JPH0942435A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH0942435A
JPH0942435A JP7209928A JP20992895A JPH0942435A JP H0942435 A JPH0942435 A JP H0942435A JP 7209928 A JP7209928 A JP 7209928A JP 20992895 A JP20992895 A JP 20992895A JP H0942435 A JPH0942435 A JP H0942435A
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Atsushi Tabata
淳 田端
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の摩擦係合装置を係合させる特定の走行
モードでのNレンジからDレンジへのシフトの際のショ
ックを防止する。 【解決手段】 所定の前進段で車両を後退させないよう
に摩擦係合装置を係合させるヒルホールドモードを設定
することのできる自動変速機の制御装置において、非駆
動レンジからヒルホールドモードでの前記所定の前進段
を設定する走行レンジにレンジを切り換えた場合に、そ
の前進段を設定するための摩擦係合装置に油圧を供給し
た後に、前記ヒルホールドモードで係合させられる前記
摩擦係合装置に油圧を供給するように構成されている。
入力用クラッチの油圧の制御に対する外乱要因が少なく
なるのでショックが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機の制御装置に関し、特に所定の前進段でヒルホール
ドモードを設定しもしくはエンジンブレーキを効かせる
などのために摩擦係合装置を選択的に係合させることの
できる自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機において、燃費や静
粛性を向上させるためにオーバードライブ装置が多用さ
れていることは周知のとおりである。その一例が特開平
5−157165号公報に記載されており、前進4段・
後進1段を設定するための主変速装置の入力側に、一組
の遊星歯車機構からなるオーバードライブ装置が設けら
れている。このオーバードライブ装置は、その遊星歯車
機構のキャリヤとサンギヤとをクラッチによって連結す
ることによりその全体が一体回転する低速段(直結段)
を設定し、またサンギヤをブレーキによって固定するこ
とにより高速段に設定するように構成されている。そし
て上記の公報に記載された自動変速機では、最高速段で
ある第5速を設定するためにオーバードライブ装置を高
速段にする以外に、後進段を設定する際にもオーバード
ライブ装置を高速段とし、これにより後進段での変速比
が大きくなることを防止している。
【0003】結局、上記の公報に記載された自動変速機
は、前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
き、そのために第1ないし第3のソレノイドバルブを設
けて変速を制御している。また通常の自動変速機と同様
に第1速や第3速などの変速段でエンジンブレーキを必
要とするから、上記の自動変速機では更に第4のソレノ
イドバルブを設けて、この第4ソレノイドバルブによっ
て所定の切換弁に信号圧を送り、エンジンブレーキ状態
を選択的に設定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動変速機
における油圧制御装置は、ドライブレンジやエンジンブ
レーキレンジで各変速段を設定するために、第1ないし
第4の4つのソレノイドバルブを設けているが、油圧制
御装置あるいは自動変速機の全体のコンパクト化のため
には、ソレノイドバルブの数を削減することが望まれ
る。その場合、オーバードライブ装置の高速段は、第5
速と後進段とで設定するだけであるのに対して、エンジ
ンブレーキ状態は、第1速や第3速の変速段で設定する
から、これらのいわゆる互いに干渉のない変速段で使用
されるソレノイドバルブを兼用することが考えられる。
具体的には、オーバードライブ装置を高速段に設定する
ためのソレノイドバルブを、エンジンブレーキレンジの
第1速や第3速などの変速段でエンジンブレーキ状態を
設定するように動作させることが考えられる。
【0005】しかるにいわゆるオーバードライブ用のソ
レノイドバルブをエンジンブレーキ用のソレノイドバル
ブと兼用するとした場合、ドライブ(D)レンジの第1
速ではエンジンブレーキを効かせないから、後進段設定
時とDレンジの第1速とでは、そのソレノイドバルブの
動作状態が互いに反対となる。すなわちこのソレノイド
バルブは、オーバードライブ装置を高速段に切り換える
ためのバルブであるから、フェイル時には高速段の変速
段を設定するフェイルセーフの観点から、非通電(OF
F)状態で信号圧を出力するように構成するのが通常で
ある。したがって後進段設定時には、このソレノイドバ
ルブをOFFにし、これに対してエンジンブレーキを効
かせないDレンジの第1速では、このソレノイドバルブ
をONにして信号圧を出力しないように構成することに
なる。
【0006】このように上記のソレノイドバルブをオー
バードライブ設定用とエンジンブレーキ用とに単純に兼
用するとすれば、後進段とDレンジとでソレノイドバル
ブへの通電パターンが反対となり、その結果、例えばD
レンジの第1速が設定されているにも拘わらず、電気的
なフェイルによって後進段(Rレンジ)の検出信号が出
力された場合には、前記ソレノイドバルブがOFFとな
って信号圧を出力してしまい、Dレンジの第1速でエン
ジンブレーキが効く状態になる。具体的には、第1速で
係合する一方向クラッチと並列の多板ブレーキが係合し
てしまうので、変速が円滑に実行できなくなり、変速シ
ョックが悪化する可能性がある。
【0007】このような不都合を解決するために、第1
速と後進段とにおける前記ソレノイドバルブの動作状態
を同一とすることが考えられる。その場合、そのソレノ
イドバルブが出力する信号圧をエンジンブレーキを効か
せる制御系統とオーバードライブ状態を制御する制御系
統とに切り換えて出力するバルブと、エンジンブレーキ
を効かせる制御系統において信号圧が入力されることに
よってエンジンブレーキを効かない状態にするバルブと
を設けることになる。このようにすれば、主変速装置で
の後進状態は、マニュアルバルブから出力されるRレン
ジ圧によって設定され、オーバードライブ装置の高速段
は前記ソレノイドバルブによって設定されるから、第1
速と後進段とのシフトソレノイドバルブの動作状態(通
電状態)を同一にすることができる。
【0008】上記のようにDレンジの第1速を設定する
ためのソレノイドバルブの通電状態と後進段を設定する
ためのソレノイドバルブの通電状態とを同一にすれば、
例えば電気的なフェイルによってRレンジとDレンジと
の相互の誤判定が生じて、Rレンジでオーバードライブ
装置が低速段(直結状態)になったり、Dレンジの第1
速でエンジンブレーキが効いたりする不都合を回避でき
る。
【0009】ところで上記のRレンジやDレンジは、シ
フト装置におけるシフトレバーを操作することによって
選択され、それに伴ってマニュアルバルブが切り替わっ
て各レンジに応じた摩擦係合装置やバルブに油圧が供給
される。例えばDレンジにシフトすれば、マニュアルバ
ルブからDレンジ圧が出力され、前進段を設定するため
の入力クラッチが係合させられ、また所定のシフトバル
ブにDレンジ圧が供給されて、そのシフトバルブをDレ
ンジでの動作状態とする。また発進時であれば、これと
併せて、シフトソレノイドバルブからシフトバルブに信
号圧が送られ、第1速を設定するための摩擦係合装置が
係合させられる。
【0010】さらにRレンジにシフトした場合には、マ
ニュアルバルブから主変速装置を後進状態にするための
摩擦係合装置に油圧が供給されてこれらが係合し、また
所定のシフトソレノイドバルブからの信号圧によって副
変速装置を高速段にするブレーキに油圧が送られ、これ
が係合する。
【0011】これに対して、ヒルホールドモードなどの
特別な走行モードが選択されている場合には、走行のた
めのレンジへのシフトに伴って油圧の供給箇所が増加す
ることがある。これをヒルホールドモードが選択されて
いる場合について説明すると、ヒルホールドモードは、
Dレンジでの走行にあたって、いわゆる坂道発進の際に
車両の後退を防ぐモードであって、発進用の変速段とし
て例えばエンジンブレーキの効く第3速が設定される。
したがってヒルホールドモードを選択している状態で、
非駆動レンジであるニュートラル(N)レンジからDレ
ンジにマニュアルシフトすると、前進段を設定するため
の入力クラッチと第3速を設定するための摩擦係合装置
(ブレーキ)とに加えて、エンジンブレーキを効かせる
ためのブレーキにも油圧を供給してこれらを係合させる
ことになる。すなわちヒルホールドモードを選択するこ
とに伴い、油圧を供給するべき摩擦係合装置の数が、通
常時よりも1つ多くなる。
【0012】通常、前記入力クラッチは発進時に解放状
態から係合状態に切り換えられるから、大きいトルク容
量を必要とし、そのために容量の大きいアキュームレー
タによって調圧しつつ係合させているが、上記のよう
に、ヒルホールドモードの選択によって油圧の供給箇所
が増えると、入力クラッチに対して供給する油圧の一時
的な低下や油圧の変動が生じ、その結果、変速ショック
が悪化する可能性がある。
【0013】また一方、シフトソレノイドバルブのON
/OFFの状態(通電パターン)に応じて各変速段を設
定する上述した自動変速機においては、Nレンジでのシ
フトソレノイドバルブのON/OFFの状態を、その時
点の車速やスロットル開度などの走行状態で決まる変速
段を設定するON/OFF状態としている。したがって
Nレンジで停止し、もしくは停止に近い状態にあれば、
シフトソレノイドバルブのON/OFFの状態は第1速
を設定するパターンになっており、これは、上述した自
動変速機ではRレンジと同じである。
【0014】これに対して前述したヒルホールドモード
はエンジンブレーキの効く第3速を発進時の変速段とす
るから、そのシフトソレノイドバルブのON/OFFの
状態は、Nレンジでの状態とは異なるのが通常である。
そのためヒルホールドモードを選択してエンジンブレー
キの効く第3速を設定している場合に、レンジ検出の一
時的なフェイルが生じてNレンジが誤判定されると、す
なわちNレンジ信号が一時的に生じると、シフトソレノ
イドバルブのON/OFFの状態は、Nレンジの状態に
なる。
【0015】その場合、副変速部を制御するソレノイド
