JPH09509320A - ホエータンパク質を分離するための方法 - Google Patents

ホエータンパク質を分離するための方法

Info

Publication number
JPH09509320A
JPH09509320A JP7522158A JP52215895A JPH09509320A JP H09509320 A JPH09509320 A JP H09509320A JP 7522158 A JP7522158 A JP 7522158A JP 52215895 A JP52215895 A JP 52215895A JP H09509320 A JPH09509320 A JP H09509320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfite
whey
protein
concentrate
precipitation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7522158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3626498B2 (ja
Inventor
サボライネン,ジューコ
Original Assignee
サボライネン,ジューコ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サボライネン,ジューコ filed Critical サボライネン,ジューコ
Publication of JPH09509320A publication Critical patent/JPH09509320A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3626498B2 publication Critical patent/JP3626498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J1/00Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites
    • A23J1/20Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from milk, e.g. casein; from whey
    • A23J1/205Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from milk, e.g. casein; from whey from whey, e.g. lactalbumine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J3/00Working-up of proteins for foodstuffs
    • A23J3/04Animal proteins
    • A23J3/08Dairy proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ホエーまたはその濃縮物とスルフィットイオンを生成する試薬と酸化剤とを接触させ、ホエータンパク質を亜硫酸化し、かつ酸化し、ホエーまたはその濃縮物から亜硫酸化され、酸化されたホエータンパク質を酸性pHで析出し、生成混合物から亜硫酸化され、かつ酸化された析出ホエータンパク質を回収し、可能な場合には後処理を行う、ホエーからタンパク質を分離するための方法に関する。酸化剤として食品グレードのペルオキシド化合物を使用し、25〜55℃の範囲内の温度を使用する際は酸化化合物を亜硫酸化されたホエータンパク質と直接反応させることができ、触媒を用いることによって生じる欠点を解消できる。

Description

【発明の詳細な説明】 ホエータンパク質を分離するための方法 本発明は、a)ホエーまたはその濃縮物とスルフィットイオンを生成する試薬 と酸化剤とを接触させてスルホン酸塩を形成し、すなわち亜硫酸化及び酸化を行 ない、b)ホエーまたはその濃縮物から亜硫酸化され、酸化されたホエータンパ ク質を酸性pHで析出し、c)生成混合物から亜硫酸化され、かつ酸化された析 出ホエータンパク質を回収し、必要により後処理を行う、ホエーからタンパク質 を分離するための方法に関する。 ホエータンパク質は全体に栄養価、特にそのリジンおよびメチオニンの含有量 の点で他の食品タンパク質よりも優れている。ホエータンパク質を回収し、それ を人の食品に使用することによってチーズ製品のコストも低減される。人の食料 にホエータンパク質を使用することには潜在的な将来性があるが、これを使用す る主たる障害としては現在のところ、1)その回収プロセスのコストが高いこと および、2)濃縮物または分離物の作用上の性質すなわち可溶性、乳化性、ゲル 生成能力および発泡能力が低いことが挙げられる。 ホエータンパク質の分離は可溶性が高いことにより複雑であり、タンパク質が 本来の形態となっている間、pH2〜9の範囲内にpHを調節しても分離には影 響を与えることはできない。ホエータンパク質の分離は次の4 つの主な方法、1)変性および析出、2)限外濾過、3)イオン交換および4) 化学的変性および析出によって行われる。 ホエータンパク質の分離で最も一般に知られている方法は変性化方法、すなわ ちpHを酸性側に下げながら加熱する方法である。この分離方法は例えば次のよ うに経済的に行うことが可能である。すなわち乾燥物質含有量が約20%となる ようにホエーを濃縮し、pHを6.0〜7.0の範囲まで調節し、10〜30分 の間90℃よりも高い温度に維持することによりタンパク質を変性し、その後、 pHを4.4〜5.0まで低下することによりタンパク質を析出する。この結果 得られるタンパク質は最も重要な作用上の性質のほとんどすべてを失う。このよ うなタンパク質は主に種々のスプレッド、すなわちチーズの一部または全体と置 換するためのプロセスチーズとして使用される。Can Int.Food S ci.Technol.J.15(1982年)155〜160頁のヒル外によ る論文を参照のこと。 現在ではホエータンパク質は限外濾過または乾燥によりタンパク質濃縮物とし て、またはイオン交換吸着技術を使用し、乾燥によりタンパク質分離物として主 に分離されている。いずれの方法によっても機能的な形態にある分離されたタン パク質を得ることが可能である。優劣のないこれら製造方法のいずれを選択する かの決定的な要素は製品の機能性および製造コストにある。 タンパク質濃縮物の組成、機能性および官能的性質のばらつきは大きいので、 業界はこれらの方法を使用することを避けている。このようなばらつきはホエー の組成が異なること、および予処理および調整ならびに処理条件が異なることに 起因する。 上記の理由からタンパク質分離物にも種々の性質にばらつきがある。調整のた めのイオン交換吸着方法はばらつきをある程度均一にし、タンパク質濃縮物と組 成が異なる目的製品を生じる。 