JPH094669A - 電気レオロジー流体を使用した振動減衰装置 - Google Patents

電気レオロジー流体を使用した振動減衰装置

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JPH094669A
JPH094669A JP8174392A JP17439296A JPH094669A JP H094669 A JPH094669 A JP H094669A JP 8174392 A JP8174392 A JP 8174392A JP 17439296 A JP17439296 A JP 17439296A JP H094669 A JPH094669 A JP H094669A
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fluid
damping device
chamber
damper
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Ei Ueitsuenhofu Deibitsudo
デイビツド・エイ・ウエイツエンホフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰特性を犠牲にすることなしに、装置の複
雑性を減らす。 【解決手段】 間隔を空けられた複数の金属電極が外側
ハウジングの内面に取り付けられ、このハウジングと電
気的に絶縁され、かつ流体移動ダクトと連携してダクト
を横切って電圧を加え、ダクトを通って流れている電気
レオロジー(ER)流体の粘性に影響を与え、車両の減
衰力を増加させる。ある種の電極バンドには、円周方向
で間隔を空けられ長手方向に伸びている複数のスプライ
ン及び介在の溝が形成され、これらの溝は流体移動ダク
トに隣接して取り付けられた絶縁スリーブに形成された
スプライン及び溝に揃う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用又はその他の設
備用の懸架手段に取り付けられ減衰能力を発揮する振動
減衰装置に関する。特に、本発明は制動媒体として電気
レオロジー(electrorheological)
(ER)流体を使用し、かつ間隔を空けた複数の電極バ
ンドを有する減衰装置であって構造が比較的簡単、組立
が容易で、更に装置の減衰特性の変化のために中に収容
されているER流体に電圧を与えることが容易な振動減
衰装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】道路の衝撃により生じた振動
の弱化により、及び油圧式ショックアブゾーバー又は高
圧ガス式減衰装置の組込みによるタイヤから車両フレー
ムへの通過の抑制により、管理された応答を提供するよ
うに車両の懸架システムに加わる振動力を小さくさせる
ことが、相当長期にわたり振動減衰装置において利用さ
れきた。
【0003】これらの従来の油圧式及び高圧ガス式の減
衰装置は満足であることが確かめられているが、減衰装
置の室内で電気レオロジー的又は電気粘性的な流体を使
用する最近の開発が進められている。これにおいては、
液体は、通常は絞られた流路内に取り付けられた1個又
は複数個の電極と接触し、この電極の寸法及び液体に加
えられる電圧に依存して液体の粘度が変化し、減衰装置
は、高圧ガス式又は油圧式のショックアブゾーバーによ
って得られるよりも広範囲の性能特性を持つことができ
る。
【0004】電気レオロジー流体を収容している膨張可
能な液体室を使用する振動抑止装置の例が米国特許第4
973031号、第4858733号に示され、この特
許は、閉鎖室内に収容された電気粘性液体と組み合わせ
た電極を使用する別の減衰装置を明らかにする。液体
は、絞られた流路内を動くことができ、この流路を通っ
て電気粘性液体が通過するときにこれに電圧を加え、そ
の粘度を変化させて種々の減衰効果を達成する。その他
の種々の形式のER振動減衰装置は、米国特許第518
0145号に示されたように、ER流体を収容するため
に弾性体の部材又はスリーブを使用する。これらの装置