バルブが、エンジンブレーキを制御するソレノイドバル
ブとして兼用されていれば、Nレンジの誤判定によって
第3速は維持されるものの、ヒルホールドモードを設定
するためのブレーキが解放させられる。そしてフェイル
が一時的であることにより、再度、Dレンジが判定され
ると、ヒルホールドモードのためのブレーキが再度係合
する。このようにレンジ判定の一時的なフェイルによっ
てブレーキの解放と係合とが連続して生じ、その結果、
ショックが悪化する可能性がある。
【0016】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、エンジンブレーキを効かせるように作
用する摩擦係合装置を係合させる走行モードを選択して
いる場合の走行レンジへのマニュアルシフトに伴うショ
ックを防止し、またレンジの誤判定に起因するショック
を防止することのできる制御装置を提供することを目的
とするものである。
【0017】そしてこの発明においては、上記の目的
は、ヒルホールドモードなどの特定の走行モードが選択
されている場合の非駆動レンジから駆動レンジへのマニ
ュアルシフトの際にその走行モードを達成するための摩
擦係合装置への油圧の供給を遅延させることにより達成
され、またヒルホールドモードやスポーツモードなどの
特別なモードを達成するためのソレノイドバルブのON
/OFF状態を非駆動レンジでのON/OFF状態と同
一にすることにより達成される。
【0018】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載した発明は、所定
の変速段でエンジンブレーキ用の摩擦係合装置を選択的
に係合させることができ、かつその変速段を発進用変速
段とする走行モードを選択することのできる自動変速機
の制御装置において、前記走行モードを選択している状
態で非駆動レンジから駆動レンジに切り換えた場合に、
前記変速段を設定するための摩擦係合装置への油圧の供
給に対して、前記エンジンブレーキ用摩擦係合装置に対
する油圧の供給を遅延させるよう構成されていることを
特徴とするものである。
【0019】したがって請求項1に記載した発明では、
特定の走行モードで発進する場合に、その走行モードを
達成するための摩擦係合装置に対する油圧の供給が、変
速段の達成のための摩擦係合装置に対する油圧の供給に
対して遅延されるために、その変速段の達成のための油
圧の低下や変動などが抑制もしくは防止され、その結
果、ショックが良好になる。
【0020】また請求項2に記載した発明は、所定の前
進段で車両を後退させないように摩擦係合装置を係合さ
せるヒルホールドモードを設定することのできる自動変
速機の制御装置において、非駆動レンジからヒルホール
ドモードでの前記所定の前進段を設定する走行レンジに
レンジを切り換えた場合に、その前進段を設定するため
の摩擦係合装置への油圧の供給に対して、前記ヒルホー
ルドモードで係合させられる前記摩擦係合装置への油圧
の供給を遅延させるように構成されていることを特徴と
するものである。
【0021】したがってこの請求項2の発明では、前進
段を設定するための摩擦係合装置とヒルホールドモード
を設定するための摩擦係合装置との両方に油圧が同時に
供給されないので、前進段を設定するための摩擦係合装
置の係合圧の低下や変動が生じることなくその油圧が適
正に制御され、変速ショックの悪化が防止される。
【0022】また請求項3に記載した発明は、後進状態
と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に切
り換えることのできる副変速部とを備え、所定の制御弁
が出力する信号圧を、前記副変速部を制御する信号圧
と、所定の前進段で車両の後退を阻止するべく係合させ
られるヒルホールド用摩擦係合装置を係合させる信号圧
とに切換弁で切り換えて使用し、かつ所定の前進レンジ
で前記ヒルホールド用摩擦係合装置を係合させる走行モ
ードを選択することのできる自動変速機の制御装置にお
いて、前記走行モードが選択されている状態で、非駆動
レンジから前記前進レンジに切り換えられた場合に、前
記所定の前進段を設定するための摩擦係合装置に油圧を
供給した後に、前記ヒルホールド用摩擦係合装置に油圧
を供給するように構成されていることを特徴とするもの
である。
【0023】したがってこの請求項3の発明では、ヒル
ホールドモードが選択されている場合には、副変速部を
高速段に制御する制御弁がそのヒルホールドモードで係
合させられる摩擦係合装置を制御する制御弁として作用
するが、非駆動レンジから走行レンジにマニュアルシフ
トした場合、先ず、前進段を設定する摩擦係合装置に油
圧が送られ、その後に前記制御弁で制御される摩擦係合
装置に油圧が送られるから、マニュアルシフト時に前進
段を設定するための油圧の一時的な低下や変動およびそ
れに伴う変速ショックの悪化が防止される。
【0024】請求項4に記載した発明は、複数のソレノ
イドバルブのON/OFFの状態に応じて変速段を設定
し、かつ所定の前進段でエンジンブレーキ用摩擦係合装
置を係合させる走行モードが選択されている状態では前
記複数のソレノイドバルブのON/OFF状態をエンジ
ンブレーキ用摩擦係合装置を係合させる状態に設定する
自動変速機の制御装置において、前記走行モードが選択
されている場合、非駆動レンジでの前記複数のソレノイ
ドバルブのON/OFFの状態が、前記走行モードで前
記所定の前進段を設定する前記複数のソレノイドバルブ
のON/OFFの状態と同一となるように構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0025】したがってこの請求項4の発明では、特定
の走行モードを設定した状態で走行中にフェイルによっ
て非駆動レンジが一時的に判定された場合であっても、
ソレノイドバルブのON/OFFの状態に変更が生じな
い。そのため特定の走行モードを設定するために係合し
ている摩擦係合装置の一時的な解放がなく、ショックが
発生しない。
【0026】さらに請求項5に記載した発明は、後進状
態と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に
切り換えることのできる副変速部とを備え、所定の制御
弁が出力する信号圧を、前記副変速部を制御する信号圧
と、所定の前進段で車両の後退を阻止するヒルホールド
モードで係合させられるヒルホールド用摩擦係合装置を
係合させる信号圧とに切換弁で切り換えて使用し、複数
のソレノイドバルブのON/OFFの状態に応じて各変
速段を設定する自動変速機の制御装置において、前記ヒ
ルホールドモードが選択されている場合、非駆動レンジ
での前記複数のソレノイドバルブのON/OFFの状態
が、ヒルホールドモードで前記所定の前進段を設定する
前記複数のソレノイドバルブのON/OFFの状態と同
一となるように構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0027】したがってこの請求項5に記載した発明で
は、前記制御弁から出力される信号圧に基づいて係合さ
せられている摩擦係合装置は、フェイルによって非駆動
レンジが一時的に判定されてもソレノイドバルブのON
/OFF状態が変化しないために係合したままとなり、
そのためレンジの判定のフェイルによってショックが生
じることが防止される。
【0028】そして請求項6に記載した発明は、後進状
態と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に
切り換えることのできる副変速部とを備え、所定の制御
弁が出力する信号圧を、前記副変速部を制御する信号圧
と、所定の前進段でエンジンブレーキを効かせるべく係
合させるエンジンブレーキ用摩擦係合装置を係合させる
信号圧とに切換弁で切り換えて使用し、複数のソレノイ
ドバルブのON/OFFの状態に応じて各変速段を設定
する自動変速機の制御装置において、前記所定の前進段
でエンジンブレーキを効かせる走行レンジが選択されて
いる場合に、非駆動レンジでの前記複数のソレノイドバ
ルブのON/OFFの状態が、前記走行レンジでエンジ
ンブレーキの効く前記所定の前進段を設定する前記複数
のソレノイドバルブのON/OFFの状態と同一となる
ように構成されていることを特徴とするものである。
【0029】したがってこの請求項6の発明では、エン
ジンブレーキの効く前進段で走行中にフェイルによって
非駆動レンジが一時的に判定された場合であっても、ソ
レノイドバルブのON/OFF状態が変化しないため
に、エンジンブレーキ用の摩擦係合装置は係合したまま
となり、そのためレンジの判定のフェイルによってショ
ックが生じることが防止される。
【0030】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
より具体的に説明する。図1はこの発明の一例を模式的
に示しており、自動変速機1を連結してあるエンジン2
は、その吸気管路3にメインスロットルバルブ4とその
上流側に位置するサブスロットルバルブ5とを有してい
る。そのメインスロットルバルブ4はアクセルペダル6
に連結されていて、アクセルペダル6の踏み込み量に応
じて開閉される。またサブスロットルバルブ5は、モー
タ7によって開閉されるようになっている。
【0031】このサブスロットルバルブ5の開度を調整
するためにモータ7を制御し、またエンジン2の燃料噴
射量および点火時期などを制御するためのエンジン用電
子制御装置(E−ECU)8が設けられている。この電
子制御装置8は、中央演算処理装置(CPU)および記
憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力インターフェ
ースを主体とするものであって、この電子制御装置8に
は、制御のためのデータとして、エンジン(E/G)回
転数N、吸入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開
度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチからの信号
などの各種の信号が入力されている。
【0032】自動変速機1における変速およびロックア
ップクラッチならびにライン圧は、油圧制御装置9によ
って制御される。その油圧制御装置9は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、ライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブ
SLT、アキュームレータ背圧を制御するためのリニアソ
レノイドバルブSLN、ロックアップクラッチを制御する
