JPH09502752A - デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むためのその使用法 - Google Patents

デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むためのその使用法

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Abstract

(57)【要約】 エステル化度がデキストランエステルが室温で水に不溶であり、大腸菌により分解されるように側鎖のC原子数および分子量に依存して0.04〜1.1の値に調整され、分子量10000〜10000000および6〜18個のC原子を有する酸から誘導されるエステル側鎖を有するデキストランエステル、および医薬作用物質または医薬製剤を被覆および/または埋め込むためのその使用法。

Description

【発明の詳細な説明】 デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むための その使用法 本発明は水に不溶のデキストランエステル、その製造方法、医薬作用物質また は医薬製剤を被覆および/または埋め込むためのその使用法およびデキストラン エステルにより被覆されたまたは埋め込まれた作用物質を含有する医薬に関する 。 現代の医薬の発展および製剤化において補助物質はますます重要になっている 。従って、意図的な作用に対応する単独の医薬物質でなく、むしろ1種以上の添 加される補助物質との相互作用が存在する。医薬物質放出の時間および場所特異 性および吸収に関して補助物質は特に重要である。経口医薬の形の投与において 従来は医薬物質放出の時間および場所特異性は適当な被覆物質の選択により胃お よび小腸の種々の部分に限定された。しかしながら今日まで医薬物質を意図的に 放出するために変化せずにおよび大腸まで完全に活性で移送される医薬の形を可 能にする適当な被覆物質は存在しない。この種の医薬の形は、たとえばクローン 病のような大腸粘膜の炎症性疾患の局所的治療に好ましい。更に経口投与の際に 胃液および小腸液の生理的または酵素作用により消化され、従って不活性になる ペプチド医薬物質を用いた処理という新たな方法を記載することが可能である。 経口ペプチド医薬の発展においてほかの投与可能な手段、たとえば鼻、経皮また は肺の投与と比べてほかの助剤(たとえば軟膏、スプレー)が不要であるという 利点を生じる。これは患者が医薬物質の経口投与をより自然に受け入れ、更に自 分で実施できるので、治療の減少した経費および高められた受け入れ性を生じる 。 ヒト大腸の医薬物質の意図的放出のために被覆物質は以下の要求を満足しなけ ればならない。 1.埋め込みまたは被覆物質は水に不溶でなければならず、大腸の細菌性酵素 により分解されなければならない。 2.前記物質はなお十分に水中で膨潤すべきである、それというのもこれは酵 素の攻撃に必要であるからである。 3.前記物質は胃液および小腸液に耐性でなければならない。 4.前記物質およびその分解生成物は毒性がなく、生理的に認容されるべきで ある。 小腸(104細菌/ml)と大腸(1014細菌/ml)との細菌の転移増殖密 度の明らかな違いが存在する。従って小腸で安定の皮膜を分解するための大腸菌 相の細菌の酵素活性を利用することが可能である。 J.Chem.Soc.74(1952)5016からステアリルデキス トランが公知である。しかしながら分子量または置換の程度(エステル化度)に 関する情報は見出されない。従って大腸菌により分解される物質に対してこれら のパラメータをどのように設定しなければならないかについては記載されていな い。 ドイツ特許公開第4006521号明細書(欧州特許公開第450176号明 細書に相当)には医薬物質を被覆および埋め込むための糖含有ポリマーが記載さ れている。これらの糖含有ポリマーは経口投与できる医薬作用物質を被覆および /または埋め込むために使用され、ポリマー中に含有される作用物質が大腸では じめて放出するという効果を有する。この刊行物に記載のポリマーは複雑な製造 を必要とし、ポリイソシアネートと架橋するという欠点を有する。 ドイツ特許公開第4136324号明細書から20000までの分子量を有し 、胆汁酸の吸着剤として使用されるデキストラン誘導体が公知である。 ドイツ特許公開第4131292号明細書にはガラクトマンナンがエーテル化 またはエステル化された、医薬を被覆または埋め込むためのガラクトマンナン誘 導体が記載されている。しかしながらエーテル化またはエステル化されたガラク トマンナン誘導体の製造方法および精製は複雑であり、経費がかかる。 