は満足ではあるが、スリーブが膨張し応答時間及び利用
し得る最大力に影響を与えるため、減衰に利用可能な内
圧の大きさが限定される。
【0005】このため、より高い内部圧力とより迅速な
応答時間とが得られるように金属製の強固な流体室がE
R流体と共に使用されている。米国特許第481977
2号及び第5259487号は、本発明の振動減衰装置
に最も近い従来技術であると信じられる。これら両特許
の減衰装置は、強固なハウジング内に容れられたER流
体を使用し、室形成用部材として弾性体のスリーブ又は
ベローズを使用したERダンパーで得られるとは信じら
れない大きな圧力及び迅速な応答時間を提供する。
【0006】しかし、これら従来技術の減衰装置は、E
R流体が通過する絞られたオリフィス又はダクトに電圧
を加えるために必要な電気絶縁を達成し、かつ電極に電
圧を加える電線のER流体室への通路が必要であるた
め、両者ともその構造に多くの部品よりなる複雑な構造
が必要である。同様に、外部ハウジングは、一方の端部
において、間隔を空けた車両構成部品の一つに連結さ
れ、従ってこれに加わる種々の荷重及び力を支持するに
十分な強度を持つべきであり、外側本体又はハウジング
は強固な金属のものでなければならない。振動減衰装置
を車両に取り付けるために、ピストンロッドの外側端部
は離れた別の車両構成部品に連結される。
【0007】ER流体を使用する従来の公知技術のダン
パーの総ては、ER流体と連絡する単一の連続電極を使
用する。ダンパー内で間隔を空けて複数の電極を設ける
ことにより、ほぼ同じ電流と電圧を有する連続電極より
も、同じ相当電極長でより大きな減衰力を作り得ること
が見出だされている。
【0008】そこで、ER流体を使用し、より簡単な構
造であり、車両の間隔を空けられた構造的な構成要素間
に取り付けられたときの種々の荷重と力に耐えることが
でき、更に減衰装置内に収容された複数の間隔を空けら
れた電極に現在のER流体式ダンパーよりも容易な方法
で電圧を加え得る改良された振動減衰装置に対する要求
がある。
【0009】本発明の目的は、得られる減衰特性を犠牲
にすることなくダンパーの複雑性を減らすことにより、
従来技術のダンパーの前述の諸問題を解決するER流体
使用の改良された減衰装置を提供することである。
【0010】本発明の更なる目的は、電気レオロジー的
な流体又は電気粘性流体と共に使用されたとき、種々の
減衰特性を達成するためにオリフィス及び組み合わせら
れた電極を種々の形状になし得る減衰装置を提供するこ
とである。
【0011】本発明の別の目的は、ER流体を使用した
従来のダンパーよりもかなり簡単な構造のものであり、
かつ車両の懸架システムの間隔を空けられた構成要素間
に取り付けられたときにこれに加わる種々の荷重及び力
に耐え得る減衰装置を提供することである。
【0012】本発明の更なる目的は、ER流体に電圧を
与えるための電極が、電線の通過を無くすためにER流
体の外部に取り付けられ、ER流体を使用した従来のダ
ンパーにおけるようにER流体を通して電極に電圧を供
給することのない減衰装置を提供することである。
【0013】本発明のなお別の目的は、ER流体内のキ
ャビテーション及び気泡の形成を防ぐために、ダンパー
内に圧力ガス容器を組み込み、これにより流体内の電気
火花の発生を防ぐ減衰装置を提供することである。
【0014】本発明の更に別の目的は、外側ハウジング
が絶縁材料で形成され、内側ハウジングは金属で形成さ
れたピストン室を形成し、これにより、使用されるシリ
ンダーの直径をより小さくでき、更に電極を除いたダン
パーの総ての金属構成部品を接地することができ、電気
の短絡又はスパークの危険を減らすダンパーを提供する
ことである。
【0015】本発明の別の目的は、電極が流体ダクトに
沿って間隔を空けられかつ絶縁材料のバンドにより互い
に分離された複数の個別的電極バンドであって、連続電
極において使用されるとほぼ同じ大きさの電流で、電極
の総延長が同じ連続電極によるよりも大きな減衰力を提
供するために,単一の電圧源が総ての電極バンドに同時
に給電でき、又は各電極バンドがこれに印加される自分
