JPH09510271A - 片持ち梁の屋根構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 一体に結合される多数の屋根要素から成る片持ち梁の屋根構造。これ等の屋根要素は、上下へのほぼ波形の構造を形成する。屋根要素同士の結合個所は、中立線の領域にあることが提案される。このようにして、特に長い径間が、特別な手段なしに達成可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 片持ち梁の屋根構造 本発明は、請求の範囲第１項の序文による片持ち梁の屋根構造に関する。 この種の屋根構造は、互に所定の距離離れて横たわり両者間に発泡材料が配置 された外側と内側の２枚の金属板から成る屋根部分を記載する英国特許第１，２ ２５，１５２号によって周知である。これ等の屋根部分ないし要素は、相互に結 合される。この種の屋根構造は、支持壁、梁等によって長手方向に対して直角に 規則的な間隔で支持されることが述べられている。 この種の屋根要素の欠点は、かけられる自由長さが通常約６ｍ、最大８ｍであ ることである。これは、屋根要素を支持する壁または水平梁により、さらにこれ ら壁または梁が垂直な支柱によって支持されていることにより屋根構造の下の建 物の部分の自由床面が限られることを意味する。 これは、例えば開放間取りが大きな重要性をもつスポーツ ホール、ストアー およびビルにとっては問題である。 本発明の目的は、開放間取りを有する一層大きい支持無し保護領域が得られる ように、この構造を改良することである。この目的は、請求の範囲第１項記載の 特徴的構成によって上述の屋根構造の場合に達成される。 英国特許第１，２２５，１５２号による屋根要素によって径間（ｓｐａｎ）を 長くすると、屋根要素の外皮と内皮との間に配置される発泡材料では吸収できな い永久的な曲げ応力が生じることが判明した。発泡材料は、瞬間的な圧力しか吸 収できず、引張り力の結果として生じる力に対して剪断力またはその他の力が生 じるや否や、発泡材料は、役に立たなくなり、屋根要素は、潰れることが判明し た。さらに、発泡体は、強いクリープ傾向を示し、その結果、長時間の圧力負荷 に耐えることはできない。従って、英国特許による構造の場合には、発泡体は、 絶縁および充填の材料としてのみ使用される。内皮および外皮にフランジ付きの 端縁があることにより、外皮と内皮との間の距離が一定であることが常に保証さ れている。従って、外皮および内皮によって形成される「箱型構造」の強度は、 低減しない。 本発明にとっては、屋根要素が相互に棟（ｒｉｄｇｅ）と、溝（ｔｒｏｕｇｈ ）とが続くようにすることが肝要である。また、これは、英国特許第１，２２５ ，１５２号に開示されるが、この連続（ｓｅｑｕｅｎｃｅ）は、径間をより長く するのに必要な強度に寄与するようには思われない。その上、種々の要素間に補 強材および結合材が欠如しているということは、これが期待されないか、または 中間サポートが不可欠であることを意味する。 米国特許第３，７３２，１３８号は、平坦なパネル構造を開示している。平坦 な構造では、本発明によって達成可能な強度を得ることが全く不可能であり、従 って、より多くのサポートが常に不可欠である。屋根構造として使用する場合に は、米国特許第３，７３２，１３８号による屋根要素は、音の絶縁および密封用 の構造としてのみ使用可能であり、この構造は、更に別の構造で支持されなけれ ばならない。剛性および強度は、発泡体による上板への本体の間接結合によって 低減される。断面の厚さ全体にわたって発泡層が延びていないということは、本 発明による屋根要素によって達成可能な強度が得られないことを意味する。 本発明による構造により、少くとも１５ｍ、さらには３０ｍおよびそれ以上の 自由径間を達成することが可能である。サポートが不要であることにより、一方 では安価で、他方では広い範囲に使用可能な建物を達成することが可能となる。 屋根要素の結合部分および端縁部分は、一般に、金属または樹脂の材料で作られ る。結合部分には好ましくは種々の態様の絶縁が設けられており、サンドウィッ チ構造の外皮と内皮との間の直接の熱伝導をなくし、熱架橋（ｔｈｅｒｍａｌ ｂｒｉｄｇｅｓ）の危険が回避されるようになっている。装着後の相対的変位を 防止する装置を端縁部分に設けることは可能である。