JPH09501415A - 抗炎症性ペプチド - Google Patents

抗炎症性ペプチド

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JPH09501415A JP7502990A JP50299095A JPH09501415A JP H09501415 A JPH09501415 A JP H09501415A JP 7502990 A JP7502990 A JP 7502990A JP 50299095 A JP50299095 A JP 50299095A JP H09501415 A JPH09501415 A JP H09501415A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、血小板第4因子に関連した、抗炎症活性を示すペプチド、ペプチド類似体およびペプチド誘導体、該ペプチドを含有する医薬組成物、並びに本発明のペプチドを利用する炎症の抑制方法に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 抗炎症性ペプチド 関連出願のクロスレファレンス この出願は1993年6月18日に出願された出願番号08/080,371号の一部継続出願 であり、これは1993年3月24日に出願された出願番号08/037,486号の一部継続出 願であり、これは現在放棄されている1990年12月21日に出願された出願番号07/6 31,823号の一部継続出願であり、これら全体の開示が参考として本明細書に含ま れる。 1.序論 本発明は抗炎症活性を示す血小板因子4(配列番号9)に関連するペプチドお よびペプチド誘導体、並びに類似ペプチド、前記ペプチドを含む医薬組成物、並 びに本発明のペプチドを使用する炎症の抑制方法に関する。 2.発明の背景 2.1.血小板因子4 70アミノ酸ヘパリン結合タンパク質である血小板因子4(PF4)(配列番号9) は活性化血小板のα顆粒から放出される。PF4(配列番号9)の正確な生物学的機 能は知られていないが、PF4(配列番号9)は走化性、凝固、炎症、および細胞増 殖に関与する多重遺伝子族の一員である(Eismanら,1990,Blood 76:336-344) 。 PF4遺伝子のゲノム配列(配列番号9)、および高度に相同の遺伝子、PF4 altが 最近報告された(Eismanら,上記の文献)。 PF4(配列番号9)の報告された生物学的活性の中に、マウスにおけるコンカナバ リンA誘導免疫抑制の軽減(Zuckerら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.86:7571-75 74);内皮細胞に結合し、侵入する能力(Rybakら,1989,Blood 73:1534-1539); 好中球走化性、リソソーム酵素放出および増大された付着性の誘発(Bebawyら,1 986,J.Leukocyte Biol.39:423-434);平滑筋細胞または内皮細胞ではなく周 皮細胞の移動の刺激(Bernsteinら,1982,J.Cell.Sci.56:71-82);および潜在 的な抗血栓効果(Weerasingheら,1984,Thromb.Res.33:625-632)がある。PF4( 配列番号9)の増大されたレベルが、糖尿病患者(Guastamacchiaら,1985,Boll .Soc.Ital.Biol.Sper.61:499-502;Cortellaroら,1990,Thromb.Res.58:571 -576;Cellaら,1986,Folia Haematol.113:646-654)およびベーチェット病を 有する患者(Schmitz-HuebnerおよびKnap,1984,Thromb.Res.34:277-286)で同 定された。 2.2.炎症 皮膚炎症は、リン脂質からエンドペルオキシドひいてはシクロオキシゲナーゼ によりプロスタグランジンへ、またはリン脂質から5-HETEひいてはリポキシゲナ ーゼによりロイコトリエンへのいずれかの変換により一部媒介される(Kragball およびVoorheees,1985,Curr.Probl.Derm.13:1-10)。これらの経路のいずれか または両方の抑制は、非ステロイド抗炎症剤が炎症応答を阻止する手段である。 抗炎症性ステロイドは、アラキドン酸(これはその後いずれかの経路により炎症 の媒介物質に変換し得る)の放出を抑制することにより作用する(Blackwellら, 1980,Narure 287:1 47-149)。サイトカインはまた炎症プロセスを媒介し、そして炎症応答の良好な 抑制、または少なくとも同等の抑制がサイトカイン産生を抑制することにより、 または炎症細胞浸潤物の細胞表面におけるそれらのレセプターとのサイトカイン の相互作用の抑制により得られることが提案されていた。 過去数年以内に、サイトカインの異なるドメインが、IL-1β断片の例により説 明されるように異なる生理応答を誘導できることが認められていた。IL-1βのソ ムノゲニック(somnogen-ic)性および発熱性は断片IL-1β(208-240)にあり、一方 、IL-1βのその他の異なる別の断片はT細胞生産を刺激する(Obalら,1990,Am. J.Physiol.259:R439-R446)。 3.発明の概要 本発明は抗炎症活性を示す血小板因子4(PF4)(配列番号9)に関連するペプチ ドおよびペプチド誘導体、並びに類似ペプチド、前記ペプチドを含む医薬組成物 、並びに前記ペプチドを使用する炎症の抑制方法に関する。本発明は、オクタペ プチドCT-112(配列番号1)、およびCT-112(配列番号1)の誘導体および類似 体が炎症のマウス耳/アラキドン酸モデルにおいて抗炎症活性を有するという発 見に一部基いている。 本発明のペプチド、特にCT-112(配列番号1)は炎症応答を抑制するのに特に 有益であり得る。例えば、限定のためではないが、CT-112(配列番号1)または その類似体もしくは誘導体が自己免疫疾患、移植片対宿主病、再潅流組織損傷、 アテローム性動脈硬化症、および喘息における炎症を抑制するのに使用し得る。 4.図面の説明 図1.抗炎症性ペプチドCT-112のアミノ酸配列(配列番号1)およびWohl-2〜Wo hl-8として先に表示されたペプチドのアミノ酸配列(配列番号2〜8) 図2.成熟PF4のアミノ酸配列(配列番号9) 図3.好中球細胞に対するCT-112(配列番号1)の効果。棒グラフは530nmで蛍 光により測定された、f-Met-Leu-Pheへの好中球の走化性に対するCT-112(配列 番号1)の効果を示す。線グラフは、トリパンブルー排除により測定された、細 胞生存度に対するCT-112(配列番号1)の効果を示す。棒グラフ値は三つのウェ ルの平均±SDを表す。 図4.530nmで蛍光により測定された、ロイコトリエンB4(LTB4)への好中球の走 化性に対するCT-112(配列番号1)の効果。値は三つのウェルの平均±SDを表す 。 図5.530nmで蛍光により測定された、インターロイキン-8への好中球の走化性 に対するCT-112(配列番号1)の効果。値は三つのウェルの平均±SDを表す。 図6.カラゲナン誘導炎症細胞流入に関するCT-112(配列番号1)の効果。□、 正常;□、カラゲナンのみ;■、カラゲナン+CT-112(配列番号1)。*は同時 点でのカラゲナン処理対照動物からの有意差(p≦0.05)を示す。 図7.CT-112(配列番号1)、CT-112(配列番号1)の誘導体およびその他のペ プチドの、マウス耳の厚さのAA誘導増大の抑制により測定された抗炎症活性。TT SQVRPR(配列番号1)=CT-112;VTRPTQRS(配列番号11)=CT-120、ランダムオク タペプチド; TTSGIHPK(配列番号12)=CT-127、結合組織活性化ペプチドIII(CTAP-III)から誘 導されたペプチド;Ac-TTSQVRPR=アセチル基ブロッキングアミノ末端を有するCT -112(配列番号1)の誘導体;TTSQVRPR-NH2=アミド基ブロッキングカルボキシ ル末端を有するCT-112(配列番号1)の誘導体;Ac-TTSQVRPR-NH2=アセチル基ブ ロッキングアミノ末端およびアミド基ブロッキングカルボキシル末端を有するCT -112(配列番号1)の誘導体。 図8.CT-112(配列番号1)の切断型誘導体(配列番号3、4、6、24〜28)の 、マウス耳の厚さのAA誘導増大の抑制により測定された抗炎症活性。TTSQVRPR( 配列番号1);TSQVRPR(配列番号25);SQVRPR(配列番号3);QVRPR(配列番号24) ;VRPR(配列番号4);TTSQVRP(配列番号26);TTSQVR(配列番号27);TTSQV(配列 番号6);TTSQ(配列番号28)。 図9.CT-112(配列番号1)の類似体(配列番号25、26、29〜73)の、マウス耳 の厚さのAA誘導増大の抑制により測定された抗炎症活性。 図10.コラーゲン誘導関節炎を発症しているマウスの%に対するCT-112(配列番 号1)の効果。 図11.コラーゲン誘導関節炎を発症しているマウスにおける関係した足の累積数 に対するCT-112(配列番号1)の効果。 図12.コラーゲン誘導関節炎を発症しているマウスにおける累積関節炎指数に対 するCT-112(配列番号1)の効果。 図13.マウスにおけるコラーゲン誘導関節炎の組織病理学に対するCT-112(配列 番号1)の効果。値は対照群からの23の足、10mgのCT-112/kgで処置を受けた群 からの26の足、および100mgのCT -112/kgで処置を受けた群からの16の足の平均±SEMを表す。*は対照群からの有 意差(p≦0.05)を示す。図14.405nmにおけるO.D.により測定された、コラーゲン で免疫感作されたマウスにおける循環抗コラーゲン抗体に対するCT-112(配列番 号1)の効果。 5.発明の詳細な説明 限定のためでなく、開示の明瞭化の目的で、本発明の詳細な説明が下記の細項 目に示される。 (i)血小板因子4(配列番号9)の調製、 (ii)本発明のペプチドおよびそれらの調製、 (iii)抗炎症性ペプチドの同定、および (iv)抗炎症剤としての本発明のペプチドの使用。 5.1.血小板因子4の調製 血小板因子4(PF4)(配列番号9)は、当業界で知られているあらゆる方法を使 用して精製し得る。本発明の好ましい実施態様において、PF4(配列番号9)は、M ediciら(1989,Thrombos.Res.54:277-287)により記載された方法の改良により トロンビン活性化血小板抽出物から精製し得る。