3種類のホエータンパク質分離物および8種類の濃縮物に関する、モールおよ びフェーゲディング共著刊行物、すなわちFood Technol.44(1 990年)100〜112頁に記載の物質の分析によれば、それらの組成は明ら かに異なっていることが判った。濃縮物および分離物の平均値はそれぞれ次のと おりであった。すなわちタンパク質濃縮物73.8%および91.0%、非タン パク質窒素3.10%および0.32%、水分5.13%および3.75%、灰 分4.27%および1.82%、ラクトース3.92%および0.57%、およ び脂肪5.00%および0.57%であった。 同じ刊行物によれば、分離物は明らかに脂肪およびタンパク質の量、およびタ ンパク質の可溶性、発泡能力および泡の安定性、およびタンパク質の不変性およ び粒状性、および食味および匂いの点で、濃縮物よりも高品質で明らかに機能的 であった。濃縮物はラクトースおよび ミネラル含有量が比較的高く、食味および匂いが悪いという理由から食品業界で 濃縮物の使用が制限される理由であった。 ホエータンパク質の分離物の良好な性質および利用性は製造プロセスに起因す るかなり高い価格により制限されている。 化学的反応によりタンパク質の構造を変えることにより、分子の電荷、その空 間的構造、よってその他の所定の性質、例えば可溶性、粘性、発泡性および部分 的には乳化性に影響を与えることが可能である。 タンパク質分子の構造を変えるための最も実際的で簡単な化学的方法は、酸化 亜硫酸化、すなわち亜硫酸化と酸化である。ここでスルフィットイオンを添加す ることにより酸化還元反応が開始すると、硫黄の結合、すなわちタンパク質のア ミノ酸鎖の間のジスルフィド結合が開く。この反応では1つの硫黄が酸化してス ルホン化し、他方の硫黄が還元されてスルホヒドリル基となる。 酸化要因も加えると遊離スルホヒドリル基が再び酸化されて、ジスルフィド結 合を生じ、この反応はスルホヒドリル基のすべてがスルホン化するか、反応の他 のある要因が制限されるまで続く。酸化亜硫酸化の原理は次の式で示される。 2RS-SR+2HSO3 -→ 2RS-SO3 -+2RSH 亜硫酸化 2RSH+酸化剤 → RS-SR+2H-酸化剤 酸化 .......................... RS−SR+2HSO3 -+酸化剤 → 2RS−SO3 -+2H-酸化剤 総合的反応 ここで、RS−SRは2つのアミノ酸鎖から成るタンパク質分子を示し、S− Sはアミノ酸鎖をリンクし、部分的にこれらアミノ酸鎖を所定の位置に固定した 状態に維持する2つのアミノ酸鎖の間のジスルフィド結合である。亜硫酸化時の pHから3〜5のpHにpHを下げることにより、溶液から変性されたタンパク 質分子を析出できる。 ケラ・N.K.D.外によるJ.Agr.Food Chem、37(1989年) 1203〜1210頁の刊行物では、ホエータンパク質の機能的性質、例えば可 溶性、粘性、発泡性および泡安定性に影響を与えると共に、ホエータンパク質分 離物の分子を変性するために酸化亜硫酸化を使用していた。これら性質に影響す る要因として、元のジスルフィド結合の総数に比例してジスルフィド結合が減少 することが挙げられている。ジスルフィド結合の数が減少するにつれて所定の性 質が改善されたり、または劣化した。例えばジスルフィド結合の25%が消滅し ても、可溶性は5%までに低下し、同時に可溶性の最小値とpH曲線は次のよう に変化した。すなわち%で表示されたジスルフィドの結合の喪失量とpHの大き さで の対応する可溶性の最小値は次のように示される。25%−pH4.75;50 %−pH4.38;75%−pH4.2および100%−pH4.0 変性反応において、タンパク質分離物の濃度は1.0%であり、スルフィット の濃度は0.1Mであり、尿素の濃度は4Mであり、pHは7.0であり、温度 は25℃であった。使用した酸化剤は溶液を通るように吹き付けた酸素であり、 使用した触媒は800mMの濃度まで溶解させたCuSO4であった。硫酸アン モニウムによる析出により、異なる程度に変性されたタンパク質分離物を分離し た。この硫酸アンモニウムは50%飽和状態となる量で溶液に加えた。タンパク 質の分離において、変化した可溶性の性質は利用しなかった。 ゴンザレス・J.M.、ダモダラン・D.によるFood Sci.、55(1 990年)第6号、1559〜1563頁の文献には、上記とほぼ同じ実験条件 で、すなわちpH7.0、スルフィット濃度0.1M、温度25℃、酸素を酸化 剤とし、本例ではガラスコラム内にパックされた固体ビーズ状をしたCuCO3 のようなCu++イオンを触媒とする条件で、約0.6%の含有量のタンパク質を 有する未処理のスイートホエーからタンパク質を分離するため、酸化亜硫酸化を 使用している。この亜硫酸化生成物を、ビーズで満たされた前記コラム内に循環 させることにより、この亜硫酸化生成物を酸化し、スルホン酸塩誘導体とした。 その後、遠心分離により液 体反応混合物からビーズ残留物を除いた、銅によりキレート化されたスルホン化 タンパク質をpH4.5で析出することにより機能的な形態で分離した。しかし ながら析出前はEDTA処理によりスルホン化されたホエータンパク質にキレー ト化した銅を除く必要があった。この場合、研究室規模の実施はめんどうで、か つ複雑であり、先の論文のように高価な装置および試薬を必要とした。酸素の可 溶性、従ってその濃度が低下するため、高温の加速効果を利用することはできな い。塩も溶液中の酸素濃度を低下する。 これまで長い間、多数の方法を利用することにより機能的な製品としてホエー タンパク質を経済的に分離しようとする試みがなされたが、上記システムは多く の理由から欠陥があった。 酸化亜硫酸化に基づく上記応用例は分離方法を提供することを目的とするもの でもないし、また所定の特性を改善する方法を提供せんとするものでもない。す なわちこれまで開示された方法は工業的な規模で利用するのが困難であるので、 実現できなかった。 本発明の目的は最大限経済的で、かつ簡単な、ホエータンパク質を分離するた めの方法を提供することにある。更に本発明は、最大限機能的な、すなわち乳化 でき、ゲル生成可能であり、発泡可能なタンパク質を製造するホエータンパク質 分離方法を提供せんとするものでもある。更に別の目的は、最大限健康的で魅力 的であり、人の食 料に適したホエータンパク質を調製する方法にある。 本発明はタンパク質の所望の組成を得る方法を提供することも目的とする。 これら目的は、請求項1の特徴項に記載の事項を主に特徴とするホエータンパ ク質を分離するための新規な方法により達成された。 従って、本発明ではホエータンパク質を亜硫酸化し、酸化し、析出する方法に おいて、実質的に触媒を使用することなく食品グレードの酸化化合物を使用し、 この酸化性化合物が直接亜硫酸化されたホエータンパク質と反応する25〜55 ℃の範囲内の温度を使用することが有利であることが認識された。よって、反応 を加速し、反応平衡状態を生成物側にシフトさせ、食品グレードの酸化剤を使用 できるようにする目的のためには、先の温度よりも高温の温度を使用することが 有利である。