JPH09506771A - Phf−タウに特異的なモノクローナル抗体、これらを分泌するハイブリドーマ、これらの抗体による抗原認識及びこれらの応用 - Google Patents

Phf−タウに特異的なモノクローナル抗体、これらを分泌するハイブリドーマ、これらの抗体による抗原認識及びこれらの応用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に、脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化されたタウ蛋白(PHF−タウ)を特異的に検出することができることを特徴とする、(143〜254)位にわたる領域に存在する異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)に属する抗原のリン酸化エピトープと免疫複合体を形成するモノクローナル抗体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 PHF−タウに特異的なモノクローナル抗体、これらを分泌するハイブリドーマ 、これらの抗体による抗原認識及びこれらの応用 本発明は、PHF−タウに特異的な新規なモノクローナル抗体、これらのモノ クローナル抗体を分泌するハイブリドーマ、及びこれらのモノクローナル抗体の 抗原認識パターン及びこれらの応用に関する。本発明はまた、本発明のモノクロ ーナル抗体が関与する脳疾患の診断方法、更に詳しくは脳脊髄液(CSF)試料 における診断方法に関する。本発明はまた、アルツハイマー病又は他の型の痴呆 症に関連することが見い出され、また本発明のモノクローナル抗体により特異的 に認識される、リン酸化によりインビボ(生体内)で修飾可能なタウ分子の領域 に関する。 アルツハイマー病(AD)は、成人発病性痴呆症の最も一般的な型である。現 在のところ、ADの生前診断に利用可能な信頼できる生化学的試験はない。した がって、この疾患は、他の型の痴呆症の除外に基づいて臨床的に診断される。こ の診断は、特定の脳の領域における大量の神経炎斑(老人斑)及び神経原線維錯 綜(neurofibrillary tangles; NFT)の証明により、神経病理学的に確認する ことができる(McKhann et al.,1984)。 神経原線維錯綜は、らせんフィラメント対(paired herical filament; PHF )よりなる。免疫細胞化学的証拠は、微小管結合蛋白タウがPHF及びNFTの 主要な蛋白成分であることを示唆している(Brion et al.,1985b; Delacourte a nd Defossez,1986; Grundke-Iqbal et al.,1986; Kosik et al.,1986; Wood et al.,1986)。タウのチューブリン結合ドメインがPHFのコアと堅く結合し ている明確な証拠は、アミノ酸配列決定により得られた(Kondo e tal.,1988) 。それにも拘らず、タウペプチド がPHFの主要な成分の小さな部分のみを表す可能性があることが示唆された( Wischik et al.,1988)。 タウ蛋白は、異なるイソフォームで存在し、このうち4〜6個は成人脳で見い 出されるが、胎児脳では1個のイソフォームのみが検出される。このイソフォー ムの多様性は、ヒト第17染色体の単一遺伝子から、選択的mRNAスプライシ ングにより生成される(Andreadis et al.,1992)。分子クローニングから推定 されるタウ蛋白の最も著しい特徴は、分子のカルボキシ末端部分に存在する31 又は32個のアミノ酸のストレッチであり、これは3回又は4回繰り返されるこ とがある。更なる多様性は、タウ分子のNH2末端部分の長さ29又は58アミ ノ酸の挿入により生成される(Goedert et al.,1989)。簡単にするため、本特 許出願の全ての番号付けは、Goedert et al.(1989)による全てのエキソンを含 有するタウ変異体htau40(441アミノ酸の長さ)を参照する。 正常な環境下で、タウは、ニューロンの軸索区画における微小管の会合と安定 性を促進する。タウの微小管結合ドメインは、タウの反復領域(255〜381 )に局在し(Lewis et al.,1990)、隣接領域〔カルボキシ末端尾部(382〜 414)とプロリン豊富領域(143〜254)〕により調節される(Drubin a nd Kirschner,1991)。微小管の安定性と束形成は、タウのカルボキシ末端尾部 にある短い疎水性ジッパー(hydrophobic zipper)により媒介される(Lewis et al.,1989)。集合及び安定性は両者とも、選択的mRNAスプライシング及び リン酸化により調節される。 正常な環境下で、成人の脳は、タウ1mol 当り、特にセリン404に存在する (Poulter et al.,1993)リン酸2〜3mol を含有する(Selden and Pollard,1 983; Ksiezak-Reding et al.,1992)。一方、他の結果に より、正常タウの異なる部位のリン酸化が、異なる発生のプロフィールに従うこ とが証明されている(Lee et al.,1991; Bramblett et al.,1993; Goedert et al.,1993a)。60、64及び68kDa の異常タウ変異体は、神経原線維の変化 及び老人斑を示す脳領域のみに検出された(Delacourte et al.,1990)。これら のタウ分子をアルカリホスフアターゼで処理すると分子量が正常タウなみに変化 するため、タウの異常な電気泳動挙動は、リン酸化によるものである(Goedert e t al.,1992; Flament et al.,1990b; Greenberg and Davies,1990)。現在、 異常リン酸化部位は、PHF−タウで46、231、235、263及び396 位に検出されている(Iqbal et al.,1989; Lee et al.,1991; Hasegawa et al. ,1992)。これらの部位の4つで、リン酸化残基の後にプロリン残基があり、こ れは、タウの異常リン酸化の幾つかにプロリン指向キナーゼが関与することを示 している。これらの部位に加えて、他の10個の部位がhtau40には存在し 、抗体反応性により示されるように、このうち2個が異常にリン酸化されている (Mabタウ2:Watanabe et al.,1992;Mab AT8:Biernat et al.,19 92; Goedert et al.,1993)。 アルツハイマー病におけるタウの異常リン酸化は、ホスファターゼ/キナーゼ 平衡のシフトによる。インビトロで、幾つかのキナーゼ〔cdc2−キナーゼ( Vulliet et al.,1992; Ledesma et al.,1992)、MAPキナーゼ(Drewes et a l.,1992; Roder and Ingram,1991)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(Mande lkow et al.,1992)、及びTPKIとTPKII(Ishiguro et al.,1992)〕はタ ウをリン酸化することができる。ホスファターゼはアルツハイマー病であまり研 究されておらず、これまでのところ、ただ1つのホスファターゼ(即ち、蛋白ホ スファターゼ 2A1)が、異常にリン酸化された部位をインビトロで脱リン酸化できたにすぎな い(Goedert et al.,1992)。 これまで、抗体を介する(Mab Alz50:Ghanbari et al.,1990;Ma b Ab423:Harrington et al.,1991)か、分子量の変化を介する(Flament et al.,1990; Delacourte et al.,1993)か、又は機能測定による脳抽出物中 のPHF−タウの検出は、正常加齢被験者又は他の型の痴呆症の患者から、細胞 骨格の性質が変化した痴呆症を識別するのに非常に有用であった。それにも拘ら ず、CSF中のPHF−タウの検出は、セリン202のような異常にリン酸化さ れた部位の1つに対する抗体を使用しても、不可能なままであった(Goedert et al.,1993)。これは、下記の理由のいずれか又は複数に帰することができる: 1)CSF中のPHF−タウの濃度が低いこと、2)全てのリン酸化可能部位中 でリン酸化部位が均等に使用されないこと、3)これらの部位のホスファターゼ 感度に差があること、及び、4)使用された抗体の親和性定数が低すぎること。 したがって、本発明の目的は、脳脊髄液中に存在する異常にリン酸化されたタ ウの信頼できる高感度の検出を可能にするモノクローナル抗体を提供することで ある。 本発明はまた、上記モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを提供する ことを目的とする。 本発明は更に、上記モノクローナル抗体により認識される、脳ホモジネート、 又は脳脊髄液のような体液中に存在する異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピト ープを提供することを目的とする。 最後に、本発明は、異常にリン酸化されたタウ蛋白に関連する脳疾患のインビ トロの検出又は診断のための方法を提供することを目的とする。 更に詳しくは、本発明は、下記アミノ酸配列: を有する143〜254位にわたる領域に存在する、異常にリン酸化されたタウ (PHF−タウ)に属する抗原のリン酸化エピトープとの免疫複合体を形成する モノクローナル抗体に関し、このモノクローナル抗体は、脳脊髄液(CSF)中 の異常にリン酸化されたタウ蛋白(PHF−タウ)を特異的に検出することがで きることを特徴とする。 