JPH094402A - 軸流タービンの翼列 - Google Patents

軸流タービンの翼列

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JPH094402A
JPH094402A JP17668195A JP17668195A JPH094402A JP H094402 A JPH094402 A JP H094402A JP 17668195 A JP17668195 A JP 17668195A JP 17668195 A JP17668195 A JP 17668195A JP H094402 A JPH094402 A JP H094402A
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JP
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blade
blade row
row
fin
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JP17668195A
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Masanori Tsutsumi
雅徳 堤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低アスペクト比の翼からなる軸流タービンの
翼列において、通路渦の相互干渉による混合損失の増大
を抑制し、翼列の性能を向上させる。 【構成】 軸流タービンの翼列(1)において、翼列
(1)の上壁には、翼列(1)のスロート部にわたり翼
列(1)を通過する1次流れの流線に沿って高さの極く
低い第1のフィン(7a)が立設されているとともに、
翼列(1)の下壁には、翼列(1)のスロート部にわた
り翼列(1)を通過する1次流れの流線に沿って高さの
極く低い第2のフィン(7b)が、第1のフィン(7
a)とは翼列(1)のピッチ(p)方向にずれた位置で
立設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンや蒸気タ
ービン等のタービン原動機に適用することができる軸流
タービンの翼列に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、図5および図6により、従来の軸
流タービンの翼列について説明する。図5は、従来の軸
流タービンの翼列の横断面を平面上に展開して示す展開
横断面図であり、図6は、図5の翼列を出口側の斜め上
方から見た要部斜視概念図である。一般に、翼高さの小
さな低アスペクト比の翼の翼列1の上壁2aの下面側お
よび下壁2bの上面側においては、翼腹面1aに沿った
部分Pと翼背面1bに沿った部分Sとの間の圧力差によ
り、翼腹面1aから翼背面1bへと向かう2次流れ3が
生じる。この2次流れ3は、図6に示されるように通路
渦4に成長するが、翼高さが小さい翼の翼列の場合に
は、上下1対の渦が、翼高さの中央およびその近傍5に
おいて互いに干渉し合い、この渦の相互干渉により大き
な混合損失が発生する。図7には、上述のような低アス
ペクト比の翼からなる翼列の翼高さ方向に対する流れの
エネルギー損失の分布が示されている。図7において、
翼高さの中央およびその近傍5に、上記の2次流れの渦
の相互干渉によるエネルギー損失のピーク6が存在し、
このような混合損失が、翼列損失を増大させる傾向にあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の軸
流タービンの翼列によっては、翼高の小さな低アスペク
ト比の翼からなる翼列においては、翼列の上壁および下
壁に沿って生じる2次流れが通路渦に成長し、この通路
渦が翼高さの中央およびその近傍において相互に干渉す
る。この通路渦が相互干渉をすることによって生じる混
合損失により、翼列損失が増大し、高アスペクト比の翼
からなる翼列と比較して著しく性能が低下するという問
題がある。
【0004】そこで、本発明は、翼列の上壁および下壁
に沿って生じる2次流れによって生成される通路渦の発
達を抑制する一方、同通路渦が生成されたとしても同通
路渦相互が干渉することのないようにして、同通路渦の
相互干渉による混合損失の増大を抑制し、その結果、翼
高さの小さな低アスペクト比の翼からなる翼列における
翼列抵抗の増大を押さえて、同翼列の性能を向上するよ
うにした、軸流タービンの翼列を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の軸流タービンの翼列は、翼列の上壁に沿っ
て各翼の翼腹面側から同翼に隣接する翼の翼背面側へと
