JPH0945758A - 吸着装置 - Google Patents

吸着装置

Info

Publication number
JPH0945758A
JPH0945758A JP19520295A JP19520295A JPH0945758A JP H0945758 A JPH0945758 A JP H0945758A JP 19520295 A JP19520295 A JP 19520295A JP 19520295 A JP19520295 A JP 19520295A JP H0945758 A JPH0945758 A JP H0945758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum nitride
hole
outer peripheral
peripheral side
nitride film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19520295A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Nagasaki
浩一 長崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP19520295A priority Critical patent/JPH0945758A/ja
Priority to US08/693,532 priority patent/US5886863A/en
Publication of JPH0945758A publication Critical patent/JPH0945758A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に窒化アルミニウム膜を形成した静電チャ
ックにおいて、外周側面や貫通孔内壁面などの垂直面に
は充分な厚みの窒化アルミニウム膜が形成できず、耐プ
ラズマ性が悪かった。 【解決手段】吸着面1aをなす平坦面2aに開口する貫
通孔を有する基体2を金属またはセラミックスで形成
し、上記基体2の外周側面2b及び貫通孔内壁面2cと
平坦面2aとの成す角度αをそれぞれ80°以下とする
とともに、これら平坦面2a、外周側面2b、及び貫通
孔内壁面2cに窒化アルミニウム膜3を被着して静電チ
ャック1等の吸着装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置に
おけるシリコンウェハの固定、加熱、成膜加工等に用い
られる静電チャックあるいは真空チャック等の吸着装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体製造装置において、シ
リコンウェハのステージとして真空チャックや静電チャ
ックが使用されており、特に静電チャックは、一般真空
中でウェハの各種微細加工を行う際に要求される加工面
の平坦度や平行度を容易に実現することができるため、
好適に使用されている。
【0003】また、半導体素子の集積度が向上するに伴
い、静電チャックに要求される精度もより高度化してき
たため、セラミックス製静電チャックも使用されるよう
になってきている。
【0004】このような高精度のセラミックス製静電チ
ャックは、アルミナセラミックス中に内部電極を成す導
電層を組み込んで一体焼結させたものがこれまでよく知
られている(特開昭62−264638号公報等参
照)。
【0005】ところで、蒸着やドライエッチングを行う
半導体の製造工程においては、ハロゲン系プラズマを利
用することが多いため、耐プラズマ性に優れた窒化アル
ミニウム質セラミックスを用いることが、近年提案され
ている(特開平6−151332号公報等参照)。
【0006】しかし、窒化アルミニウム質セラミックス
にはAlN以外の成分が含まれていることから、耐プラ
ズマ性をより高めるためには、窒化アルミニウムはでき
るだけ高純度かつ緻密質とする必要がある。そして、気
相成長法で得られる窒化アルミニウム膜は、このような
要求に合致し、しかもウェハへの汚染など悪影響を及ぼ
さないことも知られている。
【0007】そこで、電極となる金属ペーストをアルミ
ナや窒化アルミニウムなどセラミックスのグリーンシー
ト上に所定のパターンで印刷し、これを積層して一体焼
成した後、この基体の表面に気相成長法で窒化アルミニ
ウム膜を形成することによって耐プラズマ性に優れた静
電チャックを得ることが提案されている。
【0008】また、基体を導電性の金属またはセラミッ