PF4(配列番号9)は、1.7MのNaC lで因子を溶離するヘパリンセファロースアフィニティークロマトグラフィー、 続いて約15%のアセトニトリルの存在下にNaClで溶離されるポリスルホエチルア スパルトアミドカラムによる強イオン交換クロマトグラフィー、そして最後に水 中約0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)中の線形アセトニトリル勾配で溶離される Vydac RPC4逆相HPLC分析カラムによる分離により単離し得る。 5.2.本発明のペプチドおよびそれらの調製 本発明のペプチドとして、(i)PF4(配列番号9)(そのアミノ酸配列(配列番 号9)が図2に示される)の少なくとも4アミノ酸部分、もしくは機能上均等な 配列;または(ii)図2に示されるPF4配列(配列番号9)の一部に少なくとも66 %相同である少なくとも6アミノ酸配列、もしくは機能上均等な配列を含むあら ゆるペプチド、ペプチド誘導体若しくはペプチド類似体が挙げられる。相同性は 、本明細書中で異なるペプチドにより共有されたアミノ酸残基間の同一性を言う ものと解されるべきである。例えば、PF4の6アミノ酸断片に66%相同である6 アミノ酸残基ペプチドは、必ずしも一緒に結合されていないPF4(配列番号9) 断片と4アミノ酸残基を共有する。 本発明の好ましい実施態様において、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチ ド類似体は、配列Thr-Ser-Glnおよび/またはVal-Arg-Pro、更に好ましくはThr- Thr-Ser-Gln(配列番号10)および/またはVal-Arg-Pro-Arg(配列番号4)(先に“W ohl-4”と称された)、またはThr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号1)を 含む。特に好ましい実施態様において、ペプチドはThr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pr o-Arg(配列番号1)(即ち、“CT-112”)である。更に別の好ましい実施態様にお いて、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド類似体は、配列Val-Lys-Thr-Th r-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号2)(先の“Wohl-2”)、またはSer-Gln-Val -Arg-Pro-Arg(配列番号3)(先の“Wohl-3”)、またはThr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg- Pro-Arg-His-Ile-Thr(配列番号5)(先の“Wohl-5”)、またはThr-Thr-Ser-Gln-V al(配列番号6)(先の“Wohl-6”)、またはThr-Ser-Gln-Val-Arg(配列番号7)(先 の“Wohl-7”)、またはThr- Thr-Ser-Gly-Ile-His-Pro-Lys(配列番号8)(先の“Wohl-8”)(図1)を含む。 本発明のペプチドはまたPF4(配列番号9)に相同性を殆ど有しないか、また は全く有しない部分(例えば、キャリヤータンパク質)を含んでいてもよい。更 に、これらのペプチドは、炭水化物、脂質、ホスフェート、澱粉、抗体、Fab、F ab2、酵素、アミノ酸、ペプチド、または成長因子化合物を含むがこれらに限定 されないその他の化合物に接合により誘導化されてもよい。 図2に示されるようなPF4のアミノ酸配列(配列番号9)、または機能上同等 な配列は、PF4配列(配列番号9)が(i)図2に示された配列(配列番号9)また は(ii)或る残基がサイレント変化を生じる機能上同等なアミノ酸により置換され ている、図2に示されるような配列(配列番号9)であり得ることを意味するも のと解されるべきである。例えば、その配列内の一種以上のアミノ酸残基は、機 能上の同等物として作用して、サイレント変化を生じ同様の極性をもつ別のアミ ノ酸により置換し得る。その配列内のアミノ酸の置換基は、そのアミノ酸が属す るクラスのその他のメンバーから選択し得る。例えば、非極性(疎水性)アミノ 酸として、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルア ラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。極性の中性アミノ酸と して、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、 およびグルタミンが挙げられる。正に帯電される(塩基性)アミノ酸として、ア ルギニン、リシンおよびヒスチジンが挙げられる。負に帯電される(酸性)アミ ノ酸として、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げ られる。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列 番号1)の類似体および/または誘導体、例えば、ペプチドのアミノ末端がR-(C =O)-基(Rは低級アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールか らなる群から選ばれ、そのアリールまたはヘテロアリールは未置換またはハロゲ ン、メトキシ、アミノもしくはアルキル官能基で置換されている)の付加により 修飾されているもの、或いはペプチドのカルボキシル末端がR'-基(R'はアミド 、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステルおよびヘ テロアリールエステルからなる群から選ばれ、そのアリールエステルまたはヘテ ロアリールエステルは未置換またはハロゲン、メトキシ、アミノもしくはアルキ ル官能基で置換されている)の付加により修飾されているもの、或いはペプチド の両末端がこのように修飾されているものを提供するが、但し、前記類似体およ び/または誘導体が、例えば、下記の第5.3節に示されるアッセイにより測定し て、抗炎症活性を示すことを条件とする。本明細書に使用される“低級アルキル ”および“低級アルキルエステル”という用語は、1〜6個の炭素原子を含む基 を包含することが意図されている。本明細書に使用される“アリール”および“ アリールエステル”という用語は、6員環または7員環構造を含む基を包含する ことが意図されており、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基およびキノ キサリン基を含む。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列番号1) の誘導体を提供し、この場合、いずれかの一つ以上の側鎖アミノ基がアシル化ま たはアリール化により誘導体化さ れ、またはいずれかの一つ以上の側鎖ヒドロキシル基がアルキルエステルもしく はアリールエステルの付加により誘導体化され、或いはアミン側鎖基およびヒド ロキシル側鎖基の両方がこのように誘導体化されている。但し、前記誘導体は、 例えば、下記の第5.3節に示されるアッセイにより測定して、抗炎症活性を示す ことを条件とする。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列番号1) の誘導体を提供し、この場合、CT-112(配列番号1)、またはその一部が、非隣 接残基間の共有結合により環化されている。但し、前記誘導体は、例えば、下記 の第5.3節に示されるアッセイにより測定して、抗炎症活性を示すことを条件と する。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列番号1) の類似体を提供し、この場合、CT-112(配列番号1)のいずれかの一つ以上のア ミノ酸残基が異なるアミノ酸類似体または擬体により置換されて、例えば、カル バザート(carbazates)またはターシャリーセンターを生じ、そのとり込みはペプ チドのタンパク質分解的開裂を回避または低減するのに利用できる。但し、前記 類似体は、例えば、下記の第5.3節に示されるアッセイにより測定して、抗炎症 活性を示すことを条件とする。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列番号1) の切断型類似体を提供する。但し、前記切断型類似体は、例えば、下記の第5.3 節に示されるアッセイにより測定して、抗炎症活性を示すことを条件とする。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112 (配列番号1)の置換誘導体を提供し、この場合、CT-112(配列番号1)の一つ 以上のアミノ酸残基が、例えば、特別なアミノ酸残基のD-アミノ酸形態、または いずれかの異なるL-アミノ酸残基により置換されている。但し、CT-112(配列番 号1)の前記置換誘導体は、例えば、下記の第5.3節に示されるアッセイにより 測定して、抗炎症活性を示すことを条件とする。例えば、本発明はアミノ酸配列 Thr1-Thr2-Ser3-Gln4-Val5-Arg6-Pro7-Arg8(ここで、1位、2位、5位、6位 または7位にあるいずれかの一つ以上のアミノ酸残基はD-立体異性体である)を 有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-X-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(XはL-Lys、 L-Orn、L-Met、L-Arg、L-Ser、L-Trp、L-Tyr、L-CysおよびL-Hisからなる群から 選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-X-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(XはL-Glu、 L-Asp、L-Asn、L-Gln、L-Cys、L-His、L-Lys、L-Orn、L-Thr、L-TrpおよびL-Tyr からなる群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-X-Val-Arg-Pro-Arg(XはL-Lys、 L-Orn、L-Arg、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-Ser、L-ThrおよびL-Tyr からなる群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-X-Arg-Pro-Arg(式中、XはV al以外の全ての天然産L-アミノ酸、好ましくはL-Lysからなる群から選ばれる) を有し、抗炎症活性を示すペプチ ドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-X-Pro-Arg(XはArg以外 の全ての天然産L-アミノ酸、好ましくはL-AlaまたはL-Gluからなる群から選ばれ る)を有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-X-Arg(XはPro以外 の全ての天然産L-アミノ酸からなる群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示す ペプチドを提供する。 