流れる2次流れの渦と、上記翼列の下壁に沿って各翼の
翼腹面側から同翼に隣接する翼の翼背面側へと流れる2
次流れの渦とが、翼高さの中央およびその近傍の高さに
おいて相互に干渉するような低い翼高で低アスペクト比
の領域の翼を備えた軸流タービンの翼列において、上記
翼列の上記上壁には、上記翼列の少なくとも各スロート
部にわたり上記翼列を通過する1次流れの流線に沿って
高さの極く低い第1のフィンが立設されているととも
に、上記翼列の上記下壁には、上記翼列の少なくとも各
スロート部にわたり上記翼列を通過する1次流れの流線
に沿って高さの極く低い第2のフィンが、上記第1のフ
ィンとは上記翼列のピッチ方向にずれた位置で立設され
ていることを特徴としている。また、本発明の軸流ター
ビンの翼列は、上記第1のフィンが、上記翼列の上記上
壁上において上記翼列の各スロート部よりもやや上流側
の上流部から上記翼列の出口部にかけて立設されている
とともに、上記第2のフィンが、上記翼列の上記下壁上
において上記翼列の各スロート部よりもやや上流側の上
流部から上記翼列の出口部にかけて立設されていること
を特徴としている。さらに、本発明の軸流タービンの翼
列は、上記第1のフィンが、上記互いに隣接する翼間の
中央よりも各翼の翼背面寄りの位置に沿って、上記上壁
上に立設されているとともに、上記第2のフィンが、上
記互いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼腹面寄りの
位置に沿って、上記下壁上に立設されていることを特徴
としている。また、本発明の軸流タービンの翼列は、上
記各翼の翼背面から上記第1のフィンまでの上記翼列の
ピッチ方向の距離、および上記各翼の翼腹面から上記第
2のフィンまでの上記翼列のピッチ方向の距離は、それ
ぞれ上記翼列のピッチの約3分の1であることを特徴と
している。さらに、本発明の軸流タービンの翼列は、上
記第1のフィンの上記翼列の上記上壁からの高さ、およ
び上記第2のフィンの上記翼列の上記下壁からの高さ
が、それぞれ壁面境界層の厚さの2ないし4倍の高さの
範囲であることを特徴としている。
【0006】
【作用】上記本発明の軸流タービンの翼列によれば、同
翼列の上壁に沿って各翼の翼腹面側から同翼に隣接する
翼の翼背面側へと流れる2次流れに対しては、同2次流
れが生じ易い部分である上記翼列の少なくともスロート
部において、上記第1のフィンがフェンスとして働き、
この第1のフィンによるフェンス効果により、上記上壁
に沿って流れる2次流れによって生成される通路渦の発
達が抑制される一方、上記翼列の下壁に沿って各翼の翼
腹面側から同翼に隣接する翼の翼背面側へと流れる2次
流れに対しては、同2次流れが生じ易い部分である上記
翼列の少なくともスロート部において、上記第2のフィ
ンがフェンスとして働き、この第2のフィンによるフェ
ンス効果により、上記下壁に沿って流れる2次流れの通
路渦の発達が抑制される。しかも、上記上壁に沿って流
れる2次流れが上記第1のフィンに衝突することによっ
てできる上記上壁側の通路渦と、上記下壁に沿って流れ
る2次流れが上記第2のフィンや翼背面に衝突すること
によってできる上記下壁側の通路渦とが相互に上記翼列
のピッチ方向にずれた位置に生成され、上記上壁側の通
路渦と上記下壁側の通路渦とが翼高さの中央およびその
近傍において干渉し合うということがなく、したがっ
て、翼高さの中央部における流れのエネルギー損失が抑
えられて、翼列損失の増大が抑制され、その分、翼列の
性能が向上する(請求項1)。また、本発明の軸流ター
ビンの翼列によれば、上記第1のフィンが、上記翼列の
上記上壁上において上記翼列の各スロート部よりもやや
上流側の上流部から上記翼列の出口部にかけて立設され
ているとともに、上記第2のフィンが、上記翼列の上記
下壁上において上記翼列の各スロート部よりもやや上流
側の上流部から上記翼列の出口部にかけて立設されてい
ることにより、上記上壁に沿って流れる2次流れおよび
上記下壁に沿って流れる2次流れは、それぞれ上記翼列
の各スロート部よりもやや上流側の上流部の位置から上
記第1のフィンおよび上記第2のフィンに衝突すること
となり、上記上壁側の通路渦および上記下壁側の通路渦
の発生が上記スロート部よりも上流の位置においても確
実に抑制される(請求項2)。さらに、本発明の軸流タ
ービンの翼列によれば、上記第1のフィンが、上記互い
に隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面寄りの位置に
沿って、上記上壁上に立設されているとともに、上記第
2のフィンが、上記互いに隣接する翼間の中央よりも各
翼の翼腹面寄りの位置に沿って、上記下壁上に立設され