ためのリニアソレノイドバルブSLUが設けられている。
【0033】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)10
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置10には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフト装置における
後述するスイッチ群によるシフトポジション信号、パタ
ーンセレクトスイッチからの信号、オーバードライブス
イッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速度を
検出するセンサからの信号、車速センサからの信号、自
動変速機の油温、マニュアルシフトスイッチからの信
号、ホールドモードスイッチからの信号、あるいはスポ
ーツモードスイッチからの信号などが入力されている。
【0034】またこの自動変速機用電子制御装置10と
エンジン用電子制御装置8とは、相互にデータ通信可能
に接続されており、エンジン用電子制御装置8から自動
変速機用電子制御装置10に対しては、1回転当たりの
吸入空気量(Q/N)などの信号が送信され、また自動
変速機用電子制御装置10からエンジン用電子制御装置
8に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示信号と
同等の信号および変速段を指示する信号などが送信され
ている。
【0035】すなわち自動変速機用電子制御装置10
は、入力されたデータや予め記憶させてある変速マップ
に基づいて変速段やロックアップクラッチのON/OF
Fを判断し、あるいはライン圧の調圧レベルなどを判断
し、その判断結果に基づいて所定のソレノイドバルブに
指示信号を出力し、さらにフェイルの判断やそれに基づ
く制御を行うようになっている。またホールドモードス
イッチがON操作されている場合には、所定の前進段
(例えば第3速)を設定し、かつその変速段でエンジン
ブレーキを効かせる摩擦係合装置を係合させる変速信号
を出力するようになっている。またスポーツモードスイ
ッチがON操作されている場合には、変速段を手動操作
によって選択し、かつ全ての変速段でエンジンブレーキ
が効くようになっている。
【0036】これに対してエンジン用電子制御装置8
は、入力されたデータに基づいて燃料噴射量や点火時期
あるいはサブスロットルバルブ5の開度などを制御する
ことに加え、自動変速機1での変速時に燃料噴射量を削
減し、あるいは点火時期を変え、もしくはサブスロット
ルバルブ5の開度を絞ることにより、出力トルクを一時
的に低下させるようになっている。
【0037】図2は上記の自動変速機1の歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ30
と、副変速部31と、主変速部32とを備えている。そ
のトルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ33
を有しており、このロックアップクラッチ33は、ポン
プインペラ34に一体化させてあるフロントカバー35
とタービンランナ36を一体に取付けた部材(ハブ)3
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー35に連結さ
れ、またタービンランナ36を連結してある入力軸38
は、副変速部31を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構39のキャリヤ40に連結されている。
【0038】この遊星歯車機構39におけるキャリヤ4
0とサンギヤ41との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ41がキャリヤ40に対して相
対的に正回転(入力軸38の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ41の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部31の出力要素であるリングギヤ4
2が、主変速部32の入力要素である中間軸43に接続
されている。
【0039】したがって副変速部31は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構39の全体が一体となって回転するため、中
間軸43が入力軸38と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ41の回転
を止めた状態では、リングギヤ42が入力軸38に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0040】他方、主変速部32は三組の遊星歯車機構
50,60,70を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
50のサンギヤ51と第2遊星歯車機構60のサンギヤ
61とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構50のリングギヤ53と第2遊星歯車機構60のキャ
リヤ62と第3遊星歯車機構70のキャリヤ72との三
者が連結され、かつそのキャリヤ72に出力軸80が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構60のリングギ
ヤ63が第3遊星歯車機構70のサンギヤ71に連結さ
れている。
【0041】この主変速部32の歯車列では、後進段と
前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのた
めのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられて
いる。先ずクラッチについて述べると、互いに連結され
ている第2遊星歯車機構60のリングギヤ63および第
3遊星歯車機構70のサンギヤ71と中間軸43との間
に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された
第1遊星歯車機構50のサンギヤ51および第2遊星歯
車機構60のサンギヤ61と中間軸43との間に第2ク
ラッチC2 が設けられている。
【0042】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構50および第2遊星歯車機構60のサンギヤ51,6
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ51,61(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング81との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ51,6
1が逆回転(入力軸38の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構5
0のキャリヤ52とケーシング81との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構70のリングギヤ73の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング8
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ73が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0043】上述した各変速部31,32の回転部材の
うち副変速部31のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ82と、出力軸80の回転数を検出する車速セ
ンサ83とが設けられている。
【0044】上記の自動変速機1では、各クラッチやブ
レーキを図3の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図3において○印はON状態あるいは係合
状態、×印はOFF状態あるいは解放状態、◎印はロッ
クアップクラッチのON制御状態、●印は変速中にデュ
ーティ制御することをそれぞれ示す。
【0045】図3の作動表に示すように、副変速部31
をオーバードライブ状態と直結状態とに切り換える制御
と第1速および第3速でエンジンブレーキを効かせる制
御とを第3ソレノイドバルブS3 で行うようになってお
り、そのために図4に示す油圧回路が設けられている。
図4はこの発明に関係する主要部分のみを示しており、
そのうちの更に特徴的な部分を模式的に示せば、図5の
とおりである。
【0046】第3ソレノイドバルブS3 は、ライン圧P
L を元圧とし、OFF状態で信号圧を出力するノーマル
オープンタイプのバルブであって、主として副変速部3
1を切換え制御するために設けられており、図4および
図5に示す構成では、これを第1速と第3速とのエンジ
ンブレーキを制御するために転用するようになってい
る。より具体的には、第3ソレノイドバルブS3 は、副
変速部31をオーバードライブ状態に設定する第5速と
後進段とでOFF制御されて信号圧(パイロット圧)を
出力することに加え、ドライブ(D)レンジの第1速な
いし第3速でOFF制御されて信号圧を出力するが、こ
のDレンジの第1速および第3速では、第3ソレノイド
バルブS3 の信号圧をB2 リリースコントロールバルブ
によっていわゆる反転制御し、これら第1速あるいは第
3速でエンジンブレーキを効かせるためのブレーキB1
,B4 への油圧の供給を遮断するようになっている。
【0047】すなわち図5において、 3-4シフトバルブ
100は、各レンジおよび変速段のそれぞれで図の下側
に記号で示すように各ポートが連通させられるスプール
バルブであり、第3ソレノイドバルブS3 はポート10
1に接続されている。このポート101は、ニュートラ
ル(N)レンジおよび第1〜3速でポート102に連通
させられ、このポート102からB2 リリースコントロ
ールバルブ130の制御ポート131に信号圧を送るよ
うになっている。またポート101は第4,5速および
Rレンジでポート103に連通させられ、ここから後述
する 4-5シフトバルブ170の制御ポート171に信号
圧を送るようになっている。すなわち 3-4シフトバルブ
100が第3ソレノイドバルブS3 の信号圧を、エンジ
ンブレーキ制御系統とオーバードライブ制御系統とに切
り換えて出力するようになっている。
【0048】B2 リリースコントロールバルブ130
は、4つのランドのあるスプール132を有しており、
