JPH0946946A - 磁石回転子 - Google Patents
磁石回転子Info
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- JPH0946946A JPH0946946A JP7224480A JP22448095A JPH0946946A JP H0946946 A JPH0946946 A JP H0946946A JP 7224480 A JP7224480 A JP 7224480A JP 22448095 A JP22448095 A JP 22448095A JP H0946946 A JPH0946946 A JP H0946946A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多数の薄鉄板を打ち抜いて、この薄鉄板自体
に設けた凹凸部よりなるクランプ手段５ａによって前記
薄鉄板相互を加圧固着して積層鉄心１ａを形成し、この
積層鉄心に設けた磁石を収容するための収容孔３に磁石
２を挿入して構成する磁石回転子において、非常に簡素
な構成且つ製造容易な方法によって磁石２の固定を達成
し、また品質的な信頼性に優れた回転子を構成する。 【構成】 クランプ時の加圧によって収容孔３の壁面が
磁石２の方向に膨出するように、クランプ手段５ａを収
容孔３に近接して設ける。また磁石回転子の製造方法と
しては、収容孔３に磁石２を挿入した後に、積層鉄心１
ａを再度加圧するようにする。
に設けた凹凸部よりなるクランプ手段５ａによって前記
薄鉄板相互を加圧固着して積層鉄心１ａを形成し、この
積層鉄心に設けた磁石を収容するための収容孔３に磁石
２を挿入して構成する磁石回転子において、非常に簡素
な構成且つ製造容易な方法によって磁石２の固定を達成
し、また品質的な信頼性に優れた回転子を構成する。 【構成】 クランプ時の加圧によって収容孔３の壁面が
磁石２の方向に膨出するように、クランプ手段５ａを収
容孔３に近接して設ける。また磁石回転子の製造方法と
しては、収容孔３に磁石２を挿入した後に、積層鉄心１
ａを再度加圧するようにする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、インナーロータ型電動
機の回転子に関し、詳しくは永久磁石界磁を備えるとと
もに、この磁石を積う保護構造を有する回転子に関す
る。
機の回転子に関し、詳しくは永久磁石界磁を備えるとと
もに、この磁石を積う保護構造を有する回転子に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】インナーロータ型電動機の場合、回転子
の外周部近傍に円弧状の磁石を配置することによって、
磁石面積が大きく設計できて特性上のメリットが得られ
るが、反面、遠心力による磁石の飛散が心配されるた
め、高速回転を行うものや外径の比較的大きなものにお
いては磁石の外周に保護部材を必要とする。また、密閉
型圧縮機等に使用される回転子においては、これに加え
て、磁石粉等を回転子外部へ漏らさないために磁石の密
閉が必要とされ、従って保護部材によって回転子の外周
部と軸方向両端部をそれぞれ覆って構成される。
の外周部近傍に円弧状の磁石を配置することによって、
磁石面積が大きく設計できて特性上のメリットが得られ
るが、反面、遠心力による磁石の飛散が心配されるた
め、高速回転を行うものや外径の比較的大きなものにお
いては磁石の外周に保護部材を必要とする。また、密閉
型圧縮機等に使用される回転子においては、これに加え
て、磁石粉等を回転子外部へ漏らさないために磁石の密
閉が必要とされ、従って保護部材によって回転子の外周
部と軸方向両端部をそれぞれ覆って構成される。
【０００３】図１０及び図１１に示す回転子は、回転子
の積層鉄心１に磁石２の収容孔３を複数設け、この収容
孔３に磁石２を挿入して構成した回転子である。このよ
うな構造とすることにより、磁石の外周部に別部品によ
る保護部材を設ける必要がなく、この保護部材の取付工
程も不要となり、さらに磁石外周の保護部材が磁性体で
あるため、固定子との間の磁気的なギャップが狭くでき
るといった特長を有している。
の積層鉄心１に磁石２の収容孔３を複数設け、この収容
孔３に磁石２を挿入して構成した回転子である。このよ
うな構造とすることにより、磁石の外周部に別部品によ
る保護部材を設ける必要がなく、この保護部材の取付工
程も不要となり、さらに磁石外周の保護部材が磁性体で
あるため、固定子との間の磁気的なギャップが狭くでき
るといった特長を有している。
