JPH0941953A - 内燃機関の触媒劣化検出装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化検出装置

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Publication number
JPH0941953A
JPH0941953A JP7215495A JP21549595A JPH0941953A JP H0941953 A JPH0941953 A JP H0941953A JP 7215495 A JP7215495 A JP 7215495A JP 21549595 A JP21549595 A JP 21549595A JP H0941953 A JPH0941953 A JP H0941953A
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JP
Japan
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catalyst
deterioration
value
air
fuel ratio
Prior art date
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Pending
Application number
JP7215495A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Hara
文雄 原
Hiroshi Kubo
浩志 久保
Atsushi Senura
篤 泉浦
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新品の触媒を用いた場合のように触媒下流側
の酸素濃度センサ出力が理論空燃比に対応する反転閾値
近傍に停滞しその変化が小さい場合における、酸素濃度
センサ出力に基づいた劣化判定パラメータによる触媒劣
化の誤検知を防止し、正確な劣化判定を行うことができ
る触媒劣化検出装置を提供する。 【解決手段】 下流側O2センサ15の出力SVO2の
変化が小さく、基準値SVREF近傍に停滞しているこ
とを「1」で示すホールドフラグFSVO2HLD(図
5、S74,S75、S89〜S90)が「1」である
ときは(S6)、劣化判定を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気系
に設けられ、排気ガスを浄化する触媒の劣化を検出する
触媒劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気ガスを浄化する触媒の劣
化検出装置として、機関の排気通路の触媒の下流側に設
けた酸素濃度センサの出力の応じて機関に供給する混合
気の空燃比をフィードバック制御し、その時の酸素濃度
センサ出力の反転周期を触媒劣化判定パラメータとして
用いて触媒の酸素蓄積能力を検出し、劣化判定を行うも
のが、既に本出願人により提案されている(特開平6−
212955号公報、特願平6−308229号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
使用を開始した直後の新品の触媒では、触媒下流側の酸
素濃度センサ出力が反転閾値付近に停滞することがあ
り、上記従来の装置ではこのような場合には、反転周期
によって触媒の酸素蓄積時間を正常に検出することがで
きないため、正確な劣化判定ができないという問題があ
った。
【0004】本発明はこの点に着目してなされてもので
あり、新品の触媒を用いた場合のように触媒下流側の酸
素濃度センサ出力が理論空燃比に対応する反転閾値近傍
に停滞しその変化が小さい場合における、酸素濃度セン
サ出力に基づいた劣化判定パラメータによる触媒劣化の
誤検知を防止し、正確な劣化判定を行うことができる触
媒劣化検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、内燃機関の排気系に設けられ、排気ガスの浄
化を行う触媒手段と、該触媒手段の下流側に設けられ、
排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
該酸素濃度検出手段の出力に応じて空燃比制御量を演算
する空燃比制御量演算手段と、該空燃比制御量に基づい