本発明のモノクローナル抗体は、アルツハイマー病患者由来のヒト脳組織から 抽出されたPHF−タウで直接免疫することにより得られた、一連のモノクロー ナル抗体から選択された。更に詳しくは、本発明のモノクローナル抗体は、天然 に存在する異常にリン酸化されたタウに特異的に結合することを特徴とする。こ れらのエピトープの更なる分析により、本発明のモノクローナル抗体が、タウ分 子の特定の領域(即ち、SP及びTPに対するキナーゼにより使用されるT15 3やS235のような幾つかの 可能なリン酸化部位を含む143と254との間の領域)に限定されたリン酸化 エピトープに対するものであることが示された。本発明のモノクローナル抗体は 、更に、Goedert et al.(1993)に定義されたモノクローナル抗体AT8のエピト ープとは異なるエピトープを認識し、AT8抗体と比較してCSF中のPHF− タウの検出が可能であることを特徴とする。これらは、脳切片、免疫ブロット又 はELISAにおいて優先的にPHF−タウを認識し、そして驚くべきことに、 これらは、単独で又は他のPHF−タウ特異的抗体と組合せて、CSF中のPH F−タウを検出することができる。 結論として、本発明のモノクローナル抗体は、リン酸化状態が上述のタウ分子 の特定の領域に限定される天然に存在する異常にリン酸化されたタウに特異的に 結合するか、又はプロリン指向キナーゼ(上述の領域中の特にSer−Pro又 はThr−Pro部位のリン酸化を誘発することができる)による処理後の組換 え非リン酸化タウに結合することを特徴とする。MAPキナーゼ(Sturgill et a l.,1991)、cdc (Vandenheede et al.,1980)のようなプロリン指向キナーゼは、種々の組織か ら精製することができるか、又は脳抽出物に存在しうる。これらのキナーゼによ るタウのリン酸化は、下記の1つ以上のセリン/トレオニンがAlaのようなア ミノ酸に突然変異すると、完全に消滅するか大きく減少する:T153、T17 5、T181、S199、S202、T205、T212、T217、T231 、又はS235。したがって、これらの抗体に関するエピトープは、このような 突然変異体タウにより、又は原核生物で発現された組換えタウのような非リン酸 化タウやこれらのリン酸化相同体(ホモログ)により、又はヒトタウ40蛋白の 上述の領域 の部分と同じアミノ酸配列を有する合成ペプチド(このペプチドは、上記キナー ゼによりリン酸化されることができるか、又はペプチドの合成時にリン酸化され 得ない)により性状解析することができる。このように、本発明のエピトープは 、タウの143位と254位との間のプロリン豊富領域として定義され、これら の抗体に関するエピトープ(以後「PHF−タウエピトープ」と呼ぶ)に含まれ るトレオニン153(T153)、T175、T181、S199、S202、 T205、T212、T217、T231及びS235又はこれらの部位の組合 せで、異常にリン酸化されることができる。 「異常にリン酸化されたタウ蛋白を特異的に検出する」という表現は、本発明 のモノクローナル抗体が、CSF中に存在する正常タウと交差反応することなく 、CSF中の異常にリン酸化されたタウを検出するという事実に対応する。 「〜と免疫複合体を形成する」という表現は、本発明のモノクローナル抗体が 、下記方法の1つに述べられる条件下で上記抗原と結合することを意味する: − 免疫光学顕微鏡法 脳組織試料(例えば、手術又は剖検で得られたアルツハイマー患者のもの )を、4%ホルマリン又はブアン固定液(Bouin's fixative)に浸漬することに より固定し、切片作成のためにパラフィンに包埋する。本発明のモノクローナル 抗体を、発色のため3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩を用いるアビジン− ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体法(Hsu et al.,1981)のような、生成され た免疫複合体を可視化する方法と組合せて適用する。ハリス(Harris)ヘマトキ シリン染色により切片をカウンター染色する。 − 組織切片の免疫電子顕微鏡法 脳組織試料(例えば、手術又は剖検でアルツハイマー患者から得られたも の)を、ブアン固定液又は10%緩衝化ホルマリンで固定して、包埋することな く切片を作成する〔ビブラトーム(Vibratome)〕。全て当業者に公知の標準法(Br ion et al.,1985a)により、本発明のモノクローナル抗体を、間接金免疫法(in direct immunogold method)による免疫染色に使用して、次に切片を固定し、包 埋して電子顕微鏡用に切片を作成する。 − 免疫ブロッティング法 免疫ブロッティングのために、記載(Greenberg and Davies,1990)され たようにPHF−タウ濃縮画分を調製する。典型的には、大部分前頭及び側頭皮 質からの灰白質よりなる死後組織を、組織学的に確認されたアルツハイマー患者 から得た。このアルツハイマー灰白質脳試料(5〜10g)を、冷緩衝液H(1 0mMトリス/1mMEGTA/0.8MNaCl/10%蔗糖、pH7.4)10容 量と共に、テフロン/ガラスのポッターS(Potter S)〔ブラウン(Braun)、ド イツ〕ホモジナイザー中でホモジナイズした。60Ti MSEローター中で2 7,000×gで4℃で20分間遠心分離後、ペレットを除き、上澄液を1%( 重量/容量)N−ラウロシルサルコシン及び1%(容量/容量)2−メルカプト エタノールに調整して、ミキサー〔スウェラブ(Swelab)、スウェーデン〕で回 転させながら37℃で2.5時間インキュベートした。上澄液混合物を108, 000×gで20℃で35分間遠心分離した。このPHF−タウ含有ペレットを PBSで穏やかに洗浄して、最後に同じ緩衝液1mlに懸濁した。 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動を、12%ゲルで還元条件下 で行う(Laemmli,1970)。電気泳動後、蛋白を、固定してクーマシーブリリアン トブルーで染色するか、又はニトロセルロースシート〔ハイボンド−C(Hybond -C)、アマーシャム(Amersham)〕若しくはイモビロン(Immobilon)フィルター 〔ミリポア(Millipore)〕に移す(Towbin et al.,1979)。 移した後、このフィルターを、0.05%(v/v)ツイーン(Tween)20を含有す るPBS(Tween-PBS)に前もって浸漬し、次に5%(w/v)乾燥スキムミルク 及び10%(v/v)ウシ新生児血清を含有する Tween−PBS(ブロッキング緩衝 液)中で1時間インキュベートする。次に、このフィルターを、4℃で一晩、ブ ロッキング緩衝液で適切に希釈した本発明のモノクローナル抗体で処理する。 次に、このフィルターを Tween−PBS中で3回洗浄して、ブロッキング緩衝 液で1/3,000に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウス IgG〔ダコパッツ(Dakopatts)、デンマーク〕で室温で1.5時間処理する。T ween−PBS中で3回洗浄後、ブロッキング緩衝液で1/250に希釈したスト レプトアビジン−ビオチン化西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体〔アマーシャム (Amersham)〕を、室温で1.5時間適用する。次に、このフィルターを Tween −PBS中で3回、PBS中で1回洗浄する。次いでバックグラウンドが染色さ れるまで、このフィルターを、0.05%(w/v)ジアミノベンジジン及び0.0 3%(v/v)過酸化水素を含有するPBS中でインキュベートする。 モノクローナル抗体と抗原との間の免疫複合体の形成は上述された正確な条件 に限定されず、抗体と抗原の結合の免疫化学的性質に関係する全ての方法が免疫 複合体の同様な形成を引き起こすことは明白であろう。 更に詳しくは、本発明は、下記のいずれかとの免疫複合体を形成するこ とを特徴とする上記と同義のモノクローナル抗体に関する: − 上記と同義の配列(配列番号1)内に位置するリン酸化エピトープ;又は − それ自体配列番号1に示されるヒトタウ蛋白領域に位置するリン酸化エピ トープと複合体を形成することができるモノクローナル抗体との複合体を形成す ることができる任意の他のリン酸化ペプチド。 本発明の好適なモノクローナル抗体であるAT180及びAT270は、19 92年12月22日に第92122204号として又は1993年7月7日に第 93070774号として、ECACC〔動物細胞培養物のヨーロッパ寄託機関 (European Collection of Animal Cell Cultures)、ワクチン研究及び生産研究 所(Vaccine Research and Production Laboratory)、公衆衛生及び実験室サー ビス(Public Health and Laboratory Service;PHLS)、応用微生物学及び 研究センター(Centre for Applied Microbiology and Research)、ポルトンダ ウン(Porton Down)、英国ソールズベリー、ウィルトシア州SP4 OJG〕に 寄託したハイブリドーマにより産生される。 