従って、本発明の課題は、大腸内で分解可能な物質に関する前記要求を満足し 、容易に入手可能な出発物 質から誘導され、技術的に容易に製造し、加工することができる、医薬のための 補助物質を提供することであった。 前記課題は分子量40000〜10000000を有し、6〜18個の炭素原 子を有する酸から誘導されるエステル側鎖を有するデキストランエステルにより 解決され、その際デキストランエステルが室温で水に不溶であり、大腸菌により 分解されるようにエステル化度を側鎖の炭素原子の数および分子量に依存して0 .04〜1.1の値に調整する。 驚異的にもデキストランから出発して前記の要求を満足する埋め込み物質を製 造できることが判明した。 本発明によるデキストランエステルが更に皮膜形成特性を有する場合が特に有利 であることが判明した、それというのもこの場合にこの物質が埋め込み物質とし ておよび被覆物質として適しているからである。 本発明によるデキストランエステルが環境に問題のない溶剤混合物、たとえば 水/アルコール混合物に溶解するかまたは少なくとも分散可能であることが特に 重要であり、それというのもそれによりデキストランエステルを皮膜として塗布 する拡大された可能性が提供されるからである。 それにより本発明は更に医薬作用物質または医薬製剤を被覆または埋め込むた めのデキストランエステルの使用法および大腸で有効な作用物質または胃または 小腸を通過する際に分解する作用物質を本発明によるデキストランエステルによ り被覆してまたは埋め込んで含有する医薬に関する。 本発明によるデキストランエステルが被覆物質として適当であるためには、種 々の要因を考慮しなければならない。 従って一方では分子量および皮膜形成のための置換度および他方では分解可能 性に逆行する要因が存在する。高い分子量を選択する場合は皮膜形成に有利であ るが、酵素による攻撃後に皮膜の分解が減速する。合成により高い置換度を達成 する場合は水中での皮膜の安定性が改良されるが、膨潤および分解可能性が低下 する。 本発明は更にデキストランエステルの製造方法に関し、この方法はデキストラ ンがなお溶解する量の非プロトン性の極性有機溶剤を添加することができるホル ムアミドおよび/またはジメチルスルホキシドからなる溶剤にデキストランを溶 解し、プロトン捕獲剤の存在下で6〜18個の炭素原子を有する酸のハロゲン化 物、特に塩化物を反応混合物の温度が40℃を上回らないように添加する。プロ トン捕獲剤としてアミン、特にピリジンを使用する。 本発明によるデキストランエステルを製造するために使用されるデキストラン は容易に入手可能である。 これはたとえばロイコノストク(leuconostoc)種 の細菌培養基から得られる。ロイコノストク種に応じて種々の構造のデキストラ ンを単離することができる。使用することができるデキストランの例は文献に記 載されている(J.Am,Chem.Soc.76(1964)5041)。しかしながらデキストラン中 の、従って生じるデキストランエステル中のα−1,6結合の割合は60%より 低くてはいけない、それというのも60%以下のα−1,6結合割合を有するデ キストランは所定の条件下でのみデキストラナーゼにより酵素分解されるからで ある。更に腸細菌によるデキストランの分解可能性は公知である(J.of Bact.63 (1951)424)。 市販のデキストランの例はNRRL−512型である。これはロイコノストク メセンテロイデス(leuconostoc mesenteroides)の培養基から単離する。デキ ストランNRRL−512はα−1,6−ポリグルカンである。α−1,6結合の 割合は約95%である。残りの結合はグルコースモノマーのα−1,2結合およ びα−1,4結合であり、これらはグルコース単位の鎖長を有する分枝を生じる 。従ってデキストランNRRL−512はほぼ非分枝の糖ポリマーである。 デキストランは800〜10000000の多くの分子量範囲で得られる。細 菌の培養基から高分子量デキストランを単離後培養基を酸加水分解し、異なる濃 度のエタノール/水混合物での分別蒸留により種々の分子量範囲が得られる。 本発明によるデキストランエステルのための出発デキストランの分子量は誘導 後に要求される分解および溶解または膨潤特性が得られるように選択する。 デキストランは大腸で分解できる皮膜により満足しなければならない冒頭に記 載の要求を満足する。しかしながら水溶性であり、従って適当な置換基での置換 により意図的に疎水性でなければならない。導入される置換基の性質および数は 溶解性または膨潤性および皮膜形成および酵素分解可能性により決定される。 