JPH0949502A - バルブポジショナ及び電空変換器 - Google Patents

バルブポジショナ及び電空変換器

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JPH0949502A
JPH0949502A JP20216595A JP20216595A JPH0949502A JP H0949502 A JPH0949502 A JP H0949502A JP 20216595 A JP20216595 A JP 20216595A JP 20216595 A JP20216595 A JP 20216595A JP H0949502 A JPH0949502 A JP H0949502A
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JP
Japan
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valve
model
control
unit
control parameter
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JP20216595A
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English (en)
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Junichi Shiosaki
淳一 潮崎
Isamu Ri
勇 李
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調整が容易で良好な制御特性が得られるバル
ブポジショナを得る。 【解決手段】 制御演算部2によって操作量uが算出さ
れ、電空変換手段3〜5によって操作量uが空気圧Pd
に変換される。空気圧Pdに応じたバルブ6の弁軸変位
yが弁軸変位測定部7によって演算部2へフィードバッ
クされる。このバルブポジショナを調整するには、電空
変換手段3〜5とバルブ6をモデル同定して得られたバ
ルブモデルのパラメータをバルブモデル入力部8に設定
する。制御パラメ−タ決定演算部9は、目標値rを入力
とし弁軸変位yを出力とする伝達関数が非振動極となる
ような制御パラメータを算出し、これを制御演算部2に
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流量等の制
御を行うバルブの開度を調整するバルブポジショナと、
電気信号を空気圧に変換する電空変換器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、流体の流量等の制御を行うバ
ルブの開度を検出してフィードバックし、バルブを適正
開度に調整するバルブポジショナがあり、フィードバッ
ク量に基づいてバルブの開度を制御する手段としては、
PIDあるいは比例制御によるコントローラが用いられ
ていた。このようなコントローラを調整する手法とし
て、一般のプロセス制御の場合には、最適調整する手段
を有したPIDコントロ−ラ(オ−トチュ−ニングPI
Dコントロ−ラ、参考文献:システム制御情報学会編、
「PID制御」、浅倉書店、1993年)が従来より使
われているが、バルブのように非線形性が強く、しかも
オ−バ−シュ−トなしで早い整定が要求される対象には
適用することができない。よって、コントローラの調整
は、制御の専門家によって行われていた。
【0003】また、電気信号を空気圧に変換する電空変
換器も、出力空気圧を検出したフィードバック量に基づ
いて空気圧を制御する手段として、PIDあるいは比例
制御によるコントローラが用いられており、オ−バ−シ
ュ−トなしで早い整定が要求されるためにオ−トチュ−
ニングPIDコントロ−ラが適用できず、制御の専門家
によって調整が行われることもバルブポジショナと同様
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のバ
ルブポジショナは、PIDあるいは比例制御によるコン
トローラによってバルブの開度(又は弁軸の変位)を制
御しているが、比例制御の場合には、ステップ外乱又は
入力される設定値の変更に対して定常偏差が残るという
問題点があった。また、PID制御の場合には、定常偏
差は残らないが、バルブは種類が多く個々に特性が異な
るため、個々のバルブを最適に動作させるための調整に
非常に時間がかかるという問題点があった。また、人間
の試行錯誤による調整では限界があるため、バルブの開
度(弁軸変位)に不必要な振動が残ったり、オ−バ−シ
ュ−トやアンダ−シュ−トが残ったりするという問題点
があった。
【0005】また、電空変換器は、PIDあるいは比例
制御によるコントローラによって出力空気圧を制御して
いるが、比例制御の場合には、ステップ外乱又は入力さ
れる設定値の変更に対して定常偏差が残るという問題点
があった。また、PID制御の場合には、定常偏差は残
らないが、取り付けの際の伝送パイプの長さや太さが個
々に異なるため、個々の伝送パイプに対する調整が難し
く、調整に非常に時間がかかるという問題点があった。
また、人間の試行錯誤による調整では限界があるため、
出力空気圧の値に不必要な振動が残ったり、オ−バ−シ
ュ−トやアンダ−シュ−トが残ったりするという問題点
があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために、調
整が容易で良好な制御特性を得ることができるバルブポ
ジショナを提供することを第1の目的とする。また、調
整が容易で良好な制御特性を得ることができる電空変換
器を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のバルブポジショ
