JPH0944897A - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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JPH0944897A
JPH0944897A JP7192144A JP19214495A JPH0944897A JP H0944897 A JPH0944897 A JP H0944897A JP 7192144 A JP7192144 A JP 7192144A JP 19214495 A JP19214495 A JP 19214495A JP H0944897 A JPH0944897 A JP H0944897A
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film
recording layer
layer
recording
optical
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JP7192144A
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Minoru Kikuchi
稔 菊地
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層以上の記録層を有する光学記録媒体にお
いて、2層目以降の記録層を再生する場合にも、良好な
再生特性を得る。 【解決手段】 少なくとも第1の記録層と、第1の記録
層上に表面が平坦化された透明樹脂層3と、透明樹脂層
3の平坦面上に形成された第2の記録層24を有し、第
2の記録層24は少なくともPtCo膜12を有してな
る光学記録媒体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に情報の記
録がなされる記録層が2層以上形成された光学記録媒体
に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光の照射により情報の記録
・再生を行う光学ディスクには、デジタルオーディオデ
ィスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオ
ディスク(いわゆるレーザーディスク)、光磁気ディス
ク、各種追記型ディスク、もしくは各カード等の光学記
録媒体が実用化されている。これら光学ディスクは、い
ずれもポリカーボネート樹脂などの透明基板上に、記録
層や反射膜等の機能膜が形成された構成とされる。
【0003】このような光学記録媒体の利用法として
は、コンパクトディスク(CD)やレーザーディスク
(LD)のように再生専用の記録媒体(ROM:Read O
nly Memory)として利用する場合と、光磁気ディスクの
ように情報の記録、追加書き込み、書き換え等が可能な
記録媒体(RAM:Random Access Memory)として利用
する場合がある。
【0004】また、光学ディスクの再生方法は、例えば
次のように行われる。再生専用ディスクでは、ディスク
の透明基板上にレーザ光の波長の1/4程度の深さの凹
凸状プリピットが形成され、その上を覆うように反射膜
が形成され、このプリピットにおいて生じる光の干渉に
よる反射率の変化を検出して、記録が再生される。
【0005】一方、書き換え可能なディスク、例えば光
磁気ディスクでは、記録情報に応じて磁性膜からなる記
録層の磁化方向が上向きあるいは下向きに揃っている領
域、すなわち記録ピットを形成し、その部分で反射した
直線偏光の磁気光学効果による回転角θk (カー回転
角)を検出して、記録の再生を行っている。
【0006】従来の光磁気ディスクの記録層は、磁性膜
であるTbFeCo膜の両側を、磁性膜の酸化防止およ
び多重干渉による光磁気信号のエンハンス効果のために
設ける透明な誘電体膜、例えばSiN膜で覆い、さらに
Al反射膜で覆った4層構造で記録層を構成している。
【0007】現在の光学ディスクは、上述の再生専用デ
ィスクまたは書き換え可能なディスクのいずれか一方の
機能を有するものであり、この両方の機能を実現する光
学ディスクは、いくつか提案されているものの実用化に
は至っていない。
【0008】例えば、特開平2−91841号公報や特
開平4−147449号公報において提案されているよ
うに、基板のグルーブ上にあらかじめ凹凸状のプリピッ
トが形成され、その上に光磁気記録層が形成された構造
の光学ディスクにおいて、凹凸状プリピットを再生専用
として用い、光磁気記録層に後から記録され、記録ピッ
トを書き換え可能な領域として用いる方法がある。
【0009】しかし、この方法では、プリピットの上に
光磁気記録ピットを書き込んだ場合に、プリピットで光
