JPH094698A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置

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JPH094698A
JPH094698A JP7156088A JP15608895A JPH094698A JP H094698 A JPH094698 A JP H094698A JP 7156088 A JP7156088 A JP 7156088A JP 15608895 A JP15608895 A JP 15608895A JP H094698 A JPH094698 A JP H094698A
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JP
Japan
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gear
differential
gears
differential case
differential device
Prior art date
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JP7156088A
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English (en)
Inventor
Kazumitsu Ugajin
和光 宇賀神
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドギヤのボス部のセンタリング部に、内
周側から外周側に抜けるオイルの流れを確保する。 【構成】 デフケース21と、相互に嵌合するセンタリ
ング部65で芯合わせされた一対のサイドギヤ53、5
5と、ピニオンギヤ77、79と、ピニオンギヤ77、
79を摺動回転自在に収容する収納孔73、75とを有
する平行軸タイプのディファレンシャル装置において、
サイドギヤ53、55のセンタリング部65に、サイド
ギヤ53、55のボス部57、59の内周側から外周側
へ通じる溝部101を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用のフロントデ
フ、センターデフ、リヤデフに適用可能なディファレン
シャル装置、特に平行軸差動歯車からなるディファレン
シャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ピニオンギヤとサイドギヤの回転に伴う
摩擦抵抗によって差動制限力を得る形式のディファレン
シャル装置として、平行軸タイプのディファレンシャル
装置が知られている。
【0003】図12は特開平6−207646号公報に
記載された従来の平行軸タイプのディファレンシャル装
置の断面図である。
【0004】このディファレンシャル装置401では、
デフケース402の内部に、デフケース402と共通軸
線回りにそれぞれ回転自在に一対のサイドギヤ404、
406が対向配置され、両サイドギヤ404、406が
センタリング部405で相互に突き合わせ嵌合されて芯
合わせされている。
【0005】また、デフケース402の内部には、サイ
ドギヤ404、406の回転軸線と平行な軸線回りにピ
ニオンギヤ408が配置されている。ピニオンギヤ40
8は2つ(1対)を1組として周方向に複数組配置さ
れ、各組の一方のピニオンギヤ408が図中左側のサイ
ドギヤ404に噛み合い、他方のピニオンギヤ(図示さ
れず)が図中右側のサイドギヤ406と噛み合い、対を
なすピニオンギヤ408同士が噛み合っている。
【0006】デフケース402には、これらピニオンギ
ヤ408を収容する収納孔410が形成され、各ピニオ
ンギヤ408はこれら収容孔410内で摺動回転するよ
うになっている。また、特に摺動回転するピニオンギヤ
408に対して、外部からオイルを供給できるように、
デフケース402の周壁部にはオイル導入孔412が開
けられている。
【0007】このディファレンシャル装置401では、
デフケース402を回転させるエンジンの駆動力が、各
ピニオンギヤ408からサイドギヤ404、406を介
して車輪側に分配され、車輪間の駆動抵抗差に応じて生
じるピニオンギヤ408の自転により車輪間に差動分配