また、酸化剤として欠陥となり得る致命的な二次反応を生じること なく、使用条件で最適に機能する食品グレードの試薬を使用することが有利であ る。この点に関し、本発明は高温を使用せず、酸化剤に加えて反応混合物および 完成した目的製品の双方から除去しなければならない触媒も使用しなければなら ない、ゴンザレス外の上記方法とは、その利点が異なっている。 本発明に係わる方法で使用される初期物質はチーズ製品から得られたホエーま たはその濃縮物のいずれかである。工程a)の亜硫酸化および酸化で使用される 原材料 はホエータンパク質濃度が有利なことに約2〜7重量/容量%である場合のホエ ーと比較して4倍〜16倍の濃度となっているホエー濃縮物である。分離される タンパク質収量を改善し、プロセス中で必要な試薬の量を低減するため、除去さ れる水の量が最小で約75重量%となるようにホエーを濃縮することが好ましい 。 本発明ではホエーまたはその濃縮物のタンパク質はスルフィットイオンを生成 する試薬と反応させられる。使用するスルフィット生成試薬はスルフィットイオ ンを生成するものであれば、化学で公知となっている任意の試薬でよい。一実施 態様によればスルフィットイオンを生成する試薬としてスルフィット、水素スル フィットおよび/またはメタバイスルフィットがある。この場合、当該塩の陽イ オン成分は任意の塩の陽イオン、例えばアンモニウムまたは元素周期率表の1〜 4族のうちの金属、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属でよい。スルフ ィットを生成する試薬としてアルカリ金属スルフィットまたはアルカリ土類金属 スルフィット、水素スルフィットおよび/またはメタビスルフィット、最も好ま しくはナトリウムスルフィット、ナトリウム水素スルフィットおよび/またはナ トリウムメタビスルフィットを使用することが好ましい。本発明に係わる方法で 、ナトリウム水素スルフィットを使用した場合最良の結果が得られることを、我 々は発見した。 ホエータンパク質におけるジスルフィド結合の数に対 するスルフィットの量の比率を決定することにより、製造プロセスの亜硫酸化に おける目的製品機能的性質およびその他の性質に影響を与えることが可能である 。ホエータンパク質の亜硫酸化に必要なスルフィット量を計算する代表的な方法 は、本明細書において参考例として引用する上記ゴンザレス・J.M.およびダ モダラン・S.によるJ.Food Sci.、55(1990年)、1559 〜1563頁の刊行物に記載されている。一実施態様によれば、工程a)の亜硫 酸化におけるスルフィット生成試薬の濃度は亜硫酸化混合物におけるスルフィッ ト濃度が約0.02〜0.20M、好ましくは0.05〜0.10Mの範囲とな るような値となっている。 従って、この方法の工程a)ではホエーまたはその濃縮物のタンパク質をスル ホン化、すなわち亜硫酸化し、酸化する。使用する酸化剤は、本発明によれば食 品グレードの酸化化合物であり、温度はこの酸化化合物が亜硫酸化されたホエー タンパク質と瞬間的かつ直接反応する温度となっている。当技術分野では、例え ば食品およびその中間物の漂白、熟成および湿潤化から多数の食品グレードの酸 化剤が知られている。文献では、例えば種々の酵素、例えばアスペルジルス フ レイブス−オリゼ酵素、有機過酸化物、例えば過酸化アセトンおよび過酸化ベン ゾイル、無機過酸化物およびペルオキシ塩、例えば過酸化硫酸アンモニウム、過 酸化硫酸カリウムおよび過酸化カルシウム、無毒アゾ化合物、例えばアゾジカー ボ ンアミド(ADA)、塩化ニトロシル、Lシステイン、ハロジネート、例えば臭 素酸カリウム、臭素酸塩とヨウ素酸塩の混合物およびヨウ素酸カルシウムまたは ヨウ素酸カリウムが記載されている。食品グレードの酸化剤としてこれまでカル シウムステアロイル−2−ラクチレートのような化合物および塩素、純粋酸素お よびアスコルビン酸も使用されていた。本発明の工程a)における食品グレード の酸化化合物として、食品グレードの過酸化化合物および/またはハロジネート 、好ましくはそれぞれ過酸化カルシウムCaO2および/または臭素酸カリウム KBrO3を使用することが好ましい。食品グレードの酸化化合物の好ましい濃 度は約0.01・Oact〜0.15・Oact重量/容量%の範囲であり、ここでOact は化合物中の活性酸素の濃度を示す。 本発明に係わる方法を最適にするため、適当な反応温度、析出で使用すべきp HおよびpH調節で使用すべき酸および塩基のみならず、タンパク質ペーストま たは噴霧乾燥粉末となり得る製品に対し所望する性質を得るための適当な手順お よび方法を決定することも必要である。 好ましい1つの実施態様によれば、工程a)の亜硫酸化および酸化温度は約3 0〜50℃である。亜硫酸化および酸化が生じる好ましいpHは約5.0〜8. 5の範囲内にある。本発明の好ましい実施態様によれば、a1)ホエータンパク 質を亜硫酸化するようにスルフィットイオンを生成する試薬にホエーまたはその 濃縮物に接触さ せ、a2)工程a1)からの亜硫酸化したホエータンパク質を食品グレードの酸化 剤化合物と接触させ、亜硫酸化したホエータンパク質を酸化するように、2つの サブ工程で工程a)の亜硫酸化および酸化を実行する。この場合、サブ工程a1 )は約6.0〜7.5のpH、最も好ましくは6.5〜7.0のpHで実行する ことが好ましく、この場合、反応時間は約10〜50分であることが好ましい。 サブ工程a2)は約5.0〜7.0のPH、最も好ましくは約5.5〜6.5の pHで実行することが好ましく、この場合、反応時間は約15〜60分であるこ とが好ましい。工程a1)およびa2)では同じ温度、すなわち上記工程a)の温 度を使用することが好ましい。 上記要因により、目的製品の機能的性質およびその他の性質のみならず、析出 したタンパク質収量およびホエー中に存在する異なるタンパク質、析出物および 濾液におけるβ−ラクトグロブリン、α−ラクタルブミンおよびボビン血清アル ブミン(BSA)の比率に影響を与えることが可能である。 本発明に係わる方法では、まずホエーまたはその濃縮物を亜硫酸化し、酸化し 、その後、この亜硫酸化し、酸化したホエータンパク質を酸性pHでホエーまた はその濃縮物の反応混合物から析出する。析出工程b)は約2.5〜6.5のp H値、最も好ましくは3.0〜5.0のpH値を使用することにより実行するこ とが好ましい。 この場合、亜硫酸化され、酸化されたホエータンパク質が析出し、pHは明らか に酸性側にあり、温度は十分高く、好ましくは25〜55℃の範囲内にあること が好ましく、最も好ましくは30〜50℃の範囲内にあり、二酸化硫黄の状態を した、亜硫酸化および酸化で生じたスルホン基の除去が付加的に行われ、この二 酸化硫黄は亜硫酸化で再使用するため受け入れコンテナへ向けられる。従って、 亜硫酸化の二酸化硫黄が回収され、プロセスは環境に負担を与えない。 本方法の析出工程b)では、析出のためにpH値を上記pH値に低速で調節す ることが好ましい。特に工程a)の亜硫酸化および酸化から工程b)の析出へ変 更する際にpHの調節を10〜40分の間で行うことが特に好ましい。