JPH0948209A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH0948209A
JPH0948209A JP7203397A JP20339795A JPH0948209A JP H0948209 A JPH0948209 A JP H0948209A JP 7203397 A JP7203397 A JP 7203397A JP 20339795 A JP20339795 A JP 20339795A JP H0948209 A JPH0948209 A JP H0948209A
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全一郎 信田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りタイヤの軽量化とベルト部の耐久性
向上を空気透過防止層の構成及び配置によって達成す
る。 【解決手段】 空気透過係数が25×10-12 cc・cm/
cm2 ・sec ・cmHg以下でヤング率が1〜500MPa の熱
可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレン
ドを含むポリマー組成物のフィルムからなる、タイヤ内
面を実質的におおう空気透過防止層を有し、該空気透過
防止層が最も幅が広いタイヤベルト部において、少なく
ともベルト端部を含み、かつそれぞれのベルト端からベ
ルト幅の25%以上の領域に複数層配されている空気入
りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤに関
し、更に詳しくは空気透過防止層の部分複層化によって
タイヤの軽量化及びベルト部耐久性の向上をはかった空
気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料消費率の低減は自動車における大き
な技術的課題の一つであり、この対策の一環として空気
入りタイヤの軽量化に対する要求も益々強いものになっ
てきている。ところで、空気入りタイヤの内面には、タ
イヤ空気圧を一定に保持するためにハロゲン化ブチルゴ
ムなどのような低気体透過性のゴムからなるインナーラ
イナー層などの空気透過防止層が設けられている。
【0003】空気入りタイヤのインナーライナー層とし
てブチルゴムなどの低気体透過性ゴムに代えて種々の材
料を用いる技術が提案されている。例えば、特公昭47
−31761号公報には加硫タイヤの内面に、空気透過
係数[cm3(標準状態)/cm・sec ・mmHg] が30℃で1
0×10-13 以下、70℃で50×10-13 以下の、ポ
リ塩化ビニリデン、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂などの合成樹脂の溶液又は分散液を0.1mm以下で
塗布することが開示されている。
【0004】特開昭5−330307号公報にはタイヤ
内面をハロゲン化処理(従来から知られている塩素化処
理溶液、臭素溶液、ヨウ素溶液を使用)し、その上にメ
トキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレタ
ンとポリ塩化ビニリデンのブレンド、ポリウレタンとポ
リフッ化ビニリデンのブレンドのポリマー皮膜(膜厚1
0〜200μm)を形成することが開示されている。
【0005】更に特開平5−318618号公報には、
メトキシメチル化ナイロンの薄膜をインナーライナーと
する空気入りタイヤが開示されており、この技術によれ
ば、グリーンタイヤ内面にメトキシメチル化ナイロンの
溶液又はエマルジョンを散布又は塗布し、次いでタイヤ
を加硫するか、或いは加硫後タイヤ内面にメトキシメチ
ル化ナイロンの溶液又はエマルジョンを散布又は塗布す
ることによって空気入りタイヤを製造している。
【0006】更に、特開平6−40207号公報には、
ポリ塩化ビニリデンフィルムまたはエチレンビニルアル
コール共重合体フィルムから成る非空気透過層と、ポリ
オレフィン系フィルム、脂肪族ポリアミドフィルム、ま
たは、ポリウレタンフィルムから成る接着層を有した多
層フィルムをタイヤの空気透過防止層として使用してい
る例がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、ブチルゴ
ムに代わる、空気入りタイヤのインナーライナー層用の
種々の材料が提案されているが、未だ実用化されるには
至っていない。かかる状況下において、我々は、先き
に、新たな空気透過防止層用材料として、熱可塑性樹脂
又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含む空
気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg
以下でヤング率が1〜500MPa のタイヤ用ポリマー組
成物を提案した(例えば特願平7−150353号、同
7−28318号、同7−28257号、同7−268
44号、同7−28320号及び同7−11752号な
どの出願など参照)。
【0008】ところで、空気透過防止層をタイヤベルト
部に適用する際には、図1に示すように、従来のブチル
ゴムライナーの場合、加工時に第1成型工程から第2成
型工程に付した時に図1に示すリフトによってベルト下
部分のゲージが薄くなるため、これを予じめ見越して、
元々厚目の均一ゲージにして加工していた(図1におい
ては、1は成型ドラム、2は空気透過防止層を示す)。
そのため、ベルト下部のゲージを十分に確保すると、リ
フト量が小さいビード部やサイド部ではライナーゲージ
が必要以上に厚くなり、タイヤ質量が増加するという問
題があった。このためリフト量の大きい部分を厚目に押
出すことが提案されており(特開平4−77243号公
報参照)、またリフト量の大きい部分を多層化すること
が考えられる。しかしながら、前者の場合にはインナー
ライナー層に低気体透過性ゴムを使用しているため軽量
化には限度があるという問題が考えられ、後者の場合に
は一層当たりのゲージが厚いと多層化による段差が新た
な問題、特にエアだまりの問題が生じたり、一層当たり
のゲージが薄いとグリーンゴムのモジュラスが低いた
め、ゴムシートを取扱う成型加工性が悪化するという問
題があった。
【0009】エアだまりの問題は、例えば、図2に示す
ように、タイヤトレッド3の下にベルト層、カーカス層
5及び部分的に2層のブチルゴム空気透過防止層6を設
けた場合にはブチルゴム層はゲージが厚く、図2に示す
ようなエアだまり7が第2層目の空気透過防止層端に必
然的に生じる結果となり、これが加硫故障の原因とな
る。従って、本発明は前述の従来技術の問題を排除して
タイヤの軽量化及びベルト部の耐久性向上を越した空気
入りタイヤを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、空気透
過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下
でヤング率が1〜500MPa の熱可塑性樹脂又は熱可塑
性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポリマー組成
物のフィルムからなる、タイヤ内面を実質的におおう空
気透過防止層を有し、該空気透過防止層が最も幅が広い
タイヤベルト部において、少なくともベルト端部を含
み、かつそれぞれのベルト端からベルト端の25%以上
の領域に複数層配されている空気入りタイヤが提供され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成及び作用効果
について詳しく説明する。本発明に従った空気入りタイ
ヤの空気透過防止層を構成するフィルムは、空気透過率
が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下、好ま
しくは5×10-1 2 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下でヤ
ング率が1〜500MPa 、好ましくは10〜300MPa
であり、またフィルムの厚さは好ましくは0.02〜
0.2mm、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。
空気透過率が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg
を超えると空気入りタイヤの軽量化上好ましくない。ま
たヤング率は低過ぎるとタイヤ成型時にシワなどの発生
によって成型加工性が低下し、逆に高過ぎると耐久性に
問題が生じるので好ましくない。
【0012】前記熱可塑性樹脂は空気透過防止作用を有
する任意の材料とすることができる。そのような熱可塑
性樹脂としては、例えば以下のような熱可塑性樹脂及び
これらの又はこれらとエラストマーなどとの任意のポリ
マー混合物を挙げることができる。
【0013】ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N
6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N4
6)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン
6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP
共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそれ
らのN−アルコキシアルキル化物例えば、6−ナイロン
のメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキ
シメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化
物、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET
/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブ
チレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポ
リオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフ
タレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニ
トリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PA
N)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/ス
チレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレ
ン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエ
ン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えばポリ
メタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エ
チル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレ
ン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDV
C)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビ
ニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレー
ト共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合
体)、セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸
酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、
ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフ
ロロエチレン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例
えば芳香族ポリイミド(PI))などを挙げることがで
きる。
【0014】前記熱可塑性樹脂とブレンドすることがで
きるエラストマーとしては、ブレンドとして上記空気透
過係数及びヤング率を有するものであれば、特に限定さ
れないが、例えば以下のようなものを挙げることができ
る。ジエン系ゴム及びその水添物(例えばNR、IR、
エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低
シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、
オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(E
PDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレン
ゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビ
ニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(A
CM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えばBr
−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチ
レン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒ
ドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸
変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム
(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコン
ゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウ
ゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例え
ばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエー
テル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴ
ム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系
ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラ
ストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラ
ストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー)などを挙げることができる。
【0015】前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマ
ー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当
な相溶化剤を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。
系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエ
ラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散
層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成
分の特性はより有効に発現されることになる。そのよう
な相溶化剤としては一般的に熱可塑性樹脂及びエラスト
マー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或い
は熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエポ
キシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサ
ゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるもの
とすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂
とエラストマー成分の種類によって選定すれば良いが、
通常使用されるものにはスチレン/エチレン・ブチレン
ブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性
物、EPDM、EPDM/スチレン又はEPDM/アク
リロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性
物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシ
ン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量に
は特に限定はないが、好ましくはポリマー成分(熱可塑
性樹脂とエラストマー成分の総和)100重量部に対し
て、0.5〜10重量部が良い。
【0016】熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンド
する場合の特定の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成
分(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚
さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよ
いが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/9
0〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/1
5である。
【0017】本発明に係るポリマー組成物には、上記必
須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組
成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポ
リマーなどの他のポリマーを混合することができる。他
ポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマ
ー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成型
加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウ
ンのため等があり、これに用いられる材料としては、例
えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、SEBS、ポ
リカーボネート(PC)等が挙げられる。また、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のオレフィン共重合体、その
マレイン酸変性体、又はそのグリシジル基導入体なども
挙げることができる。本発明に係るポリマー組成物に
は、更に一般的にポリマー配合物に配合される充填剤、
カーボン、石英粉体、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化
チタンなどを上記空気透過係数及びヤング率の要件を損
わない限り任意に配合することもできる。
【0018】本発明に従えば、図3及び図4に示すよう
に、空気透過係数が25×10-12cc・cm/cm2 ・sec
・cmHg以下でヤング率が1〜500MPa の熱可塑性樹脂
又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポ
リマー組成物のフィルム8をタイヤベルト部のタイヤ全
内周面を実質的におおうように配置する、ポリマーフィ
ルム8の配置の仕方には特に限定はなく数限りなく考え
られるが、例えば図3−1〜図3−7に例示したよう
に、タイヤ内周面の実質的全体に少なくとも一層のポリ
マーフィルムが存在し、かつ少なくとも部分的に2層又
はそれ以上のポリマーフィルムが存在する。なお、2又
はそれ以上のポリマーフィルムの材料は同じであっても
異なっていてもよい。更にポリマーフィルムは常法に従
って成型後貼付又は接着してもよく、或いは常法に従っ
て塗布してもよい。また、複数のフィルムはベルトより
内側であれば隣接している必要はなく、例えばそれらの
間にカーカス層などが存在していても差支えない。
【0019】次に、本発明に従えば、図4に示すよう
に、タイヤベルト部断面の最も幅の広いベルト部におい
て、ベルト幅Wのベルト端部10を含みかつそれぞれの
ベルト端10からベルト幅Wの25%以上の領域9に空
気透過防止層となるポリマーフィルム8が複数層存在し
ていることがベルト端部の酸素劣化防止のため必要であ
る。
【0020】更に本発明の好ましい態様においては図5
(a)に示す、ステップ量のS(mm)とフィルムライナ
ーの一層当たり厚さt(mm)との関係は、段差によるエ
アだまりを防ぐために25t≦Sとするのが望ましい。
図5(b)に示すように、ステップ量Sが小さいとポリ
マーフィルム8,8′,8″の一層当りの厚さはうすく
ても全体の段差が大きくなり、エアだまりによる加硫故
障の原因となるおそれがある。しかし、図5(c)に示
すように上側のポリマーフィルム8′が下側のポリマー
フィルム8″をおおっているような場合にはステップ量
Sは小さくてもエアだまりは起らない。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例に従って本発明を更
に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実
施例に限定するものでないことは言うまでもない。実施例1〜6及び比較例1〜7 表Iに示すように、材料A〜Dからなるポリマーフィル
ムを用いて表Iに示す構成の空気透過防止層を有するタ
イヤ(サイズ:165SR13、リムサイズ:13×4
1/2−J)を作製した。これらのタイヤ及び従来の標
準例について下記試験を行なった。結果を表Iに示す。
【0022】エアだまり試験法 加硫後のタイヤをカットし、エアだまり故障が認められ
た場合は不良(×)、認められない場合は良好(○)と
した。
【0023】成型加工性の試験法 タイヤ成型の際、材料が伸びてしまう場合は不良
(×)、伸びない場合は良好(○)とした。
【0024】ベルト部耐久性試験法 下記乾熱劣化条件及び下記走行条件にて、ベルトぶにセ
パレーション等の故障が生じた場合は不良(×)、生じ
なかった場合は良好(○)とする。 (1)乾熱劣化条件:タイヤ内に350kPa の圧力で酸
素を封入し、70℃の温度にて14日間劣化させる。 (2)走行条件:JATMAで規定された標準リムに1
70kPa の圧力で空気を封入し、1707mmのドラム上
で−2°のキャンバー角を与え、速度60km/hで10
0時間走行させる。荷重はJATMAで規定された最大
負荷能力の75±24%を0.03Hzの正弦波で与え、
同時に位相を180°ずらした波型にて±3°のスリッ
プ角を与える。
【0025】空気漏れ試験法(圧力低下率) 初期圧力200kPa 、室温21℃、無負荷条件にて3ヵ
月間放置する。内圧の測定間隔は4日毎とし、測定圧力
Pt、初期圧力Po、経過日数tとして、次の式 Pt/Po=exp(−αt) に回帰してα値を求める。得られたαを用い、t=30
(日)を代入し、 β= [1−exp(−αt)] ×100 を得る。この値βを1ヵ月当たりの圧力低下率(%/
月)とする。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表I脚注(部はすべて重量部を示す) 材料A:ナイロン6(N6)(東レ製 CM4061)
28部、ナイロンMXD6(MXD6)(三菱ガス化学
製レニー6002)42部、マレイン酸変性エチレンプ
ロピレンゴム(M−EPM)30部及びメチレンジアニ
リン0.18部から成り、空気透過係数が2.13×1
-12 cc・cm/cm2 ・s.cmHg)ヤング率が257MPa
の材料。 材料B:N6 25.2部、MXD6 37.8部、マ
スターバッチA(ブチルゴム臭素化物:エクソンケミカ
ル製エクソンブロモブチル2244 100部、東海カ
ーボン製カーボンブラックGPF:シーストV 60
部、ステアリン酸1部、石油系炭化水素樹脂エッソ製エ
スコレッツ1102 10部、パラフィン系プロセス油
10部)48.9部、三井石油化学製ハイセックスミリ
オン240M(EEA)、酸化亜鉛1.5部、DM0.