クスとし、この基体の表面に窒化アルミニウム膜を形成
して絶縁層とした構造の静電チャックとしても良い。
【0009】いずれの手段においても、窒化アルミニウ
ム膜は高純度かつ緻密質でなければならないため、膜の
形成方法としては気相成長法が欠かせない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に表面に窒化アルミニウム膜を形成した静電チャックに
おいて、気相成長法で形成した窒化アルミニウム膜は、
水平面上へは均一かつ均質な膜が得られるものの、外周
側面や貫通孔内壁面などの垂直な面においては充分な厚
みの膜が得られないという欠点があった。
【0011】すなわち、静電チャックには外周側面が存
在し、また吸着したウェハを動かすためのピン孔やヘリ
ウム等のガスを導入するガス孔等の貫通孔が不可欠であ
るが、これらの外周側面や貫通孔内壁面などの垂直面に
形成される窒化アルミニウム膜は極めて薄いものであっ
た。そのため、プラズマによる短時間のエッチングによ
って垂直面の特にエッジ部で基体が露出してしまい、耐
プラズマ性が悪くなるという問題点があった。
【0012】しかも近年、集積回路の高密度化、プラズ
マ処理の短時間化に伴い、プラズマ密度は大きくなる一
方となっている。これに対し、上記の理由により、優れ
た耐プラズマ性を維持できる静電チャックは得られてい
なかった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、吸着面
をなす平坦面に開口する貫通孔を有する基体を金属また
はセラミックスで形成し、上記基体の外周側面及び貫通
孔内壁面と平坦面との成す角度をそれぞれ80°以下と
するとともに、これら平坦面、外周側面、及び貫通孔内
壁面に窒化アルミニウム膜を被着して静電チャックや真
空チャック等の吸着装置を構成したものである。
【0014】即ち、本発明によれば、基体の外周側面及
び貫通孔内壁面を、平坦面と成す角度が80°以下とな
るような上向きのテーパ状としたことにより、これら外
周側面及び貫通孔内壁面にも充分な厚みをもった窒化ア
ルミニウム膜を形成することができる。そのため、極め
てプラズマに強く、耐久性に優れた吸着装置を得られ
る。
【0015】また本発明は、吸着面をなす平坦面に開口
する貫通孔を有する基体を金属またはセラミックスで形
成し、上記基体の外周側面及び貫通孔内壁面と平坦面と
の境界に面取部を形成するとともに、これら平坦面、外
周側面、面取部、及び貫通孔内壁面に窒化アルミニウム
膜を被着して静電チャックや真空チャック等の吸着装置
を構成したものである。
【0016】即ち、本発明によれば、基体の外周側面及
び貫通孔内壁面と平坦面との境界に面取部を形成したこ
とにより、これら外周側面及び貫通孔内壁面にも充分な
厚みをもった窒化アルミニウム膜を形成することができ
る。そのため、極めてプラズマに強く、耐久性に優れた
吸着装置を得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を静電チ
ャックを例にとって図によって説明する。
【0018】図1に示す静電チャック1は、円形の板状
体であり、半導体ウェハ等の被吸着物8を載置する吸着
面1aを有し、吸着した被吸着物8を移動させるための
ピン孔や均熱のためのヘリウムガスを噴出するガス孔な
どとして使用する複数の貫通孔1bを備えている。そし
て、この静電チャック1は基体2とその表面に備えた窒
化アルミニウム膜3から構成されている。
【0019】基体2は、アルミナや窒化アルミニウム等
のセラミックス中に内部電極4を埋設し、この内部電極
4の電極取出部5及び給電端子6を底面側に備えてい
る。また、基体2において、吸着面1aを成す平坦面2
aと、外周側面2b及び貫通孔内壁面2cとの成す角度
αはそれぞれ80°以下となっている。即ち、外周側面
2b及び貫通孔内壁面2cは、それぞれの面が上側を向
くようなテーパ状となっている。そのため、後述する窒
化アルミニウム膜3を成膜する工程で、外周側面2b及
び貫通孔内壁面2cにも充分な厚さに窒化アルミニウム
膜3を形成することができる。
【0020】ここで、上記角度αを80°以下としたの
は、80°を超えると外周側面2b及び貫通孔内壁面2
cが垂直に近くなって充分な厚さに窒化アルミニウム膜
3を形成できなくなるためである。ただし、角度を小さ
くすると、加工に無駄が多くなり、実質的な吸着面1a
が小さくなるため、上記角度αは30°以上とすること
が好ましい。
【0021】なお、基体2に対して上記角度αの貫通孔
内壁面2cを形成する方法は、この貫通孔に合致する形
