JPH0947969A - 超微粉シリカ砥石およびその製造方法 - Google Patents

超微粉シリカ砥石およびその製造方法

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JPH0947969A
JPH0947969A JP20491095A JP20491095A JPH0947969A JP H0947969 A JPH0947969 A JP H0947969A JP 20491095 A JP20491095 A JP 20491095A JP 20491095 A JP20491095 A JP 20491095A JP H0947969 A JPH0947969 A JP H0947969A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラックの発生を極力防止でき、かつ砥粒の
自生作用を活発に発現させつつ、加工生成物の逃げ場を
増やし目づまりを未然に防ぐ、高い空孔率をもった超微
粉シリカ砥石を提供する。 【構成】 フェノール樹脂によりコーティングされた超
微粉シリカがプレス成形されて空孔率0〜80%に形成
されたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超微粉シリカ砥石および
その製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】半導体ウェハーは高度の鏡面仕上げ精度が
要求される。ナノメーターオーダーの仕上げ面粗さを得
るためには、微細な砥粒からなる砥石を用いて研削を行
うことが有効な手段である。これを実現するために微細
砥粒をフェノール樹脂などの樹脂バインダーで固定した
砥石の開発が行われているが、砥粒径が数〜数10nm
の超微粉(超微粒子粉末)を用いた砥石の製作はいまだ
問題点が多く実現していない。
【0003】超微粉の砥粒を用いた砥石が実現しない理
由としては以下の原因があげられる。 超微粒子粉末が有する特徴の1つである粒子の凝集・
集塊のため、バインダと十分に、また均一に混合・混練
ができない。 比表面積もしくは見掛比重(g/l)が大きいため、
砥石の成形中に入った空気が成形完了後に取り出す際、
膨張してクラックが発生しやすい。 また仮に成形できたとしても、微細なクラックあるい
は欠陥が内在するために加工時に、粒子が凝集・集塊し
ている部分からクラックが発生しやすい。 さらに上記の問題が解決できたとしても、砥粒の密度
が高いために砥石が目づまりして長時間の加工ができな
い。 この目づまりを解決する方法として連続ドレッシングな
どによる強制発刃法もあるが、あらかじめ砥粒が自生発
刃するように砥石を製作できればより効果的である。
【0004】そこで本発明の目的とするところは、クラ
ックの発生を極力防止でき、かつ砥粒の自生作用を活発
に発現させつつ、加工生成物の逃げ場を増やし目づまり
を未然に防ぐ、高い空孔率をもった超微粉シリカ砥石お
よびその効果的な製造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、本発明に係る超
微粉シリカ砥石は、フェノール樹脂によりコーティング
された超微粉シリカがプレス成形されて空孔率0〜80
%に形成されたことを特徴としている。超微粉シリカに
対するフェノール樹脂の割合が1〜99vol %にすると
好適である。砥石のビッカース硬さは1〜50Hvである
と好適である。また集中度は50〜300であると好適
である。本発明に係る超微粉シリカ砥石の製造方法で
は、熱硬化性のフェノール樹脂を揮発性の溶媒に溶解し
た液中に超微粉シリカを加えてスラリー状にし、攪拌し
て均一に混合する工程と、該混合液体から揮発性成分を
飛ばして乾燥させる工程と、乾燥物を粉砕して、超微粉
シリカがフェノール樹脂によりコーティングされた粉末
状の成形材料を形成する工程と、真空状にした容器内で
前記成形材料を金型により所要形状にプレス成形する工
程と、得られた成形体を焼成してフェノール樹脂を硬化
させる工程とを具備することを特徴としている。金型か
ら成形体を取り出す際に成形体に与圧をかけながら取り
出すようにすると成形体にクラックが発生せず、好適で
ある。前記成形材料をプレス成形する際の成形圧力を5
0〜6000kgf/cm2 に設定すると好適である。超微粉
シリカに対する熱硬化性のフェノール樹脂の割合を1〜
99vol %にすると好適である。
【0006】
【作用】本発明に係る超微粉シリカ砥石では、超微粉シ
