JPH09504598A - 迷彩布帛 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 可視光の下で非迷彩模様を呈し、且つ、赤外線の下で迷彩模様を呈する布帛。この布帛は、可視光の下において連続的なべた色を有するように見え、これによって警察官の制服に使用するのに適する。

Description

【発明の詳細な説明】 迷彩布帛発明の属する技術分野 本発明は、赤外光の下でのみ迷彩模様が見える迷彩布帛に関する。この迷彩模 様は可視光（電磁スペクトルの可視領域の光）の下では見えない。発明の背景 軍人に長年供給されてきた迷彩制服は、兵士を周囲に溶け込ませ、そして、敵 によって発見される危険を最少限にすることができる。従来の迷彩模様は、人の 輪郭が容易に認識されないように人の形を視覚的に惑わすことを目的とするもの であり、また、周囲の環境に近い色又は明暗部分を備えている。従来、このよう な迷彩はスペクトルの可視領域で有効であるように意図されている。 しかしながら、近年になって、赤外光に感応する夜間照準器が利用できるよう になった。従って、映像増強夜間照準器を所持する狙撃兵は、標的の周囲の赤外 放射によるイルミネーションのために、夜間に標的を捜し出すことができる。軍 人又は警察官の制服に通常使用されている布帛は、通常の周囲環境（例えば、温 帯の群葉）よりも高い赤外線反射率を有する傾向があり、このような人の存在は 夜間に容易に捜し当てられる標的となる。スペクトルの可視領域及び赤外領域の 両方において迷彩模様を有する布帛は入手可能である。しかしながら、このよう な材料は全てのタイプの保安要員にとって適当であるとは限らない。例えば、可 視的に迷彩が施された制服は一般に、警察官による通常使用に不適当なものと見 なされており、警察官の通常の制服は概して、緑色、茶色、青色又は黒色のよう な肉眼で同じ色調に見える色である。 ＧＢ−１，６０５，２６１−Ａ（国防大臣）には、赤外迷彩（infra red camouflage）が可視光迷彩（visible light camouflage）を損なわない複合 型赤外−可視光迷彩システムが開示されている。更に、その赤外迷彩は、迷彩が 施されるべき対象が強力なエネルギー発散体にならないように低い発散率及び高 い反射率を与えるように選ばれる。この迷彩システムは、慣用的な可視顔料で既 に塗装された物体上に赤外線反射材料を備えている可視光透過性バインダーを塗 布することにより提供されよう。 ＧＢ−２，００１，４１７−Ａ（Continental Gummiwerke Aktiengesellschaf t）には、外層が、異なる赤外線反射率の部分を有することによって、赤外線可 視の迷彩模様を備えた防水布が開示されている。 本発明の目的は、迷彩模様が赤外線の下でのみ見える布帛を提供することであ る。発明の要約 このように、本発明は、可視光の下では見えないが、赤外光の下で見える迷彩 模様を含んでなる布帛を提供する。 典型的には、この布帛は可視光下で連続的なべた色を有するように見える。こ のべた色は、通常は暗色であるが、目に明らかないずれかの赤外迷彩に、目に見 えるが、赤外線の下では見えない補いの模様が入れられる場合には、淡色であり 得よう。しかしながら、この布帛は、スペクトルの可視領域において可視の非迷 彩模様で印刷されていてよい。 本発明によると、赤外領域でのみ見えるが、可視領域では見えない迷彩模様を 布帛に印刷することができる。一般的にはこの布帛は、カーボンブラック、キチ ン樹脂又は他の公知の赤外線吸収顔料のような赤外線吸収材料で印刷される。一 般的には、該当する赤外領域は１０００〜１２００ｎｍの範囲である。 この布帛の全赤外線反射率は、布帛が使用される環境の反射率に適合 するように調節される。例えば、温帯の群葉（世界の温帯地域のうちの田園及び 森林地）内での使用にとって必要とされる全赤外線反射率は、通常３５％である 。この値は砂漠条件下では７０％に増加する。降雪又は都市の条件下では他の値 を選んでよい。 選択した全反射率を達成するために、この迷彩模様は、赤外線反射率が異なる 少なくとも２種の領域から成る。これらの領域は、反射率が少なくとも５％、好 ましくは少なくとも１０％、又は、少なくとも１５％も異なる。特に好ましい態 様において、この迷彩模様は、例えば、３０％、４０％及び５０％の、約１０％ ずつ異なる反射率を有する３種の領域を含んでなる。反射率が異なるこれらの領 域の表面積は同一であるか又は必要とされる迷彩模様の種類に依存して変化して よい。一般に、これらの領域はほぼ等しい表面積を有する。 赤外迷彩模様は、概して布帛が染色される前に布帛上に印刷されるが、より一 般的には、布帛が染色された後に布帛上に印刷される。スクリーン印刷が特に好 ましい印刷方法である。