JPS647601B2 - - Google Patents

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JPS647601B2
JPS647601B2 JP18597883A JP18597883A JPS647601B2 JP S647601 B2 JPS647601 B2 JP S647601B2 JP 18597883 A JP18597883 A JP 18597883A JP 18597883 A JP18597883 A JP 18597883A JP S647601 B2 JPS647601 B2 JP S647601B2
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JP
Japan
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water
cellulose
viscosity
cellulose derivative
acid type
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JP18597883A
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Inventor
Hideaki Mukoyama
Ryoichi Hiraoka
Shohachi Ushijima
Motoyasu Saito
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Kojin Co Ltd
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Kojin Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP84111928A priority patent/EP0136722B1/en
Priority to DE8484111928T priority patent/DE3478445D1/de
Priority to US06/657,865 priority patent/US4547571A/en
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Publication of JPS647601B2 publication Critical patent/JPS647601B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は低粘度オキシカルボン酸型セルロース
誘導体の製造方法に関するものである。オキシカ
ルボン酸型セルロース誘導体は腸溶性コーテイン
グ剤として利用される場合には、当然のことなが
ら胃液には溶解せず、腸液に対しては速やかに溶
解することが要求されるほか、経時的に化学的・
物理的変化を起こさないこと、柔軟性に富んだ均
一なコーテイング被膜を形成することが要求され
る。 従来この用途にはセルロース混合エーテルの一
種であるセルロースアセテートフタレートが汎用
されていたが、経時的に加水分解を生じ本来の機
能を発揮しないなどの問題があるため、耐加水分
解性向上を目的として種々の新規な腸溶性コーテ
イング剤が開発されている。 例えば耐加水分解性向を主目的としてセルロー
スに結合する置換基を化学的に安定なエーテル結
合とする方法例えば日本特許第649218号記載のカ
ルボキシアルキルセルロース誘導体が提案されて
おり、一方、一般に加水分解性に問題があるとさ
れるセルロースエステル誘導体に属するものであ
つても耐加水分解性を改善したものとして提案さ
れているヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレートがあり、更に最近このヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレートよりも耐加水分解
性にすぐれるものとして特開昭57−63301号記載
のセルロースエーテルの酸性サクシノイル及び酸
性フタロイル混合エステル又は特公昭57−25008
号記載のセルロースエーテルの酸性サクシノイル
及び脂肪族モノアシル混合エステル類等が提案さ
れるに至つている。 しかしながらこれらの基材はそれぞれにすぐれ
た分子設計に基いておりそれなりに問題改善に有
効であるが必ずしも期待された性能を充分満足す
べく発現していない。例えばコーテイング溶媒に
溶解する場合に不都合なゲル状不溶物が生じた
り、皮膜形成能が不充分なためコーテイング皮膜
