JPH09507828A

JPH09507828A - 燃結六方晶フェライト材料の成型品

Info

Publication number: JPH09507828A
Application number: JP8515876A
Authority: JP
Inventors: デルザーフピーターイアンファン; デルファルクピーターヨハンファン
Original assignee: フィリップスエレクトロニクスネムローゼフェンノートシャップ
Priority date: 1994-11-15
Filing date: 1995-10-26
Publication date: 1997-08-12
Also published as: DE69508555T2; WO1996015078A1; DE69508555D1; EP0739324A1; EP0739324B1

Abstract

(57)【要約】本発明は焼結六方晶フェライト材料の成型品に関する。かかる成型品は、材料の粒子の大部分が単磁区構造を有することを特徴とする。これにより、かかる材料の損失ファクターtan δは、該材料を１００ＭＨｚ又はそれ以上の周波数範囲で用いた場合に、対応する従来の材料の損失ファクターtan δに比べてかなり小さくなる。材料の平均粒子サイズが２．８マイクロメートルより小さい場合に、特に、かかる材料の単磁区構造が得られる。好ましくは、平均粒子サイズは１．４〜２．５マイクロメートルである。特に、フェライト材料の組成が式Ｂａ₃Ｍｅ₂Ｆｅ₂₄Ｏ₄₁であって、式中ＭｅはＣｏ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｎｉ，Ｚｎ，Ｍｇ及び（Ｌｉ．Ｆｅ）_1/2から成る群より選ばれる１又はそれ以上の２価イオンを表わすものが好ましい。極めて高い周波数であっても、かかる材料は小さい損失ファクターを示す。本発明の成型品は、アンテナに用いられるに極めて適している。

