JPH0948684A - セラミックスの改質加工方法及びその装置 - Google Patents

セラミックスの改質加工方法及びその装置

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JPH0948684A
JPH0948684A JP19840995A JP19840995A JPH0948684A JP H0948684 A JPH0948684 A JP H0948684A JP 19840995 A JP19840995 A JP 19840995A JP 19840995 A JP19840995 A JP 19840995A JP H0948684 A JPH0948684 A JP H0948684A
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雅夫 永久保
Tsuneo Urisu
恒雄 宇理須
Takashi Kurahashi
崇 倉橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ずれやぼやけを極力抑えた微細パターンの導
電部をセラミックス材料の表面に形成する。 【解決手段】 短波長光発生装置2は、真空紫外からX
線領域の波長域の高輝度の短波長光ビームBを出力す
る。短波長光ビームBが導入される反応槽3内に、セラ
ミックス材料5及びマスク6を支持する支持装置7を設
ける。短波長光ビームBが、セラミックス材料5の表面
に照射されると、照射部分において酸素原子が脱離し、
金属状となって導電性が現れる。支持装置7に、セラミ
ックス材料5を所定温度に加熱あるいは冷却するための
温度調節装置9を設ける。反応槽3の内部を特定のガス
雰囲気とするためのガス導入口10及び排気ポート11
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス材料
を用いる各種センサ,アクチュエータ,コンデンサデバ
イス等の表面に、電極や導電路等の導電部を形成するた
めのセラミックスの改質加工方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばタッチセンサや
赤外線センサ、超音波発受振子,超音波モータの駆動源
等に用いられるセラミックスにおいては、その表面に電
極や導電路が形成される。従来では、そのような電極や
導電路を形成する方法として、蒸着法やスパッタ法によ
って、セラミックス材料の表面にAl,Au等の金属薄
膜を形成することが一般的であった。この場合、所定パ
ターンを有する金属製のマスクを用いることによって、
セラミックス材料の表面に所定パターンにて電極や導電
路を形成するようになっている。
【0003】しかしながら、このような方法では、マス
クとセラミックス材料の表面との間に隙間があると、薄
膜材料が回り込んで形成される金属薄膜のパターンにず
れやぼやけが生ずることがあり、また、マスクが密着し
ている場合には、マスク端部で影が生じてぼやけが生ず
ることがある。さらには、セラミックス材料の表面が平
面形状でない場合にも、同様のぼやけが生ずることにな
る。このため、従来では、例えばサブミクロンオーダー
の微細パターンの導電部の形成は不可能である等、パタ
ーニングの微細化を十分に進めることができなかった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ずれやぼやけを極力抑えた微細パター
ンの導電部をセラミックス材料の表面に形成することが
可能なセラミックスの改質加工方法及びその装置を提供
するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックスの
改質加工方法は、セラミックス材料の表面を改質して所
定パターンの導電部を形成するための方法であって、前
記セラミックス材料の表面に対して、前記所定パターン
に対応したマスクを介して、エネルギー的に前記セラミ
ックス材料の内殻電子を励起させることが可能な高輝度
短波長光ビームまたはそれとエネルギー的に等価な電子
ビームを照射することにより、前記セラミックス材料の
表面部に原子の内殻電子の励起に基づく反応を生じせし
め、酸素原子または窒素原子あるいは炭素原子を脱離さ
せるようにしたところに特徴を有する(請求項1の発
明)。
【0006】この場合、前記セラミックス材料の表面に
対する短波長光ビームまたは電子ビームの照射を、特定
のガス雰囲気中で行うことができ(請求項2の発明)、
また、前記セラミックス材料の加熱状態または冷却状態
にて行うこともできる(請求項3の発明)。さらには、
反射型マスク及び結像ミラーを用い、前記セラミックス
材料に前記反射型マスクのパターンを縮小投影して所定
パターンの導電部を形成するようにしても良い(請求項
4の発明)。
【0007】そして、本発明のセラミックスの改質加工
装置は、上記方法の実施に使用するための装置であっ
て、エネルギー的に前記セラミックス材料の内殻電子を