状砥石を用意しておいて、予め形成した貫通孔の内周面
をこの形状砥石で加工して仕上げれば良い。
【0022】また、窒化アルミニウム膜3は、基体2の
平坦面2a、外周側面2b、貫通孔内壁面2cに被着さ
れており、底面を除く全表面に形成されている。
【0023】この窒化アルミニウム膜3は、周知の気相
成長法、たとえば、スパッタリング、イオンプレーティ
ングなどのPVD法や、プラズマCVD、MoCVD、
熱CVDなどのCVD法により形成することができる。
このとき、窒化アルミニウム粒子は鉛直方向のガスの流
れにそって被着し、成膜されていくが、基体2の外周側
面2b及び貫通孔内壁面2cが上を向くようなテーパ状
となっているため、これらの面にも良好に窒化アルミニ
ウム粒子が被着し、充分な厚さの窒化アルミニウム膜3
を形成することができる。
【0024】また、上記の気相成長法によって得た窒化
アルミニウム膜3は99%以上の窒化アルミニウム純度
となり、極めて耐プラズマ性が高くなる。そのため、本
発明の静電チャック1は、表面が充分な厚さをもった高
純度の窒化アルミニウム膜3で覆われていることから、
長期にわたって優れた耐プラズマ性を維持できる。しか
も、吸着面1aが高純度の窒化アルミニウム膜3から成
るため、半導体ウェハ等の被吸着物8に悪影響を及ぼす
ことも防止できる。さらに、窒化アルミニウム膜3は熱
伝導性が高いため放熱性を良好にできる。
【0025】また、上記窒化アルミニウム膜3の吸着面
1aにおける膜厚tは0.01〜0.5mmの範囲が良
く、さらに望ましくは0.2〜0.4mmが良い。その
理由は、膜厚tが0.01mm未満になると耐プラズマ
性を長期にわたって維持する効果が乏しく、かつ耐電圧
が小さくなって絶縁破壊を起こしやすくなるためであ
り、逆に膜厚tが0.5mmを越えると窒化アルミニウ
ム膜3の形成時間が長くなって、生産性が悪くなるため
である。
【0026】なお、このように窒化アルミニウム膜3は
薄いため、窒化アルミニウム膜3を被着した後の吸着面
1aと、外周側面及び貫通孔内壁面との角度は基体2に
おける角度αとほぼ同じとなる。
【0027】このような本発明の静電チャック1の吸着
面1a上に被吸着物8を載置し、給電端子6と被吸着物
8間に電源7より1000V程の直流高電圧を印加する
と、被吸着物8を静電吸着させることが可能となる。
【0028】なお、図1の例では静電チャック1内に一
つの内部電極4を備えた単極型の構造を示したが、複数
の内部電極を備えてこれらの内部電極間に通電するよう
にした双極型の構造とすることもできる。
【0029】また、静電チャック1を成す基体2の内部
に、抵抗発熱体を備えておけば、高温加熱することがで
き、ウェハ等の被吸着物8を加熱制御することが可能と
なる。同様に、基体2の内部に、プラズマ発生用の電極
も備えておけば、高周波電力を印加してプラズマを発生
させることが可能となる。
【0030】さらに他の実施形態として、図2に示すよ
うに、基体2を金属または導電性セラミックス等の導電
材で形成し、その平坦面2a、外周側面2b、貫通孔内
壁面2cに窒化アルミニウム膜3を形成して静電チャッ
ク1を構成することもできる。この場合は、基体2自体
が内部電極を兼ねており、この基体2と被吸着物(不図
示)間に通電することによって、単極型の静電チャック
として作用させることができる。
【0031】また、この場合も、図1に示した例と同様
に、基体2の平坦面2aと、外周側面2b及び貫通孔内
壁面2cとの成す角度αを80°以下とすることによ
り、これらの面にも充分な厚みの窒化アルミニウム膜3
を形成することができる。また、吸着面1aにおける窒
化アルミニウム膜3の膜厚tは0.01〜0.5mm、
好ましくは0.2〜0.4mmの範囲内としてある。
【0032】さらに、基体2における外周側面2b又は
貫通孔内壁面2cの他の形態として、図3に示すよう
に、断面が曲線状となるようにしても良く、この場合は
曲線に対する接線と平坦面2aとの成す角度αが80°
以下となるようにすれば良い。
【0033】次に本発明の他の実施形態を説明する。
【0034】図4に示す静電チャック1は、基体2の外
周側面2b及び貫通孔内壁面2cを垂直な面とし、それ
ぞれの平坦面2aとの境界に面取部2dを形成したもの
である。
【0035】そのため、窒化アルミニウム膜3を基相成
長法により成膜する際に、鉛直方向のガスの流れが面取
部2dで絞られ、外周側面2b及び貫通孔内壁面2cに
抑えつけられながら流れて成膜するため、これらの外周
側面2b及び貫通孔内壁面2cにも良好に窒化アルミニ
ウム膜3を形成することができるのである。