の干渉が生じるために、光磁気記録層から光が戻らず、
光磁気信号の再生は不可能になる。そこで、プリピット
の深さを波長の1/4からずらして、かつ、プリピット
の上に、光磁気信号の再生時に再生信号の増幅器の利得
の向上を図るための、特殊な再生回路を設けた構成を採
る必要が生じる。
【0010】これらの問題は、再生専用の記録層と書き
込みを行う記録層とが同じ深さ位置にあるために生じて
おり、これらの記録層を異なる深さ位置、すなわち独立
した2層構造にして、それぞれの記録層にレーザ光を目
的とする記録層にフォーカスさせることにより、前述の
ような特殊な回路を用いないで光磁気記録層等書き換え
可能な記録層の再生が可能となる。
【0011】ところで、最近新たな光学ディスクとし
て、コンパクトディスク(CD)と同じ直径120mm
のディスクに、現行のテレビジョン並の画質で映画1本
分の映像・音声を記録するデジタル・ビデオ・ディスク
(DVD)の開発が進められている。DVDは記録容量
をCDの6〜8倍に高める必要があるので、基板の片面
に情報を記録する記録層を2層設けた構造の厚さ1.2
mmの光学ディスクや、厚さ0.6mmの単板ディスク
の記録層の側同士を2枚貼り合わせた構造の光学ディス
クが提案されている(日経エレクトロニクス1995年
2月27日号参照)。
【0012】記録層を2層とした構造の光学ディスク
は、図4に記録層を2層とした構造の光学ディスクの断
面構成図を示すように、ポリカーボネート樹脂等からな
る透明基板1上に、第1の反射膜2による第1の記録層
と、さらに透明樹脂層として平均厚さ30〜50μmを
有する中間層となる紫外線硬化樹脂層(以下中間UV層
という)3が形成されて、これの上に第2の反射膜4に
よる第2の記録層とが形成され、さらにこれの上に保護
膜5が形成されてなる。
【0013】この光学ディスクでは、第1の反射膜2に
より構成される第1の記録層または第2の反射膜4によ
り構成される第2の記録層にそれぞれフォーカスをかけ
ることにより、それぞれの記録層から情報を読みとるこ
とが可能になり、記録容量を2倍とすることができるも
のである。そして、この第1の記録層および第2の記録
層を、用途に応じて、再生専用+再生専用型、再生専用
+書き換え可能型、書き換え可能型+書き換え可能型と
する光学ディスクがそれぞれ提案されている。
【0014】このうち、第1の記録層を再生専用型と
し、第2の記録層を書き換え可能型とする構造の光学デ
ィスクの製造は、次のような工程を採って行われる。ま
ず通常のCDの場合と同様に、射出成形により片面に凹
凸記録ピットを有する円盤状の透明樹脂製の透明基板1
を作製し、その記録ピットが形成されている面に、誘電
体からなる半透明の第1の反射膜2を成膜して第1の記
録層を形成する。
【0015】次にいわゆる2P(Photo−poly
merization:光重合法)法により、中間UV
層13を平均30〜50μm厚さに塗布形成し、グルー
ブを形成するためにスタンパーで押圧しながら紫外線を
照射して樹脂を硬化させる。
【0016】そして、その後はこの通常の光磁気ディス
クと同様に磁性膜を有する第2の記録層を構成し、さら
にこれの上に紫外線硬化樹脂からなる保護膜5を形成さ
せて、光学ディスクを得る。
【0017】この光学ディスクの再生原理を図5を参照
して説明する。図5は、図4に示した構造の光学ディス
クの要部の拡大図で、ピットが形成されていない箇所に
ついて示したものである。
【0018】透明基板1の上から入射した強度T0 の光
が、膜厚d1 の第1の記録層を構成する第1の反射膜2
で反射したときの反射強度をR1 とする。一方、第1の
反射膜2を透過し、中間UV層3に入射した光の強度を
1 とする。これが第2の記録層を構成する第2の反射
膜4で反射したときの光の強度をR2 とする。ただし、
第2の反射膜4は充分厚く、光は透過しないものとす
る。
【0019】第2の反射膜4で反射した光が、再び第1
の反射膜2を透過し、透明基板1に入射する光の強度を
3 とすると、R3 は次の数1で表される。
【0020】
【数1】R3 =R2 ×T1 /T0
【0021】すなわち、第1の反射膜2を再生するとき
は、レンズによって絞られた光のフォーカスを反射膜2
に合わせ、このとき反射率はR1 である。また第2の反
射膜4を再生するときは、光のフォーカスを第2の反射
膜4に合わせ、このとき反射率はR3 である。
【0022】ここで、第1の反射膜2の記録ピットが形
成されていない部分にフォーカスが合ったときの反射率
はR1 である。第1の反射膜2の記録ピットが形成され
ている部分にフォーカスが合ったときには、反射光は干
渉し、反射率は0となる。従って、ピットの有無による
反射率の差ΔR1 は、ΔR1 =R1 −0=R1 である。
