JPH09510614A - Dnaメルトメーターおよびその使用方法 - Google Patents
Dnaメルトメーターおよびその使用方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、DNAのサイズ決定、定量、プロービング、および配列決定技術を効率的、精密かつ確実に自動的に行うためのDNAメルトメーターと名付けた装置、および病理学的ならびに病的状態を速やかに診断するために該装置を臨床的および診断的に応用する方法を提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
DNAメルトメーターおよびその使用方法
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、医学的診断、遺伝子医学、特にこれらの分野に関連する分子生物学
的方法に関する。特に、本発明は病気に関連する遺伝的多型性、病的生物、細胞
および組織に関するDNA断片をサイズ決定し、定量し、プローブし、および配
列決定する方法および装置を提供する。具体的には本発明は、DNAサイズ決定
、定量、プロービングおよび配列決定の、有効な、正確な、信頼できる自動的実
施のための、DNAメルトメーター(meltometer)と名付けられる装置、および
病的および病気状態の迅速な診断のための臨床的および診断的利用に該装置を用
いる方法を提供する。
2.関連技術の要約
遺伝医学および診断の分野において、様々な病気の状態は特殊な核酸の存在に
より特徴づけられる。例えば遺伝的な病気では、或る特別な変異体遺伝子が個体
のゲノムDNA中に存在する。そのような特殊な変異体遺伝子の発現の減少また
は発現しないこと、または変異体の非機能的な遺伝子産物、または機能の変化し
若しくは損なわれた遺伝子産物の発現は、個体における明白な病気を起こし、ま
たは寄与する(Scriver等、1989、The Metabolic Basis of Inherited Di sease
、McGraw−Hill、ニューヨーク)。感染性の病気において、病気を起こ
す生物からの核酸の存在は直接の症状がない場合でも病気の切迫したまたは結局
の発生の存在を示す。一つの重要な例は、その感染が後天性免疫不全症候群の発
症のしばしば前であるヒト免疫不全ウイルスによる感染である。起源が遺伝的で
ない病気の第2のカテゴリーはいわゆる環境により誘起される病気である。その
ような病気は、細胞および組織への環境の毒素および他の傷害の毒素的、抗原的
または栄養の作用により起こされる。結果として生ずる分子病理学は、影響を受
けた細胞および組織における遺伝子発現パターンの変化の検出により同定し得る
。従って、そのような指標となる核酸の具体的な検出は医者にとって重要な診断
手
段としての可能性を有する。
過去10年間にわたってヒト遺伝子の研究は大きい進歩を遂げ、100以上の
ヒトの病気において遺伝的損傷が病気と関連して同定された(Antonarakis、19
89、N.Engl.J.Med.320:153-163)。これらの病気に関連するDNA多型
性の発見とキャラクタリゼーションに用いられる技術は以下のものを含む:(1
)特にポリメラーゼチエインリアクションを用いる、特別な核酸配列のインビト
ロでの増幅;(2)ゲル電気泳動を用いる核酸フラグメントの分離とサイズ決定
;(3)様々な膜に結合した核酸の特異的なハイブリダイゼーション(いわゆる
「サザーン」および「ノーザン」ハイブリダイゼーション)による、そのような
多様なフラグメントの間の特殊な核酸断片の検出;および(4)分解的、または
よりしばしば合成的配列決定法によるヌクレオチド配列の決定(これらの技術の
詳細についてはSambrook等、1990、Molecular Cloning;A Laboratory Ma nnual
、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring
Harbor、ニューヨークを参照)。
これらの技術が研究室で強固となるのと同じ程度に、これらの技術の臨床試験
への移転は困難であることが分かった。特に日常的な臨床および診断への利用に
対するこれらの技術の自動化および標準化は遅れている。これは、これらの技術
の全てが最終のキャラタリゼーション段階としてアガロースゲルまたはポリアク
リルアミドゲル電気泳動を必要とするという事実に部分的にはよる。電気泳動は
研究装置として有効だが、扱いにくく、自動化が困難で、行うのに熟練した人を
必要とする。さらにゲル電気泳動技術は典型的には、エチジウブロマイド(突然
変異誘発性である)およびアクリルアミド(神経毒性)等の有害な薬品、放射活
性および/または高圧(4000Vまで)または紫外線照射の使用などの有害な
条件の使用を必要とする。さらにゲルで分離された特殊なDNA断片の可視化は
、写真装置、暗室、X線フイルム現像装置を通常必要として、これらすべてはこ
れらの技術を非経済的なものとし、これらの分析を信頼をもって行うのに必要な
熟練のレベルを上げる。
従って、現在利用できる電気泳動方法を行うのに必要であるより、分子生物学
的な技術でずっと熟練性を要しない技術によって用いることのできる、ゲル電気
泳動に対する、簡単な、強固な、そして容易に自動化される代替物に対する臨床
診断における必要性がある。分子生物学の技術内でさえ、ヒトゲノムプロジェク
ト(Olson等、1989、Science、245:1434−1435)を含む或る領域の進行中の
重要な研究は、現在利用できる、電気泳動をベースとした核酸のサイズ分離方法
を用いて消費される時間量によって、その進展が達成される速度が制限される。
これらの方法の代替物の有利な特徴は、従来のように訓練された臨床試験室の技
術者にとって、早い「実施」時間、使用の容易さ、大きい処理量、自動化された
操作を含む。
発明の概要
本発明は、「ゲルを用いない」核酸の検出およびキャラクタリゼーションシス
テムを提供し、ゲル電気泳動を使用することなく核酸をサイズ決定し、定量し、
プローブし、配列決定するための装置、および該装置を用いる方法よりなる。本
発明は、DNAメルトメーターと名付けられる、単一の、使用の容易な、自動化
可能な装置による核酸検出を提供する。そのメルトメーターは組み合わされた次
の部分からなる:約15℃および95−100℃の間の任意の温度に正確に、信
頼可能に、そして早く調節できる温度調節チャンバー;温度調節チャンバー中の
温度を調節するための温度調節チャンバーと熱接触させた、加熱用要素および冷
却用または凍結ユニットを含む温度調節器;および2本鎖のDNAまたはRNA
:DNAハイブリッドを検出するための、すなわち2本鎖のDNAまたはRNA
:DNAハイブリッドの熱変性の結果と生じた一本鎖DNAまたはRNAを検出
するための検出器よりなる。場合によりおよび有利には、該メルトメーターは、
データを処理する装置およびインターフェースをも含み、それによりデータプロ
セッサーが装置の他の部分の動作をコントロールし、装置の作動により作られた
データを記録し、貯える。メルトメーターの部品には、温度調節チャンバーを通
して液体の緩衝溶液を移動させるためのポンプをも場合により含み、温度調節チ
ャンバーを通り、検出器を通過して緩衝液の流れを起こすよう好ましくは配置す
る。本発明の装置のそのような態様においては、温度調節チャンバーは第一の開
口部
と第二の開口部を有利には有し、それにより緩衝液は第一開口部を通ってチャン
バーに流入し、第二開口部を通ってチャンバーから流出し、第二開口部は検出器
に接続され、または取り付けられる。
本発明により提供される装置および方法は、(a)長さで約50〜約500塩
基対の範囲の核酸をサイズ決定する;(b)特殊なDNAフラグメントの、単独
でか、またはヘテロロガスDNA断片混合物中の量を定量する;(c)配列特異
的な核酸プローブへのハイブリダイゼーションによる、多数の非特異的ヌクレオ
チド配列の中の、核酸の特異なヌクレオチド配列を検出する;および(c)約2
0〜約100のヌクレオチドの長さの範囲の伸長(extended)核酸シークエンシ
ングオリゴヌクレオチドのネスト化(nested)セットを検出するのに有用である
。各伸長オリゴヌクレオチドはその3'伸長部分にポリメラーゼチェイン終了化
合物を有し、それによって核酸のゲルを用いないヌクレオチド配列決定を提供す