て前記機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比
制御手段と、該空燃比制御手段による空燃比の制御時の
前記酸素濃度検出手段の出力に基づいた触媒劣化判定パ
ラメータにより前記触媒手段の劣化を検出する触媒劣化
検出手段とを備えた内燃機関の触媒劣化検出装置におい
て、前記酸素濃度センサの出力の振幅が所定値以下であ
るときは、前記触媒手段の劣化検出を禁止する劣化検出
禁止手段を有することを特徴とするの触媒劣化検出装置
を提供する。
【0006】また、前記触媒劣化検出手段は、前記機関
の吸気系へ供給する混合気の空燃比を変化させた後前記
酸素濃度検出手段の出力が変化するまでの時間に基づい
て前記触媒手段の劣化を検出することが望ましい。
【0007】また、前記触媒劣化検出手段は、前記酸素
濃度検出手段の出力の基準値に対する反転時間に基づい
て前記触媒手段の劣化を検出するようにしてもよい。
【0008】本発明によれば、前記酸素濃度センサの出
力の振幅が所定値以下であるときは、前記触媒手段の劣
化検出が禁止される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の実施の一形態に係る触媒
劣化検出装置が組込まれた内燃機関(以下「エンジン」
という)及びその制御装置の全体構成図であり、例えば
4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁
3が配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開
度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロット
ル弁3の開度に応じた電気信号を出力してエンジン制御
用電子コントロールユニット(以下「ECU」という)
5に供給する。
【0011】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側
に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃
料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接
続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁
時間が制御される。
【0012】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気
管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この
絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号
は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気
温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを
検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給す
る。
【0013】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン
水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出
力してECU5に供給する。
【0014】エンジン1の図示しないカム軸周囲又はク
ランク軸周囲には、エンジン回転数(NE)センサ10
及び気筒判別(CYL)センサ11が取り付けられてい
る。エンジン回転数センサ10は、エンジン1の各気筒
の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クラン
ク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではク
ランク角180゜毎に)TDC信号パルスを出力し、気
筒判別センサ11は、特定の気筒の所定クランク角度位
置で気筒判別信号パルスを出力するものであり、これら
の各信号パルスはECU5に供給される。
【0015】排気管12には排気ガスを浄化する三元触
媒(以下触媒という)16が設けられ、触媒16の上流
位置には、酸素濃度検出手段としての上流側O2センサ
14が装着されているとともに、触媒16の下流位置に