リカを熱硬化性フェノール樹脂をバインダとして空孔率
0〜80%に成形することによって、シリコンウェハ等
の被研削材を目づまりすることなく高精度に鏡面研削す
ることができる。フェノール樹脂の超微粉シリカに対す
る混合割合を5〜15vol %にすると、メカノケミカル
ポリシング後の反応したシリカ砥粒を脱落させる点で好
都合となる。また、ビッカース硬度を1〜10Hvにする
と、ソフトタッチな研削が行え、また被加工材が反って
いる場合に、形状にならった研削が行える点で好都合で
ある。集中度は、50〜150程度にすることによっ
て、チップポケットが形成でき、目詰まりを防ぐ点で好
都合である。また本発明方法では、成形材料を真空容器
中で金型によりプレス成形することによって、クラック
や割れを発生させることなく所要形状の砥石に成形でき
る。特に、金型から成形体を取り出す際、成形体に与圧
をかけながら取り出すようにすることでクラックの発生
を可及的に少なくできる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。本実施例で用いた超微粉(超微
粒子粉末)シリカは、気相法、特に火炎加水分解法によ
り生成されたものであり、現在工業規格に基づいて製造
されているシリカ(SiO2)の中では最も小さい粒子径を
もつ高純度の無水シリカ(アエロジル:日本アエロジル
株式会社製)のものである。表1は用いた砥粒の種類と
仕様を示す。粒径40nm(No.OX50)、16nm(No.13
0)、7nm(No.380)という粒径40nm以下の極めて微
細な粒子であることがわかる。これら粒子はほぼ球形の
1次粒子がふわふわした編目構造を形成し、実際には単
独粒子状態では存在しない。ただし、粒径40nmの場
合は例外で、独立した球形の1次粒子がはっきりと見え
る。
【0008】一方バインダは、以下の理由で熱硬化性フ
ェノール樹脂を選定した。 加工途中、水(研削液)に溶けて砥石の形状が崩れな
い。 砥粒とバインダを混合し成形した後、熱を加えて硬化
できる。 表2は用いたバインダであるPR-50696熱硬化性フェノー
ル樹脂(住友デュレス株式会社製)の仕様を示す。揮発
成分が51.7vol %、165 ℃で63秒経過後ゲル化する液体
状態のものである。
【0009】超微粉シリカ砥石の製作ができなかった原
因の中で、粒子の凝集・集塊などによるバインダとの不
均一な混合を解決しなければならない。そこで、凝集し
ている粒子にできる限り分散性を与えた液体状態で混合
することに着目した。すなわち、図1に示すように、熱
硬化性のフェノール樹脂〔各18g(13.8vol %) 、4
0g(26.2vol %) 、80g(41.5vol %) 、124g
(52.4vol%)、207g(64.7vol%) 〕を大量の揮発性
溶媒(例えばエチルアルコール)(1200 g)で溶かした
うえ超微粉シリカ粉末100gを加え、スラリー状にし
た。その後スクリューで約10分間攪拌してバインダと
シリカ粒子が均一になるように混合した。その際、異物
などが混入しないように十分注意した。
【0010】その後、超微粉シリカ、フェノール樹脂、
エチルアルコールの混合液体状態から揮発成分を飛ばし
て無くすため、真空乾燥機により50℃、2時間程度乾
燥させた。乾燥された混合粉末は、ふわふわした混合前
のシリカ粉末とは全く異なり、かさかさとした状態で軽
く固まっている。これを乳鉢の中で粉砕して粉末状にし
た。フェノール樹脂はシリカ粒子の周囲にほぼ均一にコ
ーティングされた状態となっている。このようにして成
形材料を調整できた。
【0011】図2は成形装置10の概要を示す。12は
本体容器であり、内部状態が外部から見えるように透明
なアクリル樹脂等で形成すると好適である。本体容器1
2下面側は底板14により取り外し自在に密閉される。
16はOリングである。また18はプレス装置のロッド
20により押圧されて本体容器12内を移動可能な可動
盤である。可動盤18はロッド20下端に固定してもよ
い。19はOリングである。21は超硬合金からなる金
型であり、ダイス22、下パンチ28、上パンチ30を
有する。ダイス22には上下方向に貫通する貫通孔24
が形成され、底板14上に配置されたスプリング26上
にバランスをとって載置可能になっている。下パンチ2
8は底板14上に配置され、上部が貫通孔24に下方か
ら摺入している。上パンチ30は下部が貫通孔24に上
方から嵌入する。上パンチ30は可動盤18下面に固定
しておいてもよい。下パンチ28上端面と上パンチ30
下端面との間にキャビティ32が形成される。
