JPH09502235A - シリンダヘッドアセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 シリンダヘッドアセンブリを有する小型４サイクル内燃エンジンに関し、シリンダヘッドアセンブリはエンジンのシリンダブロックと協働するシリンダヘッドと、空気が通れるようにシリンダヘッドとの間に空気通路を形成するようにシリンダヘッドに固定されたロッカーボックスとを有する。シリンダヘッドは冷却フィンを有し、この冷却フィンはシリンダヘッドとロッカーボックス間の空気通路内に突出し、吸気弁と排気弁の両軸間に延びる直線をほぼ横切って並んでいる。空気通路はエンジンの吸気ポートと排気ポート間、及び吸気ポートと排気ポート間に延びる排出ガス再循環ポートの上側に形成されているのが望ましい。一対のプッシュロッドチューブが、ロッカーボックスと一体に設けられ、かつロッカーボックスとエンジンのクランクケース間に位置し、シリンダブロックの外部に延設されている。本発明のエンジンは、ベース部材と、ベース部材から延びる一対の平行なシャフトとを有するカムタワーアセンブリを備える。そのシャフトの一方はカムシャフトとして作用し、カムシャフトには単一のカムギヤとカムが回転可能に支持される。もう一方のシャフトはフォロワシャフトであり、一対のカムフォロワが回転可能に支持される。

Description

【発明の詳細な説明】 シリンダヘッドアセンブリ 技術分野 本発明は内燃エンジンに関し、特に小型の４サイクルエンジン用のロッカーボ ックスとシリンダヘッドからなる２部材のアセンブリ、及びカムタワーアセンブ リに関する。 背景技術 ロッカーボックスとそれとは別に設けられたシリンダヘッドとを有する小型の 内燃４サイクルエンジンは公知である。例えば、クロニック氏（Kronich）によ る米国特許番号4,601,267号には、シリンダブロックと一体に設けられたシリン ダヘッドに固定されたロッカーボックスベースについての記載がある。同様に、 グレイソン氏等（Grayson）による米国特許番号5,058,542号には、シリンダヘッ ドにボルト止めした熱可塑性又はアルミダイカストの内部ロッカーボックスカバ ーについて記載がある。 ロッカーボックスとシリンダヘッドを１部材とし、シリンダヘッドアセンブリ として一体に設けることも知られている。こうしたシリンダヘッドアセンブリの 製造は、通常、複雑な鋳造工程を含んでいる。つまり、エンジンの最も熱くなる 部分から熱を放散させる複雑な形状の空気通路や冷却フィンを形成するため４個 以上のスライドを必要とする。しかし、困難な鋳造プ ロセスであり、特に単気筒エンジン用に非常に小さなスケールで鋳造を行う場合 の鋳造は困難が伴うので、得られる壁厚はしばしば不均一となる。加えて、一体 のプッシュロッドチューブと共にロッカーボックスを鋳造することは困難、又は 不可能である。 更に、この鋳造プロセスはスパークプラグのいずれかの側でかつシリンダヘッ ドとロッカーボックスの間においてｍｍ単位の幅で単一のスロットのみ形成可能 としている。エンジンの冷却はこの通路を通る空気流の作用によるので、こうし た制限された空気通路では冷却効率が限定される。また不均一な厚さの壁の存在 は、この問題を更に助長させる。 また、バルブトレインにおいてカムフォロワを使用するオーバーヘッド型では ないカムシャフトを有する小型４サイクルエンジンは、通常、カムギヤと１個以 上のカムが設けられたカムシャフトと、カムフォロワが設けられたフォロワシャ フトを有している。従来、フォロワシャフトはシリンダブロックに設けられ、カ ムシャフトはクランクケースに設けられている。しかし、この構造はいくつかの 理由によりバルブトレインの所望の動作に変動をもたらす。はじめに、シリンダ ブロックやクランクケースやバルブトレインの構成部材を製造する際の製造誤差 により、シャフト間の中心距離がしばしば変動する。更に、シリンダブロックと クランクケースとを分離するガスケットの幅が、一様ではない。 こうした変量によりバルブが最適に動作することができなくなり、エンジンの 効果的な動作や、又はエミッション能力を低 減させる。こうした変量は、園芸作業用に使用される単気筒エンジンのような小 型エンジンで顕著となる。更に、エンジン排気ガスの再循環によって、エミッシ ョン出力が低下することが知られている。しかし、小型エンジンでの排気ガス再 循環に適した簡単でコスト的に有効なシステムは、まだ実用化されていない。 発明の開示 本発明は、シリンダヘッドアセンブリを有する小型４サイクル内燃エンジンに 関し、該シリンダヘッドアセンブリは、エンジンのシリンダブロックと協働する シリンダヘッドと、該シリンダヘッドに固定されシリンダヘッドとの間に空気通 路を形成したロッカーボックスとを有する。