このR1 が大きいほど、第1の反射膜2を再生する際の
再生信号特性が向上する。しかし、あまりR1 を大きく
し過ぎると、第2の記録層に到達する光T1 が少なくな
り、第2の記録層の記録および再生が困難になる。そこ
で、ΔR1 =R1は0.2程度が好ましい。
【0023】同様に、第2の反射膜4の光磁気記録ピッ
トが書き込まれる面にフォーカスが合ったときの反射率
はR3 である。ここで、光磁気記録ピットによるレーザ
光のカー回転角θk と反射率R3 の積であるR3 θk
大きいほど再生特性が向上する。また検出素子の性質上
3 は0.2以上が望ましいとされる。
【0024】以上のように、記録層が2層構造の光学デ
ィスクでは、ΔR1 =0.2、R3は0.2以上、かつ
3 θk が充分大きくなるように、第1の記録層および
第2の記録層の材料や膜厚等の構成を最適化する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述の記録層を2層と
した構造で再生専用型(ROM型)と書き換え可能型
(RAM型)を併用する光学ディスクでは、波長630
nmのレーザ光を用いて情報の記録や再生を行い、半透
明の第1の反射膜2の上に透明な中間UV層3が形成さ
れ、その上に第2の記録層を構成する光磁気記録層が形
成される。そして各層からの反射率は0.2以上必要で
ある。この光磁気記録層に、従来の光磁気ディスクと同
様に、TbFeCo磁性膜およびその両側の誘電体膜を
含む4層構造を用いると、光磁気記録層における反射率
が小さく、またカー回転角θk も小さくなり、第2の記
録層を再生するときに、安定した再生特性が得られない
問題がある。
【0026】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、第2の記録層を再生する場合に、良好な再生特
性を有する光学ディスクを提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明による光学記録媒
体は、少なくとも第1の記録層と、第1の記録層上に表
面が平坦化された透明樹脂層と、透明樹脂層の平坦面上
に形成された第2の記録層を有し、第2の記録層は少な
くともPtCo膜を有する構成とする。
【0028】上述の本発明の構成によれば、第2の記録
層に波長630nmのレーザ光に対する反射率が高く、
カー回転角が大きいPtCo膜を用いることにより、第
2の記録層からの反射率が高くなり、また再生特性が向
上する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明による光学記録媒体は、基
板上に第1の記録層と第2の記録層とが透明樹脂層を介
して積層形成されてなる光学記録媒体例えば光学ディス
クやカード等において、第2の記録層を少なくともPt
Co膜を含んで構成する。
【0030】PtCo膜は波長630nmのレーザ光に
対する反射率が高く、カー回転角が大きいので、これに
より第2の記録層からの反射率が高くなり、また再生特
性が向上するものである。
【0031】このPtCo膜を含む第2の記録層として
は、PtCo膜および反射膜の2層構造、透明な誘電体
膜・PtCo膜・反射膜の3層構造、透明な誘電体膜・
PtCo膜・透明な誘電体膜・反射膜の4層構造等を用
いて構成することができる。
【0032】続いて、本発明による光学記録媒体の具体
例について説明する。
【0033】図1に本発明の光学記録媒体、この例では
光学ディスクの一例(以下実施例1とする)の断面構成
図を示す。この例では、記録層を2層とし、そのうち第
2の記録層24をPtCo膜12を含んで構成し、第2
の記録層24をPtCo膜12と第2の反射膜14との
2層構造とする場合の例である。
【0034】この光学ディスクは、記録情報に応じた凹
凸記録ピットを形成した透明基板1上に第1の反射膜2
を形成して第1の記録層を構成し、透明樹脂層として紫
外線硬化樹脂からなる中間層すなわち中間UV層3を介
して、PtCo膜12および第2の反射膜14を形成し
て第2の記録層24を構成し、これの上に保護膜5が積
層形成されてなる。
【0035】この光学ディスクの製造は例えば次のよう
にして行う。まず、第1の記録層を構成する凹凸ピット
が形成された、厚さが1.2mm、半径が60mmの円
盤状のポリカーボネート樹脂からなる透明基板1を射出
成形等の方法により形成する。この凹凸ピット上に、ス
パッタリングによりシリコンからなる第1の反射膜2
を、15nmの厚さに被着形成させる。このとき、図5
における透明基板1の上から入射した光の強度T0
1.0とすると、第1の反射膜2において多重干渉して
反射してくる光の反射率R1 は0.21、第1の反射膜
2を透過し中間UV層3に入射する光の強度T1 は0.