5部及びイオウ0.3部から成り、空気透過係数が0.
84×10-12 cc・cm/cm2 ・sec .cmHgでヤング率が
244MPa の材料 材料C:N6 25.2部、MXD6 37.8部、B
r−(ポリイソブチレン−p−メチルスチレン)(エク
ソンケミカル製EXXPRO 89−4)27.0部並
びにナイロン6/ナイロン66/ナイロン610(東レ
製CM4001)から成り、空気透過係数が0.63×
10-12 cc・cm/cm2 ・sec .cmHgでヤング率317MP
a の材料 材料D:ブチルゴム(空気透過係数55×10-12 cc・
cm/cm2 ・sec .cmHg、ヤング率15MPa )
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec .cm
Hg以下でヤング率が1〜500MPa の熱可塑性樹脂又は
熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポリマ
ー組成物の好ましい0.02〜0.2mm厚のフィルムを
空気透過防止層として用い、この空気透過防止層を特定
領域に複数層設けることによって、1)ゲージが非常に
薄くなるため、従来のように段差でエアだまりがおき
ず、加硫故障の原因にならず、2)ゲージが薄くても、
モジュラスが高いため、成型加工性が悪化せず、3)ゲ
ージが薄くなるため、軽量化が可能となり、そして4)
ベルト部を透過する空気(酸素)量が減少するため、ベ
ルトコートゴムの酸素劣化が減少し、タイヤの耐久性が
向上するという効果が達せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のタイヤ成型加工時におけるベルト下部の
空気透過防止層に発生する問題を説明するための図面で
ある。
【図2】ベルト下部の空気透過防止層を多量化した場合
のエアだまりの問題を説明する図面である。
【図3】本発明に従った空気透過防止層のポリマーフィ
ルムのタイヤベルト部断面における配置を示す図面でそ
のいくつかの態様を図(3−1)〜(1−6)に示す。
【図4】本発明に従った空気透過防止層のポリマーフィ
ルムのタイヤベルト部断面における複数層の配置の要件
の一例を示す図面である。
【図5】本発明の好ましい態様におけるステップ量S
(mm)と空気透過防止層一層当りの厚さ(mm)との関係
を示す図面であり、図5(a)は部分的なポリマーフィ
ルムが2層の場合の配置を示す図面であり、図5(b)
はステップ量が小さくて一層当りの厚さはうすくても全
体の段差が大きくなり、エアだまりによる加硫故障の原
因となることを示す図面であり、更に図5(c)は上側
のポリマーフィルム8′が下側のポリマーフィルム8″
をおおっている場合にはステップ量Sは小さくてもエア
だまりが起らないことを示す図面である。
【符号の説明】
1…成型ドラム 2…空気透過防止層 3…タイヤトレッド 4…ベルト層 5…カーカス層 6…空気透過防止層(2層) 7…エアだまり 8,8′,8″…ポリマーフィルム 9…複数の空気透過防止層を配置する領域 10…最も幅の広いベルト部の端部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気透過係数が25×10-12 cc・cm/
    cm2 ・sec ・cmHg以下でヤング率が1〜500MPa の熱
    可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレン
    ドを含むポリマー組成物のフィルムからなる、タイヤ内
    面を実質的におおう空気透過防止層を有し、該空気透過
    防止層が最も幅が広いタイヤベルト部において、少なく
    ともベルト端部を含み、かつそれぞれのベルト端からベ
    ルト幅の25%以上の領域に複数層配されている空気入
    りタイヤ。
  2. 【請求項2】 空気透過防止層1層の厚さが、0.02
    〜0.2mmである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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