ていることにより、上記上壁に沿って流れる2次流れが
上記第1のフィンに衝突してできる通路渦は、上記互い
に隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面寄りの位置に
生成されるとともに、上記下壁に沿って流れる2次流れ
が上記第2のフィンに衝突してできる通路渦は、上記互
いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼腹面寄りの位置
に生成され、上記上壁側にできた渦のうち比較的大きく
発達した方の渦と上記下壁側にできた渦のうち比較的大
きく発達した方の渦とは、翼列のピッチ方向にずれた位
置に生成される(請求項3)。また、本発明の軸流ター
ビンの翼列によれば、上記各翼の翼背面から上記第1の
フィンまでの上記翼列のピッチ方向の距離、および上記
各翼の翼腹面から上記第2のフィンまでの上記翼列のピ
ッチ方向の距離は、それぞれ上記翼列のピッチの約3分
の1であることにより、上記上壁側における上記第1の
フィンから上記各翼の翼背面に至るまでの翼列のピッチ
方向の距離と、上記下壁側における上記各翼の翼腹面か
ら上記第2のフィンに至るまでの翼列のピッチ方向の距
離と、上記第2のフィンから上記第1のフィンまでの翼
列のピッチ方向の距離とが、互いにほぼ等分に設定され
ることとなり、上記上壁に沿って流れる流れが上記第1
のフィンに衝突してできる渦や、各翼の翼背面に衝突し
てできる渦が、上記下壁に沿って流れる流れが上記第2
のフィンや各翼の翼背面に衝突してできる渦と干渉する
ことがないとともに、その発達が抑制される一方、上記
下壁に沿って流れる流れが上記第2のフィンや、各翼の
翼背面に衝突してできる渦が、上記上壁に沿って流れる
流れが上記第1のフィンに衝突してできる渦や、各翼の
翼背面に衝突してできる渦と干渉することがないととも
に、その発達が抑制される(請求項4)。さらに、本発
明の軸流タービンの翼列によれば、上記第1のフィンの
上記翼列の上記上面からの高さ、および上記第2のフィ
ンの上記翼列の上記下面からの高さが、それぞれ壁面境
界層の厚さの2ないし4倍の高さの範囲であることによ
り、上記翼列の上壁に沿って流れる2次流れは、上記第
1のフィンによって確実に捕捉されて、渦の発達が抑制
されるとともに、上記翼列の下壁に沿って流れる2次流
れも、上記第2のフィンによって確実に捕捉されて、渦
の発達が抑制される(請求項5)。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明の1実施例としての
軸流タービンの翼列について説明する。図2および図3
において、低い翼高Hで低アスペクト比の領域の翼を備
えた軸流タービンの翼列1の上壁2aには、翼列1の少
なくとも各スロート部にわたり翼列1を通過する1次流
れの流線に沿って高さの極く低い第1のフィン7aが立
設されているとともに、翼列1の下壁2bには、翼列1
の少なくとも各スロート部にわたり翼列1を通過する1
次流れの流線に沿って高さの極く低い第2のフィン7b
が、上記第1のフィン7aとは上記翼列のピッチ方向に
ずれた位置で立設されている。翼列1の上壁2aの下面
側および下壁2bの上面側においては、翼腹面1aに沿
った部分Pと翼背面1bに沿った部分Sとの間の圧力差
により、翼腹面1aから翼背面1bへと向かう2次流れ
3a,3bが生じるが、翼列1の上壁2aに沿って各翼
の翼腹面1a側から同翼に隣接する翼の翼背面1b側へ
と流れる2次流れ3aに対しては、2次流れが生じ易い
部分である翼列1の少なくともスロート部において、第
1のフィン7aがフェンスとして働き、この第1のフィ
ン7aによるフェンス効果により、上壁2aに沿って流
れる2次流れ3aによって生成される通路渦4aの発達
が抑制される一方、翼列1の下壁2bに沿って各翼の翼
腹面1a側から同翼に隣接する翼の翼背面1b側へと流
れる2次流れ3bに対しては、2次流れが生じ易い部分
である翼列1の少なくともスロート部において、第2の
フィン7bがフェンスとして働き、この第2のフィン7
bによるフェンス効果により、下壁2bに沿って流れる
2次流れ3bの通路渦の発達が抑制される。しかも、上
壁2a側の通路渦4aと、下壁2b側の通路渦4bとが
相互に翼列1のピッチ方向にずれた位置に生成され、上
壁2a側の通路渦4aと下壁2b側の通路渦4bとが翼
高さHの中央およびその近傍において干渉し合うという
ことがない。その結果、低アスペクト比の翼からなる翼
列1の翼高さ方向に対する流れのエネルギー損失の分布
を示す図4において、従来の翼列の場合については点線
で示されているのに対して、本発明の翼列の場合につい