一般に、 工程b)のpHの調節後混合物の攪拌を行うが、この攪拌は10〜60分の間行 うことが好ましい。 分離プロセスにおいて、スルホン化および析出工程b)において連続処理を行 う場合、遅延が生じる傾向がある。いわゆる代替処理を利用することにより容易 に加速を行うことができる。この場合、一方の反応器でスルホン化および析出を 行う間、他方の反応器を空にし、再充填できる。 本発明に係わる方法では、食品グレードの酸化試薬を使用することにより酸化 亜硫酸化を行い、これにより生じる反応を化学的量および外的条件、例えばpH 、温度 および反応時間により調節でき、目的製品が食味、栄養的質、機能性およびタン パク質の組成に関して所望するタイプのものにできる。 析出工程b)の次には最終工程c)を実行する。この最終工程では亜硫酸化さ れ、酸化され析出したホエータンパク質を生成混合物から回収し、可能な場合に は後処理を行う。一実施態様によれば、工程b)で析出した亜硫酸化され酸化さ れたホエータンパク質を、工程c)において好ましくは限外濾過により濃縮し洗 浄する。遠心分離または例えばバンド状またはドラム状をしたフィルタにおける 濾過により、工程c)の析出濃縮物から水を除くことによって分離を続行できる 。この場合、利用可能なタンパク質ペーストが結果として生じる。このタンパク 質ペーストは好ましくはNaOHまたはNaOH、Ca(OH)2およびKOH の混合物である塩基または塩基混合物によりpHを6〜8の値まで上げることに よって、製品として利用できるものにできる。この場合、Ca(OH)2の量は 元のCaの量と最小限置換するような値であることが好ましい。 工程c)の析出濃縮物を粉末製品に噴霧乾燥するように実行するよう、析出濃 縮物を更に処理することも実行できる。この場合、析出濃縮物のpHは塩基また は塩基混合物により予め6〜8の値に調節することが好ましく、塩基または塩基 混合物はペーストのpHの前記調節に用いたものと同じであることが好ましい。 本発明の一実施態様によれば、ホエータンパク質の分離は次の順序で行われる 。すなわち、限外濾過によるホエーの濃縮、亜硫酸化および酸化による濃縮物中 のタンパク質の構造の変性、pHを下げることによる析出、限外濾過による析出 したタンパク質の濃縮および洗浄、遠心分離または濾過または噴霧乾燥による分 離および析出しないタンパク質の濃縮および洗浄、およびそれらの噴霧乾燥によ る分離の順で行われる。 ホエーの濃縮は限外濾過により開始され、ホエーからカゼイン粒子を除去し、 バクテリアおよびフォスフォリポタンパク質の量を低下する。マイクロ濾過の結 果、限外濾過が容易となる。 9000〜40000D膜を使用することにより、マイクロ濾過から得られた 濾液を限外濾過し、約0.6%の原材料からタンパク質成分を4〜16倍に濃縮 する。この値は2〜7%のタンパク質比率に対応する。濃縮物における好ましい タンパク質濃度は原材料の8倍、すなわち約4%である。この場合、濃縮物の乾 燥重量は11〜12%であり、これはタンパク質の他のラクトースに主に起因す る値である。 ホエー濃縮タンパク質の構造の変性は亜硫酸化および酸化により実行される。 ここで、ジスルフィド結合のスルホヒドリル基および遊離スルホヒドリル基が定 量的に所望のレベルとなるようにスルホン化される。この実施態様では次のよう にホエータンパク質の亜硫酸化および 酸化が実現される。 反応器内に、例えば4%のタンパク質濃度を有する必要な量のホエー濃縮物を 入れる。その反応器は有効な攪拌手段のみならず、温度およびpHの測定および 制御手段を有する。 濃縮物の温度を、30〜50℃、例えば35〜45℃に調節する。温度の選択 は、例えば所望する反応速度、使用する試薬および分離すべきタンパク質に求め る機能的性質およびその他の性質に応じて決める。一定温度のホエー濃縮物に対 し0.02〜0.2M、例えば0.05〜0.1Mの量のスルフィット、例えばNa HSO3、Na225またはNa2SO3を加え、この混合物を有効に攪拌する。 スルフィットの添加量は例えばタンパク質濃度および所望する亜硫酸化の度合い に応じて決める。 pHを6.0〜7.0、例えば6.5の範囲に調節する。pHの調節のために 食品グレードの酸および塩基、例えばHClおよびNaOHを使用する。スルフ ィットがタンパク質に作用する間の反応時間は10〜50分、好ましくは20〜 40分である。この時間は所望する反応平衡状態を得るよう、上記要因の相乗効 果によって決定される。 その後、反応器内に酸化剤を添加する。使用できる酸化剤は食品グレードの酸 化薬品であり、その活性度はタンパク質を有効に分離でき、タンパク質が所望す る性質を有し、所望する組成となるように、当該条件下で制御 できる。使用可能な試薬として臭素酸塩、例えばKBrO3(活性酸素量28. 6%)および過酸化剤、例えばCaO2(活性酸素量22.2%)がある。酸化 物の量は酸化すべきスルホヒドリル基の量および酸化物内の活性酸素量によって 決定され、例えばCaO2の量は2〜7%のタンパク質成分を有するホエー濃縮 物中の混合物の容積の0.1〜1.0%、好ましくは0.2〜0.6%(重量/ 容積%)である。 ホエー濃縮物のpHを5.0〜7.0、例えば5.5〜6.5に調節する。こ のpHの選択はどれだけ速い酸化反応を望むか、かつ目的製品の性質にどのよう な影響を与えたいかによって決まる。反応温度は亜硫酸化の際の温度と同じでも よいし、また反応速度を制御するように上記値の範囲内で変えてもよい。 反応時間は15〜60分、好ましくは30〜45分でよい。この時間の間、濃 縮物を有効に攪拌する。時間の長さを利用して反応完了度、タンパク質の活性度 、歩留まり、組成および性質と共に影響を与えることができる。 酸化亜硫酸化の重要な変数のすべて、すなわち種々の工程で使用されるホエー 濃縮物のタンパク質含有量、スルフィット量、反応混合物のpH値および使用温 度、種々の工程で利用される酸化化合物の性質および量ならびに反応時間を利用 して分離プロセスの種々の部分反応の実現および全プロセスの最終結果、すなわ ち分離されるタンパク質の量、組成および所望する性質に全体として 影響を与えることができる。 所望する変性の後にpHをゆっくりと3.5〜5.0、好ましくは4.0〜4 .5に低下するまでタンパク質を析出する。析出時のpHは、例えば酸化亜硫酸 化の程度、すなわちどれだけの割合の現在のジスルフィドの結合および遊離スル ホヒドリル基がスルホン化されたかに応じて決まる。析出のための時間は10〜 60分、例えば20〜40分である。析出したタンパク質の濃縮および洗浄はマ イクロ濾過およびバンドまたはドラム状をしたフィルタ内の濾過による分離、ま たは遠心分離によって実行され、この場合、得られる生成物はタンパク質ペース トとなる。 濃縮に関連した洗浄は重要である。その理由は、濃縮物中に存在するラクトー スおよび同時に洗浄を行わない場合、タンパク質の調製で残る析出物内に生じる 余分な添加薬品および塩を除去することができるからである。 