JP2004053039A - 遠赤外線偽装服 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の迷彩戦闘服とほぼ同等の着用性、活動性および目視、近赤外線偽装性を有しながら遠赤外線による探知に対しても周辺自然界との高いマッチング性を有し、高度な偽装性を確保する迷彩戦闘服を提供する。
【解決手段】カバーファクター18以上で構成される布帛の少なくとも表面に金属材料が処理され、この処理面に3色以上の迷彩状プリントが施され、かつ、以下の(1)および(2)を満足してなる生地により縫製されてなる対遠赤外線偽装性を有する服。
(1)服地表面の面積加重平均輻射能(ε):0.4≦(ε)≦0.85
(2)各色間の最大輻射能ε差R :0.1≦R≦0.6
【選択図】なし
【解決手段】カバーファクター18以上で構成される布帛の少なくとも表面に金属材料が処理され、この処理面に3色以上の迷彩状プリントが施され、かつ、以下の(1)および(2)を満足してなる生地により縫製されてなる対遠赤外線偽装性を有する服。
(1)服地表面の面積加重平均輻射能(ε):0.4≦(ε)≦0.85
(2)各色間の最大輻射能ε差R :0.1≦R≦0.6
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠赤外線利用のカメラで撮影されても周辺の天然自然界中にマッチングしているため、極めて探知が困難であり、また、目視および近赤外線の探知に対しても同様に探知困難となる服を提案するものである。従って、軍需用の戦闘服に代表される迷彩服に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
人が着用する服は、人体・体温のために必然的に植生に代表される天然自然界より数℃高い温度となる。天然自然界中で活動する戦闘員は、遠赤外線カメラ(装置)で撮影されると、遠赤外線放射エネルギー密度は、天然自然界とはエネルギーレベルが異なるため、天然自然界と明らかに異なる映像で撮影され、結果として極めて簡単にその存在が把握、敵方からの攻撃対象とされる。この遠赤外線による探知は、とくに夜間に有効であるため、種々の対策が過去に提案されている。
【0003】
現存する全ての物体は電磁エネルギー波を放射している。その電磁波波長は物体温度により決定され、この温度が常温レベルの場合は約10μmの遠赤外線を主に放射する。一方、かかる電磁波は、空気中の炭酸ガス、水蒸気、酸素、窒素等に吸収されるが、これらの吸収がない波長域が5または10μm近傍に存在し、一般的に「大気の窓」と称されている。
遠赤外線カメラは、この「大気の窓」を利用して、各物体が自ら放射するエネルギー・レベルをキャッチ、映像化している。本発明が目的とする戦闘員等の探知には、主に放射される遠赤外線波長が10μm近傍である点から前記の10μm帯を利用して映像化する探知カメラがごく一般的に用いられる。また、その探知カメラの映像化は、各種物体から放射される10μm近傍の遠赤外線放射エネルギー密度の大小をキャッチ、映像化されるものである。従って、本発明が目的とする遠赤外線カメラによる探知を困難とするためには、戦闘服表面から放射される10μm近傍の遠赤外線エネルギー密度をいかに周辺の天然自然界に近似させるかが課題である。
【0004】
かかる遠赤外線カメラによる探知からの回避、偽装に対する従来技術は、戦闘服の表面温度を低下させて遠赤外線偽装性を得るために服内層部に断熱性の高い綿等の層を設ける方法が提案されている。しかし、この方法は、重く活動性が大幅に低下すると共に人体からの熱放散が大きく抑制するために戦闘服としての基本性能が欠落、実用に耐え難いものである。また、特開平6−137792、特開平8−14799等で格子状ネットに合成樹脂着色シートを裁断、貼付けた所謂、ネット/リーフ形状体を戦闘服の上に羽織る方法が提案されている。この方法は、戦闘服とネット/リーフ品との間に空間ができるために遠赤外線偽装性はある程度向上する。しかし、その遠赤外線偽装効果は、ネット/リーフ体の面積被覆率が100%とはならないために戦闘服表面から発せられる高エネルギー密度の遠赤外線の一部がこの層を透過するために偽装性に問題がある。また、リーフ部を天然自然界と全く同一温度にすることは理論的に不可能であり、充分な遠赤外線偽装性の確保とはならず、究極の偽装性確保がなされない。また、当然、かかるネット/リーフ体を戦闘服上に羽織る点から活動性を大幅に低下させる大きな問題を有するものである。
【0005】
また、特開平6−137795等で遠赤外線放射率の異なるビーズを服表面に迷彩状に貼付けて偽装する方法が提案されている。この方法は活動性等の問題は大幅に改善されるが、取付けられたビーズは活動中および洗濯中に脱落し易く耐久性に、また、同法は、目視および近赤外線に対する偽装性に難点がある。