大腸の酵素の攻撃に対してデキストランエステル中に非置換の領域が存在しな ければならないことが判明した。しかしながら本発明によるデキストランエステ ルは胃および小腸で生じるアミラーゼにより攻撃されず、従って小腸で安定であ る。 有利なデキストランエステルは8〜16個、特に8〜12個の炭素原子を有す る酸から誘導されるエステル側鎖を有し、分子量40000〜1000000、 特に60000〜400000を有し、エステル化度0.08〜0.8、特に0. 1〜0.5を有する。 その際以下のデキストランエステルが特に有利である。 ラウロイル置換基を有し、置換度(エステル化度)DS=0.1〜0.5、有利 にはDS=0.1〜0.2を有するデキストランエステルが大腸で分解可能の皮膜 および埋め込みのために好ましい。ラウロイルデキ ストランの分子量は150000〜1000000、有利には200000〜3 00000であるべきである。 これに対してDS=0.1〜0.5、有利にはDS=0.1〜0.2および分子量1 000000〜10000000を有するカプロイルデキストランは埋め込みに のみ適している。DS=0.1〜0.5、有利にはDS=0.1〜0.2および分子量 150000〜1000000、有利には200000〜300000を有する ステアロイルデキストランも同様である。更にDS=0.2〜0.5および分子量 60000〜150000を有するラウロイルデキストランが挙げられる。 本発明によるデキストランエステルはたとえば以下のように製造することがで きる。 デキストランを真空乾燥棚内で乾燥させ、塩化カルシウム乾燥管を有する丸底 フラスコ中でホルムアミドおよびピリジンの混合物に溶解する。引き続き脂肪酸 塩化物を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌する。生じた反応生成物を水中 で沈殿させ、分離し、水で数回洗浄する。最後に生成物を酢酸エチルおよびエタ ノールの混合物で数回洗浄し、乾燥する。 J.Am.Soc.74(1952)5339にはデキストラントリアセテートを製造する匹敵す る方法が記載されている。 本発明によるエステルは無水条件下で製造しなければならない。このために適 当な溶剤は特に非プロトン 性の極性有機溶剤、たとえばホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルホ ルムアミド、ジメチルアセトアミドおよび/またはジメチルスルホキシドである 。エステル化は溶剤を使用せずにメルトで実施することができる。この場合にポ リマーのための溶剤はアシル化剤または反応体、たとえばアルカロイルハロゲン 化物、アルカロイル無水物またはクロロ酢酸無水物である。エステル化はたとえ ば0℃〜160℃でまたは溶剤の沸騰温度で適当なデキストランをC6〜C18− アルカノイルハロゲン化物、有利にはC8〜C16−アルカノイルハロゲン化物ま たはC6〜C18−アルカノイル無水物、有利にはC8〜C16−アルカノイル無水物 と反応させることにより行う。 このアシル化はピリジンのような塩基化合物の存在下で有利に実施する。 塩基物質は出発アルカノイル化合物に対して過剰で、たとえば出発アルカノイ ル成分1モル当たり0.1〜0.2モルの過剰で存在すべきである。 本発明は特に本発明によるデキストランエステルの医薬作用物質、特に経口投 与可能な作用物質または経口投与することができ、大腸で作用物質を放出する医 薬の皮膜および埋め込み物を製造するための使用に関する。これは本発明による デキストランエステルで被覆されたまたは埋め込まれた作用物質または作用物質 を有する医薬、たとえば粒状物、ペレットまたは錠剤 により達成される。 作用物質または医薬、すなわち作用物質が一般的なまたは必要な医薬補助物質 と一緒に混入されている医薬の被覆は製薬技術で周知の方法または医薬を被覆す る一般的な方法により行う。治療に有効な物質の埋め込みは同様に製薬技術で周 知の方法により行う。この場合に更に常用の医薬補助物質または添加物、たとえ ば可塑剤(特に被覆の場合に)、香料、甘味料、補助物質、たとえばタルク、炭 酸カルシウム、マンニトール、セルロース粉末、可溶性着色料および顔料を使用 することも可能である。 使用することができる付加的な補助物質、その使用および医薬の製造は、ドイ ツ特許公開第4131292号明細書5〜10欄ほか多く記載されており、従っ て当業者に周知である。 本発明によるデキストランと有利に製剤化することができる適当な作用物質の 例は、胃または小腸で分解または消化され、従ってこれまで経口投与できなかっ た医薬作用物質および大腸ではじめて作用する医薬、たとえば大腸の疾患に作用 する医薬およびペプチド医薬である。