72となる。
【0036】続いて第1の反射膜2の上に、中間UV層
3を厚さが30〜50μmとなるように形成する。この
中間UV層3の形成には、例えば2P法を用いる。そし
て、この塗膜に紫外線を照射し硬化させることで、中間
UV層3を形成することができる。
【0037】この中間UV層3の上に第2の記録層24
を構成するPtCo膜12を形成する。PtCo膜12
は、厚さ1.1nmのPt膜と、厚さ0.64nmのC
o膜とを交互に重ねた積層構造として、スパッタ法、蒸
着等により形成する。そして積層構造の全膜厚は垂直磁
化膜が得られる10〜20nmとする。
【0038】次にこの上にスパッタ法により、第2の反
射膜14としてAl膜を60nmの厚さに形成する。そ
の後に、紫外線硬化樹脂からなる保護膜5をスピンコー
ト法により約10μmの厚さに形成し、光学ディスク1
0を構成する。
【0039】この実施例1の光学ディスク10に対し
て、波長630nmのレーザ光により第2の記録層24
を再生したときの、第1の記録層を透過して透明基板1
表面で観察される反射率R3 およびカー回転角θk を計
算により求めた。図6にPtCo膜12の膜厚とこの反
射率R3 およびカー回転角θk との関係を示す。
【0040】図6より、PtCo膜12の膜厚が10〜
20nmの範囲では、反射率R3 は0.32以上とな
り、光検出素子に戻る反射強度として充分な光が得られ
ることがわかる。
【0041】また図7に、PtCo膜12の膜厚と、反
射率R3 およびカー回転角θk の積から得られた性能指
数R3 θk との関係を示す。図7よりPtCo膜12の
膜厚が20nmのとき、性能指数R3 θk は最大値0.
095[°]をとることがわかる。
【0042】図2に本発明の光学記録媒体、この例では
光学ディスクの他の例(以下実施例2とする)の断面構
成図を示す。この例では、第2の記録層24をPtCo
膜12を含んで構成し、この第2の記録層24を透明な
誘電体膜11とPtCo膜12と第2の反射膜14との
3層構造とする場合の例である。透明基板1と第1の反
射膜2は、図示を省略しているが図1と同じである。
【0043】この光学ディスクは、記録情報に応じた凹
凸記録ピットを形成した透明基板1上に第1の反射膜2
を形成して第1の記録層を構成し、紫外線硬化樹脂から
なる中間UV層3を介して、透明な誘電体膜11、Pt
Co膜12および第2の反射膜14を形成して第2の記
録層24を構成し、これの上に保護膜5が積層形成され
てなる。
【0044】この光学ディスクの製造は、実施例1の光
学ディスクと同様に透明基板1、第1の反射膜2、中間
UV層3を積層形成した後に、中間UV層3の上に第2
の記録層24を構成する誘電体膜11を形成する。この
誘電体膜11は例えばSiNからなり、スパッタ法によ
り形成する。膜厚は120nm以下とする。
【0045】続いてPtCo膜12を形成する。PtC
o膜12は、厚さ1.1nmのPt膜と、厚さ0.64
nmのCo膜とを交互に重ねた積層構造として、スパッ
タ法、蒸着等により形成する。そして積層構造の全膜厚
は垂直磁化膜が得られる10nm、15nm、20nm
とする。
【0046】次に、この上にスパッタ法により第2の反
射膜14としてAl膜を60nmの厚さに形成する。そ
の後に、紫外線硬化樹脂からなる保護膜5をスピンコー
ト法により約10μmの厚さに形成し、光学ディスク2
0を構成する。
【0047】この実施例2の光学ディスク20に対し
て、波長630nmのレーザ光により第2の記録層24
を再生したときの第1の記録層を透過して基板1表面で
観察される反射率R3 およびカー回転角θk を(計算に
より)求めた。図8に、PtCo膜12の膜厚をそれぞ
れ10nm、15nm、20nmとしたときにおける、
誘電体膜11のSiN膜の膜厚(0〜120nm)と、
この反射率R3 およびカー回転角θk との関係を示す。
【0048】図8より、PtCo膜12の膜厚が10〜
20nm、SiN膜の膜厚が120nm以下の範囲で
は、反射率R3 は0.23以上となり、光検出素子に戻
る反射強度として充分な光が得られることがわかる。