適当な比率でNaOHおよびCa(OH)2またはNaOH、KOHおよびC a(OH)2を添加することによりpHを6〜8に上げることによりペーストか ら目的製品を調製する。分離されたホエータンパク質にカルシウムを添加するこ とにより、元のカルシウムバランスが回復され、元のゲル化性質を改善できる。 噴霧乾燥によっても析出濃縮物を乾燥できる。この場合、製品は乾燥粉末となる 。乾燥前に、上記塩基を使用することにより、洗浄した析出物のpHを6〜8ま で上げなければならな い。このようにすることにより、乾燥生成物に同じ性質が与えられる。析出した タンパク質の濃縮にあたり、マイクロ濾過により生じた濾液を限外濾過により濃 縮し、洗浄する。上記塩基を利用することにより、洗浄した濃縮物のpHを6〜 8までの値に調節し、噴霧乾燥機により粉末となるように乾燥する。 次の実施例は、これまで述べた発明を説明するものである。 実施例1. エダムチーズの製造で生じた、分離された新鮮なプリホエー、すなわちタンパ ク質含有量が0.60%(タンパク質の窒素×6.38)および総窒素量に換算 したタンパク質含有量(他の窒素化合物も含む)が0.80%のホエーをミリポ アペリコンラボラトリー社の装置で0.45μのフィルター膜を使用してマイク ロ濾過した。濾液の一部が4倍に濃縮され、他の部分が8倍に濃縮され、すなわ ち濃縮物の最終容積がそれぞれの初期容積の25%および12.5%となるよう に、10000Dの限外濾過膜を用いて同じ装置における限外濾過によってマイ クロ濾液を濃縮した。それぞれのタンパク質含有量は2.06重量/容積%およ び4.01重量/容積%であった。分離するため、2リットルのガラス容器内に 1.0リットルの4倍のホエー濃縮物を入れ、これを温度制御可能な水浴中に維 持し、その成分を有効な攪拌機を用いて混合した。濃縮物の温度を35℃に調節 した。亜硫酸化を 開始するため濃縮物に5.2gのNaHSO3を添加し、NaOHを加えること によりpHを6.5に調節した。混合物を攪拌し、30分間反応物を放置した。 その後、混合物に1.0gのKBrO3を添加した。pHを6.5に維持した。 酸化反応は15分間かかった。その後、混合物にHClを添加することによりp Hを4.40に下げることによりタンパク質を析出した。更に30分間析出物を 攪拌した。 30分間10000rpmでソルバールRC−5Bの遠心分離機内の遠心分離 により析出物を分離した。析出したタンパク質は良好に分離された。蒸留水内で の懸架および再遠心分離によりタンパク質を洗浄した。タンパク質ペーストは容 易に剥離自在であり、複数の小片となるように分離できた。これをカバーつきの ガラス容器内に保管し、凍結した。遠心分離により決まるタンパク質収量はホエ ー濃縮物の3.0g/100mlであった。タンパク質の収量は30分間100 00rpmで50mlの遠心分離チューブ内で20mlの析出物+10mlの蒸 留水を遠心分離することにより決定した。遠心分離を上澄み液を外に注ぎ、チュ ーブを約15分間、水吸収ベース上に反対向きに維持し、解放された水を抜き、 その後、5〜10分の間に重量を測定した。パラレル測定の結果は互いに近似し ていた。こうして得られた結果はタンパク質評価と良好に相関化していたが、結 合水の量だけこれらタンパク質評価よりも高かった。測定はかな り高速であり、実行が容易であったので、収量の測定に使用した。 実施例2. タンパク質含有量が4.01%の先の実施例に述べた1リットルの8倍ホエー 濃縮物を45℃に加熱し、有効に攪拌した。これに10.40gのNaHSO3 を添加した。pHを6.5に調節した。亜硫酸化の反応時間は30分であった。 その後、この混合物に2.0gのKBrO3を添加した。pHを6.5に維持し た。酸化の反応時間は15分であった。反応時間の収量時にHClによりpHを 4.45に下げることによりタンパク質を析出した。析出を完了するよう、更に 30分間混合物を攪拌した。 実施例1と同じように遠心分離によりタンパク質を分離し、洗浄した。タンパ ク質は容易に剥離可能であり、複数の小片となるように分離することは容易であ った。後に使用するため、カバー付きのガラス容器内で分離したタンパク質ペー ストを凍結した。遠心分離により測定されたタンパク質収量はホエー濃縮物の8 .0g/100mlであった。 実施例3. 実施例1に記載のように、エダムチーズの製造で生じ、分離され、4倍に濃縮 され、1.92%のタンパク質含有量を有する1.0リットルのプリホエーを取 り出し、有効に攪拌しながら35℃まで加熱した。濃縮物に5. 2kgのNaHSO3を添加した。pHを6.5に調節し、この値に維持した。 反応時間は30分であった。亜硫酸化反応後、混合物に2.2gのCaCO2( 1xper 60C、ペロキシドケミーGmbH、ドイツ;活性酸素量約13. 3%の量)を添加した。pHを6.5に維持した。酸化時間は15分であり、こ の間混合物を有効に攪拌した。酸化後、HClによりpHを4.45に下げるこ とによりタンパク質を析出した。更に15分間、攪拌を続けた。タンパク質を分 離し、洗浄し、実施例1のように保管した。分離されたタンパク質ペーストは軟 質であり、脆弱であり、容易にスプレッドできなかった。遠心分離によって測定 されたタンパク質収量はホエー濃縮物の1.75g/100mlであった。 実施例4. 実施例3で調製したホエー濃縮物から1.0リットルの8倍濃縮物を取り出し た。この濃縮物のタンパク質含有量も4.01%であった。濃縮物を4.5℃ま で加熱し、有効に攪拌し、これに10.40gのNaHSO3を添加した。pH を6.5に調節し、この値に維持した。反応時間は30分であり、その後、混合 物に4.3gのCaCO2(1xper 60 C、ペロキシドケミーGmbH ;ドイツ)を添加した。pHを6.5に維持し、酸化時間を15分とした。酸化 後、HClによりpHを4.45まで下げることによりタンパク質を析出した。 更に15分間攪拌を続け、タンパク質を分離し、洗浄し、 実施例1のように保管した。タンパク質ペーストはかなり軟質で脆弱であり、ス プレッドできなかった。遠心分離法により測定されたタンパク質収量はホエー濃 縮物の8.85g/100mlであった。このタンパク質ペーストから2つの約 10gのサンプルを取り出し、サンプルの一方に0.4mlの1.0NのNaO Hを加え、十分に混合することによりこのサンプルのpHを約6.5までに増し 、他方のサンプルに0.25mlの1.0NのNaOHおよび0.15mlの飽 和Ca(OH)2を添加した。pHを上げた後の第1サンプルは軟質でスプレッ ド可能であり、かたまりとならず、粘着性でなかった。第2サンプルは第1サン プルよりも多少固いが、スプレッド可能であり、かたまりとならず、粘着性でな かった。 実施例5. エダムチーズの製造の際に生成され、タンパク質含有量が0.59%の分離さ れたフレッシュなプリホエーを、実施例1と同じ装置および手順により8倍およ び6倍となるようにマイクロ濾過および限外濾過した。それぞれのタンパク質含 有量は3.92%および7.00%であった。