例としてはペプチド、心臓血管治療薬、抗 リューマチ薬、鎮痛薬、クローン病および潰瘍性大腸炎のような大腸疾患の治療 剤、抗喘息剤、抗繊維素溶解剤、止血剤、抗腫瘍剤、酵素製剤、抗生物質、防カ ビ剤、および中枢神経に作用する物質が挙げられる。 ペプチド作用物質の例としては、ACTH(向副腎皮質ホルモン)、コルチコ スタチン、カルシトニン、インシュリン、オキシトシン、ソマトスタチンおよび 類似物、LHRH類似物、ボンベシン類似物、コレシストキニンおよび誘導体、 エンドテリンおよび類似物、トロンビン抑制剤、ペプチド成長因子(たとえばI GF、EGF、NGF)、マガイニン(PGSペプチド)、ガストリン類似物、 ブラジキニン類似物、副甲状腺ホルモン類似物、ニューロキニンおよび類似物、 VIPおよび類似物、ANP(心房性ナトリウム利尿性ペプチド)および類似物 、ネオキオトロフィンおよび類似物、アンジオテンシン類似物、エンセファリン 、ダイノルフィン、デルモルフィン、デルトルフィン、リーニン抑制ペプチド、 腫瘍成長因子ペプチド、MSH(黒血球刺激ホルモン)類似物、ミトトキシン、 ティルフォスチン、クロモグラニンA、ティモペンチン、TRHおよび類似物、 物質P、タフチン、フィブロネクチンおよびペプチド免疫モジュレータ、たとえ ばシクロスポリンA、FK506、ニューロペプチドYおよびNPKが挙げられ る。 バイオテクノロジーにより製造されるペプチド、特に低級ペプチドは本発明に より有利に使用される。 例 1.カプロイノレデキストラン 1.1製造 分子量200000〜300000および1000000〜10000000 を有するデキストランを合成に使用した。使用される反応媒体はピリジン(不均 一膨潤合成)またはホルムアミド(均一反応混合物)であった。酸クロリドをア シル化試薬として使用した。 詳しくは以下の通りに行った。 DS=0.13(DS=エステル化度)を有するカプロイルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン( 分子量1000000〜10000000)4.0gをピリジン144g中で懸 濁させた。70℃で2時間撹拌し、カプロン酸クロリド2.1gを添加し、更に 3時間撹拌した。生じた生成物を水およびアセトンで数回洗浄した。 DS=0.08を有するカプロイルデキストランを同様に製造した。 DS=1.7を有するカプロイルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン4 .0gをピリジン136g中で懸濁させた。70℃で2時間撹拌し、カプロン酸 クロリド10.0gを添加し、更に3時間撹拌した。 沈殿した生成物を水およびアセトンで数回洗浄した。 DS=0.62を有するカプロイルデキストランを同様に製造した。 1.2生成物の特性化 1.2.1置換度決定 エステル化したカプロイルエステルをアルカリ加水分解後にカプロン酸メチル エステルとしてガスクロマトグラフィーにより定量的に分折した。ピーク表面を 評価後、置換度DSを以下の式Iから得た。 1.2.2溶解性 分子量1000000〜10000000のデキストランから得られた水に不 溶のカプロン酸エステルを引き続きホルムアミドおよびDMSOに溶かした。 選択された低分子量の場合は得られた生成物は置換度に依存して種々の極性溶 剤中で溶解性を示した。 1.2.3皮膜形成 分子量200000〜300000のデキストランから得られたカプロイルデ キストランは前記溶剤から安定な皮膜を形成した。高分子生成物からは皮膜を形 成することができなかった。 その際安定性の欄の記号“−”は水中での皮膜の分解を表し、記号“o”は1 %より多い膨潤の際の皮膜の重量損失を表し、記号“+”は1%未満の皮膜の重 量損失を表す。 1.2.4カプロイルデキストラン皮膜の水吸収 酵素の攻撃のために皮膜が限られた量で水を吸収することが必要である、それ というのも大腸菌相の酵素は水性媒体に溶けた形で存在するからである。皮膜の 水吸収の間にポリマーの分解すべき結合に酵素が到達する。 水吸収は以下の式により決定する。 式中のAは重量増加を%で表し、Goは乾燥皮膜の重量およびGtは膨潤した 、水で飽和した皮膜の重量を表す。 以下の値が検出された。 置換度: 1.7 0.62 水吸収(%): 3.3 37.5 1.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 カプロイルデキストランの分解可能性を薄層クロマトグラフィーにより試験し た。低分子物質は酵素により攻撃されなかった、それというのも水に不溶の生成 物を得るためにこの場合に必要な置換度が高すぎたからである。 