される。
【0008】ピニオンギヤ408は、デフケース402
に設けた収納孔410に収納されて摺動回転自在に支持
されており、差動が生じると、各ピニオンギヤ408や
サイドギヤ404、406およびこれらと接触する部材
間の摩擦抵抗によって差動制限力が得られる。
【0009】サイドギヤ404、406の芯合せを行う
センタリング部405を設けることは複数のピニオンギ
ヤ408がデフケース402の収納孔410内で芯ずれ
を起こすことによる差動制限特性の不安定性を防止する
ことや、ピニオンギヤ408と収納孔410との間の焼
き付きを防止するために有効な手段である。
【0010】また、このタイプのディファレンシャル装
置401においては、各ギヤ404,406,408を
それぞれヘリカルギヤで構成し、デフケース402への
入力駆動トルクに応じてサイドギヤ404、406の摺
動端部414,418をデフケース402の壁面と摺動
させたり、両サイドギヤ404、406の摺動部416
を摺動させることにより摩擦抵抗を増大し、差動制限力
を強化することが一般的に知られている。そこで、サイ
ドギヤ404、406の端面やデフケース402の壁面
の早期摩耗を防止することや熱処理工数を削減するこ
と、さらには円滑な摺動を得て差動制限特性を安定させ
るなどの理由から、特開平6−101742の図1及び
特開平6−185581の図1に示されているように前
記摺動部414,416,418にワッシャを配置する
処置がとられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ディファレンシャル装置では、図13に概略を示すよう
に、サイドギヤ404、406のボス部は円筒状となっ
ており、その内部にも車軸との隙間を伝って、矢印で示
すようにオイルが回ってくる。
【0012】しかし、従来では、このボス部の内周に回
り込んだオイルは、サイドギヤ404、406のセンタ
リング部405の嵌合面で遮られるため、ボス部の外周
側に抜けることができず、円滑なオイルの流れが生じ得
なかった。すなわち、センタリング部405は、周方向
に沿った嵌合面を摺接させることで芯合わせを行ってい
るが、この摺接部分に遮られることで、オイルの抜け道
が塞がれ、明確なオイルの流れが発生しなかった。
【0013】また、サイドギヤ404、406の回転軸
方向外側の端部414,418にボス部を設け、デフケ
ース402との間でセンタリング部を形成した場合もオ
イルの抜け道が塞がれ、明確なオイルの流れが発生しな
かった。
【0014】本発明は、上記事情を考慮し、サイドギヤ
のボス部のセンタリング部に、内周側から外周側に抜け
るオイルの流れを確保できるようにしたディファレンシ
ャル装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回転
駆動されるデフケースと、デフケース内にデフケースと
共通軸線回りに各々回転自在に支持されると共に、対向
して直接又は摺動部材を介して摺動する摺動端部を有す
る一対のサイドギヤと、各サイドギヤの筒状ボス部に設
けられ、互いに嵌合することで両サイドギヤを芯合わせ
するセンタリング部と、第1ギヤ部と第2ギヤ部を有
し、第1ギヤ部が各別のサイドギヤに噛み合い、第2ギ
ヤ部が相互に噛み合う少なくとも一対のピニオンギヤ
と、前記デフケースに形成され、各ピニオンギヤを前記
軸線と平行な軸線回りに摺動回転自在に収容する少なく
とも一対の収納孔とを備えたディファレンシャル装置に
おいて、前記センタリング部に、前記サイドギヤのボス
部の内周側から外周側の前記摺動端部へ通じるオイル通
路を設けたことを特徴とする。
【0016】請求項2の発明は、回転駆動されるデフケ
ースと、デフケース内にデフケースと共通軸線回りに各
々回転自在に支持されると共に、対向して直接又は摺動
部材を介して摺動する摺動端部を有する一対のサイドギ
ヤと、各サイドギヤの筒状ボス部に設けられ、デフケー
スに嵌合することでデフケース回転軸との芯合わせをす
るセンタリング部と、第1ギヤ部と第2ギヤ部を有し、
第1ギヤ部が各別のサイドギヤに噛み合い、第2ギヤ部
が相互に噛み合う少なくとも一対のピニオンギヤと、前
記デフケースに形成され、各ピニオンギヤを前記軸線と
平行な軸線回りに摺動回転自在に収容する少なくとも一