タンパク質含有量が3.92%の 1リットルの8倍に濃縮されたホエー濃縮物を45℃に加熱し、連続的に攪拌し た。 これに9.50gのNa225を添加し、NaOHによりpHを6.5に調 節した。亜硫酸化反応時間は 15分であった。その後、この混合物に4.30gのCaO2を添加し、pHを 5.5に調節し、酸化反応時間を30分とした。酸化後、HClによりpHを4 .0まで低下し、タンパク質を析出した。析出物を更に15分間攪拌した。ホエ ーを処理し、約2倍に濃縮した場合と同じミリポアラボラトリ社の装置で0.4 5μの膜を使用し、析出物をマイクロ濾過した。濾過は急速であり、濾液は透明 であった。このことは、析出したタンパク質が濾過膜を通過しなかったことを示 している。濃縮物を同じ容積の蒸留水で2回洗浄し、濃縮物のpHを6.5まで 上げた。濃縮物中の乾燥物質含有量および灰分は意図していたように元の量の約 30%であった。濃縮物をフリーズ乾燥し、後に使用するため冷凍庫に保管した 。析出および分離後にホエータンパク質の比率が維持されているかを判断するた め、HPLCを用いて濾液に対する評価を行った。遠心分離法によって測定され たタンパク質収量はホエー濃縮物の9.3g/100mlであった。 実施例6. 先の実施例に記載され、3.93%のタンパク質含有量を有する1.0リット ルの8倍に濃縮されたホエー濃縮物を45℃に加熱し、連続的に攪拌した。これ に9.5gのNa225を添加し、NaOHによりpHを6.5に調節した。 亜硫酸化を15分間続けた。その後、混合物に酸化剤として2.2gのCaO2 を添加し、p Hを5.5に調節した。反応時間は30分であった。HClによりpHを4.0 に下げることによりタンパク質を析出した。混合物を更に15分間攪拌し、マイ クロ濾過により析出物を2倍に濃縮し、先の実施例と同じように同じ容積の蒸留 水で2回洗浄した。析出濃縮物のpHは6.6に上昇した。その乾燥物質含有量 は元の値から約31%まで低下した。析出濃縮物をフリーズ乾燥し、冷凍庫に保 管した。上記実施例で使用したホエー濃縮物の調製と同じように、ミリポアラボ ラトリー社の装置で10000D膜を使用した限外濾過によりマイクロ濾過から の濾液を約2倍に濃縮した。濾液濃縮物を同じ容積の蒸留水で2回洗浄し、その 後、pHを6.4に上げた。濃縮物の乾燥物質含有量は元の値の約31%まで低 下した。濃縮物を保管のためフリーズ乾燥した。処理および析出後のホエータン パク質の比率が保存されているかどうかを判断するため、析出物のマイクロ濾液 に対しHPLCによる評価を行った。これら結果と先の実施例の結果とを比較す ると、異なる処理の結果としてタンパク質の比率が異なっていることが判った。 タンパク質収量に影響を与え、更に析出物および濾液内のタンパク質の比率にも 影響を与えるのに、処理を変えることができる。遠心分離法によって設定された タンパク質収量はホエー濃縮物の8.1g/100mlであった。 実施例7. 実施例5に記載された7.0%のタンパク質含有量を 有する1.0リットルの16倍に濃縮されたホエー濃縮物を攪拌しながら45℃ に加熱した。これに12.6gのNa2SO3を添加し、pHを6.5に調節した 。亜硫酸化の反応時間を15分とした。その後、混合物に4.3gのCaO2を 添加し、pHを6.0に調節した。酸化時間は30分であり、pHを4.0まで 低下することによりタンパク質を析出した。更に15分間攪拌を続行し、析出を 完了させた。図1のように遠心分離によりタンパク質を分離し、洗浄した。後に 使用するため、分離したタンパク質ペーストをカバー付きガラス容器内で凍結し た。遠心分離法により測定されたタンパク質収量はホエー濃縮物の12.0g/ 100mlであった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)ホエーまたはその濃縮物とスルフィットイオンを生成する試薬と酸化 剤とを接触させてスルホン化酸塩を形成し、すなわち亜硫酸化及び酸化を行ない 、 b)ホエーまたはその濃縮物から亜硫酸化され、酸化されたホエータンパ ク質を酸性pHで析出し、 c)生成混合物から亜硫酸化され、かつ酸化された析出ホエータンパク質 を回収し、必要により後処理を行う、ホエーからタンパク質を分離するための方 法において、 工程a)で使用する酸化剤が実質的に触媒を有しない食品グレードの酸化化合 物であり、使用温度が25〜55℃の範囲内の温度であり、この範囲内において 酸化化合物が亜硫酸化されたホエータンパク質と直接反応することを特徴とする 、ホエーからタンパク質を分離するための方法。 2.工程a)で使用するホエー濃縮物はホエーと比較して4〜16倍、好まし くは約8倍の濃縮率を有し、この場合、そのホエータンパク質含有量は好ましく は約2〜7重量/容積%、より好ましくは4重量/容積%であることを特徴とす る、請求項1記載の方法。 3.工程a)で使用するスルフィットイオン生成試薬 がアルカリ金属スルフィットまたはアルカリ土類金属スルフィット、水素スルフ ィット、および/またはメタビスルフィット、好ましくはナトリウムスルフィッ ト、ナトリウム水素スルフィットおよび/またはナトリウムメタビスルフィット 、最も好ましくはナトリウム水素スルフィットであることを特徴とする、請求項 1または2記載の方法。 4.工程a)において、亜硫酸化混合物中のスルフィットの濃度が約0.02 〜0.20M、好ましくは0.05〜0.1Mの範囲内に入るよう、スルフィッ トイオン生成試薬の濃度となっていることを特徴とする、請求項1、2または3 記載の方法。 5.工程a)で使用する食品グレードの酸化化合物が食品グレードのペルオキ シド化合物および/またはハロゲン化物、好ましくはそれぞれ過酸化カルシウム CaO2および/または臭素酸カリウムKBrO3であることを特徴とする、上記 請求項のいずれかに記載の方法。 6.工程a)において、食品グレードの酸化化合物の含有量が約0.01・Oact 〜0.15・Oact重量/容積%(ここでOactは化合物中の活性酸素量を表 示する)であることを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。 7.約5.0〜8.5のpHで工程a)を実行することを特徴とする、上記請 求項のいずれかに記載の方法。 8.約30〜50℃の温度で工程a)を実行することを特徴とする、上記請求 項のいずれかに記載の方法。 9. a1)ホエータンパク質を亜硫酸化するようにホエーまたはその濃縮物 をスルフィットイオン生成試薬に接触させ、 a2)亜硫酸化されたホエータンパク質を酸化するように工程a1)の亜 硫酸化されたホエータンパク質を食品グレードの酸化化合物に接触させるよう2 つのサブ工程で工程a)を実行することを特徴とする、上記請求項のいずれかに 記載の方法。 10.約6.0〜7.5のpH、好ましくは6.5〜7.0のpHでサブ工程 a1)を実行することを特徴とする、請求項9記載の方法。 11.サブ工程a1)の亜硫酸化を約10〜50分で実行することを特徴とす る、請求項9または10記載の方法。 12.