励起させることが可能な高輝度短波長光ビームまたはそ
れとエネルギー的に等価な電子ビームを出力する出力装
置と、前記所定パターンに対応したマスク及び前記セラ
ミックス材料を所定の位置関係を維持した状態に支持す
る支持装置と、前記出力装置から出力される短波長光ビ
ームまたは電子ビームを前記マスクを介して前記セラミ
ックス材料の表面に照射させるように前記支持装置の位
置を制御する位置制御手段とを具備するところに特徴を
有する(請求項5の発明)。
【0008】この場合、前記セラミックス材料が収容さ
れる反応槽を備えると共に、その反応槽内を特定のガス
雰囲気とするガス注入手段を備える構成とすることがで
き(請求項6の発明)、また、前記セラミックス材料を
加熱または冷却する温度調節手段を備える構成とするこ
ともできる(請求項7の発明)。さらには、前記マスク
を反射型マスクから構成し、その反射型マスクのパター
ンを結像ミラーを用いて前記セラミックス材料に縮小投
影するように構成するようにしても良い(請求項8の発
明)。
【0009】ここで、短波長光ビームの光源としては、
例えば電子シンクロトロン放射光ビーム(以下「SR光
ビーム」と略す)を用いることができる。このSR光ビ
ームは、真空紫外からX線領域の極短波長領域にピーク
をもち、エネルギー密度の高い光源であり、光子を吸収
した原子の内殻電子を励起させることができる。また、
SR光ビームは指向性が高く平行光に近い光である。本
発明者らは、かかるSR光ビームを、PZT等の金属酸
化物からなるセラミックス材料の表面に照射することに
より、照射部分における原子の内殻電子を励起させるこ
とに基づく反応により、酸素原子が脱離し、金属状(金
属原子の還元)となって導電性が現れることを確認し、
本発明を成し遂げたのである。
【0010】上記したような酸素原子の脱離は、オージ
ェ過程(電子の放出現象)を含んだ反応により引起こさ
れるものと推測される。また、酸素原子の脱離だけでな
く、窒化物,炭化物セラミックスにおける窒素原子や炭
素原子の脱離も可能となり、導電部を形成することがで
きる。さらには、SR光ビームだけでなく、同様な波長
域に発振周波数をもつX線レーザ、あるいは同様にこの
波長域の強力な光源であるプラズマX線源、またエネル
ギー的にこれらの光源と等価な電子ビームによっても、
同様の反応を生じさせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を例えばPZT(チ
タン酸ジルコン酸鉛)からなるセラミックス材料の表面
に所定パターンの導電部を形成する場合に適用したいく
つかの実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】(1)第1の実施例 まず、図1ないし図3を参照して本発明の第1の実施例
について述べる。図1は本実施例に係るセラミックスの
改質加工装置1の全体構成を概略的に示しており、この
改質加工装置1は、短波長光発生装置(出力装置)とし
ての電子シンクロトロン放射光発生装置2や反応槽3な
どを備えて構成されている。
【0013】前記電子シンクロトロン放射光発生装置2
は、周知のように、高エネルギーに加速した電子を円運
動させ、これを利用して真空紫外からX線の波長域にピ
ークをもつ短波長光ビームであるSR光ビームBを出力
するものである。このSR光ビームBは、1フォトンあ
たり100eV内外の高エネルギーを有しており、ま
た、指向性が高く平行光に近い光となっていて所定のビ
ーム径にて出力される。この電子シンクロトロン放射光
発生装置2から出力されたSR光ビームBは、ビームラ
イン4を通して前記反応槽3内に導入されるようになっ
ている。
【0014】そして、前記反応槽3内には、セラミック
ス材料5及びマスク(レチクル)6を支持する支持装置
7が設けられている。前記マスク6は、セラミックス材
料5の表面に形成すべき導電部のパターンに対応したパ
ターンを有しており、具体的には図2に示すように、例
えば石英ガラスからなる薄板状の透過材6aの表面に、
マスク材6bによって非透過部を形成して構成されてい
る。この場合、マスク材6b(便宜上太線で示す)は、
例えばAu膜からなり、電子ビーム露光技術によりパタ
ーン部分が除去されている。これにて、前記SR光ビー
ムBは、マスク6のうちマスク材6bの存在しないパタ
ーン対応部分のみを透過するようになっている。
【0015】前記セラミックス材料5は、例えばPZT
等からなる酸化物絶縁性セラミックスからなり、板状に
形成されている。前記支持装置7は、前記セラミックス
材料5とマスク6とを平行状態、つまりセラミックス材
料5の表面とマスク6との間隔H(図2参照)を一定に
維持した状態に支持するようになっている。このとき、
セラミックス材料5及びマスク6は、その板面がSR光
ビームBの光軸に対して垂直に対向するように支持され
る。
【0016】また、この支持装置7は、セラミックス材
料5及びマスク6をそのSR光ビームBの光軸に対して
垂直な面方向に自在に移動させることができるように構