シリンダヘッドは冷却フィンを有し ており、該冷却フィンは、シリンダヘッドとロッカーボックス間の空気通路内に 突出し、吸気弁と排気弁の両軸の間を結ぶ直線にほぼ横切って並んでいる。空気 通路はエンジンの吸気ポートと排気ポート間に延び、吸気ポートと排気ポート間 に延びる排出ガス再循環ポートの上側に位置しているのが望ましい。一対のプッ シュロッドチューブがロッカーボックスと一体に設けられ、かつロッカーボック スとエンジンのクランクケース間でシリンダブロックの外部に延設されている。 また、本発明のエンジンは、ベース部材とベース部材から延びる一対の平行な シャフトを有するカムタワーアセンブリを備える。そのシャフトの一方はカムシ ャフトとして作用し、単一のカムギアとカムが回転可能に支持される。他方のシ ャフトは フォロワシャフトであり、一対の単一なカムフォロワが回転可能に支持される。 カムタワーアセンブリは、カムの回転がフォロワを作動するようにエンジンに固 着され、フォロワによりバルブトレインの残りの部材が作動する。 したがって、本発明の目的は、アルミダイカスト製のシリンダヘッドと、該シ リンダヘッドとは別体でプッシュロッドチューブを一体に有するアルミダイカス ト製又はマグネシウムダイカスト製のロッカーボックスとを有する上述したタイ プのシリンダヘッドアセンブリを提供することにある。 本発明の他の目的は、冷却特性を改善した上記タイプのシリンダヘッドアセン ブリを提供することにある。 本発明の他の目的は、簡単かつ安価に製造可能な上記タイプのシリンダヘッド アセンブリを提供することにある。 更に本発明の他の目的は、カムシャフトとフォロワシャフト間の距離を細かく 調整可能である上記タイプのカムタワーアセンブリを提供することにある。 更にまた本発明の他の目的は、エンジンの吸気ポートと排気ポート間に延びる 排気ガス再循環ポートを有する上記タイプの小型内燃エンジンを提供することに ある。 本発明のこれら及び他の目的、特徴、長所は、添付の図面を参照しつつ、本発 明を実施するための最良の形態についての以下の詳細な説明から容易に理解され るであろう。 図面の簡単な説明 図１は本発明による小型４サイクル内燃エンジンの部分斜視 図である。 図２は図１の線２−２に沿ったエンジンの断面図である。 図３はエンジンのシリンダヘッドアセンブリの斜視図である。 図４はエンジンのシリンダヘッドの斜視図である。 図５は図２に示したシリンダヘッドアセンブリの拡大部分断面図である。 図６は図３の線６−６に沿ったシリンダヘッドアセンブリの部分断面図である 。 図７は図１の線７−７に沿ったシリンダヘッドアセンブリの別の拡大部分断面 図である。 図８はシリンダヘッドの別の断面図である。 発明を実施するための最良の形態 図面を参照にして、本発明の好ましい実施例を説明する。図１乃至図７は本発 明による、望ましくは排気量約２０から８０ＣＣの小型の単気筒４サイクルエン ジン１０を示している。エンジン１０はシリンダヘッドアセンブリ１２及びシリ ンダブロック１６内を住復運動可能なピストン１４を有する。 ピストン１４は吸気弁１８と排気弁２０を作動させるように接続されている。 図２に示すように、ピストン１４の往復運動は、従来より公知のように、接続ロ ッド２６を介してクランクケース２４内に設けられ片側支持されたクランクシャ フト２２の回転運動に変換される。クランクシャフト２２上に設けられたクラン クギヤ２８は、クランクケース２４のバルブ駆動チャンバ３４内のカムシャフト ３２上に設けられたカムギヤ３０と 噛合し、エンジン速度の半分の速度でシングルローブカム３６を駆動している。 米国特許出願番号08/021,496号に記載されているように、一対のプッシュロッド ３８、４０を往復運動させるために、カム３６の回転は、一対の蛙の脚形状のフ ォロワ４２、４３により、住復運動に変換される。プッシュロット３８、４０は ロッカーアーム４４、４６を介して排気弁２０及び吸気弁１８をそれぞれ作動さ せている。もちろん、従来のタペットを用いて、フォロワ４２、４３と同様の機 能を果たすことが可能であることは、当業者であれば理解できるであろう。 図３乃至図７に示されるように、シリンダヘッドアセンブリ１２は、シリンダ ブロック１６と協働する一体のアルミイカスト製のシリンダヘッド４８と、ロッ カーボックス５０とを備える。ロッカーボックス５０も一体のアルミダイカスト 製又はマグネシウムダイカスト製部品であり、ロッカーアーム４４、４６の少な くとも一部を収納するよう構成されている。