も酸素濃度検出手段としての下流側O2センサ15が装
着され、それぞれ排気ガス中の酸素濃度を検出してその
検出値に応じた電気信号(PVO2,SVO2)がEC
U5に供給される。また触媒Cにはその温度を検出する
触媒温度(TCAT)センサ13が装着され、検出され
た触媒温度TCATに対応する電気信号がECUに供給
される。
【0016】ECU5にはさらに、エンジン1が搭載さ
れた車両の速度Vを検出する車速センサ17、大気圧
(PA)センサ18が接続されており、これらのセンサ
の検出信号がECU5に供給される。
【0017】吸気管2には、通路19を介して燃料タン
クで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ(図示せ
ず)が接続されており、通路19の途中にパージ制御弁
20が配設されている。パージ制御弁20は、ECU5
に接続されており、ECU5によりその開閉が制御され
る。パージ制御弁20は、エンジン1の所定運転状態に
おいて開弁され、キャニスタに貯蔵された蒸発燃料を吸
気管2に供給する。
【0018】ECU5は、各種センサからの入力信号波
形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナロ
グ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する
入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム
及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射
弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成され
る。
【0019】CPU5bは、上述の各種エンジンパラメ
ータ信号に基づいて、後述するように、空燃比フィード
バック制御領域や空燃比フィードバック制御を行わない
複数の特定運転領域(以下「オープンループ制御領域」
という)の種々のエンジン運転状態を判別するととも
に、該判別されたエンジン運転状態に応じて、次式
(1)に基づき、前記TDC信号パルスに同期する燃料
噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算する。
【0020】 TOUT=Ti×KO2×KEVAP×K1+K2…(1) ここに、Tiは燃料噴射弁5の基本燃料噴射時間であ
り、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて決定される。
【0021】KO2は空燃比補正係数であり、空燃比フ
ィードバック制御時、O2センサ14,15により検出
された排気ガス中の酸素濃度に応じて求められ、さらに
オープンループ制御領域では各運転領域に応じた値に設
定される。
【0022】KEVAPは、パージによる蒸発燃料の影
響を補償するためのエバポ補正係数であり、パージを行
わないときは1.0に設定され、パージ実行時は0〜
1.0の間の値に設定される。このエバポ補正係数KE
VAPの値が小さいほど、パージの影響が大きいことを
示す。
【0023】K1及びK2は夫々各種エンジンパラメー
タ信号に応じて演算される他の補正係数および補正変数
であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン
加速特性等の諸特性の最適化が図れるような所定値に決
定される。
【0024】CPU5bは上述のようにして求めた燃料
噴射時間TOUTに基づいて燃料噴射弁6を開弁させる
駆動信号を出力回路5dを介して燃料噴射弁6に供給す
るとともに、エンジン運転状態に応じたパージ制御弁2
0の開閉制御を行う。
【0025】次に、触媒16の劣化検出(劣化モニタ)
について説明する。
【0026】この触媒16の劣化モニタを行う場合のフ
ィードバック制御は下流側O2センサ15の出力SVO
2のみに基づいて行われる。そして出力SVO2が所定
の基準電圧SVREFに対してリーン側からリッチ側へ
反転した時点から所定時間TRD経過後の時点で、補正
係数KO2を理論空燃比に対してリッチ側からリーン側
にスキップさせるためのリーン側スペシャルP項PLS
Pを発生させ、この時点から出力SVO2がリッチ側か
らリーン側へ反転する時点までの遅れ時間TLが検出さ
れる。また、出力SVO2が基準値SVREFに対して
リッチ側からリーン側へ反転した時点から所定時間TL