防水性及び透湿性を付与するために、この布帛を、適切 な不透水性−水蒸気透過性布帛から形成された内部層にラミネートしてよい。多 くのこのような布帛は公知であり、そして、これらは典型的にはポリウレタン膜 又はコーティングを含む。特に好ましい材料は、Gore-Texの商標名（W.L.Gore & Associates）で入手可能なものであって、水蒸気透過性ポリウレタンコーティ ングで被覆された多孔質延伸膨張ＰＴＦＥ膜を含んでなる。 本発明を次に例としてのみ説明する。実施例１ テロに対抗する警察による使用に適する赤外迷彩模様（可視光の下では目に見 えない）を有する濃緑色布帛を以下のように得た。 質量８０ｇ／ｍ²の緑色に染色された平織ナイロン布帛を入手した。これを、 緩衝剤として炭酸水素ナトリウムを使用したアルギン酸ナトリ ウム増粘剤を含むカーボンブラック含有顔料ペーストを約３重量％用いて迷彩模 様にスクリーン印刷した。この迷彩模様は、反射率が異なる３種の領域から成り 、これらの領域はほぼ等しい表面積を有していた。次いで、この布帛を、従来方 法を用いる定着及び洗浄サイクルにかけた。最初に、この布帛を１０２℃で４５ 分間スチーム処理し、顔料を定着させた。次いで、この布帛を、最初の水槽に少 量の湿潤剤が含まれている５つの水槽から成る直列洗浄に通し、次いで、撚って ロープにし、水中でのスラップ洗浄にかけた。最後に、この布帛をテンターに張 り（平らに広げ、しわにならないように適切に固定した）、次いで、乾燥させた 。洗浄工程の程度は、オーバープリントされた炭素顔料の殆どの量が除去される ように選ばれる（例えば、少なくとも９０重量％の除去）。少量の残留炭素は可 視光の下において見えなかった。 次いで、迷彩布帛を、公知の方法によって、接着剤の断続的な模様を用いて、 その内側にラミネートされたメリヤスナイロントリコットライナーを有するGore -Tex（商標）ポリウレタン被覆多孔質延伸膨張ＰＴＦＥ膜にラミネートした。 拡散反射付属装置を取り付けた分光光度計を用い、１０００〜１２００ｎｍの 範囲で作動させることによって、この布帛の赤外線反射率を決定した。この分光 光度計を最低厚さ２ｍｍの硫酸バリウム参照標準を用いて較正した。この迷彩模 様は、反射率が異なる３種の領域から成る。各領域の反射率を１０００〜１２０ ０ｎｍの範囲で測定し、平均反射率を求めるために、積分し、平均をとった。３ 種の領域の赤外線反射率は、 Ｉ ３０±１０％ II ４０±１０％ III ５０±１０％ であることが見出され、この布帛の全赤外線反射率は約３５％であった。目視に よると、この布帛は一体色の一様な緑色を呈し、赤外迷彩模様は 認められなかった。実施例２ 黒色ポリエステル布帛を同様な方法により処理し、赤外線可視の迷彩模様を有 する布帛を得た。加工に関して上記した実施例１と唯一異なる点は、カーボンブ ラック含有顔料ペーストが、グアーガム増粘剤を含み、緩衝剤として硫酸アンモ ニウムを用い、そして、該ペーストが過熱蒸気を用いる１７５℃で８分間の加熱 によって定着されたことである。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年９月４日 【補正内容】 １）明細書 国際出願明細書第２頁（明細書翻訳文第１頁第２７行〜第２頁第２６行「ＧＢ −１，６０５，２６１−Ａ（国防大臣）・・・１２００ｎｍの範囲である。」） ＧＢ−１，６０５，２６１−Ａ（国防大臣）には、赤外迷彩（infrared camou flage）が可視光迷彩（visible light camouflage）を損なわない複合型赤外− 可視光迷彩システムが開示されている。更に、その赤外迷彩は、迷彩が施される べき対象が強力なエネルギー発散体にならないように低い発散率及び高い反射率 を与えるように選ばれる。この迷彩システムは、慣用的な可視顔料で既に塗装さ れた物体上に赤外線反射材料を備えている可視光透過性バインダーを塗布するこ とにより提供されよう。 ＧＢ−２，００１，４１７−Ａ（Continental Gummiwerke Aktlengesellschaf t）には、外層が、異なる赤外線反射率の部分を有することによって、赤外線可 視の迷彩模様を備えた防水布が開示されている。 ＤＥ−Ｂ−１，０６３，９３６には、景色に現れる色調の平均に対応する可視 色で着色された無模様布帛が開示されている。この可視色は、塩基性布帛染料と 部分被覆着色オーバーレイ（partially-covering colour overlay）とを含んで なる色の混合により達成される。このオーバーレイは、塩基性染料の赤外線レミ ッション値（remission value）が周囲の景色の平均赤外線レミッション値（rem ission value）に対応する値に減少するように選ばれる。 