加えて、本発明はアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-X(XはL-Lys、 L-Orn、L-Asn、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-SerおよびL-Tyrからな る群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチドを提供する。 その他の実施態様において、本発明は抗炎症剤としてのCT-112(配列番号1) の類似体を提供し、この場合、CT-112(配列番号1)の一つ以上のアミノ酸残基 が省かれている。但し、CT-112(配列番号1)の前記類似体は、例えば、下記の 第5.3節に示されるアッセイにより測定して、抗炎症活性を示すことを条件とす る。 その他の実施態様において、本発明はアミノ酸配列R-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8 -R"(RはHまたはR'-(C=O)-(、R'は低級アルキル、シクロアルキル、アリー ルおよびヘテロアリールからなる群から選ばれ、そのアリールまたはヘテロアリ ールは未置換、またはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官能基で置換 されている)であり、R"はH、アミド、低級アルキルエステル、シクロアルキル エステル、アリールエステルおよびヘテロ アリールエステルからなる群から選ばれ、そのアリールエステルまたはアリール エステルは未置換であり、またはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官 能基で置換されており、X1はL-Thrであり、X2はL-Thr、L-Lys、L-Orn、 L-Met、L-Arg、L-Ser、L-Trp、L-Tyr、L-CysおよびL-Hisからなる群から選ばれ 、X3はL-Ser、L-Glu、L-Asp、L-Asn、L-Gln、L-Cys、L-His、L-Lys、L-Orn、L-T hr、L-TrpおよびL-Tyrからなる群から選ばれ、X4はL-Gln、L-Lys、L-Orn、L-Arg 、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-Ser、L-ThrおよびL-Tyrからなる群か ら選ばれ、X5、X6およびX7はあらゆる天然産L-アミノ酸であり、並びにX8はL-Ar g、L-Lys、L-Orn、L-Asn、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-SerおよびL- Tyrからなる群から選ばれる)を有するペプチドを提供する。但し、R-X1-X2-X3- X4-X5-X6-X7-X8-R"は少なくとも4アミノ酸残基を含み、Val-Arg-Pro-Arg(配列 番号4)、またはThr-Thr-Ser-Gln-Val(配列番号6)、またはSer-Gln-Val-Arg -Pro-Arg(配列番号3)、またはThr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号 1)ではないことを条件とし、そのペプチドは誘導体化されていてもよく、また は類似体が上記のようにしてペプチドから合成されてもよく、そしてそのペプチ ド、ペプチド誘導体またはペプチド類似体は例えば、下記の第5.3節に示される アッセイにより測定して、抗炎症活性を示す。 全ての場合において、本発明のペプチドは下記の第5.3節に特定されるような 抗炎症活性を示す。 本発明のペプチドは当業界で知られているあらゆる方法により 調製し得る。例えば、限定のためではなく、ペプチドは(i)大きなペプチド、例 えば、PF4(配列番号9)(これに限定されない)からの開裂、(ii)組換えDNA発現方 法、および(iii)BaranyおよびMerrifield(1980,“ペプチド”2巻,Grossおよ びMeienhofer編集,アカデミック プレス,N.Y.)により記載されているような 固相技術を含む化学合成により合成し得る。 本発明の好ましい特別な実施態様において、PF4ペプチド断片を生産するため にPF4(配列番号9)のトリプシン消化を行ってもよい。例えば、第5.1節に記載さ れたようにして調製された凍結乾燥PF4(配列番号9)は、微小遠心分離管中で0.4 MのNa2CO3/8M尿素(pH9)50μlに溶解し得る。次にそのタンパク質は50℃で約15 分間にわたって緩衝液(pH8)中の約45mMのジチオスレイトールの添加により還 元し得る。次にそのタンパク質を0.5NのNaOH中ヨード酢酸5μlの添加によりカ ルボキシメチル化し、そして暗所で室温で約15分間インキュベートし得る。次に 脱イオン水約140μlおよびシーケンサー用トリプシン(200μg/ml)の1mMのHCl溶 液5μlを添加し、その試料を37℃で約24時間インキュベートし得る。次に、得 られるトリプシン消化物を適当な逆相クロマトグラフィーカラム、例えば、2.7 %のアセトニトリル/0.1%のTFA/H2Oで平衡にされたVydac C18カラムに注入し 、そして適当な流量、例えば、0.5ml/分でクロマトグラフィーにかけ、1.0分間 の画分を回収し得る。溶離プログラムは、例えば、約10分間で緩衝液A(水中0. 1%のTFA)中2.7%の緩衝液B(95%のアセトニトリル)、そして123分間で約27 〜95%の緩衝液Bの勾配であってもよい。ペプチドの溶離は、210nmの波長で分 光光度 計で監視し得る。好ましくは、Beckman System Gold HPLC Systemをタンパク質 および消化物の両方のクロマトグラフィーに使用してもよい。上記の例として示 されたクロマトグラフィープロトコルを使用して、CT-112ペプチド(配列番号1 )はペプチド番号4として溶離するものと予想し得る(下記の第6.2節を参照の こと)。PF4(配列番号9)のペプチド断片は、本発明によれば、必要により化学 修飾されてもよく、そして次の節に示されるようにして抗炎症活性について試験 し得る。 5.3.抗炎症性ペプチドの同定 上記のペプチドは、抗炎症活性に関して因子を評価するために当業界で知られ ているin vitroまたはin vivoのアッセイ系を使用して、抗炎症活性を有するも のと測定し得る。“抗炎症活性”という用語は、本明細書中で炎症性細胞流入お よび/または免疫細胞の活性化または免疫応答と関連する活性を抑制する能力を 表すものと解されるべきである。こうして、“抗炎症活性”という用語は免疫調 節剤または免疫変調剤として作用する能力を含むことが意図されている。 例えば、限定のためではないが、ペプチドはマウス耳モデルにおいて炎症を抑 制する能力につき試験されてもよく、この場合、アラキドン酸(AA)が炎症反応を 誘導するのに使用される(Youngら,1984,J.Invest.Dermatol.82:367-371; Dohertyら,1988,J.Invest.Dermatol.91:298-302)。例示の目的で、下記の 第7節を参照のこと。 5.4.抗炎症剤としての本発明のペプチドの使用 本発明のペプチドは、急性または慢性のいずれかの炎症性細胞流入が生じる疾 患または障害を患っており、このような治療を要する患者の組織中の炎症を抑制 する方法に使用し得る。患者はヒト患者または非ヒト患者であってもよい。本発 明のペプチドが治療価値を有し得る特定の症状として、望ましくない免疫応答が 生じた状況が挙げられ、これらとして、自己免疫疾患、例えば、インスリン依存 性糖尿病、グッドパスツール症候群(Goodpasture's syndrome)、天疱瘡および類 天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、強皮症、混合 結合組織疾患およびエリテマトーデス、移植片対宿主病、敗血症性ショック、再 潅流組織損傷(心筋梗塞または脳梗塞後の障害を含む)、アテローム性動脈硬化 症、喘息および炎症性肺疾患が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の 好ましい特別な実施態様において、炎症を抑制するのに使用されるペプチドはCT -112(Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg)(配列番号1)である。 本発明のペプチドは、静脈内注射、皮下注射、皮膚内注射、鼻内注射、吸入( 例えば、肺エーロゾルまたは肺洗浄)、筋肉内注射、眼内注射、腹腔内注射、腹 腔洗浄、心臓穿刺、心臓カテーテル注入、経口注入、髄腔内注射または心室内注 射、脊柱または頭蓋腔注射、膣または直腸(例えば、座薬による)、皮膚パッチ または局所軟膏を含む薬剤投与のあらゆる好適な認められている経路により投与 されてもよく、そして水溶液、マイクロカプセル、リポソームを含むあらゆる好 適な医薬担体中に含まれていてもよく、または親水性もしくは疎水性担体をベー スとする移植片を含む徐放性移植片によるものであってもよい。 本発明のペプチドは、通常の技術を用いて測定して患者の炎症を抑制するのに 有効である投薬量で投与し得る。“炎症の抑制”は、炎症の兆候および症候のか なりの減少を表すものと解されるべきである。例えば、限定のためではないが、 患者が不快から主観的に軽減されるようになる症候軽減は、治療の多くの満足な 結果のうちの一つと考えられるであろう。或る特定の限定されない実施態様にお いて、炎症の量は約50%低減し得る。ED50は約2.5〜5.0mg/kgの投薬量であると 推定された。本発明の特別な実施態様において、CT-112(配列番号1)は約2.5m g/kg〜約500mg/kgの投薬量でヒト患者に投与し得る。本発明の特定の限定されな い好ましい実施態様において、ヒト患者に皮下投与される投薬量は、治療される 炎症が軽度、中度、または重度/永続的であるか否かに応じて約5mg/kg、50mg/ kg、または100mg/kgであってもよい。その投薬量は、例えば、限定のためではな いが、毎日、または週に1回、2回、若しくはまたは3回の適当な間隔で投与し 得る。 6.実施例:抗炎症性ペプチドの調製 6.1.