D経過後の時点で、補正係数KO2を理論空燃比に対し
てリーン側からリッチ側にスキップさせるためのリッチ
側スペシャルP項PRSPを発生させ、この時点から出
力SVO2がリーン側からリッチ側へ反転する時点まで
の遅れ時間TRが検出される。そして、これらの遅れ時
間TL,TRを劣化判定パラメータとして用いて触媒1
6の劣化が判定される。
【0027】次に図2及び図3のフローチャートに基づ
いて触媒劣化モニタ処理の全体構成を説明する。本処理
はタイマにより所定時間(例えば10msec)毎にC
PU5bで実行される。
【0028】先ずステップS1では、図4の処理で設定
され、劣化モニタ許可を「1」で示す劣化モニタ許可フ
ラグFCATCHKが「1」か否かを判別し、FCAT
CHK=1であるときは、吸気管内絶対圧PBAの変化
量DPBA4(=今回値PBA(n)−前回値PBA
(n−1))の絶対値が、所定変化量DPBCATMよ
り小さいか否かを判別し(ステップS2)、|DPBA
4|<DPBCATMであって吸気管内絶対圧PBAの
変動が小さいときは、単位時間当たりの燃料供給量TF
の平均値TFAVEが所定上限値TFMAXより大きい
か否か、すなわち高回転高負荷運転状態か否かを判別す
る(ステップS3)。
【0029】ここで、単位時間当たりの燃料供給量TF
及びその平均値TFAVEは下記式により算出する。
【0030】TF=TOUT×NE/A TFAVE(n)=α×TF+(1−α)×TFAVE
(n−1) Aは定数(例えば2の12乗)、αは0から1の間の値
に設定されるなまし係数である。
【0031】ステップS1又はS2の答が否定(NO)
のとき又はステップS3の答が肯定(YES)のとき、
すなわち劣化モニタ条件不成立のとき、吸気管内絶対圧
PBAの変動が大きいとき又は単位時間当たりの燃料供
給量が大きい高回転高負荷運転状態のときは、劣化モニ
タを実行しない。すなわちステップS7に進み、下流側
O2センサ15の出力SVO2の変化が小さいことを
「1」で示すホールドフラグFSVO2HLDを「0」
に設定し、さらに強制パージカット(パージ制御弁20
の閉弁)すべきことを「1」で示すパージカットフラグ
FCATPGを「0」とし(ステップS9)、ダウンカ
ウントタイマtmCATMに所定のモニタ開始遅延時間
TCATMをセットしてスタートさせ(ステップS1
2)、劣化モニタ実行中であることを「1」で示すモニ
タ実行フラグFCATMを「0」に設定して(図3,ス
テップS14)、本処理を終了する。なお、ホールドフ
ラグFSVO2HLDの設定は、後述する図6の処理で
行われる。
【0032】ステップS3によりエンジンの単位時間当
たりの燃料供給量が大きい高回転高負荷運転状態のとき
は劣化モニタを実行しないようにしたのは、高回転高負
荷運転状態のときは、触媒16の酸素ストレージ時間が
短くなり、劣化した触媒と同様の酸素ストレージ特性を
示すので、正常な触媒を劣化したと誤判定するおそれが
あるからである。
【0033】前記ステップS3の答が肯定(YES)、
すなわちTFAVE<TFMAXであって、高回転高負
荷運転状態でないときは、モニタ実行フラグFCATM
が「1」であるか否かを判別する(ステップS4)。最
初はFCATM=0であるので、直ちにステップS6に
進み、後述するステップS16でFCATM=1とされ
ると、モニタ実行中の吸気管内絶対圧PBAの最大値P
BCTMAXと最小値PBCTMINの差が、所定値D
PBCATGより小さいか否かを判別し(ステップS
5)、PBCTMAX−PBCTMIN<DPBCAT
Gであるときは、ステップS6に進む。
【0034】なお、最大値PBCMAX及び最小値PB
CMINは、劣化モニタを実行していないときに、それ
ぞれ00(16進)及びFF(16進)に初期設定をし
ておき(図5、ステップS49)、TDC信号パルスの
発生毎に実行される処理で、劣化モニタ実行中において
(FCATM=1のとき)、検出した吸気管内絶対圧P
BAが最大値PBCMAXより高いときは、そのときの
PBA値で最大値PBCMAXを更新する一方、検出し
た吸気管内絶対圧PBAが最小値PBCMINより低い
ときは、そのときのPBA値で最小値PBCMINを更
新することにより算出する。
【0035】ステップS4、S5により劣化モニタ実行
中における吸気管内絶対圧PBAの変動が大きいときは
劣化モニタを実行しないようにしたので、負荷変動が大