高分子カプロン酸エステルの場合はすでにDS=0.1より高い低い置換度で 水に不溶の生成物を生じた 。この低い置換において分解可能性は維持された。 1.3.カプロイルデキストランの総括的評価 実施した置換後に乾燥および膨潤状態で十分安定な皮膜が形成されるように分 子量の大きさをまず正確に選択した。C6−置換基の導入によりこの要求は出発 デキストランの分子量200000〜300000で満たされた。この分子量で 水に不溶の誘導体に対してDS=0.6より高い置換度を生じた。しかしながら この置換度では酵素の攻撃はもはや不可能であった。 合成に1000000〜10000000の範囲の出発デキストランの高い分 子量を選択する場合は、すでにDS=0.1より高い置換度で水に不溶の生成物 が得られた。ここでは酵素の分解可能性はなお保証された。有機溶剤からの皮膜 形成はこの高分子誘導体においてはその難溶性により不可能であった。水性懸濁 液からの熱ゲル化は皮膜を形成したが、これは水中で十分な安定性を示さなかっ た。従って高い分子量を有するカプロイルデキストランは大腸適用のための埋め 込み物質として適している。 2.ステアロイルデキストラン 2.1製造 分子量200000〜300000を有するデキストランを使用した。 ステアロイルデキストランの製造方法は文献に記載されている(J.Chem.Soc.1 952,74,5016)。その際触媒としてクロロ酢酸無水物および過塩素酸ナトリウム を用いていわゆるアクチュエータ法(actuator method)を利用した。合成中にア クチュエータと反応することによりステアリン酸から相当する無水物を形成した 。引き続きこれを有利にはデキストランのヒドロキシル基と反応させた。反応生 成物中にクロロアセチル基は検出不可能であった。溶剤として過剰のクロロ酢酸 無水物を用いた。反応を80℃で実施し、不均一に進行した。異なる量のステア リン酸の添加により変動可 能の置換度を有するステアロイルデキストランを取得することができた。 詳しくは以下のように実施した。 DS=0.32を有するステアロイルデキストラン 強力冷却器を有する50ml丸底フラスコ中にデキストラン2.0g、ステア リン酸4.0g、クロロ酢酸無水物20.0gおよび過塩素酸ナトリウム50m gを導入し、撹拌下で80℃に加熱した。8時間後反応を中断し、沈殿した生成 物を水およびアセトンで数回洗浄した。 DS=0.48を有するステアロイルデキストランを同様に製造した。 DS=1.16を有するステアロイルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン2 .0gをピリジン140g中で懸濁させ、70℃で2時間撹拌した。ステアリン 酸クロリド8.0gを添加し、更に4時間撹拌した。沈殿した生成物を水および アセトンで数回洗浄した。 2.2.生成物の特性化 2.2.1置換度決定 ステアロイル置換基をアルカリ加水分解により分解し、単離し、メタノールで エステル化後ステアリン酸メチルエステルとしてガスクロマトグラフィーにより 定量的に決定した。ヘプタデカン酸メチルエステルを評価のために内部規格とし て用いた。 置換度はカプロイルデキストランと同様に式Iから算定した。 2.2.2溶解性 得られたステアロイル誘導体はDMSOおよびホルムアミドにのみ溶解した。 DS=1.16を有する高置換された親油性のステアリルデキストランはジクロ ロメタン中で著しい膨潤を示した。しかしながらすべての生成物が医薬核を皮膜 で被覆するために適した溶剤(たとえばイソプロパノール)に溶解しなかった。 2.2.3皮膜形成 得られたステアロイルデキストランから皮膜をきわめて劣悪にのみ形成するこ とができた。高置換された誘導体はジクロロメタンからの皮膜形成傾向を示した 。 2.2.4ステアロイルデキストラン皮膜の水吸収 得られた皮膜をカプロイルデキストラン皮膜と同様に検査した。 置換度1.16で水吸収3.75%が測定された。 2.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 分解可能性を薄層クロマトグラフィーにより試験した。2つの低置換された生 成物を酵素により攻撃した。DS=1.16を有するステアリルデキストランは 分解しなかった。 2.3ステアロイルデキストランの総括的評価 親油性ステアリン酸置換基を用いて選択された分子量200000〜3000 00でDS=0.5未満の置換度で酵素分解可能性が維持された水に不溶の生成 部が得られた。この生成物からその劣った溶解特性により皮膜が得られなかった 。しかしながら意図的な大腸適用の埋め込み物質として適していた。高置換され たステアロイル誘導体は皮膜形成傾向を示したが、分解しなかった。 