以上の従来技術による遠赤外線を利用した探知からの偽装は、種々の問題を抱えているのが現状であり、このため、ごく限られた特殊なケースを除き、実際には利用されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術が抱える種々の問題がなく、従来の迷彩戦闘服とほぼ同等の着用性、活動性および目視、近赤外線偽装性を有しながら遠赤外線による探知に対しても周辺自然界との高いマッチング性を有し、高度な偽装性を確保する迷彩戦闘服を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために種々の検討を加えた結果、布帛の少なくとも片面に遠赤外線放射率が低い金属材料を付着させ、この表面上に顔料/バインダーを主成分とする迷彩状の捺染プリントを施し、その面積加重平均の輻射能(遠赤外線エネルギー大小を左右する物質固有の係数、以下単に輻射能と記載することがある)を特定範囲に制御および迷彩各色間の輻射能に差を設け、当該面を戦闘服の表面として縫製される戦闘服が極めて優れた遠赤外線偽装性を示し、かつ、戦闘服としての基本性能を保有し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明はカバーファクター18以上で構成される布帛の少なくとも表面に金属材料が処理され、この処理面に3色以上の迷彩状プリントが施され、かつ、以下の(1)および(2)を満足してなる布帛により縫製されてなる対遠赤外線偽装性を有する服である。
(1)布帛表面の面積加重平均輻射能(ε):0.4≦(ε)≦0.85
(2)各色間の最大輻射能差R :0.1≦R≦0.6
また本発明は、好ましくは布帛に処理される金属が銅、ニッケル、アルミニウム、銀または/および金である上記の対遠赤外線偽装性を有する服であり、より好ましくは布帛に処理する金属が銅からなり、かつ、メッキ法で付与されてなる上記の遠赤外線偽装性を有する服であり、さらに好ましくは布帛に処理する金属が燐片状アルミニウムからなる上記の遠赤外線偽装性を有する服であり、金属処理面上に3色以上の顔料捺染により迷彩プリントが施され、かつ、900nm波長における光反射率の面積加重平均値が30%以上でなる上記の対遠赤外線偽装性を有する服であり、8〜13μm波長域における吸光係数が1×10−3/μm以上でなるバインダーを用いて顔料捺染されてなる上記の対遠赤外線偽装性を有する服に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる布帛を構成する繊維素材は何らの制約を設ける必要はなく、ビニロン、難燃ビニロン、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、メタ系アラミド系からなる繊維素材単独およびこれらの混紡、混撚素材が利用可能である。また、その布帛構成も平織、綾織等の織物あるいはニット等が利用可能であり、繊維素材と同様に何らの制約の必要がない。ただし、その布帛のカバーファクターは18以上であることが必要である。この理由は、カバーファクターが18未満である場合は、布帛を構成する糸/糸間に形成される隙間が大きくなり、人体等の戦闘服内部から放射される遠赤外線がその隙間から漏洩し、遠赤外線探知カメラに映像化され易くなるためである。一方、カバーファクターが大きくなりすぎると服からの通気、透湿性が低くなり、また、服地が剛直になるために好ましくない。本発明の布帛のカバーファクターは好ましくは20〜50の範囲であり、より好ましくは25〜40の範囲である。
【0010】
また、遠赤外線偽装性の確保は、着用される戦闘表面から放射される遠赤外線エネルギー密度を周辺の植生等からなる天然自然界に近似させる必要がある。一方、その放射エネルギー密度(Q/A:Qは服全表面積から放射される遠赤外線量、Aは服の表面積)は、理論的に服表面素材で決定される輻射能εと服表面の絶対温度Tの4乗に比例、決定される。このため、遠赤外線偽装効果にすぐれた戦闘服は、植生等からなる天然自然界と服から放射される遠赤外線放射エネルギー密度をほぼ近似させる必要がある。この点を種々検討した結果、迷彩各色の各面積比率と輻射能εの積の和である加重平均輻射能(ε)値は0.4≦(ε)≦0.85の範囲内であることが必須条件であることが判明した。この(ε)値が0.4未満でなる戦闘服は、放射される遠赤外線エネルギー密度が周辺の天然自然界よりも低くなりすぎて、遠赤外線探知カメラにおける映像が周辺より明らかに暗くなりすぎるために偽装性が低下する。逆に、0.85を越えると天然自然界よりも明るく映像化されて偽装性が低下する。このため、戦闘服の迷彩各色部の加重平均輻射能(ε)値は0.4≦(ε)≦0.85の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5≦(ε)≦0.8の範囲であり、より好ましい範囲は0.6≦(ε)≦0.75である。