【0012】底板14には本体容器12と外部とを連通
する吸引孔34が設けられており、該吸引孔34にはホ
ースを介して図示しない真空ポンプが接続されて、本体
容器12内の空気を排除することにより本体容器12内
を真空状態にできる。上パンチ30は成形品をダイス2
2から突き出すためにダイス22の高さよりも長い寸法
に形成されている。図3は与圧装置36を示す。この与
圧装置36は、成形後、本体容器12から取り出され、
上パンチ30が下側にくるようにして適宜な台上に載置
された金型21のダイス22上面側に当接する複数本の
押圧ロッド38と、押圧ロッド38上端側を連結する押
圧板40と、押圧板40下面と下パンチ28との間に配
置される与圧スプリング42を有する。44はショック
アブソーバである。
【0013】上記成形装置10を用いて次のように砥石
の成形を行うことができる。まず成形装置10におい
て、可動盤18と上パンチ30とは成形装置から外され
ている。上記のようにしてバインダと超微粉シリカとが
混合され、粉末状に調整された成形材料を、開放された
キャビティ32内に所定量入れる。次に上パンチ30を
貫通孔24に挿入した後、できる限り上パンチ30の上
面に近い位置まで可動盤18を移動して本体容器12を
密閉する。その後真空ポンプで引いて本体容器12内を
真空状態とし、次いでプレス装置により可動盤18、上
パンチ30を介して成形材料を加圧し、成形する。成形
材料中の空気は真空ポンプにより吸引されているから成
形材料中に空気が巻き込まれることなく成形される。
【0014】成形完了後、金型21を本体容器12内か
ら取り出す。取り出した金型21は上パンチ30が下に
くるように適宜な台上に載置し、図3に示すように、与
圧装置36をセットする。押圧板40に適宜な加圧装置
により荷重を加え、押圧板40を押す。これにより押圧
ロッド38を介してダイス22が下方に押され、成形体
46は上パンチ30により突き出されてくる。その際成
形体46には与圧スプリング42により圧力が加わる。
すなわち与圧をかけながら成形体46をダイス22から
取り出すのである。このように与圧をかけながら取り出
すことにより、欠けのない良好な成形品が得られた。な
お、与圧をかけないで成形体46を上パンチ30により
突き出すと、成形体46が貫通孔24から抜け出るとき
に貫通孔24から抜け出る側が急に圧力フリー状態とな
ることから、成形体46に割れ、欠けなどが生じた。得
られた成形体46を真空乾燥器を用い180 ℃、約1時間
焼成してフェノール樹脂を硬化させて砥石を得た。
【0015】上記成形装置10で真空に引きながら、50
0Kgf/cm2で加圧成形した場合の各成形体の密度の差異を
図4に示す。混合粉末の真比重は、超微細シリカ粉末に
フェノール樹脂を加える割合により表3に示すように、
もとのシリカ粉末のみの真比重とは異なる値を有する。
空孔率は次式により計算される。 (1) シリカ粉末のみの空孔率=(シリカ粉末の真比重−
成形体の密度)/シリカ粉末の真比重 (2) 混合シリカ粉末の空孔率=(混合シリカ粉末の真比
重−成形体の密度)/混合シリカ粉末の真比重 上記の式に基づいて計算した混合シリカ粉末の空孔率を
図5に示した。
【0016】図4、図5から以下のことが確認、もしく
は推測される。 混合シリカ粉末は、混合前の粉末と比べてややバラツ
キはあるが、全体的に密度および空孔率ともに低い傾向
を示す。これはバインダとして用いたフェノール樹脂の
真比重が1g/cm3 程度で、比較的低いためであると思わ
れる。 空孔率の算出については混合前のシリカ粉末の場合、
真比重が2.2g/cm3であったが、フェノール樹脂の体積割
合が多くなるほど、混合シリカ粉末の真比重は低くな
り、フェノール樹脂の体積割合が41.5vol %の場合には
1.79g/cm3 まで下がる。 しかし混合前のシリカ粉末は、嵩比重が約60g/l とい
う非常にふわふわとした状態となっているため、フェノ
ール樹脂の体積割合が増加することによって混合シリカ
粉末の嵩比重は高くなると考えられる。また、結合度も
高くなり、成形体の密度が高くなると予測される。 粒径が大きくなるほど比表面積が小さくなるため密度
は高くなるが、粒径がより小さい7nm、16nmの場
合は、各者とも大差はなかった。しかし、比較的粒径が
大きい40nmの場合、密度が1g/cm3 程度まで高くな
った。 混合シリカ粉末の空孔率は、成形体の密度特性とは反
対の傾向を有する。すなわち、フェノール樹脂の体積割
合が増加するほど、粒径が大きくなるほど、空孔率は低
くなるが、全体的に50vol %前後を維持している。