対の収納孔とを備えたディファレンシャル装置におい
て、前記センタリング部に、前記サイドギヤのボス部の
内周側から外周側の前記摺動端部へ通じるオイル通路を
設けたことを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
ディファレンシャル装置であって、前記ピニオンギヤ
は、前記デフケースの軸線を対称軸として該軸線回りに
周方向等間隔に少なくとも2対設けられ、前記オイル通
路は、ピニオンギヤの対数又はピニオンギヤ数と同一個
数で、かつピニオンギヤの周方向間隔に合せて設けられ
ていることを特徴とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載のディファレンシャル装置であって、前記セン
タリング部が、前記ボス部の摺動端部の一方の内周側に
形成された環状凸部と、他方の内周側に形成され前記環
状凸部が嵌合される環状凹部とからなり、環状凸部又は
凹部の端面に前記オイル通路としての溝部が形成されて
いることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載のディファレンシャル装置であって、前記セン
タリング部が、前記ボス部の摺動端部の一方の内周側に
形成された環状凸部と、他方の内周側に形成され前記環
状凸部が嵌合される環状凹部とからなり、環状凸部と環
状凹部の周方向に沿う相互嵌合面の少なくとも一方に前
記オイル通路としての溝部が形成されていることを特徴
とする。
【0020】請求項6の発明は、請求項4又は5記載の
ディファレンシャル装置であって、前記摺動端部又はこ
れと摺動する摺動部材に、前記溝部に連通する径方向に
沿う縦溝が形成されていることを特徴とする。
【0021】請求項7の発明は、請求項4又は5記載の
ディファレンシャル装置であって、前記摺動端部に摺動
部材としてのワッシャが配設され、前記サイドギヤとデ
フケース又は前記一対のサイドギヤ同士がワッシャを介
して摺接され、ワッシャの内周面が前記溝部に隣接して
いることを特徴とする。
【0022】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かに記載のディファレンシャル装置であって、前記サイ
ドギヤとピニオンギヤがヘリカルギヤからなることを特
徴とする。
【0023】
【作用】請求項1の発明によれば、サイドギヤのセンタ
リング部の嵌合面は芯合わせのために密着した状態にあ
るが、センタリング部にはオイル通路が形成されている
ので、そこを通ってボス部内周側の潤滑オイルがボス部
外周側へ流れることになり、潤滑オイルはセンタリング
部の嵌合面を潤滑した後サイドギヤの摺動端部を潤滑す
る。このように、潤滑オイルの流れが明確になって、摺
動部分やギヤの噛み合い部に潤滑オイルが円滑に回るよ
うになる。
【0024】請求項2の発明によれば、サイドギヤとデ
フケースとのセンタリング部の嵌合面は芯合せのために
密着状態にあるが、センタリング部にはオイル通路が形
成されているので、ボス部内周側の潤滑オイルがそこを
通ってボス部外周へ流れることにより、潤滑オイルはセ
ンタリング部の嵌合面を潤滑した後サイドギヤの摺動端
部を潤滑する。このように、潤滑オイルの流れが明確に
なって、摺動部分やギヤの噛み合い部に潤滑オイルが円
滑に回るようになる。
【0025】請求項3の発明によれば、デフケース内で
ピニオンギヤをデフケースの軸線回りに周方向等間隔に
2対以上設け、このピニオンギヤの対数又はピニオンギ
ヤ数と同一個数で、かつピニオンギヤの周方向間隔に合
せてオイル通路を設けたことで、センタリング部の嵌合
面から摺動端部を流通した潤滑オイルがデフケース内に
周方向等間隔に収容されたピニオンギヤに均等かつ円滑
に回るようになり、ピニオンギヤの噛み合い部並びにピ
ニオンギヤと収納孔の摺動部の潤滑性が向上する。
【0026】請求項4の発明によれば、サイドギヤのセ
ンタリング部を構成する環状凸部又は環状凹部の端面に
溝部があるので、環状凸部と環状凹部の周方向に沿う嵌
合面が相互に密着しているものの、その嵌合面より外周
に通じるオイル通路ができる。従って嵌合面、摺動部分
及びギヤ部の潤滑が円滑に行われる。
【0027】請求項5の発明によれば、環状凸部又は環
状凹部の嵌合面に溝部を設けたので、嵌合面が相互に密
着しているものの、その嵌合面より外周に通じるオイル