に亀裂が生じたり、更には腸溶性が遅延する等の
不都合な現象が時として生じることがある。 本発明者らは係る現象に着目して何故にそのす
ぐれた分子設計に基いた期待通りの性能を発現し
ないのかを種々検討した結果、該セルロース誘導
体の化学構造は種々異なるものの基本的にはオキ
シカルボン酸型セルロース誘導体であり、これが
故に製造プロセス中あるいは保存中にラクトン等
のエステル結合が形成されることが変質の主要因
子の一つであることを見い出し係る不都合な変質
を防止する方法を先に提案した(特願昭58−
135741号)。 オキシカルボン酸型セルロース誘導体を製造す
るプロセスには酸性下で処理する工程を含むが、
酸性下の処理がエステル結合を形成させ、これが
変質の主因となつていた。特願昭58−13571号記
載の方法は、反応によつて生成したオキシカルボ
ン酸型セルロース誘導体を、一旦アルカリ水溶液
に溶解することによりエステル形成部を加水分解
して除くこと、及びアルカリ塩となつたオキシカ
ルボン酸型セルロース誘導体を酸性物質で中和・
脱水和するのに可及的緩和な条件としその際アル
カノール又はアセトンを共存させることからな
る。 このようにして該オキシカルボン酸型セルロー
ス誘導体のエステル形成度を5%以下とすること
が可能となり後記定義のオキシカルボン酸型セル
ロース誘導体個々の分子設計に応じた物性を充分
に発現し得る高品位の製品を容易に得ることがで
き、従来種々問題とされていた欠点の解消に有効
であつた。 しかしながら、該オキシカルボン酸型セルロー
ス誘導体はその用途に応じて種々の粘度を有する
ものが望まれている。そのためには製品粘度に応
じた重合度を有するセルロースを出発原料とする
か、製造工程の中に目的に応じた製品粘度となす
解重合工程を含むことが必要となる。このような
粘度調節の方法は工業的には後者、すなわち解重
合法を採用するのが一般的であり解重合は通常酸
性下の条件で行われている。 しかしながら前述の如く、オキシカルボン酸型
セルロース誘導体の酸性下での処理はラクトン等
のエステル結合を形成し易く品質低下の大きな原
因となつているので酸性下での解重合工程におい
ても同様の変質が生じることはさけられない。 このようにして解重合プロセスにおいて生じた
エステル結合を更にアルカリ加水分解によつて再
生せしめるということは製造プロセスの複雑化と
いう点で問題点を残すこと、更にはエステル形成
度の高い極めて高度に変質したものを精製するた
めには塩基性物質としてはアンモニア等の水溶性
アミン類は余り有効ではなく苛性ソーダ等の苛性
アルカリなどに限定され必ずしも完全にはエステ
ル結合の加水分解による精製という目的を達成す
ることは望めない等まだまだ改善を要する点を含
むものであると言わざるを得ない。 本発明者らは以上の改善を要する点を解決する
ため、鋭意検討した結果、上記二点の問題点を同
時に解決でき、その上コーテイング溶媒種に応じ
た親和性を有するように製品の溶媒特性をコント
ロールできる方法を見い出し本発明を完成するに
至つた。 すなわち本発明は、酸性系以外での解重合法に
つき検討した結果、水に不溶性のオキシカルボン
酸型セルロース誘導体を塩基性物質を含む水に溶
解後、あるいは該オキシカルボン酸型セルロース
誘導体の水溶性塩基塩を水に溶解したのち過酸化
物を加えることにより解重合工程でエステル結合
を形成することなく容易に解重合し、その際塩基
性物質の配合組成により、製品の対溶媒親和性を
調節できることを特徴とするものであり、次いで
中和・脱水和することにより目的とする高品位低
粘度オキシカルボン酸型セルロース誘導体を更に
有利に得るものである。 本願においてオキシカルボン酸型セルロース誘
導体は次のとおり定義される。 セルロース又はヒドロキシアルキルセルロース
のグルコース骨格当り3ケのヒドロキシル基の少
なくとも一部分がカルボキシアルキルエーテル基
(−OCnH2nCOOH)二塩基性カルボン酸にもと
ずく半エステル基から選ばれるものとエーテル基
(−OCnH2n+1)エステル基(−OOCR)から
選ばれるものとで置換されているセルロース誘導
体。但しアルキルは炭素数1〜5のアルキルをn
は1〜5を示しRは炭素数1〜5のアルキル又は
高級脂肪酸残基を示す。オキシカルボン酸型セル
ロース誘導体としてはセルロースエーテル類、セ
ルロースエステル類及びセルロースエーテルエス
テル類が挙げられる。エーテル基又はエステル基
とはセルロースのエーテル化又はエステル化によ
つてセルロースに導入される原子団を意味し、エ
ステル基としては例えば酢酸エステル、プロピオ
ン酸エステル、酪酸エステル、高級脂肪酸エステ