【０００４】図１０及び図１１において、鉄心１は、軸
孔６及び収容孔３を有し、一般に円形薄鉄板を多数積層
することにより形成される。鉄心１において５は薄鉄板
同士をカシメ固着するカシメクランプ部であり、これは
周知の通り、各薄鉄板にプレス抜きと同時に打ち出し突
起による凹凸部を設け、この突起の凸部を隣接する薄鉄
板における突起の背面の凹部に嵌合させてプレス型内で
所定の積厚に積層するものである。
孔６及び収容孔３を有し、一般に円形薄鉄板を多数積層
することにより形成される。鉄心１において５は薄鉄板
同士をカシメ固着するカシメクランプ部であり、これは
周知の通り、各薄鉄板にプレス抜きと同時に打ち出し突
起による凹凸部を設け、この突起の凸部を隣接する薄鉄
板における突起の背面の凹部に嵌合させてプレス型内で
所定の積厚に積層するものである。
【０００５】磁石２は、フェライト磁石あるいは希土類
磁石等により形成されるが、高性能磁石の場合円筒形の
ものが一体で形成できないために、瓦状片あるいはカマ
ボコ状片等のものを複数個使用して、これを略等配状に
配置し、各磁石２が１個の磁極をなすように着磁して界
磁を形成する。従って、鉄心１には複数の収容孔３が設
けてあり、磁石２はこの収容孔３にすきまばめ等の状態
で挿入される。また鉄心１に設けた複数の連通孔７には
鉄製のクランプピン８が挿通され、その一端１０をかし
めることにより軸方向両端部に円形の端板４，４が取り
付けてある。この端板４は、黄銅板等の非磁性材、ある
いは鉄心１と同材質の硅素鋼板等によって形成され、磁
石２の両端部を塞いで磁石２を密閉している。そしてク
ランプピン８によって鉄心１を形成する積層体が圧縮さ
れ、回転子全体が固定されてその形状が安定して保持さ
れている。
磁石等により形成されるが、高性能磁石の場合円筒形の
ものが一体で形成できないために、瓦状片あるいはカマ
ボコ状片等のものを複数個使用して、これを略等配状に
配置し、各磁石２が１個の磁極をなすように着磁して界
磁を形成する。従って、鉄心１には複数の収容孔３が設
けてあり、磁石２はこの収容孔３にすきまばめ等の状態
で挿入される。また鉄心１に設けた複数の連通孔７には
鉄製のクランプピン８が挿通され、その一端１０をかし
めることにより軸方向両端部に円形の端板４，４が取り
付けてある。この端板４は、黄銅板等の非磁性材、ある
いは鉄心１と同材質の硅素鋼板等によって形成され、磁
石２の両端部を塞いで磁石２を密閉している。そしてク
ランプピン８によって鉄心１を形成する積層体が圧縮さ
れ、回転子全体が固定されてその形状が安定して保持さ
れている。
【０００６】上記回転子にあっては、回転時に磁石２が
移動したり破損したりしないように、磁石２を収容孔３
内で固定しておくことが必要とされる。この磁石の固定
方法に関して、従来、比較的簡素で且つ製造容易な構成
として、特開平６−１７８４７５号公報に開示される構
造が提案されている。これは、クランプピン８の挿通箇
所を収容孔３に近接した部分に設け、このクランプピン
８をかしめた時に収容孔３の内周部の壁面が磁石２の方
向へ膨出するのを利用して磁石２を固定するものであ
る。即ち、クランプピン８をかしめて端板４，４を固定
する際、クランプピン８の近傍の鉄心１は応力を受け、
図１２に破線１１で示すように、収容孔３の壁面に膨出
を生じて前記応力を吸収しようとする。この結果塑性変
形した収容孔３の壁面によって磁石２が固定されて、収
容孔３内における磁石２の移動が防止されるものであ
る。
移動したり破損したりしないように、磁石２を収容孔３
内で固定しておくことが必要とされる。この磁石の固定
方法に関して、従来、比較的簡素で且つ製造容易な構成
として、特開平６−１７８４７５号公報に開示される構
造が提案されている。これは、クランプピン８の挿通箇
所を収容孔３に近接した部分に設け、このクランプピン
８をかしめた時に収容孔３の内周部の壁面が磁石２の方
向へ膨出するのを利用して磁石２を固定するものであ
る。即ち、クランプピン８をかしめて端板４，４を固定
する際、クランプピン８の近傍の鉄心１は応力を受け、
図１２に破線１１で示すように、収容孔３の壁面に膨出
を生じて前記応力を吸収しようとする。この結果塑性変
形した収容孔３の壁面によって磁石２が固定されて、収
容孔３内における磁石２の移動が防止されるものであ
る。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】上記クランプピン８を
かしめる際には、頭部９とかしめ部１０に多大な荷重を