通路ができる。従って嵌合面、摺動部分及びギヤ部の潤
滑が円滑に行われる。
【0028】請求項6の発明によれば、サイドギヤのボ
ス部の摺動端部間又は摺動端部と摺動部材との間に隙間
がほとんどない場合、環状凹部と環状凸部の嵌合面を抜
けるオイル通路が確保されても、摺動端部でオイル通路
が遮断されてしまうが、摺動端部又は摺動部材に縦溝が
あるので、ボス部の内周側と外周側とを連通するオイル
通路が確実に確保される。
【0029】請求項7の発明によれば、摺動端部に配設
されたワッシャの内周面が、環状凸部と環状凹部の端面
又は嵌合面に設けられた溝部に隣接しているので、溝部
を通過したオイルがワッシャ部に達し易く、ワッシャ摺
動面の潤滑が良好になる。
【0030】請求項8の発明によれば、ヘリカルギヤの
噛み合いにより発生するスラスト力によって、サイドギ
ヤの摺動端部に隙間が生じるので、オイル通路を経由し
た潤滑オイルがその隙間を通ってボス部外周側に達し易
くなる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0032】図1は本発明の一実施例のディファレンシ
ャル装置の断面図である。
【0033】このディファレンシャル装置は、エンジン
によって軸線L回りに回転駆動されるデフケース21を
有する。このデフケース21は、ケーシング本体31
と、ケーシング本体31の軸方向一方側に固定されたエ
ンドカバー33と、ケーシング本体31の軸方向他方側
に固定されたリングプレート35とによって構成されて
いる。
【0034】ケーシング本体31とリングプレート35
は、それぞれのフランジ部37、39をネジ41で連結
することで一体化されている。また、これらは図示省略
のリングギヤを固定する複数本のボルトによって、リン
グギヤと共締めされている。ケーシング本体31とエン
ドカバー33には、軸線Lに沿ってそれぞれ外方に突出
する円筒状のボス部43、45と、互いに隣接する側壁
部47、49とを有し、側壁部49に通したボルト32
により、エンドカバー33がケーシング本体31の側壁
部47の外面に固定されている。なお、エンドカバー3
3の外周には、スピードメータギヤ34が一体に形成さ
れている。
【0035】デフケース21の内部には、一対のヘリカ
ルサイドギヤ53、55が対向配置されている。各サイ
ドギヤ53、55は円筒状のボス部57、59を有して
おり、一方のサイドギヤ53のボス部57は、エンドカ
バー33のボス部45に形成された支承部61に支承さ
れ、他方のサイドギヤ55のボス部59は、ケーシング
本体31のボス部43に形成された支承部63に支承さ
れている。
【0036】これら両サイドギヤ53、55のボス部5
7、59の摺動端部としての対向端面57a、59a部
には、センタリング部65を構成する環状凸部66、環
状凹部67がそれぞれ設けられ、凸部66と凹部67の
各円筒状嵌合面66b、67bが密着嵌合することでボ
ス部57、59が芯合わせされるようになっている。そ
して、端面57a、59a間には、環状凸部66及び環
状凹部67の外周側にワッシャ69がその内周面を隣接
して配設され、端面57a、59aはこの摺動部材とし
てのワッシャ69を介して摺動するように構成されてい
る。こうして、各サイドギヤ53、55は、共にデフケ
ース21の回転軸線Lと共軸関係で、独立的に回転自在
に支持されている。
【0037】一方、各サイドギヤ53、55は、ボス部
57、59を介してそれぞれ車軸にスプライン連結され
ている。図1に示すように左側のサイドギヤ53のボス
部57とエンドカバー33のボス部45との間にはワッ
シャ72が配置されている。また、右側のサイドギヤ5
5のボス部59と、ケーシング本体31のボス部43と
の間にはワッシャ71が配置されている。これらワッシ
ャ71,72は、それぞれスラスト力を受けながら円滑
な回転を確保するために設けられている。
【0038】また、エンドカバー33のボス部45の内
周には、支承部61に沿ってオイル導入溝部98が形成
され、ケーシング本体31のボス部43の内周には、支
承部63に沿ってオイル導入溝部99が形成されてい
る。これらオイル導入溝部98、99は、エンドカバー
33のボス部45の内周や、ケーシング本体31のボス
部43の内周を通って来た潤滑オイルを、後述するピニ