る。
本発明は次の技術的な考慮に基づく。従来核酸は、それらの物理的大きさに基
づきゲル電気泳動によりキャラクタライズされており、その最も重要なパラメー
ターは長さである。物理的大きさは別として、2重鎖核酸に特徴的な他の性質は
、その2つの相補鎖が互いに分離する温度である。融点Tmと名付けられるこの
性質は、核酸分子の50%がその成分の1本鎖に解離した温度として定義される
。ある小さい(約600塩基対未満)核酸の融点は2つの要因によることが知ら
れている:フラグメントの大きさ(すなわち長さ)およびフラグメントの配列お
よび塩基組成。核酸が長いほどそれはより多くの水素結合した塩基対を有し、そ
のため分離するのにより大きい熱エネルギーを必要とするので、大きさはTmに
寄与する。塩基組成効果は、G−C塩基対は、それらが塩基対間のより多きい鎖
間水素結合を共有するのでA−T塩基対より安定であるという事実による。塩基
配列効果は、2本鎖コンホメーションを安定化させる方法で各鎖内部で塩基が互
いに相互作用するという事実による。
知られた長さおよび塩基組成のDNA2本鎖のTmを予言する様々な式の使用
が当業者によく知られている。本発明は、DNA断片の長さおよび(本発明の方
法のある態様で)その塩基組成を同定するためDNA断片のTmを用いる装置お
よび方法を初めて提供する。
塩基組成および配列のTmに及ぼす影響は、イソスタビライジング化合物の使
用により除去できる。これらの化合物はGCまたはAT塩基対に特異的に結合し
、塩基対間の水素結合をそれぞれ脱安定化または安定化するよう作用する。イソ
スタビライザーの存在する場合、ある核酸フラグメントのTmはその長さのみの
関数となる。更にイソスタビライザーは溶融転移を鋭敏にし、それによって、例
えば1ヌクレオチドだけ長さの異なる、異なった核酸フラグメントの検出の分解
能を増加させる。
本発明の具体的な好ましい態様は、いくつかの好ましい態様の次のより詳細な
記述および特許請求の範囲から明らかとなろう。
図面の簡単な説明
Fig.1はDNAメルトメーターの温度調節チャンバーの構造および操作を示す
。図中、1は温度調節された緩衝液の流れの方向を表し、2は固定化鎖3および
検出可能標識鎖4からなる連結(tethered)DNAを表し、5は温度調節チャン
バーを表し、6は検出器、7は連結DNAリテイナー(retainer)、8は熱変性さ
れた、検出可能標識された連結(tethered)1本鎖DNAまたはRNAである。
Fig.2はDNAメルトメーターの自動化の例を示す。図中、5は温度調節チャ
ンバーを表し、6は検出器である。9は温度調節チャンバー5を通過する緩衝液
を流動させるためのポンプである。10は緩衝液貯蔵室であり、11は装置の調
整操作のためのデータープロセッサーを表し、12はコンピューターによる、装
置の操作の調整と装置によって産生されたデータの集積および再生を可能にする
仲介装置を表す。
Fig.3AおよびFig.3Bは、メルトメーターを用いて、479個の塩基対につ
いて、イソスタビライザーである塩化テトラエチルアンモニウムの存在下(Fig.
3B)および不存在下(Fig.3A)でのTm測定結果を示す。
Fig.4は、このメルトメーターを用いて、イソスタビライザーである塩化テト
ラエチルアンモニウムの存在下および不存在下でのネスト化または非ネスト化フ
ラグメントのTmおよび大きさの測定結果を示す。
Fig.5A〜5DはDNA鋳型にハイブリダイズされ、続いて変性され、このメ
ルトメーターを用いて検出された複合(multiplex)プローブの検出を示す。Fig
.5A〜5Cは3個(Fig.5Aおよび5B)または4個(Fig.5C)のプローブ
のTmに基づく検出を示し、Fig.5DはFig.5Cに示されたと同様に分離された
DNAフラグメントの従来のゲル電気泳動を示す。図中、レーン1は15量体、
23量体(ミスマッチ)および30量体のDNAサイズマーカーであり;レーン
2は15量体、23量体および30量体のDNAサイズマーカーであり;レーン
3−6は、15量体(レーン3)、ミスマッチ23量体(レーン4)、23量体
(レーン5)および30量体(レーン6)を含有するメルトメーターピークから
得られた。
好ましい具体例の詳細な記載
この発明は核酸フラグメント、好ましくは2本鎖DNAフラグメントのゲルを
用いない大きさの測定、定量、プロービングおよび配列決定のためのDNAメル
トメーターと名付けられた装置を提供するものである。DNAメルトメーターは
適当な条件下でDNAフラグメントのTmが本質的にDNAフラグメントの長さ
の関数であるという原理に基づく。この発明はまた、イソスタビライジング化合
物の存在下または不存在下でDNAフラグメントの大きさの測定、定量、プロー
ビングおよび配列決定の方法をも提供する。
この装置は、DNAなどの2本鎖核酸の緩衝液を含むための温度調節チャンバ
ー(Fig.1中5)−この中でDNAは熱変性される−を含む。温度調節チャンバ
ーの具体例には、熱伝導物質からなる熱遮断物内に収容された薄膜ポリプロピレ
ン管が含まれ、この例は有利には試料の交差汚染の可能性を避けるという単一の
用途に限定される。メルトメーターの温度調節チャンバー要素の別の具体例は熱
伝導物質からなり、試料を挿入し、各試料測定後の試料を流し出すための少なく
とも1個の開口部を有する空洞が区切られている。有利にはこのメルトメーター
の温度調節チャンバーは第1および第2の開口部を有し、緩衝液、または試料含
有溶液またはその他の溶液のこの室の通過を可能とする。メルトメーターの上記
の具体例において、緩衝液貯蔵室(Fig.2中10)から温度調節チャンバーを通
り、検出器(Fig.1および2中6)通り越して、緩衝液を通過させるためのポン
プ(Fig.2中9)を含む。DNAメルトメーターのこの具体例において有用なポ
ンプの例は高圧液体クロマトグラフィーポンプ(ベックマンサイエンティフィッ
クインスツルメント社製、フラートン、CA)である。別の具体例では、温度調
節チャンバーは連続的かつ同時に多重測定を可能にする多数の試料ウェルが区切
られている。
ある種の例において、温度調節チャンバーはまた、2本鎖核酸リテイナー(Fi
g.1中7)で構成される。リテイナーの例としては、これに限定されるものでは
ないが、ラテックスビーズに連結されている(tethered)核酸フラグメントを保
持するためのテフロン(商品名)フィルターである。好適に用いられる他のリテ
イナーの例としては、トランスフェリンまたは常磁性ビーズ(ダイナル社製、オ
スロ、ノルウエー)などの金属鉄結合剤に連結された(tethered)核酸フラグメ
ントを保持するための外部磁場発生器である。
このメルトメーターの温度調節チャンバーは室内の温度を調節するための加熱
手段および/または冷却または冷凍ユニットなどの温度調節装置と熱的接触して
いる。種々の温度調節ユニットが当業者に公知であり、これに限定されるもので
はないが、金属性加熱ストリップ、冷却ファン、冷凍ユニットなどが挙げられる
。特に、温度調節器は温度を±1℃、より好ましくは±0.1℃、最も好ましく
は±0.01℃内に調節可能なものが公知である(このような温度調節器の例は
エッペンドルフ社製、ハンブルグ、ドイツのものである)。
2本鎖核酸の1本鎖DNAまたはRNAへの分離を含む核酸の熱変性は、DN
Aフラグメントの1本鎖配座異性体の物理的特性を検出する検出器(Fig.1およ
び2中6)を用いて検出する。この特性は、主として3つのカテゴリーの検出器
:直接検出器、準直接検出器および間接検出器によって検出され得る。熱変性の
直接検出は、例えば、2本鎖核酸がその1本鎖成分に変性するときに放出される
分離の熱を検出する熱量計を用いてなされ得る。直接検出の他の例は分光光度検
出である。この検出方法において検出されるものは、熱変性に関連する260n
mの波長における紫外線の吸収の増加である(いわゆる変性濃色効果)。この直
接法は、当業者は標的核酸のナノモル(〜10-14分子)の条件に限定されるも
のと理解される。
熱変性検出の準直接法の例としては、1本または2本鎖立体配座特異的色素お
よび挿入化合物の結合または分離の検出である。すなわち、例えば、熱変性は、
分光光度検出可能2本鎖特異的色素、結合部分(binding moiety)または挿入(
intercalating)化合物の効果的濃度の増加によって検出され得る。具体的には