加えるため、収容孔３の壁面の膨出は、主にクランプピ
ンの頭部９とかしめ部１０の近傍、即ち鉄心１の両端部
近傍に生じることになる。従って、鉄心１の膨出部と磁
石２との当接部の面積は小さく、信頼性の面で不安の多
い構成となってしまう。また、クランプピン８の両端部
９，１０と鉄心１との間には端板４，４が介在するた
め、収容孔３の壁面を膨出させるために多大な加圧力を
要し、このときの荷重によって端板４，４が変形して回
転子の寸法精度が損なわれたり、端板４，４に反りが生
じて磁石２の密閉性が悪くなったりする欠点がある。
かしめる際には、頭部９とかしめ部１０に多大な荷重を
加えるため、収容孔３の壁面の膨出は、主にクランプピ
ンの頭部９とかしめ部１０の近傍、即ち鉄心１の両端部
近傍に生じることになる。従って、鉄心１の膨出部と磁
石２との当接部の面積は小さく、信頼性の面で不安の多
い構成となってしまう。また、クランプピン８の両端部
９，１０と鉄心１との間には端板４，４が介在するた
め、収容孔３の壁面を膨出させるために多大な加圧力を
要し、このときの荷重によって端板４，４が変形して回
転子の寸法精度が損なわれたり、端板４，４に反りが生
じて磁石２の密閉性が悪くなったりする欠点がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の薄鉄板
を打ち抜いて、この薄鉄板自体に設けた凹凸部よりなる
クランプ手段によって前記薄鉄板相互を加圧固着して積
層鉄心を形成し、この積層鉄心に設けた磁石を収容する
ための収容孔に磁石を挿入して構成する磁石回転子にお
いて、前記クランプ手段は、クランプ時の加圧によって
前記収容孔の壁面が前記磁石の方向に影出するように前
記収容孔に近接して設けるようにしたものである。ま
た、前記クランプ手段は、前記収容孔に連接して設ける
ようにしてもよい。また本発明の磁石回転子の製造方法
は、前記収容孔に前記磁石を挿入した後に、前記積層鉄
心を再度加圧することを特徴とするものである。
を打ち抜いて、この薄鉄板自体に設けた凹凸部よりなる
クランプ手段によって前記薄鉄板相互を加圧固着して積
層鉄心を形成し、この積層鉄心に設けた磁石を収容する
ための収容孔に磁石を挿入して構成する磁石回転子にお
いて、前記クランプ手段は、クランプ時の加圧によって
前記収容孔の壁面が前記磁石の方向に影出するように前
記収容孔に近接して設けるようにしたものである。ま
た、前記クランプ手段は、前記収容孔に連接して設ける
ようにしてもよい。また本発明の磁石回転子の製造方法
は、前記収容孔に前記磁石を挿入した後に、前記積層鉄
心を再度加圧することを特徴とするものである。
【０００９】
【作用】収容孔内へ磁石を挿入した後、積層鉄心を再加
圧することにより、クランプ手段の凹凸部が互いに深く
からみ合うとともに、積層鉄心が収容孔の壁面に膨出を
生じてこの応力を吸収する。この壁面の膨出は鉄心の積
層方向全域にわたって生じて、この膨出した部分が磁石
を押圧し、収容孔内における磁石の固定がなされる。
圧することにより、クランプ手段の凹凸部が互いに深く
からみ合うとともに、積層鉄心が収容孔の壁面に膨出を
生じてこの応力を吸収する。この壁面の膨出は鉄心の積
層方向全域にわたって生じて、この膨出した部分が磁石
を押圧し、収容孔内における磁石の固定がなされる。
【００１０】
【実施例】図１は、本発明の実施例を示す回転子の平面
断面図である。図中５ａは積層鉄心１ａを構成する薄鉄
板相互のクランプ手段であるカシメクランプ部であり、
各薄鉄板をプレス抜きする際にプレス型内で同時形成さ
れるものであり、図２の拡大断面に示すように、各薄鉄
板の打ち出し突起の凸部を隣接する薄鉄板における突起
の背面の凹部に嵌合させて加圧することにより相互を固
着して所定の積厚に積層するものである。図１の実施例
において、カシメクランプ部５ａは、磁石２の収容孔３
の内径側に近接して設けてある。
断面図である。図中５ａは積層鉄心１ａを構成する薄鉄
板相互のクランプ手段であるカシメクランプ部であり、
各薄鉄板をプレス抜きする際にプレス型内で同時形成さ
れるものであり、図２の拡大断面に示すように、各薄鉄
板の打ち出し突起の凸部を隣接する薄鉄板における突起
の背面の凹部に嵌合させて加圧することにより相互を固
着して所定の積厚に積層するものである。図１の実施例
において、カシメクランプ部５ａは、磁石２の収容孔３
の内径側に近接して設けてある。
【００１１】上記カシメクランプ部５ａによって積層固
着された鉄心１ａの収容孔３に磁石２が挿入された後、
この鉄心１ａをプレスによって積層方向に再度加圧す