材料および方法 6.1.1.PF4の調製 PF4(配列番号9)を、Mediciら(1989,Thrombos.Res.54:277-287)により記載 された方法の改良によりトロンビン活性化血小板抽出物から精製した。PF4(配列 番号9)を、1.7MのNaClを用いてその因子を溶離するヘパリンセファロースアフ ィニティークロマトグラフィー、続いて15%のアセトニトリルの存在下でNaClで 溶離されるポリスルホエチルアスパルトアミドカラムによる強イオ ン交換クロマトグラフィー、そして最後に水中0.1%のTFA中の線形アセトニトリ ル勾配で溶離されるVydac RPC4逆相HPLC分析カラムによる分離により単離した。 6.1.2.PF4のトリプシン消化 凍結乾燥PF4(配列番号9)を微小遠心分離管中で50μlの0.4M Na2CO3/8Mの尿素 (pH9.0)に溶解することによりトリプシン消化を行った。次にそのタンパク質 を50℃で15分間にわたってpH9.0の45mMのDTT5μlを添加して還元した。タンパ ク質を 0.5NのNaOH中でヨード酢酸5μlの添加によりカルボキシメチル化し、 暗所で室温で15分間インキュベートした。最後に、脱イオン水140μlおよびシー ケンサー用のトリプシン(200μg/ml)の1mMのHCl溶液5μlを添加し、その試料 を37℃で24時間インキュベートした。 トリプシン消化物を2.7%アセトニトリル/0.1%TFA/H2Oで平衡化したVydac C18 カラムに注入し、0.5ml/分の流量でクロマトグラフィーにかけ、1.0分の画分 を回収した。溶離パターンは以下のとおりであった。10分間にわたって緩衝液A (水中0.1%のTFA)中2.7%の緩衝液B(95%のアセトニトリル)、123分間で2.7 %〜95%の緩衝液B。ペプチドの溶離を210nmで監視した。Beckman System Gold HPLC Systemをタンパク質および消化物の両方のクロマトグラフィーに使用した 。 6.2.結果および考察 CT-112(配列番号1)を逆相HPLCにおいて4番目のペプチドとして溶離し、そ してPortonの適当なペプチド担体への吸着後にPorton2090eシーケンサーで配列 決定した。ペプチドの配列はThr- 27.5pm、Thr-23.5pm、Ser-30.0pm、Gln-26.5pm、Val-22.6pm、Arg-10.5pm、Pro- 9.2pm、Arg-4.7pmであった。Beckman Dabsyl Chloride方法を使用するアミノ酸 分析によりペプチドの全配列が確かめられた。 7.実施例:CT-112は抗炎症活性を示す 7.1.材料および方法 抗炎症活性に関する標準化されたアッセイ、即ち、アラキドン酸(AA)を炎症反 応の誘導に使用するマウス耳モデル(Youngら,1984,J.Invest.Dermatol.82: 367-371;Dohertyら,1988,J.Invest.Dermatol.91:298-302)を使用してCT-11 2(配列番号1)の抗炎症性を分析した。 7.1.1.試薬 塩化物塩またはトリフルオロ酢酸塩のいずれかであるCT-112(配列番号1)を 、Multiple Peptide System(サンジエゴ、CA USA)によるペプチドの通常の有 機合成スキームを使用して合成した。フェニドンおよびAAをSigma Chemical社( セントルイス、MO USA)から入手した。試験動物に皮下移植されるAlzetミニポ ンプ(モデル2001、7日、1μl/時間を送達するようにセットした)をAlza Co rporation(パロ アルト、CA USA)から入手した。AAを適用する前に200mg/ml で試薬用のアセトンに溶解した。 7.1.2.動物治療 雌のマウス(C57BL/6UAF、Charles River Breeding Laboratories、約15〜18g )を入手し、使用前に2週間にわたって順化した。動物は実験の開始時に生後約 14週であった。 移植用のミニ ポンプを調製するために、CT-112(配列番号1)をPBSに溶解した。その物質を 毎日動物当たりCT-112(配列番号1)0.05mg(5匹の動物)、0.1mg(10匹の動物 )、1mg(10匹の動物)、または2.5mg(5匹の動物)を送達するようにセットし たAlzetミニポンプに装填した。対照動物への移植用のミニポンプはPBSのみを含 んでいた。陽性対照として、10匹のマウスの一組は抗炎症剤として作用する強力 な5−リポキシゲナーゼインヒビターであるフェニドン100mg/kgを、AAによるチ ャレンジの15分前に受けた。 ミニポンプの皮下移植につき、動物をケタミン/キシラジンで麻酔した。ケタ ミン(Aveco Lot#440140)を80mg/kgで注射し、キシラジン(Rugby Laboratorie s Lot#26040-B)を16mg/kgで注射し、そしてAlzetポンプを背胸領域で皮下移植 した。動物を回収し、次に収容し、そして5日間にわたって食物および水を随時 与えた。 ポンプ移植後の6日目に、AA0.01mlを自動マイクロリットルピペットにより右 の耳の内表面および外表面に適用した。AA適用の1時間後に、マウスを殺し、耳 の厚さをMitsutoyo No.7300ゲージ カリパスで測定した。また、左の耳を内部 対照として測定した。 耳組織中のミエロペルオキシダーゼ活性を多形核白血球(PMN)の存在または不 在のマーカーとして測定した(Baroneら,1991,J.Neurosci.Res.29:336-345) 。耳の厚さの測定後に、耳をマウスから切開し、そして4℃で50mMのトリス-HCL 、pH7.4中で均一にして10%(w/v)のホモジネートを得た。ホモジネートのアリコ ートを使用して、組織中に存在するミエロペルオキシダーゼ活 性の量をo-ジアニシジン(Sigma Chemical社、セントルイスMO)および基質とし ての過酸化水素を使用し、そして460nmで発色団生成を監視して測定した(Barone ら,1991,J.Neurosci.Res.29:336-345)。 7.2.結果および考察 5−リポキシゲナーゼ阻害剤フェニドンによる動物の前処理により局所AA適用 に対する炎症応答が有効に抑制された。こうしてこの非ステロイドの抗炎症剤は この実験においてAA誘発皮膚炎症の抑制の陽性対照として利用できた。 CT-112(配列番号1)によるマウスの前処理はPBS対照と較べて炎症プロセス をかなり抑制した。1日あたりCT-112(配列番号1)0.05mgでマウスを前処理す ることによりAAに応答して耳の膨潤のかなりの低下(43.1%、p≦0.05)を生じ た(表I)。CT-112(配列番号1)を1日あたり2.5mgそれぞれの動物に投与し た時、AAに対する応答の最大の低下(95.6%)を得た。炎症応答のこの抑制は有意 であり(p≦0.01)、フェニドンに対する応答に匹敵した。 1日あたりCT-112(配列番号1)0.05〜1mgでマウスを前処理することにより 、用量依存的に、AA処理された耳におけるミエロペルオキシダーゼ活性を低下し た。試験中の変化が大きいために、フェニドンまたは0.1mg/日のCT-112(配列番 号1)を受けたグループのみが対照ミエロペルオキシダーゼ活性と比較された場 合に活性のかなり異なるレベル(p≦0.05)を示した(表II)。 これらのデータは、CT-112(配列番号1)がAAの局所投与による急性皮膚炎症 応答を抑制できることを示す。また、この効果は 少数のPMNの存在下でミエロペルオキシダーゼ活性により測定して炎症応答を生 じ得る。 8.実施例:好中球走化性のCT-112抑制 特定の炎症プロセスを阻止するCT-112(配列番号1)の能力を好中球活性のそ の抑制により実証し、これを以下に記載されるようにして調べた。 8.1.材料および方法 種々の薬剤に応答する好中球の走化性を抑制するCT-112(配列番号1)の能力 を、好中球走化性チャンバーを使用して分析した。これらのアッセイにつき、好 中球を、細胞を1',7'-ビス(2-カルボキシエチル)-5-(6)-カルボキシフルオレセ インで標識した後にCa2-よびMg2+を含むハンクス平衡塩溶液中で再度懸濁させて 5x 106の細胞/mlの懸濁液を得た。好中球を走化性チャンバーへの添加の前に約15分 間にわたってCT-112(配列番号1)にさらした。CT-112(配列番号1)はチャン バーの上部および下部の両方に存在し、そして化学誘引物質、f-Met-Leu-Phe、 ロイコトリエンB4またはインターロイキン-8をチャンバーの下部に添加した。 膜を通って移動した細胞を、アッセイ開始の1時間後に530nmで蛍光により測定 した。 8.2.結果および考察 CT-112(配列番号1)はf-Met-Leu-PheおよびLTB4の両方への好中球の走化性 移動を有効に抑制したが(図3、4)、インターロイキン-8への走化性移動を抑 制しなかった(図5)。加えて、CT-112(配列番号1)は、トリパンブルー排除 を使用する生存度試験により測定して好中球に対し細胞毒性ではなかった(図3 )。この実験は、好中球と関連する少なくとも一つの活性、走化性移動の活性が CT-112(配列番号1)により少なくとも部分的に抑制されることを示す。 9.実施例:CT-112への暴露の期間の効果 9.1.材料および方法 マウスにアルゼット ミニポンプセットを移植して7日、3日または1日にわ たって60mg/kg/日を送達した。5匹のマウスの別の群はAAチャレンジの24時間、 1時間そして0.25時間前に CT-112(60mg/kg/注射)の3回の腹腔内注射を受け た。CT-112(配列番号1)を、その化合物をダルベッコPBSに溶解して5mg/mlの 最終CT-112(配列番号1)濃度を得ることにより注射用に調製し た。対照マウスに、PBSを7日間にわたって送達するアルゼット ミニポンプを 移植した。AAチャレンジは実施例7に上記されたものと同じであった。 9.2.結果および考察 結果を表IIIに示す。炎症の抑制の差異が7日、3日そして1日の暴露の結果 として検出されなかった。全ての期間は、さもなくばAAの局所適用により誘発さ れる急性炎症を有意に抑制した(p≦0.05)。腹腔内注射は炎症を抑制したが、結 果は対照とは有意差がなかった。これらの結果は、CT-112(配列番号1)への長 期暴露、即ち、>1日が炎症を抑制するのに必要ではなかったことを示す。 10.実施例:CT-112の腹腔内注射の効果 10.1.材料および方法 複数回の腹腔内注射によるCT-112(配列番号1)(60mg/kg/注射)の投与を、AAチ ャレンジ前の下記の時間に行った。 a)6、3、1そして0.25時間; b)3、1そして0.25時間;または c)1そして0.25時間。 さらに、腹腔内注射によるCT-112(配列番号1)(60mg/kg)の1回投与の効果をA Aチャレンジの1時間または3時間前に行った。