制御ポート131に信号圧が供給されることによりスプ
ール132が図5の左半分に示す位置に下がり、また反
対に制御ポート131から排圧されることによりスプー
ル132が図5の右半分に示す位置に押し上げられるよ
うになっている。このB2 リリースコントロールバルブ
130のポートのうちエンジンブレーキ圧出力ポート1
33を挟んでDレンジ圧入力ポート134とエンジンブ
レーキレンジ圧入力ポート135とが形成されている。
そして第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が制御ポート
131に印加されてスプール132が図5の左半分に示
す位置にあるときに、エンジンブレーキレンジ圧入力ポ
ート135がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連
通する。
【0049】また第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が
制御ポート131に印加されていないことによりスプー
ル132が図5の右半分に示す位置にあるときに、Dレ
ンジ圧入力ポート134がエンジンブレーキ圧出力ポー
ト133に連通する。なお、第3ソレノイドバルブS3
はDレンジの第1速ないし第3速でOFF制御されて信
号圧を出力するので、この場合は、前記Dレンジ圧入力
ポート134が閉じられ、またDレンジであればエンジ
ンブレーキレンジ圧が発生していないから、エンジンブ
レーキ圧出力ポート133から油圧が出力されない。
【0050】上記のエンジンブレーキ圧出力ポート13
3はコーストブレーキコントロールバルブ150の入力
ポート151に接続されている。このコーストブレーキ
コントロールバルブ150は、入力された油圧を調圧し
て出力するバルブであり、2つのランドを形成したスプ
ール152と、その一端側に配置したプランジャ153
と、スプール152とプランジャ153との間に配置し
たスプリング154とを有している。そして入力ポート
151側のランドにはその両端面に開口する貫通孔が形
成され、出力圧をスプール152の端面に作用させるよ
うになっている。またプランジャ153の端部にはアキ
ュームレータ背圧コントロール圧PACCが供給され、こ
れにより調圧レベルを変えるようになっている。そして
入力ポート151に選択的に連通させられる出力ポート
155から第1速あるいは第3速でのエンジンブレーキ
用摩擦係合装置である第1ブレーキB1 もしくは第4ブ
レーキB4 に対して油圧を出力するようになっている。
【0051】すなわちDレンジ圧の発生するDレンジで
の第1速および第3速では、第3ソレノイドバルブS3
がOFF制御されて信号圧を出力していても、Dレンジ
圧がB2 リリースコントロールバルブ130で遮断され
るから、第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に
油圧が送られず、これらが解放状態となるので、エジン
ブレーキは効かない。すなわち第3ソレノイドバルブS
3 の信号圧がいわゆる反転制御される。
【0052】これに対して第1速でエンジンブレーキを
効かせるLレンジでは、第3ソレノイドバルブS3 がO
N制御されて信号圧を出力しないから、B2 リリースコ
ントロールバルブ130のスプール132は図5の右半
分に示す位置に押し上げられ、その結果、Dレンジ圧入
力ポート134と出力ポート133とが連通してDレン
ジ圧が第4ブレーキB4 に送られ、これが係合する。な
お、Dレンジ圧は全ての前進レンジで発生する。また第
3速でエンジンブレーキを効かせる“3”レンジあるい
は“2”レンジにおいても、第3ソレノイドバルブS3
がON制御されるから、上述したLレンジでの第1速の
場合と同様に、コーストブレーキコントロールバルブ1
50を介して第1ブレーキB1 に油圧が送られてこれが
係合し、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0053】またDレンジにおいて第3ソレイドバルブ
S3 がOFFフェイルした場合には、B2 リリースコン
トロールバルブ130のDレンジ圧入力ポート134が
閉じられるからエンジンブレーキが効くことはなく、し
たがって変速ショックを防止することができる。
【0054】さらにB2 リリースコントロールバルブ1
30のスプール132が図5の右半分に示す位置に固定
されてしまういわゆるバルブスティックが生じた場合、
エンジンブレーキ圧入力ポート135と出力ポート13
3とが常時連通するので、エンジンブレーキレンジであ
る“3”レンジあるいは“2”レンジにおいて出力ポー
ト133から油圧を出力でき、第3速において第1ブレ
ーキB1 を係合させてエンジンブレーキを効かせること
ができる。
【0055】なお、エンジンブレーキ圧入力ポート13
5に連通する油路にオリフィス136を設けてあるの
は、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉を避
けるためであり、第1ブレーキB1 を第3速で係合させ
る場合、第2ブレーキB2 の係合を先行させるべくオリ
フィス136により油圧の供給速度を遅くする。
【0056】つぎに図4に示す油圧回路について更に具
体的に説明する。なお、作図の都合上、図4を複数の部
分に分割して示す図6ないし図8を参照して以下に説明
する。
【0057】先ず、B2 リリースコントロールバルブ1
30について更に説明すると、図6にはB2 リリースコ
ントロールバルブ130を図5とは上下を反転して記載
してあり、前述した各ポートの接続状態に加え、B2 ポ
ート137には第2ブレーキB2 が接続されており、こ
のB2 ポート137に選択的に連通されるポート138
にはチェックボール付きオリフィス139を介して油路
140が接続されている。また第2ブレーキB2 はオリ
フィス141を介してこの油路140に連通されてい
る。したがってB2 ポート137をポート138に連通
させることにより、第2ブレーキB2 はオリフィス14
1のみならずチェックボール付きオリフィス139をも
介して油路140に連通されるので、その排圧速度が増
大させられる。このようにB2 リリースコントロールバ
ルブ130は、その制御ポート131に第3ソレノイド
バルブS3 の信号圧を供給し、あるいは排圧することに
より、第2ブレーキB2 からの排圧速度すなわち第2ブ
レーキB2 の解放速度を緩急に切り換えるように構成さ
れている。
【0058】他方、エンジンブレーキレンジ圧入力ポー
ト135に接続された油路142は、前述したオリフィ
ス(ダブルオリィス)136を有するとともに、排圧方
向で開くチェックボール付きオリフィス143がダブル
オリフィス136に対して並列に設けられている。そし
てこの油路142が後述する 1-2シフトバルブに接続さ
れている。
【0059】つぎに 3-4シフトバルブ100について説
明すると、前述したポート101,102,103の連
通状態を切り換えるスプール104は6つのランドを有
しており、中間部分に形成されたブレーキポート105
には第1ブレーキB1 が接続されている。またこのブレ
ーキポート105に隣接する入力ポート106は、後述
する 2-3シフトバルブを介してコーストブレーキコント
ロールバルブ150に連通されている。そして前述した
ポート103は油路107を介して 4-5シフトバルブ1
70の制御ポート171に連通されている。
【0060】またこの 3-4シフトバルブ100は、第2
ソレノイドバルブS2 が出力する信号圧と、後述するD
レンジ圧とによって動作するよう構成されている。すな
わちスプリング室に開口するホールドポート108にD
レンジ圧が供給され、このホールドポート108とはス
プール104を挟んで反対側の制御ポート109に第2
ソレノイドバルブS2 が接続されている。なお、この第
2ソレノイドバルブS2 は、ライン圧PL を元圧とし、
OFF状態で信号圧を出力し、かつON状態で信号圧の
出力を遮断するノーマルクローズタイプのソレノイドバ
ルブである。
【0061】一方、 4-5シフトバルブ170は、前記副
変速部31をオーバードライブ状態(高速段)あるいは
直結状態(低速段)に制御するためのバルブであって、
5つのランドを有するスプール176によってポートの
連通状態を切り換えるよう構成されている。これらのポ
ートのうちライン圧油路PL を接続してある入力ポート
172に対して選択的に連通されるブレーキポート17
3に、副変速部31におけるブレーキB0 が接続されて
いる。また入力ポート172に対し前記ブレーキポート
173とは反対側に位置する出力ポート174は、油路
175を介してC0 エキゾーストバルブ190に接続さ
れている。
【0062】したがって油路107を介して第3ソレノ
イドバルブS3 の信号圧が制御ポート171に加えられ
ると、スプール176が図6の右半分に示す位置に押し
下げられ、その結果、入力ポート172がブレーキポー
ト173に連通してブレーキB0 に油圧が供給される。
これとは反対に制御ポート171から排圧されると、ス
プール176は図6の左半分に示す位置に押し上げら
れ、その結果、入力ポート172が出力ポート174に
連通され、C0 エキゾーストバルブ190に油圧が送ら
れ、クラッチC0 が係合する。なお、図6において符号
210はソレノイドリレーバルブを示し、ロックアップ
用リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧の給排を制
御し、また第3ブレーキB3 への油圧の給排を制御する
ように構成されている。なお、その他の油路の接続状態
は図に示すとおりである。
【0063】図7において、コーストブレーキコントロ
ールバルブ150の入力ポート151には、前述したB
2 リリースコントロールバルブ130のポート133に
接続させた油路156が接続されており、また出力ポー
ト155には調圧したブレーキ圧を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に対して出力するための油路1
57が接続されている。また、これらの油路156,1
57はチェックボール付きオリフィス158を介して相
互に接続されており、第1ブレーキB1 あるいは第4ブ
レーキB4 から排圧するときは、このチェックボール付
きオリフィス158が開くようになっている。
【0064】ブレーキ圧の供給先を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に切り換える制御および 3-4シ
フトバルブ100のホールドポート108へのDレンジ