上述のモノクローナル抗体は、これらのモノクローナル抗体を分泌するハイブ リドーマを取得し単離する方法により得られる。 本発明の好適なモノクローナル抗体は、コーティング相にこれらのモノクロー ナル抗体を用いて、異なる量のリン酸化タウ及び非リン酸化タウを加えたCSF と共に増幅することなくこれらをインキュベートして、ELISAで測定する場 合、少なくとも1、5、10又は20pg/ml のリン酸化タウを検出することがで きる。リン酸化タウは、アルツハイマー病で死亡した患者由来の脳組織のタウ抽 出物に見い出されるような、タウの異常なリン酸化の部位に対応する位置のSe r及びThrアミノ酸を リン酸化することができるラット脳抽出物と共に、組換え非リン酸化タウをイン キュベートすることにより調製される(Goedert et al.,1993)。 本発明のハイブリドーマを得るための方法は、以下の工程を含む: − 抗原、好適には以下に開示される本発明のモノクローナル抗体により認識さ れる、異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)、若しくはリン酸化ヒトタウ ペプチド若しくは免疫親和性精製した異常にリン酸化したタウである抗原で、前 もってインビボ免疫した動物(例えば、マウス又はラット)の脾臓細胞から、又 は、同抗原で前もってインビトロ免疫したこのような動物の脾臓細胞から出発し て; − 上記の免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融 合させて;そして − 脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)のリン 酸化エピトープを特異的に認識することができるモノクローナル抗体を分泌する ハイブリドーマを選択する。 リン酸化ヒトタウペプチドとは、そのアミノ酸配列中に、ヒトタウのアミノ酸 143〜254位にわたる領域に含まれるリン酸化配列を含むペプチドのことを いい、このペプチドは、本発明の抗体と免疫複合体を形成することができること を特徴とする。 本発明の抗原は、有利には、アルツハイマー病、ダウン症候群、ピック病、亜 急性硬化性全脳炎(SSPE)、又は異常にリン酸化されたタウ蛋白が関係して いる他の神経疾患を有する患者の、脳、脳脊髄液又は血清に含まれる;この抗原 は、本発明のモノクローナル抗体との免疫反応を引き起こす。 更に詳しくは、本発明はまた、上述のような方法により得られ、以下の 工程を含むことを特徴とする、上述のモノクローナル抗体に関する: − (実施例の項で開示するように)アルツハイマー病の患者のヒト脳試料から 抽出し精製した異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)、又はリン酸化ヒト タウペプチド、又は本発明のモノクローナル抗体と反応することができる免疫親 和性精製した異常にリン酸化されたタウで前もって免疫したマウスの脾臓細胞か ら出発して; − 上記の免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融 合させて; − (実施例の項に詳細に説明するように)PHF−タウを特異的に認識し、C SF中のPHF−タウを特異的に検出することができるモノクローナル抗体を分 泌するハイブリドーマを選択する。 本発明のモノクローナル抗体を生産する方法は、以下の工程を含む: − 上述の選択されたハイブリドーマを適切な培地で培養し;そして − この選択されたハイブリドーマにより分泌されるモノクローナル抗体を回収 するか;又は代わりに − 選択されたハイブリドーマをマウスの腹腔中に注入し、そしてマウスに腹水 が産生された時; − この腹水から、生成されたモノクローナル抗体を回収する。 本発明のモノクローナル抗体は、インビトロの従来法(例えば、中空繊維又は マイクロカプセルを使用する固定化細胞の培養、あるいは、例えば、エアリフト 反応器又は撹拌バイオリアクターを使用する均質な懸濁液中での細胞の培養)に より調製することができる。 本発明はまた、本発明の任意のモノクローナル抗体と免疫複合体を形成するこ とができるペプチドに関し、このペプチドは、リン酸化型であり、そして、 − このペプチドの配列は、配列番号1に示される配列のリン酸化部分を含むか 、又はこの部分よりなるか、あるいは、 − このペプチドの配列は、本発明のモノクローナル抗体の任意の1つと免疫複 合体を形成することができる任意のペプチドの配列を含むか、又はこの配列より なる。 このリン酸化ペプチドは、好適には6〜100アミノ酸の長さである。本発明 のこの実施態様のペプチドは、古典的な化学合成により調製することができる。 この合成は、当該分野で公知の任意の方法により、均質な溶液又は固相中で行う ことができる。 リン酸化ペプチドは、当該分野で公知の任意の方法により調製される(例えば 、de Bont et al.,1990a; de Bont et al.,1990b; Perich,1991; Otvos et a l.,1989)。 好適な実施態様によれば、本発明は、以下の配列: Val−Arg−Thr−Pro−Pro(アミノ酸229〜233;ヒトタウ 40の番号付け、配列番号2) よりなるか、又はそのアミノ酸配列中にこの配列を含む上述のリン酸化ペプチド に関し、このThr(231)は、リン酸化されており、このペプチドは、19 92年12月22日に第92122204号としてECACCに寄託したハイブ リドーマにより産生されるモノクローナル抗体AT180と免疫複合体を形成す ることができることを特徴とする。 別の好適な実施態様によれば、本発明はまた、以下の配列: Pro−Lys−Thr−Pro−Pro(アミノ酸179〜183;ヒトタウ 40の番号付け;配列番号3) よりなるか、又はそのアミノ酸配列中にこの配列を含む上述のリン酸化ペプチド に関し、このThr(181)は、リン酸化されており、このペプ チドは、1993年7月7日に第93070774号としてECACCに寄託し たハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体AT270と免疫複合体 を形成することができることを特徴とする。 更に別の実施態様によれば、本発明は、免疫することにより請求項1〜4のい ずれか1項記載のモノクローナル抗体を作成することができる、上述のリン酸化 ペプチドに関する。 免疫に使用されるペプチドは、好適には、良好な免疫原性応答を達成するため に、担体分子に結合された型である。このような担体分子は、当該分野で公知で あり、リンカー基(これも当該分野に含まれる)によりペプチドにカップリング される。 本発明はまた、アルツハイマー病のようなPHF−タウが関与する脳/神経疾 患の死後のインビトロの検出又は診断の方法に関し、この方法は、少なくとも以 下の工程を含む: − 本発明のモノクローナル抗体を、抗原抗体複合体の生成に適した条件下で 、アルツハイマー病、又は異常にリン酸化されたタウ蛋白(PHF−タウ)が関 与する任意の他の疾患であった患者から単離したNFTの調製物又は界面活性剤 で抽出した脳ホモジネートと接触させて; − この脳ホモジネートへのこの抗体の免疫学的結合を検出し、そして場合に よってはこの複合体を分離して、精製された形で目的の抗原を回収する。 目的の抗原の回収は、最初に、形成された固定化抗体抗原複合体を洗浄し; − この複合体を、抗原抗体複合体の解離を引き起こすことのできる溶液(例 えば、3M チオシアン酸カリウム、2.5M 塩化マグネシウム、 0.2M クエン酸塩−クエン酸、pH3.5又は0.1M 酢酸)で処理し; そして − この抗原を精製された形で回収する ことにより行うことができる。 本発明はまた、アルツハイマー病におけるような異常にリン酸化したタウ蛋白 が関与する脳/神経疾患のインビトロの検出又は診断の方法に関し、この方法は 、 − CSFの試料、より好適には未濃縮CSF、又はPHF−タウが関与する 脳疾患、より詳しくはアルツハイマー病に罹患していることが疑われる患者から の血清の試料、又は脳組織、脳脊髄液若しくは血清から出発する当業者に公知の 抽出手順の結果としての蛋白若しくはポリペプチド(Ibqal et al.,1984; Gree nberg and Davies,1990)の試料を、抗原抗体複合体の生成に適したインビトロ 条件下で本発明のモノクローナル抗体と接触させて;そして − 脳抽出物、脳脊髄液又は血清、又は蛋白若しくはポリペプチドの試料への この抗体の免疫学的結合を検出する ことを含む。 有利には、本発明のモノクローナル抗体は、樹脂のような適切な支持体上に固 定化された状態にある。あるいは、本発明の方法は、当業者に公知の他の任意の 免疫測定法を使用することにより実施することができる。 