きいときに下流側O2センサ出力SVO2の反転周期が
不安定になることに起因する誤判定を防止することがで
きる。
【0036】ステップS6では、ホールドフラグFSV
O2HLDが「0」か否かを判別する。最初はFSVO
2HLD=0であるので、ステップS8に進み、後述す
るステップS17の処理でFSVO2HLD=1とされ
たとき、すなわち下流側O2センサ出力SVO2の変化
が小さいと判定されたときは、前記ステップS7に進
み、劣化モニタは実行しない。
【0037】ステップS6により下流側O2センサ出力
SVO2の変化が小さいときは劣化モニタを実行しない
ようにしたので、特に触媒が新品である場合に、出力S
VO2が基準値SVREF近傍に停滞し、正確な酸素ス
トレージ時間の検出ができないことに起因する誤判定を
防止することができる。
【0038】ステップS8では、空燃比フィードバック
制御領域であることを「1」で示すフィードバック制御
フラグFO2FBが「1」か否かを判別し、FO2FB
=0であるときは、前記ステップS9に進み、FO2F
B=1であるときは、パージカットフラグFCATFG
を「1」に設定して強制パージカットとする(ステップ
S10)。次いで、エバポ補正係数KEVAPが1.0
であるか否かを判別し(ステップS11)、KEVAP
<1.0であるときは、パージの影響が大きく正確な劣
化判定ができないので、前記ステップS12に進み、劣
化モニタは行わない。
【0039】これにより、パージの影響により下流側O
2センサ出力SVO2がリッチ側に偏り、触媒の酸素ス
トレージ能力を正確に判断できないことに起因する誤判
定を防止することができる。
【0040】一方、KEVAP=1.0であるときは、
前記ステップS12でスタートしたタイマtmCATM
の値が0か否かを判別する。最初はtmCATM>0で
あるので、前記ステップS14に進み、所定遅延時間T
CATM経過してtmCATM=0となると、図3のス
テップS15以下のステップで劣化判定を行う。
【0041】先ずステップS15では、下流側O2セン
サ出力SVO2に基づく劣化モニタ中の空燃比補正係数
CATKO2の算出処理(図5に詳細を示す)を実行す
る。この補正係数CATKO2は、前記式(1)のKO
2に代えて燃料噴射時間TOUTの算出に使用する。
【0042】次いで、モニタ実行フラグFCATMを
「1」に設定し(ステップS16)、遅れ時間TL,T
Rの算出処理(図6)を実行し(ステップS17)、遅
れ時間TRの算出回数を示すリッチ側TRカウンタNT
Rの値が所定値NTRCより小さいか否かを判別する
(ステップS18)。最初はNTR<NTRCであるの
で、ステップS19の劣化判定処理A(図8)を実行
し、次いで触媒16が正常である旨の判定が確定したこ
とを「1」で示す正常判定フラグFOK67が「1」で
あるか否かを判別する(ステップS20)。そして、F
OK67=0であって正常判定が確定していないとき
は、直ちに本処理を終了し、FOK67=1であって正
常判定が確定したときは、劣化モニタフラグFCATM
を「0」に設定して(ステップS22)、本処理を終了
する。
【0043】ステップS18でNTR=NTRCとなる
と、ステップS21に進んで劣化判定処理B(図9)を
実行し、前記ステップS22に進む。
【0044】図4は劣化モニタ許可フラグFCATCH
Kの設定処理のフローチャートであり、本処理は他の優
先度の高い処理が実行されていないバックグラウンドに
おいて実行される。
【0045】先ずステップS31では、吸気温TAが所
定上下限値TACATH(例えば100℃)、TACA
TL(例えば−0.2℃)の範囲内にあるか否か、エン
ジン水温TWが所定上下限値TWCATH(例えば10
0℃)、TWCATL(例えば80℃)の範囲内にある
か否か、車速Vが所定上下限値VCATH(例えば80
km/h)、VCATL(例えば32km/h)の範囲
内にあるか否か、エンジン回転数NEが所定上下限値N
ECATH(例えば3200rpm)、NECATL
(例えば2800rpm)の範囲内にあるか否か、及び
吸気管内絶対圧PBAが所定上下限値PBCATH(例
えば510mmHg)、PBCATL(例えば410m
mHg)の範囲内にあるか否かを判別し、これらの運転
パラメータの何れかが所定上下限値の範囲外のときは、
劣化モニタ実行許可フラグFCATCHKを「0」に設
定し(ステップS37)、劣化モニタ実行不可とする。
【0046】一方、判定した運転パラメータがすべて所