ルなどがある。 オキシカルボン酸型セルロース誘導体の具体例
としては、カルボキシメチルエチルセルロース;
カルボキシエチルメチルセルロース;カルボキシ
プロピルメチルセルロース等のカルボキシアルキ
ルアルキルセルロース混合エーテル類、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースサクシネート;ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースの酸性サクシ
ノイル及び酸性フタロイル混合エステル、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースの酸性サクシノイ
ル及びプロピオン酸エステルなどのセルロース混
合エーテルエステル類、セルロースアセテートフ
タレート;セルロースアセテートサクシネートな
どのセルロース混合エステル類などがあげられ
る。 また、本発明において使用するオキシカルボン
酸型セルロース誘導体を水に可溶化させるために
加える塩基性物質としては、好ましくはアンモニ
ア又はモノメチルアミン、ジメチルアミン、メタ
ノールアミン、ベンジルアミン、シクロプロピル
アミンなどの水溶性アミン類及び苛性アルカリか
ら成る群から選ばれた1種又は2種以上の混合物
があげられるが目的とする製品粘度が低い場合、
あるいは解重合に使用する過酸化物の必要添加量
の低減を企る目的からするとアンモニア又は水溶
性アミン類単独かあるいは少なくとも一成分とし
てアンモニア又は水溶性アミン類を含む系の方が
解重合効果を促進しより緩和な条件下で目的とす
る低粘度製品を得ることが可能となり有利であ
る。 次に使用する塩基性物質の使用量は該オキシカ
ルボン酸型セルロース誘導体を水溶化するに足り
る量であれば特に制限はないが、該オキシカルボ
ン酸型セルロース誘導体に含有されるカルボキシ
ル基と等量ないし2倍量程度の範囲が好適であ
る。溶解は水にオキシカルボン酸型セルロース誘
導体を分散し、塩基性物質水溶液を加え、撹拌す
ることにより容易に行うことができる。 なおオキシカルボン酸型セルロース誘導体を塩
基性物質を併用して水に溶解するかわりに、該セ
ルロース誘導体の水溶性塩基塩を水に溶解して用
いてもよい。 次に本発明に使用される解重合に使用する過酸
化物としては、水溶性であれば何でも良いが、工
業的見地から過酸化水素が好適である。また、そ
の添加量は原料粘度、製品粘度、解重合温度及び
使用する塩基性物質の種類によつても異なるが投
入されるオキシカルボン酸型セルロース誘導体に
対して1〜30重量%程度とし、それに適合するよ
うにその他の条件を設定することが好ましい。す
なわち、1重量%以下であれば解重合効率が悪い
のみならず製品は漂白不充分となり易く、また、
30重量%以上であれば解重合以外に不都合な酸化
に基く品質低下を生じる恐れがある。また、解重
合温度及び時間も同様に原料粘度、製品粘度、過
酸化物、塩基性物質の種類及び量等によつても異
なり一律に限定することはできないが一般に室温
〜80℃特に30℃〜60℃の温度域で0.5〜24時間程
度の条件設定とすることが好ましい。 以上の条件に従つて目的に応じた粘度にまで解
重合して得た低粘度オキシカルボン酸型セルロー
ス誘導体は水溶性の塩基性塩型の水溶液として存
在しているが、カルボン酸型として取得するため
には、引続き中和し固液分離を行う必要がある
が、該工程での品質劣化を可能な限り防止するこ
とが肝要である。 そのためには中和〜固液分離の工程での処理条
件を可能な限り緩和なものとすることが好まし
い。そのためには特願昭58−135741号の精製方法
を採用することができる。 すなわち、解重合終了後、該オキシカルボン酸
型セルロース誘導体塩基性塩を、中和するに用い
る酸は該セルロース誘導体よりも強酸であれば良
く例えば硫酸、塩酸などの無機酸、ギ酸、酢酸等
の有機酸などから任意に選択することができる。
中和することにより得られたヒドロゲルをその脱
水和温度以上に加熱することにより目的とする低
粘度オキシカルボン酸型セルロース誘導体を析出
させ固液分離するが、中和〜脱水和処理までの系
は弱酸性でありこの間での変質を防止するには可
能な限り低温、短時間となすことが肝要であり、
そのためには塩基性物質を中和するに際し炭素原
子数1〜3の低級アルカノール又はアセトンの共
存下に中和することにより脱水和温度の低下、脱
水和所要時間の短縮等に有効であることは先願発
明(特願昭58−135741号)に記載の通りである。
また係る脱水和促進剤の添加は脱水和条件緩和に
有効であるのみならず、得られる製品粒径を大き