自身の電圧源を持つことができるダンパーを提供するこ
とである。
【0016】本発明の更に別の目的は、修理のために容
易に組立、分解ができ、更に装置の一体性を犠牲にする
ことなく製造が容易な減衰装置を提供することである。
【0017】本発明の別の目的は、低いピストン速度に
おいてより大きなERゲインとER効果とを提供し、か
つピストンの高速時においては従来のERダンパーより
も流れのドローンが低く、必要ならばピストンの高速時
においてより高い電場を使用できる減衰装置を提供する
ことである。
【0018】本発明の更なる目的は、頑丈で小型で比較
的軽量で設計が簡単なものであって、簡単かつ効果的な
方法で以上の諸目的を達成する改良された減衰装置を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】これらの目的及び利点は
本発明の振動減衰装置により得られ、この装置の一般的
性質は、ピストン室を形成している円筒状の内側ハウジ
ング、ピストン室内で軸方向に動き得るピストンであっ
て前記室を2個の分離した流体室に分割している前記ピ
ストン、内側ハウジングの少なくも一部分を囲んでいる
外側ハウジング、内側ハウジングと外側ハウジングとの
間に形成され更にピストン室を囲みかつピストンの両側
の流体室間の連通を与える環状流体移動ダクト、流体室
は電気レオロジー(ER)流体で満たされ、ダクト手段
を通過しているER流体の流れの抵抗を大きくするよう
にダクト手段の諸部分を横切る電場を作るための間隔を
空けられた複数の電極バンド、一方の端部においてピス
トンに連結されかつ減衰装置の第1の端部より先に伸び
るピストンロッド、ピストンの他方の端部は第1の支持
構造に連結されるようにされている状態であり、及び減
衰装置の第2の端部を第1の構造から間隔を空けられた
第2の構造に連結するために減衰装置の第2の端部に取
り付けられた連結手段を備えた振動減衰装置と言うこと
ができる。
【0020】
【実施例】本原理の適用を試みた最良のモードを示す本
発明の好ましい実施例が以下説明され図示され、更に特
許請求の範囲に特に明確に指摘される。
【0021】図面全体を通じて同様な番号が同様な部分
に付けられる。
【0022】改良された振動減衰装置の第1の実施例、
好ましくは車両の懸架装置に組み込まれるようにされた
形式のものが、全体として1で示され、図1−4に図示
される。装置1は、内側円筒面4と外側円筒面5のある
円筒体3を有する強固な金属で形成された内側ハウジン
グ2を備える。円筒体3は一方の端部6において開口
し、他方の端部は壁7により閉鎖される。
【0023】円筒体3の内側円筒面4は、良好な耐摩耗
性、良好な衝撃特性及び低摩擦性を有する無電解ニッケ
ル、クロムめっき300シリーズステンレス鋼、セラミ
ックスなどのような材料で被覆されることが好ましい。
【0024】円筒体3内に形成されたピストン室11内
にピストン10が摺動可能に取り付けられ、そしてこの
ピストンはこれに取り付けられたピストンロッド12を
持つ。ロッド12は、端部閉鎖リング14に形成された
相補的形状の開口13を通って伸びる。リング14は円
筒体3の開口端部6内に取り付けられ、そして外側Oリ
ング15と内側Oリング16とによりこれと気密に組み
合わせられる。ピストンロッド12は端部キャップ18
に形成された同様に相補的形状の開口17を通って伸び
る。図1に示されるように、ピストンロッドを車両の構
成要素に固定するためにピストンロッド12の外側端部
には連結具20が取り付けられる。車両が道路の大きな
穴や突起に遭遇したときの振動ダンパー1の破損を防ぐ
ために、これに加わる苛酷な力を吸収するように、連結
具20に隣接してピストンロッド12に通常の緩衝器2
1が取り付けられる。
【0025】ダンパー1は、一般に25で示される外側
ハウジングを更に備え、これは、図1−4の実施例にお
いては種々の形式の高張力プラスチック材料のような絶
縁材料で形成される。ハウジング25は、内側端部26
aと27aとにおいて軸方向に差込み式に摺動可能に連
結され更に1対のOリング28により液体が漏れないよ
うにされた2個の円筒状部分26と27とで形成される
