JPH09504018A - 抗掻痒薬としてのイブプロフェンおよびフルルビプロフェン - Google Patents

抗掻痒薬としてのイブプロフェンおよびフルルビプロフェン

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JPH09504018A JP7511332A JP51133294A JPH09504018A JP H09504018 A JPH09504018 A JP H09504018A JP 7511332 A JP7511332 A JP 7511332A JP 51133294 A JP51133294 A JP 51133294A JP H09504018 A JPH09504018 A JP H09504018A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、局所施用による、ヒトを包含する動物における掻痒(痒み)の処置(美容上の処置を包含する)への、イブプロフェン(ibuprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)および(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩の使用に関する。本発明はまた、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)それらの塩を、1種または2種以上の抗掻痒薬として含有し、好ましくは1種または2種以上の当該抗掻痒薬のみを含有する、抗掻痒活性を有する医薬製剤に関する。これらの製剤はまた、医薬上で許容される稀釈剤または担体、増粘剤、pH調節剤、保存剤、および保湿剤を含有することができる。本発明は、掻痒を処置するための医薬の製造への、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの塩の使用、およびまたヒトを包含する動物における掻痒の処置への上記製剤の使用を特許請求するものである。好ましくは、本発明に従い処置される掻痒が、UV−B光線による剌激によって誘発されたものである場合に、本発明の抗掻痒薬はイブプロフェン単独以外である。

Description

【発明の詳細な説明】 抗掻痒薬としてのイブプロフェンおよびフルルビプロフェン 本発明は、ヒトを包含する動物における掻痒症状を処置するために、イブプロ フェン(ibuprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofe n)および(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩を 使用することに関し、この使用において、イブプロフェン、フルルビプロフェン および(または)それらの医薬として許容される塩は局所投与される。本発明は また、掻痒症状を局所処置するための医薬の製造へのイブプロフェン、フルルビ プロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容され る塩の使用に関し、およびまたイブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(ま たは)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩を、1種または2 種以上の抗掻痒薬として含有する医薬製剤に関する。この製剤は、局所施用され た場合に、動物、好ましくはヒトの皮膚の痒みの処置に適している。 掻痒(pruritus)もしくは痒み(itching)は皮膚表面の不快 な症状である。掻痒は複雑な現象であるけれども、ありのままに言えば、引っ掻 き動作による応答を喚起する皮膚感覚であると定義することができる。掻痒の原 因は、かなりの種々の疾患によるものがある。例えば、粗い羊毛の下着との接触 などの僅かな機械的刺激またはシラミまたは疥癬(scabies)などの寄生 虫のような原因のいくつかは局所的であり、容易に取除くことができる。いくつ かの掻痒はさらに全身的であって、慢性症状をもたらすことができる。 掻痒症状(その例は、以下で説明する)では、痒みが、我慢できないほど絶え 間なく続くことがある。多くの場合に、引っ掻き癖が習慣的になり、この動作の 期間中に、皮膚は粗くなり、かつまた厚くなる。これがそれ自体で、痒みを悪化 させ、かつまた持続させる。時には、この症状が慢性になり、皮膚は引っ掻動作 によって変化して、掻痒が回復不可能になる。 従って、掻痒の症状の軽減は不快感を減少させ、かつまた引っ掻き動作を思い 止まらせる処置は非常に重要である。しかしながら、かなりの場合に、完全治癒 は、その裏側にある疾患、例えば真正糖尿病を処置することによって行われるの みであるが、掻痒症状を直接に処置し、かつまたその裏側にある病因を処置する ことが望ましい。 2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の化学名を有するイブプロフェ ンおよび2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の化学名を有す るフルルビプロフェンは、周知の医薬である。イブプロフェンおよびフルルビプ ロフェンは、抗炎症活性、鎮痛活性および解熱活性を有することが知られている 。イブプロフェンおよびフルルビプロフェンの公知用途には、筋肉骨格障害、例 えばリウマチ疾患における痛みおよび炎症の処置、およびまた頭痛、神経痛およ び月経困難症などの別の種々の障害における痛みの処置が包含される。イブブロ フェンおよびフルルビプロフェンは、前記指示の処置用の多くの種々の局所用製 剤の成分である。 本発明の最も早い優先日時点における当該技術状態について、ここで説明する 。 国際出願WO92/22585(Patent Biopharmaceutics Inc.)には、痔症 およびその他の肛門直腸疾患の症状(中でも、掻痒を含む)を、単独の抗掻痒成 分としてヒアルロン酸を使用して処置するための製剤が記載されている。この製 剤には任意の追加成分として不特定の抗炎症剤を添加できる旨の記載があるが、 この抗炎症剤の別の活性については、全く示唆されておらず、あるいはまたこの 抗炎症剤は、抗掻痒剤に抗炎症性を付加する目的以外の目的で、任意に添加する ことについては全く示唆されていない。 米国特許第3.686.183号(Syntex Corp.)のアブストラクトでは、「 α置換されているアリール酢酸は、抗炎症剤、鎮痛剤、解熱剤および抗掻痒剤と して有用である。」旨、主張されている。 しかしながら、この刊行物は、これらの化合物の抗掻痒活性については、これ 以上言及していない。米国特許第3,686,183号で特許請求されている発 明は、α置換されているアリール酢酸のラセミ化方法に関するものである。特許 請求され、説明されている化合物はナフタレン酢酸であり、この特許には、イブ プロフェンおよびフルルビプロフェンのどちらについても特に記述がなく、イブ プロフェンおよびフルルビプロフェンの選択とは掛け離れている。この米国特許 第3,686,183号は、広く種類の化合物に関連するそのアブストラクトに 記載の抗掻痒活性に係わる話としての主張を支持するいかなる実験も記載してお らず、あるいはいかなるデータも示していない。従って、このアブストラクトの 記述は、格別に思弁的記述であると考えざるをえず、このアブストラクトに相当 する刊行物によって支持されているものではない。 上記2つの従来の記述は、イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェ ンを特定して開示するものではない。従って特別の関連性を有するものではなく 、従来の一般的知見を述べているにすぎない。 医薬刊行物中の少なくとも5つの論文には、全身的投与(通常、経口投与)さ れたイブプロフェンが少数の患者において掻痒症状を付随したことがある旨の話 としての証拠が示されている。