オンギヤ77に導くためのものである。
【0039】また、サイドギヤ53、55間の上記セン
タリング部65には、図2,図3に示すように、サイド
ギヤ53の環状凸部66の端面には、後述するピニオン
ギヤの対数と同数(4個)のオイル通路としての溝部1
01が、ピニオンギヤの周方向間隔に合せて設けられて
いる。こうして、デフケース21が図2の矢印B方向に
回転する場合、ボス部43,45の内周から導入された
潤滑オイルはこの溝部101を通って矢印Aのように流
れ、ワッシャ69部を経てピニオンギヤ側へ導入され
る。
【0040】また、ケーシング本体31には、それぞれ
対をなす長短の収納孔73、75が周方向に等間隔をも
って複数組(本実施例では4組)形成されている。対を
なす収納孔73、75は互いに隣接しており、図1では
下側に長い収納孔73、上側に短い収納孔75が示され
ている。これら長短の収納孔73、75は、ケーシング
本体31の図中右側、つまりリングプレート35を固定
した側から共に穿設されている。長い収納孔73は反対
側まで貫通しており、反対側の開口部96がエンドカバ
ー33で塞がれている。
【0041】収納孔73、75にはそれぞれ長短のヘリ
カルピニオンギヤ77、79が摺動回転自在に収納され
ており、ピニオンギヤ77、79はデフケース21やサ
イドギヤ53、55の回転軸線Lと平行な軸線LP回り
に回転可能となっている。
【0042】長いピニオンギヤ77は、第1と第2のギ
ヤ部81、83と、これらを連結する小径の軸部85と
からなり、第1ギヤ部81は図中左のサイドギヤ53と
噛み合っている。また、短いピニオンギヤ79は、一体
に形成された第1と第2のギヤ部87、89からなり、
第1のギヤ部87は右のサイドギヤ55と噛み合い、第
2のギヤ部89は、対をなす相手側のピニオンギヤ77
の第2のギヤ部83と噛み合っている。第2のギヤ部8
3、89は、右側のサイドギヤ55よりも軸線方向右端
寄りに位置している。第1、第2のギヤ部81、87、
83、89は、ギヤの噛み合い部分を除いて、略全周を
収納孔73、75の壁面によって支持されている。
【0043】リングプレート35は、ピニオンギヤ7
7、79を収容した収納孔73、75の開口を塞ぐ位置
に配置され、ピニオンギヤ77、79の端面を支持して
いる。リングプレート35の中心孔97は、ケーシング
本体31のボス部43の外径よりかなり大きな径に形成
され、同ボス部43の外周との間に、オイルが自由に出
入りできる開口を確保している。また、ケーシング本体
31の周壁部にも、オイルを導入するための開口95が
設けられている。
【0044】次に、このディファレンシャル装置の作用
を説明する。
【0045】デフケース21を回転させるエンジンの駆
動力は、ピニオンギヤ77、79からサイドギヤ53、
55を介して左右の車軸に分配され、車軸間の駆動抵抗
差に応じて生じる各ピニオンギヤ77、79の自転によ
り車軸間に差動分配される。
【0046】トルクの伝達中、ピニオンギヤ77、79
はサイドギヤ53、55との噛み合い反力により収納孔
73、75の壁面に押しつけられて摩擦抵抗が発生す
る。また、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力により、
ピニオンギヤ77、79の端面とそれを支持する部材と
の間に摩擦力が発生する。これらの摩擦抵抗により、ト
ルク感応型の差動制限力が得られる。この場合、各ピニ
オンギヤ77、79に作用するスラスト力は、エンドカ
バー33およびリングプレート35により受け止められ
る。
【0047】また、作動中は、サイドギヤ53、55の
ボス部57、59の内周側に、車軸との隙間を伝ってオ
イルが回って来る。一方、ヘリカルギヤの噛み合いによ
り発生するスラスト力によって、図4、図5に示すよう
に、サイドギヤ53、55の端面57a、59a間には
隙間が生じる。従って、サイドギヤ53の環状凸部66
の端面の溝部101を通って、ボス部57、59の内周
側のオイルが図2の矢印A及び図5の矢印Sのように外
周側のワッシャ69部に流れる。その結果、オイルの流
れが明確になって、摺動部やギヤの噛み合い部に潤滑オ
イルが円滑に回るようになる。
【0048】なお、この実施例では、溝部101を環状
凸部66の端面に設けた場合を示したが、図6〜図8に
示すように、環状凸部66の嵌合面66bにオイル通路