ことが好ましい。
【0026】円筒状部分27の外側端部はクリップリン
グ29により内側ハウジング2上の定位置に固定され、
そして1対の間隔をおいたOリング30によりハウジン
グ2の外面と気密に組み合わせられる。円筒状部分26
の外側端部もまた1対の間隔をおいたOリング31によ
り内側ハウジング2の外面と気密に組み合わせられる。
外側ハウジング25の円筒状部分26と27とは、内側
ハウジング2に摺動可能に取り付けられ組み立てられ、
そして調整ねじリング33により調整された位置に固定
される。リング33は円筒状ハウジング部分26の外側
端部における雌ねじ部分34とねじで組み合わせられ
る。ねじリング33はクリップリング35により定位置
に保持される。
【0027】図2に示されるように、内外のハウジング
間に円筒状の流体移動ダクト37を形成するために、内
側ハウジング2の外径は外側ハウジング25の内径、特
に円筒状部分26と27の内径より小さい。このダクト
は一般に外側ハウジング25の軸方向長さの全体にわた
って伸びる。ピストン10は室11を1対の流体室38
と39とに分割し、これらの室は、ハウジング2の円筒
体3に形成された複数の細長いスロット40により移動
ダクト37と連通する。従って、図2に示されるよう
に、ピストン10が室11内で動くと、この室11内に
収容されていた電気レオロジー(ER)流体は開口40
を通り両流体室間の移動ダクト37に沿って流れ、ピス
トンを運動方向で制動する。ピストン室11と移動ダク
ト37とをER流体で満たすために、外側ハウジング2
5には穴42が設けられ流体移動ダクト37と連通す
る。ダンパー1をER流体で満たした後で、穴42はね
じ栓43により封鎖される。
【0028】内側ハウジング2の一方の端部に圧力室4
5が形成され、これは、Oリング47により室11から
の流体の漏洩のないようにシールされ軸方向に可動に取
り付けられたピストン又は仕切り壁46によりピストン
室11から分離される。室45は加圧された圧縮性ガス
により満たされるであろう。室11内でピストン10が
動くと、壁46が室45から離れるように動き、ピスト
ンロッド12の室への出入運動により生ずる室11内の
体積の変化を補償する。壁46のこの運動が、ER流体
を一般に一定圧力に維持し気泡の形成またはキャビテー
ションを防ぐ。キャビテーションは、以下説明されるよ
うに、ER流体に電圧が加えられたときに電気火花又は
短絡を起こさせる。室内に加圧ガスを供給するために弁
48が圧力室45と連通する。
【0029】ピストンロッド連結具20を取り付けた車
両の部分から離れた車両の別の部分にダンパーを取り付
けるために、連結具49が内側ハウジング2の端部閉鎖
壁7に溶接により確りと固定される。所望の減衰特性の
達成を支援するために、車両とダンパーとに加わる小振
動の吸収を助けるように、連結具49内にエラストマー
のハウジング50を取り付けることが好ましい。
【0030】本発明の主な特徴の一つにより、一般に5
2で示された電極が、外側ハウジング25の円筒状部分
26内に形成された環状の凹所53内に取り付けられ
る。電極52は、52a、52b、及び52cで示され
た複数の個別的な環状金属電極バンドにより形成され
る。これらバンドは凹所53内に座り、絶縁材料の2個
の環状バンド64と65とにより分離される。電極バン
ド52aと52cとは、好ましくは円錐状の外側端部5
4を有し、それぞれ外側ハウジング25の円筒状部分2
6及び27の内面55及び56に移行するときの滑らか
なテーパーを与える。各電極バンドは複数のOリング5
7により凹所53内に気密に取り付けられ、更に調整ね
じリング33により円筒状部分26が部分27に向かっ
て進められたとき、外側ハウジングの円筒状部分27の
内側の縁58により凹所内に把持される(図2)。電圧
は電気コネクター60a、60b及び60cにより各電
極バンドに印加される。これらコネクターは、外側ハウ
ジング25に形成された相補的な形状の開口61を通っ
て伸び、電線62により電源に接続される。
【0031】室11内でピストンが動くときに、ある限