くすることにも有効であり、条件によつては粒子
径1mm以上に容易に造粒でき、造粒品を望む場合
には特に有効な手段となる。 本発明の方法によつて解重合すると、溶媒親和
性の異なる低粘度オキシカルボン酸型セルロース
誘導体を得ることができる。すなわち、解重合の
際使用する塩基性物質組成と製品の溶媒親和性を
チエツクした結果、塩基性物質としてアンモニア
又は水溶性アミン類を多く用いた場合には水に対
する親和性が増し苛性アルカリを多く用いる場合
には、非水系溶媒に対する親和性が増すことが明
らかとなつた。その理由は塩基性物質の種類によ
つて該ポリマーの溶液中におけるコンフオーメー
シヨンが異なると考えられ、ひいては中和〜加熱
脱水和処理によつて得られる製品固体中における
親水性基、疎水性基の分布状態も異なることによ
ると推察される。使用する塩基性物質の組成すな
わちアンモニア又は水溶性アミンと苛性アルカリ
の混合組成を調節することにより自由に製品の溶
媒に対する親和性をコントロールすることが可能
となる。 例えば該オキシカルボン酸型セルロース誘導体
を腸溶性コーテイング剤として使用する場合、従
来からジクロルメタン/メタノール混液、ジクロ
ルメタン/エタノール混液等の非水系有機溶媒が
多用されており係る使用目的に合致した製品を得
るには使用する塩基性物質として苛性アルカリ単
独あるいは苛性アルカリを主成分とするアンモニ
ア又は水溶性アミンとの混合組成とすることによ
り目的を達することが可能である。また最近有機
溶媒の安全性の点で水系コーテイングが要望され
ているが、係る使用目的に合致した製品を得るに
は使用する塩基性物質としてアンモニア又は水溶
性アミンからのみ選ぶか、あるいはアンモニア又
は水溶性アミンを主成分とする苛性アルカリとの
混合組成とすることにより目的を達することが可
能である。 本発明の方法によつて解重合されたオキシカル
ボン酸型セルロース誘導体はエステル化変質度が
極めて小さく、溶解時不溶のゲル状物を含有しな
い。品質の安定度の優れたものである。適当な溶
媒に溶解した溶液ないし分散液から高品質の変質
しない被膜を与えることができ、薬剤の腸溶性コ
ーテイング剤などとして極めて有用である。 以下実施例をもつて本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例
において部及び%は特に限定しない限り重量部及
び重量%を示すものであり、各種測定値は以下の
方法によつて求めたものである。 1 粘度(1) 試料をエタノール/水混合溶媒(80/20)に
溶解し5%溶液を調整しB型粘度計を用いて、
ローター回転数30r.p.m.25℃の条件下で測定し
たものである。 2 粘度(2) 試料を塩化メチレン/イソプロピルアルコー
ル混合溶媒(89/11)に溶解し20%溶液を調整
しB型粘度計を用いて、ローター回転数30r.p.
m.20℃の条件下で測定したものである。 3 粘度比 粘度(1)及び粘度(2)測定時にローター回転数
30r.p.m.での粘度(η30)とローター回転数6r.p.
m.での粘度(η6)を求めその比をη6/η30とし
て表示した。粘度比が大きい程その溶媒中で試
料ポリマーの分子会合が生じ易いこと、すなわ
ち、該溶媒に対し親和性が低下することを意味
すると考えられる。 4 エステル化変質度 アルギン酸のラクトン形成度の測定法(三輪
知雄、日化、51、738(1930))に準じてカルボ
キシル基を直接滴定法及び間接滴定法の差から
次式によつて求めた。 エステル化変質度 エステル化変質度 (モル%)=カルボキシル基含量(間接滴定法)−カル
ボキシル基含量(直接滴定法)/カルボキシル基含量(
間接滴定法)×100 なお、直接滴定には溶媒としてエタノール/
水混合溶媒(80/20)、滴定試薬は0.1N水酸化
ナトリウムを用い、間接滴定には溶媒として
0.1N水酸化ナトリウム、滴定試薬としては
0.1N硫酸を用いた。指示薬としては両滴定法
ともフエノールフタレインを用いカルボキシル
基含量は常法に従つて計算した。 5 最低造膜温度(以下MFTと略記) クエン酸ソーダ0.294部、クエン酸0.017部、
乳化剤(商品名:ツイーン80、花王アトラス
製)0.05部及び可塑剤(商品名:MGK、日清
製油製)を水107.6部中に溶解〜乳化分散させ
た液によく粉砕された試料(70メツシユ全通
品)10部を添加し乳化分散させた液のMFTを
常法に従つて測定した。 実施例 1 カルボキシメチル基置換度(以下DSと略記)
0.48、エトキシル基DS.01、粘度(1)30.0cps、エス
テル化変質度6.2のカルボキシメチルエチルセル
ロース50部を水608.3部中に分散したのち25%ア