としての溝部103を設けてもよい。嵌合面66bに溝
部103を設ける場合は、環状凸部66の先端から根元
までの間に軸線方向に沿って溝部103を設ける。ま
た、図9〜図11に示すように、環状凹部67側の嵌合
面67bにオイル通路としての溝部105を設けてもよ
い。その場合も、環状凹部67の先端から根元までの間
に軸線方向に沿って溝部105を設ける。
【0049】こうすることにより、ボス部57、59の
内周側から外周側のワッシャ69部へオイル通路が連通
する。
【0050】ヘリカルギヤの場合は、ボス部57、59
の端面57a、59aに隙間が生じるので、その隙間を
オイル通路として利用できるが、スパーギヤでサイドギ
ヤ53、55やピニオンギヤ77、79を構成した場合
は、端面57a、59aに隙間が生じない可能性があ
る。その場合は、ボス部57、59の端面57a、59
aに、溝部101、103、105に連通する径方向に
沿う縦溝を形成すれば、オイル通路を確実に確保するこ
とができる。縦溝は、端面57a、59aの一方または
両方に設けてもよいし、ワッシャ69がある場合は、ワ
ッシャ69に設けてもよい。また、縦溝は、スパーギヤ
の場合ばかりでなく、上記実施例で示したヘリカルギヤ
の場合に設けても勿論よい。
【0051】また、この実施例では、サイドギヤ53、
55の環状凸部66、環状凹部67の嵌合により両サイ
ドギヤ53、55の芯合せをしているが、これとは異な
り、サイドギヤ53、55のボス部57、59とデフケ
ース21の支承部61,63との各嵌合部においてサイ
ドギヤ53、55とデフケース21の回転軸との芯合せ
をする構成にしてもよい。その場合には、潤滑オイルは
ボス部43、45の内周側からオイル通路としての溝部
98,99を通ってこのセンタリング部を潤滑し、さら
に各サイドギヤ53、55の摺動端部とデフケース21
間のワッシャ71,72部へ円滑に回る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、サイドギヤが互いに嵌合するセンタリング部に
オイル通路を確保したので、ボス部内周側から外周側へ
の潤滑オイルの流れを作り出すことができ、摺動部分や
ギヤ部の潤滑が円滑に行われる。
【0053】請求項2の発明によれば、サイドギヤとデ
フケースとが嵌合するセンタリング部にオイル通路を確
保したので、ボス部内周側から外周側への潤滑オイルの
流れを作り出すことができ、摺動部分やギヤ部の潤滑が
円滑に行われる。
【0054】請求項3の発明によれば、センタリング部
に、ピニオンギヤの対数又はピニオンギヤ数と同一個数
で、かつピニオンギヤの周方向間隔に合せてオイル通路
を設けたので、ボス部の内周側から外周側への潤滑オイ
ルの流れを作り出すことができると共に、オイルがピニ
オンギヤに均等かつ円滑に回るようになり、ピニオンギ
ヤの噛み合い部並びにピニオンギヤと収納孔の摺動部の
潤滑性が向上する。
【0055】請求項4の発明によれば、環状凸部又は環
状凹部の端面に溝部を設けたので、この溝部を通ってボ
ス部の内周側から外周側へ達する潤滑オイルの流れを作
り出すことができ、嵌合面、摺動部分及びギヤ部の潤滑
が円滑に行われる。
【0056】請求項5の発明によれば、環状凸部又は環
状凹部の嵌合面に溝部を設けたので、この溝部を通って
ボス部の内周側から外周側へ達する潤滑オイルの流れを
作り出すことができ、嵌合面、摺動部分及びギヤ部の潤
滑が円滑に行われる。
【0057】請求項6の発明によれば、環状凸部と環状
凹部の端面又は嵌合面に設けられた溝部に連通する縦溝
が、サイドギヤの摺動端部又はこれと摺動する摺動部材
に形成されているので、摺動端部間に隙間がほとんどな
い場合でも、ボス部内周側と外周側とを連通するオイル
通路を確保することができ、摺動部分及びギヤ部の潤滑
が円滑に行われる。
【0058】請求項7の発明によれば、摺動端部に配設
されたワッシャの内周面が、環状凸部と環状凹部の端面
又は嵌合面に設けられた溝部に隣接しているので、溝部
を通過した潤滑オイルがワッシャ部に達し易く、ワッシ
ャの摺動面の潤滑が良好になる。
【0059】請求項8の発明によれば、ヘリカルギヤの
噛み合いにより発生するスラスト力によって、サイドギ
ヤの摺動端部に隙間が生じるので、オイル通路を経由し