定上下限値の範囲内にあるときは、さらに触媒16の温
度TCATが所定範囲(例えば350℃〜800℃)内
にあることを「1」で示す触媒温度フラグFTCATが
「1」か否かを判別する(ステップS32)。このフラ
グFTCATの設定は、触媒温度センサ13の検出値T
CATを用いて行うが、エンジン運転状態に応じて推定
した温度値を用いてもよい。そして、FTCAT=0で
あって触媒温度TCATが所定範囲外のときは、前記ス
テップS37に進み、劣化モニタ実行不可とする。これ
により、触媒温度が低いことに起因して酸素ストレージ
能力が低下し正常な触媒を劣化していると誤判定するこ
とを防止することができる。
【0047】ステップS32でFTCAT=1であっ
て、触媒温度TCATが所定範囲内にあるときは、エバ
ポ補正係数KEVAPの学習値KEVAPREFが所定
値KEVAPCAT(例えば0.781)より大きいか
否かを判別する(ステップS33)。
【0048】学習値KEVAPREFは、エンジンがア
イドル状態にあるときに算出するアイドル用学習値KE
VAPREF1と、アイドル状態以外にあるとき算出す
るオフアイドル用学習値KEVAPREF0とがあり、
これらの学習値は対応するエンジン運転状態において、
下記式(2)により算出する。
【0049】 KEVAPREFi(n)=CEVREFi×KEVAP/B +(B−CEVREFi)×KEVAPREFi(n−1)…(2) ここで、i=0又は1、Bは例えば2の16乗に設定さ
れる定数、CEVREFiは1〜Bの間の値に設定され
るなまし係数である。
【0050】ステップS33でKEVAPREF≦KE
VAPCATが成立し、パージの影響が大きいときに
は、前記ステップS37に進み、劣化モニタ実行不可と
する。これにより、パージの影響で下流側O2センサ出
力SVO2がリッチ側に偏り、触媒の酸素ストレージ能
力を正確の判断できないことに起因する誤判定を防止す
ることができる。
【0051】ステップS33でKEVAPREF>KE
VAPCATが成立し、パージの影響が小さいときは、
当該車両がクルーズ状態にあることを「1」で示すクル
ーズフラグFCRSが「1」か否かを判別する(ステッ
プS34)。クルーズフラグFCRSは、例えば車速V
の変動が0.8km/sec以下の状態が所定時間(例
えば2秒)継続したとき「1」に設定される。
【0052】ステップS34で車両がクルーズ状態にな
いときは、前記ステップS37に進み、劣化モニタ実行
不可とする。これにより、大きな負荷変動による下流側
O2センサ出力SVO2の不安定化に起因する誤判定を
防止することができる。
【0053】また、ステップS34の答が肯定(YE
S)、すなわち車両がクルーズ状態にあるときは、空燃
比補正係数KO2が所定上限値又は下限値に所定時間以
上貼り付いていること(KO2リミット貼り付き状態)
を「1」で示す貼り付きフラグFKO2LMTが「0」
か否かを判別し(ステップS35)、FKO2LMT=
1であってKO2リミット貼り付き状態のときは、前記
ステップS37に進み、劣化モニタ実行不可とする。
【0054】そして、ステップS31〜S35の答がす
べて肯定(YES)のときは、劣化モニタ実行許可フラ
グFCATCHKを「1」に設定して(ステップS3
6)、本処理を終了する。
【0055】図5は、図3のステップS15におけるC
ATKO2算出処理のフローチャートである。また、図
7は下流側O2センサ出力SVO2、各種フラグ等の推
移を示す図であり、この図も併せて参照する。
【0056】先ずステップS41では、下流側O2セン
サ出力SVO2が基準値SVREFより低いか否かを判
別し、SVO2<SVREFであるときは、第1リッチ
フラグFAFR1を「0」に、またSVO2≧SVRE
Fであるときは、同フラグFAFR1を「1」に設定す
る(ステップS42、S43)。続くステップS44で
は、第1リッチフラグFAFR1が反転したか否かを判
別し、反転していなければ直ちにステップS48に進む
一方、反転したときは、第1リッチフラグFAFR1が
「0」か否かを判別する(ステップS45)。そして、
FAFR1=0であって下流側O2センサ出力SVO2
がリッチ側からリーン側へ反転したときは(図7、時刻
t1,t5,t9)、ダウンカウントディレイタイマT
DLYRにリーン側所定時間TLDをセットしてスター
トさせ(ステップS46)、逆にFAFR1=1であっ
てリーン側からリッチ側へ反転したときは(図7、t