ロッカーボックス５０には第１組の 一対の貫通孔５２が形成され、ロッカーボックスをシリンダヘッド４８に固定す るための手段例えばボルトやロッカースタッドがこの貫通孔に挿通される。図１ に示した望ましい実施例では、ロッカースタッド５４がシリンダヘッド４８内に 延び、シリンダヘッドアセンブリ１２全体をシリンダブロック１６に固定してい る。ロッカーボックス５０は第２組の一対の貫通孔５６が形成され、シリンダヘ ッド４８から突出した一対のバルブガイド５８、６０がこの貫通孔に挿通される 。またロッカーボックス５０には第３組の一対の貫通孔６２が形成され、プッシ ュロッド３８、４０がこの貫通孔に 挿通される。ロッカーボックスがアルミニウム製の場合には、第３組の貫通孔６ ２はプッシュロッドガイドとして作用するように図３に示したような略楕円に鋳 造することが可能である。ロッカーボックスがマグネシウム製の場合には、略楕 円の孔を有するプレス加工されたスチールのガイド板を付加してプッシュロッド ガイドとして作用させる。 ロッカーボックス５０がシリンダヘッド４８に接続されたときは両者間に空気 通路６４が形成される。この空気通路６４は、シリンダヘッド４８内にそれぞれ 形成したクロスフロー型の吸気ポート６６と排気ポート６８との間に延びるよう に形成されるのが望ましい。シリンダヘッド４８は複数の冷却フィン７０を有し 、該フィンは、シリンダヘッドとロッカーボックス５０間で空気通路６４内に突 出する。特に、主冷却フィン７２はスパークプラグボス７４から後方に、かつロ ッカーボックス５０の底に形成された拡張溝７６内に向かって上方に突出してい る。この主冷却フィン７２を含んだ全ての冷却フィン７０は、吸気弁１８と排気 弁２０の軸線間を結ぶ仮想線をほぼ横切るように配列される。 シリンダヘッド４８も穿孔加工により排気ガス再循環（ＥＧＲ）ポート７７が 形成されている。ＥＧＲポート７７は吸気ポート６６と排気ポート６８の最も内 側部分の間に延びており、空気通路６４の下側に位置している。上方から見た時 に、ＥＧＲポート７７は排気ポート６８とほぼ同軸で、吸気ポート６６の軸から わずかにオフセットしてあるのが望ましいが、この配列は逆にすることも可能で ある。ＥＧＲポート７７は約１.２５ ｍｍの直径を有する一定の円断面を有することが望ましい。エンジン運転範囲を 通じて、特に約７０００から８０００ｒｐｍの通常運転では、エンジンから生成 された全排気ガスの約１０％がＥＧＲポート７７を介して吸気ポート６６に戻さ れ、燃料空気混合物と混ぜられる。 一対の長尺なプッシュロッドチューブ７８、８０が、ロッカーボックス５０と 一体に形成されており、該プッシュロッドチューブ内でプッシュロッド３８、４ ０が住復動作可能である。プッシュロッドチューブ７８、８０はロッカーボック ス５０からシリンダブロック１８の外側に延設され、クランクケース２４のバル ブ駆動チャンバ３４と気密的に接続される。シリンダヘッド４８とロッカーボッ クス５０の両方には複数の水平冷却フィン８２が設けられ、これら冷却フィン８ ２は、少なくともそれらの外輪郭の一部分に設けられ、望ましくは吸気ポート６ ６及び排気ポート６８に近接し、またプッシュロッドチューブ７８、８０に隣接 した位置に設けられる。本発明のシリンダヘッドとロッカーボックスは別々に鋳 造可能な互いに別個の部材なので、このシリンダヘッドアセンブリは比較的均一 な厚さを有し、エンジン冷却を容易にする。 図２に示したように、カムシャフト３２を構成するピンと、このピンと略平行 でフォロワシャフト８４を構成するピンは、ブラケット又はベース部材８Ｇから 延設されてキャリア８８を構成する。ベース部材８６は合金スチール粉末金属部 品として形成するのが望ましい。カムギヤ３０及びカム３６は単一の粉末金属部 品として形成するのが望ましく、カムシャフト３２に 回転可能に支持される。同様に、フォロワ４２、４３はフォロワシャフト８４に 回転可能に支持される。キャリア８８、カムギヤ３０及びカム３６、フォロワ４ ２、４３等ば共にカムタワーアセンブリを構成する。シャフト３２、８４はシリ ンダブロック及び／又はクランクケースに個別に固着されているのではなく、共 通のベース部材８６から延設されているので、そのシャフト間の距離はより厳密 に調整可能である。このことは、カム及びフォロワがそれぞれクランクケースと シリンダアセンブリ上の別々なピンに個別部品として組み付けられる従来の組み 付け方法で生じた組立精度の問題や寸法誤差の問題を除去することになる。また 本発明の構造は、壁にドリルで穴を開けてピンを組み付けるようにした従来の構 造で頻繁に見られた潜在的なオイル漏れ領域を削減することができる。 