ナは、請求項1に記載のように、弁軸変位測定部と、目
標値と弁軸変位から操作量を算出する制御演算部と、操
作量を空気圧に変換する電空変換手段と、電空変換手段
とバルブをモデル同定して得られたバルブモデルのパラ
メータから制御パラメータを算出する制御パラメ−タ決
定演算部とを有するものである。このような構成によ
り、制御演算部にて操作量が算出され、電空変換手段に
よって操作量が空気圧に変換され、この空気圧に応じた
バルブの弁軸変位が弁軸変位測定部によって制御演算部
へフィードバックされる。そして、制御パラメータの設
定は、制御パラメ−タ決定演算部がバルブモデルパラメ
ータから、目標値を入力とし弁軸変位を出力とする伝達
関数が非振動極となるような制御パラメータを算出し、
これを制御演算部に記憶させることにより行われる。
【0008】また、請求項2に記載のように、バルブモ
デルのパラメータから、目標値を入力とし弁軸変位を出
力とする伝達関数がゼロ点を持たないような制御パラメ
ータを算出する制御パラメ−タ決定演算部を有するもの
である。また、請求項3に記載のように、オートチュー
ニング動作時に、操作量に相当するモデル同定信号を電
空変換手段に出力するモデル同定信号生成部と、この同
定信号に応じた弁軸変位を記録する弁軸変位記録部と、
記録された弁軸変位とモデル同定信号に基づいてバルブ
モデルパラメータを求めるモデル同定演算部とを有する
ものである。このような構成により、制御パラメータの
設定は、モデル同定演算部がモデル同定演算を行ってバ
ルブモデルパラメータを求め、制御パラメ−タ決定演算
部が制御パラメータを算出することにより行われる。
【0009】また、本発明の電空変換器は、請求項4に
記載のように、圧力測定部と、目標値と圧力値から操作
量を算出する制御演算部と、電空変換手段と、電空変換
手段をモデル同定して得られた電空変換モデルのパラメ
ータから制御パラメータを算出する制御パラメ−タ決定
演算部とを有するものである。このような構成により、
制御演算部にて操作量が算出され、電空変換手段によっ
て操作量が空気圧に変換され、この空気圧が圧力測定部
によって制御演算部へフィードバックされる。そして、
制御パラメータの設定は、制御パラメ−タ決定演算部が
電空変換モデルのパラメータから、目標値を入力とし空
気圧を出力とする伝達関数が非振動極となるような制御
パラメータを算出することにより行われる。
【0010】また、請求項5に記載のように、電空変換
モデルのパラメータから、目標値を入力とし空気圧を出
力とする伝達関数がゼロ点を持たないような制御パラメ
ータを算出する制御パラメ−タ決定演算部を有するもの
である。また、請求項6に記載のように、オートチュー
ニング動作時に、操作量に相当するモデル同定信号を電
空変換手段に出力するモデル同定信号生成部と、この同
定信号に応じた圧力値を記録する圧力記録部と、記録さ
れた圧力値とモデル同定信号に基づいて電空変換モデル
のパラメータを求めるモデル同定演算部とを有するもの
である。このような構成により、制御パラメータの設定
は、モデル同定演算部がモデル同定演算を行って電空変
換モデルパラメータを求め、制御パラメ−タ決定演算部
が制御パラメータを算出することにより行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の1実施の形態を示すバル
ブポジショナのブロック図、図2はこのバルブポジショ
ナを用いた制御系のブロック線図、図3はこのバルブポ
ジショナの動作を説明するためのフローチャート図であ
る。
【0012】図1において、1はバルブの弁軸変位を設
定する目標値rをバルブポジショナに入力するための目
標値入力部、2は制御パラメータに基づいて目標値rと
後述する弁軸変位測定部で測定された弁軸変位yから操
作量uを算出する制御演算部、3は操作量uを電流Iに
変換する電流出力部、4は電流出力部3から出力された
電流Iを空気圧Pnに変換する電流圧力変換部、5は電
流圧力変換部4からの空気圧Pnを増幅して空気圧Pd
を発生するパイロットリレ−である。
【0013】また、6はパイロットリレ−5から供給さ
れる空気圧Pdによって駆動されるバルブ、7はバルブ
6の弁軸変位を測定する弁軸変位測定部、8は電流出力
部3、電流圧力変換部4、パイロットリレ−5及びバル
ブ6をモデル同定して得られたバルブモデルのパラメー
タをバルブポジショナに入力するためのバルブモデル入
力部、9はこのバルブモデルパラメータから上記制御パ
ラメータを算出して、制御演算部2に記憶された制御パ
ラメータを算出したパラメータに変更させる制御パラメ
−タ決定演算部である。そして、電流出力部3、電流圧
力変換部4及びパイロットリレ−5が電空変換手段を構
成している。
【0014】図2において、2aは制御演算部2の内部
にあって、目標値rから弁軸変位yを減算して偏差eを
求める減算処理部、2bは同じくその内部にあって減算
処理部2aの出力eから操作量uを演算するPIDコン
トローラ、Gc、Gi、Gn、Gd、GvはそれぞれP
IDコントローラ2b、電流出力部3、電流圧力変換部
4、パイロットリレ−5、バルブ6の伝達関数である。
【0015】本実施の形態のバルブポジショナにおいて
は、制御パラメ−タ決定演算部9が制御演算部2の制御
パラメータを算出し、これによって制御演算部2の特性
が決定され制御系の動作が決定されるが、ここではバル
ブポジショナの制御系としての動作を先に説明する。バ
ルブ6の弁軸変位を設定するための目標値rは、このバ
ルブポジショナのオペレータによって設定され、目標値
入力部1を介して制御演算部2に入力される(図3ステ
ップ107)。
【0016】制御演算部2内の減算処理部2aは、r−
y、すなわち目標値rから弁軸変位測定部7からの弁軸
変位yを減算して偏差eを求め、続いてPIDコントロ
ーラ2bは、この偏差eから操作量uを次式のように演