【0036】さらに、面取部2dを備えることによっ
て、静電チャック1自体の搬送時に他部材と衝突したよ
うな場合でも欠けが生じにくく、しかも吸着面のエッジ
部における窒化アルミニウム膜3の剥離を防止できる。
【0037】また、面取部2dの形状としては、図5
(a)に示すようなR面状、図5(b)に示すようなC
面状、あるいはその他のさまざまな形状とすることがで
きるが、いずれの場合も面取部2dの幅dを基体2の全
体厚みDに対して1/16以上としてある。これは、面
取部2dの幅dが基体2の全体厚みDに対して1/16
未満では外周側面2b及び貫通孔内壁面2cに充分な厚
さの窒化アルミニウム膜3を形成できないためである。
【0038】さらに、このような面取部2dは、焼成前
に切削加工したり、焼成後に形状砥石を用いて加工する
ことによって形成することができる。
【0039】なお、図4の例において、その他の部分は
すべて図1の例と同様である。即ち、基体2はアルミナ
や窒化アルミニウム等のセラミックスに内部電極4を埋
設し、これに接続する電極取出部5と給電端子6を底面
側に備えたものであり、該給電端子6と被吸着物(不図
示)間に通電することにより、吸着面1a上に被吸着物
を静電吸着することができる。また、内部電極4を複数
形成して双極型の構造とすることも可能である。
【0040】さらに、基体2自体を金属あるいは導電性
セラミックス等の導電材で形成し、それ自体を内部電極
とすることもできる。
【0041】また、窒化アルミニウム膜3は気相成長法
で形成し、吸着面1aにおける膜厚tは0.01〜0.
5mm、好ましくは0.2〜0.4mmの範囲内として
ある。
【0042】さらに、本発明の他の実施形態として、図
1に示すように外周側面2b及び貫通孔内壁面2cと平
坦面2aの成す角度αを80°以下にするとともに、図
4に示すような面取部2dを備えることもできる。
【0043】また、以上の実施形態では静電チャックに
ついてのみ述べてきたが、本発明は真空チャックにも適
用できる。
【0044】即ち、真空吸引のために複数の貫通孔を有
する基体をセラミックスで形成し、外周側面及び貫通孔
内壁面と平坦面の成す角度を80°以下としたり、ある
いは外周側面及び貫通孔内壁面と平坦面の境界に面取部
を形成しておいて、上記外周側面、貫通孔内壁面、面取
部、及び平坦面に窒化アルミニウム膜を形成して真空チ
ャックを構成することができる。この真空チャックは、
吸着面が高純度の窒化アルミニウム膜からなるため、被
吸着物に悪影響を及ぼしにくく、熱伝導性が高いため放
熱性を良くすることができる。
【0045】
【実施例】実施例1 ここで、本発明実施例として図1及び図2に示す静電チ
ャック1を試作し、その効果を調べる実験を行った。
【0046】まず、窒化アルミニウム粉末に成形助剤お
よび溶媒を添加混合してスラリーを得た後、ドクターブ
レード法にて厚さ0.5mmのグリーンシートを複数枚
成形し、そのうちの1枚にタングステン粉末と窒化アル
ミニウム粉末を混合して粘度調整した抵抗体ペーストを
スクリーン印刷して内部電極4を形成する。
【0047】そして、上記抵抗発熱体上に複数枚のグリ
ーンシートを積層して80℃で50kg/cm2 の圧力
で熱圧着し、その後切削加工を施して円盤状の板状体と
したのち真空脱脂を施し、2000℃程の温度で還元焼
成することによって、熱伝導率が100W/m・K、体
積固有抵抗値が1013Ω・cm、外形約φ8インチ、厚
さ10mmの窒化アルミニウム質セラミックスからなる
基体2を得た。
【0048】一方、これとは別に、体積固有抵抗値が1
-3Ω・cm、外形約φ8インチ、厚さ10mmのモリ
ブデンからなる基体2も製作した。
【0049】そして、これらの基体2における平坦面2
aに対して、外周側面2bおよび貫通孔内壁面2cのな
す角度αを種々に変化させたものを作製した。
【0050】次に、この基体に対して、熱CVD法によ
り窒化アルミニウム膜3を成膜した。反応ガスには塩化
アルミニウムとアンモニア、水素及び窒素を使用して、
800〜1000℃の温度で、50torr程の減圧下
で窒化アルミニウム膜3を形成した。
【0051】形成される窒化アルミニウム膜3の膜厚
は、成膜時間を制御することによって、所望の寸法に仕
上げることができるため、さまざまな膜厚のものを作製
した。
【0052】これらのうち、まずモリブデンを基体2と
し、種々の膜厚の窒化アルミニウム膜3を絶縁膜とし
た、図2の構造の静電チャック1に対し、直流1000
Vを印加してシリコンウェハを吸着させ、吸着力を測定
した。
【0053】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、吸着面1aにおける窒化アルニウム膜3の膜厚tが
0.005mm以下のものは容易に絶縁破壊してしまっ
た。これに対し、膜厚tが0.01mm以上のものは、
絶縁破壊することなく安定して吸着可能であった。しか
し、膜厚tが0.5mmを越えると窒化アルミニウム膜
3の形成時間が長くなり、生産性が悪化することが分か
った。
【0054】また、吸着力も膜厚と関連があり、膜厚t
が0.2〜0.4mmの範囲であればほぼ一定の吸着力
を得られるため静電チャックとして扱いやすいこともわ
かった。
【0055】この傾向は、窒化アルミニウム質セラミッ
クスを基体2とする、図1の構造の静電チャックであっ
ても同様の傾向であった。
【0056】ゆえに、窒化アルミニウム膜3の吸着面1
aでの膜厚tは0.01〜0.5mmの範囲が良く、望
ましくは0.2〜0.4mmが良いといえる。
【0057】なお、静電チャック1の基体2として、タ
ングステンやコバール等の金属材、あるいは内部電極を
有するアルミナ質セラミックスを用いても同様の結果で
あった。
【0058】
【表1】
【0059】次に、図1に示す構造の静電チャック1と
して、窒化アルミニウム質セラミックスからなる基体2
の平坦面2a上に膜厚tが0.01mmの窒化アルミニ
ウム膜3を備え、外周側面2b及び貫通孔内壁面2cの
角度αを種々に変化させたものを実際にプラズマ発生装
置に組み込んで実験を行った。
【0060】10Torr程に減圧したチャンバー内に
おいて、13.56MHzで1kWの電源を静電チャッ
ク1と平行にセットしたプラズマ発生用電極に接続し、
静電チャック表面を直接エッチングした。
【0061】この結果を表2に示すように、基体2の外
周側面2bおよび貫通孔内壁面2cと平坦面2aとの成
す角度αを80°以下のテーパ状に加工したものは、こ
れらの面に充分な厚みの窒化アルミニウム膜3を形成で
きることから、目標とするプラズマ直接照射1000時
間に対して十分な耐プラズマ性を有することがわかっ
た。
【0062】
【表2】
【0063】次に、基体2の平坦面2a上の窒化アルミ
ニウム膜3の膜厚tを0.01mm以上とした静電チャ
ックについて、同様のプラズマ発生装置に組み込んで実
験を行った。
【0064】この結果においても、基体2の外周側面2
bおよび貫通孔内壁面2cと平坦面2aとの成す角度α
を80°より大きくしたものは、1000時間未満のプ
ラズマ照射において基体2が露出してしまったのに対
し、上記角度αを80°以下のテーパ状に加工したもの
は、1000時間以上の十分な耐プラズマ性を有するこ
とがわかった。
【0065】ゆえに、基体2の外周側面2bおよび貫通
孔内壁面2cと平坦面2aとの成す角度αを80°以下
とし、吸着面1aにおける窒化アルミニウム膜3の膜厚
tを0.01mm以上としたものが良いといえる。
【0066】また、静電チャック1の基体2の材質を、
内部電極を備えたアルミナ質セラミックスまたはタング
ステン、モリブデン、コバールに変更して同様の実験を
行ったが全く同一の結果であった。
【0067】実施例2 実施例1と同様にして、内部電極4を備えた窒化アルミ
ニウム質セラミックスからなる基体2を作製し、その外
周端面2b及び貫通孔内壁面2cと平坦面2aとの境界
に種々の面取部2dを形成した。
【0068】これらの基体2に対して、実施例1と同様
にして窒化アルミニウム膜3を形成し、吸着面1aにお
ける膜厚tを0.01mmとしたものを実際にプラズマ
発生装置に組み込んで実験を行った。
【0069】10Torr程に減圧したチャンバー内に
おいて、13.56MHzで1kWの電源を静電チャッ
ク1と平行にセットしたプラズマ発生用電極に接続し、
静電チャック表面を直接エッチングした。
【0070】結果を表3に示すように、面取部2dの幅
dを基体2の全体厚みDに対して1/16未満としたも
のは、1000時間未満のプラズマ照射で基体2が露出
してしまったのに対し、1/16以上としたものは10
00時間以上の十分な耐プラズマ性を有することがわか
った。
【0071】
【表3】
【0072】一方、静電チャック1の基体2として、内
部電極を備えたアルミナ質セラミックス、あるいはタン
グステン、モリブデン、コバールなどの金属を用いたも
のでも同じ実験を行ったところ、いずれも上記と同様の
結果であった。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、吸着面を
なす平坦面に開口する貫通孔を有する基体を金属または