定された量のER流体が室38と39との間を通過でき
るように、ピストン10に複数のブリード穴(図示せ
ず)を形成することができる。希望するならば、ピスト
ンの運動中、流体の1方向のみの流れを許すようにピス
トン10に1方向逆止弁を設けることも可能である。
【0032】振動ダンパー1の機能は図2に最もよく示
される。車両が路面の穴又は突起に遭遇すると、ピスト
ンは室11内で動き、ER流体を一方の室から流体移動
ダクト37を経て他方の室に強制する。ER流体ダンパ
ー技術において良く知られているように、電圧が加えら
れた電極バンド52a−52cに隣接したダクト37の
狭い部分を通過するとき、ER流体の粘度は、各電極バ
ンドに印加された電圧の大きさ、及び絞られた通路幅に
依存して変化し、ダンパーの減衰特性に影響を与えるで
あろう。
【0033】達成すべき希望の減衰特性に応じて個々の
電極バンドに同じ電圧又は異なった電圧を与えることが
できる。3個の個別電極バンドと同じ有効電極面積を有
する単一の連続電極を同じ電圧と電流で使用して得られ
た値よりも、間隔を空けられた個別電極の使用が移動ダ
クトを通るER流体の流れに対してより大きな減衰と抵
抗とを与えることが見いだされた。
【0034】強固な金属で形成された内側ハウジング及
びピストンロッド12が、離れた位置において車両に取
り付けられ、重量を支持し、そしてダンパーに加わる振
動力を吸収する。外側ハウジング25は、従来技術のE
R振動ダンパーの外側ハウジング又はシンリンダーがそ
うであるように力及び荷重を減衰させることは少しも必
要でないため、絶縁性で軽量の、好ましくはプラスチッ
ク材料でこれを形成することができる。内側の金属ハウ
ジング2は接地され、電極52だけが帯電され、この電
極は絶縁ハウジング内に完全に収容される。外部の電気
接続は、コネクター60a、60b及び60c、並びに
電線62のみである。従って、総ての帯電した構成要素
は、車両の個々の構成要素及び/又は周囲の構成要素と
接触する可能性が実質的にない。同様に、上に説明され
図2に示されるように、ダンパー1を形成するにはごく
少数の構成要素しか必要でなく、これらは、内側金属ハ
ウジング上に外側ハウジングの円筒状部分を滑らせ適合
させて連結し、ねじリング33の調整により電極52を
把持しかつ組み合わせることにより、容易に組み立てら
れる。
【0035】本発明による振動減衰装置の第2の実施例
が一般に70で示され、図5に図示される。ダンパー7
0は、外側ハウジング71がダンパー1の外側ハウジン
グ25の絶縁材料とは異なり金属で形成される点を除い
て大部分はダンパー1と同様である。外側ハウジング7
1を金属で作れるように、凹所53内に環状の絶縁スリ
ーブ72が座り、更に移動ダクト37を通って流れるE
R流体がハウジング71の先で漏れること防ぐために複
数のOリング73及び74によりシールされる。電気コ
ネクター60a、60b及び60cも、絶縁スリーブ7
5により金属ハウジング71から絶縁されるであろう。
その他の構成要素及びダンパー70の作動方法はダンパ
ー1に関して先に説明されたものと同じである。
【0036】本発明の第3の実施例が80で示され、図
7に図示される。ダンパー80は、電極が凹所53の全
長を完全に伸びかつその内部に完全に座る連続円筒状要
素81より形成されることを除いて上述のダンパー1及
び70と一般に同様である。電極81はダンパー1の電
極52の端部54と同様な円錐状の端部を持たず、ダン
パー1及び70の電極52により与えれたような絞り部
分が少しもなくその長手方向の全長にわたり移動ダクト
85に連続した均一の幅を与える。
【0037】円筒状部材81には、2個が図示された複
数の環状凹所82が形成され、流体移動ダクト85に沿
って間隔を空けられた3個の電極81a、81b及び8
1cを形成する絶縁材料の環状バンド83がこの凹所内
に座る。単一の電気コネクター60が外側ハウジング2
5の穴を通って伸び、電極81に電圧を供給し、この電
圧が個別電極81a、81b及び81cに加えられる。
【0038】本発明の振動減衰装置の第4の実施例が一
般に90で示され、図9に図示される。実施例70の絶
縁スリーブ72が実施例90においては溝付き又はスプ
ライン付きのスリーブ91で置き換えれることを除い
て、ダンパー90は、図5に示されかつ上に説明された
ダンパー70と多くの点で同様である。スリーブ91は
絶縁材料で形成され、更に介在の溝93により分離され
円周方向で間隔を空けられ軸方向に伸びている複数のス
プライン92を持つ(図10及び11)。スプライン9
2及び93は、好ましくはスリーブ91の全長に連続し
て伸び、そしてスリーブ91と内側円筒体3との間に流
体移動ダクト94が形成される。
【0039】複数の環状凹所95が円筒状スリーブ91
に形成され、これらは内部に複数の電極バンド96を受
け入れるようにスリーブに沿って長手方向で間隔を空け
られる。各電極バンド96には、介在の溝98により分
離され円周方向で間隔を空けられ長手方向に伸びている
複数のスプライン97が形成される(図10及び1
1)。電極96のスプライン97と絶縁スリーブ91の
スプライン92、及び溝98と溝93とは軸方向で揃え
られる。そこで、溝93と98の底は、スプライン92
と97のそれぞれの内側円弧面99と100とがそうで
あるように、共通の長手方向の線上にある。これによ
り、絞られたダクト領域が少しもなく完全にスリーブ9
1の全長を通る流体移動ダクト94のための一様断面積
の連続流路が与えられる。電気コネクター60a、60
b及び60cは,ダンパー70に関して前述されたよう
に、絶縁スリーブ75により外側金属ハウジング71か
ら絶縁される。
【0040】ダンパー90のその他の構成要素は、ダン
パー70に関して上述されたと同様であり、従って更に
詳細には説明されない。
【0041】電極バンドのスプライン及び溝は、ダンパ
ー1及び80の外側ハウジング25に直接形成された相
補的なスプライン及び溝と整列し、本発明の理念に影響
を与えることなく同じ結果を達成し得ることも容易に理
解される。
【0042】まとめれば、種々の実施例は、ER流体を
使用する振動減衰装置を提供し、この装置は構造が比較
的簡単で、組立と車両への取付けとが容易なものであ
り、更に流体移動ダクトを種々の形状にすることができ
る。本発明の別の利点は、電極への電気接続が従来のE
RダンパーにおけるようにER流体内を通過せず、更に
電極バンドだけを1個又は複数の電圧源に接続すること
だけが要求されることである。金属で形成される内側ハ
ウジングは接地され、かつ外側ハウジングは絶縁材料で
これを形成でき、内部に置かれ電気的に絶縁された電極
を外部の電圧供給源に接続するためには電気コネクター
の外側ハウジングの通過だけしか要求されないので、印
加電圧の火花放電又は回路の短絡による機能不全の恐れ
の少ないダンパーを提供できる。
【0043】更に、電極は流体移動ダクトに沿って間隔
を空けて設けられた複数の個別電極バンドを有し、これ
は、個別電極の電流が単一の連続電極において必要とさ
れるものとほぼ同じ場合、電極の長さが個別電極の合計
長さと等しい連続電極よりも大きな制動力を作る。
【0044】試験結果より、間隔を空けられた不連続又
は個別的な複数の電極は、同じ総表面長さを有する単一
の連続電極により得られるよりも、低ピストン速度にお
いて、より大きなERゲイン及びER効果を提供するこ
とが示された。同様に、高ピストン速度における流れの
ドローンが小さく、必要ならば、高ピストン速度におけ
るより高い電場の利用が可能である。
【0045】従って、本発明の振動減衰装置は、簡単化
され、多くの目的の総てを達成する効果的、安全、低費
用でかつ効率的な装置を提供し、従来装置で遭遇した難
点をなくし、更に本技術における問題点を解決しかつ新
たな結果を得た。
【0046】以上の説明においては、簡明、明確及び理
解のために幾つかの用語が使用されたが、かかる用語は
説明のために使用されたものであり広く解釈すべきもの
であり、従来技術の要求以上の不必要な制限をこれらに
加えるべきではない。
【0047】更に、本発明の説明及び図面は例示のもの
であり、本発明の限界は図示され説明された詳細そのも
のには限定されない。
【0048】本発明の特徴、新知見及び原理の説明にあ