算する(ステップ108)。 u=Gc×e =Kc×{1+1/(Ti×s)+Td×s}×e ・・・(1)
【0017】式(1)において、Kc、Ti、TdはP
IDコントローラ2bのゲイン、積分時間、微分時間で
ある。次いで、電流出力部3は、操作量uの値に比例し
た電流Iを出力する(ステップ109)。その特性は伝
達関数Giにより次式となる。 I=Gi×u=Ki×u ・・・(2) ここで、Kiは比例定数である。
【0018】電流圧力変換部4は、例えば実願平5−6
5696号の図5に示すように、コイル、ノズル、フラ
ッパ等から構成されるものであり、電流出力部3から出
力された電流Iを空気圧Pnに変換する(ステップ11
0)。その特性は、次式のような伝達関数Gnで近似す
ることができる。 Pn=Gn×I={Kp1/(Tp1×s+1)}×I ・・・(3) Kp1はゲイン、Tp1は時定数である。
【0019】パイロットリレ−5は、電流圧力変換部4
からの空気圧Pnを増幅して、これを空気圧Pdとして
バルブ6へ供給する(ステップ111)。その特性は、
次式のような伝達関数Gdで近似することができる。な
お、正確には伝達関数Gdは、パイロットリレ−5から
バルブ6までの伝送パイプ及びバルブ6のダイアフラム
室6aの特性を含むものである。 Pd=Gd×Pn={Kp2/(Tp2×s+1)}×Pn ・・・(4) Kp2はゲイン、Tp2は時定数である。
【0020】そして、ダイアフラム室6aに供給された
空気圧Pdに応じて弁軸6bが上下することにより、バ
ルブ6の開度、すなわち流体の流量が制御される。その
弁軸6bの変位yは、次式のような伝達関数Gvで表す
ことができる。 y=Gv×Pd=Kv×Pd ・・・(5) ここで、Kvは比例定数である。ただし、バルブ6に
は、パッキン6cの摩擦力によるヒステリシスが主原因
となる非線形性が存在する。
【0021】続いて、この弁軸変位yが弁軸6bに取り
付けられたフィードバックレバー6dを介して弁軸変位
測定部7に伝えられる。こうして、弁軸変位測定部7
は、弁軸変位yを測定して、制御演算部2に出力する
(ステップ112)。以上のようなステップ107〜1
12の動作をオペレータ等の指令によってバルブポジシ
ョナが停止するまで(ステップ113)、1制御周期ご
とに繰り返す。これが、このバルブポジショナの基本構
成であるフィードバック制御系としての動作である。
【0022】次に、以上のような制御特性を決定するバ
ルブモデル入力部8、制御パラメ−タ決定演算部9の動
作について説明する。今、電流出力部3、電流圧力変換
部4及びパイロットリレ−5からなる電空変換手段とバ
ルブ6とから構成されるシステムをバルブモデルとする
と、このバルブモデルの伝達関数Gpは次式のように表
すことができる。 Gp=Gi×Gn×Gd×Gv ・・・(6)
【0023】そして、式(6)は式(2)〜(5)によ
り次式となる。 Gp=Kp/{(Tp1×s+1)×(Tp2×s+1)} ・・・(7) 式(7)において、Kp=Ki×Kp1×Kp2×Kv
である。
【0024】バルブモデル入力部8には、図示しない同
定手段によりモデル同定して得られたバルブモデルのゲ
インKp、時定数Tp1、Tp2がオペレータによって
設定される(図3ステップ100)。バルブモデル入力
部8は、これらのバルブモデルパラメータを制御パラメ
−タ決定演算部9に出力する。そして、制御パラメ−タ
決定演算部9は、入力されたバルブモデルパラメータに
基づきPIDコントローラ2bの制御パラメータを以下
のように算出する。
【0025】ここで、y/r、つまり目標値rを入力と
し弁軸変位yを出力とするシステムの伝達関数は次式の
ように表すことができる。 y/r=Gc×Gp/(1+Gc×Gp) ・・・(8) また、PIDコントローラ2bの伝達関数Gcは式
(1)より次式となる。 Gc=Kc×{1+1/(Ti×s)+Td×s} ・・・(9)
【0026】式(7)、(9)を式(8)に代入して整
理すると、次式となる。 y/r=Kc×Kp×(Ti×Td×s2 +Ti×s+1) /[Ti×Tp1×Tp2×s3 +{Ti×(Tp1+Tp2)+Kc×Kp×Ti×Td}×s2 +(Ti+Kc×Kp×Ti)×s+Kc×Kp] ・・・(10)
【0027】このような伝達関数を有するシステムにお
いて、制御結果となる弁軸変位yに不要な振動が生じな
いようにするためには、式(10)の分母(ここではQ
とする)が非振動極となるようにすればよく、このため
には次式が成立すればよい。 Q=Kc×Kp×(Ti×Td×s2 +Ti×s+1)×(λ×s+1) =Kc×Kp×λ×Ti×Td×s3 +Kc×Kp×(Ti×Td+λ×Ti)×s2 +Kc×Kp×(λ+Ti)×s+Kc×Kp ・・・(11) 式(11)において、λは所望の応答時定数である。
【0028】こうして、式(11)が成立するように式
(10)の分母を決めてやれば、上記システムの伝達関
数は次式となり、分母が振動極を含まないようにするこ
とができる。 y/r=1/(λ×s+1) ・・・(12)
【0029】目標値rを入力とし弁軸変位yを出力とす
るシステムは、例えば30秒程度の時定数を有するのが
一般的であるが、式(12)によれば弁軸変位yは目標
値rに対して時定数λの一次遅れ応答となり、λには所
望の値を設定することができるので、従来よりも小さい
時定数とすることができる。
【0030】そして、式(10)の分母と式(11)の
右辺とにおいて、sの3次項、2次項、1次項をそれぞ
れ比較すれば、次式が得られる。 Ti×Tp1×Tp2=Kc×Kp×λ×Ti×Td ・・・(13) Ti×(Tp1+Tp2)+Kc×Kp×Ti×Td =Kc×Kp×(Ti×Td+λ×Ti) ・・・(14) Ti+Kc×Kp×Ti=Kc×Kp×(λ+Ti) ・・・(15)
【0031】式(13)〜(15)より、PIDコント