例えば、隣接する端縁部分 に、相互に補足しあう歯を設けてもよい。 内皮と外皮との間に導管装置を装着することが可能である。出入口、窓等の装 着のためにサンドウィッチ構造に開口部を設けることも可能である。更に、屋根 要素から懸吊されるべき物品のために、上述の結合部分に締め具を装着すること も可能である。別個の結合部分は、この目的のために装着されてもよい。 本発明の有利な実施態様によると、隣接する屋根要素の長手方向端縁には、こ れ等の要素を構造的に相互作用させる目的のための締付け装置を設けるような輪 郭になっている。これ等の締付け装置は、隣接する屋根要素の部分を相互に締付 けるように働く。その上、双方の屋根要素の接触線にほぼ平行な方向で締付け個 所において、隣接する屋根要素を相互作用させるように締付け装置が設計される ことが可能である。 実施例の広い範囲は、用語の「上下へのほぼ弓形の構造」によって理解されね ばならない。例えば、弓形部分の少くとも１つを台形に作ることが可能である。 台形（ｔｒａｐｅｚｉｕｍ）の形状と純粋な弓形の形状との間のその他の変形が 考えられる。 本発明は、図面に示された代表的な実施例を参照して下記に詳細に説明される 。 第１図は、本発明による屋根構造を形成するように組合わされた２枚の隣接す る屋根要素を横断面で示し、 第２図は、一要素の端縁部分の詳細を斜視図で示す。 屋根要素は、第１図で符号６で示されている。この好例の実施例では、これ等 は、実質的に同一であるが、同一でなければならないということではないことが 理解されなければならない。図示しない態様により、片持ち梁の屋根構造を一緒 に形成する屋根要素同士は、短い側部においてサポート（図示せず）上に設置さ れる。例として観念を与えるために述べると、各屋根要素は、約２．４０ｍの幅 と、約３２ｍの長さと約７５ｍｍ以上の総壁厚さとを有し、「波形」の高さは、 約１．４０ｍである。 各部屋要素は、外皮１と、内皮２とを備えている勿論、実質的に同一の要素が 使用されて、これ等が図示の実施例のように交代に逆に使用されれば、外皮およ び内皮が常に逆転し、結合部分５および絶縁体７も逆にして使用されなければな らない。 自由端に近くプラスチック端縁部分４内に進入する発泡層３は、外皮と内皮と の間に装着されている。プラスチック部分４に組合わされるこの発泡層は、内皮 と外皮との間に構造的結合を与え、外皮のしわないし潰れを防止し、スペーサー として作用し、所要の絶縁特性を構造に与える。結合部分５は、このようにして 作られたサンドウィッチ構造に十分な剛性を与えるために存在している。長手方 向で作用する結合部分の装着は、外皮１と、内皮２とが相対的に変形するのを防 止する。これ等の結合部分は、屋根構造の支持力に対して大変重要である。結合 部分を通した内皮と外皮との間の熱架橋を回避するために、絶縁体７は、結合部 分５の少くとも一方の側部に組込まれる。屋根要素同士は、端縁部分４によって 一体に結合される。 このことは、第２図に詳細に示されている。各端縁部分は、２つの隣接する屋 根要素を互に滑り込ましたとき、歯の長手方向軸線に対して直角の方向に動かな いような態様で装着され間隔を設けられた何枚かの歯９を有している。プラスチ ック製のストリップ１３は、熱架橋を回避するために組込まれている。端縁部分 ４の設計は、風および水に対する第１シールを与える。さらなるシールは、風お よび水分の浸入を出来るだけ防止するためにストリップ１３によって与えられる 。第１図の左部分では、締付け装置１２は、パネル同士を相互に向って押圧する ための一例として示されている。これ等の締付け装置は、端縁部分４の開口部１ ４に挿通される。２枚のパネルの間に作用する剪断力は、接触圧力と相互の摩擦 、および締付け装置と歯９による直接の力伝達によって吸収される。中立線は、 符号８によって示されており、２枚の隣接する屋根要素の間の結合は、正確に中 立線上の個所で行われている。 一方の側から挿入されて他方の側部において環境に接触することのない締付け 装置１２の代りに、結合個所における接触線に平行な方向において、即ち、図中 の締付け装置１２の方向に直角の方向において、隣接する屋根要素を相互に向っ て引張る締付け装置を装着してもよい。その上、接着または摺動または噛込みに よって、隣接する屋根要素を相互に固定することが考えられる。