、これらの種類の色素は、色素が2本鎖DNA分子への結合、連結または挿入す
るかどうかによって、ある波長で光を吸収または放出する。この種の色素を用い
て、2本鎖DNA分子に結合、連結または挿入される色素の量が、DNA分子が
熱変性されたとき適当な波長で光の吸収または放出の増加(または減少)によっ
て測定され得る。別法として、熱変性は分光光度検出可能1本鎖特異的色素、結
合部分または挿入化合物の効果的濃度における減少によって検出され得る。これ
らの色素は、特定のおよび特徴的波長において吸収または放出される光の量が、
色素が1本鎖DNA分子に結合、連結または挿入されるかどうかによって変化す
るという点で2本鎖特異的色素と類似である。すなわち、これらの型の色素を用
いて、1本鎖DNA分子に結合、連結または挿入される色素の量は、1本鎖DN
Aの量が2本鎖DNAの変性で増加したとき、適当な波長での光の吸収または放
出における増加(または減少)によって測定され得る。より複雑なサンドイッチ
法が公知であるが、これは、さらに別の特異的結合成分が、熱変性と、検出可能
色素、結合部分または挿入物の効果的濃度の増加または減少間の中間段階に関与
する。この方法では、色素または中間体特異的結合部分のいずれかの結合または
放出が、検出可能色素の効果的濃度における増加または減少によって分光光学的
に検出され得る。種々の有用な核酸特異的色素化合物が公知であり、例えば、エ
チジウムブロミド、または好ましくは、DAPI、ヘキスト33258、および
最も好ましくは、TOTO/YOYO(モルキュラープローブ、ユージーン、O
R)である。この後者の色素を使用すると、標的核酸のフェムトモル(〜10-9
分子)程度の少量でも検出可能である(グレーザーおよびヘイ、1992、ネイ
チャー359:859参照)。
間接検出法としては、これに限定されるものではないが、蛍光的または赤外−
標識1本鎖DNAまたはRNAの蛍光または赤外分光光度分析である。蛍光検出
は好ましくは、非変性核酸が温度調節チャンバー内に保持されている温度調節チ
ャンバーを用いる条件下で、温度調節チャンバーを通り、検出器を通り越して通
過する緩衝液の流れを含むメルトメーターの例で用いられる。この配置の例はFi
g.1に示されている。この発明の装置を用いる間接検出の例として、緩衝液、好
ましくは標準クエン酸塩(SSC;サムブルックら、1990、前掲)などの水
性緩衝液が、当初当該特定DNAフラグメントのTm以下である温度の温度調節
チャンバー5を通過して流れるようにされている(Fig.1中1は温度調節緩衝液
の流れの方向を表す)。この室内に、リテイナー7に保持された試料である連結
(tethered)DNA2がある。連結2本鎖DNAは固定化鎖3および検出可能標
識、好ましくは蛍光的または赤外標識鎖4からなる。温度調節チャンバー内の温
度を上昇させると、DNAは特徴的温度(Tm)で変性し、緩衝液の流れによっ
て、標識可能鎖は温度調節チャンバー5から検出器6を通り越して移動し、検出
器で熱変性された蛍光的または赤外標識1本鎖DNAまたはRNA分子7として
検出される。蛍光または赤外に基づく間接検出法を用いれば、溶液中1000−
2000個の分子(ミドンドルフら、1992、エレクトロホレイシス、13:
487)、または、理論的には1個の分子でさえ(デービスら、1991、GA
TA8:1)検出が可能である。
本発明により提供されるメルトメーターの使用においては、サイズを決定し、
定量し、プローブし、または配列決定すべき核酸を都合よく修飾して1本の鎖上
に連結(tethering)分子を含ませる。このような連結分子の導入は、温度調節
チャンバー中に2本鎖の核酸を保持し、およびディテクターによる未変性DNA
の検出を防止する方法を提供する。これは、温度調節チャンバー内部の2本鎖核
酸を連結、固着又は固定化することにより達成される。未変性DNAは温度調節
チャンバー自体、またはより好ましくは温度調節チャンバー内のリテイナー(re
tainer)(第1図の7)に固着、連結または固定化し得る。連結分子とリテイナ
ー(retainer)の好都合な組合せは、ストレプタビジンでコートされたラテック
スまたはガラスビーズに結合されビオチニル化された核酸を含むがこれに限定さ
れない。そして、テフロン(登録商標)膜により温度調節チャンバー内に保持さ
れる。また、本発明のそのような好都合な態様には、ポルフィリンまたはフェリ
チンなどのキレート部分を使用するかまたは使用することなしに磁性金属に連結
した核酸も含まれ、外部磁場を適用することにより、温度調節チャンバー内に保
持される。連結分子は置換合成、ハイブリダイゼーション、インビトロの化学合
成またはインビトロ増幅の間の化学修飾により2本鎖の核酸に付加し得る。
本発明により提供されるメルトメーターの使用においてサイズ決定し、定量し
、プローブしまたは配列決定すべき核酸を都合よく修飾して、一方の鎖上に検出
可能な標識を含ませる。このような検出可能な標識の導入は、2本鎖の核酸の変
性の検出方法を提供する。1つの限定されない好ましい検出可能な標識の例は、
フルオレセインまたはローダミンなどの蛍光標識またはポリメチン色素などの赤
外線標識である。検出可能な標識分子は、置換合成、ハイブリダイゼーション、
インビトロの化学合成またはインビトロ増幅の間の化学修飾により2本鎖の核酸
に付加し得る。また、本発明のこの態様には、2本鎖の核酸への標識可能な標識
の非共有結合による導入、例えば1本鎖または2本鎖のコンフォメーションに特
異的な検出可能な色素のインターカレーションも含まれる。このような核酸コン
フォメーションに特異的な色素分子の例には、エチジウムブロミドまたは好まし
くはDAPI、ヘキスト33258、及び最も好ましくはTOTO/YOYOが
含まれるがこれに限られない。
さらに、緩衝液チャンバー内部の溶液はイソスタビライジング化合物から構成
されるのが都合よい。イソスタビライジング化合物の例にはベタイン、サルコシ
ン、タウリン、グリセロール、TMAO、TMACl、TEAClその他が含まれ
、そのイソスタビライジング特性を以下の表1に開示する。
このようなイソスタビライジング化合物の使用は有利である。なぜならば、こ
れらの化合物は、核酸のTmがその長さに比例する度合を増加させるからである
[ウッド(Wood)ら,プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンセス・USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),82巻,1585〜158
8頁,(1985年)参照]。さらに、本発明のイソスタビライジング化合物は
融解転移を鋭敏にするべく作用する。即ち、それらは2本鎖核酸が本質的に完全
な2本鎖から本質的に完全な1本鎖へ変化する温度範囲を減少させるように作用
する[Reesら,バイオケミストリー(Biochemistry),32巻,137頁,(1
992年)を参照]。この特徴は有利なものである。なぜならば、これは、DN
A置換合成配列決定反応の生成物を表す伸長オリゴヌクレオチドのネスト化セッ
トなどの、極限では、1つの塩基対が異なっている、異なる核酸の分解能の上昇
をもたらすからである。
DNAメルトメーターは好ましい態様で自動化された装置として提供される。
このメルトメーターのこの態様の模式的ダイアグラムを第2図に示す。この態様
では、操作段階がコンピューター等のデータープロッセッサ(第2図の11)に
より制御されたインターフェースユニット(第2図の12)、好ましくは、例え
ばオメガOM−900ユニットなどのI/Oインターフェースにより制御されて
いる。操作段階は、温度調節ユニットの制御、温度調節チャンバー内を通る緩衝
液の流速の制御、及びディテクターによる熱変性の検出の制御を包含する。さら
にこのメルトメーターのこの好ましい態様の特徴は、装置の操作により生じたデ
ータを得、記録し、保存するためのコンピューターの使用にある。
本発明により提供されるDNAメルトメーターは核酸の、ゲルを使用しないサ
イズの決定、定量、プローブ、および配列決定を可能とするのに有用である。核
酸フラグメント例えば、本発明により提供されるDNAフラグメントのサイズの
決定の方法は、そのDNAフラグメントの熱変性温度以下の温度でメルトメータ
ーの温度調節チャンバー内にそのDNAフラグメントを含む溶液を置く工程を含