【0011】
前記した加重平均輻射能(ε)値を好ましい範囲に設定ことだけでは、良好な対遠赤外線偽装を達成することは困難である。すなわち、戦闘服を着用、活動する周辺の天然自然界は場所、季節、気温等で遠赤外線放射性が変動する。しかし、戦闘服から放射する遠赤外線エネルギー密度がこれに追随、変化しなければ、満足する偽装性は得られない。一方、戦闘服から放射される遠赤外線エネルギー密度をカメレオン的に周囲の天然自然界の変化に追随、変化させることは技術対応面で困難である。これを補完して良好な偽装性を確保するために、本発明は戦闘服表面に染色される迷彩各色を同一の輻射能ε値にせず、色間に意識的な輻射能の差を設けるものである。すなわち、遠赤外線探知カメラで探知されても、この各色に染色されている部位間は輻射能に差があるために遠赤外線探知カメラで撮影された映像は、各色間で明暗化され、戦闘服を着用している人型の認識が困難化し、結果的に優れた偽装を達成するものである。このために、戦闘服の迷彩色は3色以上から形成され、かつ、その各色間の最大輻射能差Rが0.1≦R≦0.6の範囲であることが必要である。ここで、各色間の最大輻射能差Rが0.1未満では前記の人型認識の困難化を不十分とし、0.6を越えると遠赤外線映像で明暗がつき過ぎて人工的となり、偽装性が低下するため好ましくない。より高度な遠赤外線偽装を確保するため各色間の最大輻射能差Rは好ましくは0.15≦R≦0.5、さらに好ましくは0.2≦R≦0.4の範囲であり、かつ、迷彩各色間をほぼ等間隔に差をつけた輻射能差とすることが好ましい。
【0012】
本発明の主要構成因子である布帛表面への金属材料処理は、戦闘服表面から放射される遠赤外線放射エネルギー密度を抑制、低下させるために必須の条件であり、その金属素材は輻射能εが0.5以下である材料を選択、適用することが好ましい。具体的には金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、クロム、ニッケル等から選択すればよい。また、これらの2種以上の金属材料を布帛に対して、複層に設けることも本発明上何ら問題はない。さらに、この金属層の厚さは、とくに制約の必要はないが、布帛表面をより高度に被覆する範囲内で薄い層で設けることが服地の風合いから好ましく、0.001〜10μmの厚さが好ましく、より好ましくは0.01〜5μm、さらにより好ましくは0.05〜3μmの厚さである。
【0013】
これら布帛面への金属表面処理の具体的な方法としては、前記の布帛に対し、公知方法による銅メッキあるいは金属箔を裁断、バインダー液中に分散させてなる組成液を布帛表面に公知のグラビア印刷法、各種コート法で処理することが好ましい。また、この金属箔がアルミニウム箔からなる場合放射する遠赤外線放射エネルギー密度の低減化、軽量性並びにコスト面でより好ましく、さらに、表面がエポキシ樹脂等で被覆されたアルミニウム箔材料を裁断、バインダー中に分散される場合が洗濯等による遠赤外線偽装効果の持続性面からより好ましい。
【0014】
本発明の金属処理布帛面への顔料捺染による迷彩パターンの形成および面積加重平均輻射能の確保は、遠赤外線偽装効果から顔料成分およびバインダー成分を吟味して実施することが好ましい。すなわち、顔料捺染に用いる顔料およびバインダー成分は、その下層に設ける金属処理層が有する低輻射能・低遠赤外線エネルギー放射性を大きく損なうことになり、本発明の加重平均輻射能(ε)の確保面等に障害をきたすことがある。このため、本発明の効果を発揮するためには、顔料捺染に供する顔料およびバインダー等の各成分を厳選して実施することが好ましい。すなわち、遠赤外線探知カメラの利用波長が8〜13μm帯である点から、各顔料捺染材料は同波長域に吸収がない、あるいは吸収が比較的小さなものを選択することが好ましく、また、その顔料捺染の厚さも可能な範囲で薄くすることが好ましい。具体的には、本発明の優れた遠赤外線偽装を得るためには、8〜13μm波長域における吸光係数が1×10−3/μm以上、より好ましくは1×10−2/μm以上からなるバインダーを選択することが好ましい。
【0015】
また、かかる顔料捺染に適用し得るバインダー、顔料はその分子中にC−O,C−N,N−H,O−H基が20モル%以下、より好ましくは10モル%以下から構成される材料を適用・使用するのが好適であり、これらの要件を満たすウレタン系、アクリル、ポリオレフィン系等のバインダーおよび有機、無機系顔料が適用可能である。また、これらの顔料は、戦闘服の近赤外線偽装性の確保面から900nm波長における各色の光反射率の面積加重平均値が30%以上をも保持することが好ましく、この点から前記顔料は有機系を主体に用いることが一層好ましい。本発明において、迷彩各色間を異なる輻射能にする方法は、顔料捺染に供する前記の吸光係数が異なるバインダー種、捺染厚さ変更および顔料成分で確保可能である。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、各例の諸物性は、以下に示す方法に従って求めた。