ては実線で示されているように、従来の翼列において見
られたような、翼高さHの中央およびその近傍における
2次流れの渦の相互干渉によるエネルギー損失のピーク
が、本発明の翼列の場合においては消滅している。
【0008】上記第1のフィン7aを、翼列1の上壁2
a上において翼列1の各スロート部よりもやや上流側の
上流部1cから翼列1の出口部にかけて立設するととも
に、上記第2のフィン7bを、翼列1の下壁2b上にお
いて翼列1の各スロート部よりもやや上流側の上流部1
cから翼列1の出口部にかけて立設すると、上壁2aに
沿って流れる2次流れ3aおよび下壁2bに沿って流れ
る2次流れ3bは、それぞれ翼列1のスロート部よりも
やや上流側の上流部1cの位置から第1のフィン7aお
よび第2のフィン7bに衝突することとなり、上壁2a
側の通路渦4aおよび下壁2b側の通路渦4bの発生が
上記スロート部よりも上流の位置においても確実に抑制
される。
【0009】図3に示されるように、第1のフィン7a
を、互いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面1b
寄りの位置に沿って、上記上壁2a上に立設するととも
に、第2のフィン7bを、互いに隣接する翼間の中央よ
りも各翼の翼腹面1a寄りの位置に沿って、下壁2b上
に立設すると、上壁2aに沿って流れる2次流れ3aが
第1のフィン7aに衝突してできる通路渦4aは、互い
に隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面1b寄りの位
置にできる一方、下壁2bに沿って流れる2次流れ3b
が第2のフィン7bに衝突してできる通路渦は、互いに
隣接する翼間の中央よりも各翼の翼腹面1a寄りの位置
にでき、上壁2a側にできる渦と下壁2b側にできる渦
とは、翼列のピッチ方向にずれた位置に生成される。
【0010】図1に示されるように、各翼の翼背面1b
から上記第1のフィン7aまでの翼列1のピッチ方向の
距離、および各翼の翼腹面1aから第2のフィン7bま
での翼列1のピッチ方向の距離は、それぞれ翼列1のピ
ッチpの約3分の1、すなわちp/3となるように設定
すると、上壁2a側における第1のフィン7aから各翼
の翼背面1bに至るまでの翼列1のピッチ方向の距離p
/3と、下壁2b側における上記各翼の翼腹面1aから
第2のフィン7bに至るまでの翼列のピッチ方向の距離
p/3と、第2のフィン7bから第1のフィン7aまで
の翼列のピッチ方向の距離とが、互いにほぼ等分に設定
されることとなり、上記上壁2aに沿って流れる流れが
上記第1のフィン7aに衝突してできる渦4aや、各翼
の翼背面1bに衝突してできる渦が、上記下壁2bに沿
って流れる流れが上記第2のフィン7bや各翼の翼背面
1bに衝突してできる渦と干渉することがないととも
に、その発達が抑制される一方、下壁2bに沿って流れ
る流れが上記第2のフィン7bや、各翼の翼背面1bに
衝突してできる渦が、上壁2aに沿って流れる流れが上
記第1のフィン7aに衝突してできる渦4aや、各翼の
翼背面1bに衝突してできる渦と干渉することがないと
ともに、その発達が抑制される。
【0011】さらに、図1に示されるように、第1のフ
ィン7aの翼列1の上面2aからの高さh、および第2
のフィン7bの翼列1の下面2bからの高さhを、それ
ぞれ壁面境界層の厚さの2ないし4倍の高さの範囲に設
定すると、翼列1の上壁2aに沿って流れる2次流れ
は、第1のフィン7aによって確実に捕捉されて、渦の
発達が抑制されるとともに、翼列1の下壁2bに沿って
流れる2次流れも、第2のフィン7bによって確実に捕
捉されて、渦の発達が抑制される。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明の軸流タービンの
翼列によれば、以下のような効果が得られる。翼列の上
壁に沿って各翼の翼腹面側から同翼に隣接する翼の翼背
面側へと流れる2次流れの渦と、上記翼列の下壁に沿っ
て各翼の翼腹面側から同翼に隣接する翼の翼背面側へと
流れる2次流れの渦とが、翼高さの中央およびその近傍
の高さにおいて相互に干渉するような低い翼高で低アス
ペクト比の領域の翼を備えた軸流タービンの翼列におい
て、上記翼列の上記上壁には、上記翼列の少なくとも各
スロート部にわたり上記翼列を通過する1次流れの流線
に沿って高さの極く低い第1のフィンが立設されている
とともに、上記翼列の上記下壁には、上記翼列の少なく
とも各スロート部にわたり上記翼列を通過する1次流れ
の流線に沿って高さの極く低い第2のフィンが、上記第
1のフィンとは上記翼列のピッチ方向にずれた位置で立
設されているので、上記翼列の上壁に沿って各翼の翼腹
面側から同翼に隣接する翼の翼背面側へと流れる2次流