3,t7,t11)、リッチ側所定時間TRDをセット
してスタートさせ(ステップS47)、ステップS48
に進む。
【0057】ステップS48では、モニタ実行フラグF
CATMが「1」か否かを判別する。モニタ実行開始当
初はFCATM=0である(FCATMを「1」に設定
するのはCATKO2算出処理の実行後である)ため、
ステップS49に進んで各種タイマ、カウンタ、フラグ
等の初期設定を行う(ステップS49)。すなわち、デ
ィレイタイマTDLYR、遅れ時間TL,TR計測用の
アップカウントタイマTSTRG、遅れ時間TL,TR
の計測回数をカウントするカウンタNTL,NTR、及
び遅れ時間の積算値TLSUM,TRSUMをすべて
「0」に設定し、第2リッチフラグFAFR2を第1リ
ッチフラグFAFR1と同一とし、劣化モニタ時用空燃
比補正係数CATKO2を空燃比補正係数KO2に設定
し、吸気管内絶対圧PBAの最大値PBCTMAXを0
0(16進)に、また最小値PBCTMINをFF(1
6進)にそれぞれ設定する。
【0058】続くステップS58では、第2リッチフラ
グFAFR2が「1」か否かを判別し、FAFR2=0
であるときは(図7、t2〜t4,t6〜t8)、補正
係数CATKO2の直前値にスペシャルI項ILSPを
加算する積分制御行い(ステップS59)、FAFR2
=1であるときは(図7、t4〜t6,t8〜t1
0)、補正係数CATKO2の直前値からスペシャルI
項ILSPを減算する積分制御を行い(ステップS6
0)、本処理を終了する。
【0059】本処理の次回実行時にステップS48に至
ると、図3のステップS16でFCATM=1とされて
いるので、ステップS50に進み、第1リッチフラグF
AFR1と第2リッチフラグFAFR2とが等しいか否
かを判別する。そして、FAFR1=FAFR2である
ときは(図7、t2〜t3,t4〜t5,t6〜t7,
t8〜t9,t10〜t11)、前記ステップS58に
進み、FAFR1≠FAFR2であるときは(図7、t
1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,t7〜t8,t9
〜t10)、第1リッチフラグFAFR1が「1」であ
るか否かを判別する(ステップS51)。
【0060】ステップS51でFAFR1=0であると
きは(図7、t1〜t2,t5〜t6,t9〜t1
0)、ディレイタイマTDLYRの値が「0」か否かを
判別し(ステップS52)、TDLYR>0であるとき
は前記ステップS58に進む。そして、TDLYR=0
となると(図7、t2,t6,t10)、第2リッチフ
ラグFAFR2を第1リッチフラグFAFR1と等しく
し(ステップS54)、補正係数CATKO2の直前値
にスペシャルP項PRSPを加算して(ステップS5
5)、本処理を終了する。
【0061】ステップS51でFAFR1=1であると
きは(図7、t3〜t4,t7〜t8)、ディレイタイ
マTDLYRの値が「0」か否かを判別し(ステップS
56)、TDLYR>0であるときは前記ステップS5
8に進む。そして、TDLYR=0となると(図7、t
4,t8)、第2リッチフラグFAFR2を第1リッチ
フラグFAFR1と等しくし(ステップS56)、補正
係数CATKO2の直前値からスペシャルP項PRSP
を減算して(ステップS57)、本処理を終了する。
【0062】以上のように図5の処理によれば、下流側
O2センサ出力SVO2の反転時点(t1,t3,t
5,t7,t9)から所定時間(TRD又はTLD)遅
延して比例制御が実行され(t2,t4,t6,t8,
t10)、第2リッチフラグFAFR2=0の期間中は
CATKO2値の増加方向の積分制御が実行され、FA
FR2=1の期間中はCATKO2値の減少方向の積分
制御が実行される。
【0063】図6は、図3のステップS17におけるT
L,TR算出処理のフローチャートである。なお、図7
も併せて参照する。
【0064】図6において先ずステップS71では、第
1リッチフラグFAFR1(図7(b))が反転したか
否かを判別し、反転したときは、遅れ時間計測期間であ
ることを「1」で示す反転タイマフラグFTSTRG
(図7(e))が「1」か否かを判別する(ステップS
72)。そしてステップS71又はS72の答が否定
(NO)のとき、すなわち第1リッチフラグFAFR1
が反転していないとき又は反転タイマフラグFTSTR
Gが「0」であるときは、ステップS86に進み、ディ