【0017】
[布帛のカバーファクター]
織、編物を構成するタテおよびヨコ糸の番手、打ち込み密度から、以下の算式によって求められる値を布帛のカバーファクターとして測定、定義する。
【数1】
【0018】
[輻射能ε]
20℃に温調された室内において、36℃一定温度に制御された加熱板を水平方向に対して、10°の角度にセットし、この上に供試験体を密着させ、30分間放置後に供試験体を接触型温度計で温度t1℃を、また、8〜13μm帯の遠赤外線カメラで設定輻射能ε=1と設定した際の温度t2℃を測定し、以下の算式により求められた値を供試体の輻射能εとして測定、定義する。
【0019】
【数2】
【0020】
[面積加重平均輻射能(ε)]
迷彩各色の面積比率(S1,S2・・・Sn)および各色部の前記測定法で測定される輻射能(ε1,ε2・・・εn)から下式で求められる値を面積加重平均輻射能として測定、定義する。
【数3】
【0021】
[900nm波長における光反射率の面積加重平均値]
迷彩を形成する各色部について、分光光度計により900nm波長における反射率を測定、各色部の面積比と測定した反射率の積を各色毎に算出、その総和値を900nm波長における光反射率の面積加重平均値として、算出、定義する。
【0022】
[バインダーの8〜13μm波長域における吸光係数]
バインダーをフィルムに成形し、その厚さおよび8〜13μm域の光線透過率を測定する。アウトプットされる光透過曲線を積分し、その面積S1を求め、さらに100%透過時の面積S0から下式により求められる値を8〜13μm波長域における吸光係数Kとして測定、定義する。
【数4】
【0023】
[実施例1〜3]
(1)1.1dtex単繊維の捲縮3.8mm長さの難燃ビニロン(株式会社クラレ製、商品名「バイナール T−18」)70wt%,綿30%を混紡・紡績した30綿番手2本合撚糸した糸を用い、タテおよびヨコにそれぞれ58,50本/inの打ち込み密度の平織組織からなるカバーファクター19.7の布帛を作製した。
(2)この布帛を用いて、公知の無電解メッキ法により、銅メッキを実施した。この銅メッキ処理した布帛を鋭利なカッターで裁断し、その断面を走査型電子顕微鏡で倍率5000倍に設定、その電子顕微鏡写真から布帛上に形成されている銅金属の厚さをn=20部位で測定、その平均値を算出したところ約0.1μmであった。この銅メッキ処理した布帛の輻射能εを測定し、ε=0.3であることを確認した。
(3)この銅メッキした布帛に8〜13μm波長域の吸光係数Kが1×10−0(mm−1)からなるアクリル系バインダーおよび有機系を主とするライトグリーン(LG)、ダークグリーン(DG)、ブラウン(Br)およびブラック(BL)顔料およびカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる捺染糊を用いて、LG/DG/Br/BL=50/25/15/10の各色面積比となるスクリーン捺染で4色の迷彩プリントを実施し、乾燥・熱処理後に水洗、乾燥した(実施例1)。また、上記4色のうちLG色以外の3色を用いて2回目の顔料捺染を実施した(実施例2)。さらには上記4色のうちBr、BLを用いて3回目の顔料捺染を実施した(実施例3)。これら加工布帛の900nm波長における光反射率の面積加重平均値は実施例1では46.2%、実施例2では47.2%、実施例3では47.8%であった。
(4)この加工布帛の輻射能εを測定すると共に、当染色面を表面として服を縫製した。この服を成人男子が着用し、周辺に植生が茂っている屋外で、日没4時間後(気温18℃)および距離20mから遠赤外線カメラ(日本アビオニクス社製、IR−20)で8〜13μmの波長域を撮影し、その映像から対遠赤外線偽装性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明の布帛の少なくとも片面に遠赤外線放射率が低い金属材料を付着させ、この表面上に顔料/バインダーを主成分とする迷彩状の捺染プリントを施し、その面積加重平均の輻射能を特定範囲に制御し、および迷彩各色間の輻射能に差を設けた面を表面として縫製される戦闘服は極めて優れた対遠赤外線偽装性を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠赤外線利用のカメラで撮影されても周辺の天然自然界中にマッチングしているため、極めて探知が困難であり、また、目視および近赤外線の探知に対しても同様に探知困難となる服を提案するものである。従って、軍需用の戦闘服に代表される迷彩服に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