約5.0〜7.0のpH、好ましくは5.5〜 6.5のpHでサブ工程a2)を実行することを特徴とする、請求項9〜11の いずれかに記載の方法。 13.サブ工程a2)の酸化を約15〜60分で実行することを特徴とする、 請求項9〜12のいずれかに記載の方法。 14.サブ工程a1)およびa2)において、ほぼ同じ温度、すなわち工程a) の温度を使用することを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。 15.約2.5〜6.5のpH値、好ましくは3.0〜5.0のpH値を使用 することにより、亜硫酸化され酸化されたホエータンパク質を工程b)において 析出することを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。 16.工程b)において、25〜55℃の温度、好ましくは30〜50℃の温 度で析出を実行することを特徴とする、請求項15記載の方法。 17.工程b)において、pH値を前記析出pH値にゆっくりと調節すること を特徴とする、請求項15または16記載の方法。 18.工程a)の亜硫酸化および酸化から工程b)の析出までの変更時のpH 値の調節を10〜40分以内に行うことを特徴とする、請求項15、16または 17記載の方法。 19.工程b)のpH調節の後に混合物の攪拌を実行し、この攪拌は好ましく は約10〜60分続けることを特徴とする、請求項15〜18のいずれかに記載 の方法。 20.少なくとも2つの容器内で交互に工程b)の析出を実行し、好ましくは 一方の反応器を空にし、再充填しながら、他方の反応器で亜硫酸化、酸化および 析出を実行するように前記少なくとも2つの反応器内で交互に工程a)の亜硫酸 化および酸化と工程b)の析出とを実行することを特徴とする、上記請求項のい ずれかに記載の方法。 21.工程b)において析出した、亜硫酸化され、酸化されたホエータンパク 質を工程c)において、好ましくはマイクロ濾過により濃縮し、洗浄することを 特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。 22.工程c)のマイクロ濾過の濾液のタンパク質を限外濾過により濃縮し、 洗浄し、噴霧乾燥により分離することを特徴とする、請求項21記載の方法。 23.工程c)において、遠心分離法または好ましくはバンド状またはドラム 状フィルターにおける濾過により析出濃縮物から水を除去し、この結果、タンパ ク質ペーストを得ることを特徴とする、請求項21または22記載の方法。 24.それぞれ好ましくはNaOHまたはNaOHとCa(OH)2とKOH との混合物である塩基または塩基混合物により、工程c)においてタンパク質ペ ーストのpHを6〜8の値に上げ、この場合、Ca(OH)2の量は少なくとも 元のCaの量と置換するような大きさであることが好ましいことを特徴とする、 請求項23記載の方法。 25.工程c)において、噴霧乾燥により析出濃縮物を乾燥し、好ましくは請 求項24と同じ塩基または塩基化合物により、乾燥前の析出濃縮物のpHが6〜 8の値に調節されていることが好ましいことを特徴とする、請求項21記載の方 法。
JP52215895A 1994-02-23 1995-02-22 ホエータンパク質を分離するための方法 Expired - Fee Related JP3626498B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FI940846 1994-02-23
FI940846A FI96266C (fi) 1994-02-23 1994-02-23 Menetelmä heraproteiinien eristämiseksi
PCT/FI1995/000091 WO1995022907A1 (en) 1994-02-23 1995-02-22 Method for isolating of wheyproteins

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09509320A true JPH09509320A (ja) 1997-09-22
JP3626498B2 JP3626498B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=8540182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52215895A Expired - Fee Related JP3626498B2 (ja) 1994-02-23 1995-02-22 ホエータンパク質を分離するための方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US5834042A (ja)
EP (1) EP0796047B1 (ja)
JP (1) JP3626498B2 (ja)
AU (1) AU681250B2 (ja)
DE (1) DE69523170T2 (ja)
DK (1) DK0796047T3 (ja)
ES (1) ES2165415T3 (ja)
FI (1) FI96266C (ja)
NZ (1) NZ279847A (ja)
WO (1) WO1995022907A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Meiji Dairies Corporation 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
WO2010026855A1 (ja) 2008-09-05 2010-03-11 サントリーホールディングス株式会社 乳清タンパク質の含有量が低減された乳組成物及び乳入り飲料

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI107116B (fi) * 1998-04-29 2001-06-15 Jouko Savolainen Menetelmä proteiinien eristämiseksi ja muuntelemiseksi
AU2004281560B2 (en) * 2003-10-15 2011-03-31 Uniq Bioresearch Oy Method for preparing film coatings and film coating
US9055752B2 (en) * 2008-11-06 2015-06-16 Intercontinental Great Brands Llc Shelf-stable concentrated dairy liquids and methods of forming thereof
UA112972C2 (uk) 2010-09-08 2016-11-25 Інтерконтінентал Грейт Брендс ЛЛС Рідкий молочний концентрат з високим вмістом сухих речовин