たり、この改良された振動減衰装置の構成方法と使用方
法、構造の特徴、及び新規かつ有用な構造、装置、要
素、配列、部品及び組合せが実施態様において述べられ
る。
【0049】本発明の実施態様は次の通りである。
【0050】1.ピストン室を形成している円筒状の内
側ハウジング、ピストン室内で軸方向に動き得るピスト
ンであって、前記室を2個の分離した流体室に分割して
いるピストン、内側ハウジングの少なくも一部分を囲ん
でいる外側ハウジング、前記内側ハウジングと前記外側
ハウジングとの間に形成され、前記ピストン室を囲みか
つ前記ピストンの両側の前記流体室間の連通を与える環
状流体移動ダクトであって、前記流体室は電気レオロジ
ー(ER)流体で満たされるようになっている環状流体
移動ダクト、ダクト手段を通過しているER流体の流れ
の抵抗を大きくするようにダクト手段の諸部分を横切る
電場を加えるための間隔を空けられた複数の電極バン
ド、一方の端部においてピストンに連結されかつ減衰装
置の第1の端部より先に伸びるピストンロッドであっ
て、前記ピストンの他方の端部は第1の支持構造に連結
されるようになっているピストンロッド、及び前記装置
の第2の端部を第1の構造から間隔を空けられた第2の
構造に連結するために減衰装置の第2の端部に取り付け
られた連結手段を備えた振動減衰装置。
【0051】2.内側ハウジングが金属で形成され、そ
して連結手段が内側金属ハウジングの端部に取り付けら
れ、これにより前記減衰装置上の荷重が前記内側ハウジ
ング及びピストンロッドにより支持される実施態様1に
定められた振動減衰装置。
【0052】3.電極バンドが金属の環状バンドであり
外側ハウジングに取り付けられかつダクト手段と連携
し、更に電気接続手段が外側ハウジングを通って伸びか
つ前記環状バンドに電気接続され前記バンドに電圧を加
える実施態様2に定められた振動減衰装置。
【0053】4.外側ハウジングが絶縁材料より形成さ
れる実施態様3に定められた振動減衰装置。
【0054】5.外側ハウジングが金属で形成され、そ
して前記バンドを外側ハウジングより電気絶縁するため
に金属バンドと前記外側ハウジングとの間に絶縁材料が
取り付けられる実施態様3に定められた振動減衰装置。
【0055】6.外側ハウジングが第1及び第2の円筒
状部分を有し、環状金属バンドが中に座る環状の凹所が
前記部分の少なくも一方に形成され、絶縁材料のバンド
が隣り合った接環状金属バンド間で前記環状凹所内に座
り、そして前記第1と第2の部分を軸方向で互いに連結
するため及び前記環状金属バンドと絶縁材料のバンドと
を前記凹所内で固定するために減衰装置が更に組立用手
段を備える実施態様3に定められた振動減衰装置。
【0056】7.外側ハウジングの第1の部分と第2の
部分とが軸方向で連結され、そして組立用手段が1対の
端部保持用部材及び介在調節ねじリングを備える実施態
様6に定められた振動減衰装置。
【0057】8.環状凹所が外側ハウジングの円筒内面
に形成され、更に環状金属バンドが前記環状凹所内に座
りかつ流体移動ダクトと連通する環状面を有する実施態
様3に定められた振動減衰装置。
【0058】9.流体移動ダクト手段の実質的に全長に
わたり、外側ハウジングの円筒内面と内側ハウジングの
円筒外面との間に一定の間隔を提供するように金属バン
ドの環状面が外側ハウジングの円筒内面と一致する実施
態様8に定められた振動減衰装置。
【0059】10.金属バンドの環状面が外側ハウジン
グの円筒内面より先に伸び、そして流体移動ダクトにお
ける小さくされた流路面積を与える実施態様8に定めら
れた振動減衰装置。
【0060】11.電極バンドが、間隔を空けられた複
数の凹所の形成された円筒状金属部材の間隔を空けられ
た環状部分であり、そして絶縁材料のバンドが前記円筒
状部材の間隔を空けられた凹所の各に座る実施態様2に
定められた振動減衰装置。
【0061】12.円筒状金属部材が円錐状の端部を有
し、この端部が外側ハウジングの円筒内面内に移行する
実施態様11に定められた振動減衰装置。
【0062】13.内側ハウジングの第2の端部に隣接
して前記ハウジング内に圧力ガス容器が取り付けられる