勿論、この中立 線から僅かに外れて横たわるように相互に締付けることは、可能であり、屋根構 造の全体の高さの３０％の上方および下方への偏差は、本発明の範囲内にある。 この個所における結合は、剪断力が必然的に殆吸収されることを保証する。 環境によって悪影響を受け得る屋根要素の総ての部分に保護被覆を設けること ができる。 導管１０を発泡層３内に装着してもよい。導管は、あらゆる方向へ延びてもよ く、多様な目的例えば水供給、エネルギ供給および通信等に好適である。その上 、 屋根要素に符号１４で示される開口部を作ることが可能である。この開口部は、 出入口、窓等に使用することができる。選択された構造は、この開口部を達成す るために付加的な補強を与えることが必要ではないことを意味する。 部品は、内側から結合部分５へ固定される。この目的のため、別個の部分を装 着することも可能である。発泡層の発泡体は、従来技術において周知の任意の発 泡体でもよく、一例として、外皮と内皮との間の空間に注入されるかまたは接着 によって空間に設置されたポリウレタン発泡体を含む。屋根要素に対する上述の 対称的な解決方法の代りに、異なる屋根要素を使用することは、全く可能である 。これは、例えば内皮および外皮に使用される材料にとって重要であるが、「溝 」が「棟」とは異なる形状であることも考えられる。これ等の部分の１つは、例 えば形状において台形でもよく、または台形と波形の中間の形状でもよい。 本発明による屋根構造により、中間の外部支持構造を装着する必要はなく、基 準および規制によって定められる総ての要件、例えば歩行、雪の圧力等に対する 安全を満足する強度および剛性が依然として達成されることが判明した。ここに は示されていないが、好適な端部部分が端面に装着されることは、言うまでもな い。 １つの好例の実施例だけを上述したが、多数の変更が可能であることが理解さ れなければならない。 例えば、波形構造の高さを著しく増大し、また、屋根要素の各々の働き長さを 増大することが可能である。これは、一層長い径間を可能にし、その限界は、製 造の場所と建築現場との間の輸送によって定められる。 これ等およびその他の変更は、添付請求の範囲内にある。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１２月２２日 【補正内容】 補正された請求の範囲 １． 波形構造の中立線（８）に近い長手方向端縁よって相互に直接に結合さ れた上側要素と、下側要素とから成る少くとも１つの波形構造を備え，該上側お よび下側要素の各々が、外皮（１）と、充填物（３）と、内皮（２）とから成る サンドウィッチ構造を有する屋根構造において，前記要素の各々には、前記内皮 と、前記外皮とを互いに結合する少くとも１つの補強結合部分（４、５）がその 結合個所とその上側、下側の夫々との間に設けられており，前記屋根要素が、端 部の近くでのみ支持され、１５ｍの最小長さを有することを特徴とする屋根構造 。 ２．請求の範囲第１項に記載の屋根構造において，全長に沿って前記長手方向 端縁に近く前記内皮と前記外皮との間を延びる熱伝導部分（４、５）には絶縁体 （７、９）が設けられている屋根構造。 ３．請求の範囲第１項または第２項に記載の屋根構造において，導管装置（１ ０）が、前記内皮と前記外皮との間にある屋根構造。 ４．請求の範囲第１項から第３項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する屋根要素の前記長手方向端縁には、これ等の要素を構造的に相 互作用させるための締付け装置が設けられている屋根構造。 ５．請求の範囲第４項に記載の屋根構造において，前記構造的な締付け装置は 、双方の屋根要素の接触線にほぼ平行な方向における締付け個所において隣接す る屋根要素同士を相互作用させるように設計されている屋根構造。 ６．請求の範囲第１項から第５項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する屋根要素の前記長手方向端縁（４）には、互いに作用しあう密 封装置（１１）が設けられている屋根構造。 ７．請求の範囲第１項から第６項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する要素の前記長手方向端縁には、該要素の長手方向における相対 的な変位を防止する相互作用装置（９）が設けられている屋根構造。 ８．請求の範囲第１項から第７項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，上下へのほぼ波形の構造の少くとも一部分が台形である屋根構造。 ９．請求の範囲第１項から第８項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，自由径間が、少くとも１５ｍである屋根構造。 10． 請求の範囲第１項から第９項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造 において，前記充填物が、プラスチック発泡材料を含む屋根構造。 11． 請求の範囲第１項から第１０項までのいづれか１つの項に記載の屋根構 造において，閉鎖可能な開口部（１４）を備える屋根構造。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ (72)発明者 ベンネンク，ヘンドリク ヴイレム オランダ国エヌエル − 1141 シーシー モンニケンダム，エルガー 13 (72)発明者 イスタ，ヨハニス オランダ国エヌエル − 3517 ビージョ イ ユトレヒト，ケルンカムプラントゾエ ン ４ (72)発明者 バン デル レイジ，ロベルト オランダ国エヌエル − 1121 ジーシー ランドスメール，ド ゴウヴェ 31

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．長手方向の端縁によって相互に直接的に結合され、上下へのほぼ波形の構 造を一緒に形成する少くとも２枚の屋根要素を備え，該屋根要素の結合個所が、 中立線（８）の領域内に横たわり，該要素の各々が、外皮（１）と、充填物（３ ）と内皮（２）とを備えたサンドウィッチ構造を有する屋根構造において，前記 内皮と、前記外皮とを相互に結合する補強結合部分（４、５）が装着され，前記 屋根要素が、端部の近くでのみ支持されていることを特徴とする屋根構造。 ２．請求の範囲第１項に記載の屋根構造において，全長に沿って前記長手方向 端縁に近く前記内皮と前記外皮との間を延びる熱伝導部分（４、５）には絶縁体 （７、９）が設けられている屋根構造。 ３．請求の範囲第１項または第２項に記載の屋根構造において，導管装置（１ ０）が、前記内皮と前記外皮との間にある屋根構造。 ４．請求の範囲第１項から第３項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する屋根要素の前記長手方向端縁には、これ等の要素を構造的に相 互作用させるための締付け装置が設けられている屋根構造。 ５．請求の範囲第４項に記載の屋根構造において，前記構造的な締付け装置は 、双方の屋根要素の接触線にほぼ平行な方向における締付け個所において隣接す る屋根要素同士を相互作用させるように設計されている屋根構造。 ６．請求の範囲第１項から第５項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する屋根要素の前記長手方向端縁（４）には、互いに作用しあう密 封装置（１１）が設けられている屋根構造。 ７．請求の範囲第１項から第６項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，隣接する要素の前記長手方向端縁には、該要素の長手方向における相対 的な変位を防止する相互作用装置（９）が設けられている屋根構造。 ８．請求の範囲第１項から第７項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，上下へのほぼ波形の構造の少くとも一部分が台形である屋根構造。 ９．請求の範囲第１項から第８項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造に おいて，自由径間が、少くとも１５ｍである屋根構造。 10． 請求の範囲第１項から第９項までのいづれか１つの項に記載の屋根構造 において，前記充填物が、プラスチック発泡材料を含む屋根構造。 11． 請求の範囲第１項から第１０項までのいづれか１つの項に記載の屋根構 造において，閉鎖可能な開口部（１４）を備える屋根構造。