次いで、抗原の検出方法は、例えば以下のとおり行うことができる: − 抗原と本発明の抗体とにより形成されたこの抗原抗体複合体を、以下のも の: − 二次抗体 〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープ を有する任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発 明のエピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得るか、ある いは * 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPH F−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポ リクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を 形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグ ラフィーにより精製されている)であり得る〕; − 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー( このマーカーは、当業者に公知の任意の可能なマーカーである); − 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では結合した 二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液、 と一緒にする。 免疫学的に結合したモノクローナル抗体の検出は、当該分野に含まれる従来法 により達成することができる。有利には、二次抗体自体が、マーカーを有するか 、マーカーと直接又は間接にカップリングする基を有する。 本発明のモノクローナル抗体はまた、アルツハイマー病(AD)、及び領域1 43〜254内の異常にリン酸化されたタウの形成が関与する任意の疾患の、C SFに基づく診断を可能にする(即ち、CSF中の修飾型タウを検出する)。こ れに関連した問題は、この抗原がCSF中に非常に少量で存在し、このため検出 法は非常に高感度である必要があることであ る。この感度の問題は、(i)本発明のモノクローナル抗体の組合せを使用する こと、又は(ii)本発明のモノクローナル抗体と、当該分野で公知の他の正常及 び/又は異常にリン酸化されたタウモノクローナル抗体との組合せを使用するこ と、及び/又は(iii)より高感度のPHF−タウ特異的ELISAを可能にする 触媒レポーター固着増幅法(catalyzed reporter deposition amplification tec hnique;CARD、Bobrow et al.,1989)のような増幅法との組合せで、本発明 のモノクローナル抗体又はモノクローナル抗体の組合せを使用することにより、 更に克服することができる。 本発明のモノクローナル抗体により得られた結果は、上昇したPHF−タウレ ベルがADで見出されることを示しているが、アミノ酸143〜254に含まれ るタウの領域にタウの異常なリン酸化が生じる他の神経疾患でもこれが起こる可 能性がある。 別の実施態様によれば、本発明は、次の1つの疾患、すなわちアルツハイマー 病、ダウン症候群、ピック病、及び異常にリン酸化されたタウ蛋白又はらせんフ ィラメント対が関係する他の神経疾患のインビトロの診断用キットに関し、この キットは、 − マイクロプレートに入れた少なくとも1つの本発明のモノクローナル抗体 ; − インビトロ診断すべき試料(CSF、血清又はこれらから抽出した蛋白) を含む調製物; − 二次抗体 〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープを有す る任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発明のエ ピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり 得るか、あるいは * 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPH F−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポ リクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を 形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグ ラフィーにより精製されている)であり得る〕; − 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー; − 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では結合した 二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液; − 場合によっては、標準物質の目的のため、又は目的抗原に関する競合物質 の目的のための、アミノ酸143〜254にわたる領域に含まれるPHF−タウ のエピトープを有するペプチド を含むことを特徴とする。 アルツハイマー病のような、異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳/神 経疾患のインビトロ検出又は診断のための本発明の好適な実施態様は、本発明の モノクローナル抗体の混合物(組合せ)、又は少なくとも1つの本発明のモノク ローナル抗体と、ヒトタウ40の143〜254位にわたる領域(配列番号1) に存在するPHF−タウの領域を特異的に認識することのできる他の抗体との組 合せを含む、上述のような方法又はキットに関し、上記のモノクローナル抗体は 、好適には以下のもの: *(1)1992年12月22日に第92122204号としてECACCに 寄託したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル 抗体AT180; *(2)1993年7月7日に第93070774号としてECACCに寄託 したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル抗体AT270; *(3)1991年10月8日に第91100806号としてECACCに寄 託したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル抗体AT8; から選択され、そして上記混合物は、好適には以下のリスト: *モノクローナル抗体(1)及び(2)を含むモノクローナル抗体の混合物; *モノクローナル抗体(1)及び(3)を含むモノクローナル抗体の混合物; *モノクローナル抗体(2)及び(3)を含むモノクローナル抗体の混合物; *モノクローナル抗体(1)、(2)及び(3)を含むモノクローナル抗体の 混合物; から選択され、上記の方法又はキットは、更に、 − インビトロ診断すべき試料を含む調製物; − 二次抗体 〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープを有す る任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発明のエ ピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得るか、あるいは * 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPH F−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル 抗体(このポリクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと 免疫複合体を形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和 性クロマトグラフィーにより精製されている)であり得る〕; − 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー; − 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では結合した 二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液; − 場合によっては、標準物質の目的のため、又は目的抗原に関する競合物質 の目的のための、PHF−タウのエピトープを有するペプチドを含むか、あるい は使用することを特徴とする。 更に別の実施態様によれば、本発明は、抗体をコーティングし検出することを 含むサンドイッチELISA検出フォーマットに関係する、アルツハイマー病の ような、異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳/神経疾患をインビトロで 検出又は診断するための方法又はキットに関し、上記のコーティング抗体は、少 なくとも1つの本発明のモノクローナル抗体よりなり、そして上記の検出抗体は 、エピトープが本発明のモノクローナル抗体に対するどのエピトープとも異なる 正常及び/又は異常にリン酸化されたヒトタウを検出することができる少なくと も1つのモノクローナル抗体よりなる。このような好適なサンドイッチELIS Aフォーマットは、本発明の実施例の項で詳細に説明される。 表及び図の凡例第1表 PHF−タウ特異的モノクローナル抗体AT180及びAT270を使用する PHF−タウ及び正常タウの検出。PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモ ノクローナル抗体でコーティングしたマイクロプレートを、異なる量の非リン酸 化又はリン酸化タウ〔後者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化 部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラ ット脳抽出物と共にインキュベートすることにより調製した(Goedert et al., 1993)〕を加えたCSFと共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項 に記載のように検出した。