3.ラウロイルデキストラン 3.1製造 分子量範囲200000〜300000,120000〜170000および 60000〜90000を有するデキストランを使用した。 合成をデキストランがきわめてよく溶解するホルムアミド中で実施した。ホル ムアミドは特に水を牽引する物質を作用させると高温で分解する傾向を有するの で、合成を室温で実施した。プロトン捕獲剤としてピリジンを使用した。アシル 化剤として相当する酸クロリドを使用した。ラウリン酸クロリドはホルムアミド とともに1種のゲル錯体を形成し、これが合成中にかなりの粘度の問題を生じる ことがある。これは過剰の溶剤を添加することにより除くことができる。その際 プロトン捕獲剤としてのピリジンの使用はほかの室温で固体の塩基、たとえば4 −ジメチルアミノピリジン に比べて反応バッチの粘度を低下するためにより好ましいことが示された。 塩基触媒としてピリジンのほかに4−ジメチルアミノピリジンを使用した。こ れはピリジンに比べて反応生成物から良好に精製により除去できるという利点を 有した。合成は可能なホルムアミド分解の理由から酸クロリドを作用させて室温 で実施した。比較的低い活性のラウリン酸クロリドを用いて3〜4時間の短い反 応時間を維持するために、大過剰のアシル化剤を添加した。これにより反応バッ チは濁ったが、これは合成の再現可能性に何ら影響を示さなかった。従ってデキ ストランおよび生じたデキストランエステルは合成中に更に溶解したままであり 、一部のアシル化剤のみが溶解しないままであることが推測できた。比較的少量 の酸クロリドを添加してもバッチは均一であった。 詳しくは以下のように実施した。 DS=0.08を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン3.0 gおよび4−ジメチルアミノピリジン2.2gをホルムアミド85gに溶かし、 ラウリン酸クロリド9.6gを添加した。室温で3.5時間撹拌し、水を添加す ることにより反応を中断した。沈殿した生成物をエタノールおよび酢酸エチルの 80:20の比の混合物で数回洗浄した。 DS=0.11を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン6.0 gをホルムアミド90.0gに溶かし、ピリジン60.0gおよびラウリン酸ク ロリド8.0gを添加した。室温で3.5時間撹拌し、水の添加により反応を中 断した。沈殿した生成物をエタノールおよび酢酸エチルの80:20の比の混合 物で数回洗浄した。その後なお水で数回洗浄した。 DS=0.19を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン3.0 gおよび4−ジメチルアミノピリジン2.2gをホルムアミド81gに溶かし、 ラウリン酸クロリド14.1gを添加した。室温で3.5時間撹拌し、水の添加 により反応を中断した。沈殿した生成物をエタノールおよび酢酸エチルの80: 20の比の混合物で数回洗浄した。その後なお水で数回洗浄した。 その他のラウロイルデキストランはそれぞれ同様に製造した。 3.2生成物の特性化 3.2.1置換度決定 置換基を分解、単離およびメタノールでエステル化後にラウリン酸メチルエス テルとして定量的にガスクロマトグラフィーにより決定した。内部規格としてミ リスチン酸メチルエステルを用いた。置換度DSはカプロイルデキストランと同 様に式Iから算定した。 3.2.2溶解性 出発デキストランの分子量200000〜300000において水に不溶の誘 導体を得るためにはDS=0.06より高い置換度が存在しなければならない。 少ない分子量を使用する場合は、生成物が類似の溶解性を得るためにかなり高く 置換しなければならない。 この限界値より高い置換度を有するラウロイルデキストランは二成分溶剤混合 物中でコロイド状で溶解し、その際有機成分(イソプロパノール/エタノール) に常に水を添加しなければならない。温度を高めると乳白光が失われる。使用さ れる有機成分の置換度および種類に応じて透明温度は40℃〜60℃である。こ れは温かい溶剤から医薬核に皮膜を被覆するために作用物質または補助物質の可 能な熱不安定性にとって重要である。 3.2.3皮膜形成 120000より大きい分子量において皮膜形成傾向を示す。200000よ り大きい分子量を有する誘導体において定量的に良好な皮膜が得られる。この皮 膜は冷たいまたは温かい溶液からおよび水性懸濁液から37℃で得られた。熱ゲ ル化により均一な皮膜を得るためには、皮膜取得の際の懸濁液中の粒度は膨潤し た状態で30μm未満であるべきである。 