ローラ2bのゲインKc、積分時間Ti、微分時間Td
を次式のように求めることができる。 Kc=(Tp1+Tp2)/(λ×Kp) ・・・(16) Ti=Tp1+Tp2 ・・・(17) Td=TP1×Tp2/(Tp1+Tp2) ・・・(18)
【0032】したがって、制御パラメ−タ決定演算部9
は、以上のようにして得られた式(16)〜(18)を
用い、バルブモデル入力部8より入力されたバルブモデ
ルのゲインKp、時定数Tp1、Tp2から制御演算部
2の制御パラメータ、すなわちゲインKc、積分時間T
i、微分時間Tdを算出する(ステップ105)。そし
て、これらの制御パラメータが制御演算部2に出力され
記憶されることにより、演算部2の特性が設定される
(ステップ106)。これで、バルブポジショナの制御
系としての特性が決定される。
【0033】このようにして制御パラメータを設定すれ
ば、前述のようにバルブ6の弁軸変位yは目標値rに対
して所望の時定数λの一次遅れ応答となり、弁軸変位y
に不要な振動が残ることがなくなる。なお、以上の説明
では、弁軸変位yに不要な振動が生じないという効果を
挙げたが、同時に弁軸変位yに不要なオ−バ−シュ−ト
やアンダ−シュ−トが生じないという効果も有する。
【0034】つまり、式(10)のような伝達関数を有
するシステムにおいて、弁軸変位yに不要なオ−バ−シ
ュ−トやアンダ−シュ−トが生じないようにするために
は、式(10)の伝達関数がゼロ点を持たないようにす
ればよく、このためには分子のゼロ点の作用を分母が打
ち消すようにすればよい。そして、これは式(10)の
分母を式(11)のように決めることである。こうし
て、上記のように制御パラメータを設定すれば、バルブ
6の弁軸変位yに不要なオ−バ−シュ−トやアンダ−シ
ュ−トが生じなくなる。
【0035】図4は本実施の形態のバルブポジショナに
おいて制御パラメータを適当に設定したときの目標値追
従性を示す図、図5は上記の設定手法を用いて制御パラ
メータを正しく設定したときの目標値追従性を示す図で
ある。図4、5は0秒にて弁軸変位50%の目標値rを
ステップ入力し、その制御結果の弁軸変位yを求めたシ
ミュレーション結果である。ここで、バルブモデルのゲ
インKpを17、時定数Tp1を0.27、Tp2を
3.45とする。
【0036】バルブモデル入力部8、制御パラメ−タ決
定演算部9の機能を用いずに、制御演算部2のゲインK
cを0.218、積分時間Tiを0.37、微分時間T
dを0.073と適当に設定した場合(図4(a))、
式(10)の伝達関数においてゼロ点zが−10、−
3.7037、極pが−3.7、−0.2899±1.
6777i(振動極)となる。図4(a)からも明らか
なように、振動極の影響で弁軸変位yが振動しており、
目標値rの±0.5%以内に入る整定時間は17.3秒
である。
【0037】また、制御演算部2のゲインKcを0.6
47、積分時間Tiを1.1、微分時間Tdを0.09
09と適当に設定した場合(図4(b))、式(10)
の伝達関数においてゼロ点zが−10、−1、極pが−
1.37、−1.84±2.0971i(減衰が早い振
動極)となる。図4(b)からも明らかなように、ゼロ
点の影響で弁軸変位yがオ−バ−シュ−トを起こしてお
り、整定時間は2.8秒である。
【0038】これに対して、上記のバルブモデルのパラ
メータをバルブモデル入力部8に与えた場合、制御パラ
メ−タ決定演算部9は、制御演算部2のゲインKcを
2.188、積分時間Tiを3.72、微分時間Tdを
0.2504と算出し、式(10)の伝達関数において
ゼロ点zが−3.7037、−0.2899、極pが−
10、−3.7037、−0.2899となる。なお、
このときの時定数λは0.1である。
【0039】図5からも明らかなように、振動極を持た
ず、極とゼロ点とが打ち消し合うため、弁軸変位yに振
動が起こらず、かつオーバーシュートやアンダーシュー
トも起こらない非常に良い応答をしていることが分か
る。また、このときの整定時間は0.6秒である。
【0040】実施の形態2.図6は本発明の他の実施の
形態を示すバルブポジショナのブロック図、図7はこの
バルブポジショナの動作を説明するためのフローチャー
ト図であり、図1〜3と同一の構成には同一の符号を付
してある。
【0041】10は制御パラメータを決定するためのオ
ートチューニング動作時に、操作量uに相当するモデル
同定信号を電流出力部3に出力するモデル同定信号生成
部、11はモデル同定信号に応じた弁軸変位yを弁軸変
位測定部7から受け取って記録する弁軸変位記録部、1
2は弁軸変位記録部11で記録された弁軸変位とモデル
同定信号に基づき、モデル同定演算を行ってバルブモデ
ルのパラメータを求め、これを制御パラメ−タ決定演算
部9に出力するモデル同定演算部である。
【0042】図6ではバルブを省略しているが、目標値
入力部1、制御演算部2、電流出力部3、電流圧力変換
部4、パイロットリレ−5、弁軸変位測定部7からなる
バルブポジショナの基本構成の動作は実施の形態1と同
様である。
【0043】本実施の形態では、バルブモデル入力部8
にバルブモデルパラメータを与えて制御演算部2の制御
パラメータを設定する代わりに、モデル同定信号生成部
10、弁軸変位記録部11、モデル同定演算部12によ
ってバルブモデルパラメータを求め、制御演算部2の制
御パラメータを自動的に設定するオートチューニング動
作が行われる。そこで、このオートチューニング動作を
説明する。なお、オートチューニング動作中は、目標値
rの入力は行われず、フィードバック制御は行われな
い。
【0044】図8はこのオートチューニング動作におい
てモデル同定信号生成部10から出力されるモデル同定
信号の様子を示す図である。モデル同定信号生成部10
は、例えばオペレータからの指令によってオートチュー