第2表 AD患者、対照患者及び種々の非AD神経疾患の患者からのCSF試料を、記 載(実施例III)のように異なる組合せの捕獲用抗体を使用するELISAで試験 した。イノテストhtau〔Innotest htau(インノジェネティクス(Innogenet ics)、ベルギー〕を使用して行い、pg/mlCSFで表した総タウの測定を除いて 、全ての値は、mOD 単位として表した。 各構成で使用した実験条件が異なるため、レーン内比較のみが可能である。第3表 対照患者、AD患者及び種々の非AD神経疾患(OND)のCSF試料を、イ ノテストhtau(Innotest htau)〔インノジェネティクス(Innogenetics)、 ベルギー〕を使用して測定した。記載(実施例IV)のように、捕獲用抗体として AT8、AT180及びAT270を使用し、 検出用抗体としてAT120及びHT7を使用したPHF−タウ特異的ELIS Aを用いる更なる試験のために、AD患者とOND患者のコホートから、高い総 タウ値を有する患者を選択した。結果は、総タウ〔イノテストhtau(Innotes t htau)〕についてはCSF中のpg/ml タウで、PHF−タウ特異的ELISA についてはmOD 単位として表した。第1図 モノクローナル抗体AT180を使用するPHF−タウ及び正常タウの検出。 PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモノクローナル抗体AT180でコー ティングしたマイクロプレートを、異なる量の非リン酸化又はリン酸化タウ〔後 者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のS er及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にイン キュベートすることにより調製した(Goedert et al.,1993)〕を加えたCSF と共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項に記載のように検出した 。第2図 モノクローナル抗体AT270を使用するPHF−タウ及び正常タウの検出。 PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモノクローナル抗体AT270でコー ティングしたマイクロプレートを、異なる量の非リン酸化又はリン酸化タウ〔後 者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のS er及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にイン キュベートすることにより調製した(Goedert et al.,1993)〕を加えたCSF と共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項に記載のように検出した 。第3図 ラット脳からのプロテインキナーゼ活性による野生型及び突然変異型 組換えタウ(ヒトタウ24クローンから発現させた;Goedert and Jakes,1990) のリン酸化。抗タウ抗血清134、及びモノクローナル抗体AT8及びAT18 0を用いた免疫ブロット。レーン1、タウ24;レーン2、タウ24+脳抽出物 ;レーン3、T231 Aタウ24;レーン4、T231 Aタウ24+脳抽出 物;レーン5、S235 Aタウ24;レーン6、S235 タウ24+脳抽出 物。第4図 ラット脳からのプロテインキナーゼ活性による野生型及び突然変異型組換えタ ウ(ヒトタウ24クローンから発現させた)のリン酸化。抗タウ抗血清134及 びモノクローナル抗体AT8及びAT270を用いた免疫ブロット。レーン1、 タウ24;レーン2、タウ24+脳抽出物;レーン3、T175 Aタウ24; レーン4、T175 Aタウ24+脳抽出物;レーン5、T181 Aタウ24 ;レーン6、T181 Aタウ24+脳抽出物。 実施例実施例I 抗原としてPHF−タウを使用するモノクローナル抗体AT180及びAT27 0の調製1.免疫用抗原の調製 Greenberg and Davies(1990)の変法によりPHF−タウを部分精製した。大 部分が前頭及び側頭皮質からの灰白質よりなる死後組織を、組織学的に確認され たアルツハイマー患者から得た。このアルツハイマー灰白質脳試料(5〜10g )を、冷緩衝液H(10mMトリス/1mMEGTA/0.8M NaCl/10%蔗 糖、pH7.4)10容量と共に、テフロン/ガラスのポッターS(Potter S)〔 ブラウン(Braun)、ドイツ〕ホモジナ イザー中でホモジナイズした。ホモジネートを、60Ti MSEローター中で 27,000×gで4℃で20分間遠心分離後、ペレットを除き、上澄液を1% (重量/容量)N−ラウロシルサルコシン及び1%(容量/容量)2−メルカプ トエタノールに調整して、ミキサー〔スウェラブ(Swelab)、スウェーデン〕で 回転させながら、37℃で2.5時間インキュベートした。上澄液混合物を10 8,000×gで20℃で35分間遠心分離した。このPHF−タウ含有ペレッ トをPBSで穏やかに洗浄して、最後に同じ緩衝液1mlに懸濁した。 抗原調製物を、10%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気 泳動、続いてポリクローナルウサギ抗ヒト正常タウ抗血清を使用するウェスタン ブロッティングにより評価した(Mercken et al.,1992a)。2.免疫プロトコール及び融合手順 Balb/cマウスを完全フロイントアジュバント中のPHF−タウ調製物1 00μg で皮下投与により初回免疫し、その後、不完全フロイントアジュバント 中の同じ抗原100μg で3週間の間隔で3回腹腔内投与により追加免疫した。 融合の前3日目と2日目に、マウスを生理食塩水中のPHF−タウ100μg で 追加免疫した。 いてマウス脾臓細胞をSP2/0ミエローマ細胞と融合させた。 融合実験の細胞を、フィーダー層としてマウス腹腔マクロファージを前もって 接種した96ウェルプレートに、4.5×104脾臓細胞/ウェルの密度で懸濁 した。これらのウェルを、連続増殖12日後、以下に詳述するサンドイッチEL ISAにより、抗PHF−タウ抗体産生についてスクリーニングした。 20%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、L−グルタミン(2mM )、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100mg/ml)、及び非必 須アミノ酸を補足したダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)中で、ハイブ リドーマの増殖を行った。全ての製品はギブコ(Gibco)(ペーズリー、英国) から購入した。細胞は、加湿したCO2空気インキュベーター中でインキュベー トした。3.抗PHF−タウ抗体スクリーニングのためのサンドイッチELISA 抗PHF−タウモノクローナル抗体の検出に使用したスクリーニングELIS Aは、コーティング相に親和性精製したポリクローナルウサギ抗ヒトタウ抗体(M ercken et al.,1992a)を用いるサンドイッチELISA系であった。このため に、臭化シアンで活性化したセファロース〔ファルマシア社(Pharmacia,LKB) スウェーデン〕への共有結合による固定を用いる免疫親和性カラムの調製に、Me rcken et al.(1992a)に記載されたように調製した精製したヒト正常タウを使用 した。親和性結合した抗タウ画分を、このカラムからpH2.5の0.1M クエン 酸緩衝液で溶出した。中和後、抗タウ含有画分をプールして、コーティング緩衝 液(10mMトリス、10mMNaCl、10mMNaN3、pH8.5)中で高結合性 マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nunc)、ギブコ(Gibco)、ペーズリー、英 国〕上に4℃で一晩コーティング(1μg/ml)した。非特異的結合を低下させる ため、PBS中の10%飽和カゼイン125μl で30分間オーバーコーティン グした後、このプレートを、適切に希釈したPHF−タウ調製物100μl と共 に37℃で60分間インキュベートした。このプレートをPBS−0.05% T ween20(v/v)で3回洗浄し;ハイブリドーマ上澄液100μl を添加して、3 7℃で1時間インキュベー ションを続けた。洗浄後、結合したモノクローナル抗体を、ペルオキシダーゼ結 合ウサギ抗マウス血清〔ダコパッツ(Dakopatts)、グロストルップ(Glostrup) 、デンマーク〕で検出した。全ての試薬は、10%カゼインを含むPBSで希釈 した。最後の洗浄後、0.42mM3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン 、100mMクエン酸中0.003%(v/v)H22、100mMリン酸水素二ナトリ ウム、pH4.3を100μl 、ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2 SO4溶液50μl で反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Tite rtek Multiscan)〔フローラボラトリーズ(Flow Laboratories)、エフラブ社(Ef lab,Oy)、フィンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。 