人が着用する服は、人体・体温のために必然的に植生に代表される天然自然界より数℃高い温度となる。天然自然界中で活動する戦闘員は、遠赤外線カメラ(装置)で撮影されると、遠赤外線放射エネルギー密度は、天然自然界とはエネルギーレベルが異なるため、天然自然界と明らかに異なる映像で撮影され、結果として極めて簡単にその存在が把握、敵方からの攻撃対象とされる。この遠赤外線による探知は、とくに夜間に有効であるため、種々の対策が過去に提案されている。
【0003】
現存する全ての物体は電磁エネルギー波を放射している。その電磁波波長は物体温度により決定され、この温度が常温レベルの場合は約10μmの遠赤外線を主に放射する。一方、かかる電磁波は、空気中の炭酸ガス、水蒸気、酸素、窒素等に吸収されるが、これらの吸収がない波長域が5または10μm近傍に存在し、一般的に「大気の窓」と称されている。
遠赤外線カメラは、この「大気の窓」を利用して、各物体が自ら放射するエネルギー・レベルをキャッチ、映像化している。本発明が目的とする戦闘員等の探知には、主に放射される遠赤外線波長が10μm近傍である点から前記の10μm帯を利用して映像化する探知カメラがごく一般的に用いられる。また、その探知カメラの映像化は、各種物体から放射される10μm近傍の遠赤外線放射エネルギー密度の大小をキャッチ、映像化されるものである。従って、本発明が目的とする遠赤外線カメラによる探知を困難とするためには、戦闘服表面から放射される10μm近傍の遠赤外線エネルギー密度をいかに周辺の天然自然界に近似させるかが課題である。
【0004】
かかる遠赤外線カメラによる探知からの回避、偽装に対する従来技術は、戦闘服の表面温度を低下させて遠赤外線偽装性を得るために服内層部に断熱性の高い綿等の層を設ける方法が提案されている。しかし、この方法は、重く活動性が大幅に低下すると共に人体からの熱放散が大きく抑制するために戦闘服としての基本性能が欠落、実用に耐え難いものである。また、特開平6−137792、特開平8−14799等で格子状ネットに合成樹脂着色シートを裁断、貼付けた所謂、ネット/リーフ形状体を戦闘服の上に羽織る方法が提案されている。この方法は、戦闘服とネット/リーフ品との間に空間ができるために遠赤外線偽装性はある程度向上する。しかし、その遠赤外線偽装効果は、ネット/リーフ体の面積被覆率が100%とはならないために戦闘服表面から発せられる高エネルギー密度の遠赤外線の一部がこの層を透過するために偽装性に問題がある。また、リーフ部を天然自然界と全く同一温度にすることは理論的に不可能であり、充分な遠赤外線偽装性の確保とはならず、究極の偽装性確保がなされない。また、当然、かかるネット/リーフ体を戦闘服上に羽織る点から活動性を大幅に低下させる大きな問題を有するものである。
【0005】
また、特開平6−137795等で遠赤外線放射率の異なるビーズを服表面に迷彩状に貼付けて偽装する方法が提案されている。この方法は活動性等の問題は大幅に改善されるが、取付けられたビーズは活動中および洗濯中に脱落し易く耐久性に、また、同法は、目視および近赤外線に対する偽装性に難点がある。
以上の従来技術による遠赤外線を利用した探知からの偽装は、種々の問題を抱えているのが現状であり、このため、ごく限られた特殊なケースを除き、実際には利用されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術が抱える種々の問題がなく、従来の迷彩戦闘服とほぼ同等の着用性、活動性および目視、近赤外線偽装性を有しながら遠赤外線による探知に対しても周辺自然界との高いマッチング性を有し、高度な偽装性を確保する迷彩戦闘服を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために種々の検討を加えた結果、布帛の少なくとも片面に遠赤外線放射率が低い金属材料を付着させ、この表面上に顔料/バインダーを主成分とする迷彩状の捺染プリントを施し、その面積加重平均の輻射能(遠赤外線エネルギー大小を左右する物質固有の係数、以下単に輻射能と記載することがある)を特定範囲に制御および迷彩各色間の輻射能に差を設け、当該面を戦闘服の表面として縫製される戦闘服が極めて優れた遠赤外線偽装性を示し、かつ、戦闘服としての基本性能を保有し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明はカバーファクター18以上で構成される布帛の少なくとも表面に金属材料が処理され、この処理面に3色以上の迷彩状プリントが施され、かつ、以下の(1)および(2)を満足してなる布帛により縫製されてなる対遠赤外線偽装性を有する服である。
