JP4110057B2 - Phf−タウに特異的なモノクローナル抗体、これらを分泌するハイブリドーマ、これらの抗体による抗原認識及びこれらの応用 - Google Patents

Phf−タウに特異的なモノクローナル抗体、これらを分泌するハイブリドーマ、これらの抗体による抗原認識及びこれらの応用 Download PDF

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Description

本発明は、PHF−タウに特異的な新規なモノクローナル抗体、これらのモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ、及びこれらのモノクローナル抗体の抗原認識パターン及びこれらの応用に関する。本発明はまた、本発明のモノクローナル抗体が関与する脳疾患の診断方法、更に詳しくは脳脊髄液(CSF)試料における診断方法に関する。本発明はまた、アルツハイマー病又は他の型の痴呆症に関連することが見い出され、また本発明のモノクローナル抗体により特異的に認識される、リン酸化によりインビボ(生体内)で修飾可能なタウ分子の領域に関する。
アルツハイマー病(AD)は、成人発病性痴呆症の最も一般的な型である。現在のところ、ADの生前診断に利用可能な信頼できる生化学的試験はない。したがって、この疾患は、他の型の痴呆症の除外に基づいて臨床的に診断される。この診断は、特定の脳の領域における大量の神経炎斑(老人斑)及び神経原線維錯綜(neurofibrillary tangles; NFT)の証明により、神経病理学的に確認することができる(McKhann et al., 1984)。
神経原線維錯綜は、らせんフィラメント対(paired herical filament; PHF)よりなる。免疫細胞化学的証拠は、微小管結合蛋白タウがPHF及びNFTの主要な蛋白成分であることを示唆している(Brion et al., 1985b; Delacourte and Defossez, 1986; Grundke-Iqbal et al., 1986; Kosik et al., 1986; Wood et al., 1986)。タウのチューブリン結合ドメインがPHFのコアと堅く結合している明確な証拠は、アミノ酸配列決定により得られた(Kondo et al., 1988)。それにも拘らず、タウペプチドがPHFの主要な成分の小さな部分のみを表す可能性があることが示唆された(Wischik et al., 1988)。
タウ蛋白は、異なるイソフォームで存在し、このうち4〜6個は成人脳で見い出されるが、胎児脳では1個のイソフォームのみが検出される。このイソフォームの多様性は、ヒト第17染色体の単一遺伝子から、選択的mRNAスプライシングにより生成される(Andreadis et al., 1992)。
分子クローニングから推定されるタウ蛋白の最も著しい特徴は、分子のカルボキシ末端部分に存在する31又は32個のアミノ酸のストレッチであり、これは3回又は4回繰り返されることがある。更なる多様性は、タウ分子のNH2 末端部分の長さ29又は58アミノ酸の挿入により生成される(Goedert et al., 1989)。簡単にするため、本特許出願の全ての番号付けは、Goedert et al.(1989)による全てのエキソンを含有するタウ変異体htau40(441アミノ酸の長さ)を参照する。
正常な環境下で、タウは、ニューロンの軸索区画における微小管の会合と安定性を促進する。タウの微小管結合ドメインは、タウの反復領域(255〜381)に局在し(Lewis et al., 1990)、隣接領域〔カルボキシ末端尾部(382〜414)とプロリン豊富領域(143〜254)〕により調節される(Drubin and Kirschner, 1991)。微小管の安定性と束形成は、タウのカルボキシ末端尾部にある短い疎水性ジッパー(hydrophobic zipper)により媒介される(Lewis et al., 1989)。集合及び安定性は両者とも、選択的mRNAスプライシング及びリン酸化により調節される。
正常な環境下で、成人の脳は、タウ1mol 当り、特にセリン404に存在する(Poulter et al., 1993)リン酸2〜3mol を含有する(Selden and Pollard, 1983; Ksiezak-Reding et al., 1992)。一方、他の結果により、正常タウの異なる部位のリン酸化が、異なる発生のプロフィールに従うことが証明されている(Lee et al., 1991; Bramblett et al., 1993; Goedert et al., 1993a)。60、64及び68kDa の異常タウ変異体は、神経原線維の変化及び老人斑を示す脳領域のみに検出された(Delacourte et al., 1990)。これらのタウ分子をアルカリホスファターゼで処理すると分子量が正常タウなみに変化するため、タウの異常な電気泳動挙動は、リン酸化によるものである(Goedert et al., 1992; Flament et al., 1990b; Greenberg and Davies, 1990)。現在、異常リン酸化部位は、PHF−タウで46、231、235、263及び396位に検出されている(Iqbal et al., 1989; Lee et al., 1991; Hasegawa et al., 1992)。これらの部位の4つで、リン酸化残基の後にプロリン残基があり、これは、タウの異常リン酸化の幾つかにプロリン指向キナーゼが関与することを示している。これらの部位に加えて、他の10個の部位がhtau40には存在し、抗体反応性により示されるように、このうち2個が異常にリン酸化されている(Mabタウ2:Watanabe et al., 1992;Mab AT8:Biernat et al., 1992; Goedert et al., 1993)。
アルツハイマー病におけるタウの異常リン酸化は、ホスファターゼ/ キナーゼ平衡のシフトによる。インビトロで、幾つかのキナーゼ〔cdc2−キナーゼ(Vulliet et al., 1992; Ledesma et al., 1992)、MAPキナーゼ(Drewes et al., 1992; Roder and Ingram, 1991)、グリコー ゲンシンターゼキナーゼ(Mandelkow et al., 1992)、及びTPKIとTPKII(Ishiguro et al., 1992)〕はタウをリン酸化することができる。ホスファターゼはアルツハイマー病であまり研究されておらず、これまでのところ、ただ1つのホスファターゼ(即ち、蛋白ホスファターゼ2A1)が、異常にリン酸化された部位をインビトロで脱リン酸化できたにすぎない(Goedert et al., 1992)。
これまで、抗体を介する(Mab Alz50:Ghanbari et al., 1990;Mab Ab423:Harrington et al., 1991)か、分子量の変化を介する(Flament et al., 1990; Delacourte et al., 1993)か、又は機能測定による脳抽出物中のPHF−タウの検出は、正常加齢被験者又は他の型の痴呆症の患者から、細胞骨格の性質が変化した痴呆症を識別するのに非常に有用であった。それにも拘らず、CSF中のPHF−タウの検出は、セリン202のような異常にリン酸化された部位の1つに対する抗体を使用しても、不可能なままであった(Goedert et al., 1993)。これは、下記の理由のいずれか又は複数に帰することができる:1)CSF中のPHF−タウの濃度が低いこと、2)全てのリン酸化可能部位中でリン酸化部位が均等に使用されないこと、3)これらの部位のホスファターゼ感度に差があること、及び、4)使用された抗体の親和性定数が低すぎること。
したがって、本発明の目的は、脳脊髄液中に存在する異常にリン酸化されたタウの信頼できる高感度の検出を可能にするモノクローナル抗体を提供することである。