このような融合実験から、上記3に記載されたスクリーニング方法を使用して 、28個の陽性培養物(即ち、抗PHF−タウモノクローナル抗体を分泌する培 養物)を、全1,440培養物の中から選び出した。これらの陽性培養物を、任 意にAT1〜AT28と名付けた(これらのハイブリドーマ培養物の幾つか、即 ち、AT1〜AT14は、Mercken et al.,1992b により記載されている)。こ の最初のスクリーニングにおけるように、ウェルの肉眼観察によると、陽性培養 物は、大部分混合クローンよりなることが判った(ウェル当り通常1〜4クロー ンの間)。全てのハイブリドーマ培養物を、当業者に公知の方法である限界希釈 法によりサブクローン化して、最終的に均一なイディオタイプを有する抗体を分 泌する純粋なハイブリドーマクローンを得た。これらの純粋なハイブリドーマク ローンの幾つかを、実施例IIに記載されるようにELISAで正常及びPHF− タウへのこれらの反応性パターンに関して、及び実施例IIに開示されるようにタ ウ突然変異体を使用するウェスタンブロット解析によりこれらのエピトープの位 置に関して、更に試験した。 後者の手順は以下のとおり行った:精製した正常ヒトタウ及びPHF−タウを 10%SDS−ポリアクリルアミドゲルにのせて、Laemmli(1970)による変性条 件下で泳動した。 SDS−PAGE後、ニトロセルロース〔ハイボンド−C(Hybond-C)、アマー シャム(Amersham)、ブリュッセル、ベルギー〕への移行を、10mMNaHCO3 、3mMNa2CO3、pH9.9中で、冷却しながら55Vで120分間行った。 ブロッティング後、このニトロセルロースをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で 平衡化して、蛋白結合部位をブロット緩衝液〔5%(w/v)乾燥スキムミルク及び 10%(v/v)ウシ新生児血清を補足したPBS〕でブロッキングした。ブロット した蛋白を各ハイブリドーマの抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。PB S−0.05% Tween20(v/v)で3回洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標 識ウサギ抗マウス免疫グロブリン〔ダコパッツ(Dakopatts)、グロストルップ(G lostrup)、デンマーク〕を1/3,000希釈で使用して、室温で90分間イ ンキュベートした。全ての抗血清はブロット緩衝液で希釈した。次に、ブロット をPBS/Tween で3回洗浄して、基質溶液〔PBS、0.05%(w/v)3,3 ’−ジアミノベンジジン、0.03%(v/v)H22〕で発色させ、次いでH2O中 で反応を停止させた。 これらの解析の結果として、28個のうちで8個のハイブリドーマ(AT18 0とAT270を含む)が真にPHF−タウ特異的であることが判った。これら のPHF−タウ特異的モノクローナル抗体を、ELISAを使用して脳脊髄液中 のPHF−タウ検出能力について最終的に試験した(実施例IVに説明する)。後 の実施例に説明されるように、AT270とAT180と呼ばれる2つのモノク ローナル抗体が、増幅技法を適用することなく、異なる量のリン酸化及び非リン 酸化タウを加えた CSF中で測定すると、少なくとも10pg/ml 以上のリン酸化タウの特異的検出 を可能にすることが判った(リン酸化タウは、Goedert et al.,1993に記載され るように、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置 のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共に インキュベートすることにより調製した)。更に、モノクローナル抗体AT27 0は、未濃縮CSF中のPHF−タウを検出することができた(後述参照)。A T180の使用に基づく測定では、5倍濃縮CSF中のPHF−タウを検出する ことができたが、一方AT8では、10倍濃縮CSF中のPHF−タウを検出で きなかった。これらの評価基準に基づき、これらのエピトープの更なる性状解析 のためにハイブリドーマAT180とAT270を選択し、第92122104 号と第93070774号としてECACCに寄託した。4.抗体クラス及びサブクラスの決定 イノ−LIA(Inno-LIA)〔イノジェネティクス(Innogenetics)、ゲント、 ベルギー〕により抗体クラス及びサブクラスを決定した。抗体AT180及びA T270は、IgGl、カッパサブタイプであるらしいことが判った。 実施例II PHF−タウ特異的抗体及びこれらのエピトープの性状解析1.ELISAにおける正常タウからの異常にリン酸化したタウの識別 親和性精製した正常タウの調製はMercken et al.(1992b)に記載されており、 PHF−タウについてはGreenberg and Davies(1990);Mercken et al.(1992a )に本質的に記載されている。正常タウ及びPHF−タウ標準物質の純度をSD S−PAGEにより測定した。また、試料を、製造業者の指示通りに420A/ Hアミノ酸分析機〔アプライドバイオシステム ズ社(Applied Biosystems B.V.)、マーセン(Maarssen)、オランダ〕で分析し た。正常タウ及びPHF−タウの両方とも、予想されたアミノ酸組成を示した。 親和性精製した正常タウ及びPHF−タウ両者の正確な蛋白濃度を、内部標準ペ プチドを使用して測定した。 ハイブリドーマAT180又はAT270に由来し、プロテインGカラムクロ マトグラフィーにより無血清ならし培地から精製したPHF−タウモノクローナ ル抗体を、コーティング緩衝液(10mMトリス、10mMNaCl、10mMNaN3 、pH8.5)中3μg/mlで、高結合性マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nun c)、ギブコ(Gibco)、ペーズリー、英国〕上に4℃で一晩コーティングした。非 特異的結合を低下させるため、PBS中の10%飽和カゼイン150μl で30 分間オーバーコーティングした後、このプレートを、適切に希釈したタウ又はP HF−タウ標準物質100μl と共に37℃で60分間インキュベートした。こ のプレートをPBS−0.05% Tween20(v/v)で5回洗浄し、2つのビオチ ン化抗体(AT120及びHT7、Vandermeeren et al.,1993; Mercken,博士 論文)100μl を最終濃度0.2μg/mlで添加して、室温で1時間インキュベ ートした。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン〔ジャ クソン(Jackson)、インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を1/ 10,000希釈で室温で30分間添加した。PBS/ Tween20での最終洗浄 後、0.42mM3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン、100mMクエン 酸中0.003%(v/v)H22、100mMNa2HPO4、pH4.3を100μl 、室温で30分間、ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2SO4溶液 50μl でこの反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Titertek M ultiscan)〔フローラボラトリーズ(Flow Laboratories)、 エフラブ社(Eflab,Oy)、フィンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。 AT180及びAT270のPHF−タウに対する特異性を示した(第1表、 第1図及び第2図)。これらから、正常タウ1μg でも反応性がないことが判る 。2.組換えタウ突然変異体による選択したPHF−タウ特巽的抗休のエピトープ のマッピング タウの4回反復型イソフォームに対応し、NdeI部位がイニシエーターコド ンの中にある全長cDNAクローン(ヒトタウ24;htau24)(Goedert a nd Jakes,1990)を、M13mp18のEcoRI部位にサブクローン化した。 部位特異的突然変異導入法を使用し、以下のアミノ酸を表すコドンをAlaに変 えた:T153、T175、T181、T199、T205、T212、T21 7、T231、S235。これらを、以降、T153Aなどの突然変異体と呼ぶ 。これらの部位の組合せを有する構築物も評価した。NdeIとEcoRIによ る切断後、生じた断片を発現プラスミドpRK172(Mc Leod et al.,1987) 中のT7RNAポリメラーゼプロモーターの下流にサブクローン化して、この組 換えプラスミドで大腸菌(E.coli)BL21(DE3)(Studier et al.,1990 )細胞を形質転換した。細菌培養物を増殖させ、誘導をかけて、記載(Goedert a nd Jakes,1990)されるようにタウ蛋白を精製した。 10mMオカダ酸、1mMPMSF、20μg/mlロイペプチン、20μg/mlアプロ チニン及び20μg/mlペプスタチン中で成熟ラット脳(1g/2.5ml)をホモ ジナイズすることにより、脳プロテインキナーゼ活性物を調製し、40,000 rpm で4℃で1時間遠心分離した。この上澄液を直接リン酸化に使用した(Goed ert et al.,1993)。37℃で、40mM HEPES、pH7.2、2mMATP、2mMMgCl2、タウ蛋白(1μM)、ラッ ト脳抽出物(1μl)、5mMEGTA、2mMDTT、1μM オカダ酸、1mMPMS F、20μg/mlアプロチニン及び20μg/mlペプスタチンを含むインキュベーシ ョン(0.05ml)を行った。脳抽出物の添加により反応を開始し、24時間 インキュベートして、アリコートをSDS−PAGEに使用した。対照は、脳抽 出物を除いた他は同じ条件下でインキュベートした。結果 正常なhtau24クローン又はhtau24突然変異体を、ラット脳抽出物 の含有するプロテインキナーゼによりリン酸化して(Goedert et al.,1993)、 SDS−PAGEを行い、AT180、AT270又はタウ抗血清134(リン 酸化に非依存性)を使用して免疫ブロットした(Goedert et al.,1989)。AT 270及びAT180は、脳抽出物によるリン酸化前には野生型又は突然変異型 タウ蛋白を染色しなかった。しかし、脳抽出物と24時間インキュベーションし た後、AT270は野生型タウを認識したが、T181Aタウを認識しなかった (第3図)。これにより、AT270による染色には、少なくともT181がリ ン酸化されていることが必要であることが確定した。モノクローナル抗体AT1 80は、同程度にリン酸化野生型タウを認識したが、リン酸化T231A突然変 異体を認識できず、これは、AT180エピトープが認識のためにはT231の リン酸化を要することを示す(第4図)。S235A突然変異体のやや弱い染色 は、脳抽出物中の幾つかの因子が、この型の測定を制限しており、このため、リ ン酸化剤として活性化組換えプロテインキナーゼを使用することにより確認した ように、S235部位がそのリン酸化状態に必ずしも完全に変換されなかったと いう事実による(データは示してい ない)。組換えタウを活性化組換えMAPキナーゼ単独又はGSK3キナーゼ単 独で処理した場合、AT180エピトープは生成されず、一方、MAPキナーゼ とGSK3キナーゼの混合物で同じ実験を行うと、正しくリン酸化が起こり、A T180と免疫反応した。 実施例III 未濃縮CSF中のPHF−タウを検出するためのPHF−タウ抗体の異なる組合 せの使用 我々は、検出物質としてAT8抗体の単独使用に基づく異常にリン酸化された タウを検出するための測定法が、未濃縮のCSFでも濃縮CSFでもAT8エピ トープを検出することができなかったことを、以前に示した(Vandermeeren et a l.,1993)。AT180及びAT270による継続的な実験では、異常にリン酸 化されたタウに存在するAT270のエピトープがほとんどの未濃縮アルツハイ マーCSF試料中で検出することができるのに対して、AT180エピトープは 高レベルの総タウを含有するCSF試料中の異常にリン酸化されたタウを検出で きるにすぎず、全てのアルツハイマーCSF試料中のPHF−タウを検出するこ とはないことが判った。次に、AT270を単独で又は他の抗体(AT8、AT 180)との異なる組合せで使用した。異常にリン酸化されたタウが記述されて いる異なる神経疾患(例えば、ピック病、クロイツフェルド−ヤコブ病、及びパ ーキンソン病)に罹患している患者のCSF中のPHF−タウの存在を調べるた めに、固相結合コーティング抗体として、抗体の組合せを使用した(第2表参照 )。 好適なPHF−タウ特異的測定法は、以下のように行うことができた:3つの モノクローナル抗体、AT8、AT180、AT270を、10mMトリス、pH8 .6、10mMNaCl、10mMNaAz中、最終濃度 5μg/mlで、4℃で一晩、高結合性マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nunc) 、ギブコ(GIBCO)、ペーズリー、英国〕にコーティングした。非特異的結合を低 下させるため、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10%飽和カゼイン150μ l で1時間オーバーコーティングした後、プレートを、適切に希釈した組換えリ ン酸化タウ標準物質100μl と共に、又は5% Tween20を補足した未濃縮C SF試料と共に、室温で一晩インキュベートした。このプレートをPBS/0. 05% Tween20(容量/容量)で5回洗浄し、最終濃度0.2μg/mlで2つの ビオチン化抗体(AT120及びHT7;Vandermeeren et al.,1993; Mercken ,博士論文)100μl を添加して、室温で1時間インキュベートした。洗浄後 、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン〔ジャクソン(Jackson) 、インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を1/10,000希釈 で室温で30分間添加した。PBS/ Tween20での最後の洗浄後、0.42mM 3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン、100mMクエン酸中0.003 %(容量/容量)H22、100mMNa2HPO4、pH4.3を100μl、室温 で30分間ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2SO4溶液50μl でこの反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Titertek Multiscan )〔フローラボラトリーズ(F1ow Laboratories)、エフラブ社(Eflab,Oy)、フィ ンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。 実施例IV 選択したPHF−タウ特異的モノクローナル抗体による脳脊髄液試料中のPHF −タウの検出脳脊髄液試料 患者からの生前のCSF試料を、アントワープ大学病院神経科 (the department of Neurology of the University Hospital of Antwerp)で集 めた。全ての試料は、通常の診断目的で行った腰椎穿刺により得たものであった 。CSF試料は凍結して使用時まで−70℃で保存した。試料は、アルツハイマ ー患者、神経症の合併がない患者及び種々の神経疾患の患者から採取した。これ らの試料を、イノテストhtau(Innotest htau)〔インノジェネティクス(I nnogenetics)、ベルギー〕を使用して総タウ濃度を測定して、実施例IIIで詳述 した好適なPHF−タウ測定法によりPHF−タウの存在について更に分析する ため、総タウが高値を示す試料を残した。結果 この測定法と記載したCSF試料とを使用して、第3表に要約した結果を得た 。この表から、対照とOND患者については平均PHF−タウレベルはむしろ低 いままであった(対照:381mOD;OND、退行性:423mOD OND、炎症 性:392mOD;OND、血管性:340mOD)が、一方、アルツハイマー患者の 平均は814mOD 単位であったことは明らかである。更に、第3表からわかるよ うに、OND群の総タウの高値は、PHF−タウの平行した上昇を常に伴ってい るわけではないが、一方、AD患者の総タウの高レベルは、常にPHF−タウ濃 度の上昇を引き起こしている。したがって、対照群、ONDコホート及びAD患 者からの集積した証拠は、AD及びAD関連症候群〔例えば、多発梗塞性痴呆症 (multiple infarct dementia)、パーキンソン病合併痴呆症及びある種の特定さ れない痴呆症〕についてのPHF−タウ測定法の診断特異性を強く示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/53 9162−4B C12N 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ファン・デ・フォールデ,アンドレ ベルギー国、ベー−9160 ローケレン、フ ルンストラート 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記アミノ酸配列: を有する143〜254位にわたる領域に存在する、異常にリン酸化されたタウ 蛋白(PHF−タウ)に属する抗原のリン酸化エピトープと免疫複合体を形成す るモノクローナル抗体であって、脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化された タウ蛋白(PHF−タウ)を特異的に検出することができることを特徴とするモ ノクローナル抗体。 2.− 請求項1記載の配列(配列番号1)内に位置するリン酸化エピトープ; 又は − それ自体請求項1記載のヒトタウ蛋白領域(配列番号1)内に位置するリ ン酸化エピトープと複合体を形成することができるモノクローナル抗体との免疫 複合体を形成することができる任意の他のリン酸化ペプチドとの免疫複合体を形 成することを特徴とする、請求項1記載のモノクローナル抗体。 3.1992年12月22日に第92122204号としてECACCに寄託さ れたハイブリドーマにより分泌される、請求項1又は2のモノクローナル抗体A T180。 