る。このときの加圧力は、鉄心１ａが積層固着される際
に打ち抜きプレス型内において受ける加圧力より大きな
値に設定されている。この結果、カシメクランプ部５ａ
の各凹凸部は互いに一層深くからみ合い、固着力が強固
なものとなる。同時に、このカシメクランプ部５ａは収
容孔３に近接して設けてあるので、上記再加圧によって
カシメクランプ部５ａの近傍の鉄心１ａは応力を受け、
図３に破線１１ａで示すように、収容孔３の壁面に膨出
を生じて前記応力を吸収しようとする。収容孔３内には
磁石２が収容されているため、実際には破線１１ａのよ
うにではなく、磁石２の内周部と収容孔３との間の隙間
の形状に沿って膨出を生じ、この結果、鉄心１ａの収容
孔３の壁面が積層方向全域にわたって磁石２を押圧する
方向へ塑性変形し、収容孔３内において磁石２の固定が
なされる。
着された鉄心１ａの収容孔３に磁石２が挿入された後、
この鉄心１ａをプレスによって積層方向に再度加圧す
る。このときの加圧力は、鉄心１ａが積層固着される際
に打ち抜きプレス型内において受ける加圧力より大きな
値に設定されている。この結果、カシメクランプ部５ａ
の各凹凸部は互いに一層深くからみ合い、固着力が強固
なものとなる。同時に、このカシメクランプ部５ａは収
容孔３に近接して設けてあるので、上記再加圧によって
カシメクランプ部５ａの近傍の鉄心１ａは応力を受け、
図３に破線１１ａで示すように、収容孔３の壁面に膨出
を生じて前記応力を吸収しようとする。収容孔３内には
磁石２が収容されているため、実際には破線１１ａのよ
うにではなく、磁石２の内周部と収容孔３との間の隙間
の形状に沿って膨出を生じ、この結果、鉄心１ａの収容
孔３の壁面が積層方向全域にわたって磁石２を押圧する
方向へ塑性変形し、収容孔３内において磁石２の固定が
なされる。
【００１２】カシメクランプ部５ａは図２に示すように
略Ｖ字状の断面形状を有するものであるが、加圧してク
ランプされる際に前記Ｖ字をなす方向、即ち図１のＡ−
Ｂ線の方向へより大きく変形を生じる傾向にある。従っ
て、図１に示す回転子のように収容孔３の内周側にクラ
ンプ手段を設ける場合は、図示するように径方向にＶ字
をなすようにカシメクランプ部５ａを配置することによ
り、磁石２の固定が一層容易となる。このことは、後述
する図８に示すような凸部側が鉄心１ｆの中心方向を向
くように構成した収容孔３ｆを備えた回転子等におい
て、その収容孔３ｆの外周側にクランプ手段を設ける場
合も同様である。
略Ｖ字状の断面形状を有するものであるが、加圧してク
ランプされる際に前記Ｖ字をなす方向、即ち図１のＡ−
Ｂ線の方向へより大きく変形を生じる傾向にある。従っ
て、図１に示す回転子のように収容孔３の内周側にクラ
ンプ手段を設ける場合は、図示するように径方向にＶ字
をなすようにカシメクランプ部５ａを配置することによ
り、磁石２の固定が一層容易となる。このことは、後述
する図８に示すような凸部側が鉄心１ｆの中心方向を向
くように構成した収容孔３ｆを備えた回転子等におい
て、その収容孔３ｆの外周側にクランプ手段を設ける場
合も同様である。
【００１３】勿論、図４に示すカシメクランプ部５ｂの
ように、周方向にＶ字をなすように配置しても構わない
が、同一の加圧力ならば膨出しようとする量１１ｂは小
さなものとなる。一般に、収容孔の壁面が０．２乃至
０．３ｍｍ程度膨出するように設定しておけば、収容孔
への磁石の挿入がスムーズであり、且つカシメクランプ
部の加圧による磁石の固定も容易なものとなる。
ように、周方向にＶ字をなすように配置しても構わない
が、同一の加圧力ならば膨出しようとする量１１ｂは小
さなものとなる。一般に、収容孔の壁面が０．２乃至
０．３ｍｍ程度膨出するように設定しておけば、収容孔
への磁石の挿入がスムーズであり、且つカシメクランプ
部の加圧による磁石の固定も容易なものとなる。
【００１４】図１乃至４に示すカシメクランプ部５ａ，
５ｂは、一般にＶ型と称されるクランプ手段であるが、
鉄心のクランプ手段は種々存在し、本発明は、どのよう
なクランプ手段を用いた回転子に対しても適用できるも
のである。図５乃至７は、一般的なカシメクランプ部５
ｃ，５ｄ，５ｅを例示したものであり、図５及び図７に
示すものは切断線Ｃ−Ｄ及びＧ−Ｈの方向へ略Ｖ字状を
なしており、この方向を磁石に対向する方向として配置
するのが望ましい。
５ｂは、一般にＶ型と称されるクランプ手段であるが、
鉄心のクランプ手段は種々存在し、本発明は、どのよう
なクランプ手段を用いた回転子に対しても適用できるも
のである。図５乃至７は、一般的なカシメクランプ部５