実施態様1に定められた振動減衰装置。
【0063】14.ガス容器を流体室から分離するため
に内側ハウジング内に取り付けられた可動の仕切り手段
を備える実施態様13に定められた振動減衰装置。
【0064】15.電極バンドの少なくも1個に、円周
方向で間隔を空けられた複数のスプライン、及び流体ダ
クト手段の少なくも一部分にわたり長手方向に伸びてい
る介在の溝が形成される実施態様1に定められた振動減
衰装置。
【0065】16.流体ダクト手段の断面積が前記1個
の電極バンドの全長にわたり一定である実施態様15に
定められた振動減衰装置。
【0066】17.外側ハウジングが金属で形成され、
内側ハウジングと外側ハウジングとの間に絶縁材料のス
リーブが取り付けられ、そして前記バンドに電圧を加え
るために電気接続手段が外側ハウジングと絶縁スリーブ
とを通して伸びかつ電極バンドに電気的に接続される実
施態様15に定められた振動減衰装置。
【0067】18.円周方向で間隔を空けられ長手方向
に伸びる複数のスプライン及び溝が絶縁スリーブに形成
されかつ前記1個の電極バンドのスプライン及び溝に揃
う実施態様17に定められた振動減衰装置。
【0068】19.絶縁スリーブに複数の環状凹所が形
成され、前記凹所内に電極バンドが座る実施態様18に
定められた振動減衰装置。
【0069】20.流体移動ダクトの断面積が電極バン
ド及び絶縁スリーブのスプライン及び溝の長さにわたり
一定である実施態様18に定められた振動減衰装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動減衰装置の側面図である。
【図2】図1の振動減衰装置の長手方向の拡大分解図で
ある。
【図3】図2の線3−3において得られた断面図であ
る。
【図4】図2の線4−4において得られた断面図であ
る。
【図5】本発明の振動減衰装置の第2の実施例の図2と
同様な長手方向の分解断面図である。
【図6】図5の線6−6において得られた断面図であ
る。
【図7】振動減衰装置の第2の実施例を示す図2及び5
と同様な長手方向断面図である。
【図8】図7の線8−8において得られた断面図であ
る。
【図9】本発明の振動減衰装置の第4の実施例の図2、
5.及び7と同様な長手方向の分解断面図である。
【図10】図9の線10−10において得られた断面図
である。
【図11】図9の線11−11において得られた断面図
である。
【符号の説明】
1 減衰装置 3 円筒体 4 内側円筒面 5 外側円筒面 6 端部 7 壁 10 ピストン 11 ピストン室 12 ピストンロッド 25 ハウジング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン室を形成している円筒状の内側
    ハウジング、 ピストン室内で軸方向に動き得るピストンであって、前
    記室を2個の分離した流体室に分割しているピストン、 内側ハウジングの少なくも一部分を囲んでいる外側ハウ
    ジング、 前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとの間に形成
    され、前記ピストン室を囲みかつ前記ピストンの両側の
    前記流体室間の連通を与える環状流体移動ダクトであっ
    て、前記流体室は電気レオロジー(ER)流体で満たさ
    れるようになっている環状流体移動ダクト、 ダクト手段を通過しているER流体の流れの抵抗を大き
    くするようにダクト手段の諸部分を横切る電場を加える
    ための間隔を空けられた複数の電極バンド、 一方の端部においてピストンに連結されかつ減衰装置の
    第1の端部より先に伸びるピストンロッドであって、前
    記ピストンの他方の端部は第1の支持構造に連結される
    ようになっているピストンロッド、及び前記装置の第2
    の端部を第1の構造から間隔を空けられた第2の構造に
    連結するために減衰装置の第2の端部に取り付けられた
    連結手段を備えた振動減衰装置。
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