成されている。そして、それらセラミックス材料5及び
マスク6の位置は位置制御手段たる位置制御装置8によ
り制御されるようになっている。この場合、位置制御装
置8は、マイクロコンピュータを含んで構成され、小さ
なビーム径のSR光ビームBがマスク6(セラミックス
材料5)全体に渡って走査されるように、セラミックス
材料5及びマスク6を移動させるようになっている。
【0017】さらに、前記支持装置7には、温度調節手
段としての温度調節装置9が設けられている。詳しく図
示はしないが、この温度調節装置9は、前記セラミック
ス材料5を加熱するための電気ヒータ、及び、例えば内
部を液体窒素などの冷媒が流通するセラミックス材料5
を冷却するための冷却パイプ等から構成されている。こ
れにて、セラミックス材料5を所定温度に加熱あるいは
冷却した状態で、加工を行うことができるようになって
いる。
【0018】また、前記反応槽3には、ガス注入手段を
構成するガス導入口10及び排気ポート11が設けられ
ている。図示はしないが、前記ガス導入口10にはガス
供給源が接続可能とされ、もって特定の反応性ガス例え
ばSF6 等のエッチングガスを打込むことができるよう
になっている。これにて、必要に応じて反応槽3の内部
を特定のガス雰囲気とすることができるのである。
【0019】さて、以上のように構成された改質加工装
置1においては、セラミックス材料5及びマスク6が支
持装置7に支持された状態で、電子シンクロトロン放射
光発生装置2が駆動されてSR光ビームBが出力され
る。これにより、セラミックス材料5の表面に、マスク
6のうちの所定パターンに対応した透過部を通してSR
光ビームBが照射される。またこのとき、セラミックス
材料5及びマスク6の位置は位置制御装置8により時間
的,空間的に制御され、セラミックス材料5の必要部分
にSR光ビームBが一様に照射されることになる。
【0020】ここで、本発明者らの研究によれば、SR
光ビームBを、金属酸化物からなるセラミックス材料5
の表面に照射することにより、照射部分における原子の
内殻電子を励起させることに基づく反応により、酸素原
子が脱離し、金属状(金属原子の還元)となって導電性
が現れることを確認したのである。このような酸素原子
の脱離は、オージェ過程(電子の放出現象)を含んだ反
応により引起こされるものと推測される。
【0021】これにて、セラミックス材料5の表面部に
は、前記マスク6のパターンに対応した所定パターンの
導電部5a(図2にハッチングの形態を変えて示す)が
形成されるのである。この場合、SR光ビームBは、そ
の短波長性のために回折等の影響でマスク6の裏面側に
回り込んだり、マスク材6bの影が生じたりすることな
く、マスク6のパターンそのままの形態で高精度にセラ
ミックス材料5の表面に照射(投影)されることにな
る。また、指向性が高く、平行光に近い光であるため、
焦点深度に関して問題とならない。
【0022】従って、本実施例によれば、微細パターン
の導電部の形成が不可能であった従来のものと異なり、
ずれやぼやけを極力抑えた、サブミクロンオーダーの微
細パターンの導電部5aをセラミックス材料5の表面に
形成することが可能となったのである。
【0023】さらに、本実施例によれば、図3に示すよ
うに、セラミックス材料12が平面形状でない場合にあ
っても、その表面にマスク6に形成されたパターンを通
して高精度でSR光ビームBを照射(投影)することが
でき、ずれやぼやけを極力抑えたサブミクロンオーダー
の微細パターンの導電部12aを形成することができる
ものである。
【0024】また、詳しい説明は省略するが、反応槽3
内を特定の反応を促進するガス雰囲気とすることによっ
て、上記した酸素原子の脱離反応の速度を速めることが
できる。逆に反応速度が速すぎる場合には、反応を抑制
するようなガス雰囲気とすることによって、反応速度を
調整することができる。さらには、同様の反応速度の調
整を、温度調節装置9により、セラミックス材料5の温
度を調節することによっても行うことが可能となる。
【0025】尚、上記実施例では、透過材6aの表面に
金属膜からなるマスク材6bを設けてマスク6を構成し
たが、要求される所定パターンが幾何学的に単純なもの
の場合、例えばSUS等の金属マスクを用いることがで
き、より安価に済ませることができる。
【0026】(2)第2の実施例 次に、図4は本発明の第2の実施例を示すものであり、
上記第1の実施例と異なるところは、密着型のマスクを
用いるようにした点にある。本実施例では、例えばPZ
Tからなるセラミックス材料21の表面に、多結晶シリ
コン(Poiy−Si)膜からなるマスク22を形成す
る工程がまず行われる。
【0027】即ち、図4(a)に示すように、セラミッ
クス材料21の表面全体にレジスト膜23をコーティン
グし、セラミックス材料21のうち導電部を形成すべき
表面(図で上面)に対応したレジスト膜23上に、例え
ばCVD法によってマスク材としての多結晶シリコン膜
24を堆積し、さらにその多結晶シリコン膜24上にレ
ジスト膜25を形成する。そして、最上面のレジスト膜