んでなる。次いで、温度調節チャンバーの温度を、DNAフラグメントの変性を
検出及び解読するのに十分な速度で直線的かつ厳密に(±0.01から1℃)に
増加させる。DNAフラグメントの熱変性がこれによって検出される。好ましい
態様ではDNAフラグメントの一方の鎖は連結分子に連結しており、リテイナー
により温度調節チャンバー内で保持されている。このフラグメントの他方の鎖は
検出可能な標識、即ち、例えば蛍光標識または赤外線標識に連結している。温度
調節チャンバーは熱変性の間に緩衝液が温度調節チャンバーを通って流れる第1
及び第2の開口部を有するように有利に配置する。熱変性した、1本鎖の、蛍光
または赤外線標識されたDNA分子は、温度調節チャンバーを通過する緩衝液の
流れの結果としてディテクターを通過して流れ、それによって検出される。この
方法の好都合な改変では、一組のDNAサイズマーカーフラグメントを温度調節
チャンバーに加える。このようなマーカーフラグメントは好ましくはディテクタ
ーが各マーカーフラグメントと試料DNAフラグメントを判別できるよう異なっ
た標識をする。次いで、DNA試料のサイズを、各DNAマーカーフラグメント
について検出された熱変性温度を用いて作成された標準曲線との比較によって決
定する。
DNAフラグメントを定量する方法は、ディテクターにより検出されたDNA
フラグメントの量を計算するさらなる段階を含んでなる。1つの態様では、検出
されたフラグメントの量は、特定波長における吸収と吸収物質の量との関係に関
するBeerの法則等の当業者によく知られているアルゴリズムを用いて、検出
された標識DNAの全強度から定量化する。
本発明により提供される多様なDNAフラグメントのなかから特定のDNAフ
ラグメントを特異的に検出するための、核酸フラグメント、例えばDNAフラグ
メントをプローブする方法は、以下の段階を含んでなる。多様な2本鎖DNAフ
ラグメントそれぞれの一方の鎖を連結分子に連結する。次いで、多様な2本鎖D
NAフラグメントが温度調節チャンバー内で保持されるようにリテイナーの存在
下で、多様な(multiplicity)連結された2本鎖DNAフラグメントの溶液をメ
ルトメーターの温度調節チャンバー内に置く。次に、温度調節チャンバーの温度
を、多様なDNAフラグメントを熱変性させるに十分な温度に上昇させる。若し
くは、DNA試料を温度調節チャンバーに添加する前に熱変性を行ってもよい。
この熱変性により、温度調節チャンバー内に存在する多様な1本鎖DNAフラグ
メントを生じ、それらは配列に特異的なプローブとの後のハイブリダイゼーショ
ンに対する標的となるものである。次いで、検出可能な標識核酸プローブをハイ
ブリダイゼーション溶液中で多様なDNAフラグメントにハイブリダイズする。
該プローブは、多様なDNAフラグメントには不活性で特定のDNAフラグメン
トに対し特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであって、温度は該ハ
イブリダイゼーションを起こさせるに充分な温度であることが好ましい。次いで
、
過剰のプローブを温度調節チャンバーから除いた後、温度調節チャンバー内の温
度を目的の特定のDNAフラグメントに由来するハイブリダイズされたオリゴヌ
クレオチドプローブを検出し解読するのに十分な速度で直線的かつ厳密に(±0
.01から1℃)に上昇させる。好ましい態様では多様なDNAフラグメントの
一方の鎖は連結分子に連結しており、リテイナーにより温度調節チャンバー中で
保持されている。オリゴヌクレオチドは検出可能な標識、即ち、蛍光標識または
赤外線標識に連結している。温度調節チャンバーは熱変性の間に緩衝液が温度調
節チャンバー内を流れる第1及び第2の出入り口を有するようにする。次いで、
熱変性したオリゴヌクレオチドの、蛍光または赤外線標識されたプローブは、温
度調節チャンバーを流れる緩衝液のためにディテクターを通過して流れ、それに
よって検出される。
本発明により提供される核酸フラグメント、例えばDNAフラグメントを配列
決定するための方法は、以下の段階を含んでなる。多様な2本鎖DNAフラグメ
ントそれぞれの一方の鎖を連結分子に連結し、多様な2本鎖DNAフラグメント
が温度調節チャンバー内で保持されるようにリテイナーの存在下で、多様な連結
された2本鎖DNAフラグメントの溶液をメルトメーターの温度調節チャンバー
内に置く。次に、温度調節チャンバーの温度を、多様なDNAフラグメントを熱
変性させるに十分な温度に上昇させる。若しくは、DNA試料を温度調節チャン
バーに添加する前に熱変性を行ってもよい。この熱変性により、温度調節チャン
バー内に存在する多様な1本鎖DNAフラグメントを生じ、それらは配列に特異
的なプローブとの後のハイブリダイゼーションに対する標的となるものである。
配列決定される部位に隣接する、DNAフラグメントのヌクレオチド配列中の部
位に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド配列決定プライマーを、変
性したDNAにアニールする。このアニール段階は鋳型DNAに対するプライマ
ーのアニールを起こさせるに十分な温度で行う。次いで、慣用のジデオキシヌク
レオチド置換合成核酸配列決定反応を行い、DNAフラグメントにハイブリダイ
ズした伸長オリゴヌクレオチドのネスト化セットを形成する。次に、温度調節チ
ャンバー内の温度を目的の特定のDNAフラグメントにハイブリダイズした伸長
オ
リゴヌクレオチドのネスト化セットのそれぞれの変性を検出し解読するのに十分
な速度で直線的かつ厳密に(±0.01から1℃)に上昇させる。伸長オリゴヌ
クレオチドのネスト化セットのそれぞれの種をDNAフラグメントのヌクレオチ
ド配列を反映する一時的な(temporal)配列中でディテクターにより検出する。
好ましい態様では多様なDNAフラグメントの一方の鎖、即ち、オリゴヌクレオ
チドプライマーに相補的な鎖は連結分子に連結しており、リテイナーにより温度
調節チャンバー中で保持されている。延長オリゴヌクレオチドの各組は、蛍光標
識または赤外線標識されたジデオキシ末端残基により3'末端で検出可能なよう
に標識されている。要すれば、ディテクターにより独立に検出可能なように各デ
オキシヌクレオチドを異なるように標識するのが都合よい。温度調節チャンバー
は熱変性の間に緩衝液が温度調節チャンバー中を流れる第1及び第2の出入り口
を有するようにする。次いで、熱変性した、蛍光または赤外線標識された延長オ
リゴヌクレオチドそれぞれが温度調節チャンバーを流れる緩衝液のためにディテ
クターを通過して流れ、それによってDNAフラグメントのヌクレオチド配列を
反映する一時的な配列中で検出される。
当業者はまた、成分部分に解離しうる以外の本質的にあらゆる生物分子の相互
作用をアッセイするのにメルトメーターを用いることができることを理解するで
あろう。唯一必要なことは、相互作用する分子の一つがメルトメーター内に保持
しうること、および他の相互作用する分子の少なくとも一つが、たとえば蛍光標
識または放射能標識で検出可能に標識しうることである。DNA分析について記
載された温度傾斜または勾配に加え、たとえば塩濃度、誘電定数、カオトロープ
剤濃度、または1価または2価のカチオン濃度などの溶液勾配を用いることがで
きる。一つの制限されない例はタンパク質−DNA相互作用であり、該相互作用
はタンパク質のDNA結合活性についえ測定することができる。この例では、D
NAをメルトメーターチャンバーに上記のように保持し、蛍光標識したタンパク
質を該保持DNAと相互作用させる。ついて、タンパク質を塩勾配により特異的
に溶出させて蛍光分光光度計により検出して、DNAとタンパク質との間の結合
相互作用の強度を定量測定する。本明細書において記載するDNAメルトメータ
ーの他の有利な使用は、当業者には明らかであり、開示した本発明の範囲に包含
されるであろう。
下記実施例は、本発明のある種の好ましい態様をさらに説明するためのもので
あって、本発明を限定するものではない。
実施例1DNAメルトメーターを用いた特定のPCR生成物の検出、サイズ決定および定 量
標準技術を用いて複製連鎖反応を行う。増幅すべきDNA鋳型を含むDNA試
料を、増幅すべきDNA断片の両側のDNA配列に相同でビオチンなどの保持分
子で5'末端を標識した15〜30ヌクレオチドの第一のオリゴヌクレオチドP