対照マウスはAAチャレンジの前 に7日間にわたってPBSを送達するように移植されたアルゼット ミニポンプを 有していた。AAチャレンジは実施例7に上記したものと同じであった。複数回投 薬レジメおよび1時間そして3時間の1回投薬レジメの結果を、治療当たり5匹 の動物を使用して60mg/kg/日を7日間送達するようにセットされたアルゼット ミニポンプにより送達されたCT-112(配列番号1)の抗炎症活性と比較した。 別の実験において、AAチャレンジの6、3、1そして0.25時間前または16、3 、1そして0.25時間前のCT-112(配列番号1)の複数回腹腔内注射の効果を分析 した。両方の複数回投薬レジメの結果をフェニドン(AAチャレンジの15分前に投 与された100mg/kg)およびアルゼット ミニポンプ(7日間にわたって60mg/kg/ 日)により投与されたCT-112(配列番号1)の両方と比較した。この後の実験に おいて、CT-112(配列番号1)の1回注射を受ける動物の数を5匹から10匹に増 やした。 10.2.結果および考察 複数回投薬実験および1回(1時間および3時間)投薬実験の結果を表IVに示 す。全ての複数回投与レジメおよび3時間の1回投与レジメは、炎症プロセスを 94%抑制するアルゼット ミニポンプによる7日間の投与と比較して炎症プロセ スを約70%有意に抑制した(p≦0.01)。AAチャレンジの1時間前に投与されたCT- 112(配列番号1)の1回投与は炎症プロセスを有意に抑制しなかったが、43% の抑制が観察された。 AAチャレンジの6、3、1そして0.25時間前または16、3、1そして0.25時間 前のCT-112(配列番号1)の複数回IP注射の投与は炎症の有意な減少(56〜61%) (p≦0.01)をもたらした(表V)。しかしながら、CT-112(配列番号1)の7日 間のアルゼット ミニポンプ投与およびAAチャレンジの15分前のフェニドンの1 回投与は炎症の大きな減少を生じた。 これらの結果は、腹腔内注射により投与されたCT-112(配列番号1)が急性皮 膚炎症を有意に抑制し得ることを示す。 11.実施例:CT-112の皮下注射の効果 この実施例は、皮下注射により投与されたCT-112(配列番号1)が炎症応答を 抑制するのに有効であることを実証する。 11.1.材料および方法 AAチャレンジの前の複数回皮下注射によるCT-112(配列番号1)(60mg/kg/注射) のマウスへの注射を、 a)6、3、1そして0.25時間; b)3、1そして0.25時間;または c)1そして0.25時間に行った。 さらに、その他のマウスはAAチャレンジの3時間または1時間前にCT-112(配 列番号1)(60mg/kg)の1回の皮下注射のみを受けた。対照マウスにAAチャレンジ の3日前にPBSで充満されたアルゼットミニポンプを移植した。AAチャレンジは 実施例7に上記したものと同じであった。これらの投薬レジメの結果を、60mg/k g/日を7日間送達するようにセットされたアルゼット ミニポンプにより送達さ れたCT-112(配列番号1)の抗炎症活性と比較した。また、急性抗炎症活性に対 するCT-112(配列番号1)の活性の期間を CT-112(配列番号1)の皮下注射後 に分析した。 11.2.結果および考察 結果を表VIおよびVIIに示す。 皮下注射につき、複数回投薬レジメおよび1回投薬レジメの全てが、番症プロ セスを87%抑制するアルゼット ミニポンプによ る7日間の投与に較べて炎症プロセスを約70%有意に抑制した(p≦0.05)(表VI) 。 期間実験において、AAチャレンジの6時間前に皮下投与されたCT-112(配列番 号1)による治療のみがAA誘発急性炎症を有意に抑制したが(p≦0.05)(表VII)、 これらの結果は活性の期間が6時間より大きいことを示唆する。この特定の実験 において、アルゼット ミニポンプによるCT-112(配列番号1)の60mg/kg/日の 投与は炎症の通常観察される80〜90%の抑制を達成できなかった。これらの結果 は、CT-112(配列番号1)がチャレンジの6時間前に皮下注射により投与された 時に急性皮膚炎症を抑制するのに活性であったことを示す。 12.実施例:CT-112の経口投与の効果 12.1.材料および方法 炎症を有効に抑制するように経口送達されたCT-112(配列番号1)の能力をマ ウスで分析した。 複数回の胃管栄養法(gavage)によるCT-112(配列番号1)(200mg/kg/回)の投与 をAAチャレンジ前の下記の時間で行った。 a)6、3、1そして0.25時間; b)3、1そして0.25時間;または c)1そして0.25時間。 さらに、AAチャレンジの3時間または1時間前に投与されたCT-112(配列番号 1)(200mg/kg)の1回胃管栄養法の効果を分析した。AAチャレンジは実施例7に 上記したものと同じであった。これらの複数回投薬レジメまたは1回投薬レジメ の結果を、60mg/kg/日を3日間送達するようにセットされたアルゼット ミニポ ンプにより送達されたCT-112(配列番号1)の抗炎症活性と比較した。 12.2.結果および考察 結果を表VIIIに示す。CT-112(配列番号1)がAAチャレンジの3、1、そして 0.25時間前に投与された投薬レジメを除いて、経口投与された、複数回投薬レジ メおよび1回投薬レジメの全てが炎症プロセスを有意に抑制した(52〜94%)(p≦ 0.01または≦0.05)。この投薬レジメは炎症プロセスを44%だけ抑制し、統計上 の有意差を得ることができなかった。この実験において、アルゼット ミニポン プによる3日間の投与は炎症プロセスを88%抑制した。これらの結果は、CT-112 (配列番号1)がチャレンジの少なくとも1時間前並びにチャレンジの3時間前 までにマウスに経口投与される時に活性であることを示す。 13.実施例:腹膜炎のカラゲナン誘発モデルに及ぼすCT-112の効果 炎症を抑制するCT-112(配列番号1)の能力を腹膜炎のカラゲナン誘発モデル において更に調べた。このモデルはマウス耳AA誘発急性炎症モデルよりも炎症を 抑制するCT-112(配列番号1)の能力の更に厳密な試験を提供する(Hannaら,19 90,Drugs Exp.Clin.Res.16(4):137-178;BrownおよびLeslie,1976,Surg.G -ynecol.Obstet.143:738-740)。 13.1.材料および方法 マウス(C57BL/6UAF、雌、12週令)に、60mgのCT-112/kg/日を送達するように セットされたアルゼット ミニポンプを移植した。移植後6日目に、マウスにPB S中のカラゲナン(10mg/ml)0.3mlの腹腔内注射でチャレンジした。腹腔をハンク ス平衡塩溶液(Ca2-およびMg2+を含まない)15mlでチャレンジの24時間、48時間そ して72時間後に洗浄した。洗浄液を遠心分離(500g、5分)し、ロイコスタット固 定液で固定し、そしてロイコスタット染色液で染色した。スライドを顕微鏡下で 異なる型の炎症細胞、例えば、マクロファージ、リンパ球および好中球につき分 析した。48時間の時点で、5匹の対照マウスも洗浄した。 別の実験において、腹腔洗浄液をチャレンジ24時間後に合計のロイコトリエン B4(LTB4)およびプロスタグランジンE2(PGE2)含量につき分析した(Griswoldら ,1991,Biochem.Pharmacol.42(4):825-831)。 13.2.結果および考察 結果を表IXおよび図6に示す。CT-112(配列番号1)はカラゲナン注射に応答 する腹膜への好中球流入を減少した。この減少はチャレンジ72時間後に腹膜中の 好中球の数の低下を生じ、これは統計上有意であった(p≦0.05)。この実験にお いて、マクロファージの数はCT-112(配列番号1)の投与に応答して増加するよ うであった。リンパ球に関する有意な効果は観察されなかった。これらの結果は 、CT-112が炎症部位でマクロファージの漸増を抑制しないことを示す。 LTB4およびPGE2の分析の結果を表Xに示す。CT-112(配列番号1)の投与後に 、PGE2の量の統計上有意な(p≦0.05)減少が腹腔 洗浄液で認められ、一方、LTB4の量は影響されなかった。これらの結果は、炎症 に関与するAA代謝経路の少なくとも一部が抑制されることを示す。 14.実施例:構造と活性の関係 14.1.CT-114およびCT-112の抗炎症活性の比較 14.1.1.材料および方法 CT-112(配列番号1)の類似体であるCT-114(Thr-Thr-Ser-Gln-Val)(配列 番号6)をマウス耳の急性炎症モデルにおいて潜在的な二次薬物団として別に試 験した。この実験において、CT-114(配列番号6)およびCT-112(配列番号1) をそれぞれ別々に調製し、6mgまたは60mgのペプチド/kg/日を送達するようにセ ットされた異なるアルゼット ミニポンプに装填した。移植の3日後に、マウス を左の耳へのAAの適用によりチャレンジした。AAチャレンジは実施例7に上記さ れたものと同じであった。 14.1.2.結果および考察 結果を表XIに示す。CT-112(配列番号1)6mg/kg/日で治療されたマウスの炎 症は対照とは統計上異ならなかった。CT-114(配列番号6)の6mg/kg/日の投与 は対照と比較して炎症プロセスを 有意に抑制し(p≦0.05)、CT-112(配列番号1)により生じた炎症の抑制とCT-11 4(配列番号6)により生じた炎症の抑制の間に統計上の有意差(p≦0.05)を生じ た。CT-112(配列番号1)およびCT-114(配列番号6)の両方は60mg/kg/24時間 で炎症プロセスを有意に抑制し(それぞれ、p≦0.01およびp≦0.05)、これらの 二つの群の間に統計上の差がなかった。これらの結果はCT-112(配列番号1)お よびCT-114(配列番号6)が両方とも急性皮膚炎症を抑制できることを示す。 14.2.その他のペプチドの抗炎症活性 CT-112(配列番号1)およびCT-114(配列番号6)はα−ケモカインファミリ ーの一員であるPF4(配列番号9)から誘導されたペプチドであるので、またCT-11 2(配列番号1)およびCT-114(配列番号6)の両方はα−ケモカイン(Edgingto n,1993,Bio/Technology 11:676-678;Broxmeyerら,1993 J.Immunol.150:34 48-3458)の高度に保存されたCXC部分からカルボキシル末端の方にある二つのア ミノ酸残基に位置されるので、α−ケモカインファミリーのその他のメンバーの 同じ遺伝子座に見られる一連のペプチドが合成され、そしてマウス耳の急性炎症 モデルにおいて抗炎症活性につき試験された。 さらに、β−ケモカインファミリーから同じ位置(CCモチーフのカルボキシル 末端に向かって二つのアミノ酸残基)から誘導された一連のペプチドをまた試験 した(注:α−ケモカインは好中球およびT細胞に特異的な活性を有し、またβ −ケモカインはマクロファージおよび単球に特異的な活性を有する)。成長因子 から無関係の配列であるランダムオクタペプチド、CT-120(Val-Thr-Arg-Pro-Th r-Gln-Arg-Ser)(配列番号11)、およびアルブミンをまた試験した。 14.2.1.材料および方法 それぞれのペプチドを、60mg/kg/日を送達するようにセットしたアルゼット ポンプにより24時間にわたって投与した。この実験における多数の動物のために 、化合物のグループをランダムに試験し、CT-112(配列番号1)またはPBS単独 で処理された動物と比較し、そして炎症を抑制するそれらの能力につき評価した 。AAチャレンジは実施例7に上記されたものと同じであった。 14.2.2.結果および考察 これらの結果を表XII〜XVに示す。活性の容易に認められるパターンが同定さ れなかったが、下記の結果を観察した。化合物はAA誘発炎症を抑制するのにCT-1 12(配列番号1)よりも有効ではなかった。最も有効な化合物(CT-112以外)は CT-119(配列番号21)、CT-164(配列番号16)およびCT-220(配列番号23)であ った。これらの化合物のうち、CT-164のみがα−ケモカインファミリー(hENA78) から誘導される。アミノ酸残基のランダム配列であるCT-120(配列番号11)はAA 誘発耳炎症の抑制に有効ではなかった。アルブミンは炎症の適度の抑制を生じた が、この現象は他の人達により観察されたもので、生物学上顕著とみなされない 。これらの結果は、α−ケモカインおよびβ−ケモカインの両方に見られる配列 から誘導された幾つかのペプチドが急性皮膚炎症を抑制し得ることを示す。しか しながら、試験した配列のうち、いずれもがCT-112(配列番号1)よりも有効で はなかった。 14.3.CT-112のブロックされた変種、置換変種および末端切断型変種の抗炎症 活性 CT-112(配列番号1)の抗炎症効果を、それらのアミノ末端もしくはカルボキ シル末端でブロックされ、または両末端でブロックされ、或いは種々末端切断さ れ、或いは特別なアミノ酸残基が置換または欠失された種々のCT-112類似体およ び誘導体の抗炎症効果と比較した。 14.3.1.材料および方法 CT-112誘導体化ペプチドの最初の組を化学合成した。これらはペプチドのアミ ノ末端に付加されたアセチル基を有するCT-112 (配列番号1)オクタペプチド(Ac-TTSQVRPR)、ペプチドのカルボキシル末端に 付加されたアミド基を有するCT-112(配列番号1)(TTSQVRPR-NH2)、および両末 端でこうしてブロックされたCT-112(配列番号1)(Ac-TTSQVRPR-NH2)を含ん でいた。加えて、第14.2節に記載されたように先に使用された、ランダムオクタ ペプチドであるCT-120(VTRPTQRS)(配列番号11)を、α−ケモカインファミリーの 一員である結合組織活性化ペプチドIII(CTAPIII)から誘導されたペプチドであ るCT-127(TTSGIHPK)(配列番号12)と同様に試験した。 CT-112の全ての末端切断型卜変種であるCT-112(配列番号1)類似ペプチド( 配列番号3、4、6、24〜28)の第二の組を化学合成した。 CT-112(配列番号1)類似ペプチド(配列番号25、26、29〜73)の第三の組を 化学合成した。ここで、CT-112(配列番号1)を構成する8種のアミノ酸残基の それぞれを逐次置換または欠失した。特定の残基が置換されたペプチドのそれぞ れの種において、アミノ酸残基をそのD-アミノ酸対応物、またはアラニル残基、 グルタミル残基、リシル残基もしくはロイシル残基で置換した。 三つの組のそれぞれ中のペプチドを、マウス耳の急性炎症モデルを使用して抗 炎症活性につき試験した。AAチャレンジは実施例7に上記されたものと同じであ った。7〜10匹の動物をそれぞれの試験ペプチドにつき使用した。全ての動物は AAによるチャレンジの4時間前に1回の6mg/kgの皮下投与を受けた。耳の厚み の測定をチャレンジ1時間後に行った。 14.3.2 結果および考察 結果は図7-9及び表XVI,XVIIに示す。CT-112から派生したペプチドの第一番目 のセットについては、CT-112(配列番号1,IDは連続番号)の一方の末端または両 端をブロックしたものでは炎症抑制能の有意の減少が認められた(図7、表XVI)。 CT-120(配列番号11)はランダムなペプチドであり、以前に実験したときはほとん ど活性を示さなかったが、本実験では炎症を有意に抑制した(図7)。さらに、C T-127(配列番号12)も炎症抑制に有意に有効であった。これらの結果は別のα− ケモカイン由来のペプチドが炎症抑制能を有していることを示している。 CT-112類縁のペプチドの第二番目のセット(配列番号3,4,6,24-28)については 、CT-112(配列番号1)の両端のアミノ酸残基を一つまたはそれ以上切り取ったも のには炎症抑制能の有意の減少が認められた(図8、表XVI)。第二セットの結果 からはCT-112(配列番号1)の炎症抑制能はインタクトなオクタペプチドの状態が 最も活性が高いことが示されている。 CT-112類縁のペプチドの第三番目のセット(配列番号25,26,29-73)については 、アミノ酸残基のどれかをそのアミノ酸に対応するD-アミノ酸に置換した場合の 影響はその置換された残基によって異なる結果であった(図9、表XVII)。例え ば、L-Thr1またはL-Thr2をD-Thrに置換した場合、そのペプチドにはかなりの抗 炎症活性が残存していたが、Gln4またはArg8の置換は活性を有意に低下させた。 Thr1またはSer3をAlaで置換した場合には活性は低下したが、Arg6をAlaで置換 した場合には抗炎症活性はわずかながら増強さ れた。 Thr2またはArg8をGluで置換した場合には活性は低下したが、Ser3またはArg6 をGluで置換した場合には抗炎症活性はわずかながら増強された。 アミノ酸残基をLysで置換した場合には概してほとんど影響がないようだが、T hr1をLysで置換した場合には活性の低下が見られた。 Gln4またはArg8をLeuで置換した場合には得られたペプチドの活性の顕著な低 下が見られた。 Pro7を除くどのアミノ酸についてもそれを取り除いた場合には得られたペプチ ドの活性の低下が認められた。 これらの結果は、CT-112(配列番号1)投与によって認められた活性は、ペプチ ドの非特異的な作用によるのではなく、ペプチド分子の特定の構造特性に関連が あることを示している。活性はそのペプチドのアミノ酸配列を特異的に変えるこ とによって増強または、低下しうる。 15.実施例:遅延型過敏症に対するCT-112の効果 15.1材料および方法 CT-112(配列番号1)の免疫応答調節能をマウスの遅延型過敏症モデル(Filipp ら,1984,Allergy,39:499-507;Diezelら,1989,J.Invest.Dermatol.93:322- 326)を用いて調べた。本実験で用いたのは8週令の雌の無毛マウス(Jackson La boratories)である。マウスは接触アレルゲン(1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン 、DNCB)を用いて感作した。感作は、0.5%DNCB溶液(75%アセトン:25%植物油に 溶解したもの)50μlを1日2回、5日間連続してマウスの背胸部に塗布すること によって行った。DNCBチャレンジ前の24時間はすべてのマウスを休息させた。感 作開始後6日目に50μlのDNCB溶液を左耳に塗ることによりチャレンジした。24 時間後に耳の厚さを測定し、チャレンジしていない側の耳と比較した。 処置群は次の通り a)PBS対照 b)プレドニゾン(25mg/kgをチャレンジの2時間前に腹腔内投与) c)7日間ポンプ投与(60mg CT-112/kg/24hr) d)CT-112(一回当たり60mg/kgをチャレンジの3時間 前,1時間前,15分前及び3,6,21時間後に腹腔内投与) e)DMSO対照(チャレンジの3時間前,1時間前,15分前 に50μlを局所投与) f)CT-112のDMSO溶液(20mg/ml溶液を50μl,チャレン ジの3時間前,1時間前,15分前及び3,6,21時間後に局所投与) 15.2結果および考察 結果は表XVIIIに示す。DNCBによって惹起された遅延型過敏症の抑制能に関し てCT-112(配列番号1)はプレドニゾンに匹敵するものであった。CT-112(配列番 号1)DMSO溶液の局所投与群と、ビヒクル(DMSO)のみの局所投与群との間には 統計学的有意差が認められた。CT-112(配列番号1)の局所投与は遅延型過敏症の 減少に関してPBS対照(DMSOのみの局所投与を受けていない)との間に統計学的 有意差は認められなかった。 本実験の結果は、CT-112(配列番号1)は全身投与した場合には遅延型過敏症の 防止に有効であることを示している。このことはCT-112(配列番号1)の活性は好 中球に厳格に特異的というのではなく、T細胞を介した免疫応答にも影響を及ぼ すことを示唆している。 16.実施例:II型コラーゲン誘発関節リウマチに対するCT-112の 効果 CT-112(配列番号1)のII型コラーゲン誘発関節炎(CIA)の発症抑制に対する効 果を調べた。CIAは関節炎の実験モデルであり、病理学的、免疫学的及び遺伝学 的に多くの点で関節リウマチと共通するものを持っている(Wooley,1988,Meth .Enzym.162:361-373)。CIAはII型のコラーゲンでその作用を受けやすいマウス の系統を免疫することによって誘発しうる。免疫後、進行性で炎症性の関節炎が 免役された動物の大多数で発症し、それは臨床的には紅斑及び浮腫で特徴づけら れる。このモデルは、宿主自身の結合組織の分子群、すなわち、関節の軟骨組織 に見出されるII型のコラーゲンに対して免疫応答が起こる病態をまねようと作り 出されたものである(Wooley,1988同上)。 16.1材料および方法 マウス(DBA/1,10-12週令,Jackson Laboratories)は1群各12匹,計3群に無 作為に割り付けた。CT-112(配列番号1)は滅菌したPBSで溶解し注射用とした。C T-112(配列番号1)は次の投与スケジュールに従い連日投与した。 a)対照群(0.1ml滅菌PBS)(7匹) b)CT-112低投与量群(0.1ml滅菌PBS中に0.25mgのCT-112 を含有する溶液を用い、10mg/kgで投与)(8匹) c)CT-112高投与量群(0.1ml滅菌PBS中に2.5mgのCT-112 を含有する溶液を用い、100mg/kgで投与)(8匹) CT-112(配列番号1)の初回投与の3日後に全てのマウスの尾の基部に100μgのウ シII型コラーゲンをフロインドの完全アジュバントとともに皮内に注入した。マ ウスの観察は症状の発現については毎日行い、体重は週に2回、全般的な健康状 態とともに記録した。関節炎の発症が見られたマウスについては週に5回、免疫 後10週間まで臨床的評価を行った。足の測定は週3回実施した。免疫後10週間経 過しても関節炎の兆候が現れなかったマウスは発病なしと見なした。 すべてのマウスは実験開始前に採血し、さらに、免疫2週間後、4週間後、CI Aの発症時点、及び本実験終了時点で採血を行った。血清を分離し-80℃で保存し た。抗コラーゲン抗体濃度の測定は ELISAで行った。脾臓とリンパ節は屠殺時 に取り出し、単細胞懸濁液を作った。Con A及びLPSに対するマイトジェン反応、 II型コラーゲンに対する抗原特異的反応についても調べた。 適切な統計学的解析法(カイ二乗検定、StudentのT検定及びノンパラメトリ ック中央値比較検定)をSPSS/PCソフトウエアを用いて行い、低投与量及び高投 与量CT-112(配列番号1)のコラーゲン誘発関節炎の発症率・発症時期・重篤度お よび進行度、コラーゲンに対する抗体形成、T細胞及びB細胞のマイトジェン反応 、II型コラーゲンに対するT細胞特異的応答に及ぼす影響につい て調べた。 16.2結果および考察 CIAの発症率と発症時期を図10に示した。関節炎の発症時期についてはCT-112( 配列番号1)の低及び高投与量群とも対照群に比べいくらか遅くなった。最終的 なCIAの発症率は対照群(87.5%)は高投与量群(50%)及び低投与量群(62.5%)のいず れよりも高かった。これら2つの結果とも対照群に比し統計学的には有意差はな かったが、高投与量群における関節炎発症率においては統計学的に有意な減少ま では至らなかったもののその傾向は明瞭であった(p=0.14)。 低投与量群では関節炎の病状の進行は有意に少ない数の足で見られ(p=0.035) 、重篤度においては対照群に比し統計学的に有意差の認められる程度に近い減少 を示した(p=0.058)。関節炎の各パラメーターを経時的に分析したところ、CT-11 2(配列番号1)の高、低投与量群とも今回の実験の対象となっていない方の肢へ の関節炎の進行を遅らせ、「病状進行度」指数、この指数は炎症性疾患から関節 のびらん性障害への進行を特徴づけるものだが、これに顕著な影響を及ぼすこと が示唆された(図12)。 興味深いことに、低投与量群では本実験で対象とした足の25%に実験終了時に 緩解が認められたのに対し、対照群では6.3%であった。しかしこの差は統計学的 には有意ではなかった。足の腫脹の最大値はCT-112(配列番号1)投与の影響を受 けなかった。 CT-112(配列番号1)高投与量、低投与量の両群ともCIAの病理組織所見に影響 を及ぼした(図13)。つまり、関節炎の発症によっ て惹起された関節のびらんの減少と、関節の構造の損傷の有意の減少(p≦0.05) が生じた。しかしCT-112(配列番号1)は滑膜炎とパンヌスに対して有意な影響を 及ぼさなかった。これはおそらくCT-112(配列番号1)が炎症細胞の全タイプに効 果があるわけではないからであろう。すなわち、顆粒球、マクロファージ、線維 芽細胞及びその他の炎症関連細胞の炎症刺激に対する応答についてはおそらく変 わっていないのであろう。このことはCT-112(配列番号1)が炎症反応系の特定の ところを抑制しているとの結論を支持している。 CT-112(配列番号1)の高、低投与量群ともマウス血清中の抗コラーゲン抗体価 を低下させるようである。免疫4週後の抗体価は高投与量群では統計学的に有意 に低下していた(p=0.028)(図14)。抗コラーゲン抗体価の差は発症時に最も大 きなものとなったが、この時点ではサンプルサイズが小さすぎ、統計学的有意差 には至らなかった。 実験終了時点では低投与量群の抗コラーゲン抗体価は対照群に比べ有意に高か った。対照群における抗体価の低下がこの差をもたらしたのだが、これはこの実 験モデルに典型的な現象である。このデータは、CT-112(配列番号1)はコラーゲ ンに対する血清学的反応を抑制すると言うよりはむしろ遅延させることを示唆し ている。 リンパ節細胞におけるマイトジェン及び抗原(II型コラーゲン)に対する細胞性 反応は対照群、投与群とも同様であった。CT-112(配列番号1)投与群マウスの脾 臓細胞のCon A及びLPSに対する応答から見て免疫抑制も亢進も起こっていないこ とが示唆される 。全群において繁殖性については関節炎を発症したマウスとしないマウスで同様 であった。 血液学的検査値に変化は認められず、全ての被験動物は、全観察期間を通じて 同程度の速さで体重の増加が見られた。 17.実施例:毒性試験 次の実施例はCT-112(配列番号1)の毒性を調べるために行った各種の実験を要 約したものである。 CT-112(配列番号1)の変異原性を調べた。CT-112(配列番号1)は100-5,000μg /mlの濃度範囲でラット肝ミクロソーム酵素で活性化したものとしないもののど ちらについてもサルモネラ復帰突然変異試験(Arnesら,1975,Mutation Res.31:34 7-364)で復帰突然変異体(ヒスチジン非依存性の増殖を示す)の数を増加させな かった。CT-112(配列番号1)は1,260-4,990μg/mlの濃度範囲でラット肝ミクロ ソーム酵素で活性化したものとしないもののどちらについてもチャイニーズハム スター卵巣細胞アッセイ法(Evans,H.J.,1962,Int.Rev.Cyt.13:221-321)で染 色体異常を誘発しなかった。 CT-112(配列番号1)は500-5,000μg/mlの濃度範囲でラット肝ミクロソーム酵 素で活性化したものとしないもののどちらについてもヒポキサンチン−グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)陽性のチャイニーズハムスター卵巣 細胞に前進突然変異(フォワードミューテイション)を起こさなかった。前進突然 変異をこれらの細胞が起こすと、HGPRTの発現能を失い、有毒なプリン類縁体に 対する感受性を失う(Hsieら,1975,Somat.Cell G enet.1:247-261)。 CT-112(配列番号1)は62.5,125及び250mg/kgの濃度でマウス骨髄多染性赤血 球アッセイ法(Heddle et al.,1983,Mut.Res.123:61-118)で24,48,72時間後 のいずれにおいても小核の有意な増加を誘発しなかった。 CT-112(配列番号1)の急性毒性をマウス及びラットで調べた。マウスについて は100,500または1,000mg/kgを静注した。一過性の臨床症状がわずかながら見ら れた。それらは行動抑制と過敏症状で投与日に500mg/kgで1匹、1000mg/kgで2 匹に認められたが、これらのマウスはその翌日に正常な外観に戻った。平均体重 及び体重増加の平均値については対照群と投与群との間に統計学的な有意差は認 められなかった。剖検ではどのマウスにも病変は認められなかった。 ラットに対してはCT-112(配列番号1)を100,500または1,000mg/kg投与した。 一過性の臨床症状(行動抑制、過敏症状、よたつき歩行、チアノーゼ及び立ち直 り反射の消失)が投与日に500mg/kg及び1,000mg/kg群の数匹のラットに認められ た。これらのラットは全て翌日には正常な外観に戻った。平均体重及び体重増加 の平均値については対照群と投与群との間に統計学的な有意差は認められなかっ た。剖検ではどのラットにも病変は認められなかった。 本発明について、上記の実施態様を特に言及しながら詳細に記述してきた。し かしながら、本発明は上記の実施態様、それは本発明のある態様を例示するもの であるが、それのみに本発明の範囲を限定すべきものではないと理解するべきで ある。 事実、ここに記述した事柄に加えて本発明にいろいろな改変を加えることは当 業者にとっては自明なことであろう。そのような改変は本発明の特許請求の範囲 に包含されるものとする。 本明細書中に引用された各種の参照文献は、参考としてその全体を本明細書中 に組み込むことにする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/00 ACJ A61K 37/02 ACJ ADP ABG C07K 7/06 ZNA ACD (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KR,K Z,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO,NZ ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,UA, UZ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミノ酸配列Thr1-Thr2-Ser3-Gln4-Val5-Arg6-Pro7-Arg8(ここで、1、2 、5、6または7位のアミノ酸残基のいずれか1つ以上がD−立体異性体である )を有し、抗炎症活性を示すペプチド。 2.アミノ酸配列Thr-X-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(ここで、Xは欠失、L-Lys、 L-Orn、L-Met、L-Arg、L-Ser、L-Trp、L-Tyr、L-CysおよびL-Hisより成る群から 選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチド。 3.アミノ酸配列Thr-Thr-X-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(ここで、Xは欠失、L-Glu、 L-Asp、L-Asn、L-Gln、L-Cys、L-His、L-Lys、L-Orn、L-Thr、L-TrpおよびL-Tyr より成る群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチド。 4.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-X-Val-Arg-Pro-Arg(ここで、Xは欠失、L-Lys、 L-Orn、L-Arg、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-Ser、L-ThrおよびL-Tyr より成る群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチド。 5.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-X-Arg-Pro-Arg(ここで、Xは欠失および天 然に存在するVal以外の全てのL−アミノ酸より成る群から選ばれる)を有し、 抗炎症活性を示すペプチド。 6.XがL-Lysである、請求項5に記載のペプチド。 7.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-X-Pro-Arg(ここで、Xは欠失および天 然に存在するArg以外の全てのL−アミノ酸より成る群から選ばれる)を有し、 抗炎症活性を示すペプチド。 8.XがL-AlaまたはL-Gluである、請求項7に記載のペプチド。 9.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-X-Arg(ここで、Xは欠失および天 然に存在するPro以外の全てのL−アミノ酸より成る群から選ばれる)を有し、 抗炎症活性を示すペプチド。 10.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-X(ここで、Xは欠失、L-Lys、 L-Orn、L-Asn、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L-Met、L-SerおよびL-Tyrより成 る群から選ばれる)を有し、抗炎症活性を示すペプチド。 11.本質的にアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号1)か ら成るペプチドの誘導体であって、少なくとも1つの側鎖アミン基がアシル化も しくはアリール化されているか、または1つの側鎖ヒドロキシル基がアルキル基 もしくはアリール基へエステル化されている、抗炎症活性を示す誘導体。 12.本質的にアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号1)か ら成るペプチドの類似体であって、該ペプチドと比べて該類似体のタンパク質分 解切断を減少させるのに役立つ少なくとも1つのアミノ酸擬似物を含む、抗炎症 活性を示す類似体。 13.本質的にアミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号1)か ら成るペプチドの環化誘導体であって、該誘導体の第1のアミノ酸残基のアミン 基が該誘導体の第2の非隣接アミノ酸残基のカルボキシル基に共有結合で結合さ れている、抗炎症活性を示す誘導体。 14.アミノ酸配列R-(C=O)-Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Argを有するペプチド 誘導体であって、Rが低級アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロア リール(ここでアリールまたはヘテ ロアリールはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官能基で置換されてい てもよい)より成る群から選ばれる、抗炎症活性を示す誘導体。 15.アミノ酸配列Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg-R'を有するペプチド誘導体 であって、R'がアミド、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリ ールエステルおよびヘテロアリールエステル(ここでアリールエステルまたはヘ テロアリールエステルはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官能基で置 換されていてもよい)より成る群から選ばれる、抗炎症活性を示すペプチド誘導 体。 16.アミノ酸配列R-(C=O)-Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg-R'を有するペプチ ド誘導体であって、Rが低級アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ アリール(ここでアリールまたはヘテロアリールはハロゲン、メトキシ、アミノ またはアルキル官能基で置換されていてもよい)より成る群から選ばれ、R'がア ミド、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステルおよ びヘテロアリールエステル(ここでアリールエステルまたはヘテロアリールエス テルはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官能基で置換されていてもよ い)より成る群から選ばれる、抗炎症活性を示すペプチド誘導体。 17.アミノ酸配列R-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-R''を有するペプチドであって、 ここで、 RはHまたはR'-(C=O)-であり、ここでR'は低級アルキル、シクロアルキル 、アリールおよびヘテロアリール(該アリールまたはヘテロアリールはハロゲン 、メトキシ、アミノまたはアルキル 基で置換されていてもよい)より成る群から選ばれ、 R''はH、アミド、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリ ールエステルおよびヘテロアリールエステル(該アリールエステルまたはヘテロ アリールエステルはハロゲン、メトキシ、アミノまたはアルキル官能基で置換さ れていてもよい)より成る群から選ばれ、 X1は欠失またはL-Thrであり、 X2は欠失、L-Thr、L-Lys、L-Orn、L-Met、L-Arg、L-Ser、L-Trp、L-Tyr、L- CysおよびL-Hisより成る群から選ばれ、 X3は欠失、L-Ser、L-Glu、L-Asp、L-Asn、L-Gln、L-Cys、L-His、L-Lys、L- Orn、L-Thr、L-TrpおよびL-Tyrより成る群から選ばれ、 X4は欠失、L-Gln、L-Lys、L-Orn、L-Arg、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L- Met、L-Ser、L-ThrおよびL-Tyrより成る群から選ばれ、 X5、X6およびX7はそれぞれ欠失であるか、または任意の天然に存在するL− アミノ酸であり、そして X8は欠失、L-Arg、L-Lys、L-Orn、L-Asn、L-Asp、L-Cys、L-Glu、L-His、L- Met、L-SerおよびL-Tyrより成る群から選ばれる、 ただし、R-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-R''は少なくとも4個のアミノ酸残基 を含み、Val-Arg-Pro-Arg(配列番号4)、Thr-Thr-Ser-Gln-Val(配列番号6) 、Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号3)またはThr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro -Arg(配列番号1)であることはない、 抗炎症活性を示すペプチド。 18.請求項17のペプチドの誘導体であって、少なくとも1つの側鎖アミン基がア シル化もしくはアリール化されているか、または1つの側鎖ヒドロキシル基がア ルキル基もしくはアリール基へエステル化されている、抗炎症活性を示す誘導体 。 19.請求項17のペプチドの類似体であって、該ペプチドと比べて該類似体のタン パク質分解切断を減少させるのに役立つ少なくとも1つのアミノ酸擬似物を含む 、抗炎症活性を示す類似体。 20.請求項17のペプチドの誘導体であって、該ペプチドが該ペプチドの第1のア ミノ酸残基のアミン基を該ペプチドの第2の非隣接アミノ酸残基のカルボキシル 基に共有結合で結合させて、該ペプチドの環化誘導体を形成させることにより誘 導体化されている、抗炎症活性を示す誘導体。 21.請求項17のペプチドの誘導体であって、該ペプチドが1以上の分子内ジスル フィド橋の形成により誘導体化されている、抗炎症活性を示す誘導体。 22.請求項1、2、3、4、5、7、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18 、19、20または21のペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド類似体および製剤 学的に許容される担体を含有する医薬組成物。 23.被験者の組織における炎症反応を含む免疫反応を抑制する方法であって、被 験者を、次のペプチド: Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号1)、 Val-Lys-Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号2)、 Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg(配列番号3)、 Val-Arg-Pro-Arg(配列番号4)、 Thr-Thr-Ser-Gln-Val-Arg-Pro-Arg-His-Ile-Thr(配列番号5)、 Thr-Thr-Ser-Gln-Val(配列番号6)、 Thr-Ser-Gln-Val-Arg(配列番号7)、および Thr-Thr-Ser-Gly-Ile-His-Pro-Lys(配列番号8) より成る群から選ばれる有効量のペプチドにさらすことを含んでなる方法。 24.被験者が自己免疫疾患を患っている、請求項23に記載の方法。 25.自己免疫疾患がインスリン依存性糖尿病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、強 皮症、混合結合組織疾患および全身性エリテマトーデスより成る群から選ばれる 、請求項24に記載の方法。 26.被験者が再灌流組織損傷、炎症性肺疾患または移植片体宿主病を患っている 、請求項23に記載の方法。 27.被験者の組織における炎症反応を含む免疫反応を抑制する方法であって、被 験者を有効量の請求項1、2、3、4、5、7、9、10、11、12、13、14、15、 16、17、18、19、20または21のペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド類似体 にさらすことを含んでなる方法。 28.被験者が自己免疫疾患を患っている、請求項27に記載の方法。 29.自己免疫疾患がインスリン依存性糖尿病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、強 皮症、混合結合組織疾患および全身性エリテマトーデスより成る群から選ばれる 、請求項28に記載の方法。 30.被験者が再灌流組織損傷、炎症性肺疾患または移植片体宿主病を患っている 、請求項27に記載の方法。
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