4.1993年7月7日に第93070774号としてECACCに寄託された ハイブリドーマにより分泌される、請求項1又は2のモノクローナル抗体AT2 70。 5.請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を分泌するハイブリ ドーマ、更に詳しくは、1992年12月22日に第92122204号として ECACCに寄託されたハイブリドーマ、又は1993年7月7日に第9307 0774号としてECACCに寄託されたモノクローナル抗体。 6.請求項1〜4のいずれか1項記載の任意のモノクローナル抗体と特異的に免 疫複合体を形成することができ、リン酸化型であり、6〜100個のアミノ酸を 含むペプチドであって、 − ペプチドの配列が、配列番号1に示される配列のリン酸化部分を含むか、又 はこの部分よりなるか、あるいは、 − ペプチドの配列が、請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体 と免疫複合体を形成することができるペプチドの配列を含むか、又はこの配列よ りなるペプチド。 7.下記配列: (配列中、Thrは、リン酸化されている)よりなるか、又は、そのアミノ酸配 列中にこの配列を含む、請求項3記載のモノクローナル抗体と特異的に免疫複合 体を形成することを特徴とする、請求項6記載のペプチド。 8.下記配列: (配列中、Thrは、リン酸化されている)よりなるか、又は、そのアミノ酸配 列中にこの配列を含む、請求項4記載のモノクローナル抗体と特異的に免疫複合 体を形成することを特徴とする、請求項6記載のペプチド。 9.免疫化により請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を生成 することができる、請求項6〜8のいずれか1項記載のリン酸化ペプチド。 10.請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を分泌する、請求 項5記載のハイブリドーマを取得し単離する方法であって、以下の工程: − 抗原、好適には請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体によ り認識される、異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)又は請求項6〜9の いずれか1項記載のリン酸化ペプチドである抗原で、前もってインビボ免疫した 動物(例えば、マウス又はラット)の脾臓細胞から、又は、同抗原で前もってイ ンビトロ免疫したこのような動物の脾臓細胞から出発して; − この免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融合 させて;そして − 脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)のリン 酸化エピトープを特異的に認識するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドー マを選択すること を含むことを特徴とする方法。 11.− 請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体により認識さ れる、異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)、又は請求項6〜9のいずれ か1項記載のリン酸化タウペプチドで、前もってインビト ロ免疫したマウスの脾臓細胞から出発して; − この免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融合 させて;そして − PHF−タウを特異的に認識し、CSF中のPHF−タウを特異的に検出す ることができるモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを選択することを 含むことを特徴とする、請求項10記載の方法により得られる、請求項1〜4の いずれか1項記載のモノクローナル抗体。 12.− 請求項5記載の選択されたハイブリドーマ又は請求項9の方法により 得られるハイブリドーマを、適切な培地中で培養し;そして − この選択されたハイブリドーマにより排出されるモノクローナル抗体を回収 するか;又は代わりに − 請求項5記載の選択されたハイブリドーマ又は請求項9の方法により得られ るハイブリドーマを、マウスの腹腔中に注入し、そしてマウスに腹水が産生され た時、この腹水から生成したモノクローナル抗体を回収することを含む、請求項 1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を産生する方法。 13.アルツハイマー病のようなPHF−タウ蛋白が関与する脳/神経疾患の死 後の検出又は診断の方法であって、少なくとも下記工程: − 請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を、抗原抗体複合 体が生成するのに適した条件下で、アルツハイマー病、又は異常にリン酸化され たタウ(PHF−タウ)が関与する任意の他の疾患であった患者から単離したN FTの調製物又は界面活性剤で抽出した脳ホモジネートと接触させて; − この脳ホモジネートへのこの抗体の免疫学的結合を検出し、そして場合に よってはこの複合体から抗原を分離して、精製された形で目的の抗 原を回収する工程 を含む方法。 14.アルツハイマー病のような異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳疾 患のインビトロの検出又は診断の方法であって、 − PHF−タウが関与する神経疾患、より詳しくはアルツハイマー病の疑い がある患者からのCSFの試料、好適には未濃縮CSF、血清の試料、又はこれ らから抽出した蛋白若しくはポリペプチドを、抗原抗体複合体を生成するのに適 したインビトロ条件下で、請求項1〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗 体と接触させて;そして − 脳脊髄液又は血清、又はこれらの抽出物の試料へのこの抗体の免疫学的結 合を検出すること を含む方法。 15.アルツハイマー病、ダウン症候群、ピック病及び異常にリン酸化されたタ ウ蛋白又はらせんフィラメント対(paired helical filaments)が関係する他の 神経疾患のいずれかの疾患のインビトロ診断用キットであって、 − マイクロプレートに入れた請求項1〜4のいずれか1項記載の少なくとも 1つのモノクローナル抗体; − インビトロ診断すべき試料(CSF、血清又はこれらから抽出した蛋白) を含む調製物; − 二次抗体 〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はPHF−タウのエ ピトープを有する任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトー プは本発明のエピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得る か、あるいは * 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPH F−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポ リクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を 形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグ ラフィーにより精製されている)であり得る〕; − 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー; − 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間、他方では結合した二 次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液; − 場合によっては、標準物質の目的のため又は目的の抗原に関する競合物質 の目的のための、請求項1記載の領域(配列番号1)に含まれるPHF−タウの エピトープを有するペプチド を含むことを特徴とするキット。 16.アルツハイマー病のような異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳/ 神経疾患のインビトロの検出又は診断のための、請求項13〜15のいずれか1 項記載の方法又はキットであって、少なくとも1つの下記モノクローナル抗体の 組合せ: − 請求項1〜4のいずれか1項記載の少なくとも2つのモノクローナル抗体を 含む混合物; − 請求項1〜4のいずれか1項記載の少なくとも1つのモノクローナル抗体と 共に、タウ又はPHF−タウを認識する少なくとも1つの他のモノクローナル抗 体を含む混合物 を含む、方法又はキット。 17.更に、請求項1〜4のいずれか1項記載の少なくとも1つの抗体よ りなるコーティング抗体と、エピトープが、請求項1〜4のいずれか1項記載の 任意のモノクローナル抗体のエピトープとは異なる、正常及び/又は異常にリン 酸化されたヒトタウの両方を検出することができる少なくとも1つのモノクロー ナル抗体よりなる検出用抗体とを含むサンドイッチ検出フォーマットであること を特徴とする、請求項16記載の方法又はキット。
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