圧の供給の制御は、 2-3シフトバルブ230によって行
われる。 2-3シフトバルブ230は、7つのランドを有
するスプール231によってポートの連通状態の切り換
えを行うバルブであって、スプール231の一端側にス
プリング232が設けられるとともに、この端部に開口
するホールドポート233には、Lレンジ圧が供給され
るようになっている。
【0065】ブレーキ圧を供給する前記油路157が、
中間部のポート234に連通されており、このポート2
34に対し図7での上側の出力ポート235が前述した
3-4シフトバルブ100の入力ポート106に接続され
ている。またポート234に対して図7での下側に位置
する第2の出力ポート236は、油路237を介して1-
2シフトバルブ250に接続されている。さらにホール
ドポート233とはスプール231を挟んで反対側に位
置する制御ポート239には、第1ソレノイドバルブS
1 が接続されている。
【0066】この第1ソレノイドバルブS1 は、OFF
状態でドレインポートを閉じ、ON状態でドレインポー
トを開くノーマルオープンタイプのソレノイドバルブで
あって、ストレーナ320およびオリフィス321を介
して供給されるDレンジ圧をOFF状態で制御ポート2
39に印加し、ON状態で排圧するようになっている。
したがってLレンジ圧がホールドポート233に作用し
ていない状態では、この 2-3シフトバルブ230は、第
1ソレノイドバルブS1 によって制御される。そしてこ
の 2-3シフトバルブ230は、第1速、第2速、Nレン
ジおよびRレンジでスプール231が図7の左半分に示
す位置に押し上げられ、また第3速ないし第5速でスプ
ール231が図7の右半分に示す位置に押し下げられる
よう構成されている。
【0067】したがって第1速でエンジンブレーキを効
かせる場合には、ポート234が第2の出力ポート23
6に連通させられて、ここからブレーキ圧を出力し、ま
た第3速でエンジンブレーキを効かせる場合にはポート
234が出力ポート235に連通させられてここからブ
レーキ圧を 3-4シフトバルブ100を介して第1ブレー
キB1 に供給するように構成されている。なお、第2ブ
レーキB2 はポート238に接続されている。
【0068】さらに 2-3シフトバルブ230は、Dレン
ジ圧の供給されるDレンジ圧入力ポート301を備えて
おり、ここに油路302が接続されている。またこのポ
ート301を挟んで図の上下両側に第1Dレンジ圧出力
ポート303と第2Dレンジ圧出力ポート304とが形
成されている。そしてDレンジ圧入力ポート301は、
第3速ないし第5速で図7の上側の第1Dレンジ圧出力
ポート303に連通し、それ以外の変速段およびNレン
ジならびにRレンジで図7の下側の第2Dレンジ圧出力
ポート304に連通するようになっている。またこの第
2Dレンジ圧出力ポート304が油路305を介して前
記 3-4シフトバルブ100のホールドポート108に接
続されている。このDレンジ圧は後述するようにDレン
ジを含む前進レンジで油路302に発生する油圧であ
り、したがって第1速および第2速のときに 3-4シフト
バルブ100のホールドポート108にDレンジ圧が 2
-3シフトバルブ230を介して供給される。
【0069】第1速でエンジンブレーキを効かせる際に
係合させられる第4ブレーキB4 は、シャトルバルブ2
40を介して 1-2シフトバルブ250に接続されてい
る。この 1-2シフトバルブ250は4つのランドを有す
るスプール251によってポートの連通状態を切り換え
るバルブであって、前記 2-3シフトバルブ230の第2
出力ポート236が入力ポート252に接続されてお
り、この入力ポート252とドレインポート253とに
選択的に連通される出力ポート254にシャトルバルブ
240が接続されている。
【0070】またエンジンブレーキレンジ圧を前記B2
リリースコントロールバルブ130に供給する油路14
2が他の出力ポート255に接続されており、この出力
ポート255に選択的に連通されるエンジンブレーキポ
ート256には、“3”レンジ圧を供給する油路257
と“2”レンジ圧を供給する油路258とが接続されて
いる。さらにスプール251をその軸線方向に押圧する
スプリングを配置してある箇所に開口したホールドポー
ト259が形成されており、このホールドポート259
が前記 2-3シフトバルブ230の第1Dレンジ圧出力ポ
ート303に接続されている。またこのホールドポート
259と反対側の制御ポートには第2ソレノイドバルブ
S2 が接続されている。
【0071】したがってこの 1-2シフトバルブ250の
スプール251は第1速、NレンジおよびRレンジにお
いて図7の右半分に示す位置に押し下げられる。この状
態では、入力ポート252が出力ポート254に連通す
る。また第2速ないし第5速ではスプール251が図7
の左半分に示す位置に押し上げられ、その結果、エンジ
ンブレーキポート256が他の出力ポート255に連通
する。なお、他の油路の接続状態は図7に示すとおりで
ある。
【0072】さらにマニュアルバルブ260について説
明すると、このマニュアルバルブ260は、手動操作さ
れてパーキング(P)レンジ、Rレンジ、Nレンジ、D
レンジ、“3”レンジ、“2”レンジおよびLレンジの
7ポジションを設定することのできるバルブであり、ラ
イン圧油路PL が接続された入力ポート265をPレン
ジ以外の各レンジに対応させて設けたポートに連通させ
るようになっている。すなわちNレンジを設定した場合
には、図7に示すように入力ポート265に対して他の
ポートが遮断される。またDレンジを設定した場合に
は、Dレンジ圧をDポート261から出力し、また
“3”レンジを設定した場合には、Dポート261およ
び“3”ポート262とから油圧を出力し、この“3”
ポートから出力される油圧がいわゆる“3”レンジ圧で
ある。また“2”レンジを設定した場合に、Dポート2
61および“3”ポート262ならびに“2”ポート2
63とから油圧を出力するようになっている。この
“2”ポート263から出力される油圧が“2”レンジ
圧である。
【0073】なお、Dポート261は第1クラッチC1
に連通され、“3”ポート262には、前述した油路2
57が接続され、また“2”ポート263には、前記油
路258が接続されている。そしてLレンジに設定した
場合には、Dポート261、“3”ポート262、
“2”ポート263およびLポート264から油圧を出
力し、このLポート264から出力した油圧が前記 2-3
シフトバルブ230のホールドポート233に供給され
る。
【0074】そしてRレンジに設定した場合には、入力
ポート265がRポート267に連通し、ここからRレ
ンジ圧が出力される。このRポート267には、特には
図示しないが、リバースコントロールバルブを介してシ
ャトルバルブ240および第4ブレーキB4 と、図示し
ない他のシャトルバルブおよび第2クラッチC2 とが接
続されている。したがってマニュアルバルブ260によ
ってRレンジを設定すれば、電気的な制御を行うことな
く、これら第2クラッチC2 と第4ブレーキB4 とが係
合して主変速部32が後進状態になる。なお、Pレンジ
を設定した場合には、入力ポート265が閉じられる。
【0075】また図7で符号270はB3 コントロール
バルブであって、ソレノイドリレーバルブ210を介し
て供給されるリニアソレノイドバルブSLUの信号圧を制
御ポート271に供給することにより調圧レベルを変
え、第2速を設定する際に係合させる第3ブレーキB3
への供給油圧を制御するように構成されている。このB
3 コントロールバルブ270の構成は従来から知られて
いるので、図7に主な油路の接続状態を示してその説明
を省略する。
【0076】なお、前記C0 エキゾーストバルブ190
は副変速部31のクラッチC0 を制御するためのバルブ
であって、図8に示すように、Dレンジの第2速では第
1制御ポート191に油圧が供給されることにより、第
1速ないし第4速およびNレンジでライン圧PL が供給
される第1入力ポート192を閉じるようになってい
る。またこの時、“2”レンジ圧が入力される第2入力
ポート193が出力ポート194に連通されるようにな
っている。したがってDレンジの第2速では、油圧を出
力しないためにクラッチC0 が解放され、また“2”レ
ンジおよびLレンジでは、第2入力ポート193に
“2”レンジ圧が供給されるので、クラッチC0 が係合
してエンジンブレーキが効くようになっている。さらに
第2制御ポート195には、リニアソレノイドバルブS
LUの信号圧が供給されるようになっている。
【0077】なお、図8において符号280はリニアソ
レノイドバルブSLTによって制御されるリレーバルブで
あり、また符号290はアキュームレータを示す。さら
に符号295は、アキュームレータ背圧PACC を調圧す
るためのアキュームレータコントロールバルブを示す。
【0078】さらにここで、各レンジを選択するための
シフト装置について説明する。この実施例においては、
各レンジ位置を図9に示すように配列したシフトパター
ンのシフト装置が採用されている。その配列を簡単に説
明すると、パーキング(P)レンジ位置に続けてリバー
ス(R)レンジ位置が配置され、これらの配列方向に対
して斜め方向の位置にRレンジに続けてニュートラル
(N)レンジ位置が設けられている。ドライブ(D)レ
ンジ位置は、このNレンジに対して、前記Pレンジ位置
とRレンジ位置との配列方向と平行に配置され、さらに
4速レンジ位置が、これらの配列方向に対して直行する
方向に屈曲した位置に配置されている。さらに3速レン
ジ位置が、4速レンジ位置に対して、前記NレンジとD
レンジとの配列方向と平行な方向に配置され、2速レン
ジ位置は、前記Rレンジ位置に対するNレンジ位置と同
様な関係となる位置に設けられ、そしてロー(L)レン
ジ位置は、Dレンジ位置に対する4速レンジ位置と同様
な関係となる位置に設けられている。
【0079】これらの走行レンジのうち、Dレンジで
は、図4に示す前進5段を達成することができ、これに
対して4速レンジでは、オーバードライブ段である第5
速のない前進4段を達成することができ、さらに3速レ
ンジでは第3速までの変速段、2速レンジでは第2速ま
での変速段をそれぞれ達成することができ、そしてLレ
ンジでは第1速のみを達成することができる。
【0080】上記の各レンジ位置を検出し、またフェイ
ルを判断するために、2つのスイッチ群が設けられてい
る。その詳細は特開平5−306764号公報に記載さ
れているとおりであり、これを簡単に説明すると、Pレ
ンジ位置とRレンジ位置、あるいはNレンジ位置とDレ
ンジ位置との配列方向と平行に6つのスイッチが配列さ