本発明はまた、上記モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを提供することを目的とする。
本発明は更に、上記モノクローナル抗体により認識される、脳ホモジネート、又は脳脊髄液のような体液中に存在する異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープを提供することを目的とする。
最後に、本発明は、異常にリン酸化されたタウ蛋白に関連する脳疾患のインビトロの検出又は診断のための方法を提供することを目的とする。
更に詳しくは、本発明は、下記アミノ酸配列:
Figure 0004110057
を有する143〜254位にわたる領域に存在する、異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)に属する抗原のリン酸化エピトープとの免疫複合体を形成するモノクローナル抗体に関し、このモノクローナル抗体は、脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化されたタウ蛋白(PHF−タウ)を特異的に検出することができることを特徴とする。
本発明のモノクローナル抗体は、アルツハイマー病患者由来のヒト脳組織から抽出されたPHF−タウで直接免疫することにより得られた、一連のモノクローナル抗体から選択された。更に詳しくは、本発明のモノクローナル抗体は、天然に存在する異常にリン酸化されたタウに特異的に結合することを特徴とする。これらのエピトープの更なる分析により、本発明のモノクローナル抗体が、タウ分子の特定の領域(即ち、SP及びTPに対するキナーゼにより使用されるT153やS235のような幾つかの可能なリン酸化部位を含む143と254との間の領域)に限定されたリン酸化エピトープに対するものであることが示された。本発明のモノクローナル抗体は、更に、Goedert et al.(1993)に定義されたモノクローナル抗体AT8のエピトープとは異なるエピトープを認識し、AT8抗体と比較してCSF中のPHF−タウの検出が可能であることを特徴とする。これらは、脳切片、免疫ブロット又はELISAにおいて優先的にPHF−タウを認識し、そして驚くべきことに、これらは、単独で又は他のPHF−タウ特異的抗体と組合せて、CSF中のPHF−タウを検出することができる。
結論として、本発明のモノクローナル抗体は、リン酸化状態が上述のタウ分子の特定の領域に限定される天然に存在する異常にリン酸化されたタウに特異的に結合するか、又はプロリン指向キナーゼ(上述の領域中の特にSer−Pro又はThr−Pro部位のリン酸化を誘発することができる)による処理後の組換え非リン酸化タウに結合することを特徴とする。MAPキナーゼ(Sturgill et al., 1991)、cdc2キナーゼ(Labbe et al., 1991)及びグリコーゲンシンターゼキナーゼ(Vandenheede et al., 1980)のようなプロリン指向キナーゼは、種々の組織から精製することができるか、又は脳抽出物に存在しうる。これらのキナーゼによるタウのリン酸化は、下記の1つ以上のセリン/トレオニンがAlaのようなアミノ酸に突然変異すると、完全に消滅するか大きく減少する:T153、T175、T181、S199、S202、T205、T212、T217、T231、又はS235。したがって、これらの抗体に関するエピトープは、このような突然変異体タウにより、又は原核生物で発現された組換えタウのような非リン酸化タウやこれらのリン酸化相同体(ホモログ)により、又はヒトタウ40蛋白の上述の領域の部分と同じアミノ酸配列を有する合成ペプチド(このペプチドは、上記キナーゼによりリン酸化されることができるか、又はペプチドの合成時にリン酸化され得ない)により性状解析することができる。このように、本発明のエピトープは、タウの143位と254位との間のプロリン豊富領域として定義され、これらの抗体に関するエピトープ(以後「PHF−タウエピトープ」と呼ぶ)に含まれるトレオニン153(T153)、T175、T181、S199、S202、T205、T212、T217、T231及びS235又はこれらの部位の組合せで、異常にリン酸化されることができる。
「異常にリン酸化されたタウ蛋白を特異的に検出する」という表現は、本発明のモノクローナル抗体が、CSF中に存在する正常タウと交差反応することなく、CSF中の異常にリン酸化されたタウを検出するという事実に対応する。
「〜と免疫複合体を形成する」という表現は、本発明のモノクローナル抗体が、下記方法の1つに述べられる条件下で上記抗原と結合することを意味する:
− 免疫光学顕微鏡法
脳組織試料(例えば、手術又は剖検で得られたアルツハイマー患者のもの)を、4%ホルマリン又はブアン固定液(Bouin's fixative)に浸漬することにより固定し、切片作成のためにパラフィンに包埋する。本発明のモノクローナル抗体を、発色のため3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩を用いるアビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体法(Hsu et al., 1981)のような、生成された免疫複合体を可視化する方法と組合せて適用する。ハリス(Harris)ヘマトキシリン染色により切片をカウンター染色する。
− 組織切片の免疫電子顕微鏡法
脳組織試料(例えば、手術又は剖検でアルツハイマー患者から得られたもの)を、ブアン固定液又は10%緩衝化ホルマリンで固定して、包埋することなく切片を作成する〔ビブラトーム(Vibratome)〕。全て当業者に公知の標準法(Brion et al., 1985a)により、本発明のモノクローナル抗体を、間接金免疫法(indirect immunogold method)による免疫染色に使用して、次に切片を固定し、包埋して電子顕微鏡用に切片を作成する。
− 免疫ブロッティング法
免疫ブロッティングのために、記載(Greenberg and Davies, 1990)されたようにPHF−タウ濃縮画分を調製する。典型的には、大部分前頭及び側頭皮質からの灰白質よりなる死後組織を、組織学的に確認されたアルツハイマー患者から得た。このアルツハイマー灰白質脳試料(5〜10g)を、冷緩衝液H(10mMトリス/1mMEGTA/0.8M NaCl/10%蔗糖、pH7.4)10容量と共に、テフロン/ガラスのポッターS(Potter S)〔ブラウン(Braun)、ドイツ〕ホモジナイザー中でホモジナイズした。60Ti MSEローター中で27,000×gで4℃で20分間遠心分離後、ペレットを除き、上澄液を1%(重量/容量)N−ラウロシルサルコシン及び1%(容量/容量)2−メルカプトエタノールに調整して、ミキサー〔スウェラブ(Swelab)、スウェーデン〕で回転させながら37℃で2.5時間インキュベートした。上澄液混合物を108,000×gで20℃で35分間遠心分離した。このPHF−タウ含有ペレットをPBSで穏やかに洗浄して、最後に同じ緩衝液1mlに懸濁した。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動を、12%ゲルで還元条件下で行う(Laemmli, 1970)。電気泳動後、蛋白を、固定してクーマシーブリリアントブルーで染色するか、又はニトロセルロースシート〔ハイボンド−C(Hybond-C)、アマーシャム(Amersham)〕若しくはイモビロン(Immobilon)フィルター〔ミリポア(Millipore)〕に移す(Towbin et al., 1979)。
移した後、このフィルターを、0.05%(v/v)ツイーン(Tween)20を含有するPBS(Tween−PBS)に前もって浸漬し、次に5%(w/v)乾燥スキムミルク及び10%(v/v)ウシ新生児血清を含有する Tween−PBS(ブロッキング緩衝液)中で1時間インキュベートする。次に、このフィルターを、4℃で一晩、ブロッキング緩衝液で適切に希釈した本発明のモノクローナル抗体で処理する。
次に、このフィルターを Tween−PBS中で3回洗浄して、ブロッキング緩衝液で1/3,000に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識 ウサギ抗マウスIgG〔ダコパッツ(Dakopatts)、デンマーク〕で室温で1.5時間処理する。 Tween−PBS中で3回洗浄後、ブロッキング緩衝液で1/250に希釈したストレプトアビジン−ビオチン化西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体〔アマーシャム(Amersham)〕を、室温で1.5時間適用する。次に、このフィルターを Tween−PBS中で3回、PBS中で1回洗浄する。次いでバックグラウンドが染色されるまで、このフィルターを、0.05%(w/v)ジアミノベンジジン及び0.03%(v/v)過酸化水素を含有するPBS中でインキュベートする。
モノクローナル抗体と抗原との間の免疫複合体の形成は上述された正確な条件に限定されず、抗体と抗原の結合の免疫化学的性質に関係する全ての方法が免疫複合体の同様な形成を引き起こすことは明白であろう。
更に詳しくは、本発明は、下記のいずれかとの免疫複合体を形成することを特徴とする上記と同義のモノクローナル抗体に関する:
− 上記と同義の配列(配列番号1)内に位置するリン酸化エピトー プ;又は
− それ自体配列番号1に示されるヒトタウ蛋白領域に位置するリン酸化エピトープと複合体を形成することができるモノクローナル抗体との複合体を形成することができる任意の他のリン酸化ペプチド。
本発明の好適なモノクローナル抗体であるAT180及びAT270は、1992年12月22日に第92122204号として又は1993年7月7日に第93070774号として、ECACC〔動物細胞培養物のヨーロッパ寄託機関(European Collection of Animal Cell Cultures)、ワクチン研究及び生産研究所(Vaccine Research and Production Laboratory)、公衆衛生及び実験室サービス(Public Health and Laboratory Service;PHLS)、応用微生物学及び研究センター(Centre for Applied Microbiology and Research)、ポルトンダウン(Porton Down)、英国ソールズベリー、ウィルトシア州SP4 OJG〕に寄託したハイブリドーマにより産生される。
上述のモノクローナル抗体は、これらのモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを取得し単離する方法により得られる。
本発明の好適なモノクローナル抗体は、コーティング相にこれらのモノクローナル抗体を用いて、異なる量のリン酸化タウ及び非リン酸化タウを加えたCSFと共に増幅することなくこれらをインキュベートして、ELISAで測定する場合、少なくとも1、5、10又は20pg/ml のリン酸化タウを検出することができる。リン酸化タウは、アルツハイマー病で死亡した患者由来の脳組織のタウ抽出物に見い出されるような、タウの異常なリン酸化の部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共に、組換え非リン酸化タウをインキュベートすることにより調製される(Goedert et al., 1993)。
本発明のハイブリドーマを得るための方法は、以下の工程を含む:
− 抗原、好適には以下に開示される本発明のモノクローナル抗体により認識される、異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)、若しくはリン酸化ヒトタウペプチド若しくは免疫親和性精製した異常にリン酸化したタウである抗原で、前もってインビボ免疫した動物(例えば、マウス又は ラット)の脾臓細胞から、又は、同抗原で前もってインビトロ免疫したこのような動物の脾臓細胞から出発して;
− 上記の免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融合させて;そして− 脳脊髄液(CSF)中の異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)
のリン酸化エピトープを特異的に認識することができるモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを選択する。
リン酸化ヒトタウペプチドとは、そのアミノ酸配列中に、ヒトタウのアミノ酸143〜254位にわたる領域に含まれるリン酸化配列を含むペプチドのことをいい、このペプチドは、本発明の抗体と免疫複合体を形成することができることを特徴とする。
本発明の抗原は、有利には、アルツハイマー病、ダウン症候群、ピック病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、又は異常にリン酸化されたタウ蛋白が関係している他の神経疾患を有する患者の、脳、脳脊髄液又は血清に含まれる;この抗原は、本発明のモノクローナル抗体との免疫反応を引き起こす。
更に詳しくは、本発明はまた、上述のような方法により得られ、以下の工程を含むことを特徴とする、上述のモノクローナル抗体に関する:
−(実施例の項で開示するように)アルツハイマー病の患者のヒト脳試料から抽出し精製した異常にリン酸化されたタウ(PHF−タウ)、又はリン酸化ヒトタウペプチド、又は本発明のモノクローナル抗体と反応することができる免疫親和性精製した異常にリン酸化されたタウで前もって免疫したマウスの脾臓細胞から出発して;
− 上記の免疫された細胞を、ハイブリドーマ形成条件下でミエローマ細胞と融合させて;
−(実施例の項に詳細に説明するように)PHF−タウを特異的に認識し、CSF中のPHF−タウを特異的に検出することができるモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを選択する。
本発明のモノクローナル抗体を生産する方法は、以下の工程を含む:
− 上述の選択されたハイブリドーマを適切な培地で培養し;そして
− この選択されたハイブリドーマにより分泌されるモノクローナル抗体を回収するか;又は代わりに
− 選択されたハイブリドーマをマウスの腹腔中に注入し、そしてマウスに腹水が産生された時;
− この腹水から、生成されたモノクローナル抗体を回収する。
本発明のモノクローナル抗体は、インビトロの従来法(例えば、中空繊維又はマイクロカプセルを使用する固定化細胞の培養、あるいは、例えば、エアリフト反応器又は撹拌バイオリアクターを使用する均質な懸濁液中での細胞の培養)により調製することができる。
本発明はまた、本発明の任意のモノクローナル抗体と免疫複合体を形成することができるペプチドに関し、このペプチドは、リン酸化型であり、そして、
− このペプチドの配列は、配列番号1に示される配列のリン酸化部分を含むか、又はこの部分よりなるか、あるいは、
− このペプチドの配列は、本発明のモノクローナル抗体の任意の1つと免疫複合体を形成することができる任意のペプチドの配列を含むか、又はこの配列よりなる。
このリン酸化ペプチドは、好適には6〜100アミノ酸の長さである。本発明のこの実施態様のペプチドは、古典的な化学合成により調製することができる。この合成は、当該分野で公知の任意の方法により、均質な溶液又は固相中で行うことができる。
リン酸化ペプチドは、当該分野で公知の任意の方法により調製される(例えば、de Bont et al., 1990a; de Bont et al., 1990b; Perich, 1991; Otvos et al., 1989)。
好適な実施態様によれば、本発明は、以下の配列:
Val−Arg−Thr−Pro−Pro(アミノ酸229〜233; ヒトタウ40の番号付け、配列番号2)
よりなるか、又はそのアミノ酸配列中にこの配列を含む上述のリン酸化 ペプチドに関し、このThr(231)は、リン酸化されており、このペプチドは、1992年12月22日に第92122204号としてECACCに寄託したハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体AT180と免疫複合体を形成することができることを特徴とする。
別の好適な実施態様によれば、本発明はまた、以下の配列:
Pro−Lys−Thr−Pro−Pro(アミノ酸179〜183;ヒトタウ40の番号付け;配列番号3)
よりなるか、又はそのアミノ酸配列中にこの配列を含む上述のリン酸化ペプチドに関し、このThr(181)は、リン酸化されており、このペプチドは、1993年7月7日に第93070774号としてECACCに寄託したハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体AT270と免疫複合体を形成することができることを特徴とする。
更に別の実施態様によれば、本発明は、免疫することにより請求項1 〜4のいずれか1項記載のモノクローナル抗体を作成することができる、上述のリン酸化ペプチドに関する。
免疫に使用されるペプチドは、好適には、良好な免疫原性応答を達成するために、担体分子に結合された型である。このような担体分子は、当該分野で公知であり、リンカー基(これも当該分野に含まれる)によりペプチドにカップリングされる。
本発明はまた、アルツハイマー病のようなPHF−タウが関与する脳/神経疾患の死後のインビトロの検出又は診断の方法に関し、この方法は、少なくとも以下の工程を含む:
− 本発明のモノクローナル抗体を、抗原抗体複合体の生成に適した条件下で、アルツハイマー病、又は異常にリン酸化されたタウ蛋白(PHF−タウ)が関与する任意の他の疾患であった患者から単離したNFTの調製物又は界面活性剤で抽出した脳ホモジネートと接触させて;
− この脳ホモジネートへのこの抗体の免疫学的結合を検出し、そして場合によってはこの複合体を分離して、精製された形で目的の抗原を回収する。
目的の抗原の回収は、最初に、形成された固定化抗体抗原複合体を洗浄し;
− この複合体を、抗原抗体複合体の解離を引き起こすことのできる溶液(例えば、3M チオシアン酸カリウム、2.5M 塩化マグネシウム、0.2M クエン酸塩−クエン酸、pH3.5又は0.1M 酢酸)で処理し;
そして
− この抗原を精製された形で回収する
ことにより行うことができる。
本発明はまた、アルツハイマー病におけるような異常にリン酸化したタウ蛋白が関与する脳/神経疾患のインビトロの検出又は診断の方法に関し、この方法は、
− CSFの試料、より好適には未濃縮CSF、又はPHF−タウが関与する脳疾患、より詳しくはアルツハイマー病に罹患していることが疑われる患者からの血清の試料、又は脳組織、脳脊髄液若しくは血清から出発する当業者に公知の抽出手順の結果としての蛋白若しくはポリペプチド(Ibqal et al., 1984; Greenberg and Davies, 1990)の試料を、抗原抗体複合体の生成に適したインビトロ条件下で本発明のモノクローナル抗体と接触させて;そして
− 脳抽出物、脳脊髄液又は血清、又は蛋白若しくはポリペプチドの試料へのこの抗体の免疫学的結合を検出することを含む。
有利には、本発明のモノクローナル抗体は、樹脂のような適切な支持体上に固定化された状態にある。あるいは、本発明の方法は、当業者に公知の他の任意の免疫測定法を使用することにより実施することができる。
次いで、抗原の検出方法は、例えば以下のとおり行うことができる:
− 抗原と本発明の抗体とにより形成されたこの抗原抗体複合体を、以下のもの:
− 二次抗体
〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープを有する任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発明のエピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得るか、あるいは
* 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPHF−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポリクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグラフィーにより精製されている)であり 得る〕;
− 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー(このマーカーは、当業者に公知の任意の可能なマーカーである);
− 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では 結合した二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液、
と一緒にする。
免疫学的に結合したモノクローナル抗体の検出は、当該分野に含まれる従来法により達成することができる。有利には、二次抗体自体が、マーカーを有するか、マーカーと直接又は間接にカップリングする基を有する。
本発明のモノクローナル抗体はまた、アルツハイマー病(AD)、及び領域143〜254内の異常にリン酸化されたタウの形成が関与する任意の疾患の、CSFに基づく診断を可能にする(即ち、CSF中の修飾型タウを検出する)。これに関連した問題は、この抗原がCSF中に非常に少量で存在し、このため検出法は非常に高感度である必要があることである。この感度の問題は、(i)本発明のモノクローナル抗体の組合せを使用すること、又は(ii)本発明のモノクローナル抗体と、当該分野で公知の他の正常及び/又は異常にリン酸化されたタウモノクローナル抗体との組合せを使用すること、及び/又は(iii)より高感度のPHF−タウ特異的ELISAを可能にする触媒レポーター固着増幅法(catalyzed reporter deposition amplification technique ;CARD、Bobrow et al., 1989)のような増幅法との組合せで、本発明のモノクローナル抗体又はモノクローナル抗体の組合せを使用することにより、更に克服することができる。
本発明のモノクローナル抗体により得られた結果は、上昇したPHF−タウレベルがADで見出されることを示しているが、アミノ酸143〜254に含まれるタウの領域にタウの異常なリン酸化が生じる他の神経疾患でもこれが起こる可能性がある。
別の実施態様によれば、本発明は、次の1つの疾患、すなわちアルツハイマー病、ダウン症候群、ピック病、及び異常にリン酸化されたタウ蛋白又はらせんフィラメント対が関係する他の神経疾患のインビトロの診断用キットに関し、このキットは、
− マイクロプレートに入れた少なくとも1つの本発明のモノクローナル抗体;
− インビトロ診断すべき試料(CSF、血清又はこれらから抽出した蛋白)を含む調製物;
− 二次抗体
〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープを有する任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発明のエピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得るか、あるいは
* 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPHF−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポリクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグラフィーにより精製されている)であり 得る〕;
− 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー;
− 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では結合した二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液;
− 場合によっては、標準物質の目的のため、又は目的抗原に関する競合物質の目的のための、アミノ酸143〜254にわたる領域に含まれるPHF−タウのエピトープを有するペプチドを含むことを特徴とする。
アルツハイマー病のような、異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳/神経疾患のインビトロ検出又は診断のための本発明の好適な実施態様は、本発明のモノクローナル抗体の混合物(組合せ)、又は少なくとも1つの本発明のモノクローナル抗体と、ヒトタウ40の143〜254位にわたる領域(配列番号1)に存在するPHF−タウの領域を特異的に認識することのできる他の抗体との組合せを含む、上述のような方法又はキットに関し、上記のモノクローナル抗体は、好適には以下のもの:
*(1)1992年12月22日に第92122204号としてECACCに寄託したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル抗体AT180;
*(2)1993年7月7日に第93070774号としてECACCに寄託したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル抗体AT270;
*(3)1991年10月8日に第91100806号としてECACCに寄託したハイブリドーマにより産生される、モノクローナル抗体AT8;
から選択され、そして上記混合物は、好適には以下のリスト:
*モノクローナル抗体(1)及び(2)を含むモノクローナル抗体の混合物;
*モノクローナル抗体(1)及び(3)を含むモノクローナル抗体の混合物;
*モノクローナル抗体(2)及び(3)を含むモノクローナル抗体の混合物;
*モノクローナル抗体(1)、(2)及び(3)を含むモノクローナル抗体の混合物;
から選択され、上記の方法又はキットは、更に、
− インビトロ診断すべき試料を含む調製物;
− 二次抗体
〔* 異常にリン酸化されたタウ蛋白のエピトープ、又はエピトープを有する任意のリン酸化タウペプチドのエピトープ(これらのエピトープは本発明のエピトープとは異なる)を認識するモノクローナル抗体であり得るか、あるいは
* 異常にリン酸化されたタウを認識するポリクローナル抗体、又はPHF−タウのエピトープを有するペプチドを認識するポリクローナル抗体(このポリクローナル抗体は、本発明のエピトープとは異なるエピトープと免疫複合体を形成することができ、好適には固定化タウ蛋白を使用する免疫親和性クロマトグラフィーにより精製されている)であり得る〕;
− 特異的標識付けのため又は二次抗体とカップリングするためのマーカー;
− 一方では本発明のモノクローナル抗体と試料との間の、他方では結合した二次抗体とマーカーとの間の免疫反応を行うための適切な緩衝液;
− 場合によっては、標準物質の目的のため、又は目的抗原に関する競合物質の目的のための、PHF−タウのエピトープを有するペプチドを含むか、あるいは使用することを特徴とする。
更に別の実施態様によれば、本発明は、抗体をコーティングし検出することを含むサンドイッチELISA検出フォーマットに関係する、アルツハイマー病のような、異常にリン酸化されたタウ蛋白が関与する脳/神経疾患をインビトロで検出又は診断するための方法又はキットに関し、上記のコーティング抗体は、少なくとも1つの本発明のモノクローナル抗体よりなり、そして上記の検出抗体は、エピトープが本発明のモノクローナル抗体に対するどのエピトープとも異なる正常及び/又は異常にリン酸化されたヒトタウを検出することができる少なくとも1つのモノクローナル抗体よりなる。このような好適なサンドイッチELISAフォーマットは、本発明の実施例の項で詳細に説明される。
表の凡例

第1表
PHF−タウ特異的モノクローナル抗体AT180及びAT270を使用するPHF−タウ及び正常タウの検出。PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモノクローナル抗体でコーティングしたマイクロプレートを、
異なる量の非リン酸化又はリン酸化タウ〔後者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にインキュベートすることにより調製した(Goedert et al., 1993)〕を加えたCSFと共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項に記載のように検出した。
第2表
AD患者、対照患者及び種々の非AD神経疾患の患者からのCSF試料を、記載(実施例III)のように異なる組合せの捕獲用抗体を使用するELISAで試験した。イノテストhtau〔Innotest htau (インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を使用して行い、pg/ml CSFで表した総タウの測定を除いて、全ての値は、mOD 単位として表した。
各構成で使用した実験条件が異なるため、レーン内比較のみが可能である。
第3表
対照患者、AD患者及び種々の非AD神経疾患(OND)のCSF試料を、イノテストhtau(Innotest htau)〔インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を使用して測定した。記載(実施例IV)のように、捕獲用抗体としてAT8、AT180及びAT270を使用し、
検出用抗体としてAT120及びHT7を使用したPHF−タウ特異的ELISAを用いる更なる試験のために、AD患者とOND患者のコホートから、高い総タウ値を有する患者を選択した。結果は、総タウ〔イノテストhtau(Innotest htau)〕についてはCSF中のpg/ml タウで、PHF−タウ特異的ELISAについてはmOD 単位として表した。
実施例I
抗原としてPHF−タウを使用するモノクローナル抗体AT180及び AT270の調製
1.免疫用抗原の調製
Greenberg and Davies(1990)の変法によりPHF−タウを部分精製した。大部分が前頭及び側頭皮質からの灰白質よりなる死後組織を、組織学的に確認されたアルツハイマー患者から得た。このアルツハイマー灰白質脳試料(5〜10g)を、冷緩衝液H(10mMトリス/1mMEGTA/0.8M NaCl/10%蔗糖、pH7.4)10容量と共に、テフロン/ガラスのポッターS(Potter S)〔ブラウン(Braun)、ドイツ〕ホモジナイザー中でホモジナイズした。ホモジネートを、60Ti MSEローター中で27,000×gで4℃で20分間遠心分離後、ペレットを除き、上澄液を1%(重量/容量)N−ラウロシルサルコシン及び1%(容量/容量)2−メルカプトエタノールに調整して、ミキサー〔スウェラブ(Swelab)、スウェーデン〕で回転させながら、37℃で2.5時間インキュベートした。上澄液混合物を108,000×gで20℃で35分間遠心分離した。このPHF−タウ含有ペレットをPBSで穏やかに洗浄して、最後に同じ緩衝液1mlに懸濁した。
抗原調製物を、10%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、続いてポリクローナルウサギ抗ヒト正常タウ抗血清を使用するウェスタンブロッティングにより評価した(Mercken et al., 1992a)。
2.免疫プロトコール及び融合手順
Balb/cマウスを完全フロイントアジュバント中のPHF−タウ調製物100μg で皮下投与により初回免疫し、その後、不完全フロイントアジュバント中の同じ抗原100μg で3週間の間隔で3回腹腔内投与により追加免疫した。融合の前3日目と2日目に、マウスを生理食塩水中のPHF−タウ100μg で追加免疫した。
Kohler and Milstein (1975)の変法を使用して、PEG4000を用いてマウス脾臓細胞をSP2/0ミエローマ細胞と融合させた。
融合実験の細胞を、フィーダー層としてマウス腹腔マクロファージを前もって接種した96ウェルプレートに、4.5×104 脾臓細胞/ウェルの密度で懸濁した。これらのウェルを、連続増殖12日後、以下に詳述するサンドイッチELISAにより、抗PHF−タウ抗体産生についてスクリーニングした。
20%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100mg/ml)、及び非必須アミノ酸を補足したダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)中で、ハイブリドーマの増殖を行った。全ての製品はギブコ(Gibco)(ペーズリー、英国)から購入した。細胞は、加湿したCO2 空気インキュベーター中でインキュベートした。
3.抗PHF−タウ抗体スクリーニングのためのサンドイッチELISA
抗PHF−タウモノクローナル抗体の検出に使用したスクリーニングELISAは、コーティング相に親和性精製したポリクローナルウサギ抗ヒトタウ抗体(Mercken et al., 1992a)を用いるサンドイッチELISA系であった。このために、臭化シアンで活性化したセファロース〔ファルマシア社(Pharmacia, LKB)スウェーデン〕への共有結合による固定を用いる免疫親和性カラムの調製に、Mercken et al.(1992a)に記載されたように調製した精製したヒト正常タウを使用した。親和性結合した抗タウ画分を、このカラムからpH2.5の0.1M クエン酸緩衝液で溶出した。中和後、抗タウ含有画分をプールして、コーティング緩衝液(10mMトリス、10mMNaCl、10mMNaN3 、pH8.5)中で高結合性マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nunc)、ギブコ(Gibco)、ペーズリー、英国〕上に4℃で一晩コーティング(1μg/ml)した。非特異的結合を低下させるため、PBS中の10%飽和カゼイン125μl で30分間オーバーコーティングした後、このプレートを、適切に希釈したPHF−タウ調製物100μl と共に37℃で60分間インキュベートした。このプレートをPBS−0.05% Tween20(v/v)で3回洗浄し;ハイブリドーマ上澄液100μl を添加して、37℃で1時間インキュベーションを続けた。洗浄後、結合したモノクローナル抗体を、ペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウス血清〔ダコパッツ(Dakopatts)、グロストルップ(Glostrup)、デンマーク〕で検出した。全ての試薬は、10%カゼインを含むPBSで希釈した。最後の洗浄後、0.42mM3,5, 3’,5’−テトラメチルベンジジン、100mMクエン酸中0.003%(v/v)H22 、100mMリン酸水素二ナトリウム、pH4.3を100μl 、ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2 SO4 溶液50μl で反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Titertek Multiscan)〔フローラボラトリーズ(Flow Laboratories)、エフラブ社(Eflab, Oy)、フィンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。
このような融合実験から、上記3に記載されたスクリーニング方法を使用して、28個の陽性培養物(即ち、抗PHF−タウモノクローナル抗体を分泌する培養物)を、全1,440培養物の中から選び出した。これらの陽性培養物を、任意にAT1〜AT28と名付けた(これらのハイブリドーマ培養物の幾つか、即ち、AT1〜AT14は、Mercken et al., 1992b により記載されている)。この最初のスクリーニングにおけるように、ウェルの肉眼観察によると、陽性培養物は、大部分混合クローンよりなることが判った(ウェル当り通常1〜4クローンの間)。全てのハイブリドーマ培養物を、当業者に公知の方法である限界希釈法によりサブクローン化して、最終的に均一なイディオタイプを有する抗体を分泌する純粋なハイブリドーマクローンを得た。これらの純粋なハイブリドーマクローンの幾つかを、実施例IIに記載されるようにELISAで正常及びPHF−タウへのこれらの反応性パターンに関して、及び実施例IIに開示されるようにタウ突然変異体を使用するウェスタンブロット解析によりこれらのエピトープの位置に関して、更に試験した。
後者の手順は以下のとおり行った:精製した正常ヒトタウ及びPHF−タウを10%SDS−ポリアクリルアミドゲルにのせて、Laemmli(1970)
による変性条件下で泳動した。
SDS−PAGE後、ニトロセルロース〔ハイボンド−C(Hybond- C)、アマーシャム(Amersham)、ブリュッセル、ベルギー〕への移行を、10mMNaHCO3 、3mMNa2 CO3 、pH9.9中で、冷却しながら 55Vで120分間行った。ブロッティング後、このニトロセルロースをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で平衡化して、蛋白結合部位をブロット緩衝液〔5%(w/v)乾燥スキムミルク及び10%(v/v)ウシ新生児血清を補足したPBS〕でブロッキングした。ブロットした蛋白を各ハイブリドーマの抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。PBS−0.05% Tween20(v/v)で3回洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウス免疫グロブリン〔ダコパッツ(Dakopatts)、グロストルップ(Glostrup)、デンマーク〕を1/3,000希釈で使用して、室温で90分間インキュベートした。全ての抗血清はブロット緩衝液で希釈した。次に、ブロットをPBS/Tween で3回洗浄して、基質溶液〔PBS、0.05%(w/v)3,3’−ジアミノベンジジン、0.03%(v/v)H22 〕で発色させ、次いでH2 O中で反応を停止させた。
これらの解析の結果として、28個のうちで8個のハイブリドーマ(AT180とAT270を含む)が真にPHF−タウ特異的であることが判った。これらのPHF−タウ特異的モノクローナル抗体を、ELISAを使用して脳脊髄液中のPHF−タウ検出能力について最終的に試験した(実施例IVに説明する)。後の実施例に説明されるように、AT270とAT180と呼ばれる2つのモノクローナル抗体が、増幅技法を適用することなく、異なる量のリン酸化及び非リン酸化タウを加えたCSF中で測定すると、少なくとも10pg/ml 以上のリン酸化タウの特異的検出を可能にすることが判った(リン酸化タウは、Goedert et al., 1993に記載されるように、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にインキュベートすることにより調製した)。更に、モノクローナル抗体AT270は、未濃縮CSF中のPHF−タウを検出することができた(後述参照)。AT180の使用に基づく測定では、5倍濃縮CSF中のPHF−タウを検出することができたが、一方AT8では、10倍濃縮CSF中のPHF−タウを検出できなかった。これらの評価基準に基づき、これらのエピトープの更なる性状解析のためにハイブリドーマAT180とAT270を選択し、第92122104号と第93070774号としてECACCに寄託した。
4.抗体クラス及びサブクラスの決定
イノ−LIA(Inno-LIA)〔イノジェネティクス(Innogenetics)、ゲント、ベルギー〕により抗体クラス及びサブクラスを決定した。抗体 AT180及びAT270は、IgG1、カッパサブタイプであるらしいことが判った。
実施例II
PHF−タウ特異的抗体及びこれらのエピトープの性状解析
1.ELISAにおける正常タウからの異常にリン酸化したタウの識別
親和性精製した正常タウの調製はMercken et al.(1992b)に記載されており、PHF−タウについてはGreenberg and Davies(1990);Mercken et al.(1992a)に本質的に記載されている。正常タウ及びPHF−タウ標準物質の純度をSDS−PAGEにより測定した。また、試料を、製造業者の指示通りに420A/Hアミノ酸分析機〔アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems B.V.)、マーセン(Maarssen)、オランダ〕で分析した。正常タウ及びPHF−タウの両方とも、予想されたアミノ酸組成を示した。親和性精製した正常タウ及びPHF−タウ両者の正確な蛋白濃度を、内部標準ペプチドを使用して測定した。
ハイブリドーマAT180又はAT270に由来し、プロテインGカラムクロマトグラフィーにより無血清ならし培地から精製したPHF−タウモノクローナル抗体を、コーティング緩衝液(10mMトリス、10mMNaCl、10mMNaN3 、pH8.5)中3μg/mlで、高結合性マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nunc)、ギブコ(Gibco)、ペーズリー、英国〕上に4℃で一晩コーティングした。非特異的結合を低下させるため、PBS中の10%飽和カゼイン150μl で30分間オーバーコーティングした後、このプレートを、適切に希釈したタウ又はPHF−タウ標準物質100μl と共に37℃で60分間インキュベートした。このプレートをPBS−0.05% Tween20(v/v)で5回洗浄し、2つのビオチン化抗体(AT120及びHT7、Vandermeeren et al., 1993; Mercken, 博士論文)100μl を最終濃度0.2μg/mlで添加して、室温で1時間 インキュベートした。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン〔ジャクソン(Jackson)、インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を1/10,000希釈で室温で30分間添加した。PBS/ Tween20での最終洗浄後、0.42mM3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン、100mMクエン酸中0.003%(v/v)H22 、100mMNa2 HPO4 、pH4.3を100μl 、室温で30分間、ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2 SO4 溶液50μl でこの反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Titertek Multiscan)〔フローラボラトリーズ(Flow Laboratories)、エフラブ社(Eflab, Oy)、フィンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。
AT180及びAT270のPHF−タウに対する特異性を示した(第1表、第1図及び第2図)。これらから、正常タウ1μg でも反応性がないことが判る。
2.組換えタウ突然変異体による選択したPHF−タウ特異的抗体のエピトープのマッピング
タウの4回反復型イソフォームに対応し、NdeI部位がイニシエーターコドンの中にある全長cDNAクローン(ヒトタウ24;htau 24)(Goedert and Jakes, 1990)を、M13mp18のEcoRI部位にサブクローン化した。部位特異的突然変異導入法を使用し、以下のアミノ酸を表すコドンをAlaに変えた:T153、T175、T181、T199、T205、T212、T217、T231、S235。これらを、以降、T153Aなどの突然変異体と呼ぶ。これらの部位の組合せを有する構築物も評価した。NdeIとEcoRIによる切断後、生じた断片を発現プラスミドpRK172(Mc Leod et al., 1987)中のT7 RNAポリメラーゼプロモーターの下流にサブクローン化して、この組換えプラスミドで大腸菌(E. coli)BL21(DE3)(Studier et al., 1990)細胞を形質転換した。細菌培養物を増殖させ、誘導をかけて、記載(Goedert and Jakes, 1990)されるようにタウ蛋白を精製した。
10mMオカダ酸、1mMPMSF、20μg/mlロイペプチン、20μg/mlアプロチニン及び20μg/mlペプスタチン中で成熟ラット脳(1g/2.5ml)をホモジナイズすることにより、脳プロテインキナーゼ活性物を調製し、40,000rpm で4℃で1時間遠心分離した。この上澄液を直接リン酸化に使用した(Goedert et al., 1993)。37℃で、40mM HEPES、pH7.2、2mMATP、2mMMgCl2 、タウ蛋白(1μM)、ラット脳抽出物(1μl)、5mMEGTA、2mMDTT、1μM オカダ酸、1mMPMSF、20μg/mlアプロチニン及び20μg/mlペプスタチンを含むインキュベーション(0.05ml)を行った。脳抽出物の添加により反応を開始し、24時間インキュベートして、アリコートをSDS−PAGEに使用した。対照は、脳抽出物を除いた他は同じ条件下でインキュベートした。
結果
正常なhtau24クローン又はhtau24突然変異体を、ラット 脳抽出物の含有するプロテインキナーゼによりリン酸化して(Goedert et al., 1993)、SDS−PAGEを行い、AT180、AT270又は タウ抗血清134(リン酸化に非依存性)を使用して免疫ブロットした(Goedert et al., 1989)。AT270及びAT180は、脳抽出物によるリン酸化前には野生型又は突然変異型タウ蛋白を染色しなかった。しかし、脳抽出物と24時間インキュベーションした後、AT270は野生型タウを認識したが、T181Aタウを認識しなかった(第3図)。これにより、AT270による染色には、少なくともT181がリン酸化されていることが必要であることが確定した。モノクローナル抗体AT180は、同程度にリン酸化野生型タウを認識したが、リン酸化T231A突然変異体を認識できず、これは、AT180エピトープが認識のためにはT231のリン酸化を要することを示す(第4図)。S235A突然変異体のやや弱い染色は、脳抽出物中の幾つかの因子が、この型の測定を制限しており、このため、リン酸化剤として活性化組換えプロテインキナーゼを使用することにより確認したように、S235部位がそのリン酸化状態に必ずしも完全に変換されなかったという事実による(データは示していない)。組換えタウを活性化組換えMAPキナーゼ単独又はGSK3キナーゼ単独で処理した場合、AT180エピトープは生成されず、一方、
MAPキナーゼとGSK3キナーゼの混合物で同じ実験を行うと、正しくリン酸化が起こり、AT180と免疫反応した。
実施例III
未濃縮CSF中のPHF−タウを検出するためのPHF−タウ抗体の異なる組合せの使用
我々は、検出物質としてAT8抗体の単独使用に基づく異常にリン酸化されたタウを検出するための測定法が、未濃縮のCSFでも濃縮CSFでもAT8エピトープを検出することができなかったことを、以前に示した(Vandermeeren et al., 1993)。AT180及びAT270による継続的な実験では、異常にリン酸化されたタウに存在するAT270のエピトープがほとんどの未濃縮アルツハイマーCSF試料中で検出することができるのに対して、AT180エピトープは高レベルの総タウを含有するCSF試料中の異常にリン酸化されたタウを検出できるにすぎず、全てのアルツハイマーCSF試料中のPHF−タウを検出することはないことが判った。次に、AT270を単独で又は他の抗体(AT8、AT180)との異なる組合せで使用した。異常にリン酸化されたタウが記述されている異なる神経疾患(例えば、ピック病、クロイツフェルド−ヤコブ病、及びパーキンソン病)に罹患している患者のCSF中のPHF−タウの存在を調べるために、固相結合コーティング抗体として、抗体の組合せを使用した(第2表参照)。
好適なPHF−タウ特異的測定法は、以下のように行うことができた:3つのモノクローナル抗体、AT8、AT180、AT270を、10mMトリス、pH8.6、10mMNaCl、10mMNaAz中、最終濃度5μg/mlで、4℃で一晩、高結合性マイクロタイタープレート〔ヌンク(Nunc)、ギブコ(GIBCO)、ペーズリー、英国〕にコーティングした。非特異的結合を低下させるため、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10%飽和カゼイン150μl で1時間オーバーコーティングした後、プレートを、適切に希釈した組換えリン酸化タウ標準物質100μl と共に、又は5% Tween20を補足した未濃縮CSF試料と共に、室温で一晩インキュベートした。このプレートをPBS/0.05% Tween20(容量/容 量)で5回洗浄し、最終濃度0.2μg/mlで2つのビオチン化抗体(AT120及びHT7;Vandermeeren et al., 1993; Mercken, 博士論文)100μl を添加して、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン〔ジャクソン(Jackson)、インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を1/10,000希釈で室温で30分間添加した。PBS/ Tween20での最後の洗浄後、0.42mM3,5,3’,5’−テトラメチルベンジジン、100mMクエン酸中0.003%(容量/容量)H22 、100mMNa2 HPO4 、pH4.3を100μl 、室温で30分間ペルオキシダーゼの基質として添加した。2M H2 SO4 溶液50μl でこの反応を停止させた。タイターテク・マルチスキャン(Titertek Multiscan)〔フローラボラトリーズ(Flow Laboratories)、エフラブ社(Eflab, Oy)、フィンランド〕で450nmで吸光度を読んだ。
実施例IV
選択したPHF−タウ特異的モノクローナル抗体による脳脊髄液試料中のPHF−タウの検出
脳脊髄液試料
患者からの生前のCSF試料を、アントワープ大学病院神経科(the department of Neurology of the University Hospital of Antwerp)で集めた。全ての試料は、通常の診断目的で行った腰椎穿刺により得たものであった。CSF試料は凍結して使用時まで−70℃で保存した。試料は、アルツハイマー患者、神経症の合併がない患者及び種々の神経疾患の患者から採取した。これらの試料を、イノテストhtau(Innotest htau)〔インノジェネティクス(Innogenetics)、ベルギー〕を使用して総タウ濃度を測定して、実施例III で詳述した好適なPHF−タウ測定法によりPHF−タウの存在について更に分析するため、総タウが高値を示す試料を残した。
結果
この測定法と記載したCSF試料とを使用して、第3表に要約した結果を得た。この表から、対照とOND患者については平均PHF−タウレベルはむしろ低いままであった(対照:381mOD ;OND、退行性:423mOD OND、炎症性:392mOD ;OND、血管性:340mOD)が、一方、アルツハイマー患者の平均は814mOD 単位であったことは明らかである。更に、第3表からわかるように、OND群の総タウの高値は、PHF−タウの平行した上昇を常に伴っているわけではないが、一方、AD患者の総タウの高レベルは、常にPHF−タウ濃度の上昇を引き起こしている。したがって、対照群、ONDコホート及びAD患者からの集積した証拠は、AD及びAD関連症候群〔例えば、多発梗塞性痴呆症(multiple infarct dementia)、パーキンソン病合併痴呆症及びある種の特定されない痴呆症〕についてのPHF−タウ測定法の診断特異性を強く示した。
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モノクローナル抗体AT180を使用するPHF−タウ及び正常タウの検出。PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモノクローナル抗体AT180でコーティングしたマイクロプレートを、異なる量の非リン酸化又はリン酸化タウ〔後者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にインキュベートすることにより調製した(Goedert et al., 1993)〕を加えたCSFと共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項に記載のように検出した。 モノクローナル抗体AT270を使用するPHF−タウ及び正常タウの検出。PHF−タウを特異的に認識する飽和量のモノクローナル抗体AT270でコーティングしたマイクロプレートを、異なる量の非リン酸化又はリン酸化タウ〔後者は、組換え非リン酸化タウを、タウの異常なリン酸化部位に対応する位置のSer及びThrアミノ酸をリン酸化することができるラット脳抽出物と共にインキュベートすることにより調製した(Goedert et al., 1993)〕を加えたCSFと共にインキュベートした。結合した抗原を実施例の項に記載のように検出した。 ラット脳からのプロテインキナーゼ活性による野生型及び突然変異型 組換えタウ(ヒトタウ24クローンから発現させた;Goedert and Jakes, 1990)のリン酸化。抗タウ抗血清134、及びモノクローナル抗体AT8及びAT180を用いた免疫ブロット。レーン1、タウ24;レーン2、タウ24+脳抽出物;レーン3、T231 Aタウ24;レーン4、T231 Aタウ24+脳抽出物;レーン5、S235 Aタウ24; レーン6、S235 タウ24+脳抽出物。 ラット脳からのプロテインキナーゼ活性による野生型及び突然変異型組換えタウ(ヒトタウ24クローンから発現させた)のリン酸化。抗タウ抗血清134及びモノクローナル抗体AT8及びAT270を用いた免疫ブロット。レーン1、タウ24;レーン2、タウ24+脳抽出物;レーン3、T175 Aタウ24;レーン4、T175 Aタウ24+脳抽出物;レーン5、T181 Aタウ24;レーン6、T181 Aタウ24+脳抽出物。

Claims (2)

  1. 異常にリン酸化されたタウタンパク質の測定方法であって、以下の工程:
    (a)患者から単離された脳脊髄液における、異常にリン酸化されたタウタンパク質のレベルを検出する工程;
    (b)(a)で得られたレベルを、アルツハイマー病の患者から得られた脳脊髄液の指標として予め定められたレベルの範囲、及び対照患者から得られた脳脊髄液の指標として予め定められたレベルの範囲と比較する工程;及び
    (c)アルツハイマー病の患者から得られた脳脊髄液の指標として予め定められたレベルがアルツハイマー病陽性を示し、対照患者から得られた脳脊髄液の指標として予め定められたレベルがアルツハイマー病陰性を示すという区別の下に、(b)における比較から、(a)におけるレベルがどちらのレベルに属するかを決定する工程;
    を含み、異常にリン酸化されたタウタンパク質のレベルが、AT180及び/又はAT270抗体を用いて検出される、測定方法。
  2. 異常にリン酸化されたタウタンパク質の測定方法であって、以下の工程:
    (a)患者から単離された脳脊髄液における、異常にリン酸化されたタウタンパク質のレベルを検出する工程;
    (b)(a)で得られたレベルを、予め定められた切り捨てレベルと比較する工程;及び
    (c)切り捨てレベルを超えるレベルがアルツハイマー病陽性を示し、切り捨てレベルを下回るレベルがアルツハイマー病陰性を示すという区別の下に、(b)における比較から、(a)におけるレベルが切り捨てレベルを超えているか下回っているかを決定する工程;
    を含み、異常にリン酸化されたタウタンパク質のレベルが、AT180及び/又はAT270抗体を用いて検出される、測定方法。
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