25に対してパターニング露光を行い、現像,エッチン
グを行うことにより、レジスト膜25が所定パターンで
除去される(図4(b)参照)。
【0028】次に、上記レジスト膜25をマスクパター
ンとして、例えばHF系のエッチング液を用いて多結晶
シリコン膜24をエッチングする(図4(c)参照)。
その後、露出しているレジスト膜25及びレジスト膜2
3を除去することにより、図4(d)に示すように、多
結晶シリコン膜24によるマスク22が、セラミックス
材料21の上面に形成されるのである。
【0029】そして、このように表面にマスク22が形
成されたセラミックス材料21に対する改質加工(導電
部の形成)が行われるのであるが、この改質加工は、上
記第1の実施例で説明した改質加工装置1を用いて行わ
れ、反応槽3内に図4(d)の状態のセラミックス材料
21を収容し、その表面(図4で上面)にSR光ビーム
Bを照射することにより行われる。さらに、本実施例で
は、SR光ビームBの照射と併せて、ガス導入口10か
らエッチングガスであるSF6 ガスを反応槽3内に打込
む。
【0030】すると、上記第1の実施例と同様に、セラ
ミックス材料21の表面部が改質されてマスクパターン
に対応した導電部21a(図にハッチングの形態を変え
て示す)が形成され、これと共に、SF6 ガスによって
多結晶シリコン膜24がエッチングされて除去される
(図4(e)参照)。しかる後、残ったレジスト膜23
を除去することによって、図4(f)に示すように、表
面に所定のパターンで導電部21aが形成されたセラミ
ックス材料21が得られるのである。
【0031】従って、本実施例によっても、上記第1の
実施例と同様に、ずれやぼやけを極力抑えた、サブミク
ロンオーダーの微細パターンの導電部21aをセラミッ
クス材料21の表面に形成することができるものであ
る。しかも、本実施例では、反応槽3内をSF6 ガス雰
囲気としたことによって、導電部21aの形成と、多結
晶シリコン膜24のエッチング除去とをほぼ同時に行う
ことができ、加工時間の短縮化を図ることができるとい
った効果も得ることができる。
【0032】(3)第3の実施例 最後に、図5は本発明の第3の実施例を示している。こ
こでは、SR光ビームBをマスクを透過させてセラミッ
クス材料に照射することに代えて、反射型マスク31及
び結像ミラー32を用いて、セラミックス材料33に対
して前記反射型マスク31のパターンを縮小投影するよ
うにしている。
【0033】この場合、反射型マスク31には、SR光
ビームBを反射する基材の表面にSR光ビームBを反射
しない材料からマスクパターンが形成されており、斜め
方向から入射されたSR光ビームBをマスクパターンに
対応した断面形態で反射するようになっている。そし
て、前記結像ミラー32は、例えばX線用の多層膜反射
ミラーが用いられ、前記反射型マスク31からのSR光
ビームBを、凹面状をなす表面にて反射し、前記マスク
パターンを縮小投影した状態でセラミックス材料33の
表面に照射するのである。
【0034】このような実施例によれば、やはりずれや
ぼやけを極力抑えた、サブミクロンオーダーの微細パタ
ーンの導電部33aをセラミックス材料33の表面に形
成することができる。また、本実施例では、反射型マス
ク31のパターンを縮小投影するようにしたので、セラ
ミックス材料33の表面に、より細密なパターンにて導
電部33aを形成することが可能となるものである。
【0035】尚、本発明は上記した各実施例に限定され
るものではなく、次のような拡張,変更が可能である。
即ち、上記各実施例では電子シンクロトロンを用いたS
R光ビームBにより改質加工を行うようにしたが、被改
質材料となるセラミックスの内殻電子の励起反応を生じ
させる真空紫外域からX線までの波長域の他の高輝度光
源、具体的にはX線レーザ、プラズマX線源等でも良
い。また、エネルギー的にこれらの光源と等価な電子ビ
ームの照射によりセラミックス材料の改質を行うことも
可能である。また、セラミックス材料として、PZTを
具体例として上げたが、他の酸化物セラミックスにも適
用することができ、酸化物以外にも、窒化物,炭化物セ
ラミックスにおける窒素原子や炭素原子の脱離も可能と
なり、導電部を形成することができる。さらには、マス
クの材質等についても、適宜変更して実施し得るもので
ある。
【0036】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
のセラミックスの改質加工方法及びその装置によれば、
セラミックス材料の表面に対して、所定パターンに対応
したマスクを介して前記セラミックス材料の内殻電子を
励起させることが可能な高輝度短波長光ビームまたはそ
れとエネルギー的に等価な電子ビームを照射することに
より、セラミックス材料の表面部に原子の内殻電子の励
起に基づく反応を生じせしめ、酸素原子または窒素原子
あるいは炭素原子を脱離させるようにしたので、ずれや
ぼやけを極力抑えた微細パターンの導電部をセラミック