【0017】次に、図6は、粒径40nmの超微細シリ
カ粉末No.OX50 に各割合でフェノール樹脂をコーティン
グした場合の、成形圧力に対する空孔率特性を示す。バ
インダをコーティングしないものと比較して成形圧力の
増加、バインダ量の増加に応じて空孔が少なくなってい
る。空孔率の分布は10〜70vol %という非常に広い範囲
にわたっている。図7に、砥粒の集中度と砥粒率を空孔
率から換算して示す。砥石の空孔率および集中度特性よ
り、バインダの多いものは、成形圧力に応じ空孔を少な
くすることは可能であるが、その分集中度の増加割合は
少ないものとなっている。バインダ量13.8vol %の場
合、成形圧力が1000kgf/cm3 を越える領域ではバインダ
をコーティングしないものより砥粒の集中度がわずかに
上回っている。
【0018】図8に砥石の硬さをマイクロビッカース硬
度計により、荷重200gで測定した結果を示す。砥石の硬
さ、すなわち結合度は、成形圧力に応じてHv5〜28の
間に自由にコントロールできた。成形圧力が500kgf/cm2
の低い場合では、バインダ量が30vol %を越える範囲で
硬さが逆に減少している。これらに示すように、成形体
(砥石)はバインダ量および成形圧力を調整することに
より所望の集中度、空孔率および結合度の砥石を製作で
きるという特徴をもつ。ちなみに、粒径40nmのシリ
カ粒子(OX50) の場合、バインダがコーティングしてあ
れば、真空中ではなくても通常のプレス成形法で砥石が
成形できた。
【0019】次に超微粉シリカ砥石を製作し、成形条件
と砥石の研削特性を調べた。砥粒は平均粒径40nmと
いう比較的粗いNo.OX50 にフェノール樹脂を加えて混合
した後、成形・焼成したものを用い、砥石外径150 m
m、幅10mmのカップ型のものを作成し、加工前におい
て砥石の形状精度を向上させるため、粒度#1200のダイ
ヤモンド砥石でツルーイングを行った。超微粉シリカ砥
石の鏡面研削への適用は、まずインフィールド研削とし
て粒径にほぼ制限をもたない定圧切込研削に近い方式に
より行った。被加工物であるシリコンウェハの鏡面状態
を加工中でも確認できるよう、片面ラップ盤(ラポテス
ターMG773B型、株式会社マルトー製)の定盤に被削材
を、ワーク軸に砥石を取り付けたあと両方とも回転させ
た。この際、砥石は常に被削材に一定の圧力をかけなが
ら、左右にオシレート運動をする。被削材は直径3〜6
インチ生シリコンウェハを粒度#1200のダイヤモンド砥
石により、機上で平面出し後、鏡面加工を施した。
【0020】シリコンウェハの鏡面研削特性として、面
粗さについては非接触式表面粗さ計(WYKO:TOPO-2D、WY
KO社製)で、評価長さ324 μm、波長647.7 nmにより
測定を行い、研削比については3点指示マイクロメータ
で評価を行った。超微粉砥石による鏡面研削では、チッ
プポケットが少なく目づまりが生じ易い。そこでこのよ
うな目詰まりが起こらないようにするため、チップポケ
ット数を増加させて、できる限り多孔質状態のものを適
用した。図9に比較的高い空孔率である45〜55vol %の
範囲にある砥石により得られた仕上げ面粗さと研削比を
示す。空孔率が高くなるほど仕上げ面粗さは向上する
が、空孔率50vol %以上では大きな変化はなくRa1nm
程度を維持した。また空孔率50vol %前後までは研削比
が1に近づくが、それ以上高くすると徐々に減少した。
これは空孔率をある程度高くすることで、加工による反
応生成物の除去が容易になった状態と考えられ、ほぼ同
一な結合度の場合、砥粒の集中度の高い方が除去能率も
高く、加工面粗さも向上させる効果が生ずるものと思わ
れる。
【0021】図10は、本実施例の超微粉シリカ砥石の
結合度が鏡面研削特性に及ぼす影響を示す。比較的高い
空孔率と砥粒集中度を有すると予想されるバインダの体
積割合7 〜19vol %範囲では、結合度が低くなるほど加
工面粗さと研削比が高くなった。この範囲より高い結合
度のシリカ砥石を適用してみたが、硬く目づまりが生
じ、長時間の加工が困難であった。したがって本実施例
の超微粉シリカ砥石は高空孔率・高集中度・低結合度の
方が、シリコンウェハの鏡面研削特性がより好適なもの
になると言える。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明に係る超微粉シリカ砥石では、超
微粉シリカを熱硬化性フェノール樹脂をバインダとして
空孔率0〜80%、特に50〜80%に成形することに
よって、シリコンウェハ等の被研削材を目づまりするこ