ｃ，５ｄ，５ｅを例示したものであり、図５及び図７に
示すものは切断線Ｃ−Ｄ及びＧ−Ｈの方向へ略Ｖ字状を
なしており、この方向を磁石に対向する方向として配置
するのが望ましい。
【００１５】図８は、本発明による回転子の別の実施例
を示すものであり、収容孔３ｆの相互の周方向の間隙部
分にカシメクランプ部５ｆを設けたものである。このよ
うに構成することにより、加圧によってカシメクランプ
部５ｆは両側の磁石２ｆへ向けて鉄心１ｆを膨出させ、
この結果、各磁石２ｆは２点の押圧箇所によって固定さ
れ、図１に示したものと比較してより強固な固定がなさ
れるとともに、品質的にも安定したものが得られる。
を示すものであり、収容孔３ｆの相互の周方向の間隙部
分にカシメクランプ部５ｆを設けたものである。このよ
うに構成することにより、加圧によってカシメクランプ
部５ｆは両側の磁石２ｆへ向けて鉄心１ｆを膨出させ、
この結果、各磁石２ｆは２点の押圧箇所によって固定さ
れ、図１に示したものと比較してより強固な固定がなさ
れるとともに、品質的にも安定したものが得られる。
【００１６】一般にカシメクランプ部の数を増加させよ
うとすると、打ち抜きプレス型のコストが大幅に増加し
てしまうが、図８に示す構成とすれば、カシメクランプ
部の数を増すことなく、磁石を押圧固定する箇所を倍増
させることができる。また、図８の実施例の場合、円弧
状の磁石２ｆの凸部側を鉄心１ｆの中心側に向けて配置
した回転子を例示しているが、図１に示したような磁石
の凸部側を鉄心の外径側に向けて配置した回転子の場合
であっても、各収容孔３の相互の周方向の間隙部分にカ
シメクランプ部を設けてもよいことは勿論である。
うとすると、打ち抜きプレス型のコストが大幅に増加し
てしまうが、図８に示す構成とすれば、カシメクランプ
部の数を増すことなく、磁石を押圧固定する箇所を倍増
させることができる。また、図８の実施例の場合、円弧
状の磁石２ｆの凸部側を鉄心１ｆの中心側に向けて配置
した回転子を例示しているが、図１に示したような磁石
の凸部側を鉄心の外径側に向けて配置した回転子の場合
であっても、各収容孔３の相互の周方向の間隙部分にカ
シメクランプ部を設けてもよいことは勿論である。
【００１７】図９は、本発明による回転子のさらに別の
実施例を示すものであり、収容孔３に連接してカシメク
ランプ部５ｇを設けたものである。鉄心１ｇを構成する
各薄鉄板のカシメクランプ部５ｇは、打ち出し突起の切
り込みが収容孔３の壁面まで切り込まれているために、
収容孔３に磁石２を挿入した後、鉄心１ｇをプレスによ
って積層方向に再度加圧すると、カシメクランプ部５ｇ
の収容孔３の壁面に臨んだ部分が収容孔内へ突出して磁
石２を押圧し、収容孔３内に磁石２が固定されるもので
ある。このようなカシメクランプ部５ｇは、スペースさ
え存在すれば、収容孔３の周りのどの部分に設けてもよ
く、またその個数は複数であってもよい。
実施例を示すものであり、収容孔３に連接してカシメク
ランプ部５ｇを設けたものである。鉄心１ｇを構成する
各薄鉄板のカシメクランプ部５ｇは、打ち出し突起の切
り込みが収容孔３の壁面まで切り込まれているために、
収容孔３に磁石２を挿入した後、鉄心１ｇをプレスによ
って積層方向に再度加圧すると、カシメクランプ部５ｇ
の収容孔３の壁面に臨んだ部分が収容孔内へ突出して磁
石２を押圧し、収容孔３内に磁石２が固定されるもので
ある。このようなカシメクランプ部５ｇは、スペースさ
え存在すれば、収容孔３の周りのどの部分に設けてもよ
く、またその個数は複数であってもよい。
【００１８】
【発明の効果】本発明によれば、積層鉄心を加圧するこ
とによってクランプ手段近傍の収容孔の壁面が磁石の方
向に膨出してこれを押圧するため、非常に簡素な構成且
つ製造容易な方法によって磁石の固定が達成されるもの
である。またその際、収容孔の壁面は鉄心の積層方法全
域にわたって膨出するため、鉄心の膨出部と磁石との当
接部の面積が大きく形成され、さらに回転子の寸法精度
が損なわれたり端板が変形したりすることもなく、品質
的な信頼性に優れた回転子が構成できる。
とによってクランプ手段近傍の収容孔の壁面が磁石の方
向に膨出してこれを押圧するため、非常に簡素な構成且
つ製造容易な方法によって磁石の固定が達成されるもの
である。またその際、収容孔の壁面は鉄心の積層方法全
域にわたって膨出するため、鉄心の膨出部と磁石との当
接部の面積が大きく形成され、さらに回転子の寸法精度
が損なわれたり端板が変形したりすることもなく、品質
的な信頼性に優れた回転子が構成できる。
