JPH09510669A - 縁の区域で異なった弾力性をもつ積層部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、高弾力性繊維によって補強された合成樹脂マトリックスから実質的に成る積層部材（１）において、（ａ）数種の合成樹脂繊維予備成形体からこれを一緒に高温プレスし、硬化させて製造し得る曲げＥモジュラスが１０，０００〜４０，０００ＭＰａの積層区域（３，４）、（ｂ）該積層部材の少なくとも二つの相対する縁に配置され、該積層部材の相対する縁に表面の所で接合されている軟らかい弾力性材料からつくられた連結片（５，６）、および（ｃ）該積層部材の片側にある装飾用の被覆層（２）を含むことを特徴とする積層部材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 縁の区域で異なった弾力性をもつ積層部材 本発明は高弾力性繊維で補強された合成樹脂マトリックスから実質的に成る積 層部材に関する。 本発明の背景 この種の積層品は、補強用の繊維を適当な合成樹脂で含浸してつくられた多数 の予備成形体を一緒にプレスすることのより製造される。これらの積層品は例え ば車体の内装または機械製造工業に使用される部材を製造するのに用いることが できる。従ってこの種の積層品は使用上必要とされる多くの挙動特性、例えば良 好な動力学的、機械的性質、および高度の熱的および化学的耐性に対する要求を 満たしていなければならない。さらにこのような積層品は、車体の内装部材に使 用される場合、特に高度の耐焔性をもっていなければならない。 本明細書の冒頭に記載した積層品は良好な動力学的、機械的特性をもっている が、経験によればこれらの積層品を後で加工する場合、特に縁の所で應力のかか る点が生じ、これらの積層品を連続的に使用するのを著しく妨げることが示され ている。特にこれらの積層品が構造部材として永久に固定されている場合にそう である。 従って本発明の目的は、表面を横切る方向において異なった弾力性を有し、縁 の部分は問題を生ぜずに積層品を取り付けることができるのに十分な高度の弾力 性をもち、同時に積層部材の中心部においては該積層部材の機械的安定性を十分 に保証し得るのに十分な弾力性をもっている 積層部材を提供することである。 本発明の説明 上記本発明の目的は、高弾力性繊維によって補強された合成樹脂マトリックス から実質的に成る積層部材において、（ａ）数種の合成樹脂繊維予備成形体から これを一緒に高温プレスし、硬化させて製造し得る曲げＥモジュラスが１０，０ ００〜４０，０００ＭＰａの積層区域、（ｂ）該積層部材の少なくとも二つの相 対する縁に配置され、該積層部材の相対する縁に表面の所で接合されている軟ら かい弾力性材料からつくられた連結片、および（ｃ）該積層部材の片側にある装 飾用の被覆層を含むことを特徴とする積層部材によって達成される。 本発明による積層部材はまた積層品の縁が連結片の方へ向かい階段状をなすよ うにつくられているという利点をもっている。 本発明による可撓性をもった積層品の他の利点は、縁の部分の軟らかい弾力性 をもった材料が耐焔性のゴムからつくられ、該積層部材を製造する際、交叉結合 していない段階においてこの材料を挿入することができる点である。次に合成樹 脂繊維予備成形体を高温プレスしてこの材料を交叉結合させた後、軟らかい弾力 性材料を積層部材に接合する。 本発明による積層部材はまた耐久性をもった合成樹脂（好ましくはフェノール 樹脂）からつくられた合成樹脂マトリックスを含み、さらに高弾力性繊維として ガラス繊維を含んでいる。 本発明の他の利点は積層部材が改善された耐焔性をもつようにマトリックスの 合成樹脂が変性されていることである。 本発明の一具体化例を参照した図面の説明 次に添付図面並びに本発明の具体化例を参照して本発明を詳細に説明 する。 添付図面に積層部材１の一例を示す。