CN110623243B (zh) * 2019-09-11 2023-03-31 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 高钙盐类复合物及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Meiji Dairies Corporation 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
JPWO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2006-06-08 明治乳業株式会社 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
JP2012012391A (ja) * 2003-03-14 2012-01-19 Meiji Co Ltd 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
US8211476B2 (en) 2003-03-14 2012-07-03 Meiji Co., Ltd. Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
US8440233B2 (en) 2003-03-14 2013-05-14 Meiji Co., Ltd Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
WO2010026855A1 (ja) 2008-09-05 2010-03-11 サントリーホールディングス株式会社 乳清タンパク質の含有量が低減された乳組成物及び乳入り飲料

Also Published As

Publication number Publication date
DE69523170D1 (de) 2001-11-15
FI940846A0 (fi) 1994-02-23
JP3626498B2 (ja) 2005-03-09
DE69523170T2 (de) 2002-06-20
FI96266C (fi) 1996-06-10
AU681250B2 (en) 1997-08-21
DK0796047T3 (da) 2002-01-14
NZ279847A (en) 1997-12-19
US5834042A (en) 1998-11-10
FI96266B (fi) 1996-02-29
EP0796047A2 (en) 1997-09-24
ES2165415T3 (es) 2002-03-16
WO1995022907A1 (en) 1995-08-31
FI940846A (fi) 1995-08-24
EP0796047B1 (en) 2001-10-10
AU1710095A (en) 1995-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI68504B (fi) Foerfarande foer framstaellning av en loeslig i vaermestelnande proteinblandning
JPH09509320A (ja) ホエータンパク質を分離するための方法
Kananen et al. Influence of chemical modification of whey protein conformation on hydrolysis with pepsin and trypsin
RU2003132871A (ru) Модифицированные концентраты молочного белка и их использование при изготовлении гелей и молочных продуктов
JPH0251533A (ja) 水溶性ケラチン蛋白質の製造方法
US6797810B1 (en) Method for isolation and modification of proteins
CN104719606A (zh) 提高的水结合能力的大豆蛋白产品
EP0004231B1 (fr) Procédé et installation d'acidulation du lait, notamment pour la préparation de la caséine et lactosérum obtenu
US4551274A (en) Electrolytic treatment of vegetable protein
JPH0365746B2 (ja)
US4038437A (en) Process for the production of a modified plant protein with improved color and flavor
SU1358890A1 (ru) Способ получени растворимого концентрата молочных белков
NO315963B1 (no) Prosesserte globinprodukter og fremgangsmåter for fremstilling derav, samtspiselig produkt som omfatter det prosesserte globinproduktet
RU2212155C1 (ru) Способ получения биологически активной добавки к пище
JPH01213231A (ja) ヘモグロビンまたはヘモグロビン含有血液の脱色方法
PL83728B1 (ja)
FI118507B (fi) Menetelmä proteiinipitoisen tuotteen vahvistamiseksi ja proteiinipitoinen tuote
JPH03198746A (ja) 加工ヘモグロビンおよびその製法
JPH0519530B2 (ja)
SU1268513A1 (ru) Способ получени пиросульфита щелочного металла
JPS5856613B2 (ja) 加燐酸化大豆蛋白質の製造法
JPH0160227B2 (ja)
Hassanien Physico-chemical Properties of Proteins
JPH02154644A (ja) カゼインカルシウム分解物の製造方法
JPH0245500A (ja) グロビン濃縮物の脱色方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040217

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040520

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111210

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees