JPH09505530A - 永続的情報のための情報担持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 永続的情報を担持するための情報担持体（１０）を開示する。担持する情報のある決められた領域は、少なくとも一時的に剥離可能な被覆層（１６）で覆い隠される。その情報担持体（１０）は熱反応シート（１２’）を備えているのが望ましく、その上に可変情報が熱を使って印刷される。剥離可能な被覆層（１６）は、熱転写プリンタ（２０）により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 永続的情報のための情報担持体技術分野 本発明は、永続的情報を担持するための情報担持体であり、その情報が書き込 まれている領域が少なくとも一時的に剥離可能な被覆層で覆い隠されているもの に関する。さらに本発明は、このような情報担持体を製造するための方法および システムに関する。発明の背景 上記のようなタイプの情報担持体には、富くじ札などが含まれる。これは通常 、永続的情報（書き換え不能な情報）が前もって印刷された紙製の札である。こ の永続的情報とは、金銭に関する複数の数量であることが多い。賭ける人がこの ような富くじ札を買ったときには、この永続的情報は剥離可能な被覆層で覆われ ている。賭ける人がこの被覆層を例えばコインの縁などで剥がすと、中に隠れて いる永続的情報が現れる。もし運が良ければ、富くじ札に前もって印刷された情 報の中から特定の組合せが現れ、それは賭ける人への払い戻しの証書となる。 剥離可能な被覆層は二つの役割を果たす。第一は、永続的情報を覆い隠すこと により、富くじ札の販売前に起こる不正を防止できる。第二は、賭ける人がどう いう順番で剥離可能な被覆層を剥がすかを自ら決め、中の情報を取り出すため、 賭ける人の興奮度が高まる。 不正による根拠のない申し立てを避けるため、剥離可能な被覆層で完全に永続 的情報を覆い隠さねばならない。さらに、その被覆層は紙製の札に適度の強さで 接着し、販売前の富くじ札の輸送や取扱中に印刷されている永続的情報が現れな いようにしなければならない。しかし同時に、賭ける人が被覆層を剥がそうとし たときには、容易に剥がれる程度の接着でなければならない。現在の所、高光沢 、あるいは鑞引きの紙に永続的情報を前もって印刷した札を用い、その永続的情 報の中から選んだ領域を不透明な着色フィルム、あるいはコーティングで覆うこ と により行っている。発明の概要 本発明の目的は、富くじ札などに使われる永続的情報を担持するための情報担 持体、およびその製造方法を提供することにある。その永続的情報が書き込まれ ている領域は、少なくとも一時的に剥離可能な被覆層で覆い隠されている。また 、その剥離可能な被覆層は、簡単な方法により信頼性のあるものを情報担持体上 に形成することができる。 ここに示す目的は、本発明の請求の範囲１が提供する情報担持体、および請求 の範囲６が提供する方法により達成される。 本発明によれば、剥離可能な被覆層は熱転写技術により情報担持体上に形成す る。熱転写プリンタ自体はよく知られており、選択的に加熱したドットによりイ メージやパターンをインクリボンから写し取る仕組みになっている。以前から、 このような熱転写技術は印刷イメージを得るのに活用されてきた。ここで得られ た印刷イメージは、情報担持体表面にインクが強く接着することで、起きる摩耗 に対し、高い抵抗力を有する。しかしながら本発明では、この熱転写技術を使い 、前もって印刷された情報の上に剥離可能な被覆を得る。 さらに本発明の実施の形態では、情報担持体の一部を構成する熱反応紙の層に 可変情報を熱的に印刷したものを提供する。熱反応紙は、周知のように基材に化 合物をコーティングしたものである。その化合物には、感熱物質（染料の前駆体 、現像剤、増感剤、顔料、バインダーおよび添加剤）が含まれ、これらは約６５ から１１０℃に温度が上がると反応する。反応が起こると、顔料およびその他の 物質は着色層に結合し、所望のイメージを生成する。本発明においては、熱転写 プリンタを使い情報担持体上に可変情報を印刷し、しかる後にその情報を熱転写 被覆層により覆い隠し、かつコンピュータ内に記憶することができる。これによ り、情報担持体の販売者は、どんな情報が販売した情報担持体に書かれているか を確認することができる。 本発明のその他の目的は、ここに主張しているタイプの情報担持体を製造する システムを提供することにある。 この目的は、本発明の請求の範囲１０に提供するシステムにより達成される。 本発明の実施の形態については、独立した請求の範囲においてそれぞれ詳しく 述べる。図面の簡単な説明 以下、添付した図面を参照し、本発明をさらに詳しく説明する。 図１は、本発明が提供する情報担持体を示す図である。 図２は、情報担持体に剥離可能な被覆層を形成する様子を模式的に示した図で ある。 図３は、本発明が提供する情報担持体を製造するための装置を模式的に示した 図である。実施の形態の詳細な説明 図に示す本発明が提供する情報担持体１０は紙の層１２を備え、その上に永続 的情報１４が印刷されている。この永続的情報の決められたある領域は、剥離可 能な被覆層１６で覆い隠されている。図示した実施例では、剥離可能な被覆層１ ６はすでに部分的に取り除かれており、永続的情報の一部が現れている。ここに 示したケースでは、その情報とは複数の金銭に関する数量１８となっている。 本発明の特徴の一つとして、図２に示すように剥離可能な被覆層１６を、熱転 写プリンタ２０を用いて情報担持体１０の紙の層１２に形成することがあげられ る。熱転写プリンタ２０は、固体のインクコーティングを有するインクリボン２ ２を備えている。インクリボン２２は、情報担持体１０の真上にあるキャリア２ ４で支えられている。インクリボン２２から紙の層１２にインクを転写するため には、サーマルプリントヘッド２６が作動し、所定の部分のインクを溶かした後 に、それを紙の層１２に押し付ける。これにより、紙の層１２に印刷された永続 的情報の内の決められた領域が覆い隠される。対向ローラ２９は、情報担持体１ ０を支えると同時に、それがサーマルプリントヘッド２６を通過して、矢印Ａの 方向に移動するように設置されている。被覆層１６と紙の層１２との接着強度は 、使われる紙の種類とインクリボンの種類に依存する。 情報担持体の裏側から隠されている情報が分からないようにするためには、情 報担持体１０は不透明なバッキング層(backing layer)２８を有しているのがよ い。 本発明の第二の特徴としては、情報担持体１０が熱反応シート１２’を備え、 その上に図３に示すサーマルプリントヘッド３０を用いて可変情報が印刷される ことがあげられる。この技術分野で一般的なように、サーマルプリントヘッド３ ０は、セラミック板上に電気回路と線あるいはマトリクス３４に並んだ極小の発 熱素子とを有する基板３２と、ヒートシンクとして働く固定用素子３６とを備え ている。対向ローラ３８は、情報担持体１０がサーマルプリントヘッド３０を通 過する際にそれを支え、図３の矢印Ａの方向に移動させるために設置されている 。 サーマルプリントヘッド３０は、コンピュータ（図示せず）に接続され、それ からのコマンドに反応する。コマンドはランダムに発生させてもよいし、あるい はそれが情報担持体１０に印刷すべき可変情報に影響を及ぼすように制御されて いてもよい。一度可変情報が印刷されると、その情報はコンピュータに記憶され 、情報担持体１０の販売者は、販売した情報担持体１０の中にどんな情報がある かを確かめることができる。可変情報には、機械で読み取り可能なバーコード、 文章、イメージあるいは金銭に関する数量などが含まれてもよい。 一度、情報担持体１０に熱を使って情報が印刷されると、次にそれはコーティ ングステーションを通過する。そこでは、剥離可能な被覆層１６を情報担持体１ ０に形成し、それにより少なくとも一時的には印刷された情報の内の所定の領域 を覆い隠す。本発明によれば、被覆層１６は図２の関連で前に述べたように、熱 転写技術により形成する。このように、情報担持体１０は、サーマルプリントヘ ッド２６を通って移動し、その決まった領域にはインクリボン２２からのインク が押し付けられる。当業者には明らかなように、インクリボン上のインクの融点 は、熱反応紙を活性化する臨界温度より低くなければならない。 情報担持体の裏側から隠されている情報が分からないようするためには、情報 担持体は前に述べたような不透明なバッキング層２８’を有しているか、または 熱反応紙の層１２’と普通紙などのバッキング層２８’との間に不透明なバリア シート４０を有しているのがよい。 これまで述べてきたことから解かるように、本発明は特に富くじ札を製造する のに向いている。一つのプリンタユニットに接続したコンピュータで、様々な形 式の富くじ札がプログラムできると考えられる。賭ける人が富くじ札を購入した いと思ったら、好きな番号などを言って希望する種類の富くじ札を選ぶことがで きる。販売者はプリンタに接続されたコンピュータのキーパッド上のボタンを押 して、富くじ札をプリンタから発券する。富くじの主催者は、当たり札が発券さ れたかどうかを確かめるべく、コンピュータにアクセスすることができる。もし 当たり券が出ていれば、それは国内のどこで、どのプリンタが印刷したのかが分 かる。主催者は、当たり券の数やその発券場所に影響を与えることも可能である 。 無論、本発明は上で述べた説明や示した図に制限されるものではなく、後に示 す請求の範囲の中で変更を加えることも可能である。例えば、永続的情報の一部 を前もって印刷しておき、可変情報は被覆層で覆う直前に印刷するようにしても よい。可変情報は即時解答式発券用プリンタで印刷する。このプリンタは、販売 時点情報管理システム（ＰＯＳシステム）の一部をなすコンピュータにより制御 する。情報担持体は、連続式のロール型、あるいは枚葉型であってもよい。さら に、熱反応紙の層が、耐性被覆を有していてもよい。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１１月２０日 【補正内容】 英文明細書１〜２ページ補正書の翻訳文 明細書 永続的情報のための情報担持体技術分野 本発明は、永続的情報を有する情報担持体であり、その情報が書き込まれてい る領域が少なくとも一時的に剥離可能な被覆層で覆い隠されているものに関する 。さらに本発明は、このような情報担持体を製造するための方法およびシステム に関する。発明の背景 上記のようなタイプの情報担持体には、富くじ札などが含まれる。これは通常 、永続的情報（書き換え不能な情報）が前もって印刷された紙製の札である。こ の永続的情報とは、金銭に関する複数の数量であることが多い（例えば、米国特 許第４，５９１，１９０号、または欧州特許第０３２６７２４号を参照）。賭け る人がこのような富くじ札を買ったときには、この永続的情報は剥離可能な被覆 層で覆われている。賭ける人がこの被覆層を例えばコインの縁などで剥がすと、 中に隠れている永続的情報が現れる。もし運が良ければ、富くじ札に前もって印 刷された情報の中から特定の組合せが現れ、それは賭ける人への払い戻しの証書 となる。 剥離可能な被覆層は二つの役割を果たす。第一は、永続的情報を覆い隠すこと により、富くじ札の販売前に起こる不正を防止できる。第二は、賭ける人がどう いう順番で剥離可能な被覆層を剥がすかを自ら決め、中の情報を取り出すため、 賭ける人の興奮度が高まる。 不正による根拠のない申し立てを避けるため、剥離可能な被覆層で完全に永続 的情報を覆い隠さねばならない。さらに、その被覆層は紙製の札に適度の強さで 接着し、販売前の富くじ札の輸送や取扱中に印刷されている永続的情報が現れな いようにしなければならない。しかし同時に、賭ける人が被覆層を剥がそうとし たときには、容易に剥がれる程度の接着でなければならない。現在の所、高光沢 、あるいは鑞引きの紙に永続的情報を前もって印刷した札を用い、その永続的情 報の中から選んだ領域を不透明な着色フィルム、あるいはコーティングで覆うこ とにより行っている。発明の概要 本発明の目的は、富くじ札などに使われる永続的情報を担持するための情報担 持体、およびその製造方法を提供することにある。その永続的情報が書き込まれ ている領域は、少なくとも一時的に剥離可能な被覆層で覆い隠されている。また 、その剥離可能な被覆層は、簡単な方法により信頼性のあるものを情報担持体上 に形成することができる。 ここに示す目的は、本発明の請求の範囲１が提供する情報担持体、および請求 の範囲６が提供する方法により達成される。 本発明によれば、剥離可能な被覆層は熱転写技術により情報担持体上に形成す る。熱転写プリンタ自体はよく知られており、選択的に加熱したドットによりイ メージやパターンをインクリボンから写し取る仕組みになっている。以前から、 このような熱転写技術は印刷イメージを得るのに活用されてきた。ここで得られ た印刷イメージは、情報担持体表面にインクが強く接着することで、起きる摩耗 に対し、高い抵抗力を有する。しかしながら本発明では、この熱転写技術を使い 、前もって印刷された情報の上に剥離可能な被覆を得る。 請求の範囲 １． 永続的情報（１４）を有する情報担持体（１０）であって、前記情報担持 体に担持する情報のある決められた領域を、前記情報担持体に接着した剥離可能 な被覆層（１６）で少なくとも一時的に覆い隠し、前記剥離可能な被覆層は熱転 写インクのコーティング層であることを特徴とする情報担持体。 ２． 請求の範囲１に記載の情報担持体（１０）において、紙の層（１２、１２ ’）を備え、前記永続的情報（１４）が前記紙の層の上に印刷されていることを 特徴とする情報担持体。 ３． 請求の範囲２に記載の情報担持体（１０）において、前記紙の層（１２’ ）は熱反応紙の層であることを特徴とする情報担持体。 ４． 請求の範囲３に記載の情報担持体（１０）において、少なくとも前記永続 的情報の一部が可変情報であって、前記可変情報は、コンピュータに接続された 熱転写プリンタにより生成され、前記熱反応紙の層（１２’）の上に熱を使って 印刷されることを特徴とする情報担持体。 ５． 請求の範囲２、３または４のいずれかに記載の情報担持体（１０）におい て、さらに不透明なバッキング層（２８）を備えることを特徴とする情報担持体 。 ６． 永続的情報を有する情報担持体（１０）を製造するための方法であって、 前記情報担持体に担持する情報のある決められた領域を、前記情報担持体に接着 した剥離可能な被覆層（１６）で少なくとも一時的に覆い隠し、前記剥離可能な 被覆層を熱転写により前記情報担持体に形成することを特徴とする方法。 ７． 請求の範囲６に記載の方法において、前記情報担持体（１０）が紙の層 （１２、１２’）を備え、前記永続的情報（１４）が前記紙の層の上に印刷され ていることを特徴とする方法。 ８． 請求の範囲７に記載の方法において、前記紙の層（１２’）は熱反応紙の 層であることを特徴とする方法。 ９． 請求の範囲８に記載の方法において、少なくとも前記永続的情報の一部が 可変情報であり、前記可変情報は、プリンタに接続された熱転写プリンタにより 生成され、前記熱反応紙の層（１２’）に熱を使って印刷されることを特徴とす る方法。 １０． 永続的情報を有する情報担持体（１０）を製造するためのシステムであ って、少なくとも情報担持体に担持する情報の一部が可変情報であり、担持する 永続的または可変情報のある決められた領域を、前記情報担持体に接着した剥離 可能な被覆層（１６）で少なくとも一時的に覆い隠し、前記システムは、コンピ ュータからのコマンドに反応し、供給される熱反応紙（１２’）上に前記可変情 報を熱を使って印刷するためのサーマルプリントヘッド（３０）と、前記サーマ ルプリントヘッドの後に位置し、前記熱反応紙上の決められた領域に前記剥離可 能な被覆層を形成するための熱転写プリンタ（２０）とを備えることを特徴とす るシステム。 １１． 請求の範囲１０に記載のシステムにおいて、前記情報担持体（１０）に 印刷されている前記可変情報（１４）が前記コンピュータに記憶され、要求に応 じてアクセス可能であることを特徴とするシステム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 永続的情報（１４）を担持するための情報担持体（１０）であって、前記 情報担持体に担持する情報のある決められた領域を少なくとも一時的に剥離可能 な被覆層（１６）で覆い隠し、前記剥離可能な被覆層は熱転写インクのコーティ ング層であることを特徴とする情報担持体。 ２． 請求の範囲１に記載の情報担持体（１０）において、紙の層（１２、１２ ’）を備え、前記永続的情報（１４）が前記紙の層の上に印刷されていることを 特徴とする情報担持体。 ３． 請求の範囲２に記載の情報担持体（１０）において、前記紙の層（１２’ ）は熱反応紙の層であることを特徴とする情報担持体。 ４． 請求の範囲３に記載の情報担持体（１０）において、少なくとも前記永続 的情報の一部が可変情報であり、前記可変情報は前記熱反応紙の層（１２’）に 熱を使って印刷することを特徴とする情報担持体。 ５． 請求の範囲２、３または４のいずれかに記載の情報担持体（１０）におい て、さらに不透明なバッキング層（２８）を備えることを特徴とする情報担持体 。 ６． 永続的情報（３４）を担持するための情報担持体（１０）を製造するため の方法であって、前記情報担持体に担持する情報のある決められた領域を少なく とも一時的に剥離可能な被覆層（１６）で覆い隠し、前記剥離可能な被覆層を熱 転写により前記情報担持体に形成することを特徴とする方法。 ７． 請求の範囲６に記載の方法において、前記情報担持体（１０）が紙の層（ １２、１２’）を備え、前記永続的情報（１４）が前記紙の層の上に印刷されて いることを特徴とする方法。 ８． 請求の範囲７に記載の方法において、前記紙の層（１２’）は熱反応紙の 層であることを特徴とする方法。 ９． 請求の範囲９に記載の方法において、少なくとも前記永続的情報の一部が 可変情報であって、前記可変情報は前記熱反応紙の層（１２’）に熱を使って印 刷することを特徴とする方法。 １０． 永続的情報（１４）を担持するための情報担持体（１０）を製造するた めのシステムであって、少なくとも情報担持体に担持する情報の一部が可変情報 であり、担持する永続的または可変情報のある決められた領域を少なくとも一時 的に剥離可能な被覆層（１６）で覆い隠し、前記システムは、コンピュータから のコマンドに反応し、供給される熱反応紙（１２’）上に前記可変情報を熱を使 って印刷するためのサーマルプリントヘッド（３０）と、前記サーマルプリント ヘッドの後に位置し、前記熱反応紙上の決まった領域に前記剥離可能な被覆層を 形成するための熱転写プリンタ（２０）とを備えることを特徴とするシステム。 １１． 請求の範囲１０に記載のシステムにおいて、前記情報担持体（１０）に 印刷されている前記可変情報（１４）が前記コンピュータに記憶され、要求に応 じてアクセス可能であることを特徴とするシステム。