これは、例えば評論紙、Baelin P.L.等による“ Cutaneous to Rheumatolgical Drugs”(Clin.Rheum.Djs.,1982,8(2).493〜516) で証明されている。ここには、一般的説明として、掻痒症状がイブプロフェン消 化後の皮膚に対する有害反応である旨、記載されている。 これらの引用刊行物は、本出願の最も早い優先日の時点においては、抗掻痒剤 としての全身的イブプロフェンの使用に対する技術的偏見が存在していたことを 明白に示している。 イブプロフェンの全身的投与に付随する掻痒作用に係わる多くの引例に加えて 、論文の一つには、「リウマチの苦痛」を処置するために、5%イブプロフェン 含有ゲルを局所施用した場合の、「僅かな局所的掻痒」を包含する「僅かな不耐 性現象」が記載されている(BafoudによるTherpiewoche Schweiz,1992,8(10),76 4〜768参照)。 1990年7月7日付けのThe Pharmaceutical Joumal[245(6592)]中の論文 “Drug-induced Photosensitivity”には、皮膚を紫外部光線(200〜400 nm)にさらした場合に、掻痒を包含する光線過敏反応を生じさせる多くの全身 性医薬の一つとしてイブプロフェンが挙げられている。光線過敏性医薬の局所用 製剤および全身用製剤が光毒性反応を誘発させることができる旨の一般的記述も なされている。局所用イブプロフェン製剤は特に言及されておらず、それらの使 用による副作用も特に報告されていない。 日本国特許出願J62−223118(Hisamitsu)の英文アブストラクトに は、イブプロフェン誘導体(イブプロフェン ピコノール)を含有する、皮膚疾 患、例えばアトピー性皮膚炎または慢性湿疹を処置するための局所用クリームが 記載されている。しかしながら、この特許には、この製剤がイブプロフェンに係 わる従来公知の活性以外の活性を有することに関しては、示唆していない。むし ろ、イブプロフェン ピコノールの局所施用が、少数の患者において、僅かな掻 痒症状を付随した旨の話としての証拠が見出される(例えば、Yoshida等によるS kin Res.,1985.27.115〜125;Ueda等によるSkin Res.,1988,30(3),385〜396;お よびNippon Hifuka (Nishinihon J Dermatol),1991,53(4),695〜698参照)。 前記の局所用製剤が付随する僅かな掻痒症状はイブプロフェンが付随するもの ではないこともあり、他の因子または成分、例えば製剤のpH、賦形剤および( または)イブプロフェンエステル(イブプロフェン ピコノール)から生じるも のと見做すこともできる。 イブプロフェンを包含する非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)の使用に係 わる話としての証拠は、Journal of American Academy of Dermatology,1993年4 月、603〜609頁に記載されている。この刊行物は、アンケートに答えた68人の 年配の皮膚病学者のうちの無作為に選択されたサンプルの5人がイブプロフェン などのNSAIDを用いる経口処置を掻痒の処置に使用できることを示唆したこ とを付随的に記載している。 “Medical Myths-Poison Ivy:A Rash of Rumours”と題する論文(Consumer R eports Health Letter,1991年6月、45頁)には、大衆薬(OTC)痛み緩和剤(イ ブプロフェンを包含する)が、毒ツタ、毒カシまたは毒ウルジにより生じた掻痒 を緩和するという記載がある。しかしながら、この仮説の証明はなされておらず 、この文脈からは主張されている緩和が鎮痛であるか、抗炎症であるか、あるい は掻痒症状の軽減であるかは明確ではない。 前記の話としての引用例に対して、発赤および掻痒がヘルペスシンプレックス ウイルス感染により生じた場合の報告がまた存在する(Valley M.A.等によるAn aesthesiology,1992,76(6).1056〜1057): 「非ステロイド系抗炎症剤(………[中でも]イブブロフェン………)……… の投与により…………解消されない」。 イブプロフェンによる掻痒の処置を示唆する上記の話として証拠は、本出願の 最も早い優先日の時点において入手できた科学的証拠によってまた、否定されて いる。UV−B光線により誘発された炎症を有する患者において実施された無作 為の二重盲験、クロスオーバー試験において、経口投与されたイブプロフェンが 、この炎症により生じた掻痒症状の処置において、プラセボに優る有意の相当な 効果を有していたことを示す証拠は見出されなかった(Arch.Dermatol.-121巻、1 985年4月、508〜512頁)。ここで、このUV−B光線の用語は、280nm〜3 20nmの範囲の波長を有する電磁線であると定義されている。 肺癌における痛みと掻痒との同時的軽減をフルルビプロフェンの経口使用によ り得ることができることが、一つの特許レポートに話として報告されている(Th e Lancet.1981年9月26日、696頁参照)。R.WinkelmannによるMedical Clinics of North America.66巻、5号、1982年9月はまた、フルルビプロフェンなどの[非サ ルチル酸系]非ステロイド系薬剤の抗掻痒活性に係わる、話としてのみの報告に ついて、ついでのこととして言及している。これらの刊行物はイブプロフェンに は言及しておらず、このようなフルルビプロフェンに係わる抗掻痒活性に関する 言及は話しとしてのみのことであって、科学的に支持されているものではない。 これらの報告はまた、フルルビプロフェン錠剤の投与が、68人の関節炎患者の 内の5人において、掻痒を包含する皮膚に対する作用を付随したという試験結果 に反するものである(Litlle Medical,1980,25(3)巻、100〜101頁)。 従って、本発明の最も早い優先日の時点における、最良の話としての引例でも 、全身的に投与されたイブプロフェンを用いる掻痒の処置は、不明確であり、相 反するものであり、かつまた(あるいは)科学的支持に欠けるものである。掻痒 の処置に、イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェンの局所用製剤を 使用することを明示する公知刊行物は存在していない。 従って、本発明の最も早い優先日の時点で前記引用刊行物のいくつかから通り すがりの話しとして記述に基づいて、掻痒の処置にイブプロフェンおよび(また は)フルルビプロフェンを使用(全身的投与または別段の投与のどちらか)しよ うとする当業者は、この話しとしての証拠が事実に基づくものではないことを教 示する経口投与イブプロフェンの(中でも)抗掻痒活性に係わる組織的実験(掻 痒をUV−B光線により誘発させる実験)の結果から見て、このような使用は望 ましくないものと直ちに判断するものと見做される。さらにまた、掻痒を処置す るためのイブプロフェンの使用または全身的フルルビプロフェンの使用に係わる 話としての証拠と本発明の最も早い優先日の時点における抗掻痒剤としてのイブ プロフェンの全身的使用に対する技術的先入観との不一致は、この時点における 当業者の掻痒処置剤としてのイブプロフェンまたはフルルビプロフェンの使用( 全身的使用または別段の使用)をさらに思い止どまらせる要因として働いていた 。 上記従来技術の観点から、驚くべきことに、本発明によってイブプロフェン、 フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として 許容される塩が、これらの化合物の上記公知の活性に加えて、局所処置における 抗掻痒薬として、およびまた掻痒症状の軽減に有用であることが見出された。こ の掻痒がUV−B光線による刺激によって誘発された場合には、この抗掻痒剤は 好ましくは、イブプロフェンを単独ではなく、他の成分とともに含有する(例え ば、フルルビプロフェンまたはフルルビプロフェンとイブプロフェンとの組合わ せ)。 