【0049】また図9に、PtCo膜12の膜厚をそれ
ぞれ10nm、15nm、20nmとしたときにおけ
る、SiN膜の膜厚と、反射率R3 およびカー回転角θ
k の積から得られた性能指数R3 θk との関係を示す。
図9よりPtCo膜の膜厚が10nm、SiN膜の膜厚
が70nmのときのとき、性能指数R3 θk は最大値
0.125[°]をとることがわかる。
【0050】図3に本発明の光学記録媒体、この例では
光学ディスクのさらに他の例(以下実施例3とする)の
断面構成図を示す。この例では、記録層を2層とし、第
2の記録層24をPtCo膜12を含んで構成し、この
第2の記録層24を透明な誘電体膜11・PtCo膜1
2・透明な誘電体膜13・第2の反射膜14との4層構
造とする場合の例である。透明基板1と第1の反射膜2
は、図示を省略しているが図1と同じである。
【0051】この光学ディスクは、記録情報に応じた凹
凸記録ピットを形成した透明基板1上に第1の反射膜2
を形成して第1の記録層を構成し、紫外線硬化樹脂から
なる中間UV層3を介して、透明な第1の誘電体膜1
1、PtCo膜12、透明な第2の誘電体膜13および
第2の反射膜14を形成して第2の記録層24を構成
し、これの上に保護膜5が積層形成されてなる。
【0052】この光学ディスクの製造は、実施例1の光
学ディスクと同様に透明基板1、第1の反射膜2、中間
UV層3を積層形成した後に、中間UV層3の上に第2
の記録層24を構成する第1の誘電体膜11を形成す
る。第1の誘電体膜11は例えばSiNからなり、スパ
ッタ法により80nmの厚さに形成する。
【0053】続いてPtCo膜12を形成する。PtC
o膜12は、厚さ1.1nmのPt膜と、厚さ0.64
nmのCo膜とを交互に重ねた積層構造として、スパッ
タ法、蒸着等により形成する。そして積層構造の全膜厚
は垂直磁化膜が得られる10nm〜20nmとする。
【0054】PtCo膜の上にSiNからなる第2の誘
電体膜13をスパッタ法により形成する。膜厚は60n
m以下とした。
【0055】次に、この上にスパッタ法により第2の反
射膜14としてAl膜を60nmの厚さに形成する。そ
の後に、紫外線硬化樹脂からなる保護膜5をスピンコー
ト法により約10μmの厚さに形成し、光学ディスク3
0を構成する。
【0056】この実施例3の光学ディスク30に対し
て、波長630nmのレーザ光により第2の記録層24
を再生したときの第1の記録層を透過して基板1表面で
観察される反射率R3 およびカー回転角θk を(計算に
より)求めた。図10に、PtCo膜12の膜厚をそれ
ぞれ10nm、15nm、20nmとしたときにおけ
る、SiN膜(第2の誘電体膜13)の膜厚(0〜60
nm)と、この反射率R3およびカー回転角θk との関
係を示す。
【0057】図10より、PtCo膜12の膜厚が10
〜20nm、SiN膜(第2の誘電体膜13)の膜厚が
60nm以下の範囲では、反射率R3 は0.2以上とな
り、光検出素子に戻る反射強度として充分な光が得られ
ることがわかる。
【0058】また図11に、PtCo膜12の膜厚をそ
れぞれ10nm、15nm、20nmとしたときにおけ
る、SiN膜(第2の誘電体膜13)の膜厚と、反射率
3およびカー回転角θk の積から得られた性能指数R
3 θk との関係を示す。図11よりPtCo膜12の膜
厚が10nm、SiN膜(第2の誘電体膜13)の膜厚
が15nmのとき、性能指数R3 θk は最大値0.14
5[°]をとることがわかる。
【0059】次に本発明の光学ディスクと比較を行う光
学ディスクの一例を示す。この例では第2の記録層24
が4層構造からなる、図3に示した実施例3の光学ディ
スクの構成において、PtCo膜12の代わりに、従来
の光磁気ディスクの磁性膜として用いられているTbF
eCo膜を用いる光学ディスク(以下比較例とする)の
例である。
【0060】現行の記録層が1つである光磁気ディスク
においては通常、第1の誘電体膜(SiN膜)を110
nm、TbFeCo膜を13nm、第2の誘電体膜(S
iN膜)を35nm、Al膜を60nmの厚さに形成し
ている。
【0061】第1および第2の誘電体膜は、膜厚が極端