【００１９】また本発明においては、回転子の鉄心を打
ち抜きプレス型以外の工程で再度加圧するようにしたた
め、クランプ手段の凹凸部が互いに深くからみ合うこと
により薄鉄板相互の固着力が一層強化され、この結果、
クランプ力を保証するために打ち抜きプレス型内に特殊
な加圧手段等を設ける必要がなく、該プレス型が安価に
製作できる特長も有している。
ち抜きプレス型以外の工程で再度加圧するようにしたた
め、クランプ手段の凹凸部が互いに深くからみ合うこと
により薄鉄板相互の固着力が一層強化され、この結果、
クランプ力を保証するために打ち抜きプレス型内に特殊
な加圧手段等を設ける必要がなく、該プレス型が安価に
製作できる特長も有している。
【図１】本発明の実施例を示す回転子の平面断面図。
【図２】クランプ手段の一例を示し、図１のＡ−Ｂ線に
て切断した要部拡大断面図。
て切断した要部拡大断面図。
【図３】図１の要部拡大説明図。
【図４】本発明における図３と異なる実施例を示す要部
拡大説明図。
拡大説明図。
【図５】クランプ手段の一例を示し、（ａ）は平面図、
（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｄ線にて切断した断面図。
（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｄ線にて切断した断面図。
【図６】クランプ手段の一例を示し、（ａ）は平面図、
（ｂ）は（ａ）のＥ−Ｆ線にて切断した断面図。
（ｂ）は（ａ）のＥ−Ｆ線にて切断した断面図。
【図７】クランプ手段の一例を示し、（ａ）は平面図、
（ｂ）は（ａ）のＧ−Ｈ線にて切断した断面図。
（ｂ）は（ａ）のＧ−Ｈ線にて切断した断面図。
【図８】本発明における図１と異なる実施例を示す回転
子の平面断面図。
子の平面断面図。
【図９】本発明の回転子のさらに別の実施例を示し、
（ａ）は要部平面断面図、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｊ線に
て切断した要部拡大断面図。
（ａ）は要部平面断面図、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｊ線に
て切断した要部拡大断面図。
【図１０】従来例を示す回転子の平面断面図。
【図１１】従来例を示す回転子の正面断面図。
【図１２】図１０の要部拡大説明図。
１，１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｆ，１ｇ 鉄心 ２，２ｆ 磁石 ３，３ｆ 収容孔 ４ 端板 ５，５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｅ，５ｆ，５ｇ カシ
メクランプ部 ６ 軸孔
メクランプ部 ６ 軸孔
Claims (5)
- 【請求項１】 多数の薄鉄板を打ち抜いて、この薄鉄板
自体に設けた凹凸部よりなるクランプ手段によって前記
薄鉄板相互を加圧固着して積層鉄心を形成し、この積層
鉄心に設けた磁石を収容するための収容孔に磁石を挿入
して構成する磁石回転子において、前記クランプ手段
は、クランプ時の加圧によって前記収容孔の壁面が前記
磁石の方向に膨出するように前記収容孔に近接して設け
たことを特徴とする磁石回転子。 - 【請求項２】 前記収容孔の内周側もしくは外周側に略
Ｖ字状の断面形状を有するクランプ手段を設けるととも
に、このクランプ手段が径方向にＶ字をなすように配置
したことを特徴とする請求項１に記載の磁石回転子。 - 【請求項３】 前記収容孔相互の周方向の間隙部分に略
Ｖ字状の断面形状を有するクランプ手段を設けるととも
に、このクランプ手段が周方向にＶ字をなすように配置
したことを特徴とする請求項１に記載の磁石回転子。 - 【請求項４】 多数の薄鉄板を打ち抜いて、この薄鉄板
自体に設けた凹凸部よりなるクランプ手段によって前記
薄鉄板相互を加圧固着して積層鉄心を形成し、この積層
鉄心に設けた磁石を収容するための収容孔に磁石を挿入
して構成する磁石回転子において、前記クランプ手段は
前記収容孔に連接して設けたことを特徴とする磁石回転
子。 - 【請求項５】 多数の薄鉄板を打ち抜いて、この薄鉄板
自体に設けた凹凸部よりなるクランプ手段によって前記
薄鉄板相互を加圧固着して積層鉄心を形成し、この積層
鉄心に設けた磁石を収容するための収容孔に磁石を挿入
して構成する磁石回転子の製造方法において、前記収容
孔に前記磁石を挿入した後に、前記積層鉄心を再度加圧