れている。これらの配列方向は具体的には車両の前後方
向であり、Pレンジ位置に対応する位置を最先端位置と
して車両の後方側に、Rレンジ位置、Nレンジ位置、D
レンジ位置、“3”レンジ位置、“2”レンジ位置にそ
れぞれ対応するように6つのスイッチが配列されてい
る。これに対して他のスイッチ群として3つのスイッチ
が設けられている。具体的には、Pレンジ位置と4速レ
ンジ位置とLレンジ位置とにスイッチが設けられてい
る。
【0081】これらのスイッチは前記自動変速機用電子
制御装置10に接続され、6つのスイッチからなる第1
のスイッチ群からの出力信号と、3つのスイッチからな
る第2のスイッチ群からの出力信号との論理和によっ
て、選択されているレンジ位置(シフトポジション)を
判定し、またフェイルを判定するようになっている。
【0082】なお、レンジの判定は、他の方法によって
行うこともでき、例えば各レンジ位置を直線的に配列し
てある周知のシフト装置においては、Dレンジ位置以外
の各レンジ位置にスイッチを設けておき、これらのレン
ジはそれぞれに対応したスイッチからの信号によって判
定し、Dレンジについては、いずれのスイッチからも信
号が出力されないことにより判定することとしてもよ
い。このような構成であれば、電気的なフェイルによっ
ていずれのスイッチからも電子制御装置10に信号が入
力されない場合には、Dレンジが設定されるので、走行
を確保し、またフェイルセーフを確立できる。
【0083】上記の制御装置によれば、後進段を設定す
るためのシフトソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通
電パターンとDレンジの第1速を設定するためのシフト
ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通電パターンとが
同一である。先ずDレンジの第1速について説明する
と、マニュアルバルブ260でDレンジを設定すること
により、Dレンジ圧が発生する。図3の作動表から知ら
れるように、第1クラッチC1 は前進レンジで常に係合
するようになっており、具体的にはDレンジ圧が第1ク
ラッチC1 に送られる。この状態で第1ソレノイドバル
ブS1 がON制御されて信号圧を出力せず、これに対し
て第2および第3のソレノイドバルブS2,S3 がOF
F制御されてそれぞれ信号圧を出力する。
【0084】したがって 2-3シフトバルブ230の制御
ポート239に信号圧が印加されないので、そのスプー
ル231が図7の左半分に示す位置に押し上げられる。
すなわちDレンジ圧入力ポート301が第2Dレンジ圧
出力ポート304に連通し、油路302から供給された
Dレンジ圧がこれらのポート301,304ならびに油
路305を介して 3-4シフトバルブ100のホールドポ
ート108に供給される。
【0085】Dレンジの第1速では、この 3-4シフトバ
ルブ100の制御ポート109に第2ソレノイドバルブ
S2 の信号圧が入力されているが、そのスプール104
に作用する軸線方向力は、第2ソレノイドバルブS2 の
信号圧によるよりも、Dレンジ圧とスプリング力とによ
る力の方が大きいので、スプール104が図6の左半分
に示す位置に押し上げられる。その結果、第3ソレノイ
ドバルブS3 の信号圧が供給されているポート101が
ポート102に連通されてこの信号圧がB2 リリースコ
ントロールバルブ130のホールドポート131に供給
される。これに対して 4-5シフトバルブ170の制御ポ
ート171に連通されているポート103がドレインに
連通され、したがって 4-5シフトバルブ170の制御ポ
ート171から排圧される。
【0086】そのため 4-5シフトバルブ170のスプー
ル176が図6の左半分に示す位置に押し上げられ、ブ
レーキポート173がドレインに連通されて、ここに連
通されているブレーキB0 が解放される。これに対して
入力ポート172が出力ポート174に連通するから、
ライン圧PL がここからC0 エキゾーストバルブ190
およびリレーバルブ280を介してクラッチC0 に供給
され、このクラッチC0 が係合する。すなわち副変速部
31が低速段(直結状態)になる。なお、第2クラッチ
C2 はブレーキレンジ圧を元圧とするから解放状態とな
る。また主変速部32におけるブレーキB1 〜B4 は解
放状態となる。
【0087】これらのブレーキのうち第1速でエンジン
ブレーキ状態を設定するための第4ブレーキB4 につい
て説明すると、Dレンジの第1速では第3ソレノイドバ
ルブS3 がOFF制御されてその信号圧が 3-4シフトバ
ルブ100を介してB2 リリースコントロールバルブ1
30の制御ポート131に入力される。その結果、B2
リリースコントロールバルブ130のスプール132が
図4あるいは図6の右半分に示す位置に押し上げられて
Dレンジ圧の供給されるポート134を遮断する。その
ためにDレンジ圧はコーストブレーキコントロールバル
ブ150に送られないので、第4ブレーキB4 は解放さ
れたままとなり、エンジンブレーキが効くことはない。
したがってDレンジの第1速を設定するにあたって、第
3ソレノイドバルブS3 がたとえOFFフェイルしたと
しても、第4ブレーキB4 が係合することはないので、
第1速からの変速あるいは第1速への変速の際に変速シ
ョックが悪化するなどの不都合は生じない。
【0088】なお、第1速でエンジンブレーキを効かせ
る必要のあるLレンジにおいては、第3ソレノイドバル
ブS3 がON制御されて信号圧を出力しないから、B2
リリースコントロールバルブ130の制御ポート131
から排圧される。その結果、スプール132が図4ある
いは図6の左半分に示す位置に押し下げられるので、D
レンジ圧がポート134およびポート133を介してコ
ーストブレーキコントロールバルブ150に出力され、
ここから 2-3シフトバルブ230および 1-2シフトバル
ブ250ならびにシャトルバルブ240を介して第4ブ
レーキB4 に油圧が供給される。すなわち第4ブレーキ
B4 が係合してエンジンブレーキを効かせることができ
る。
【0089】また一方、Dレンジの第3速を設定する際
にも第3ソレノイドバルブS3 がOFF制御されるか
ら、第1速の場合と同様に、B2 リリースコントロール
バルブ130のポート134が閉じられてDレンジ圧は
カットされる。したがって第1ブレーキB1 に油圧が供
給されず、これが解放されたままとなるので、エンジン
ブレーキが効くことはない。
【0090】これに対して第3速でエンジンブレーキを
効かせる“3”レンジおよび“2”レンジでは、第3ソ
レノイドバルブS3 がON制御されるから、B2 リリー
スコントロールバルブ130の制御ポート131から排
圧され、その結果、Dレンジ圧がポート134およびポ
ート133を介してコーストブレーキコントロールバル
ブ150に供給され、ここで調圧されたエンジンブレー
キ圧が 2-3シフトバルブ230および 3-4シフトバルブ
100を介して第1ブレーキB1 に供給され、これが係
合することによりエンジンブレーキを効かせることがで
きる。
【0091】この“3”レンジあるいは“2”レンジの
第3速において、第3ソレノイドバルブS3 がOFFフ
ェイルした場合、B2 リリースコントロールバルブ13
0の制御ポート131に油圧が供給されるために、Dレ
ンジ圧の入力されているDレンジ圧入力ポート134が
閉じられる替わりに、エンジンブレーキレンジ圧の供給
されているエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135
が出力ポート133に連通するので、ここからエンジン
ブレーキレンジ圧がコーストブレーキコントロールバル
ブ150に供給される。その結果、ここで調圧されたエ
ンジンブレーキ圧が第1ブレーキB1 に供給されてこれ
が係合するので、たとえ第3ソレノイドバルブS3 がO
FFフェイルしてもエンジンブレーキを効かせることが
できる。
【0092】なお、B2 リリースコントロールバルブ1
30のエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135にエ
ンジンブレーキレンジ圧を供給する場合、ダブルオリフ
ィス136を介して供給することになるので、第1ブレ
ーキB1 の油圧の立ち上がりを緩和することができ、そ
の結果、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉
を避けることができる。
【0093】上述した自動変速機Aにおいても、非駆動
レンジであるNレンジから走行レンジであるDレンジに
シフト装置を操作した場合、発進時であれば、車速がほ
ぼ零であるから、第1速が設定される。またその直前の
Nレンジにおいても、シフトソレノイドバルブS1 ,S
2 ,S3 の通電パターンは、第1速を設定する状態とな
っている。これは、具体的には、第1ソレノイドバルブ
S1 がON、第2ソレノイドバルブS2 および第3ソレ
ノイドバルブS3 がOFFの状態である。そしてこの通
電パターンは、Rレンジと同様であり、したがって電気
的なフェイルによってDレンジをRレンジに誤判定して
も通電パターンが同一であるために、第1速でエンジン
ブレーキが効くことはない。
【0094】これに対してヒルホールドモードが選択さ
れている場合、すなわち前述したホールドモードスイッ
チがON操作されている場合には、Nレンジでの通電パ
ターンおよびDレンジにマニュアルシフトした場合の制
御が、上記の通常時とは異なる。ここでヒルホールドモ
ードは、Dレンジにおいて坂道発進時に車両が後退しな
いようブレーキを係合させるモードであり、図10に示
す変速マップが採用される。すなわち図10の(A)は
通常の変速マップであり、車速Vとスロットル開度θと
をパラメータとして第1速ないし第5速の変速段領域が
設定されている。これに対して図10の(B)はヒルホ
ールドモードでの変速パターンであって、第3速ないし
第5速の変速段領域が設定されている。したがってヒル
ホールドモードでは発進時の変速段として第3速が設定
され、またその場合、車両の後退を防止するためにエン
ジンブレーキ用の第1ブレーキB1 が係合させられる。
【0095】以下、ヒルホールドモードが選択されてい
る場合の制御例を説明する。図11はその制御ルーチン
の一例を示すフローチャートであって、入力信号の処理
(ステップ1)を行った後、ヒルホールドモードスイッ
チがON操作されているか否かが判断される(ステップ
2)。ヒルホールドモードスイッチがOFFであれば特
に制御を行うことなくこのルーチンから抜け、またヒル
ホールドモードスイッチがON操作されていれば、ヒル
ホールド用Nレンジソレノイドパターンを設定する(ス