に薄くなるとTbFeCo膜の耐腐食性能が低下するの
で、最低でも15nm以上の膜厚が必要である。従っ
て、第2の記録層24にTbFeCo膜を用いる場合に
は、図1や図2に示したような第2の記録層24の構造
をとることはできず、図3と同様に第1の誘電体膜およ
び第2の誘電体膜を必要とする。また、TbFeCo膜
は、磁気特性や繰り返し記録の安定性から20nm以上
の膜厚を有することが望ましい。
【0062】この例では、SiNからなる第1の誘電体
膜11を110nm、TbFeCo膜を20nm、Al
からなる第2の反射膜14を60nmの膜厚でそれぞれ
形成し、SiNからなる第2の誘電体膜13の膜厚を6
0nm以下とする。
【0063】この比較例の光学ディスクに対して、波長
630nmのレーザ光により第2の記録層24を再生し
たときの第1の記録層を透過して基板1表面で観察され
る反射率R3 およびカー回転角θk を(計算により)求
めた。図12に、第2の誘電体膜13の膜厚(0〜60
nm)と、反射率R3 およびカー回転角θk との関係を
示す。
【0064】図12より、第2の誘電体膜13の膜厚が
15〜60nmの範囲では、反射率R3 は0.17以下
となり、光検出素子に戻る反射強度として充分ではない
ことがわかる。
【0065】また図13に、第2の誘電体膜13の膜厚
と、反射率R3 およびカー回転角θ k の積から得られた
性能指数R3 θk との関係を示す。図13より、第2の
誘電体膜13の膜厚が10nmのとき、性能指数R3 θ
kは最大値0.094[°]をとることがわかる。
【0066】このように、比較例の光学ディスクでは反
射率R3 および性能指数R3 θk が小さく、充分な再生
特性が得られない。
【0067】実施例1の第2の記録層4を2層構造とし
た場合には、比較例に比して反射率R3 は充分大きい
が、性能指数R3 θk はあまり差がない。実施例2のよ
うに誘電体膜11を形成して3層構造により第2の記録
層を構成すると、光学的に信号のエンハンスが図られ性
能指数を向上することができる。またこのとき誘電体膜
11によって、中間UV層3を記録の際に生じる熱から
保護することができる。
【0068】また、実施例3のように、PtCo膜12
と第2の反射膜14との間にさらに第2の誘電体膜13
を挟む構造とすると、第2の誘電体膜13の熱伝導率が
低いため、PtCo膜12から第2の反射膜14へ熱が
逃げにくくなり、効率よくPtCo膜12へ記録を行う
ことができる。
【0069】また第2の記録層24を4層構造とした、
この実施例3の場合、比較例のTbFeCo膜により構
成した場合の1.5倍以上の性能指数R3 θk が得られ
ることがわかる。
【0070】尚、これらの反射率の値は本例で使用した
上記成膜条件で行った場合の値であり、成膜条件を変更
することで、反射率なども調整することが可能である。
【0071】上述の実施例においては、本発明を光学デ
ィスクに適用したが、カード等の他の光学記録媒体にも
同様に本発明を適用できる。
【0072】また上述の実施例では透明基板1としてポ
リカーボネート樹脂を用いたが、ポリオレフィン樹脂や
ガラス上に、2P法による凹凸記録ピットが形成された
基板、ガラスエッチング基板等を用いることもできる。
【0073】また上述の例では、記録層を2層として、
第1の記録層を凹凸記録ピットにより構成し、第2の記
録層をPtCo膜を有する記録層(光磁気記録層)によ
り構成した例であったが、記録層を3層以上として透明
基板と反対の側(保護膜側)の記録層をPtCo膜を有
する記録層とする構成の光学記録媒体においても、本発
明を適用することができる。
【0074】本発明の光学記録媒体は、上述の例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
その他様々な構成が取り得る。
【0075】
【発明の効果】本発明の光学記録媒体によれば、あらか
じめデータが記録されている再生専用型の記録層すなわ
ちROM型の記録層と、ユーザーが書き換えを行うこと
ができる書き換え型の記録層すなわちRAM型の記録層