ニング動作に入り、最初にモデル同定信号u0を電流出
力部3へ出力し、L0秒間だけこの出力を維持する。
【0045】こうして、実施の形態1と同様の動作によ
り、このモデル同定信号u0に応じた電流Iが電流出力
部3から出力され、最終的にパイロットリレ−5から空
気圧Pdが出力される。これにより、バルブ6の弁軸変
位yが変化を開始する。次いで、モデル同定信号生成部
10は、L0秒が経過して時刻t1になると、L1秒間
だけモデル同定信号u1を出力し、その後時刻t2から
L2秒間だけモデル同定信号u2を出力する(図7ステ
ップ101)。
【0046】これらのモデル同定信号u1、u2により
弁軸変位yがそれぞれ変化する。なお、u0、u1、u
2の関係は、u0<u1<u2か、あるいはu0>u1
>u2であればよい。そして、弁軸変位記録部11は、
弁軸変位測定部7から出力される弁軸変位yを時刻t2
からL2秒間だけΔt秒ごとに記録する(ステップ10
2)。
【0047】次に、モデル同定演算部12は、弁軸変位
記録部11で記録された弁軸変位yとモデル同定信号u
2に基づいて以下のようにモデル同定演算を行い、バル
ブモデルのパラメータを決定する(ステップ103)。
本実施の形態では、実施の形態1で説明したバルブモデ
ルを同定する手法として、最小2乗同定(参考文献:相
良節夫、「システム同定」、計測自動制御学会、198
0年)を用いるので、まずこの最小2乗同定について説
明する。
【0048】最小2乗同定は、次式のように表せるシス
テムに対して、入力データ列{u(i)}(本実施の形
態ではモデル同定信号)、出力データ列{y(i)}
(弁軸変位y)を観測して、a1、a2、b0を決定す
る手法である。 y(n)=−a1×y(n−1)−a2×y(n−2)+b0×u(n) +e(n) ・・・(19)
【0049】式(19)において、y(n)は時刻nに
おける出力データ、y(n−1)、y(n−2)は時刻
nに対して1、2サンプル前の出力データ、u(n)は
時刻nにおける入力データである。また、e(n)は何
らかの形でシステムに加わる雑音やモデル誤差を総合し
た量を表しており、測定不可能な量と解釈される。ここ
で、以下の行列を定義する。 Y=[y(2)、y(3)、・・・、y(N)]T ・・・(20) A=[−a1、−a2、b0]T ・・・(21)
【0050】
【数1】
【0051】 E=[e(2)、e(3)、・・・、e(N)]T ・・・(23) 上式において、Tが添えられているのは転置行列である
ことを示す。そして、本実施の形態では、[u(2)、
u(3)、・・・、u(N)]T =[u2、u2、・・
・、u2]T となるので、式(22)は次式となる。
【0052】
【数2】
【0053】行列Y、A、Ω、Eにより、式(19)に
入出力データ{u(i)、y(i)}(i=0、1、・
・・、N)を代入した式は次式のように表すことができ
る。 Y=Ω×A+E ・・・(25) この式(25)において次式を最小にするようにAを決
定する。
【0054】
【数3】
【0055】そして、式(26)を最小にするAは次式
のように推定することができる。 A=[ΩT ×Ω]-1×ΩT ×Y ・・・(27) こうして、式(27)に入出力データ{u(i)、y
(i)}を代入すれば、式(19)の係数a1、a2、
b0を決定することができる。
【0056】以上のような最小2乗同定を用いてバルブ
モデルを同定する。操作量uを入力とし弁軸変位yを出
力とする上記バルブモデルは、式(7)より次式のよう
に表すことができる。 y=[Kp/{(Tp1×s+1)×(Tp2×s+1)}]×u ・・・(28) 式(28)を微分方程式に変換すると次式となる。 Tp1×Tp2×(d2 y/dt2 )+(Tp1+Tp2)×(dy/dt) +y=Kp×u ・・・(29)
【0057】さらに、式(29)を離散系の式に変換す
ると次式となる。 Tp1×Tp2×[{y(n)−y(n−1)}/Δt −{y(n−1)−y(n−2)}/Δt]/Δt +(Tp1+Tp2)×[{y(n)−y(n−1)}/Δt]+y(n) =Kp×u(n) ・・・(30)
【0058】式(30)を整理すると次式となる。 y(n)=[1/{Tp1×Tp2/(Kp×Δt2 )+(Tp1+Tp2) /(Kp×Δt)+1/Kp}] ×[{2×Tp1×Tp2/(Kp×Δt2 )+(Tp1+Tp2) /(Kp×Δt)}×y(n−1)−{Tp1×Tp2 /(Kp×Δt2 )}×y(n−2)+u(n)] ・・(31)
【0059】そして、下記の様なα、βで置き換えるこ
とにより式(31)は次式となる。 y(n)={1/(α+β+1/Kp)}×{(2×α+β)×y(n−1) −α×y(n−2)+u(n)} ・・・(32) α=Tp1×Tp2/(Kp×Δt2 ) ・・・(33) β=(Tp1+Tp2)/(Kp×Δt) ・・・(34)
【0060】前述した最小2乗同定によれば、式(3
2)のy(n−1)項、y(n−2)項、u(n)項の
係数を求めることができる。そこで、式(19)と式
(32)を比較すると、次式が得られる。 (2×α+β)/(α+β+1/Kp)=−a1 ・・・(35) α/(α+β+1/Kp)=a2 ・・・(36) 1/(α+β+1/Kp)=b0 ・・・(37)
【0061】式(35)〜(37)より次式が得られ
る。 α=a2/b0 ・・・(38) β=−(a1+2×a2)/b0 ・・・(39) Kp=b0/(a1+a2+1) ・・・(40) 式(33)、(34)、(38)、(39)より、Tp
1、Tp2は次の2次方程式の2根となる。 T2 −{(a1+2×a2)/(a1+a2+1)}×Δt×T +{a2/(a1+a2+1)}×Δt2 =0 ・・・(41)
【0062】よって、Tp1、Tp2は次式のように求
めることができる。 Tp1=(1/2)×[{Δt×(a1+2×a2)/(a1+a2+1)} −{(Δt×(a1+2×a2)/(a1+a2+1))2 −(4×Δt2 ×a2/(a1+a2+1))}1/2 ] ・・(42) Tp2=(1/2)×[{Δt×(a1+2×a2)/(a1+a2+1)} +{(Δt×(a1+2×a2)/(a1+a2+1))2 −(4×Δt2 ×a2/(a1+a2+1))}1/2 ] ・・(43)
【0063】以上のようなことから、モデル同定演算部
12は、まずモデル同定信号u2と弁軸変位記録部11
に記録された弁軸変位{y(0)、y(1)、・・・、
y(N)}とを式(20)、(24)に代入してY、Ω
を求め、続いて式(27)を用いてA、すなわち係数a
1、a2、b0を求める。そして、これらの係数を用い
て式(40)、(42)、(43)により、バルブモデ
ルのゲインKp、時定数Tp1、Tp2を算出する。
【0064】こうして、これらのバルブモデルパラメー
タが制御パラメ−タ決定演算部9へ出力される(図7ス
テップ104)。そして、制御パラメ−タ決定演算部9
は、実施の形態1と同様に制御演算部2の制御パラメー
タを算出し、制御演算部2へ出力する(ステップ10
5、106)。これで、オートチューニング動作が終了
する。以降の動作は実施の形態1と全く同じである。
【0065】こうして、実施の形態1と同様の効果を得
ることができる。そして、実施の形態1では、外部の同
定手段によってバルブモデルパラメ−タを決定しなけれ
ばならないが、本実施の形態では、バルブポジショナだ
けでバルブモデルパラメ−タを決定して制御パラメータ
を設定することができる。
【0066】実施の形態3.図9は本発明の他の実施の
形態を示す電空変換器のブロック図であり、図1、6と
同様の構成には同一の符号を付してある。7aは出力空
気圧Pdを測定する圧力測定部、8aは電流出力部3、
電流圧力変換部4及びパイロットリレ−5をモデル同定
して得られた電空変換モデルのパラメータを電空変換器
に入力するための電空変換モデル入力部、11aはモデ
ル同定信号u2に応じた圧力値を圧力測定部7aから受
け取って記録する圧力記録部である。
【0067】本実施の形態の電空変換器は、実施の形態
1、2のバルブポジショナとほぼ同様の構成であり、バ
ルブの弁軸変位の代わりに、パイロットリレ−5の出力
空気圧Pdを制御する。そして、電空変換モデル入力部
8aに電空変換モデルのパラメータを与えれば、実施の
形態1と同様の効果を得ることができる。
【0068】電空変換モデルは、前述した電空変換手段
(電流出力部3、電流圧力変換部4及びパイロットリレ
−5)から構成されるシステムであり、その伝達関数G
pは実施の形態1と同様に式(7)で表すことができ
る。ただし、ここでのゲインKpはKi×Kp1×Kp
2である。なお、正確には電空変換モデルは、パイロッ
トリレ−5からこのパイロットリレ−5に接続される装
置までの伝送パイプと更にその先につながった負荷容量
の特性も含むものである。
【0069】そして、この電空変換モデルのゲインK
p、時定数Tp1、Tp2を図示しない同定手段によっ
て求め、電空変換モデル入力部8aに設定すれば、制御
パラメ−タ決定演算部9が入力された電空変換モデルパ
ラメータに基づき制御演算部2の制御パラメータを実施
の形態1と全く同様に算出する。
【0070】目標値入力部1、制御演算部2、電流出力
部3、電流圧力変換部4、パイロットリレ−5、圧力測
定部7aによるフィードバック制御は、実施の形態1と
同様であり、異なるのは、目標値rが設定圧力を示し、
圧力測定部7aが出力するyが空気圧Pdを示すことだ
けである。こうして、実施の形態1と同様の効果を電空
変換器で得ることができる。
【0071】実施の形態4.また、図9に示すように制
御パラメ−タ決定演算部9、モデル同定信号生成部1
0、圧力記録部11a、モデル同定演算部12を設けれ
ば、実施の形態2と同様の効果を電空変換器で得ること
ができる。つまり、実施の形態2と異なるのは、圧力記
録部11aで記録する{y(0)、y(1)、・・・、
y(N)}が空気圧Pdを示し、モデル同定演算部12
で求めるパラメータが電空変換モデルのパラメータとな
ることだけであり、その他の動作は実施の形態1〜3と
同様である。こうして、実施の形態2と同様の効果を電
空変換器で得ることができる。
【0072】実施の形態5.実施の形態1〜4では、減
算処理部2a、PIDコントローラ2bからなる制御演
算部2を用いたが、図10のようなフィルタ22a、2
2c、減算処理部22b及びコントローラ2dからな
る、フィルタ付きPID制御による制御演算部22を制
御演算部2の代わりに用いてもよい。
【0073】フィルタ22a、22cの伝達関数Gf
1、Gf2は次式となり、またコントローラ22dの伝
達関数は式(9)のGcと同じである。 Gf1=1/(f1×s+1) ・・・(44) Gf2=1/(f2×s+1) ・・・(45) f1、f2はフィルタ時定数である。
【0074】そして、制御演算部22の制御パラメー
タ、すなわちゲインKc、積分時間Ti、微分時間T
d、フィルタ時定数f1、f2を式(16)〜(18)
の代わりに次式で求めるようにすれば、実施の形態1〜
4と同様の効果を得ることができる。
【0075】 Kc=(Tp1+Tp2)/{Kp×(λ1+λ2)} ・・・(46) Ti=Tp1+Tp2 ・・・(47) Td=Tp1×Tp2/(Tp1+Tp2) ・・・(48) f1=λ3 ・・・(49) f2=λ1×λ2/(λ1+λ2) ・・・(50)
【0076】なお、λ1、λ2、λ3は上記λと同様の
望ましい応答時定数であり、このときの弁軸変位(電空
変換器の場合は圧力)yの応答は、目標値rに対して1
/{(λ1×s+1)×(λ2×s+1)×(λ3×s
+1)}という3次遅れの応答となる。
【0077】実施の形態6.また、図11のようなコン
トローラ32a、微分制御部32b及び減算処理部32