ンモニア水8.4部を添加し室温で溶解した。完全
溶解させたのち、30%過酸化水素水2.5部を添加
し、50〜55℃で5.5時間撹拌した。 次いで室温で冷却しイソプロピルアルコール50
部を加えたのち、1.8N硫酸を系のPHが3.0となる
まで添加することによりカルボキシメチルエチル
セルロースのハイドロゲルを得た。なおカルボキ
シメチルエチルセルロースを、以下、出願人の登
録商標CMECによつて示す。 このものと撹拌下で加熱すると約60℃で脱水和
が始まり固体粒子が析出しはじめた。更に液温を
70℃まで上げたのち同温度で5分間保持した。次
いで熱時ヌツチエを用いて吸引過し70℃の温水
で充分洗浄したのち70℃で熱風乾燥して粒子径2
〜3mmに造粒された低粘度CMECを得た。 実施例 2〜4 実施例1において、原料CMECの溶解条件を
表1の通りとした以外は全て実施例1と同様に処
理し粒子径2〜3mmに造粒された低粘度CMEC
を得た。 実施例 5 カルボキシエチル基DS0.50、エトキシル基
DS1.81、粘度(1)68cps、エステル化変質度8.4%の
カルボキシエチルエチルセルロース(以下CEEC
と略記)50部を用い30%過酸化水素水を5部とし
た以外は全て実施例1と同様に処理し解重合処理
を行つた。次いでイソプロピルアルコールを全く
添加しなかつた以外全て実施例1と同様に中和処
理したのち撹拌下で加熱した。約65℃で脱水和が
始まり固体粒子が析出しはじめた。更に液晶を80
℃まで上げた後同温度で5分間保持したのち実施
例1と同様に処理し粒子径1mm以下の低粘度
CEECを得た。 実施例 6 実施例4においてCMECの代りに、粘度(2)で
2,200cpsエステル化変質度13.8%のヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート(商品名:
HP−55、信越化学工業製)50部を用いた以外は
全て実施例4と同一条件下で処理し粒子径3〜4
mmの低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレートを得た。 比較例 1 実施例1〜4で用いたのと同一の原料
CMEC70部を80%メタノール水溶液450部に加
え、撹拌しつつ還流下で溶解した。次いで30%過
酸化水素水7部を添加し同一条件下で5.5時間解
重合した。この時のPHは約4の酸性であつた。次
いで、常圧下反応溶媒300部を蒸留回収し更に水
250部を加え内温が98℃に至るまで蒸留回収を行
つたあと析出した低粘度CMECをヌツチエで吸
引過し固液分離した。更に70℃の温水で充分洗
浄したのち70℃で熱風乾燥した。 比較例 2 比較例1で得た低粘度CMEC50部を水661.7部
中に分散した後97%NaOHを4.98部添加し、室温
で溶解し均一溶液を得た。次いで実施例4と同様
にイソプロピルアコール添加後、中和〜脱水和処
理を経て精製された低粘度CMECを得た。 以上実施例1〜6、比較例1〜2で得られた
CMEC品質は表1に示した。
【表】
【表】 以上の結果から次のことが明らかである。 1 実施例1〜4及び比較例1 得られたCMECはいずれも原料CMEC(1)より
も低粘度となつており、エステル変質度は従来法
の酸性条件(PH=4)における処理(比較例1)
の場合に比べても極めて低く、溶液のゲル状物も
認められない高品位のものであつた。 また、粘度(1)における粘度比は水酸化ナトリウ
ム含量が増す程増加するのに対し、粘度(2)におけ
る粘度比は水酸化ナトリウム含量が増加する程低
下する傾向を示す。このことは、解重合系におけ
る塩基性物質の組成を変えることにより得られる
製品の溶媒に対する親和性が変化することを示唆
するものである。すなわち、水酸化ナトリウム含
量を増すことにより非水系の溶媒に対する親和性
が増し、逆に減すことにより含水系溶媒に対して
親和性が増すことを示唆するものである。事実、
水分散系でのMFTは水酸化ナトリウムが少ない
程、低温となり、親水性が増すことを示すもので
ある。 2 実施例5 アルカリ解重合したものは、加熱脱水和する際
IPAを共存せしめないでもエステル化変質度が小
さい高品位のCEECが得られた。 3 実施例6 原料としてエステル化物を用いたが、得られた
製品はエステル化変質度3.5%でかなりすぐれた
品位の低粘度のものとなり、非水系溶媒コーテイ
ングに適した特性を有するものである。 比較例 2 比較例1で得られたエステル変質度が高い
CMECがアルカリ処理によりエステル変質度が
改良されたが、解重合とアルカリ精製二段工程を
とつたにもかかわらず本発明の方法(実施例1)
よりエステル変質度はまだ大きく、本発明方法が
一段で済む工程の簡便さと、得られたものの品質
の点でより優れていることが明らかである。 以上のように高粘度の原料CMECは従来技術
(酸性条件)で処理したものに比べ、高品質で、
且親溶媒性が調節された低粘度CMECが得られ
ることが確認された。 参考;腸溶性コーテイングテスト結果 次に本発明を実施することによつて得られた低
粘度CMECの腸溶性コーテイング剤としての品
質特性を実際に錠剤にコーテイングすることによ
つてチエツクした。 1 コーテイングテスト用素錠の調整 a 非水系溶媒コーテイング用 微結晶セルロース(商品名:アビセル、旭化成
工業製):速崩壊性直接打錠用賦形剤(商品名:
パーフイラー、フロイント産業製)=1:1の混
合物を直接打錠で1錠約200mg、直径8mmの錠剤
を得、実験に供した。 b 水系コーテイング用 a項の錠剤に対してヒドロキシプロピルメチル
セルロース(商品名:TC−5R、信越化学工業
製)の8%水溶液をスプレーコーテイングし素錠
に対し約1%のコーテイング被膜を被した錠剤と
し実験に供した。 2 コーテイング液の調整 a 非水系溶媒コーテイング用 塩化メチレン/エチルアルコール混合溶媒
(1/1)11.5部にCMEC1部及びマイバセツト9
−40T0.1部を溶解し均一溶液となしコーテイン
グ液とした。 b 水系コーテイング用 水10.76部にクエン酸0.0017部、クエン酸ナト
リウム0.0294部、2%TC−5R水溶液0.5部、ツイ
ーン80 0.005部及びMGK0.2部を加え、ホモミキ
サーで溶解〜乳化分散させたのちCMEC1部を加
え、更にホモミキサーで充分乳化分散させ、コー
テイング液とした。この際CMECは平均粒子径
10μに粉砕された微粉体として使用した。 3 コーテイング操作及び評価 a 非水系溶媒コーテイング 自動フイルムコーテイング装置(FM−型、
フロイント産業製)に上記素錠1Kgを仕込み上記
処方aのコーテイング液を約8ml/minの液量で
スプレーし素錠に対して約8%のコーテイング被
膜を被した。この間コーテイングパンは回転下
(14r.p.m.)にあり60〜70℃の乾燥空気を用いて
乾燥した。所定量のコーテイング終了後、同様な
乾燥空気で20分乾燥した。得られた錠剤表面の造
膜状態を常法に従つて走査型電子顕微鏡法によつ
て観察するとともに更に日本薬局方(第十改正)
記載の崩壊試験法に従つて腸溶性の評価を行つ
た。結果を第2表に示すが予期した通り、実施例
1により得られたCMECよりも実施例4により
得られたCMECの方が非水系コーテイング適正
にすぐれたものとなることは明らかである。 b 水系コーテイング 自動フイルムコーテイング装置(ハイコーター
ミニ型、フロイント産業製)に上記錠剤b)0.35
Kgを仕込み上記処方b)のコーテイング液を約5
ml/minの液量でスプレーし素錠に対して約10%
のコーテイング被膜を被した。この間コーテイン
グパンは回転下(32r.p.m.)にあり80〜85℃の乾
燥空気を用いて乾燥した。所定量のコーテイング
終了後、非水系溶媒コーテイングと同様に乾燥
し、膜の観察及び腸溶性の試験を行つた。 結果を第2表に示すが予期した通り実施例4で
得られたCMECよりも実施例1により得られた
CMECの方が水系コーテイング適性にすぐれた
ものとなることは明らかである。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水に不溶性のオキシカルボン酸型セルロース
    誘導体を塩基性物質を含む水に溶解後あるいは該
    オキシカルボン酸型セルロース誘導体の水溶性塩
    基塩を水に溶解した後、過酸化物を加え解重合
    し、次いで解重合した水溶液を酸を用いて中和す
    ることによりヒドロゲルを得、該ヒドロゲルをそ
    の脱水和温度以上に加熱して固液分離することを
    特徴とする水に不溶性の低粘度オキシカルボン酸
    型セルロース誘導体の製造方法。 2 塩基性物質がアンモニア、水溶性アミン類及
    び苛性アルカリからなる群から選ばれた一種又は
    二種以上の混合物であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の水に不溶性の低粘度オキシ
    カルボン酸型セルロース誘導体の製造方法。
JP18597883A 1983-10-06 1983-10-06 低粘度オキシカルボン酸型セルロ−ス誘導体の製造方法 Granted JPS6079001A (ja)

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