た潤滑オイルがボス部外周側に達し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】図1のI−I矢視断面図である。
【図3】図1のII−II矢視断面図である。
【図4】同実施例におけるオイルの流れの概略説明図で
ある。
【図5】図1のIV部拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例の要部断面図である。
【図7】図6のVI−VI矢視断面図である。
【図8】図6のVIII部拡大図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例の要部断面図であ
る。
【図10】図9のIX−IX矢視断面図である。
【図11】図9のX部拡大図である。
【図12】従来のディファレンシャル装置の一例を示す
断面図である。
【図13】同従来装置のオイルの流れを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
21 デフケース 53,55 サイドギヤ 57,59 ボス部 57a,59a 端面(摺動端部) 65 センタリング部 66 環状凸部 67 環状凹部 66b,67b 嵌合面 69 ワッシャ(摺動部材) 73,75 収納孔 77,79 ピニオンギヤ 81,87 第1ギヤ部 83,89 第2ギヤ部 98,99,101,103,105 溝部(オイル通
路) L,LP 軸線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動されるデフケースと、デフケー
    ス内にデフケースと共通軸線回りに各々回転自在に支持
    されると共に、対向して直接又は摺動部材を介して摺動
    する摺動端部を有する一対のサイドギヤと、各サイドギ
    ヤの筒状ボス部に設けられ、互いに嵌合することで両サ
    イドギヤを芯合わせするセンタリング部と、第1ギヤ部
    と第2ギヤ部を有し、第1ギヤ部が各別のサイドギヤに
    噛み合い、第2ギヤ部が相互に噛み合う少なくとも一対
    のピニオンギヤと、前記デフケースに形成され、各ピニ
    オンギヤを前記軸線と平行な軸線回りに摺動回転自在に
    収容する少なくとも一対の収納孔とを備えたディファレ
    ンシャル装置において、 前記センタリング部に、前記サイドギヤのボス部の内周
    側から外周側の前記摺動端部へ通じるオイル通路を設け
    たことを特徴とするディファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 回転駆動されるデフケースと、デフケー
    ス内にデフケースと共通軸線回りに各々回転自在に支持
    されると共に、対向して直接又は摺動部材を介して摺動
    する摺動端部を有する一対のサイドギヤと、各サイドギ
    ヤの筒状ボス部に設けられ、デフケースに嵌合すること
    でデフケース回転軸との芯合わせをするセンタリング部
    と、第1ギヤ部と第2ギヤ部を有し、第1ギヤ部が各別
    のサイドギヤに噛み合い、第2ギヤ部が相互に噛み合う
    少なくとも一対のピニオンギヤと、前記デフケースに形
    成され、各ピニオンギヤを前記軸線と平行な軸線回りに
    摺動回転自在に収容する少なくとも一対の収納孔とを備
    えたディファレンシャル装置において、 前記センタリング部に、前記サイドギヤのボス部の内周
    側から外周側の前記摺動端部へ通じるオイル通路を設け
    たことを特徴とするディファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のディファレンシャ
    ル装置であって、 前記ピニオンギヤは、前記デフケースの軸線を対称軸と
    して該軸線回りに周方向等間隔に少なくとも2対設けら
    れ、 前記オイル通路は、ピニオンギヤの対数又はピニオンギ
    ヤ数と同一個数で、かつピニオンギヤの周方向間隔に合
    せて設けられていることを特徴とするディファレンシャ
    ル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のディフ
    ァレンシャル装置であって、 前記センタリング部が、前記ボス部の摺動端部の一方の
    内周側に形成された環状凸部と、他方の内周側に形成さ