cからなる、微分先行型PID制御による制御演算部3
2を制御演算部2の代わりに用いてもよい。コントロー
ラ32aの伝達関数Gr、微分制御部32bの伝達関数
Ghは次式となる。 Gr=Kc×{1+1/(Ti×s)} ・・・(51) Gh=Kc×Td×s ・・・(52)
【0078】そして、制御演算部32の制御パラメー
タ、すなわちゲインKc、積分時間Ti、微分時間Td
を式(16)〜(18)の代わりに次式で求めるように
すれば、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることがで
きる。 Kc=Tp1×Tp2/(Kp×λ1×λ2) ・・・(53) Ti=Tp1×Tp2×(1/λ1+1/λ2) ・・・(54) Td={(λ1+λ2)×Tp1−λ1×λ2}×{(λ1+λ2) ×Tp2−λ1×λ2}/{(λ1+λ2)×Tp1×Tp2} ・・・(55)
【0079】なお、λ1、λ2は望ましい応答時定数で
あり、このときの弁軸変位(あるいは圧力)yの応答
は、目標値rに対して1/{(λ1×s+1)×(λ2
×s+1)}という2次遅れの応答となる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、制御パラメ−タ決定演
算部がバルブモデルパラメータから制御パラメータを算
出することにより、制御演算部の制御パラメータが設定
されるので、バルブに対する制御パラメータの調整を自
動化することができ、従来のように人間の試行錯誤によ
り例えば3日程度かかっていたパラメータ調整の手間を
省くことができる。また、制御パラメ−タ決定演算部
が、目標値を入力とし弁軸変位を出力とする伝達関数が
非振動極となるような制御パラメータを算出するので、
バルブの弁軸変位(開度)に不要な振動が起こらず、人
間による試行錯誤の調整よりもパラメ−タ調整を最適に
行うことができ、生産装置に組み込む場合、製品の歩留
まりを上げ、生産性を向上させることができる。
【0081】また、制御パラメ−タ決定演算部が制御パ
ラメータを算出することにより制御演算部の制御パラメ
ータが設定されるので、バルブに対する制御パラメータ
の調整を自動化することができ、従来のように人間の試
行錯誤により例えば3日程度かかっていたパラメータ調
整の手間を省くことができる。また、制御パラメ−タ決
定演算部が、目標値を入力とし弁軸変位を出力とする伝
達関数がゼロ点を持たないような制御パラメータを算出
するので、バルブの弁軸変位(開度)に不要なオーバー
シュートやアンダーシュートが起こらず、人間による試
行錯誤の調整よりもパラメ−タ調整を最適に行うことが
でき、生産装置に組み込む場合、製品の歩留まりを上
げ、生産性を向上させることができる。
【0082】また、オートチューニング動作により、モ
デル同定演算部が、弁軸変位記録部に記録された弁軸変
位とモデル同定信号に基づいてモデル同定演算を行って
バルブモデルのパラメータを求めるので、バルブモデル
パラメータを外部から与える必要がなくなり、制御演算
部の制御パラメータを更に容易に調整することができ
る。
【0083】また、制御パラメ−タ決定演算部が電空変
換モデルパラメータから制御パラメータを算出すること
により、制御演算部の制御パラメータが設定されるの
で、個々の伝送パイプに対する制御パラメータの調整を
自動化することができ、従来のように人間の試行錯誤に
より例えば3日程度かかっていたパラメータ調整の手間
を省くことができる。また、制御パラメ−タ決定演算部
が、目標値を入力とし空気圧を出力とする伝達関数が非
振動極となるような制御パラメータを算出するので、空
気圧の値に不要な振動が起こらず、人間による試行錯誤
の調整よりもパラメ−タ調整を最適に行うことができ、
生産装置に組み込む場合、製品の歩留まりを上げ、生産
性を向上させることができる。
【0084】また、制御パラメ−タ決定演算部が制御パ
ラメータを算出することにより制御演算部の制御パラメ
ータが設定されるので、個々の伝送パイプに対する制御
パラメータの調整を自動化することができ、従来のよう
に人間の試行錯誤により例えば3日程度かかっていたパ
ラメータ調整の手間を省くことができる。また、制御パ
ラメ−タ決定演算部が、目標値を入力とし圧力値を出力
とする伝達関数がゼロ点を持たないような制御パラメー
タを算出するので、空気圧の値に不要なオーバーシュー
トやアンダーシュートが起こらず、人間による試行錯誤
の調整よりもパラメ−タ調整を最適に行うことができ、
生産装置に組み込む場合、製品の歩留まりを上げ、生産
性を向上させることができる。
【0085】また、オートチューニング動作により、モ
デル同定演算部が、圧力記録部に記録された圧力値とモ
デル同定信号に基づきモデル同定演算を行って電空変換
モデルのパラメータを求めるので、電空変換モデルパラ
メータを外部から与える必要がなくなり、制御演算部の
制御パラメータを更に容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態を示すバルブポジショ
ナのブロック図である。
【図2】 図1のバルブポジショナを用いた制御系のブ
ロック線図である。
【図3】 図1のバルブポジショナの動作を説明するた
めのフローチャート図である。
【図4】 図1のバルブポジショナにおいて制御パラメ
ータを適当に設定したときの目標値追従性を示す図であ
る。
【図5】 図1のバルブポジショナにおいて制御パラメ
ータを正しく設定したときの目標値追従性を示す図であ
る。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示すバルブポジシ
ョナのブロック図である。
【図7】 図6のバルブポジショナの動作を説明するた
めのフローチャート図である。
【図8】 オートチューニング動作においてモデル同定