カムタワーアセンブリは、ベース部材８６の開口溝を介してクランクケース２ ４内に延びる２本のボルト又はソケットヘッドネジ９０により、エンジンに固定 されるのが望ましい。クランクケースは芯抜きか、ドリル加工のいずれかにより 孔を形成し、上記ネジに合致する雌ネジが切られる。この構造によれば、ネジ９ ０のみをとり外すことにより、カムタワーアセンブリ全体がクランクケースから 取り外すことが可能となるので、カムタワーアセンブリの保守点検が容易となる 。図２に示されるカムタワーアセンブリでは、ベース部材８６はフライホイール に近接しており、カムギヤ３０はシリンダブロックに近接しているが、ベース部 材をシリンダブロックに近接させ、カムギヤをフライホイールに近接させた鏡面 画像的な構造も可能である。 図８は、吸気ポート６６の水平部分９４の軸９２が吸気ポートの垂直部分９８ の軸と同一線上にないことを示している。このオフセットした吸気ポート構造の ために、流入する燃料・空気混合物は吸気弁の弁棒の回りの吸気ポートの垂直部 分９８の壁によって、偏向され、又は初期渦流化され、渦流の形態で燃焼室に導 入される。こうして生成された渦流混合物は、スパークプラグにより点火される とより迅速に、又は完全に燃焼する。上記した吸気ポートのオフセット構造では 、シリンダ内で時計方向の渦流を生み出すが、他の方法として吸気ポートの水平 軸より下側に吸気ポートをオフセットさせ、反時計方向の渦流を生成することも 可能である。 上述した本発明の形態は、本発明の好ましい実施例であるが、本発明の全ての 形態を示すものではないことは理解されよう。ここで使用された用語は説明する ための用語であり限定すべきものではなく、発明の精神及び範囲から逸脱しない 限り種々の変更が可能であることも理解されよう。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 る。もう一方のシャフトはフォロワシャフトであり、一 対のカムフォロワが回転可能に支持される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．シリンダブロック内を往復動するピストンと吸気弁と排気弁を有する小型 ４サイクル内燃エンジンに用いられるシリンダヘッドアセンブリであって、 該シリンダブロックと協働するシリンダヘッドと、 該シリンダヘッドに接続され、該シリンダヘッドとの間に通路を形成して空気 が完全に通過できるようにしたロッカーボックスとを有し、 該シリンダヘッドは冷却フィンを有し、該冷却フィンはシリンダヘッドとロッ カーボックス間の該通路内に突出しまた該吸気弁の軸と該排気弁の軸間に延びる 直線を略横切って並設されていることを特徴とするシリンダヘッドアセンブリ。 ２．該シリンダヘッドには吸気ポートと排気ポートが形成され、該通路は該吸 気ポートと排気ポートとの間に延びていることを特徴とする請求項１記載のシリ ンダヘッドアセンブリ。 ３．クランクケースとシリンダブロック内を住復動するピストンと吸気弁と排 気弁を有する小型４サイクル内燃エンジンに用いられるシリンダヘッドアセンブ リであって、 該シリンダブロックと協働するシリンダヘッドと、 該シリンダヘッドに接続されたロッカーボックスとを有し、該ロッカーボック スは一対のプッシュロットチューブを一体に延設して該クランクケースに気密的 に接続したことを特徴とするシリンダヘッドアセンブリ。 ４．シリンダブロック内に往復動可能であり、吸気弁と排気弁とに接続されて これらの弁を動作させるピストンと、 該シリンダブロックと協働するシリンダヘッドと、 該シリンダヘッドとの間に通路を形成して空気が完全に通過できるようにした ロッカーボックスとを有し、 該シリンダヘッドは冷却フィンを有し、該冷却フィンはシリンダヘッドとロッ カーボックス間の該通路内に突出しまた該吸気弁の軸と該排気弁の軸間に延びる 直線を略横切って並設されていることを特徴とする小型４サイクル内燃エンジン 。 ５．カムギヤと少なくとも１個のカムと少なくとも１個のカムフォロアとを支 持するキャリアであって、 ベース部材と、 該ベース部材から延び該カムギヤと該少なくとも１個のカムとを回転可能に支 持するカムシャフトと、 該ベース部材から延び該少なくとも１個のカムフォロアを回転可能に支持する フォロアシャフトとを有することを特徴とするキャリア。 ６．ベース部材と、 該ベース部材から延びカムギヤと少なくとも１個のカムを設けて回転可能に支 持するカムシャフトと、 該ベース部材から延び少なくとも１個のカムフォロアを設けて回転可能に支持 するフォロアシャフトとを有することを特徴とする内燃エンジン用のカムタワー アセンブリ。