CRプライマーを含む反応混合物中に、約104分子/反応の最終濃度にて混合
する。この反応混合物にはまた、増幅すべきDNA断片の両側のDNA配列に相
同で、第一のPCRプライマーに相同な鎖と反対の鎖上にある15〜30ヌクレ
オチドの第二のオリゴヌクレオチドPCRプライマーも含まれており、該第二の
PCRプライマーは5'末端がローダミンやフルオレセインなどの蛍光分子また
はポリメチン染料などの赤外標識で標識されている。各PCRプライマーは反応
混合物中に1μMの最終濃度で含まれる。反応混合物にはまた、(1)テルムス
・アクアチクス(T.aquaticus)からの熱安定性ポリメラーゼなどのDNAポリ
メラーゼ(パーキン・エルマー−シータス(Perkin Elmer-Cetus)、エメリ
ービル、カリフォルニアから入手)(1〜5U/反応の最終濃度)、(2)4つ
のテオキシヌクレオチド3リン酸(約200μのMの全dNTP濃度)、および
(3)使用したポリメラーゼ酵素に適した緩衝液であって、典型的にマグネシウ
ムイオン塩を1〜5mMの濃度で含むものも含まれる。
DNA断片は、二本鎖DNAの変性、アニールおよびオリゴヌクレオチドプラ
イマーのポリメラーゼにより触媒された伸長からなるサイクルを繰り返すことを
含む増幅プロトコールに従って増幅させる。増幅は10〜40サイクル、または
約50〜1500ng(1〜100ピコモル)のDNA断片が生成されるまで行
う。
特定のDNA断片は、DNAメルトメーターを用いて下記のようにして検出す
る。増幅断片を含むPCR反応液に、テフロン(TeflonR)フィルターに保持す
るに充分なサイズのストレプトアビジンコーティングビーズを含む溶液を加える
。各増幅DNA断片の一方の鎖上にあるビオチン化末端によりラテックスビーズ
に該断片が結合した後、ラテックスビーズの結合したDNA断片の混合物をメル
トメーターの温度調節チャンバー(該チャンバーはテフロン保持フィルターを含
む)に入れる。温度調節チャンバーは使用前のDNA断片の熱変性温度未満の温
度に平衡化されており、典型的に15℃の温度に平衡化されている。温度調節チ
ャンバーから検出器を通る緩衝液溶液の流れを作るためにポンプを用い、DNA
断片の蛍光標識したまたは赤外標識した鎖を検出するため検量する。DNA断片
の検出を行うために本明細書に記載する各制御段階は、I/Oインターフェース
と組み合わせたコンピュータにより行うのが好ましく、検出器から得られたデー
タも実験の永久記録のためにコンピュータにより記録する。
特定の増幅したDNA断片を検出するため、該DNA断片の変性を検出および
解析するに充分な速度にて直線状かつ厳格に(±0.01〜1℃)温度調節チャ
ンバーの温度を上昇させる。温度調節チャンバーには場合によりDNAサイズマ
ーカー断片のセットも含まれ、その際、各断片は、一方の鎖上でビオチンで標識
され、それによってストレプトアビジンコーティングラテックスビーズに結合さ
れ、他方の鎖上では蛍光標識または赤外標識で標識されている。温度調節チャン
バーにはまた、所定量のイソスタビライジング化合物も含まれる。DNA断片の
検出は、検出器による適当なシグナルの検出により行う。この決定の正確さは、
DNAサイズマーカー断片と関連させて、DNA断片の観察されたサイズをDN
A断片の期待されるサイズと比較することにより増大する。
加えて、検出した特定のDNAの量は、かかる目的のためによく知られたアル
ゴリズムを用い、検出した標識DNA断片の全吸光度を積分することにより決定
することができる。特定の検出した断片の量は、該断片に特異的な適当な波長で
検出した全吸光度と関係付けられるであろう。特定の検出可能な標識の使用は、
この目的のために特に有利である。
実施例2DNAメルトメーターを用いたオリゴヌクレオチドプローブとDNAとの特異的 ハイブリダイゼーションの検出
ヒトゲノムDNAと遺伝子多型特異的プローブとのハイブリダイゼーションを
下記のようにして行う。鎌状赤血球貧血の素質[ヒトβ−グロビン遺伝子におけ
るGTG(Glu6)→GAG(Val6)]の保有者と診断された個体からのD
NAを、多型を破壊せず、各制限断片の凹んだ3'末端を生成する制限酵素で消
化する。ついで、該DNAを、たとえば大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ
断片またはT4DNAポリメラーゼおよびフェリチン化dUTPを用いた該3'
凹末端の充填反応を行うことにより、標準条件下で(サンブルックらの上記文献
参照)フェリチンで標識する。
上記フェリチン化DNA試料をまず変性し、ついでメルトメーターの温度調節
チャンバー中に入れるが、該チャンバーは外部磁場生成器を備えている。該磁場
は、実験の残りの経過において適用する。温度調節チャンバーに、ヒトβ−グロ
ビンの鎌状赤血球貧血に関連する対立遺伝子に相同で、5'末端がたとえばロー
ダミンやフルオレセインなどの蛍光分子またはポリメチン染料などの赤外標識で
標識したオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを加える。ついで
、温度調節チャンバーを、該DNA試料のヒトゲノムDNA中の相同部位を有す
るオリゴヌクレオチドプローブの熱変性温度未満の温度に調節する。ハイブリダ
イゼーションを最大量のハイブリダイゼーションが起こるのを可能とする適当な
時間行い、ついで過剰のハイブリダイズしなかったプローブを洗浄溶液[典型的
に0.1〜2×標準食塩クエン酸(SSC)中の0.1〜1%ドデシル硫酸ナトリ
ウム(SDS)からなり、1×SSCは0.15M NaClおよび0.015M
クエン酸ナトリウム、pH7.0からなる]を用いて温度調節チャンバーから洗
い出す。ポンプを用いて温度調節チャンバーから検出器までの洗浄溶液の流れを
生成させるが、このものは標識プローブを検出するため検量する。DNA断片の
検出を行うために本明細書に記載する各制御段階は、I/Oインターフェースと
組み合わせたコンピュータにより行うのが好ましく、検出器から得られたデータ
も
実験の永久記録のためにコンピュータにより記録する。
検出器がもはや過剰のハイブリダイズしていないプローブの通過を検出できな
いときは、ゲノムDNAからオリゴヌクレオチドプローブの変性を検出および解
析し変性したDNAプローブの検出を可能にするに充分な速度にて直線状かつ厳
格に(±0.01〜1℃)温度調節チャンバーの温度を上昇させる。オリゴヌク
レオチドの検出は、検出器により適当なシグナルを検出することにより行う。鎌
状赤血球貧血の素質についてヘテロ接合である個体からのDNAを用いる場合は
、2つの異なる温度で生じる2つの区別される熱変性事象が検出されることが期
待される。第一のものは、鎌状赤血球貧血に関連しない対立遺伝子の部位からの
プローブの変性であり、この変性は、ゲノムDNAとオリゴヌクレオチドプロー
ブとの間の変異部位のミスマッチの存在のために一層低い温度で生じるであろう
。第二の検出される変性事象は鎌状赤血球貧血に関連する対立遺伝子の部位から
のプローブの変性であり、この変性は、ゲノムDNAとオリゴヌクレオチドプロ
ーブとの間の変異部位が正確にマッチするために一層高い温度で生じるであろう
。場合により、温度調節チャンバーにはDNAサイズマーカー断片のセットも含
まれ、その際、各断片は、一方の鎖上でフェリチンで標識され、それによって外
部から適用される磁場によって温度調節チャンバー中に保持され、他方の鎖上で
は蛍光標識または赤外標識で標識されている。温度調節チャンバーにはまた、所
定量のイソスタビライジング化合物も含まれる。この決定の正確さは、DNAサ
イズマーカー断片と関連させて、DNA断片の観察されたサイズをDNA断片の
期待されるサイズと比較することにより増大する。
実施例3
DNAメルトメーターを用いたDNA配列決定
遺伝子多型の部位のジデオキシヌクレオチド/置換合成核酸配列決定を行い、
伸長したオリゴヌクレオチドのネスト化のセットを下記のようにDNAメルトメ
ーターを用いて検出した。のう胞性線維症を引き起こす遺伝子多型の保有者であ
ると診断された(のう胞性線維症膜貫通調節遺伝子においてPhe463をコード
する3塩基コドンの欠失)個体からのDNAを、多型を破壊せず、各制限断片の
凹んだ3'末端を生成する制限酵素で消化する。ついで、該DNAを、標準条件