信号生成部から出力されるモデル同定信号の様子を示す
図である。
【図9】 本発明の他の実施の形態を示す電空変換器の
ブロック図である。
【図10】 本発明の他の実施の形態を示すバルブポジ
ショナあるいは電空変換器で用いられる制御演算部のブ
ロック図である。
【図11】 本発明の他の実施の形態を示すバルブポジ
ショナあるいは電空変換器で用いられる制御演算部のブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…目標値入力部、2…制御演算部、3…電流出力部、
4…電流圧力変換部、5…パイロットリレ−、6…バル
ブ、7…弁軸変位測定部、8…バルブモデル入力部、9
…制御パラメ−タ決定演算部、10…モデル同定信号生
成部、11…弁軸変位記録部、12…モデル同定演算
部、7a…圧力測定部、8a…電空変換モデル入力部、
11a…圧力記録部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気圧によって駆動されるバルブの弁軸
    変位を制御するバルブポジショナにおいて、 バルブの弁軸変位を測定する弁軸変位測定部と、 制御パラメータに基づいて、前記弁軸変位を設定するた
    めの目標値と弁軸変位測定部で測定された弁軸変位から
    操作量を算出する制御演算部と、 電気信号である操作量を空気圧に変換してバルブに供給
    する電空変換手段と、 この電空変換手段とバルブをモデル同定して得られたバ
    ルブモデルのパラメータから、目標値を入力とし弁軸変
    位を出力とする伝達関数が非振動極となるような前記制
    御パラメータを算出して、制御演算部に記憶された制御
    パラメータを算出したパラメータに変更させる制御パラ
    メ−タ決定演算部とを有することを特徴とするバルブポ
    ジショナ。
  2. 【請求項2】 空気圧によって駆動されるバルブの弁軸
    変位を制御するバルブポジショナにおいて、 バルブの弁軸変位を測定する弁軸変位測定部と、 制御パラメータに基づいて、前記弁軸変位を設定するた
    めの目標値と弁軸変位測定部で測定された弁軸変位から
    操作量を算出する制御演算部と、 電気信号である操作量を空気圧に変換してバルブに供給
    する電空変換手段と、 この電空変換手段とバルブをモデル同定して得られたバ
    ルブモデルのパラメータから、目標値を入力とし弁軸変
    位を出力とする伝達関数がゼロ点を持たないような前記
    制御パラメータを算出して、制御演算部に記憶された制
    御パラメータを算出したパラメータに変更させる制御パ
    ラメ−タ決定演算部とを有することを特徴とするバルブ
    ポジショナ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のバルブポジショナ
    において、 前記制御パラメータを決定するためのオートチューニン
    グ動作時に、操作量に相当するモデル同定信号を電空変
    換手段に出力するモデル同定信号生成部と、 このモデル同定信号に応じた弁軸変位を弁軸変位測定部
    から受け取って記録する弁軸変位記録部と、 この弁軸変位記録部で記録された弁軸変位とモデル同定
    信号に基づき、モデル同定演算を行って前記バルブモデ
    ルパラメータを求め、これを制御パラメ−タ決定演算部
    に出力するモデル同定演算部とを有することを特徴とす
    るバルブポジショナ。
  4. 【請求項4】 電気信号を空気圧に変換する電空変換器
    において、 出力空気圧を測定する圧力測定部と、 制御パラメータに基づいて、前記空気圧を設定するため
    の目標値と圧力測定部で測定された圧力値から操作量を
    算出する制御演算部と、 電気信号である操作量を出力空気圧に変換する電空変換
    手段と、 電空変換手段をモデル同定して得られた電空変換モデル
    のパラメータから、目標値を入力とし空気圧を出力とす
    る伝達関数が非振動極となるような前記制御パラメータ
    を算出して、制御演算部に記憶された制御パラメータを
    算出したパラメータに変更させる制御パラメ−タ決定演
    算部とを有することを特徴とする電空変換器。
  5. 【請求項5】 電気信号を空気圧に変換する電空変換器
    において、 出力空気圧を測定する圧力測定部と、 制御パラメータに基づいて、前記空気圧を設定するため
    の目標値と圧力測定部で測定された圧力値から操作量を
    算出する制御演算部と、 電気信号である操作量を出力空気圧に変換する電空変換
    手段と、 電空変換手段をモデル同定して得られた電空変換モデル
    のパラメータから、目標値を入力とし空気圧を出力とす
    る伝達関数がゼロ点を持たないような前記制御パラメー
    タを算出して、制御演算部に記憶された制御パラメータ
    を算出したパラメータに変更させる制御パラメ−タ決定
    演算部とを有することを特徴とする電空変換器。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の電空変換器におい
    て、 前記制御パラメータを決定するためのオートチューニン
    グ動作時に、操作量に相当するモデル同定信号を電空変
    換手段に出力するモデル同定信号生成部と、 このモデル同定信号に応じた圧力値を圧力測定部から受
    け取って記録する圧力記録部と、 この圧力記録部で記録された圧力値とモデル同定信号に
    基づき、モデル同定演算を行って前記電空変換モデルパ
    ラメータを求め、これを制御パラメ−タ決定演算部に出
    力するモデル同定演算部とを有することを特徴とする電
    空変換器。
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