セラミックスで形成し、上記基体の外周側面及び貫通孔
内壁面と平坦面との成す角度をそれぞれ80°以下とす
るとともに、これら平坦面、外周側面、及び貫通孔の内
周面に窒化アルミニウム膜を被着して吸着装置を構成し
たことによって、上記基体の外周側面及び貫通孔内壁面
にも充分な厚みの窒化アルミニウム膜を形成することが
できる。そのため、底面を除くすべての表面に高純度の
窒化アルミニウム膜を形成することができ、長期にわた
って優れた耐プラズマ性を維持するとともに、半導体ウ
ェハ等の被吸着物に悪影響を及ぼすことがなく、放熱性
に優れた高性能の静電チャックを得ることができる。
【0074】また本発明によれば、吸着面をなす平坦面
に開口する貫通孔を有する基体を金属またはセラミック
スで形成し、上記基体の外周側面及び貫通孔内壁面と平
坦面との境界に面取部を形成するとともに、これら平坦
面、外周側面、及び貫通孔の内周面に窒化アルミニウム
膜を被着して吸着装置を構成したことによって、上記基
体の外周側面及び貫通孔内壁面にも充分な厚みの窒化ア
ルミニウム膜を形成することができる。そのため、底面
を除くすべての表面に高純度の窒化アルミニウム膜を形
成することができ、長期にわたって優れた耐プラズマ性
を維持するとともに、半導体ウェハ等の被吸着物に悪影
響を及ぼすことがなく、放熱性に優れている。しかも、
搬送時などに衝突しても欠け等が生じにくく、吸着面の
エッジ部における窒化アルミニウム膜が剥離しにくいな
ど、高性能の静電チャックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着装置の一例である静電チャックを
示す縦断面図である。
【図2】本発明の吸着装置における他の実施形態の静電
チャックを示す縦断面図である。
【図3】(a)(b)は基体の貫通孔部分の他の実施形
態を示す断面図である。
【図4】本発明の吸着装置における他の実施形態の静電
チャックを示す縦断面図である。
【図5】(a)(b)は基体の外周側面部分の実施形態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 :静電チャック 1a:吸着面 1b:貫通孔 2 :基体 2a:平坦面 2b:外周側面 2c:貫通孔内壁面 2d:面取部 3 :窒化アルミニウム膜 4 :内部電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着面をなす平坦面に開口する貫通孔を有
    する基体を金属またはセラミックスで形成し、上記基体
    の外周側面及び貫通孔内壁面と平坦面との成す角度をそ
    れぞれ80°以下とするとともに、これら平坦面、外周
    側面、及び貫通孔内壁面に窒化アルミニウム膜を被着し
    たことを特徴とする吸着装置。
  2. 【請求項2】吸着面をなす平坦面に開口する貫通孔を有
    する基体を金属またはセラミックスで形成し、上記基体
    の外周側面及び貫通孔内壁面と平坦面との境界に面取部
    を形成するとともに、これら平坦面、外周側面、面取
    部、及び貫通孔内壁面に窒化アルミニウム膜を被着した
    ことを特徴とする吸着装置。
JP19520295A 1995-05-09 1995-07-31 吸着装置 Pending JPH0945758A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19520295A JPH0945758A (ja) 1995-07-31 1995-07-31 吸着装置
US08/693,532 US5886863A (en) 1995-05-09 1996-07-25 Wafer support member

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19520295A JPH0945758A (ja) 1995-07-31 1995-07-31 吸着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0945758A true JPH0945758A (ja) 1997-02-14

Family