とを有する光学記録媒体において、書き換え型の記録層
を波長630nmのレーザ光に対する反射率が高くカー
回転角が大きいPtCo膜を用いて光磁気記録層を構成
することにより、この記録層において反射して光検出素
子に戻る反射光が充分な強度の光として得られる。
【0076】従って、この書き換え型の記録層を再生す
る場合にも、良好な再生特性を有する光学記録媒体を構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学ディスクの一例の断面構成図であ
る。
【図2】本発明の光学ディスクの他の例の断面構成図で
ある。
【図3】本発明の光学ディスクのさらに他の例の断面構
成図である。
【図4】記録層を2層とした構造の光学ディスクの断面
構成図である。
【図5】図4の光学ディスクの要部の拡大図である。
【図6】実施例1の光学ディスクにおけるPtCo膜の
膜厚と反射率R3 およびカー回転角θk との関係を示す
図である。
【図7】実施例1の光学ディスクにおけるPtCo膜の
膜厚と、性能指数R3 θk との関係を示す図である。
【図8】実施例2の光学ディスクにおけるPtCo膜の
膜厚およびSiN膜の膜厚と反射率R3 およびカー回転
角θk との関係を示す図である。
【図9】実施例2の光学ディスクにおけるPtCo膜の
膜厚およびSiN膜の膜厚と性能指数R3 θk との関係
を示す図である。
【図10】実施例3の光学ディスクにおけるPtCo膜
の膜厚および第2の誘電体膜のSiN膜の膜厚と反射率
3 およびカー回転角θk との関係を示す図である。
【図11】実施例3の光学ディスクにおけるPtCo膜
の膜厚および第2の誘電体膜のSiN膜の膜厚と性能指
数R3 θk との関係を示す図である。
【図12】比較例の光学ディスクにおける第2の誘電体
膜のSiN膜の膜厚と反射率R3およびカー回転角θk
との関係を示す図である。
【図13】比較例の光学ディスクにおける第2の誘電体
膜のSiN膜の膜厚と性能指数R 3 θk との関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 第1の反射膜 3 中間UV層 4 第2の反射膜 5 保護膜 10、20、30 光学ディスク 11 (第1の)誘電体膜 12 PtCo膜 13 第2の誘電体膜 14 第2の反射膜 24 第2の記録層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1の記録層と、 該第1の記録層上に表面が平坦化された透明樹脂層と、 該透明樹脂層の平坦面上に形成された第2の記録層を有
    し、 上記第2の記録層は少なくともPtCo膜を有してなる
    ことを特徴とした光学記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記PtCo膜の厚さを10〜20nm
    としたことを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記第2の記録層が、PtCo膜と反射
    膜の2層構造よりなることを特徴とした請求項1に記載
    の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記第2の記録層が、透明な誘電体膜、
    PtCo膜および反射膜の3層構造よりなることを特徴
    とした請求項1に記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記第2の記録層が、透明な誘電体膜、
    PtCo膜、透明な誘電体膜および反射膜の4層構造よ
    りなることを特徴とした請求項1に記載の光学記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記透明樹脂層の厚さを30〜50μm
    としたことを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒
    体。
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