ス材料の表面に形成することが可能となるという優れた
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、改質加工
装置の全体構成を概略的に示す図
【図2】セラミックス材料に短波長光ビーム(SR光ビ
ーム)が照射される様子を示す図
【図3】セラミックス材料に凹凸がある場合の図2相当
【図4】本発明の第2の実施例を示すもので、マスクの
形成及び導電部の形成の手順を模式的に示す縦断面図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【符号の説明】
図面中、1は改質加工装置、2は短波長光発生装置(電
子シンクロトロン放射光発生装置)、3は反応槽、5,
12,21,33はセラミックス材料、5a,12a,
21a,33aは導電部、6,22はマスク、7は支持
装置、8は位置制御装置(位置制御手段)、9は温度調
節装置(温度調節手段)、10はガス導入口、31は反
射型マスク、32は結像ミラー、Bは短波長光ビーム
(SR光ビーム)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永久保 雅夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 宇理須 恒雄 愛知県岡崎市両町1−5 ユーハウス第3 岡崎7C (72)発明者 倉橋 崇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス材料の表面を改質して所定
    パターンの導電部を形成するための方法であって、 前記セラミックス材料の表面に対して、前記所定パター
    ンに対応したマスクを介して、エネルギー的に前記セラ
    ミックス材料の内殻電子を励起させることが可能な高輝
    度短波長光ビームまたはそれとエネルギー的に等価な電
    子ビームを照射することにより、前記セラミックス材料
    の表面部に原子の内殻電子の励起に基づく反応を生じせ
    しめ、酸素原子または窒素原子あるいは炭素原子を脱離
    させるようにしたことを特徴とするセラミックスの改質
    加工方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス材料の表面に対する短
    波長光ビームまたは電子ビームの照射を、特定のガス雰
    囲気中で行うことを特徴とする請求項1記載のセラミッ
    クスの改質加工方法。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス材料の表面に対する短
    波長光ビームまたは電子ビームの照射を、前記セラミッ
    クス材料の加熱状態または冷却状態にて行うことを特徴
    とする請求項1又は2記載のセラミックスの改質加工方
    法。
  4. 【請求項4】 反射型マスク及び結像ミラーを用い、前
    記セラミックス材料に前記反射型マスクのパターンを縮
    小投影して所定パターンの導電部を形成することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のセラミック
    スの改質加工方法。
  5. 【請求項5】 セラミックス材料の表面を改質して所定
    パターンの導電部を形成するための装置であって、 エネルギー的に前記セラミックス材料の内殻電子を励起
    させることが可能な高輝度短波長光ビームまたはそれと
    エネルギー的に等価な電子ビームを出力する出力装置
    と、前記所定パターンに対応したマスク及び前記セラミ
    ックス材料を所定の位置関係を維持した状態に支持する
    支持装置と、前記出力装置から出力される短波長光ビー
    ムまたは電子ビームを前記マスクを介して前記セラミッ
    クス材料の表面に照射させるように前記支持装置の位置
    を制御する位置制御手段とを具備することを特徴とする
    セラミックスの改質加工装置。
  6. 【請求項6】 前記セラミックス材料が収容される反応
    槽を備えると共に、その反応槽内を特定のガス雰囲気と
    するガス注入手段を備えることを特徴とする請求項5記
    載のセラミックスの改質加工装置。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス材料を加熱または冷却
    する温度調節手段を備えることを特徴とする請求項5又
    は6記載のセラミックスの改質加工装置。
  8. 【請求項8】 前記マスクは反射型マスクからなると共
    に、その反射型マスクのパターンを結像ミラーを用いて
    前記セラミックス材料に縮小投影するように構成されて
    いることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記
    載のセラミックスの改質加工装置。
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