ID=16337161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19520295A Pending JPH0945758A (ja) 1995-05-09 1995-07-31 吸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0945758A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063571A1 (en) * 1998-06-02 1999-12-09 Applied Materials, Inc. Pedestal insulator for a pre-clean chamber
JP2002511662A (ja) * 1998-04-10 2002-04-16 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド ウエーハのパーティクル汚染が低い静電的ウエーハクランプ
JP2009070836A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Hitachi High-Technologies Corp ウエハ載置用電極

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002511662A (ja) * 1998-04-10 2002-04-16 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド ウエーハのパーティクル汚染が低い静電的ウエーハクランプ
WO1999063571A1 (en) * 1998-06-02 1999-12-09 Applied Materials, Inc. Pedestal insulator for a pre-clean chamber
US6077353A (en) * 1998-06-02 2000-06-20 Applied Materials, Inc. Pedestal insulator for a pre-clean chamber
JP2009070836A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Hitachi High-Technologies Corp ウエハ載置用電極

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110770891B (zh) 静电卡盘及其制法
EP1602635B1 (en) Manufacturing method for sintered body with buried metallic member
US7446284B2 (en) Etch resistant wafer processing apparatus and method for producing the same
KR100413989B1 (ko) 반도체 제조 장치용 가스 샤워체 및 반도체 제조 장치
US20080062609A1 (en) Electrostatic chuck device
CN112088427A (zh) 极端均匀加热基板支撑组件
WO2008018341A1 (fr) Dispositif de fixation électrostatique
JP2000077508A (ja) 静電チャック
JP2004260039A (ja) 半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置
US20060121195A1 (en) Plasma processing apparatus and method for manufacturing electrostatic chuck
US11462430B2 (en) Ceramic-circuit composite structure and method for making the same
JPH07326655A (ja) 静電チャック
JP4031419B2 (ja) 静電チャック及びその製造方法
JPH0945758A (ja) 吸着装置
JPH10107132A (ja) 静電チャック
US20050128674A1 (en) Ceramic chuck
JP3810341B2 (ja) 静電チャック
JP2002025912A (ja) 半導体製造装置用サセプタとそれを用いた半導体製造装置
JPH04238882A (ja) 高温絶縁物品
JP3370489B2 (ja) 静電チャック
JPH09237826A (ja) 静電チャック
JP4439102B2 (ja) 静電チャック
JP3180998B2 (ja) 静電チャック
JPH09293774A (ja) 静電チャック
JP3623107B2 (ja) 静電チャック