分子量120000〜170000の誘導体から得られた皮膜はこの生成物が 水に不溶の誘導体であるにもかかわらず30〜120分の時間内で水に溶解した 。 3.2.4皮膜の水吸収 水吸収を前記の方法により決定した。 以下の値が測定された。 置換度:0.28 0.11 0.24 ★ ★★ ★★ 水吸収: 198 230 178 ★:デキストラン150 ★★:デキストラン250 3.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 すべての得られた生成物は酵素により分解可能であ る。酵素攻撃終了後若干の水に不溶の生成物に置換度に依存して水に不溶の基が 残留した。DS=0.11を有するラウロイルデキストランは完全に水溶性の分 解生成物に分解した。水中の溶解度限界は分子量約60000であった。 3.3.ラウロイルデキストランの総括的評価 ラウリン酸での置換により皮膜を形成する大腸で分解可能な皮膜の要求にすべ ての点で相当するデキストラン誘導体が得られた。使用されるデキストランがD S=0.12より高く、分子量60000〜90000、DS=0.08より高 く、分子量120000〜170000、およびDS=0.06より高く、分子 量200000〜300000の場合に水不溶性が得られた。水中の皮膜の安定 性のためには皮膜形成に必要な分子量200000〜300000においてDS =0.1〜0.2の置換度が必要である。生成物はエタノール中で50%または イソプロパノール中で50%コロイド状で溶解している。温度を高めると透明な ポリマー溶液が生じる。この溶液から皮膜が得られる。水性懸濁液からの熱ゲル 化も同様に可能である。水中で十分な安定性を有するラウロイルデキストラン皮 膜を形成できるためには、出発デキストラン分子量は200000より大きくな ければならない。 従って特に適当な2つの物質を製造することができた。しかしながらDS=0 .11を有する誘導体はD S=0.24を有する誘導体に比べて更に改良された分解特性を有する。従って 医薬物質放出は一方では皮膜の機械的強度を弱めることにより達成され、他方で は皮膜の分解により安全に保証される。 4.アセチルデキストランを用いた比較試験 比較物質としてアセチルデキストランを製造した。分子量1000000〜1 0000000を有するデキストランを使用した。 製造は文献(J,Am.Chem.Soc.74.5339.1952)に記載されているように行った。 詳しくはたとえば以下のように実施した。 DS=3を有するアセチルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中でデキストラン3 .0gをホルムアミド122.6gとともに溶解し、引き続きピリジン10.5 gを添加し、反応性のアセチル基とデキストランの遊離したヒドロキシル基のモ ル比が1.2:1になる量の無水酢酸を添加した。室温で3時間撹拌した。水の 添加により反応を中断した。反応生成物を沈殿させ、水で数回洗浄した。ほかの アセチルデキストランを同様に製造した。 特性化をほかのデキストランエステルに記載されたと同様に実施した。皮膜形 成化合物が得られたが、DS=1.2の置換度より低いアセチルデキストランは 水溶性であり、従って本発明の目的に適さないことが判明した。DS=1.2未 満の水に不溶のアセチルデキストランはもはや分解せず、従って同様に適さなか った(以下の表を参照)。 5.分析法 5.1.カプロイルデキストランの置換度決定 カプロイルデキストラン50.0mgおよびヘプタン酸メチルエステル20. 0mgにバイアル中でKOH10%5mlを加え、ふたをして90℃で3時間熱 処理した。冷却後溶液を50ml分液漏斗に移し、濃塩酸で酸性にし、ジエチル エーテルそれぞれ10mlで3回振出した。硫酸ナトリウム上で乾燥したエーテ ル相を50ml丸底フラスコに移し、回転蒸発機でエーテルを分離した。残留物 にメタノール10.0mlおよび50%メタノール性三フッ化硼素溶液5.0m lを加え、還流冷却して30分で加熱して沸騰させた。水5mlの添加により反 応を中断し、冷却した反応混合物をヘキサンそれぞれ5mlで3回振出した。乾 燥したヘキサン相を精製し、ガスクロマトグラフィー の噴霧溶液として用いた。 因子決定のためにカプロン酸メチルエステルおよびヘプタン酸メチルエステル それぞれ20.0mgをヘキサン5.0mlに溶かし、噴霧した。ピーク表面を 互いに評価した。 ガスクロマトグラフィー: カラム:DEGS 炉温度:70℃ 噴霧温度:100℃ 噴霧量:1μl ほかのデキストランエステルの置換度を同様に決定した(前記式Iにより算定 )。 5.2皮膜の取得 5.2.1有機溶剤から デキストランエステル100mgを適当な溶剤2mlに溶かし、直径3cmを 有するテフロンシェルに注いだ。溶剤を37℃で蒸発した。 5.2.2熱ゲル化 デキストランエステル200mgを水2ml中で懸濁させた。ポリマーを30 分膨潤した後で懸濁液をUltraturraxで5分間分散させた。懸濁液を 直径3cmを有するテフロンシェルに注いだ。37℃で水を蒸発することにより 皮膜を取得した。 5.3皮膜の水吸収 均一皮膜10mgを水5mlに導入した。完全に膨 潤後皮膜表面から表面の水を濾紙により除去し、新たに皮膜を得た。水吸収を% で表した。 5.4.デキストランエステルの分解可能性 薄層クロマトグラフィーを用いた分解可能性試験 デキストランエステル50mgをpH6.8燐酸塩緩衝液5ml中で懸濁させ た。1時間後酵素6U/mlを含有するデキストラナーゼ溶液1mlを添加した 。混合物を37℃で1時間保温培養し、メタノール100μlの添加により酵素 反応を中断した。被覆溶液として透明な上ずみ液を使用した。非置換のデキスト ラン50mgを同様に処理し、盲値として用いた。 薄層クロマトグラフィー: 被覆量:20μl 帯域幅:15mm 移動区間:15cm 移動相:1−プロパノール:ブタノール:ニトロメタン:水 4:1:2:3 の比 比較:グルコース、イソマルトース、イソマルトトリオースの0.1%溶液 検出:エッカート試薬(eckert-reagent)/120℃ 全体として、出発デキストランの置換基、置換度および分子量の変動により、 大腸で分解可能な皮膜としての適性に関するすべての要求に相応する意図的な誘 導体を製造することができたことが確認された。60 000〜10000000の範囲の分子量を使用した。C6〜C12−脂肪酸で置 換する際にデキストランの分子量は有利には200000より大きく、それによ り乾燥および膨潤状態で生成物から機械的に安定の皮膜を獲得することができた 。皮膜形成傾向はすでに分子量約120000で認識された。しかしながらこの 皮膜の安定性は特に膨潤状態で低かった。ステアロイルデキストランからは不十 分な皮膜のみが形成された。可能な酵素の攻撃に関してポリマー中に大きな非置 換の領域が存在しなければならなかった。有利にはDS=0.5の置換度以下で それぞれ分解可能性が維持された。従って適当な置換基を用いてこの最適に測定 された置換度で水に不溶の誘導体が得られた。ラウロイル置換基の導入によりす べての要求に相応する誘導体が得られた。200000より大きい分子量および DS=0.1より高い置換度で乾燥および膨潤状態で安定の皮膜が得られた。皮 膜は有機溶剤、たとえばイソプロパノール50%からまたは37℃の熱ゲル化に より得られた。この低い置換度で生成物の分解可能性が保証された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.エステル化度がデキストランエステルが室温で水に不溶であり、大腸菌に より分解されるように側鎖のC原子数および分子量に依存して0.04〜1.1の 値に調整され、分子量40000〜10000000および6〜18個のC原子 を有する酸から誘導されるエステル側鎖を有するデキストランエステル。 2.エステル側鎖が8〜16個のC原子を有する酸から誘導され、分子量が4 0000〜1000000であり、エステル化度が0.08〜0.8である請求の 範囲1記載のデキストランエステル。 3.エステル側鎖が8〜12個のC原子を有する酸から誘導され、分子量が6 0000〜400000であり、エステル化度が0.1〜0.5である請求の範囲 2記載のデキストランエステル。 4.医薬作用物質または医薬製剤を被覆および/または埋め込むための請求の 範囲1から3までのいずれか1項記載のデキストランエステルの使用法。 5.請求の範囲1記載のデキストランエステルを製造する方法において、デキ ストランがなお溶解する量の非プロトン性の極性有機溶剤を混合することができ るホルムアミドおよび/またはジメチルスルホキシドからなる溶剤にデキストラ ンを溶かし、プロトン捕獲剤の存在下で6〜18個のC原子を有する酸のハロゲ ン化物を反応混合物の温度が40℃を上回らないように添加することを特徴とす る、デキストランエステルの製造方法。 6.大腸で作用する作用物質または胃または小腸を通過する際に分解する作用 物質を請求の範囲1から3までのいずれか1項記載のデキストランエステルで被 覆するかまたは埋め込んで含有することを特徴とする医薬。 7.作用物質としてペプチド医薬を含有する請求の範囲6記載の医薬。 8.錠剤、粒状物またはカプセルの形で存在する請求の範囲6または7記載の 医薬。
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