発明の要約 本発明は、可視光の下では見えないが、赤外光の下で見える迷彩模様を含んで なる布帛を提供する。 一般的には、この布帛は可視光下で連続的なべた色を有するように見 える。このべた色は、通常は暗色であるが、目に明らかないずれかの赤外迷彩に 、目に見えるが、赤外線の下では見えない補いの模様が入れられる場合には、明 色であり得よう。しかしながら、この布帛は、スペクトルの可視領域において可 視の非迷彩模様で印刷されていてよい。 本発明によると、赤外領域でのみ見えるが、可視領域では見えない迷彩模様を 布帛に印刷することができる。一般的にはこの布帛は、カーボンブラック、キチ ン樹脂又は他の公知の赤外線吸収顔料のような赤外線吸収材料で印刷される。一 般的には、該当する赤外領域は１０００〜１２００ｎｍの範囲である。 ２）請求の範囲（請求の範囲翻訳文第６頁〜第７頁） 請求の範囲 １．可視光の下で非迷彩模様を呈し、赤外線の下で迷彩模様を呈する布帛。 ２．均一に着色されている請求項１記載の布帛。 ３．迷彩模様が、赤外線反射率が少なくとも１０％異なる少なくとも２種の領 域を含んでなる上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ４．１０００〜１２００ｎｍの領域での平均赤外線反射率が３０〜４０％であ る上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ５．迷彩模様がスクリーン印刷によって塗布される上記請求項のいずれか１項 記載の布帛。 ６．防水性の水蒸気透過性内部層を備えた上記請求項のいずれか１項記載の布 帛。 ７．濃色であり、且つ、迷彩模様が炭素含有材料により施され、且つ、迷彩効 果が異なる炭素濃度を有する炭素含有材料の領域により与えられる上記請求項の いずれか１項記載の布帛。 ８．迷彩模様の反射率が、選ばれた周囲環境の反射率に適合するように選ばれ た上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ９．以下の工程を含んで成る赤外線可視の迷彩模様を布帛上に施す方法： 硬化性マトリックス中に担持された赤外線吸収材料を布帛上に迷彩模様に塗布 する工程； 前記マトリックスを硬化させる工程；及び 迷彩模様が可視光の下で見えないように、十分な赤外線吸収材料を除去するた めに布帛を処理する工程。 １０．赤外線吸収材料が炭素である請求項９記載の方法。 １１．警察官の制服に使用するのに適する連続的な濃いべた色を有するように 可視光の下で見え、赤外線の下で迷彩模様を有するように見える布帛であって、 迷彩模様が異なる炭素濃度を有する炭素含有材料の領域により与えられ、前記材 料中の炭素が可視光の下では見えない布帛。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ)，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．可視光の下で非迷彩模様を呈し、赤外線の下で迷彩模様を呈する布帛。 ２．均一に着色されている請求項１記載の布帛。 ３．迷彩模様が、赤外線反射率が少なくとも１０％異なる少なくとも２種の領 域を含んでなる上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ４．１０００〜１２００ｎｍの領域での平均赤外線反射率が３０〜４０％であ る上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ５．迷彩模様がスクリーン印刷によって塗布される上記請求項のいずれか１項 記載の布帛。 ６．防水性の水蒸気透過性内部層を備えた上記請求項のいずれか１項記載の布 帛。 ７．濃色であり、且つ、迷彩模様が炭素含有材料により施され、且つ、迷彩効 果が前記材料中の炭素の異なる濃度により与えられた上記請求項のいずれか１項 記載の布帛。 ８．迷彩模様の反射率が、選ばれた周囲環境の反射率に適合するように選ばれ た上記請求項のいずれか１項記載の布帛。 ９．以下の工程を含んで成る赤外線可視の迷彩模様を布帛上に施す方法： 硬化性マトリックス中に担持された赤外線吸収材料を布帛上に迷彩模様に塗布 する工程； 前記マトリックスを硬化させる工程； 迷彩模様が可視光の下で見えないように、十分な赤外線吸収材料を除去するた めに布帛を処理する工程。 １０．赤外線吸収材料が炭素である請求項９記載の方法。 １１．選ばれた周囲環境に対して物体をカムフラージュする方法であ って、反射率が選ばれた周囲環境の反射率に適合するように選ばれ、可視光の下 では見えないが、赤外線照射の下で見える迷彩模様を有する迷彩被覆材料を提供 することを含む方法。 １２．迷彩模様の平均反射率が３５〜４５％である、温帯の群葉に対して物体 をカムフラージュするための請求項１１記載の方法。