JPH0945851A - 樹脂封止型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
樹脂封止型半導体装置およびその製造方法Info
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Abstract
にパワー半導体素子2、制御用集積回路素子3を搭載
し、金属細線4で結線し、さらに樹脂ケース5に収容し
て、エポキシ樹脂などの封止樹脂6で封止したものであ
って、放熱板8への取り付けは、樹脂ケース5の端部に
設けた取り付け部9の取り付け用穴10にボルト11を
用いて行なう。ここで取り付け部9は樹脂ケース5と一
体で形成されているものであるが、取り付け部9付近に
あらかじめ図面下方向へ反りを与えておく。この反りに
より、熱応力によって発生した取り付け部9の図面上方
向に発生する反りが相殺され、樹脂ケース5と封止樹脂
6との間の剥離の発生を防止することができる。
Description
用集積回路素子等を内蔵したインテリジェントパワーモ
ジュールと呼ばれるモーター制御に利用される樹脂封止
型半導体装置、特にその樹脂封止型半導体装置内を放熱
板に取り付けるのに適した構造の樹脂封止型半導体装
置、およびその製造方法に関するものである。
示すように、金属基板1上にパワー半導体素子2、制御
用集積回路素子3を搭載し、金属細線4で結線したもの
を樹脂ケース5に収容し、封止樹脂6で封止したもので
あり、外部接続用に外部端子7が封止樹脂の外部に突出
して設けられたものであった。そして樹脂封止型半導体
装置の放熱板8への取り付けは、前記樹脂ケース5の端
部に設けた取り付け部9の取り付け用穴10にボルト1
1(またはビス)などを用いて行なっていた。また樹脂
封止型半導体装置と放熱板8との間隙を放熱用グリス1
2で埋めていた。
半導体素子や制御用集積回路素子を搭載した金属基板を
樹脂ケースを用いて包囲した樹脂封止型半導体装置にお
いては、樹脂封止型半導体装置をボルトで放熱板へ取り
付けた場合には、図10に示すように樹脂ケースと封止
樹脂との間で剥離が発生していた。このような剥離は、
樹脂封止型半導体装置の使用中に水分や酸化性雰囲気に
よって、半導体素子接合部の劣化を促し、信頼性低下に
大きく影響するものであった。
脂6との剥離について追究し、樹脂封止型半導体装置の
金属基板1面を放熱板8に取り付ける際の取り付け部の
ボルト11やビスなどの締め付けの片寄りが原因であ
る、ということをつきとめた。さらに樹脂ケース5の取
り付け部9が上方向(放熱板と逆方向)に反っている場
合には、ボルト11やビスなどの締め付けにより、樹脂
ケース5と封止樹脂6との間の剥離が顕著であることも
つきとめた。すなわち、剥離の原因となる反りは、樹脂
ケース5へ封止樹脂6を流し込んで、封止樹脂6が硬化
する際の熱収縮によって起こるものであることを確認
し、放熱板8に取り付ける段階で図11に示すように樹
脂ケース5の取り付け部9が上方向(放熱板8と逆方
向)に反っていることをつきとめた。したがって、図1
1のように、樹脂ケース5の取り付け部9付近が反って
いる状態でボルト11で締め付けた場合、図10に示す
ように封止樹脂6と樹脂ケース5とが剥離を起こすもの
であることを見い出した。また樹脂封止型半導体装置を
放熱板8に取り付け、動作中に熱により樹脂ケース5が
発熱し、取り付け部9付近が上方向に反りを起こし、樹
脂ケース5と封止樹脂6との間に剥離を起こす場合があ
ることも見い出した。
と封止樹脂との剥離を防止するものであって、樹脂封止
型半導体装置の信頼性を低下させることなく、放熱板へ
の接着ができる樹脂封止型半導体装置およびその製造方
法を提供することを目的とする。
るために、本発明の樹脂封止型半導体装置は、樹脂ケー
スの端部に設けた放熱板取り付け用の取り付け部付近に
対して、下方向に反りを設けたものである。また製造方
法においては、あらかじめ樹脂ケースの取り付け部付近
に対して、下方向に反りを形成し、その後で封止樹脂を
樹脂ケース内に封入し、熱硬化させるものである。また
その下方向の反りとしては、0.5度〜2.5度の範囲と
するものである。
方向の反りに対して、逆に樹脂ケースの取り付け部付近
にあらかじめ下方向の反りを形成しておくことにより、
反りを相殺することができ、反りに起因していた樹脂ケ
ースと封止樹脂との剥離を防止することができる。
の一実施例について、図1および図2を参照しながら説
明する。
基材を代表とする金属基板1上にパワー半導体素子2、
制御用集積回路素子3を搭載し、金属細線4で結線した
ものを樹脂ケース5に収容し、エポキシ樹脂である封止
樹脂6で封止したものであり、外部接続用に外部端子7
が封止樹脂の外部に突出して設けられたものである。ま
た樹脂ケース5の端部には、放熱板取り付け用の取り付
け部9が設けられ、前記取り付け部9には取り付け用穴
10が設けられている。そして樹脂封止型半導体装置の
放熱板8への取り付けは、図2に示すように、前記樹脂
ケース5の端部に設けた取り付け部9の取り付け用穴1
0にボルト11(またはビス)などを用いて行なうもの
である。
で形成されているものであるが、本実施例では取り付け
部9付近にあらかじめ、下方向に反りを形成しているも
のである。またその取り付け部9付近の反りについて
は、封止樹脂6を樹脂ケース5に流し込む前の段階で
0.5度下方向に傾斜させた(反らせた)ものであり、
封止樹脂6を流し込んで、硬化させた段階では、反りは
−35μm(下方向に35μm反っている)である。な
お、図1においては、下方向の反りは微小であるので、
図示はしていない。
け部9に下方向に反りを形成しているので、放熱板8に
取り付けた場合、動作中の樹脂封止型半導体装置内の各
半導体素子からの熱によって、樹脂ケース5、特に取り
付け部9付近に反り(上方向の反り)が発生しても、あ
らかじめ取り付け部9に形成している下方向の反りと、
熱応力によって発生した取り付け部の上方向の反りとが
相殺しあって、上方向の反りを解消し、樹脂ケース5と
封止樹脂6との間の剥離の発生を防止することができ
る。
置の製造方法の一実施例について説明する。図3〜図7
は、本実施例の方法を説明するための工程図である。
り付け部9付近、すなわち樹脂ケース5の端部付近に下
方向に反りを形成した状態で樹脂ケースを一体成形す
る。このとき、取り付け用穴10も形成する。本実施例
では、0.5度下方向に傾斜させ(反らせ)、一体成形
した。
を代表とする金属基板1上にパワー半導体素子2、制御
用集積回路素子3を搭載し、金属細線4で結線したもの
を樹脂ケース5に収容し、外部端子7を樹脂ケース5の
外部へ突出させて設ける。この段階ではまだ取り付け部
9は下方向に反った状態を維持している。
金属基板1上のパワー半導体素子2、制御用集積回路素
子3が搭載された領域にエポキシ系の封止樹脂6を流し
込んで、封止樹脂6を充填させる。図5に示す状態は、
まだ封止樹脂6が硬化していない状態であり、樹脂ケー
ス5の取り付け部9に形成した反りも維持されている。
封入した封止樹脂6を熱硬化させる。本実施例では、封
止樹脂6の熱硬化は、温度170℃、加熱時間5時間の
条件を設定して行なった。この段階で、樹脂ケース5の
取り付け部9付近にあらかじめ形成しておいた下方向の
反りは、若干緩和され、反りの値としては、下方向に3
5μmであった。これは、エポキシ系の封止樹脂6の熱
硬化によって、樹脂ケース5の取り付け部9に上方向の
反りが発生し、その上方向の反りと、あらかじめ形成し
ておいた下方向の反りとが、ほぼ相殺しあったためであ
る。
て一体化する際に発生する上方向の反りは、封止樹脂6
と金属基板1との熱膨張率に起因するものである。すな
わち、封止樹脂6であるエポキシ系樹脂の膨張率は、
1.6×10-5/℃であるのに対して、金属基板1(ア
ルミニウム基材)では2.2×10-5/℃であり、封止
樹脂6が収縮するためである。
封入して完成した樹脂封止型半導体装置を放熱板8に取
り付ける。取り付けは、樹脂ケース5端部の取り付け部
9に設けた取り付け用穴10にボルト11(またはビ
ス)などを用いて行なう。また放熱板8と樹脂封止型半
導体装置との間は、効果的な放熱が行なえるように放熱
用グリス12を介在させている。
下方向の反りを形成した後に、封止樹脂6を封入し、硬
化させているので、封止樹脂6の熱硬化時の熱膨張によ
る樹脂ケース5(取り付け部9)の反りは相殺され、反
りが極力抑制された状態で放熱板8に取り付けることが
でき、樹脂ケース5と封止樹脂6との間に応力は加わら
ず、したがって封止樹脂6の剥離は発生しない。
脂封止型半導体装置内の各半導体素子からの熱によっ
て、樹脂ケース5、特に取り付け部9付近に反り(上方
向の反り)が発生しても、あらかじめ取り付け部9に形
成している下方向の反り、すなわち本実施例では35μ
mの反りと、発熱の熱応力によって発生した取り付け部
の上方向の反りとが相殺しあって、反りの発生を抑制
し、動作時の樹脂ケース5と封止樹脂6との間の剥離の
発生を防止することもできる。
ス5の取り付け部9付近に形成する反りを0.5度とし
ているが、2.5度の反りをあらかじめ形成してもよ
く、その場合、樹脂ケース5に対して封止樹脂6を封入
し、熱硬化させた場合の反りは、−60μm(下方向に