下、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片またはT4DNAポリメラーゼ
を用いた該3'凹末端の充填反応を行うことによりビオチン化dUTPで標識す
る(このプロトコールの詳細はサンブルックらの上記文献を参照)。別法として
、遺伝子多型の部位を包含するDNA断片は実施例1に記載したインビトロ増幅
によって製造される。
ついで、ビオチン化DNA試料を変性させ、ストレプトアビジンコーティング
したラテックスビーズと混合し、ついでメルトメーターの温度調節チャンバー中
に入れる。該チャンバーはテフロン保持フィルターを含む。ついで、のう胞性線
維症に関連するDNA断片中の多型の両側の部位にハイブリダイズするDNA配
列決定オリゴヌクレオチドプライマーを温度調節チャンバーに加える。ついで、
DNAポリメラーゼ、適当な緩衝液および非標識dNTPの混合物および4つの
異なるように蛍光または赤外標識したジデオキシヌクレオチド3リン酸を、該配
列決定プライマーがアニールすることができ該ポリメラーゼがのう胞性線維症の
多型部位を包含する伸長されたオリゴヌクレオチドのセット中にdNTPおよび
ddNTPを導入することができる温度にて温度調節チャンバーに加える。オリ
ゴヌクレオチドの最大量の伸長が起こるのに可能な適当な時間の後、上記実施例
2のような温度調節チャンバーから検出器までの洗浄溶液の流れを生成させるポ
ンプを用いて過剰の配列決定反応混合物を温度調節チャンバーから流し出す。該
検出器は標識ddNTPのそれそれを検出すべく検量してある。DNA断片の検
出を行うために本明細書に記載する各制御段階は、I/Oインターフェースと組
み合わせたコンピュータにより行うのが好ましく、検出器から得られたデータも
実験の永久記録のためにコンピュータにより記録する。
検出器が過剰の遊離ddNTPsの通過をもはや検出しない場合は、対象のDN
Aフラグメントにハイブリダイズした伸長オリゴヌクレオチドのネスト化(neste
d)セットそれぞれの変性を検出および分析するのに、かつ識別的に標識した伸長
オリゴヌクレオチドプライマーの検出を可能にするのに充分な速度で直線的およ
び緊縮的に(±0.01ないし1℃)温度調節チャンバーの温度を次第に上げる
。伸長オリゴヌクレオチドは、検出器で適当なシグナルを検出することにより検
出する。DNA配列は、検出器を通過した検出シグナルを経時的に配列すること
により決定する。所望により、温度調節チャンバー内にある量のイソスタビライ
ジング化合物を含んでいてもよい。
オリゴヌクレオチドプライマー
を用いて、配列
を決定するための理論的な温度変性プロフィールは、表IIに示す。この表のデー
タは、下記のようにして得たものである。隣接(nearest-neighbor)熱力学パラ
メーターを分析することにより(ブレスロウア等、1986、プロシーディング・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシィズ・USA、83巻、3746頁参照)、
単一ヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプライマーに加えた時の配列のTm(℃
)の増大を測定した。この表から分かるように、特に、精度±0.01℃の温度
調節器が市販されているという事実からみて、22.5℃→82.6℃の熱変性プ
ロフィールでDNAメルトメーターを用いて、理論的に約60塩基対のDNA配
列を読み取ることができる。
実施例4
DNAメルトメーターを用いる特定PCR生成物のDNAサイズ決定分析
ポリメラーゼ連鎖反応により生成したDNAフラグメントを実施例1に記載の
ようにして一定の大きさにする。異なる長さのDNAフラグメント7つのネスト
化セットを、鋳型としてバクテリオファージM13mp18を用いて製造した(そ
の配列は、知られており、例えば、ニュー・イングランド・バイオラブス・カタ
ログ、添付表参照)。単一の共通センス配向(即ち、5')プライマーを5'プラ
イマー部位から増大間隔3'でM13mp18配列に沿って配置した独特の3'プラ
イマーのセットの1つと共に個々の反応に使用する一連のPCRプライマーを用
いてネスト化セットを製造した。その結果、共通の5'末端を共有し、かつこの
共通末端からサイズオーダー3'でM13mp18DNA配列の量を増大している
DNAフラグメントのネスト化セットを得た。使用したプライマーの同一性は、
表IIIに詳細に示してあり、各プライマーは、センス(F)またはアンチセンス
(R)として、かつM13mp18配列と関連する各プライマーの5'末端の位置
により同定する。
これらのPCR反応の実施に当たり、5'共通プライマーをビオチニル化し、
3'プラィマーをγ−32P標識化ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを用
いて32Pで標識した:この反応は、製造元の説明書(ニュー・イングランド・バ
イオラブス、マサチューセッツ州ビバリー)および標準技術(サンブルック等、
同上)に従って実施した。これらのプライマー(各プライマー30pmol)を用い
るPCR反応は、標準反応条件(PCRプトロコールズ、アカデミック・プレス
;ニュー・ヨーク、1990参照)を用いて30サイクル実施し、各サイクルは、9
4℃で0.5分、50℃で0.5分、および72℃で0.5分で構成した。これら
のPCR反応から、67、115、154、321、497、763および10
00bpのPCR生成物DNAフラグメントネスト化セットを得た。加えて、非ネ
スト化30bpフラグメントおよび138bpおよび508bpの2つの非関連PCR
生成物DNAフラグメントがラムダファージDNAから同時に生成した。そのP
CR生成物を一旦、それぞれ緩衝液平衡化フェノールおよびクロロホルムで抽出
し、エタノール沈殿させ、0.3pmol/μLの濃度で水に再懸濁させた。
メルトメーターを用いるDNAサイズ決定の準備にあたり、ストレプトアビジ
ン被覆化M−280ダイナビーズ(ノルウェイ、オスロ、ダイネル)50μgを
結合緩衝液(1MNaCl、10mMトリス−HCl、pH7.5、1mMEDTA)
中で3回洗浄した。
上記のようにして生成した各PCR生成物DNAフラグメント1.5pmolを室温
で30分間50μgダイナビーズと共にインキュベーションすることにより、結
合緩衝液50μL中ダイナビーズに結合させた。次いで、得られたダイナビーズ
結合DNAの懸濁液を結合緩衝液中で3回、メルトメーター緩衝液中で3回洗浄
した。本研究では2処方のメルトメーター緩衝液を用いた;NaCl緩衝液(50
mMNaCl、10mMトリス−HCl、pH7.5、1mMEDTA、0.1%(v:v
)トゥイーン20)およびTTEACl緩衝液(2.4MTEACl、5mMKH2P
O4、1mMEDTA)。
上記のようにして生成した10のPCR生成物DNAフラグメントそれぞれを
メルトメーターを用いて個々に一定の大きさにした。各DNAフラグメントに対
して2回の測定を行った:1回はNaCl緩衝液を用い、もう1回はTEACl緩
衝液を用いた。ビーズ結合DNAの充填中、メルトメーターを25℃に維持した
。充填中、緩衝液流は30μL/分に維持し、迂回させて浪費した。DNA結合
ビーズを適切なメルトメーター駆動用(ランニング)緩衝液で100μLに希釈
し、0.5μmのサイズ射出フリットを備えたメルトメーター加熱ブロックに直接
注入した。充填後、緩衝液流をメルトメーターに向け直し、加熱プロフィール開
始前に試料を少なくとも5分25℃で洗浄した。各DNAメルトメーターサイズ
測定は、温度を1℃/分で25℃から99.5℃に上げる温度プロフィールを用
いて実施した。画分を0.5℃間隔でワットマン3MM濾紙のストリップに直接
集めた。各画分における放射性DNAの量は、シンチレーション・カウンター(
ベックマン、モデルLS6000IC、カリフォルニア州マウンテンビュー)を
用いるチェレンコフカウンティングにより測定した。
これらのDNAフラグメントそれぞれについてメルトメーターを用いて測定し
たTmは、表III(Tm(2))に示す。更に、生成した各PCR生成物については、
理論的なTmを、方程式:
Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(%GC含量)−600/DNAフラグメント長