(1)布帛表面の面積加重平均輻射能(ε):0.4≦(ε)≦0.85
(2)各色間の最大輻射能差R :0.1≦R≦0.6
また本発明は、好ましくは布帛に処理される金属が銅、ニッケル、アルミニウム、銀または/および金である上記の対遠赤外線偽装性を有する服であり、より好ましくは布帛に処理する金属が銅からなり、かつ、メッキ法で付与されてなる上記の遠赤外線偽装性を有する服であり、さらに好ましくは布帛に処理する金属が燐片状アルミニウムからなる上記の遠赤外線偽装性を有する服であり、金属処理面上に3色以上の顔料捺染により迷彩プリントが施され、かつ、900nm波長における光反射率の面積加重平均値が30%以上でなる上記の対遠赤外線偽装性を有する服であり、8〜13μm波長域における吸光係数が1×10−3/μm以上でなるバインダーを用いて顔料捺染されてなる上記の対遠赤外線偽装性を有する服に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる布帛を構成する繊維素材は何らの制約を設ける必要はなく、ビニロン、難燃ビニロン、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、メタ系アラミド系からなる繊維素材単独およびこれらの混紡、混撚素材が利用可能である。また、その布帛構成も平織、綾織等の織物あるいはニット等が利用可能であり、繊維素材と同様に何らの制約の必要がない。ただし、その布帛のカバーファクターは18以上であることが必要である。この理由は、カバーファクターが18未満である場合は、布帛を構成する糸/糸間に形成される隙間が大きくなり、人体等の戦闘服内部から放射される遠赤外線がその隙間から漏洩し、遠赤外線探知カメラに映像化され易くなるためである。一方、カバーファクターが大きくなりすぎると服からの通気、透湿性が低くなり、また、服地が剛直になるために好ましくない。本発明の布帛のカバーファクターは好ましくは20〜50の範囲であり、より好ましくは25〜40の範囲である。
【0010】
また、遠赤外線偽装性の確保は、着用される戦闘表面から放射される遠赤外線エネルギー密度を周辺の植生等からなる天然自然界に近似させる必要がある。一方、その放射エネルギー密度(Q/A:Qは服全表面積から放射される遠赤外線量、Aは服の表面積)は、理論的に服表面素材で決定される輻射能εと服表面の絶対温度Tの4乗に比例、決定される。このため、遠赤外線偽装効果にすぐれた戦闘服は、植生等からなる天然自然界と服から放射される遠赤外線放射エネルギー密度をほぼ近似させる必要がある。この点を種々検討した結果、迷彩各色の各面積比率と輻射能εの積の和である加重平均輻射能(ε)値は0.4≦(ε)≦0.85の範囲内であることが必須条件であることが判明した。この(ε)値が0.4未満でなる戦闘服は、放射される遠赤外線エネルギー密度が周辺の天然自然界よりも低くなりすぎて、遠赤外線探知カメラにおける映像が周辺より明らかに暗くなりすぎるために偽装性が低下する。逆に、0.85を越えると天然自然界よりも明るく映像化されて偽装性が低下する。このため、戦闘服の迷彩各色部の加重平均輻射能(ε)値は0.4≦(ε)≦0.85の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5≦(ε)≦0.8の範囲であり、より好ましい範囲は0.6≦(ε)≦0.75である。
【0011】
前記した加重平均輻射能(ε)値を好ましい範囲に設定ことだけでは、良好な対遠赤外線偽装を達成することは困難である。すなわち、戦闘服を着用、活動する周辺の天然自然界は場所、季節、気温等で遠赤外線放射性が変動する。しかし、戦闘服から放射する遠赤外線エネルギー密度がこれに追随、変化しなければ、満足する偽装性は得られない。一方、戦闘服から放射される遠赤外線エネルギー密度をカメレオン的に周囲の天然自然界の変化に追随、変化させることは技術対応面で困難である。これを補完して良好な偽装性を確保するために、本発明は戦闘服表面に染色される迷彩各色を同一の輻射能ε値にせず、色間に意識的な輻射能の差を設けるものである。すなわち、遠赤外線探知カメラで探知されても、この各色に染色されている部位間は輻射能に差があるために遠赤外線探知カメラで撮影された映像は、各色間で明暗化され、戦闘服を着用している人型の認識が困難化し、結果的に優れた偽装を達成するものである。このために、戦闘服の迷彩色は3色以上から形成され、かつ、その各色間の最大輻射能差Rが0.1≦R≦0.6の範囲であることが必要である。ここで、各色間の最大輻射能差Rが0.1未満では前記の人型認識の困難化を不十分とし、0.6を越えると遠赤外線映像で明暗がつき過ぎて人工的となり、偽装性が低下するため好ましくない。より高度な遠赤外線偽装を確保するため各色間の最大輻射能差Rは好ましくは0.15≦R≦0.5、さらに好ましくは0.2≦R≦0.4の範囲であり、かつ、迷彩各色間をほぼ等間隔に差をつけた輻射能差とすることが好ましい。