することを特徴とする磁石回転子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7224480A JPH0946946A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁石回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7224480A JPH0946946A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁石回転子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0946946A true JPH0946946A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16814463
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7224480A Pending JPH0946946A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁石回転子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0946946A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH1198732A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-09 | Aisin Aw Co Ltd | 永久磁石式モータ |
| US7002276B2 (en) | 2000-11-11 | 2006-02-21 | Robert Bosch Gmbh | Armature with coated laminate bundle |
| JP2007159196A (ja) * | 2005-12-01 | 2007-06-21 | Aichi Elec Co | 永久磁石回転機及び圧縮機 |
| JP2010063240A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Mitsui High Tec Inc | 永久磁石型積層鉄心及びその製造方法 |
| JP2012191750A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Daikin Ind Ltd | 永久磁石回転子およびその製造方法 |
| JP2013109814A (ja) * | 2011-11-17 | 2013-06-06 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | スピンドルモータ用プリングプレート（ｐｕｌｌｉｎｇｐｌａｔｅ）及びこれを備えるスピンドルモータ |
| JP2021035175A (ja) * | 2019-08-26 | 2021-03-01 | 株式会社デンソー | 埋込磁石型ロータ |
| WO2024070043A1 (ja) * | 2022-09-28 | 2024-04-04 | ニデック株式会社 | ロータの製造方法、ロータおよび前記ロータを有するｉｐｍモータ |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP7224480A patent/JPH0946946A/ja active Pending
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| US8946950B2 (en) | 2011-11-17 | 2015-02-03 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Pulling plate for spindle motor and spindle motor having the same |
| JP2021035175A (ja) * | 2019-08-26 | 2021-03-01 | 株式会社デンソー | 埋込磁石型ロータ |
| WO2024070043A1 (ja) * | 2022-09-28 | 2024-04-04 | ニデック株式会社 | ロータの製造方法、ロータおよび前記ロータを有するｉｐｍモータ |
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