となく高精度に鏡面研削することができる。フェノール
樹脂の超微粉シリカに対する混合割合を1〜99vol
%、特に5〜15vol %にすると、反応シリカ砥粒の脱
落で目詰まりが防げる点で好都合となる。また、ビッカ
ース硬度を1〜40Hv、特に1〜10Hvにすると、ソフ
トタッチな研削が行え、被加工材の形状にならった研削
が行える点で好都合である。集中度は、50〜300、
特に50〜150程度にすることによって、チップポケ
ットが形成でき、目詰まりを防ぐ点で好都合である。ま
た本発明方法では、成形材料を真空容器中で金型により
プレス成形することによって、クラックや割れを発生さ
せることなく所要形状の砥石に成形できる。特に、金型
から成形体を取り出す際、成形体に与圧をかけながら取
り出すようにすることでクラックの発生を可及的に少な
くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥石の製作工程図である。
【図2】成形装置の概略を示す断面図である。
【図3】与圧装置の概略を示す説明図である。
【図4】500kgf/cm2で加圧成形した場合の成形体の密度
を示すグラフである。
【図5】500kgf/cm2で加圧成形した場合の成形体の空孔
率を示すグラフである。
【図6】成形圧力に対する空孔率特性を示すグラフであ
る。
【図7】砥粒の集中度と砥粒率を示すグラフである。
【図8】砥石の結合度(硬さ)を示すグラフである。
【図9】仕上げ面粗さと研削比を示すグラフである。
【図10】砥石の結合度が鏡面研削特性に及ぼす影響を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 成形装置 12 本体容器 14 底板 18 可動盤 21 金型 22 ダイス 24 貫通孔 26 スプリング 28 下パンチ 30 上パンチ 32 キャビティ 36 与圧装置 38 押圧ロッド 40 押圧板 42 与圧スプリング 46 成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丁 海島 大韓民国 慶尚南道梁山郡熊上邑徳渓里 362 大勝APT 105棟 1708號

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂によりコーティングされ
    た超微粉シリカがプレス成形されて空孔率0〜80%に
    形成されたことを特徴とする超微粉シリカ砥石。
  2. 【請求項2】 超微粉シリカに対するフェノール樹脂の
    割合が1〜99vol%であることを特徴とする請求項1
    記載の超微粉シリカ砥石。
  3. 【請求項3】 ビッカース硬さが1〜40Hvであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の超微粉シリカ砥
    石。
  4. 【請求項4】 集中度が50〜300であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の超微粉シリカ砥石。
  5. 【請求項5】 熱硬化性のフェノール樹脂を揮発性の溶
    媒に溶解した液中に超微粉シリカを加えてスラリー状に
    し、攪拌して均一に混合する工程と、該混合液体から揮
    発性成分を飛ばして乾燥させる工程と、乾燥物を粉砕し
    て、超微粉シリカがフェノール樹脂によりコーティング
    された粉末状の成形材料を形成する工程と、真空状にし
    た容器内で前記成形材料を金型により所要形状にプレス
    成形する工程と、得られた成形体を焼成してフェノール
    樹脂を硬化させる工程とを具備することを特徴とする超
    微粉シリカ砥石の製造方法。
  6. 【請求項6】 金型から成形体を取り出す際に成形体に
    与圧をかけながら取り出すことを特徴とする請求項5記
    載の超微粉シリカ砥石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記成形材料をプレス成形する際の成形
    圧力が10〜6000kgf/cm2 であることを特徴とする
    請求項5または6記載の超微粉シリカ砥石の製造方法。
  8. 【請求項8】 超微粉シリカに対する熱硬化性のフェノ
    ール樹脂の割合が1〜99vol %であることを特徴とす
    る請求項5、6または7記載の超微粉シリカ砥石の製造
    方法。
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