テップ3)。
【0096】Nレンジにおけるシフトソレノイドバルブ
S1 ,S2 ,S3 の通常時における通電パターンは、車
速に応じたパターンとされ、したがって車速がほぼ零で
ある発進時においては第1ソレノイドバルブS1 がO
N、第2ソレノイドバルブS2、および第3ソレノイド
バルブS3 がOFFとされる。これに対してヒルホール
ドモードスイッチがON操作されている場合には、図1
2に示すように第1ソレノイドバルブS1 がOFF、第
2ソレノイドバルブS2 がON、第3ソレノイドバルブ
S3 がOFFに設定される。したがってこの状態ではラ
イン圧が 4-5シフトバルブ170およびC0 エキゾース
トバルブ190ならびにリレーバルブ280を介して副
変速部31におけるクラッチC0 に供給され、これが係
合する。
【0097】なおこのNレンジにおける通電パターンに
おいて第3ソレノイドバルブS3 がOFFであって信号
圧を出力するが、第2ソレノイドバルブS2 がON制御
されて信号圧を出力しないため、切換弁である 3-4シフ
トバルブ100のスプール104が図6における左半分
に示す位置に押し上げられ、第3ソレノイドバルブS3
の出力する信号圧をB2 リリースコントロールバルブ1
30に送る。したがって副変速部31が高速段になるこ
とはない。
【0098】ステップ3に続くステップ4において、ヒ
ルホールド用Dレンジソレノイドパターンを設定する。
前述したようにヒルホールドモードではエンジンブレー
キの効く状態の第3速を発進用の変速段とするから、た
とえDレンジであってもエンジンブレーキ用の摩擦係合
装置を係合させることになる。したがってこのヒルホー
ルド用Dレンジソレノイドパターンとしては、“3”レ
ンジにおける第3速の通電パターンが採用され、第1ソ
レノイドバルブS1 がOFF、第2ソレノイドバルブS
2 および第3ソレノイドバルブS3 がそれぞれONに制
御される。これは図12に示すとおりであり、したがっ
てマニュアルバルブ260がDレンジ位置に設定される
ことにより、第1クラッチC1 に油圧が送られてこれが
係合し、また図7に示すように 2-3シフトバルブ230
のスプール231が左半分に示す位置に押し下げられる
ことにより、第2ブレーキB2 にDレンジ圧が供給され
てこれが係合する。
【0099】さらに第3ソレノイドバルブS3 がON制
御されて信号圧を出力しないことにより、B2 リリース
コントロールバルブ130のスプール132が図6の左
半分に示す位置に押し下げられ、その結果、Dレンジ圧
がこのB2 リリースコントロールバルブ130およびコ
ーストブレーキコントロールバルブ150ならびに 2-3
シフトバルブ230から 3-4シフトバルブ100を介し
て第1ブレーキB1 に供給され、これが係合する。すな
わち係合させられるブレーキが、通常時の第3速に対し
て一つだけ多くなる。
【0100】なお、第3速においては第3ソレノイドバ
ルブS3 はエンジンブレーキ状態を制御するために使用
され、したがって第1ソレノイドバルブS1 と第2ソレ
ノイドバルブS2 との2つのソレノイドバルブが実質的
にシフトソレノイドバルブとして機能する。そしてこの
第3速におけるこれら第1ソレノイドバルブS1 と第2
ソレノイドバルブS2 との通電パターンはNレンジにお
ける通電パターンと同一になる。したがって、Nレンジ
からDレンジにマニュアルシフトした場合のこれらのソ
レノイドバルブS1 ,S2 の切換が生じないため、制御
上有利であり、また信頼性を向上させることができる。
【0101】NレンジおよびDレンジにおけるソレノイ
ドパターンを上述のように設定した後、NレンジからD
レンジへのシフトが行われたか否かを判断する(ステッ
プ5)。この判断は、図9に示すシフト装置においては
スイッチ群の出力する信号に基づく論理和から判断する
ことができ、またシフトポジションを直線的に配列した
通常のシフト装置においては、例えば全てのシフトポジ
ションスイッチが信号を出力しなくなることによりDレ
ンジが選択されたことを判断することができる。
【0102】ステップ5で否定判断された場合には、特
に制御を行うことなくリターンし、また肯定判断された
場合には、ブレーキがON状態か否かを判断する(ステ
ップ6)。ここでブレーキは、フットブレーキとサイド
ブレーキとの少なくともいずれか一方であって、ブレー
キ操作されていれば第1クラッチC1 と第2ブレーキB
2 との係合処理を実行する(ステップ7)。具体的には
シフトレバーの操作によってマニュアルバルブ260が
切り替わることにより第1クラッチC1 に油圧を供給す
ると共に、第1ソレノイドバルブS1 が信号圧を出力す
ることにより 2-3シフトバルブを切り換え動作させて、
第2ブレーキB2 にDレンジ圧を供給しこれを係合させ
る。
【0103】ステップ7の制御の実行と同時にタイマー
Tをスタートさせ、そのカウント値を予め定めた時間T
1 以上になるまでステップ7の制御を継続する(ステッ
プ8)。そして予め定めた時間T1 が経過したことによ
りステップ8で肯定判断された場合、第1ブレーキB1
の係合切換制御を実行する(ステップ9)。具体的には
第3ソレノイドバルブS3 をON制御してその信号圧の
出力を止める。その結果、B2 リリースコントロールバ
ルブ130の制御ポート131に油圧が作用しなくなる
から、そのスプール132が図6の左半分に示す位置に
押し下げられる。そしてDレンジ圧の入力ポート134
が出力ポート133に連通するためにDレンジ圧が第1
ブレーキB1 に供給されこれが係合する。
【0104】この時点では第1クラッチC1 と第2ブレ
ーキB2 に対して既に油圧が供給され始めてから所定時
間T1 が経過しており、したがってヒルホールド状態を
達成するための第1ブレーキB1 に油圧を供給しても、
第1クラッチC1 や第2ブレーキB2 の係合圧の一時的
な低下が生じることはない。すなわち、主変速部32に
トルクを入力するための第1クラッチC1 の係合圧の制
御が、外乱を受けることなく適正に行われ、したがって
Dレンジにマニュアルシフトすることに伴うショックを
防止することができる。
【0105】一方、ステップ6で否定判断された場合、
すなわちブレーキ操作されていない場合には、ヒルホー
ルド状態を保持する必要があるから、第1クラッチC1
および第2ブレーキB2 ならびに第1ブレーキB1 の3
つの摩擦係合装置に対して油圧を供給し、これらを係合
させる(ステップ10)。この場合、第3速を設定する
ための2つの摩擦係合装置(第1クラッチC1 、および
第2ブレーキB2 )に加えてエンジンブレーキ状態とす
るための第1ブレーキB1 を係合させることになるた
め、第1クラッチC1 の圧力低下によるショックが生じ
る可能性があるが、ヒルホールドを優先するために、第
1ブレーキB1 にも同時に油圧を供給する。したがって
坂道発進の際の車両の後退を防止することができる。
【0106】なお、上記の例ではブレーキ操作されてい
るときに第1ブレーキB1 の係合の遅延制御を実行する
こととしたが、これに代えて油温が高いときには第1ブ
レーキB1 の係合の遅延制御を実行し、油温が低い場合
には第1クラッチC1 および第2ブレーキB2 ならびに
第1ブレーキB1 の3つの摩擦係合装置を同時に係合さ
せるように制御してもよい。また図11に示す例では、
所定時間T1 の経過後に第1ブレーキB1 の係合制御を
実行するよう構成してあるが、これに代えて回転数セン
サーからの信号に基づいて第1クラッチC1 および第2
ブレーキB2 の係合を判断し、その後に第1ブレーキB
1 の係合処理を実行することとしてもよい。
【0107】上述した図11に示す例では、第3ソレノ
イドバルブS3 をOFF状態からON状態に切り換える
ことにより、ヒルホールド用の第1ブレーキB1 を係合
させるように構成してあるから、ヒルホールドモードで
の第3速を設定してある状態でシフトポジションスイッ
チのフェイルなどにより一時的にNレンジ信号が出力さ
れた場合には、第3ソレノイドバルブS3 がOFF状態
に切り替わることに伴って第1ブレーキB1 が一時的に
解放させられる可能性がある。このような不都合を解消
するよう構成した例を以下に説明する。
【0108】図13はその目的のために採用される係合
作動表の一部を示す図であり、Nレンジでのソレノイド
パターンが、Dレンジでのヒルホールドギヤ段(第3
速)でのパターンと同様に、第1ソレノイドバルブS1
がOFF、第2および第3のソレノイドバルブS2 ,S
3 がONに設定されている。また手動変速モード(スポ
ーツモード)や“3”レンジなどのエンジンブレーキを
効かせる状態での第3速を設定するソレノイドパターン
が、ヒルホールドモードでの第3速と同様のソレノイド
パターンとされている。
【0109】係合作動表を図13に示すように構成して
おくことにより、前述した図11に示すステップ3で
は、図13のNレンジのソレノイドパターンが採用さ
れ、またこれに続くステップ4では、図13のヒルホー
ルドギヤ段(第3速)のソレノイドパターンが設定され
る。したがってヒルホールドモードでの第3速を設定し
ている状態で、電気的なフェイルによって一時的にNレ
ンジの誤判定が生じた場合、Nレンジのソレノイドパタ
ーンが出力されるが、これは図13に示すように、ヒル
ホールドモードでの第3速と同じであり、ソレノイドパ
ターンが切り替わらない。すなわち第3ソレノイドバル
ブS3 がON状態に維持されるので、B2 リリースコン
トロールバルブ130がDレンジ圧をコートスブレーキ
コントロールバルブ150に出力し、さらにDレンジ圧
がここから 2-3シフトバルブ230から 4-5シフトバル
ブ100を介して第1ブレーキB1 に供給され、この第
1ブレーキB1 が係合状態に維持される。その結果、レ
ンジ判定のフェイルに伴って第1ブレーキB1 が一時的
に解放され、もしくはその係合圧が低下してショックが
生じることが防止される。
【0110】上述した例はヒルホールドモードでの第3
速を設定する場合の例であるが、スポーツモード(手動
変速モード)で第3速が選択された場合もほぼ同様に制
御される。図14はその例を示しており、入力信号の処
理(ステップ20)を行った後に、スポーツモードでの
第3速が選択されているか否かの判断を行い(ステップ
21)、肯定判断された場合には、スポーツモード対応
のNレンジソレノイドパターンを設定する(ステップ2
2)。このソレノイドパターンは、図13に示すとおり
であり、第1ソレノイドバルブS1 がOFF、第2およ
び第3のソレノイドバルブS2 ,S3 がONである。
【0111】またスポーツモード対応のDレンジソレノ
イドパターンを設定する(ステップ4−1)。これは、