れに対しては、同2次流れが生じ易い部分である上記翼
列の少なくともスロート部において、上記第1のフィン
がフェンスとして働き、この第1のフィンによるフェン
ス効果により、上記上壁に沿って流れる2次流れによっ
て生成される通路渦の発達が抑制される一方、上記翼列
の下壁に沿って各翼の翼腹面側から同翼に隣接する翼の
翼背面側へと流れる2次流れに対しては、同2次流れが
生じ易い部分である上記翼列の少なくともスロート部に
おいて、上記第2のフィンがフェンスとして働き、この
第2のフィンによるフェンス効果により、上記下壁に沿
って流れる2次流れの通路渦の発達が抑制される。しか
も、上記上壁に沿って流れる2次流れが上記第1のフィ
ンに衝突することによってできる上記上壁側の通路渦
と、上記下壁に沿って流れる2次流れが上記第2のフィ
ンや各翼の翼背面に衝突することによってできる上記下
壁側の通路渦とが相互に上記翼列のピッチ方向にずれた
位置に生成され、上記上壁側の通路渦と上記下壁側の通
路渦とが翼高さの中央およびその近傍において干渉し合
うということがなく、通路渦の相互干渉による流れの大
きなエネルギー損失が避けられ、翼列損失の増大を防止
することができる(請求項1)。また、本発明の軸流タ
ービンの翼列によれば、第1のフィンが、翼列の上壁上
において上記翼列の各スロート部よりもやや上流側の上
流部から上記翼列の出口部にかけて立設されているとと
もに、第2のフィンが、翼列の下壁上において上記翼列
の各スロート部よりもやや上流側の上流部から上記翼列
の出口部にかけて立設されているので、上記上壁に沿っ
て流れる2次流れおよび上記下壁に沿って流れる2次流
れは、それぞれ上記翼列の各スロート部よりもやや上流
側の上流部の位置から上記第1のフィンおよび上記第2
のフィンに衝突することとなり、上記上壁側の通路渦お
よぶ上記下壁側の通路渦の発生が上記スロート部よりも
上流の位置においても確実に抑制される(請求項2)。
さらに、本発明の軸流タービンの翼列によれば、第1の
フィンが、互いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背
面寄りの位置に沿って、上記上壁上に立設されていると
ともに、上記第2のフィンが、上記互いに隣接する翼間
の中央よりも各翼の翼腹面寄りの位置に沿って、上記下
壁上に立設されているので、上記上壁に沿って流れる2
次流れが上記第1のフィンに衝突してできる通路渦は、
上記互いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面寄り
の位置に生成されるとともに、上記下壁に沿って流れる
2次流れが上記第2のフィンに衝突してできる通路渦
は、上記互いに隣接する翼間の中央よりも各翼の翼腹面
寄りの位置に生成され、上記上壁側に生成される渦と上
記下壁側に生成される渦とは、翼列のピッチ方向にずれ
た位置に生成され、相互に干渉することがなく、翼列損
失の増大が防止される(請求項3)。また、本発明の軸
流タービンの翼列によれば、各翼の翼背面から第1のフ
ィンまでの翼列のピッチ方向の距離、および上記各翼の
翼腹面から第2のフィンまでの上記翼列のピッチ方向の
距離は、それぞれ上記翼列のピッチの約3分の1である
ことにより、上壁側における第1のフィンから各翼の翼
背面に至るまでの翼列のピッチ方向の距離と、下壁側に
おける上記各翼の翼腹面から第2のフィンに至るまでの
翼列のピッチ方向の距離と、第2のフィンから第1のフ
ィンまでの翼列のピッチ方向の距離とが、互いにほぼ等
分に設定されることとなり、上記上壁に沿って流れる流
れが上記第1のフィンに衝突してできる渦や、各翼の翼
背面に衝突してできる渦が、上記下壁に沿って流れる流
れが上記第2のフィンや各翼の翼背面に衝突してできる
渦と干渉することがないとともに、その発達が抑制され
る一方、下壁に沿って流れる流れが上記第2のフィン
や、各翼の翼背面に衝突してできる渦が、上壁に沿って
流れる流れが上記第1のフィンに衝突してできる渦や、
各翼の翼背面に衝突してできる渦と干渉することがない
とともに、その発達が抑制され、通過渦の混合に伴う翼
列損失の増大が防止され、軸流タービンの性能が向上す
る(請求項4)。さらに、本発明の軸流タービンの翼列
によれば、第1のフィンの翼列の上面からの高さ、およ
び第2のフィンの翼列の下面からの高さが、それぞれ壁
面境界層の厚さの2ないし4倍の高さの範囲であるの
で、翼列の上壁に沿って流れる2次流れは、上記第1の
フィンによって確実に捕捉されて、渦の発達が抑制され
るとともに、上記翼列の下壁に沿って流れる2次流れ
も、上記第2のフィンによって確実に捕捉されて、渦の
発達が抑制され、翼列損失の増大が防止されて、軸流タ