(サンブルック等、同上、p9.51参照)を用いて計算した。これらの計算結
果は、表III(Tm(1))に示す。これらのTmの比較、各場合のTm計算値は、メ
ルトメーターを用いたTm実験値よりも低いことを示している。
図3Aおよび3Bは、NaCl緩衝液(図3A)またはTEACl緩衝液(図3
B)を用いる特定のDNAフラグメント(497bp)に対するDNAメルトメー
ターTm測定の比較を示す。各測定では、高分離度Tmピークを観察したが、その
Tmは、TEACl緩衝液を用いて測定した場合26.2℃下がった。この結果は
、TEAClがメルトメーターに矛盾しないことを示す例である。
DNAフラグメントサイズ対Tmの比較を、本明細書に記載したDNAフラグ
メントについて図4に示す。図4に示した上部曲線は、NaCl緩衝液を用いて分
析したDNAフラグメントのネスト化セットを表す。この滑らかな曲線は、この
セットのネスト化フラグメントにおいてTmとDNAフラグメントサイズとの間
に高い相互関係があることを示すものである。これは、フラグメントがその5'
範囲で重要な同一性を共有する関連セットを形成することから、予想された通り
である。非ネスト化フラグメントがこの曲線に適合しないこともまた理解できる
。非ネスト化DNAフラグメントの偏りは、DNA配列および塩基組成の相異が
観察されたTmに影響を及ぼしていることを示唆するものである。
下の曲線は、TEACl緩衝液を用いて分析されたDNAフラグメントのネス
ト化セットを示す。この曲線におけるDNAフラグメントのTmsは、NaCl緩
衝液を用いて観察されるTm sより一定して低く、第3A図および第3B図におい
て示される結果と一致する。さらに、この実験において、非ネスト化フラグメン
トは今や、TEACl曲線上にあり、このイソスタビライザーの使用がDNA配
列および塩基組成効果を排除して、Tmを単にDNAの大きさに依存するものと
することを示す。
第4図において示される非ネスト化DNAフラグメントに関して予想されるD
NAフラグメントの大きさの、この比較をさらに、以下の表IVにおいて説明し、
表では、NaCl緩衝液およびTEACl緩衝液の条件下、メルトメーターを用い
て予想されるDNAフラグメントの大きさを比較する。この比較は、イソスタビ
ライザーの使用がDNAフラグメントの大きさの予想に関する精度をNaCl緩衝
液を用いて観察される50−73%からTEACl緩衝液を用いて81−93%
まで増加させ得ることを示す。これらの結果は、DNAメルトメーターを使用し
て、少なくとも30−500bpsの範囲にわたりDNAフラグメントの大きさを
正確に測ることができ、またイソスタビライザーTEAClの使用がメルトメー
ターを用いてのTmに対する塩基組成および配列特異的寄与を排除し得ることを
示す。
実施例5
DNAメルトメーターを用いてのDNAとオリゴヌクレオチドプローブとの
特異的ハイブリダイゼーションの検出
特異的オリゴヌクレオチドプローブとのDNAハイブリダイゼーションを実施
例2に記載したように行った。複合ハイブリダイゼーション(すなわち、多重プ
ローブとの同時ハイブリダイゼーション)を、4つの異なったオリゴヌクレオチ
ドを用いて115bpのPCR産物DNAフラグメントで行った。115bpのPC
R産物を、DNAの鋳型としてM13mp18 DNAおよび各々30pmolesの5'
ビオチン化(biotinylated)プライマーM6192F(センスプライマー;配列番
号3)並びに非修飾M6306R(アンチセンス;配列番号4)を用いて調製した
。PCRを本質的には実施例4に記載したように行った。PCR後、産生したD
NAフラグメントを緩衝液飽和フェノールおよびクロロホルムで各々1回抽出し
、エタノールで沈降させて、0.3pmol/μlの濃度で水に再び懸濁させた。スト
レプタバイジン(Streptavidine)50μgで被覆したM−280ダイナビーズ(D
yn
abeads)を結合緩衝液(1M NaCl、10mM トリス−HCl、pH 7.5、1mM
EDTA)中で3回洗浄することにより調製した後、結合緩衝液50μl中、そ
れらのビーズを室温で30分間インキュベートすることにより1.5pmolのPC
R産物DNAフラグメントに結合させた。その後、ビーズ−DNAコンジュゲー
トを結合緩衝液で3回洗浄して、それらのビーズを0.1N NaOH/0.1%(
v:v)トゥイーン(TWEEN)20の溶液で15分間3回洗浄することにより
、ビオチン化されていない鎖を溶出した。次いで、それらのビーズを再び結合緩
衝液で3回洗浄した。
各々のプライマーの5'末端にT4DNAキナーゼで触媒して32Pを加えるこ
とにより、放射能標識化プローブを調製した。20pmolの各々のプライマーおよ
び適当な量の緩衝塩およびT4 DNAキナーゼを含む反応混合物中、16.6pm
olのγ−32P標識化ATPを製造業者(New England Biolabs)により推薦され
るように使用した。プローブとして使用したオリゴヌクレオチドは、M6191
C(15mer;配列番号15)、M6306R(30mer;配列番号5)、M6258
R(23mer;配列番号4)およびM6258MM(23mer、単一の塩基対ミスマ
ッチを含む;配列番号16)であった。キナーゼ化(kinased)オリゴヌクレオチド
を(Pharmacia、Uppsala、Swedenから得られた)NAP−5カラムクロマトグ
ラフィーにより組み込まれていないヌクレオチドから精製した。回収されたキナ
ーゼ化オリゴヌクレオチドを乾燥して、0.2pmol/μlの濃度で水に再び懸濁さ
せた。この実施例で使用したプライマーおよびプローブのヌクレオチド配列を表
Vに示す。
ハイブリダイゼーション試験のためには、結合緩衝液50μl中、ビーズに結
合させた一本鎖のPCR産物DNA50μgを各々1pmolのキナーゼ化相補的オ
リゴヌクレオチドプローブの混合物と共に室温で30分間インキュベートした。
使用したプローブ混合物は以下の通りであった:第5A図において示される実験
では、プローブM6192C(15mer)、M6306R(23mer)およびM625
8R(30mer)を使用し;第5B図において示される実験では、プローブM61
92C(15mer)、M6306MM(ミスマッチ23mer)およびM6258R(3
0mer)を使用し;また第5C図において示される実験では、プローブM6192
C(15mer)、M6306R(23mer)、M6306MM(ミスマッチ23mer)お
よびM6258R(30mer)を使用した。ハイブリダイゼーション後、ビーズを
結合緩衝液中で3回、またメルトメーター緩衝液(50mM NaCl、10mM ト
リス−HCl、pH 7.5、1mM EDTA、0.1%(v:v)トゥイーン 20)
中で3回室温にて洗浄し、非特異的ハイブリダイゼーションを除去した。
3つの混合物を各々、メルトメーターを用いて別々に試験した。ビーズに結合
させたハイブリタイズしたDNAをロードする間、そのメルトメーターを25℃
で維持した。緩衝液流量を30μl/分に維持して、ロードする間、溶出液を廃
棄に向かせた。ビーズをメルトメーター緩衝液中で100μlに希釈して、0.5
μm
のサイズ排除フリット(frit)を備えたメルトメーターの加熱ブロックに直接注入
した。ロードした後、緩衝液の流れをメルトメーターに再び向けて、各々のハイ
ブリダイゼーションを測定する前に、試料を25℃で少なくとも5分間洗浄した
。1℃/分の割合で25℃から99.5℃まで増加するものとして特徴付けられ
る温度プロフィルを利用して、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプローブ
をDNA鋳型から溶出した。0.5℃画分をWhatman 3MM濾紙のストリップ上
に直接集めた。シンチレーションカウンター(Beckman Model LS6000I
C)を用いて、各々の画分における放射性DNAの量をチェレンコフ計数により
測定した。
これらの実験結果を第5A図〜第5D図に示す。第5A図〜第5C図は、異な
ったプローブが各々メルトメーターを用いて有効に検出され、また各々がDNA
鋳型から特性温度で溶出され、各々のプローブ配列が容易に区別されることを示
す。野生型プローブM6306RとミスマッチプローブM6306MMとの間で
