Cで4℃にて遠心分離することによ
ってペレットにした。ペレットを取って置き、上澄みを捨てた。ペレットを一緒
にし、上記と同じ体積の4℃の緩衝液に再懸濁し、前と同じ体積で、モーターで
動くガラス/テフロンホモジナイザーを使用して5回の上下ストロークで上記の
ように混合した。得られたホモジネートを16,000RPM(最高47,80
0×g、平均36,592×g)で15分間、4℃にて回転した。ペレットを取
って置き、上澄みは捨てた。その後、ペレットを緩衝液と一緒にして最終体積を
300mLにし、Tekmar Tissuemizerを用いて混合した。初
期のタンパク質含有量をBioradタンパク質分析法によって測定した。懸濁
液の体積は緩衝液で調整し、体積の調整で最終濃度を約4.0mg/mLにする
。この濃度はBioradタンパク質分析法により確立されたものである。最終
懸濁液は4.0mLアリコートとしてプラスチック管に移し、−70℃で冷凍す
る。分析:
緩衝液=20mM HEPES,1mM EGTA、118mM NaCl、
5mM KCl、5mM MgCl2、0.05% BSA、pH=7.4。
採取する前に、スカトロン(Skatron)フィルターを0.1%ウシ血清アルブ
ミン(BSA)を含有する緩衝液に浸した。
100mMのベスタチンおよび3mMのホスホアミドンを新たに準備した。(
各々、最終分析濃度=10mMであった)。
試験化合物は、所望の最終分析濃度より10倍濃く濃縮されたストック濃度の
の分析結合緩衝液で希釈した。ボルトン−ハンター試薬(Amersham、2
00 Ci/mmol)で標識した[125I]硫酸化CCK−8を希釈した。
100mMのベスタチン 25mM+3mMのホスホアミドン 25mL+試
験化合物 25ml+放射性リガンド 50mL+緩衝液 25mL+モルモッ
トの皮質膜 100mLを、150分間、室温でインキュベートした。
Boの測定では、試験化合物の代わりに分析結合緩衝液を用いた。
フィルター結合測定では、試験化合物およびモルモットの皮質膜の代わりに分
析結合緩衝液を用いた。
非特異的結合測定では、試験化合物の代わりに1mMの硫酸化CCK−8(シ
グマ)を用いた。
反応は自動スカトロン細胞採取機を用いて濾過することにより停止した。フィ
ルターは4℃の緩衝液を用いてすすいだ。その後、フィルターをパンチし、管内
に置き、ガンマカウンターを使用して計測した。
モルモットの胆のうの分析
組織試料調製:
胆のうを断頭により犠牲にしたモルモットから取り出した。摘出した胆のうか
ら付着関連組織を除き、各動物からの胆のうを切断して2つのリング(長さ2〜
4mm)にした。その後、リングを次の組成(mM)の生理食塩溶液を含む器官
チャンバー内につるした:NaCl(118.4);KCl(4.7);MgS
O4×H2O(1.2);CaCl2×2H2O(2.5);KH2PO3(1.2)
;NaHCO3(25)およびデキストロース(11.1)。浴溶液は37℃に
維持し、95%O2/5%CO2を通した。組織は金の鎖およびステンレス鋼を取
り付けたワイヤにより、等力変位トランスデューサー(Grass、モデルFT
03 D)に接続した。次に、反応をポリグラフ(Grass、モデル7E)に
記録した。各動物からの組織のうちの1つは時間/溶媒対照とし、試験化合物を
施さなかった。
分析:
リングを1gの基礎静止張力に徐々に延伸し(120分かけて)、これを実験
中維持した。基礎張力調整期間の間、リングをアセチルコリン(ACH、10-6
に4回さらして、組織に収縮性のあることを確かめた。次に、組織を最高投与量
より少ない量の硫酸化CCK−8(シグマ、3×10-9M)にさらした。安定な
反応が得られた後、組織を3回素早く、各5分〜10分ごとに1時間洗浄して、
安定な基線に回復させた。
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次に、水で希釈し、試
験化合物(10-11〜3×10-6M)に対する累積濃度−反応曲線、次いで、最
高投与量の試験化合物の存在下での硫酸化CCK−8(10-10〜10-6M)に
対する濃度−反応曲線により分析した。最終試験として、ACH(10mM)を
加えて、最高収縮を誘導した。活性についての3つの測定値のうちの最低値を各
試験化合物について求めた。
本発明の代表的な化合物でのこの試験で得た結果を以下に示す。化合物は1μ
Mの濃度で試験し、結果は硫酸化CCK−8最大反応%として表した。
実施例番号 収縮
1 91
2 64
3 83
4 67
5 51
6 32
7 77
8 81
10 83
11 67
13 96
14 84
15 93
餌の供給を18時間断つ給餌例
体重300〜375gのオスのロング−エバンスラット(ノースカロライナ州
ローリー、チャールス リバー社)を、水(かごの背後の自動水飲み機によって
与える)および餌(Lab Blox、Purina Rodent Labo
ratory Chow #5001)へ随意に近づける状態の吊り下げたステ
ンレス鋼製網カゴ(17.8×25.4×17.8cm高さ)の中で、12時間
の明/暗サイクル(0600〜1800時間、すなわちh、照らす)および約2
2.8℃にて、少なくとも1週間、個々に慣らした。試験前に、水以外の全ての
餌を1600hに取り去った。0900hの翌朝、ラットの体重を測定した。0
945hに、ラットに腹腔内(i.p.)に、経口的に(口、すなわちp.o.
を通して)、または十二指腸内カニューレを通して、試験化合物または賦形剤(
2mL/kg)を注入し、それぞれの元のかごに戻した。餌は1000hで与え
た。1030hで、残りの餌およびこぼれ落ちた餌の重量を測定した。
本発明の化合物は治療に有効な投与量では本質的に非毒性である。従って、治
療に有効な投与量レベルで化合物をラットに投与しても、悪影響は観察されなか
った。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA,
US,UZ,VN
(72)発明者 サグ,エリザベス エレン
アメリカ合衆国ノースカロライナ州、リサ
ーチ、トライアングル、パーク、ファイ
ブ、ムーア、ドライブ(番地なし)グラク
ソ、ウェルカム、インコーポレーテッド内
(72)発明者 セウクジク,ジャージー ライザード
アメリカ合衆国ノースカロライナ州、リサ
ーチ、トライアングル、パーク、ファイ
ブ、ムーア、ドライブ(番地なし)グラク
ソ、ウェルカム、インコーポレーテッド内