【0012】
本発明の主要構成因子である布帛表面への金属材料処理は、戦闘服表面から放射される遠赤外線放射エネルギー密度を抑制、低下させるために必須の条件であり、その金属素材は輻射能εが0.5以下である材料を選択、適用することが好ましい。具体的には金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、クロム、ニッケル等から選択すればよい。また、これらの2種以上の金属材料を布帛に対して、複層に設けることも本発明上何ら問題はない。さらに、この金属層の厚さは、とくに制約の必要はないが、布帛表面をより高度に被覆する範囲内で薄い層で設けることが服地の風合いから好ましく、0.001〜10μmの厚さが好ましく、より好ましくは0.01〜5μm、さらにより好ましくは0.05〜3μmの厚さである。
【0013】
これら布帛面への金属表面処理の具体的な方法としては、前記の布帛に対し、公知方法による銅メッキあるいは金属箔を裁断、バインダー液中に分散させてなる組成液を布帛表面に公知のグラビア印刷法、各種コート法で処理することが好ましい。また、この金属箔がアルミニウム箔からなる場合放射する遠赤外線放射エネルギー密度の低減化、軽量性並びにコスト面でより好ましく、さらに、表面がエポキシ樹脂等で被覆されたアルミニウム箔材料を裁断、バインダー中に分散される場合が洗濯等による遠赤外線偽装効果の持続性面からより好ましい。
【0014】
本発明の金属処理布帛面への顔料捺染による迷彩パターンの形成および面積加重平均輻射能の確保は、遠赤外線偽装効果から顔料成分およびバインダー成分を吟味して実施することが好ましい。すなわち、顔料捺染に用いる顔料およびバインダー成分は、その下層に設ける金属処理層が有する低輻射能・低遠赤外線エネルギー放射性を大きく損なうことになり、本発明の加重平均輻射能(ε)の確保面等に障害をきたすことがある。このため、本発明の効果を発揮するためには、顔料捺染に供する顔料およびバインダー等の各成分を厳選して実施することが好ましい。すなわち、遠赤外線探知カメラの利用波長が8〜13μm帯である点から、各顔料捺染材料は同波長域に吸収がない、あるいは吸収が比較的小さなものを選択することが好ましく、また、その顔料捺染の厚さも可能な範囲で薄くすることが好ましい。具体的には、本発明の優れた遠赤外線偽装を得るためには、8〜13μm波長域における吸光係数が1×10−3/μm以上、より好ましくは1×10−2/μm以上からなるバインダーを選択することが好ましい。
【0015】
また、かかる顔料捺染に適用し得るバインダー、顔料はその分子中にC−O,C−N,N−H,O−H基が20モル%以下、より好ましくは10モル%以下から構成される材料を適用・使用するのが好適であり、これらの要件を満たすウレタン系、アクリル、ポリオレフィン系等のバインダーおよび有機、無機系顔料が適用可能である。また、これらの顔料は、戦闘服の近赤外線偽装性の確保面から900nm波長における各色の光反射率の面積加重平均値が30%以上をも保持することが好ましく、この点から前記顔料は有機系を主体に用いることが一層好ましい。本発明において、迷彩各色間を異なる輻射能にする方法は、顔料捺染に供する前記の吸光係数が異なるバインダー種、捺染厚さ変更および顔料成分で確保可能である。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、各例の諸物性は、以下に示す方法に従って求めた。
【0017】
[布帛のカバーファクター]
織、編物を構成するタテおよびヨコ糸の番手、打ち込み密度から、以下の算式によって求められる値を布帛のカバーファクターとして測定、定義する。
【数1】
【0018】
[輻射能ε]
20℃に温調された室内において、36℃一定温度に制御された加熱板を水平方向に対して、10°の角度にセットし、この上に供試験体を密着させ、30分間放置後に供試験体を接触型温度計で温度t1℃を、また、8〜13μm帯の遠赤外線カメラで設定輻射能ε=1と設定した際の温度t2℃を測定し、以下の算式により求められた値を供試体の輻射能εとして測定、定義する。
【0019】
【数2】
【0020】
[面積加重平均輻射能(ε)]
迷彩各色の面積比率(S1,S2・・・Sn)および各色部の前記測定法で測定される輻射能(ε1,ε2・・・εn)から下式で求められる値を面積加重平均輻射能として測定、定義する。
【数3】
【0021】
[900nm波長における光反射率の面積加重平均値]