添付図面では積層区域３および４、並び にそれぞれ該積層区域の反対側の縁にある連結片５および５’および６および６ ’が示されている。薄い積層層７およびポリフッ化ビニルの層８から成る装飾用 の被覆層２が該積層品の少なくとも片側に示されている。 添付図面に示されているような本発明による積層部材は下記の工程を経て製造 することができる。 工程１： 高弾力性繊維は例えばガラス繊維布の形で使用することができ、これを浸漬含 浸法によりフェノール樹脂の溶液で含浸する。この場合における目標は樹脂含量 を２５〜６０％、好ましくは３５〜５０％にすることである。含浸したガラス繊 維布を次いで熱処理し、蒸発によって使用した溶媒を除去し、合成樹脂をＢ−段 階に移行させる。この段階において合成樹脂繊維予備成形体がつくられる。 工程２： 工程１でつくられた合成樹脂繊維予備成形体を数枚の層に切断し、中央の積層 区域３，４をつくる。これは添付図面に示されているように、縁の方へ向かい階 段状をなすようにつくられる。 工程３： 工程２で切断された繊維を含む予備成形体の層の少なくとも二つの辺に、耐焔 性のゴムまたはポリウレタンのフィルムのような交叉結合していない軟らかい弾 力性材料を取り付ける。これらの軟らかい弾力性材料は耐焔剤および／または耐 煙剤を含んでいることができる。中央の積層 区域３への連結片をつくるために、軟らかい弾力性材料６、６’の幅を例えば３ ｃｍにし、積層区域の縁４への連結片をつくるために層５、５’の幅を５ｃｍに する。さらにこの連結片の外側に、プリント加工したポリフッ化ビニルのフィル ム８および薄い積層層７から成る被覆層２を取り付ける。 工程４： 次に工程３でつくられた留め具（ｓｔａｐｌｅ）を、公知のプレス法を用い、 温度最高１４０℃、圧力レベル１０バールにおいてプレスする。このようにして 連結片５、５’および６、６’の軟らかい弾力性材料を交叉結合させ、Ｂ−段階 にある積層区域３、４の樹脂、および被覆層２の中に埋め込まれた繊維を含む予 備成形体７をＣ−段階に移行させる。 工業的用途 本発明による積層部材は車体の内装に使用することができる。合成樹脂マトリ ックスに耐焔性をもった変性合成樹脂を使用し、縁に耐焔性をもった軟らかい弾 力性材料を使用しているため、従来公知の積層品に比べ耐焔性および／または耐 煙性が改善されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．高弾力性繊維によって補強された合成樹脂マトリックスから実質的に成 る積層部材において、 （ａ）数種の合成樹脂繊維予備成形体からこれを一緒に高温プレスし、硬化さ せて製造し得る曲げＥモジュラスが１０，０００〜４０，０００ＭＰａの積層区 域、 （ｂ）該積層部材の少なくとも二つの相対する縁に配置され、該積層部材の相 対する縁に表面の所で接合されている軟らかい弾力性材料からつくられた連結片 、および （ｃ）該積層部材の片側にある装飾用の被覆層を含むことを特徴とする積層部 材。 ２．積層部材の縁は該連結片の方へ向かい階段状をなすようにつくられてい ることを特徴とする請求の範囲１に記載の積層部材。 ３．軟らかい弾力性材料は耐焔性のゴムから成っていることを特徴とする請 求の範囲１または２に記載の積層部材。 ４．該積層部材を製造する際、縁の部分の軟らかい弾力性材料を交叉結合し ない状態で取り付け、合成樹脂繊維予備成形体を高温プレスすることによりこの 軟らかい弾力性材料を縁に接合し同時に交叉結合させることを特徴とする請求の 範囲１〜３のいずれか１つに記載の積層部材。 ５．合成樹脂マトリックスは耐久性をもった合成樹脂、好ましくはフェノー ル樹脂からつくられることを特徴とする請求の範囲１〜４のいずれか１つに記載 の積層部材。 ６．合成樹脂マトリックスは変性された合成樹脂を含んでいることを特徴と する請求の範囲１〜５のいずれか１つに記載の積層部材。 ７．高弾力性繊維は実質的にガラス繊維から成ることを特徴とする請求の範 囲１〜６のいずれか１つに記載の積層部材。