    れ前記環状凸部が嵌合される環状凹部とからなり、環状
    凸部又は凹部の端面に前記オイル通路としての溝部が形
    成されていることを特徴とするディファレンシャル装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のディフ
    ァレンシャル装置であって、 前記センタリング部が、前記ボス部の摺動端部の一方の
    内周側に形成された環状凸部と、他方の内周側に形成さ
    れ前記環状凸部が嵌合される環状凹部とからなり、環状
    凸部と環状凹部の周方向に沿う相互嵌合面の少なくとも
    一方に前記オイル通路としての溝部が形成されているこ
    とを特徴とするディファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のディファレンシャ
    ル装置であって、 前記摺動端部又はこれと摺動する摺動部材に、前記溝部
    に連通する径方向に沿う縦溝が形成されていることを特
    徴とするディファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5記載のディファレンシャ
    ル装置であって、 前記摺動端部に摺動部材としてのワッシャが配設され、
    前記サイドギヤとデフケース又は前記一対のサイドギヤ
    同士がワッシャを介して摺接され、ワッシャの内周面が
    前記溝部に隣接していることを特徴とするディファレン
    シャル装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のディフ
    ァレンシャル装置であって、前記サイドギヤとピニオン
    ギヤがヘリカルギヤからなることを特徴とするディファ
    レンシャル装置。
JP7156088A 1995-01-12 1995-06-22 ディファレンシャル装置 Pending JPH094698A (ja)

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EP01114369A EP1130288B1 (en) 1995-01-12 1996-01-11 Differential apparatus with oil lubrication passages
DE69628473T DE69628473T9 (de) 1995-01-12 1996-01-11 Differentialvorrichtung mit Schmierölnuten
DE69618036T DE69618036T2 (de) 1995-01-12 1996-01-11 Differential-Vorrichtung
EP96100366A EP0722056B1 (en) 1995-01-12 1996-01-11 Differential apparatus
US08/587,324 US5735765A (en) 1995-01-12 1996-01-12 Differential apparatus
US08/909,213 US6059683A (en) 1995-01-12 1997-08-11 Differential apparatus
US08/909,418 US5890984A (en) 1995-01-12 1997-08-11 Differential apparatus having helical oil distribution passages to radial oil passages

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111936768A (zh) * 2018-03-29 2020-11-13 武藏精密工业株式会社 差动装置
CN114909458A (zh) * 2021-02-09 2022-08-16 本田技研工业株式会社 动力传递机构

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CN111936768A (zh) * 2018-03-29 2020-11-13 武藏精密工业株式会社 差动装置
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