本発明は、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または 2種以上のそれらの医薬として許容される塩の、動物の、好ましくは人間の掻痒 症状の局所処置への使用を提供する。本発明による方法においては、イブプロフ ェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬 として許容される塩が掻痒に悩まされている動物、好ましくは人間に局所投与さ れる。イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)それらの医薬とし て許容される塩を被患領域に施用すると、抗掻痒応答が得られる。ここで、イブ プロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)それらの医薬として許容され る塩は抗掻痒有効量で存在させる。掻痒がUV−B光線による刺激によって誘発 された場合には、この抗掻痒剤は好ましくは、イブプロフェンを単独ではなく、 他の成分とともに含有する。 イブプロフェンおよびフルルビプロフェンは両方ともに、非対称的に置換され ている炭素原子の部位に1個のキラル中心を有し、従って、両方ともにエナンチ オマー形態で存在する。ラセミ形態のイブプロフェンは、(+)2−(4−イソ ブチルフェニル)プロピオン酸と(−)2−(4−イソブチルフェニル)プロピ オン酸との50:50混合物からなる。本明細書で使用されるものとして、イブ プロフェンの用語は、抗掻痒応答を得るのに充分な、ラセミ体混合物、別々のS (+)−およびR(−)−エナンチオマー、ならびにその全部の混合物を包含す るものと理解されるべきである。同様に、ラセミ形態のフルルビプロフェンは、 (+)2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と(−)2−(2 −フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸との50:50混合物からなる。 本明細書で使用されるものとして、フルルビプロフェンの用語は、抗掻痒応答を 得るのに充分な、ラセミ体混合物、別々の(+)−および(−)−エナンチオマ ー、ならびにその全部の混合物を包含するものとまた理解されるべきである。 イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェンは、有機塩基または無機 塩基との塩を形成することができる。本明細書で使用されるものとして、イブプ ロフェン塩および(または)フルルビプロフェン塩の用語は、医薬として許容さ れ(すなわち、治療有効量で無毒性であり)、かつまた抗掻痒応答を得るのに充 分な量で存在する、これらの化合物の塩の全部を包含する。イブプロフェンおよ び(または)フルルビブロフェンの特に適当な塩は、アルカリ金属塩(例えば、 ナトリウム塩および(または)カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マ グネシウム塩および(または)カルシウム塩)、アルミニウム塩、アンモニウム 塩、適当な有機塩基の塩(例えば、アルキルアミン類および(または)N−メチ ル−D−グルタミンの塩)、アミノ酸の塩(例えば、アルギニンおよび(または )リジンの塩)を包含する。 イブプロフェンの好適塩は、ナトリウムイブプロフェン、さらに好ましくは、 S(−)ナトリウムイブプロフェンである。これらの塩がまた、ラセミ体、各エ ナンチオマーおよび(または)その混合物として存在できることは容易に理解で きることであり、本明細書で使用されるものとして、イブプロフェンおよび(ま たは)フルルビプロフェンの塩および(または)塩類の用語は、抗掻痒応答を得 るのに充分な量で存在する、医薬として許容される、すなわち治療有効量で無毒 性であり)、かつまた抗掻痒応答を得るのに充分な量で存在する、医薬として許 容されるイブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェンの全部の塩のラセ ミ体、各エナンチオマーおよび(または)その全ての混合物を包含する。 これらの塩は、医薬として許容されるものであるかぎり、イブプロフェンおよ び(または)フルルビプロフェンの代わりに治療に使用することができることは 明白である。これらの塩は、イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェ ンから、適当な塩基を用いて慣用の方法で製造される。イブプロフェン、フルル ビプロフェンおよび(または)それらの塩は、1種以上の結晶形態で存在するこ とができ、本明細書におけるこれらの化合物の記載は、抗掻痒応答を得るのに充 分な各結晶形態およびその混合物を包含するものとする。イブプロフェン、フル ルビブロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの塩はまた、溶媒 和物の形態で、例えば水和物の形態で存在することができ、本明細書におけるこ れらの化合物の記載は、抗掻痒応答を得るのに充分な量で存在する、各溶媒和物 およびその混合物を包含するものとする。 イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)それらの医薬として許 容される塩の抗掻痒活性は、ヒトを包含する動物における試験により、例えば以 下に示す例に記載の試験により、証明されている。従って、イブプロフェンおよ びフルルビプロフェンの両方および(または)1種または2種以上のそれらの医 薬として許容される塩は、動物、好ましくはヒトの掻痒症状の処置に有用である 。この掻痒がUV−B光線により誘発された場合には、この抗掻痒剤は好ましく は、イブプロフェンを単独ではなく、他の成分とともに含有する。イブプロフェ ン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬と して許容される塩は、局所に、より好ましくは掻痒症状を有する動物の皮膚に、 最も好ましくは掻痒症状を有するヒトの皮膚に、局所投与する。 本明細書にその概略が説明されているけれども、掻痒の処置に局所施用される イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)それらの医薬として許容 される塩または塩類の正確な用量は、多くの因子、例えば症状の重篤度、被処置 動物およびその年令、ならびに患者の過去の医療歴に依存し、動物医、医師およ び(または)薬剤師の堅実な裁量の範囲内にある。掻痒症状を処置するために、 動物、好ましくはヒトに投与される場合の、イブプロフェン、フルルビプロフェ ンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩の適 当な一日薬用量は一般に、約1mg〜約10,000mg、さらに通常約5mg 〜約5000mg、最も通常約10mg〜約1000mgであることができ、こ れは一回の施用で、または一日のうちの1回または数回、単次施用または分割施 用することができる。 当業者に認識されるように、掻痒症状は正常な皮膚で、または異常な皮膚で生 じることができ、多くの代謝経路により誘発されうる(この点については、R.Wi nkelmannによるMedical Clinics of North AMerica,66巻、5号、1982年9月を参照 することができる)。数種の掻痒症状は次の非プロスタグランジン メカニズム の一方または両方、すなわちヒスタミンおよびセロトニン分泌を経て、発症しう る。掻痒症状を誘発させる例には、下記の因子のいずれが1種または2種以上が 包含される: UV光線による誘発(例えば、日焼け); 外部非UV刺激(例えば、羊毛および(または)合成繊維などの繊維との接触 、水性接触(水因性掻痒[aquagenic pruritus])および( または)コリン作用性掻痒(これは、熱および(または)運動に関連する); ヒスタミン産生物質との腸内および(または)非腸内接触(例えば、食物およ び(または)植物); 医薬の投与(例えば、麻薬、バルビツール酸塩類および(または)サリチルア ミライド類); 身体器官の不全(例えば、腎臓不全および(または)肝臓不全)により放出さ れる毒性物質(例えば、胆汁塩類および(または)尿素); 掻痒性疾患(例えば、ライ病); 皮膚の神経末端フィブリルおよび(または)レセプターの刺激(またはこれら における別の変化); 心因性掻痒;および 年配者の皮膚の乾燥症(異常乾燥)。 掻痒もしくは痒みは、下記の症状の中で分類することができる(Winkelmannに よる刊行物、1982年参照): 生理学的掻痒は、通常環境および身体の刺激に対する短期間の皮膚応答(この 掻痒は引っ掻き動作を誘発することもあり、または誘発しないこともある)であ り、この掻痒は、さすり動作およびその有害な応答であると考えられる、くすぐ ったい感覚とは区別されるべきである。 病理学的掻痒は、皮膚または身体の病的変化により発現する強い皮膚不快感で あり、これは通常、各種の引っ掻き動作またはその他の軽減行為を誘発させる。 自発的掻痒は、皮膚または皮膚神経の病的変化とは無関係の痒みであり、身体 内部の有毒物質または代謝性変化により誘発される。この掻痒は、生理学的掻痒 または病理学的掻痒であることができる。 限局性掻痒(focal itch)は、皮膚神経またはその他の組織の変化 により生じる病理学的痒みの場である。 分散した掻痒(scattered itch)は、複数の離れた部位の掻痒 であり、1つのみの皮膚領域に生じる痒みの後に別の皮膚で生じることがある。 関連掻痒(reffered itch)は最近になって、分散した掻痒の名 称が与えられているが、同一皮膚分節でしばしば生じる。 転化掻痒(conversion itch)は、通常の感覚上の体験、例え ば正常な外観を有するアトピー性皮膚に触るかまたはこのような皮膚を引っ掻く などの体験が掻痒感覚に変化する様相を説明するために、Winkelmann により1964年に開示された状態である。 皮膚痒み(itchy skin)は、掻痒の一次刺激帯域または一次皮膚炎 症付近に痒みをもたらす刺激に対する過剰反応領域である。この痒みは、痛みに 対して興奮している皮膚点状域付近の痛覚過敏領域と類似している。 中枢神経性掻痒(central neural itch)は、中枢神経系 により刺激および(または)維持される痒みである。 さらにまた、種々の疾患または障害が、それらの主要症状として、または一つ の症状として痒みを伴う。このような痒みには、以下に挙げる症状のいずれかが 包含される: 皮膚炎または湿疹は、皮膚表面の炎症であり、小疱(急性の場合)、浮腫、分 泌物、かさぶたの形成、鱗屑形成および通常的掻痒を特徴とする。 接触性皮膚炎は、皮膚の急性または慢性の炎症であり、しばしば明確に局限さ れている。これは、皮膚と何かの物質との接触または皮膚を過敏にする刺激、例 えば前記の刺激により生じる。 アトピー性皮膚炎は、皮膚の慢性の掻痒を伴う表面炎症であり、アレルギー疾 患(例えば、枯草熱、喘息)の個人的家族歴を有する個人で、過敏症の継続状態 により通常発症する。この疾患はまた多くの場合に、ほぼ3〜4ヶ月の年令の幼 児で発現し始める幼児湿疹としても知られている。 脂漏性皮膚炎は、頭皮、顔面および場合により、身体のその他の領域の炎症性 鱗屑形成性疾患であり、量的に様々の痒みを生じる。 銭形皮膚炎は、充血したコイン形の小のう、かさぶた化した鱗屑および通常掻 痒を有する病巣を特徴とする慢性の皮膚炎である。 汗疱は、手掌、指の内側および足底の根深い、掻痒を伴う小のうを特徴とする 慢性症状である。指および手に生じた場合には、この疾患は手汗疱症または指汗 疱症として知られている。足指および足の場合は、足汗疱症として知られている 。 全身性剥脱性皮膚炎は、皮膚の重篤で広範な紅斑および鱗屑を特徴とする。掻 痒症状は重篤である場合と見られない場合とがある。 限局性ブドウ瘡皮膚炎は、慢性の皮膚表面の掻痒を伴う炎症である。 インペチゴは、子供に主として見られる表面的水疱膿疱性皮膚感染である。こ の疾患は通常、スタフィロコッカス アウレウス(staphylococcu s aureus)により発症する。掻痒症状は普遍的であり、小疱からの分泌 液が感染性であることから、引っ掻き動作が感染を広げる。 膿瘡は、潰瘍形のインペチゴである。 疥癬は、ダニのサルコプテス スカビス(Sarcoptes Scabie s)により発症する、媒介性の寄生虫の皮膚感染である。その症状は、表面潜伏 性、強い痒み、および二次的皮膚感染を特徴とする。この疾患の強い痒みは、「 掻痒」の語源にもなっている。 シラミ寄生症はシラミの体内侵入である。 ジンマ疹(これは別名、ハイブス(hives)もしくはネツルラッシュ(n ettle rash)としても知られている)は、真皮における局所的膨疹お よび紅斑をもたらす。食物アレルギーは、ジンマ疹の通常的病因であり、一般に 、 彼等が過敏である何らかの物質にさらされた結果として、アレルギー反応が生じ るものと見做される。掻痒症状は一般に、初期症状であり、この疾患を発症する 物質にさらされた後の短時間の時点で生じる。 単純性苔癬症および偏平苔癬症は、再発性の掻痒を伴う炎症性発疹であり、そ の特徴は、皮膚の引続く肥厚および硬化を伴う粗い鱗屑状斑点に合体する、小型 の分離した角を有する丘疹にある。 汗疹(穿刺熱)は、あふれた出た汗が保有された結果として生じる急性の炎症 性の掻痒を伴う発疹であり、多くの場合に、熱帯を旅する人々に生じる。類似の 疾患は、寝床で暑さを獲得した何人かの人々または皮膚の血管の大きさの変化が 生じた場合に、春または秋の季節の変り目に発症することがある。 疱疹状皮膚炎は、慢性の発疹であり、その特徴は、房状の強い掻痒を伴う小疱 、丘疹およびジンマ疹様病巣にある。 非常に悪性の掻痒がまた、肛門で生じることがあり、これは肛門痒み症として しられている。この疾患はしばしば、線状虫により発症する。同じ程度に問題の 多い掻痒がまた、膣周辺でも生じることがあり、これは過度の膣分泌を付随する ことがある。 年配の人はしばしば、皮膚が薄くなり、弾性を失うことから、痒みを感じる。 この痒みは、老人の足に寒冷天候痒疹として見出だされる。これは彼等の皮膚が 寒冷天候の下に乾燥するからである。年配者における掻痒症状はまた、一次的皮 膚疾患または全身的疾患による場合もあり、あるいはまた多様な病因または特発 性疾患による場合もある。乾燥症は年配者の掻痒症状の最も一般的原因であるも のと考えられる。 掻痒症状を生じる、その他のより全身的な疾患には、胆管閉鎖症、尿毒症、リ ンパ腫、白血病、真正赤血球増加症および真正糖尿病が包含される。黄疸および 糸球体腎炎もまた、中程度の痒みを伴うことがある。 本発明の方法により、および(または)本発明による製剤(以下で説明する) により処置することができる動物には、ヒトおよびまたヒト以外の動物が包含さ れ、本明細書で使用するものとして、「動物」の用語は、ヒトを含むものと解釈 されるべきである。本発明に従い処置することができるヒト以外の動物には、家 庭の愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ウサギおよび(または)モルモット)のよ うな普通に遭遇する動物;市販されている動物(例えば、家畜[例えば、ブタ、 ウシおよび(または)ヒツジ])および(または)労働用動物[例えば、ウマ] および(または)動物園または野生公園で飼育されている動物例えば、シマウマ 、ライオンおよび(または)ゾウ)が包含される。 本発明は上記の動物に対するものに限定されるものと考えられるべきではなく 、原則的に、非哺乳動物(例えば、爬虫類動物および(または)鳥類)を包含す る多くの動物の処置に使用される。水性動物(例えば、魚類および(または)水 性哺乳動物)もまた、防水性または水耐性である、本発明の局所用製剤により処 置することができる。野生動物もまた、より一般的な管理戦略の一部として、例 えば猟鳥獣の保育場または自然公園において、本発明の方法および製剤を用いて 、それらの自然環境の下で処置することができる。 本発明の方法および(または)製剤は、公知ではない動物が、それらの痒い皮 膚または獣皮を引っ掻くことを防止するのに特に有用である。引っ掻き動作は、 治療的に望ましくない。この理由は、損傷が生じることがあり、あるいはその裏 側にある疾患を悪化させることがあることにあり、そして(または)皮膚または 獣皮を傷付けることがあることから美容上で望ましくないことにある。引っ掻き 動作の抑制は、格別の文化的価値および(または)経済的価値を有する動物(例 えば、野生に戻すことができるように捕獲して絶滅寸前の種を飼育する場合[例 えばパンダの場合]、格別に高価な動物[例えば、競走馬の場合]および(また は)皮革または毛皮を生産するための動物飼育[例えば、ミンクの場合])に係 わり特に重要である(治療方法として、または非治療性の美容上の処置として) 。 好ましくは、本発明の方法によりまたは本発明の製剤により処置される動物は 、哺乳動物であり、さらに好ましくはヒトである。 本発明はもう一つの態様において、抗掻痒剤として、イブプロフェン、フルル ビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容さ れる塩を含有する医薬製剤を提供する。この製剤は、抗掻痒活性を有する。好ま しくは、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種 以上のそれらの医薬として許容される塩が唯一の抗掻痒薬である。この製剤は、 局所に、好ましくは掻痒症状を有する動物の皮膚に、さらに好ましくはヒトの皮 膚に施用するのに適する形態である。 さらにもう一つの態様において、本発明はまた、イブブロフェン、フルルビプ ロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される 塩の掻痒処置用局所用医薬の製造への使用に関する。 本発明はまた、本明細書に記載の製剤を使用する、ヒトを包含する動物におけ る掻痒症状の処置方法を提供する。好ましくは、抗掻痒薬として、イブプロフェ ンが単独で使用されている場合には、この方法により処置される掻痒はUV−B 光線以外により誘発された掻痒である。 前記したように、掻痒症状はしばしば、その裏側にある疾患により生じる症状 として発現する。本発明の局所用製剤の使用は、その裏側にあるいずれかの疾患 に対して治療効果を伴うか、または伴うことなく、掻痒症状を軽減することがで きる。 痒みは、皮膚の引っ掻き動作を誘発させることがある。引っ掻き動作はしばし ば、治療的に望ましくない。この理由は、掻痒症状および(または)その裏側に ある疾患を悪化させることがあるからであり、また例えば、皮膚上に無視できな い傷を生じさせ、またはさらに悪化させることがあることから、美容上でも望ま しくないからである。引っ掻き動作に駆り立てる衝動を減少および(または)解 消するのに充分な掻痒からの回復は、掻痒および(または)その裏側にある疾患 の治療および(または)掻痒および(または)その裏側にある疾患に対するその 他の治療効果とは独立して、美容上で望ましい効果をもたらすことができる。例 えば、望ましくない治療上の効果を生じさせるのに必要な引っ掻き動作の度合が 、美容上で望ましくない効果をもたらすのに要する引っ掻き動作の度合よりも格 別に大きい場合には、引っ掻き動作に駆り立てる衝動を減少させる処置は、同時 的治療効果を有する必要がないこともある。従って、掻痒(および他方で、引っ 掻き動作に駆り立てる衝動)を減少および(または)解消するための本発明の製 剤の局所施用は、非治療的な美容上の処置としての有用性を有することがある。 従って、本発明はまた、ヒトを包含する動物における、痒みにより誘発される 皮膚の引っ掻き動作に駆り立てる衝動を抑制するための、美容上の非治療的処置 方法を提供し、この方法は、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(また は)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩を含有する製剤を動 物に局所施用することからなる。本発明による美容上の処置は、動物による引っ 掻き動作の程度を、このような引っ掻き動作により生じる美容上の望ましくない 作用を相当に減少および(または)排除する結果をもたらすのに充分な程度にま で減少させる働きをする。このような局所処置に使用するのに適する製剤は、化 粧品および(または)本明細書に記載の医薬製剤の当業者に公知の製剤からなる ことができる。 本明細書に記載の治療方法、処置(美容上の処置を含む)、使用および(また は)製剤は、掻痒症状の処置(美容上の処置を含む)用のいずれの他の両立でき る治療、処置(美容上の処置を含む)および(または)製剤と組合わせて、およ び(または)いずれか別の疾患(例えば、掻痒症状を生じさせる裏側に存在する ことがある疾患)の処置と組合わせて、適用することができる。 本発明の局所用製剤中のイブプロフェン、フルルビブロフェンおよび(または )1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩の量は、この化合物ま たはこれらの化合物の抗掻痒有効量が、当該局所用製剤を皮膚に施用する期間に わたり放出されるような量でなければならない。この製剤は、処置皮膚領域にお いて、有効な抗掻痒応答を発現させるのに必要な最短期間にわたり皮膚に保有さ れていなければならない。本発明による或る種の製剤の場合に、いずれかの抗掻 痒効果の発現前の猶予時間は、当該掻痒の種類、被処置皮膚の面積および種類、 および患者の種および年令、およびまた製剤の種類を包含する多くの因子に依存 して変わる。代表的に、ヒト成人患者の場合には、抗掻痒効果の発現前の猶予時 間は、約数秒ないし約数時間あるいはそれ以上であり、さらに通常、約1〜20 分間である。 好ましくは、本発明の局所用製剤は、イブプロフェン、フルルビプロフェンお よび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩を、当該 製剤の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、最も 好ましくは約2.5重量%〜約10重量%の量で含有する。 本発明の方法に使用される製剤、あるいは本発明の組成物として使用される製 剤は、局所的および(または)全身的治療効果および(または)美容上の効果を 提供することができ、かつまた予防の目的で、例えば掻痒症状の発現を防止し、 および(または)皮膚を引っ掻く動作に駆り立てる衝動を抑制する目的で、投与 することができる。これらの製剤もしくは組成物は、イブプロフェン、フルルビ プロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容され る塩の制御放出、例えば迅速放出または持続放出を得るために、当業者に公知の 方法で処方することができる。 以下に記載する本発明の局所用製剤においては、イブプロフェンおよび(また は)フルルビプロフェンの代わりに、あるいはこれらの成分を補助する目的で、 当該製剤中に使用される成分と適合するイブプロフェンおよび(または)フルル ビプロフェンの1種または2種以上の医薬として許容される塩を使用することが できることは容易に理解されることである。 本発明の適当な局所用製剤、あるいはまた本発明の方法で使用するための局所 用製剤は、マトリックスを包含することができ、このマトリックス中にイブプロ フェンおよび(または)フルルビプロフェンを分散して保有し、これによりこの 化合物またはこれらの化合物が皮膚と接触した場合に、この化合物またはこれら の化合物を経皮投与することができる。局所施用に適するマトリックスは、シッ プ、パップ剤、貼布剤または含浸バンドエージなどの局所供給用具からなること ができる。 経皮供給に適する製剤は、イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェ ンを、強力な経皮供給促進剤、例えばジメチルスルホキシドおよび(または)プ ロピレングリコールとともに、局所用媒質(例えば、鉱油、ペテロラタム、軽質 液状パラフィンおよび(または)ワックス[例えば、パラフィンワックスおよび (または)蜜蝋])と混合することによって製造することができる。別法として 、イブプロフェンおよび(または)フルルビプロフェンを、医薬上で許容される フォーム、ペースト、サルブ、ローション、クリーム、軟膏、乳液および(また は)ゲルの基材と混合するか、および(または)このような基材中に分散させる こともでき、および(または)スプレイの形態で施用することもできる。適当な クリ ームは、界面活性剤を用いて水性媒質中に分散されているイブプロフェンおよび (または)フルルビブロフェンを、ベテロラタムおよび(または)軽質液状パラ フィンに配合することによって製造することができる。適当な軟膏は、イブプロ フェンおよび(または)フルルビプロフェンを、鉱油、ペテロラタムおよび(ま たは)ワックス(例えば、パラフィンワックスおよび(または)蜜蝋)と混合す ることによって製造することができる。適当なゲルは、イブプロフェンおよび( または)フルルビプロフェンを、水の存在の下に、ゲル化剤(例えば、塩基性カ ルボマー[Carbomer]BP)を含有する局所用媒質と混合することによ って製造することができる。 好ましくは、本発明の製剤は、医薬上で許容される稀釈剤または担体、さらに 好ましくは水性溶剤、最も好ましくは精製水を含有する。 好ましくは、本発明の製剤はまた、増粘剤を当該製剤の約0.1重量%〜約1 0重量%、さらに好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0 .5重量%〜約3重量%の量で含有する。この増粘剤は、ヒドロキシエチルセル ロースおよび(または)カルボキシビニル架橋重合体(これは、例えばB.F.Good rich Limitedから登録商品名、カルボポール[Calbopol]980NFと して市販されている)からなることができる。 好ましくは、本発明の製剤は、pH調節剤、さらに好ましくは塩基性pH調節 剤をさらに含有する。好ましくは、このpH調節剤は、存在する場合に、増粘剤 を活性化させるのに充分であって、かつまた当該製剤のpHを皮膚に損傷を与え ない、医薬上でかつまた美容上で許容される範囲に維持する量で存在させる。さ らに好ましくは、当該製剤のpHは、約5.0〜約9.0である。前記の目的で 、このpH調節剤は、痕跡量から当該製剤の約15重量%までの量、さらに好ま しくは約0.01重量%〜約12重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約1 0重量%の量で存在させる。このpH調節剤は、クエン酸ナトリウム、水酸化ナ トリウム、水酸化カリウムおよび(または)N,N,N´,N´−テトラキス( 2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(これは、クアドロール[Quad rol]の登録商品名で市販されている)を包含することができる。 本発明の製剤は、保存剤をさらに含有することができる。好ましくは、この保 存剤は、痕跡量から当該製剤の約5重量%までの量で、さらに好ましくは約0. 1重量%〜約3重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の量で存在 させる。この保存剤には、ブロノポール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ポリヘキサ メチレンビグアニド塩酸塩、イソチアゾロン、ジアゾリジニル尿素および(また は)2−フェノキシエタノール(これは、フェノキセトール ニパ[Pheno xetol Nipa]の登録商品名で市販されている)を包含することができ る。 本発明の製剤は、当該製剤の皮膚に対する感触を改善する目的で、保湿剤をさ らに含有することができる。好ましくは、この保湿剤は、当該製剤の約1重量% 〜約30重量%、さらに好ましくは約5重量%〜約20重量%、最も好ましくは 約7重量%〜約15重量%の量で存在させる。この保湿剤は、1種または2種以 上の、それぞれ少なくとも2個のヒドロキシル基を好ましくは隣接する原子上に 有する有機化合物として、本明細書で定義されている、グリコール類を包含する ことができる。さらに好ましくは、このグリコール類は、ポリエチレングリコー ル、グリセリンおよび(または)これらの混合物の全部を包含することができる 。 本発明の製剤がゲルである場合には、このようなゲルは透明化剤、好ましくは 変性アルコール、さらに好ましくは変性エタノールを含有する透明なゲルである ことができる。好ましくは、この透明化剤は、当該製剤の約5重量%〜約60重 量%の量で存在させることができる。 本発明の製剤がエマルジョンである場合に、このようなエマルジョンは、水中 油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンのどちらかであることができる。 本発明の製剤を構成することができるエマルジョンの油性相は、1種または2 種以上の下記の成分および(または)これらのいずれかの混合物からなることが できる: 炭化水素油類(例えば、パラフィンおよび(または)鉱油); ワックス類(例えば、密蝋および(または)パラフィンワックス); 天然油類(例えば、ヒマワリ油、アプリコット種子油、シアバターおよび(ま たは)ホホバ油); シリコーン油類(例えば、ジメチコーン、シクロメチコーンおよび(または) セチルジメチコーン); 脂肪酸エステル類(例えば、パルミチン酸イソプロピルおよび(または)ミリ スチン酸イソプロピル);および 脂肪アルコール類(例えば、セチルアルコールおよび(または)ステアリルア ルコール)。 本発明の製剤を構成することができる好適な水中油型エマルジョンにおいて、 その油性相は、当該製剤の約5重量%〜約30重量%、さらに好ましくは約10 重量%〜約20重量%を構成する。 本発明の製剤で使用することができる乳化剤は、水中油型または油中水型エマ ルジョンに使用することができることが当業者に公知の乳化剤のいずれであるこ ともできる。エマルジョンである本発明の製剤は、局所用製剤における使用が許 容されている公知乳化剤から選択される乳化剤および(または)乳化剤混合物を 使用して製造することができ、この製剤は、1種または2種以上の下記の成分お よび(または)これらのいずれかの混合物を含有することができる: セスキオレイン酸エステル類(例えば、ソルビタンセスキオレエート類[例え ば、アルラセル(Arlacel)83の登録商品名でICIから市販されてい るもの); 天然油の誘導体のエトキシル化エステル類(例えば、水素添加したヒマシ油の ポリエトキシル化エステル類[例えば、アルラセル(Arlacel)989の 登録商品名でICIから市販されているもの]); シリコーン乳化剤(例えば、シリコーンポリオール類[例えば、ABIL W S05の登録商品名でTh.Goldschmidt AG から市販されているものおよびシリコ ーン フロイド(Silicone Fluid)3225Cの登録商品名でDow Comingから市販されているもの]); 脂肪酸石鹸類(例えば、ステアリン酸カリウム); エトキシル化脂肪アルコール類(例えば、ブリジ[Brij]の登録商品名で ICIから市販されているものおよびチトロール[Cithrol]GMS A /Sの登録商品名でCrodaから市販されているもの); ソルビタンエステル類(例えば、クリル[Crill]の登録商品名でCroda から市販されているもの); エトキシル化ソルビタンエステル類(例えば、ツイーン[Tween]の登録 商品名でICIから市販されているもの); エトキシル化脂肪酸エステル類(例えば、エトキシル化ステアレート類[例え ば、ミルジ[Myrj]の登録商品名でICIから市販されているもの]); エトキシル化モノ−、ジ−および(または)トリ−グリセライド類(例えば、 ラブラフィル[Labrafil]の登録商品名でAlfa Chemicalsから市販され ているもの):および エトキシル化脂肪酸類(例えば、テホース[Tefose]の登録商品名でAl fa Chemicalsから市販されているもの)。 本発明の製剤を構成することができる油中水型エマルジョン中に任意に存在す ることができる乳化剤の量は、好ましくは当該製剤の約0.1重量%〜約20重 量%の範囲である。 本発明の製剤を構成することができる水中油型エマルジョン中に任意に存在す ることができる乳化剤の量は、好ましくは当該製剤の約0.1重量%〜約20重 量%の範囲である。 本発明の製剤がエマルジョン以外である場合にも、局所施用された時の製剤の 治療活性の増大を促進するために、界面活性剤として、乳化剤および(または) 界面活性剤(例えば、前記で挙げた乳化剤の1種)を、(例えば、前記の量で) 依然として存在させることができる。 本発明の製剤は、1種または2種以上のその他の成分および(または)これら の混合物をさらに含有することができ、このような成分は当業者にとって周知で あり、下記の群から選択することができる: エマルジョン安定剤(例えば、ステアリルアルコールおよび(または)セチル アルコール)、および(または)エマルジョン安定化性塩類(例えば、塩化ナト リウム、クエン酸ナトリウムおよび(または)硫酸マグネシウム);これらは好 ましくは、当該製剤の約0.1重量%〜約5重量%の量で存在させる; 金属イオン封鎖剤(例えば、テトラナトリウムエチレンジアミン テトラアセ テート ジハイドレート[これは、例えばセクエステン[Sequestene ] NA4の登録商品名でRpone Poulencから市販されている]);これは好ましく は、痕跡量から当該製剤の約1重量%までの量で存在させる; 酸化防止剤(例えば、DLαトコフェロールアセテートおよび(または)ブチ ル化ヒドロキシトルエン);これは好ましくは、痕跡量から当該製剤の約1重量 %までの量で存在させる; 緩和剤(例えば、鉱油、ポリメチルシロキサン、スイートアーモンド油、石油 ゼリー、ミリスチン酸イソプロピルおよび(または)脂肪酸のトリグリセライド 類[例えば、ラウリル酸トリグリセライド、カプリン酸/カプリル酸トリグリセ ライド、および(または)混合トリグリセライド(これは、例えばミグリオール [Miglyol]810の登録商品名でHuls UK Ltdから市販されている)] );これは好ましくは、当該製剤の約0.1重量%〜約30重量%の量で存在さ せる; 保湿剤(例えば、D−パンテノール);これは好ましくは、痕跡量から当該製 剤の約1重量%までの量で存在させる; 皮膚の表面に対する展延を助長する目的で、薄膜形成剤(例えば、アルキル化 ポリビニルピロリドン);これは好ましくは、痕跡量から当該製剤の約1重量% までの量で存在させる;および 香料および(または)着色剤。 ここで、本発明を下記の非限定的例により説明する。これらの例において、示 されているパーセンテージは全て、製剤の総重量に基づく成分の重量パーセンテ ージである。これらの例において、保存剤である2−フェノキシエタノールは、 フェノキセトール ニパ[Phenoxetol Nipa]の登録商品名で市 販されており;増粘剤であるカルボキシビニル架橋重合体は、B.F.Goodrich Lim itedから登録商品名、カルボポール[Calbopol]980NFとして市販 されており;塩基性pH調節剤であるN,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒ ドロキシプロピル)エチレンジアミンは、クアドロール(Quadrol)の登 録商品名で市販されており;そして界面活性剤であるエトキシル化脂肪アルコー ルは、ブリジ[Brij]92の登録商品名でICIから市販されている。 例1 重量/重量% イブプロフェン 5.0 ポリエチレングリコール300 BP 10.0 (保湿剤) 2−フェノキシエタノール 1.0 (Phenoxetol Nipa) カルボビニル架橋重合体 (Calbopol 980NF) 0.5 水酸化ナトリウム BPペレット 0.085 (pH調節剤) 精製水BP(稀釈剤) 全量を100にする量 上記成分を一緒に混合して、不透明ゲル組成物を形成する。例1のゲル組成物 を掻痒症状を有し、薄片状化した皮膚を有し、かつまた赤く、膨れている、ヒト 協力者の足首の皮膚に施用した。この製剤は、掻痒感覚を減少させ、かつまた短 時間内に皮膚の薄片状化を減少させることが見出された。この驚くべき効果は、 イブプロフェンの投与によりもたらされたものと予想することができる抗炎症応 答、鎮痛応答または解熱応答のいずれとも、独立している。 モルモットの毛を皮膚から脱毛し、ペイン硬貨サイズの赤色斑点を皮膚に発現 させる程度にまで、モルモットに掻痒症状を発症させた。例1と同様にして製造 したゲルの若干をこの痛い斑点部分に施し、この処置を1週間にわたり、毎日反 復した。この期間内に、赤色斑点は消失し、被患領域で毛が発毛し始めた。この モルモットは、再発を伴うことなく、連続的に回復した。 例2 重量/重量% (S+)イブプロフェン 2.5 カルボキシビニル架橋重合体(Calbopol) 2.0 変性エタノール(透明化剤) 5.0 水酸化ナトリウム(pH調節剤) 1.525 2−フェノキシエタノール(Phenoxetol) 1.0 精製水(稀釈剤) 全量を100にする量 上記成分を一緒に混合して、透明なゲル製剤を形成した。この製剤は、例1に 記載と同様に局所施用した場合に、抗掻痒活性を有する。 例3 重量/重量% フルルビプロフェン 2.5 ポリエチレングリコール(保湿剤) 10.0 2−フェノキシエタノール(Phenoxetol) 1.0 カルボキシビニル架橋重合体(Calbopol) 0.5 水酸化ナトリウム(pH調節剤) 0.085 精製水(稀釈剤) 全量を100にする量 上記成分を一緒に混合して、不透明ゲル製剤を形成した。この製剤は、例1に 記載と同様に局所施用した場合に、抗掻痒活性を有する。 例4 重量/重量% フルルビプロフェン 2.5 カルボキシビニル架橋重合体(Calbopol) 2.0 変性エタノール(透明化剤) 50.0 ポリエチレングリコール(保湿剤) 5.0 グリセリン(保湿剤) 5.0 精製水(稀釈剤) 全量を100にする量 上記成分を一緒に混合して、透明なゲル製剤を形成した。この製剤は、例1に 記載と同様に局所施用した場合に、抗掻痒活性を有する。 例5 重量/重量% フルルビプロフェン 10.0 変性エタノール(透明化剤) 40.0 カルボキシビニル架橋重合体(Calbopol) 2.6 N,N,N´,N´−テトラキス(2− ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン (Quadrol) 9.0 ポリエチレングリコール(保湿剤) 2.0 エトキシル化脂肪アルコール(Brij92) 2.0 精製水(稀釈剤) 全量を100にする量 上記成分を一緒に混合して、透明なゲル製剤を形成した。この製剤は、例1に 記載と同様に局所施用した場合に、抗掻痒活性を有する。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年11月21日 【補正内容】 本発明の方法により、および(または)本発明による製剤(以下で説明する) により処置することができる動物には、ヒトおよびまたヒト以外の動物が包含さ れ、本明細書で使用するものとして、「動物」の用語は、ヒトを含むものと解釈 されるべきである。本発明に従い処置することができるヒト以外の動物には、家 庭の愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ウサギおよび(または)モルモット)のよ うな普通に遭遇する動物;市販されている動物(例えば、家畜[例えば、ブタ、 ウシおよび(または)ヒツジ])および(または)労働用動物[例えば、ウマ] および(または)動物園または野生公園で飼育されている動物(例えば、シマウ マ、ライオンおよび(または)ゾウ)が包含される。 本発明は上記の動物に対するものに限定されるものと考えられるべきではなく 、原則的に、非哺乳動物(例えば、爬虫類動物および(または)鳥類)を包含す る多くの動物の処置に使用される。水性動物(例えば、魚類および(または)水 性哺乳動物)もまた、防水性または水耐性である、本発明の局所用製剤により処 置することができる。野生動物もまた、より一般的な管理戦略の一部として、例 えば猟鳥獣の保育場または自然公園において、本発明の方法および製剤を用いて 、それらの自然環境の下で処置することができる。 本発明の方法および(または)製剤は、ヒト以外の動物が、それらの痒い皮膚 または獣皮を引っ掻くことを防止するのに特に有用である。引っ掻き動作は、治 療的に望ましくない。この理由は、損傷が生じることがあり、あるいはその裏側 にある疾患を悪化させることがあるからであり、そして(または)皮膚または獣 皮を傷付けることがあることから美容上で望ましくないことにある。引っ掻き動 作の抑制は、格別の文化的価値および(または)経済的価値を有する動物(例え ば、野生に戻すことができるように捕獲して絶滅寸前の種を飼育する場合[例え ばパンダの場合]、格別に高価な動物[例えば、競走馬の場合]および(または )皮革または毛皮を生産するための動物飼育[例えば、ミンクの場合])に対し て、特に重要である(治療方法として、または非治療性の美容上の処置として) 。 請求の範囲 1. 動物における掻痒症状を処置するための1種または2種以上の抗掻痒薬 しての、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種 以上のそれらの医薬として許容される塩の使用であって、イブプロフェン、フル ルビプロフェンおよび(または)それらの塩を局所施用することからなる使用。 2. 掻痒症状がUV−B光線により誘発された場合に、1種または2種以上 の抗掻痒薬がイブプロフェン単独以外である、請求項1に記載のイブプロフェン 、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬とし て許容される塩の使用。 3. 動物がヒトである、前記請求項のどちらかに記載のイブプロフェン、フ ルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許 容される塩の使用。 4. 掻痒症状を処置するための局所用医薬の製造へのイブプロフェン、フル ルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容 される塩の使用。 5. 動物における掻痒症状の処置方法であって、イブプロフェン、フルルビ プロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容され る塩を、1種または2種以上の掻痒症薬として含有する局所用医薬製剤を使用し て、この製剤を動物に局所施用することからなる処置方法。 6. 掻痒症状がUV−B光線により誘発された場合に、1種または2種以上 の抗掻痒症薬がイブプロフェン単独以外である、請求項5に記載の処置方法。 7. 動物がヒトである、請求項5または6のどちらかに記載の処置方法。 8. 動物における、掻痒症状により誘発される皮膚を引っ掻く動作に駆り立 てる衝動を抑制するための非治療的の美容上の処置方法であって、1種または2 種以上の抗掻痒症薬として、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(また は)1種または2種以上のそれらの医薬として許容される塩を含有する局所用医 薬製剤を、動物に局所施用することからなる処置方法。 9. 動物がヒトである、請求項8に記載の美容上の処置方法。 10. イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種 以上のそれらの医薬として許容される塩を、1種または2種以上の抗掻痒薬とし て含有しており、局所施用された場合に、抗掻痒活性を有する局所用医薬製剤で あって、ただしこの抗掻痒薬はイブプロフェン単独、あるいはフルルビプロフェ ン単独以外である、局所用医薬製剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9405025.9 (32)優先日 1994年3月15日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 動物における掻痒症状を処置するための1種または2種以上の抗掻痒薬し ての、イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以 上のそれらの医薬として許容される塩の使用であって、イブプロフェン、フルル ビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの塩を局所施用する ことからなる使用。 2. 掻痒症状がUV−B光線により誘発された場合に、1種または2種以上の 抗掻痒薬がイブプロフェン単独以外からなる、請求項1に記載のイブプロフェン 、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬とし て許容される塩の使用。 3. 動物がヒトである、前記請求項のどちらか1項に記載のイブプロフェン、 フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として 許容される塩の使用。 4. 掻痒症状を処置するための医薬の製造におけるイブプロフェン、フルルビ プロフェンおよび(または)1種または2種以上のそれらの医薬として許容され る塩の使用。 5. イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以 上のそれらの医薬として許容される塩を、1種または2種以上の掻痒症薬として 含有する医薬製剤であって、この製剤は抗掻痒活性を有する医薬製剤。 6. イブプロフェン、フルルビプロフェンおよび(または)1種または2種以 上のそれらの医薬として許容される塩を、製剤の重量に基づき、約1%〜約25 %の量で含有する、請求項5に記載の製剤。 7. 医薬上で許容される稀釈剤または担体を含有する、請求項5または6のど ちらか1項に記載の製剤。 8. 増粘剤を含有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の製剤。 9. pH調節剤を含有する、請求項5〜8のいずれか1項に記載の製剤。 10.pH調節剤が塩基性である、請求項9に記載の製剤。 11.保存剤を含有する、請求項5〜10のいずれか1項に記載の製剤。 12.保湿剤を含有する、請求項5〜11のいずれか1項に記載の製剤。 13.例により、明細書に実質的に記載されている製剤。 14.当該製剤を動物に局所施用する、請求項5〜13のいずれか1項に記載の 製剤を使用する、動物における掻痒症状の処置方法。 15.掻痒症状がUV−B光線により誘発された場合に、1種または2種以上の 抗掻痒症薬がイブプロフェン単独以外からなる、請求項14に記載の処置方法。 16.動物がヒトである、請求項14または15のどちらか1項に記載の処置方 法。 17.動物における、掻痒症状により誘発される皮膚を引っ掻く動作に駆り立て る衝動を抑制するための非治療的の美容上の処置方法であって、請求項5〜13 のいずれか1項に記載の製剤を、動物に局所施用することからなる美容上の処置 方法。 18.動物がヒトである、請求項17に記載の美容上の処置方法。
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