Description

【発明の詳細な説明】焼結六方晶フェライト材料の成型品本発明は、焼結六方晶フェライト材料の成型品に関する。本発明は更にかかる材料から製造された磁気アンテナに関する。焼結六方晶フェライト材料の成型品はそれ自体では知られているものである。これらは特に米国特許第２，９７７，３１２号に記載さている。かかる型の材料は一般的に“フェロックスプラナ(ferroxplana)材料」と称されており、その詳細は“フィリップステクニカルレビューズ“Philips Technical Reviews” ，18(1956/1957)，p.145〜154に記載されている。従来の焼結成型品は、損失が比較的高いという重大な欠点を有する。かかる比較的高い損失は、これらの材料の一般的な適用について表われる。Adv．Ceram． 16(1986)p.１〜４を参照。本発明の目的は上記欠点を解決するものである。本発明は更に、損失、特に損失ファクターtan δが、従来の成型品の対応する損失よりかなり小さい焼結六方晶フェライト材料の成型品を提供することを特に目的とする。かかる小さい損失は、本発明のフェライト材料が、１００ＭＨｚ又はそれ以上の極めて高い周波数で使用された時に特に発生すべきである。これらの目的および他の目的は、材料の粒子の大部分が単磁区構造を有することを特徴とする六方晶フェライト材料の成型品により達成される。本発明に導かれる一連の実験において、関連するフェロックスプラナ材料の損失特性に関し、粒子の磁気構造が極めて重要であることが出願人により見い出された。例えば、１つのみの磁区を有する粒子を含む焼結六方晶フェライト材料は、驚くべき損失ファクターtan δを示すことが、実験より示された。このことは特に、かかる成型品を１００ＭＨｚ又はそれ以上の周波数で用いた場合に適合する。かかる条件下で、損失ファクターtan δは、２又はそれ以上のファクターで減少することができる。ここで、“粒子の大部分”という表現は、“少なくとも４０％の粒子”を意味するものであると理解されるべきである。更に、単磁区構造を有する粒子は、１つのみの磁区を含むことであることを意味する。本発明の成型品の好適例は、材料の平均粒子サイズが２．８マイクロメートルより小さいことを特徴とする。好ましくは、平均粒子サイズは１．４〜２．５マイクロメートルの範囲である。出願人は約２．８マイクロメーターの平均粒子サイズで、約９０％の粒子が単磁区構造を有することを見い出した。平均粒子サイズが小さくなるにつれて、この割合は増大する。六方晶フェライト材料の平均粒子サイズが１．４〜２．５マイクロメートルの場合に、９８％およびそれ以上の割合が得られる。焼結六方晶フェライト材料の成型品がかかる平均粒子サイズを有する場合に、最も小さい損失ファクターが得られる。１．４マイクロメートル以下の平均粒子サイズの製造は比較的困難であり、従って高価となることを見い出した。更に、有効な単磁区構造が既に達成されているため、かかる小さい粒子サイズは、損失ファクターの更なる減少を導かないことを見い出した。六方晶材料の粒子はプレート状であることに注目すべきである。このため、粒子サイズは粒子の面で決定される。粒子の大きさはいわゆる“平均直線切断”法により規定される。本発明は、いわゆるＷ、Ｍ及びＹフェライトと称されるような六方晶フェライト材料の全ての型にほとんど適用することができる。しかし、本発明の好適例においては、材料の組成はＢａ₃Ｍｅ₂Ｆｅ₂₄Ｏ₄₁に相当するものであり、式中ＭｅはＣｏ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｎｉ，Ｚｎ，Ｍｇ及び（Ｌｉ．Ｆｅ）_1/2から成る群より選ばれる１種又はそれ以上の二価イオンを示す。Ｚフェライトとも称されるかかる型の六方晶フェライト材料は、２００ＭＨｚ及びそれ以上の極めて高い周波数で極めて有効に使用され得ることを見い出した。粒子が単磁区構造であるために、かかる材料は、このような条件下で極めて低い損失ファクターを有する。ＷフェライトのＢａの最大１／３をＳｒ、Ｐｂ及び／又はＣａと置き換えることが可能であることに注目すべきである。最大１／３のＢａをＳｒ、Ｐｂ及び／又はＣａと置き換えることができるＺフェライトも本発明の例の範囲内のものである。更に、Ｍｅは少なくとも８０％のＣｏから成るものが好ましい。最も好適な材料はいわゆるＣｏ₂Ｚフェライトと称されるもので、式中ＭｅはＣｏから完全になるものである。本発明の焼結Ｚフェライト材料は、少量の他の元素を用いてドープされることができ、特にＢ₂Ｏ₃のような焼結剤である。本発明は更に磁気アンテナに関するものである。かかるアンテナは上記したような焼結六方晶フェライト材料から本発明により製造されるものである。かかるアンテナは、移動電話およびいわゆるページャーと称されるようなパーソナル通信システムに極めて有効に用いることができる。本発明のこのような目的及び他の目的は、後述する例により明確に説明されるものである。Ｂａ₃Ｃｏ₂Ｆｅ₂₄Ｏ₄₁の化学組成を有し、且つ異なる平均粒子サイズを有する多くの成型品を以下のように製造した。使用する出発材料は炭酸バリウム（ＢａＣｏ₃）、炭酸コバルト（ＣｏＣＯ₃）及び酸化鉄（Ｆｅ₂Ｏ₃）から成るものであった。上記組成を得るために、６２．７ｇのＢａＣＯ₃、１９７．５ｇのＦｅ₂Ｏ₃ 及び２５．１ｇのＣｏＣＯ₃の混合物を、エチルアルコール中で約６時間粉砕した。混合粉末を濾過した後、乾燥した。次いで、このようにして形成された粉末を９５０℃で４時間予備加熱した。異なる粒子サイズを有する焼結成型品を得るために、このようにして得られた焼成製品を、１０の区分に小分けし、それぞれの区分を液体中異なる方法で粉砕した。全ての区分をまず直径１３〜１６ｍｍを有する鋼球を用いて６〜１２時間粉砕した。次いで５つの区分を、直径３ｍｍを有する鋼球を用いて３〜９時間更に粉砕操作に課した。濾過して乾燥した後、各区分の平均粒子サイズをフィッシャー（Fisher）測定手段により決定した。上記区分をバインダー（脱イオン水中２％アンモリウムアルギネート）と混合した後、得られた混合物を篩に通過させ、次いで粗粒した。次いで、粗粒した各区分を押圧（６００ｋｇ／ｃｍ²）して、四角形のブロックを形成した。かかるブロックを温度１１２０〜１４００℃の範囲で約１〜４時間焼結した。焼結時間、焼結温度及び粉砕物の粉末度に依存して、焼結したＣｏ₂−Ｚフェライト材料のブロックは１．０〜６．０マイクロメートルの平均粒子サイズを有した。短い焼結時間と、低い焼結温度と長い粉砕時間との組み合わせにより、焼結した成型品は比較的小さい粒子サイズを有することになる。平均粒子サイズは、走査電子鏡検法（ＳＥＭ）及び顕微鏡写真を基本として“ 平均直線切断”法により測定した。磁区の平均サイズは中性子一分極測定により測定した。焼結したブロックを多くの磁気測定に課して、特に室温で２６０ＭＨｚの周波数の時の損失ファクターTan δを決定した。その結果を表に示す。表から、２. ８マイクロメートル又はそれ以下の平均粒子サイズを有する成型品は、それより大きい平均粒子サイズを有する成型品より、かなり小さい損失ファターを示すことがわかった。１．４〜２．５マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズｄ（マイクロメートル）を有する成型品は、最も小さい損失ファクターを有することが見い出された。概して、粒子の大部分が単磁区構造を有する焼結六方晶フェライト材料の成型品は、少なくとも粒子のほとんどの部分が２又はそれ以上の磁区を含む対応フェライト材料と比べて、かなり小さい損失ファクターを有することに注目すべきである。このことにより、六方晶フェライト材料は、移動電話等のようなパーソナル通信機器中のアンテナ材料として極めて適するものである。

Claims

【特許請求の範囲】１．材料の粒子の大部分が単磁区構造を有することを特徴とする焼結六方晶フェライト材料の成型品。２．該材料の平均粒子サイズは、２．８マイクロメートルより小さいことを特徴とする請求項１記載の焼結六方晶フェライト材料の成型品。３．平均粒子サイズは１．４〜２．５マイクロメートルの範囲であることを特徴とする請求項２記載の焼結六方晶フェライト材料の成型品。４．該材料の組成は式Ｂａ₃Ｍｅ₂Ｆｅ₂₄Ｏ₄₁に相当し、式中ＭｅはＣｏ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｎｉ，Ｚｎ，Ｍｇ及び（Ｌｉ．Ｆｅ）_1/2から成る群より選ばれる１又はそれ以上の２価イオンを表すことを特徴とする請求項１，２又は３記載の焼結六方晶フェライト材料の成型品。５．Ｍｅは２価のＣｏから成ることを特徴とする請求項４記載の焼結六方晶フェライト材料の成型品。６．請求項１〜５いずれか１つの項に記載の焼結六方晶フェライト材料から製造される磁気アンテナ。