迷彩を形成する各色部について、分光光度計により900nm波長における反射率を測定、各色部の面積比と測定した反射率の積を各色毎に算出、その総和値を900nm波長における光反射率の面積加重平均値として、算出、定義する。
【0022】
[バインダーの8〜13μm波長域における吸光係数]
バインダーをフィルムに成形し、その厚さおよび8〜13μm域の光線透過率を測定する。アウトプットされる光透過曲線を積分し、その面積S1を求め、さらに100%透過時の面積S0から下式により求められる値を8〜13μm波長域における吸光係数Kとして測定、定義する。
【数4】
【0023】
[実施例1〜3]
(1)1.1dtex単繊維の捲縮3.8mm長さの難燃ビニロン(株式会社クラレ製、商品名「バイナール T−18」)70wt%,綿30%を混紡・紡績した30綿番手2本合撚糸した糸を用い、タテおよびヨコにそれぞれ58,50本/inの打ち込み密度の平織組織からなるカバーファクター19.7の布帛を作製した。
(2)この布帛を用いて、公知の無電解メッキ法により、銅メッキを実施した。この銅メッキ処理した布帛を鋭利なカッターで裁断し、その断面を走査型電子顕微鏡で倍率5000倍に設定、その電子顕微鏡写真から布帛上に形成されている銅金属の厚さをn=20部位で測定、その平均値を算出したところ約0.1μmであった。この銅メッキ処理した布帛の輻射能εを測定し、ε=0.3であることを確認した。
(3)この銅メッキした布帛に8〜13μm波長域の吸光係数Kが1×10−0(mm−1)からなるアクリル系バインダーおよび有機系を主とするライトグリーン(LG)、ダークグリーン(DG)、ブラウン(Br)およびブラック(BL)顔料およびカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる捺染糊を用いて、LG/DG/Br/BL=50/25/15/10の各色面積比となるスクリーン捺染で4色の迷彩プリントを実施し、乾燥・熱処理後に水洗、乾燥した(実施例1)。また、上記4色のうちLG色以外の3色を用いて2回目の顔料捺染を実施した(実施例2)。さらには上記4色のうちBr、BLを用いて3回目の顔料捺染を実施した(実施例3)。これら加工布帛の900nm波長における光反射率の面積加重平均値は実施例1では46.2%、実施例2では47.2%、実施例3では47.8%であった。
(4)この加工布帛の輻射能εを測定すると共に、当染色面を表面として服を縫製した。この服を成人男子が着用し、周辺に植生が茂っている屋外で、日没4時間後(気温18℃)および距離20mから遠赤外線カメラ(日本アビオニクス社製、IR−20)で8〜13μmの波長域を撮影し、その映像から対遠赤外線偽装性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明の布帛の少なくとも片面に遠赤外線放射率が低い金属材料を付着させ、この表面上に顔料/バインダーを主成分とする迷彩状の捺染プリントを施し、その面積加重平均の輻射能を特定範囲に制御し、および迷彩各色間の輻射能に差を設けた面を表面として縫製される戦闘服は極めて優れた対遠赤外線偽装性を示す。
Claims (6)
- カバーファクター18以上で構成される布帛の少なくとも表面に金属材料が処理され、この処理面に3色以上の迷彩状プリントが施され、かつ、以下の(1)および(2)を満足してなる布帛により縫製されてなる対遠赤外線偽装性を有する服。
(1)布帛表面の面積加重平均輻射能(ε):0.4≦(ε)≦0.85
(2)各色間の最大輻射能差R :0.1≦R≦0.6 - 布帛の少なくとも表面に処理される金属が銅、ニッケル、アルミニウム、銀および/または金である請求項1の対遠赤外線偽装性を有する服。
- 布帛に処理する金属が銅からなり、かつ、メッキ法で付与されてなる請求項1または2に記載の対遠赤外線偽装性を有する服。
- 布帛に処理する金属が燐片状アルミニウムからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の対遠赤外線偽装性を有する服。
- 金属処理面上に3色以上の顔料捺染により迷彩プリントが施され、かつ、900nm波長における光反射率の面積加重平均値が30%以上でなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の対遠赤外線偽装性を有する服。
- 8〜13μm波長域における吸光係数が1×10−3/μm以上でなるバインダーを用いて顔料捺染されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の対遠赤外線偽装性を有する服。
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