ービンの性能が一層向上する(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る軸流タービンの翼列を
説明するための斜視図である。
【図2】図1の実施例に係る軸流タービンの翼列の展開
平面断面図である。
【図3】図2の軸流タービンの翼列における渦の生成状
態を説明するための翼列出口部の斜視図である。
【図4】本発明の1実施例に係る軸流タービンの翼列に
おける翼高さ方向に対する流れのエネルギー損失の分布
を示すグラフである。
【図5】従来の軸流タービンの翼列の展開平面断面図で
ある。
【図6】図5の従来の軸流タービンの翼列における渦の
生成状態を説明するための翼列出口部の斜視図である。
【図7】従来の軸流タービンの翼列における翼高さ方向
に対する流れのエネルギー損失の分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 翼列 1a 翼腹面 1b 翼背面 1c スロートの上流部 2a 翼列の上壁 2b 翼列の下壁 3,3a,3b 2次流れ 4a,4b 通路渦 5 翼高さ中央部およびその近傍 6 エネルギー損失のピーク部 7a 第1のフィン 7b 第2のフィン H 翼高さ P 翼腹面に沿う部分 S 翼背面に沿う部分 h フィンの高さ p 翼列のピッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼列の上壁に沿って各翼の翼腹面側から
    同翼に隣接する翼の翼背面側へと流れる2次流れの渦
    と、上記翼列の下壁に沿って各翼の翼腹面側から同翼に
    隣接する翼の翼背面側へと流れる2次流れの渦とが、翼
    高さの中央およびその近傍の高さにおいて相互に干渉す
    るような低い翼高で低アスペクト比の領域の翼を備えた
    軸流タービンの翼列において、上記翼列の上記上壁に
    は、上記翼列の少なくとも各スロート部にわたり上記翼
    列を通過する1次流れの流線に沿って高さの極く低い第
    1のフィンが立設されているとともに、上記翼列の上記
    下壁には、上記翼列の少なくとも各スロート部にわたり
    上記翼列を通過する1次流れの流線に沿って高さの極く
    低い第2のフィンが、上記第1のフィンとは上記翼列の
    ピッチ方向にずれた位置で立設されていることを特徴と
    する、軸流タービンの翼列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された軸流タービンの翼
    列において、上記第1のフィンが、上記翼列の上記上壁
    上において上記翼列の各スロート部よりもやや上流側の
    上流部から上記翼列の出口部にかけて立設されていると
    ともに、上記第2のフィンが、上記翼列の上記下壁上に
    おいて上記翼列の各スロート部よりもやや上流側の上流
    部から上記翼列の出口部にかけて立設されていることを
    特徴とする、軸流タービンの翼列。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載された軸流ター
    ビンの翼列において、上記第1のフィンが、上記互いに
    隣接する翼間の中央よりも各翼の翼背面寄りの位置に沿
    って、上記上壁上に立設されているとともに、上記第2
    のフィンが、上記互いに隣接する翼間の中央よりも各翼
    の翼腹面寄りの位置に沿って、上記下壁上に立設されて
    いることを特徴とする、軸流タービンの翼列。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された軸流タービンの翼
    列において、上記各翼の翼背面から上記第1のフィンま
    での上記翼列のピッチ方向の距離、および上記各翼の翼
    腹面から上記第2のフィンまでの上記翼列のピッチ方向
    の距離は、それぞれ上記翼列のピッチの約3分の1であ
    ることを特徴とする、軸流タービンの翼列。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の軸流タービン
    の翼列において、上記第1のフィンの上記翼列の上記上
    壁からの高さ、および上記第2のフィンの上記翼列の上
    記下壁からの高さが、それぞれ壁面境界層の厚さの2な
    いし4倍の高さの範囲であることを特徴とする、軸流タ
    ービンの翼列。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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