見い出される区別が特に関連がある。これらの結果は、各々の複合ハイブリダイ
ゼーション(第5A図および第5B図)を比較する際、および両方のプローブが同
じ複合ハイブリダイゼーション(第5C図)に含まれる場合の両方において、23
−ヌクレオチド配列中、単一の位置で異なるこれらのプライマーの間での区別を
示す。第5D図は、第5A図〜第5C図において示されるメルトメーターピーク
に対応する画分のアクリルアミドゲル電気泳動分析を示す。
これらの結果は、DNAメルトメーターが、ビーズに結合させたDNA鋳型に
ハイブリダイズした15mer〜30merのプローブのハイブリダイゼーションを有
効に区別して、検出することができ、また単一塩基ミスマッチのレベルで区別す
ることができることを示す。
前述の開示が本発明の幾つかの特定態様を強調し、それらと同等の変更または
代替は全て、以下の特許請求の範囲に示す本発明の精神および範囲内であること
を理解すべきである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M
W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA,
US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.温度が設定される温度調節チャンバー、温度調節チャンバーの温度を調節 するための、温度調節チャンバーと熱的に接触している加熱および冷却手段、お よび核酸のサイズ決定、定量、プロービング、または配列決定を行うために、分 析すべき各核酸のTmにほぼ等しい温度で熱変性二本鎖DNAを検出するための 検出手段を組み合わせて含む核酸分析装置。 2.二本鎖DNAフラグメントの熱変性を検出することにより多様な(multipl icity)二本鎖DNAフラグメントから1つの二本鎖DNAフラグメントを検出す る方法であって、(a)該1つのDNAフラグメントの熱変性温度以下の温度で 、請求項1に記載の装置の温度調節チャンバー中に多様な二本鎖DNAフラグメ ントの溶液を入れ、(b)温度調節チャンバー中の温度を、直線的かつ厳重に、 少なくとも該1つのDNAフラグメントの熱変性温度である温度まで漸増させ、 (c)該1つのDNAフラグメントの熱変性温度である温度で熱変性させたDN Aフラグメントを検出することを含む方法。 3.検出手段が熱量計である請求項1に記載の装置。 4.検出手段が蛍光検出器である請求項1に記載の装置。 5.検出手段が紫外線分光光度計である請求項1に記載の装置。 6.DNAフラグメントの鎖の1本が検出可能なように標識されている請求項 2に記載の方法。 7.検出可能な標識が蛍光標識である請求項6に記載の方法。 8.DNAフラグメントの各々の鎖の1本が連結(tethering)分子で標識さ れている請求項2に記載の方法。 9.連結分子がビオチンまたはフェリチンである請求項8に記載の方法。 10.所望により温度調節チャンバーが連結分子で標識されたDNAフラグメ ントを保持する手段を含んでいる請求項1に記載の方法。 11.二本鎖DNAフラグメント保持手段がテフロン(登録商標)フィルター である請求項10に記載の方法。 12.DNAフラグメントの各々の鎖の1本がビオチンで標識され、ストレプ トアビジンコートビーズと結合するものである請求項2に記載の方法。 13.二本鎖DNAフラグメント保持手段が外部から適用された磁場である請 求項10に記載の装置。 14.多様なDNAフラグメントの各々の鎖の1本がフェリチンで標識されて いる請求項2に記載の方法。 15.温度調節チャンバーが所望により第1開口部と第2開口部を含み、これ ら開口部のそれぞれが緩衝溶液が温度調節チャンバーを通過するためのポンピン グ手段に接続されている請求項1に記載の装置。 16.多様なDNAフラグメントを含む溶液が所望によりイソスタビライジン グ化合物を含有する請求項2に記載の方法。 17.DNAフラグメントのサイズを決定する方法であって、 (a)DNAフラグメントの熱変性温度以下の温度で、請求項1に記載の装置の 温度調節チャンバー中にDNAフラグメントを含有する溶液を入れ、 (b)温度調節チャンバー中の温度を少なくとも該DNAフラグメントの熱変性 温度である温度まで漸増させ、 (c)該DNAフラグメントの熱変性温度を検出する工程を含む方法。 18.DNAフラグメントの鎖の1本が検出可能なように標識されている請求 項17に記載の方法。 19.検出可能な標識が蛍光標識である請求項18に記載の方法。 20.DNAフラグメントの鎖の1本が連結分子で標識されている請求項17 に記載の方法。 21.連結分子がビオチンまたはフェリチンである請求項20に記載の方法。 22.多様のDNAフラグメントを含む溶液が所望によりイソスタビライジン グ化合物を含有している請求項17に記載の方法。 23.多様なDNAフラグメントが検出可能なように標識された既知のサイズ のDNAフラグメントの標準化されたセットを含有している請求項17に記載の 方法。 24.多様なDNAフラグメントからDNAフラグメントを検出するための方 法であって、 (a)多様なDNAフラグメントの各々の1本鎖を連結分子で標識し、 (b)工程(a)のDNAフラグメントが保持手段によって保持されるように、 請求項8に記載の装置の温度調節チャンバー中に工程(a)の多様な標識DNA フラグメントの溶液を入れ、 (c)多様なDNAフラグメントを熱変性させるのに十分な温度に温度調節チャ ンバーの温度を上昇させ、 (d)ハイブリダイゼーションを生じさせるのに十分な温度で多様なDNAフラ グメント中のDNAフラグメントに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオ チドであるプローブを含有するハイブリダイゼーション溶液中で多様なDNAフ ラグメントをハイブリダイズさせ、 (e)温度調節チャンバーから過剰のハイブリダイズしていないプローブを洗浄 し、 (f)少なくとも、DNAフラグメントからハイブリダイズしたオリゴヌクレオ チドプローブを変性させる該プローブの熱変性温度である温度に温度調節チャン バーの温度を漸増し、 (g)DNAフラグメントからの該オリゴヌクレオチドプローブの熱変性を検出 する工程を含む方法。 25.DNAフラグメントの鎖の1本が検出可能なように標識されている請求 項24に記載の方法。 26.検出可能な標識が蛍光標識である請求項25に記載の方法。 27.多様なDNAフラグメントを含む溶液が所望によりイソスタビライジン グ化合物を含有するものである請求項24に記載の方法。 28.DNAフラグメント中のヌクレオチド配列を決定する方法であって、 (a)DNAフラグメントの1本鎖を連結分子で標識し、 (b)工程(a)の標識DNAフラグメントが保持手段によって保持されるよう に、請求項8に記載の装置の温度調節チャンバー中に工程(a)の該DNAフラ グメントの溶液を入れ、 (c)該DNAフラグメントを熱変性させるのに十分な温度に温度調節チャンバ ーの温度を上昇させ、 (d)ハイブリダイゼーションを生じさせるのに十分な温度で、DNAフラグメ ントのヌクレオチド配列中の部位でDNAフラグメントに特異的にハイブリダイ ズするオリゴヌクレオチドプローブを含有するハイブリダイゼーション溶液中で DNAフラグメントをハイブリダイズさせ、 (e)DNAフラグメントに対してジデオキシヌクレオチド配列決定反応を行い 、DNAフラグメントにハイブリダイズした伸長オリゴヌクレオチドのネスト化 (nested)セットを作製し、 (f)少なくとも、該DNAフラグメントからの伸長オリゴヌクレオチドのそれ ぞれを変性させるようにDNAフラグメントにハイブリダイズした伸長オリゴヌ クレオチドのそれぞれを熱変性温度である温度に温度調節チャンバーの温度を漸 増し、 (g)DNAフラグメントからの伸長オリゴヌクレオチドのそれぞれの熱変性を 検出する工程を含む方法。 29.種々の蛍光標識を用いて各々検出可能なように標識されているジデオキ シヌクレオチドを用いてジデオキシヌクレオチド配列決定反応が行われ、該装置 の検出手段が蛍光検出器である請求項28に記載の方法。 30.多様な伸長オリゴヌクレオチドを含む溶液が所望によりイソスタビライ ジング化合物を含むものである請求項28に記載の方法。
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