60μm)であったが、樹脂ケース5と封止樹脂6との
剥離はなかった。
キシ系の封止樹脂6の熱硬化の熱収縮によって発生する
上方向の反りに対して、逆に樹脂ケース5の取り付け部
9付近にあらかじめ下方向の反りを形成しておくことに
より、反りを相殺することができ、反りに起因していた
樹脂ケース5と封止樹脂6との剥離を防止することがで
きるものである。
部9に形成する下方向の反りの値は、剥離率を考慮して
0.5度〜2.5度がよく、図8に示すように、0.5度
〜2.5度の反りの範囲では、樹脂ケースと封止樹脂と
の剥離率が0.05%以下であることがわかる。
反りをあらかじめ形成し、その後で封止樹脂の封入と熱
硬化を行なうので、樹脂封止型半導体装置として、上方
向の反りは相殺され、放熱板に取り付けた場合でも樹脂
ケースと封止樹脂との剥離率は極めて低減することがで
きる。
例の構成を示す断面図
を示す断面図
法の一実施例を示す工程図
法の一実施例を示す工程図
法の一実施例を示す工程図
法の一実施例を示す工程図
法の一実施例を示す工程図
め樹脂ケースの取り付け部に与える下方向の反り効果を
説明するための示す図
に取り付けた状態の一例を示す断面図
板に取り付けた状態の他の例を示す断面図
ースの反りを示す断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の電子部品が導電材上に載置され、
樹脂ケースで外囲を包囲され、樹脂ケース内を封止樹脂
で封入した構造の樹脂封止型半導体装置において、前記
樹脂ケースの放熱板取り付け用の取り付け部領域が下方
向に反りを有していることを特徴とする樹脂封止型半導
体装置。 - 【請求項2】 複数の電子部品と、外部接続用の外部端
子とを搭載したアルミニウム基板と、前記複数の電子部
品と外部接続用の外部端子との外囲を包囲し、前記金属
基板に固定され、放熱板取り付け用の取り付け部を有し
た樹脂ケースと、前記樹脂ケース内の前記金属基板上の
複数の電子部品と外部端子との領域を封止したエポキシ
系樹脂とよりなる樹脂封止型半導体装置であって、前記
樹脂ケースの放熱板取り付け用の取り付け部領域が下方
向に反りを有していることを特徴とする樹脂封止型半導
体装置。 - 【請求項3】 下方向の反りの値が0.5度〜2.5度で
あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹
脂封止型半導体装置。 - 【請求項4】 下方向に反りを有した樹脂ケースを形成
する工程と、 金属基板上に複数の電子部品を搭載し、金属細線で結線
したものを前記樹脂ケースに収容し、外部端子を前記樹
脂ケースの外部へ突出させる工程と、 前記樹脂ケース内の金属基板上の複数の電子部品が搭載
された領域に封止樹脂を封入して充填させる工程と、 前記樹脂ケース内に封入した封止樹脂を熱硬化させる工
程とを有することを特徴とする樹脂封止型半導体装置の
製造方法。 - 【請求項5】 下方向に反りを有した取り付け部を端部
に有した樹脂ケースを一体成形する工程と、 アルミニウムを基材とする金属基板上に複数の電子部品
を搭載し、金属細線で結線したものを前記樹脂ケースに
収容し、外部端子を前記樹脂ケースの外部へ突出させる
工程と、 前記樹脂ケース内の金属基板上の複数の電子部品が搭載
された領域にエポキシ系の封止樹脂を封入して充填させ
る工程と、 前記樹脂ケース内に封入したエポキシ系の封止樹脂を熱
硬化させる工程とを有することを特徴とする樹脂封止型
半導体装置の製造方法。 - 【請求項6】 下方向の反りの値が0.5度〜2.5度で
あることを特徴とする請求項4または請求項5記載の樹
脂封止型半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07197367A JP3110657B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 樹脂封止型半導体装置およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0945851A true JPH0945851A (ja) | 1997-02-14 |
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1995
- 1995-08-02 JP JP07197367A patent/JP3110657B2/ja not_active Expired - Fee Related
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