前述したとおり、ヒルホールドモードでの第3速および
Nレンジと同様のソレノイドパターンである。そしてこ
れに続くステップ24において第3速を設定するために
第1クラッチC 1および第1ブレーキB1 ならびに第2
ブレーキB2 を係合させる制御を実行する。
【0112】このようにして設定されるスポーツモード
での第3速のソレノイドパターンは、Nレンジと同じで
あるから、この第3速での走行中に例えば電気的なフェ
イルによって一時的にNレンジが誤判定されたとして
も、上述したヒルホールドモードでの第3速の場合と同
様に、第1ブレーキB1 が解放されたり、その係合圧が
低下したりすることがないので、ショックが防止され
る。
【0113】なお、この発明は上述した各実施例に限定
されないのであって、図2に示すギヤトレイン以外のギ
ヤトレインを備えた自動変速機や図4に示す油圧回路以
外の油圧回路を備えた自動変速機を対象とした制御装置
に適用することができる。また上記の実施例では、エン
ジンブレーキの効く所定の前進段としてヒルホールドモ
ードでの第3速およびスポーツモードでの第3速を挙げ
たが、この発明は、エンジンブレーキレンジやスノーモ
ードでの第3速以外の前進段で上記実施例と同様に制御
することとしてもよい。そして上記の実施例では、特定
の走行モードを設定するための摩擦係合装置への油圧の
供給の遅延制御を、ヒルホールドモードで実行すること
としたが、この発明におけるこの種の遅延制御は他の特
定の走行モードにおいて実行することとしてもよい。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項3に記載した発明の制御装置によれば、発進用変速
段としてエンジンブレーキ用の摩擦係合装置を追加して
係合させる変速段を設定する走行モードが選択されてい
る場合には、非駆動レンジからのシフトに伴ってそのエ
ンジンブレーキ用摩擦係合装置に対する油圧の供給を遅
延させるから、発進用変速段を設定するための摩擦係合
装置の油圧の制御が適正に行われ、シフトショックを防
止することができる。
【0115】また請求4あるいは請求項5に記載した発
明の制御装置によれば、発進用変速段としてエンジンブ
レーキ用摩擦係合装置を追加して係合させる変速段を設
定する走行モードが選択されている場合には、その変速
段を設定するためのソレノイドバルブの通電パターン
(ON/OFFのパターン)を非駆動レンジでの通電パ
ターンと同じにしたから、前記変速段で走行中に、電気
的なフェイルによって非駆動レンジが一時的に誤判定さ
れたとしても、通電パターンが変化せず、したがって前
記エンジンブレーキ用摩擦係合装置の一時的な解放や油
圧の低下などがなく、レンジの誤判定に起因するショッ
クを未然に防止することができる。
【0116】さらに請求項6に記載した発明の制御装置
によれば、エンジンブレーキの効くレンジを選択して走
行している際に電気的フェイルによって非駆動レンジが
判定されても、その走行時のソレノイドバルブの通電パ
ターンと非駆動レンジで通電パターンとが同じであるこ
とにより、エンジンブレーキを効かせるための摩擦係合
装置の解放や油圧の低下がなく、したがって非駆動レン
ジの誤判定に伴うショックを未然に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を模式的に示すブロック図
である。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の歯車変速機
構を主として示すスケルトン図である。
【図3】各走行レンジおよび変速段でのソレノイドバル
ブのON・OFF状態および各摩擦係合装置の係合・解
放状態を示す図表である。
【図4】この発明の一実施例の主要な油圧回路部分を示
す図である。
【図5】この発明にかかる主要油圧回路部分を取り出し
て概略的に示す部分油圧回路図である。
【図6】図4に示す油圧回路の一部を示す図である。
【図7】図4に示す油圧回路の他の部分を示す図であ
る。
【図8】図4に示す油圧回路の更に他の部分を示す図で
ある。
【図9】シフト装置における各レンジ位置の配列を示す
図である。
【図10】Dレンジの通常の変速パターンとDレンジの
ホールドモードでの変速パターンとを示す線図である。
【図11】ヒルホールドモードが選択されている状態で
のNレンジからDレンジへのシフトの際の第1ブレーキ
の係合の遅延制御ルーチンの一例を示すフローチャート
である。
【図12】ヒルホールドモードギヤ段(第3速)を設定
するための部分的な係合作動表を示す図表である。
【図13】Nレンジのソレノイドパターンをヒルホール
ドモードギヤ段およびエンジンブレーキの効く第3速の
ソレノイドパターンと同一にした部分的な係合作動表を
示す図表である。
【図14】スポーツモードでの第3速が選択された場合
に制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】 1 自動変速機 19 自動変速機用電子制御装置 31 副変速部 32 主変速部 100 3-4シフトバルブ S1 ,S2 ,S3 ソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:72 63:12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の変速段でエンジンブレーキ用の摩
    擦係合装置を選択的に係合させることができ、かつその
    変速段を発進用変速段とする走行モードを選択すること
    のできる自動変速機の制御装置において、 前記走行モードを選択している状態で非駆動レンジから
    駆動レンジに切り換えた場合に、前記変速段を設定する
    ための摩擦係合装置への油圧の供給に対して、前記エン
    ジンブレーキ用摩擦係合装置に対する油圧の供給を遅延
    させるよう構成されていることを特徴とする自動変速機
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 所定の前進段で車両を後退させないよう
    に摩擦係合装置を係合させるヒルホールドモードを設定
    することのできる自動変速機の制御装置において、 非駆動レンジからヒルホールドモードでの前記所定の前
    進段を設定する走行レンジにレンジを切り換えた場合
    に、その前進段を設定するための摩擦係合装置への油圧
    の供給に対して、前記ヒルホールドモードで係合させら
    れる前記摩擦係合装置への油圧の供給を遅延させるよう
    に構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とを備え、所定の制御弁が出力する信号圧を、前記副変
    速部を制御する信号圧と、所定の前進段で車両の後退を
    阻止するべく係合させられるヒルホールド用摩擦係合装
    置を係合させる信号圧とに切換弁で切り換えて使用し、
    かつ所定の前進レンジで前記ヒルホールド用摩擦係合装
    置を係合させる走行モードを選択することのできる自動
    変速機の制御装置において、 前記走行モードが選択されている状態で、非駆動レンジ
    から前記前進レンジに切り換えられた場合に、前記所定
    の前進段を設定するための摩擦係合装置への油圧の供給
    に対して、前記ヒルホールド用摩擦係合装置への油圧の
    供給を遅延させるように構成されていることを特徴とす
    る自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 複数のソレノイドバルブのON/OFF
    の状態に応じて変速段を設定し、かつ所定の前進段でエ
    ンジンブレーキ用摩擦係合装置を係合させる走行モード
    が選択されている状態では前記複数のソレノイドバルブ
    のON/OFF状態をエンジンブレーキ用摩擦係合装置
    を係合させる状態に設定する自動変速機の制御装置にお
    いて、 前記走行モードが選択されている場合、非駆動レンジで
    の前記複数のソレノイドバルブのON/OFFの状態
    が、前記走行モードで前記所定の前進段を設定する前記
    複数のソレノイドバルブのON/OFFの状態と同一と
    なるように構成されていることを特徴とする自動変速機
    の制御装置。
  5. 【請求項5】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とを備え、所定の制御弁が出力する信号圧を、前記副変
    速部を制御する信号圧と、所定の前進段で車両の後退を
    阻止するヒルホールドモードで係合させられるヒルホー
    ルド用摩擦係合装置を係合させる信号圧とに切換弁で切
    り換えて使用し、複数のソレノイドバルブのON/OF
    Fの状態に応じて各変速段を設定する自動変速機の制御
    装置において、 前記ヒルホールドモードが選択されている場合、非駆動
    レンジでの前記複数のソレノイドバルブのON/OFF
    の状態が、ヒルホールドモードで前記所定の前進段を設
    定する前記複数のソレノイドバルブのON/OFFの状
    態と同一となるように構成されていることを特徴とする
    自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とを備え、所定の制御弁が出力する信号圧を、前記副変
    速部を制御する信号圧と、所定の前進段でエンジンブレ
    ーキを効かせるべく係合させるエンジンブレーキ用摩擦
    係合装置を係合させる信号圧とに切換弁で切り換えて使
    用し、複数のソレノイドバルブのON/OFFの状態に
    応じて各変速段を設定する自動変速機の制御装置におい
    て、 前記所定の前進段でエンジンブレーキを効かせる走行レ
    ンジが選択されている場合に、非駆動レンジでの前記複
    数のソレノイドバルブのON/OFFの状態が、前記走
    行レンジでエンジンブレーキの効く前記所定の前進段を
    設定する前記複数のソレノイドバルブのON/OFFの
    状態と同一となるように構成されていることを特徴とす
    る自動変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU756436B2 (en) * 2000-12-30 2003-01-16 Hyundai Motor Company Hydraulic control system for automatic transmission

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