レイタイマTDLYR(図7(c))の値が0か否かを
判別し、TDLYR>0であるときは、遅れ時間計測用
アップカウントタイマTSTRG(図7(f))を
「0」のセットし(ステップS87)、下流側O2セン
サ出力SVO2の変化が所定以上であることを「1」で
示す出力範囲フラグFSVO2CATを「0」に設定し
て(ステップS88)、ステップS92に進む。
【0065】ステップS86で、TDLYR=0となる
とステップS89に進み、下流側O2センサ出力SVO
2が所定上側レベルSVO2CATH(例えば0.58
6V)より低いか否かを判別し、SVO2<SVO2C
ATHであるときは、さらにSVO2値が所定下側レベ
ルSVO2CATL(例えば0.430V)より高いか
否かを判別する(ステップS90)。その結果、SVO
2CATL<SVO2<SVO2CATHであるときは
直ちに、またSVO2≧SVO2CATH又はSVO2
≦SVO2CATLであるときは、出力範囲フラグFS
VO2CATを「1」に設定して(ステップS91)、
ステップS92に進む。すなわち、出力範囲フラグFS
VO2CATは、第1リッチフラグFAFR1(下流側
O2センサ出力SVO2)の反転から所定時間(TLD
又はTRD)経過後における、SVO2値が基準値SV
REF近傍にあるとき「0」に維持され、下流側O2セ
ンサ出力SVO2の変化が小さいことを示す。
【0066】ステップS92では、第2リッチフラグF
AFR2(図7(d))が反転したか否かを判別し、反
転していなければ直ちに、また反転したときは反転タイ
マフラグFTSTRGを「1」に設定して(ステップS
93)、本処理を終了する。
【0067】一方ステップS71、S72の答が共に肯
定(YES)、すなわち第1リッチフラグFAFR1が
反転し且つ反転タイマフラグFTSTRGが「1」であ
るときは、ステップS73に進み、反転タイマフラグF
TSTRGを「0」に戻し、出力範囲フラグFSVO2
CATが「1」か否かを判別する(ステップS74)。
そして、FSVO2CAT=0であって下流側O2セン
サ出力SVO2の変化が小さいときは、ホールドフラグ
FSVO2HLDを「1」に設定し(ステップS7
5)、またFSVO2CAT=1であるときは、該フラ
グFSVO2CATを「0」に戻して(ステップS7
6)、ステップS77に進む。このホールドフラグFS
VO2HLDは、前述したように図2のステップS6で
参照される。
【0068】ステップS77では、第1リッチフラグF
AFR1が「1」か否かを判別し、FAFR1=0であ
って下流側O2センサ出力SVO2が基準値SVREF
に対してリーン側にあるときは(図7、t1,t5,t
9)、下記式によりリーン側積算値TLSUMを算出す
る(ステップS78)。ここで加算されるタイマTST
RGの値が、図7の遅れ時間TLに相当する。
【0069】TLSUM=TLSUM+TSTRG 次いでリーン側カウンタNTLを「1」だけインクリメ
ントし(ステップS79)、アップカウントタイマTS
TRGの値を「0」に戻して(ステップS80)、前記
ステップS92に進む。
【0070】ステップS77でFAFR1=1であって
下流側O2センサ出力SVO2が基準値SVREFに対
してリッチ側にあるときは(図7、t3,t7,t1
1)、下記式によりリッチ側積算値TRSUM(図7
(g))を算出する(ステップS81)。ここで加算さ
れるタイマTSTRGの値が、図7の遅れ時間TRに相
当する。
【0071】TRSUM=TRSUM+TSTRG 次いでリッチ側カウンタNTR(図7(h))を「1」
だけインクリメントし(ステップS82)、アップカウ
ントタイマTSTRGの値を「0」に戻して(ステップ
S83)、リーン側カウンタNTLの値が「0」か否か
を判別する(ステップS84)。そして、NTL>0で
あるときは直ちに、またNTL=0であって劣化モニタ
開始直後であるときはリッチ側積算値TRSUM及びリ
ッチ側カウンタNTRを「0」に戻して(ステップS8
5)、前記ステップS92に進む。
【0072】ステップS84、S85は、遅れ時間の計
測はTLの方から開始するために、最初にTRの計測を
行ったときは、リッチ側積算値TRSUM及びカウンタ
NTRを「0」に戻すために設けたものである。
【0073】以上のように図6の処理によれば、下流側
O2センサ出力SVO2が反転する毎に遅れ時間TL又
はTRが積算され、積算値TLSUM,TRSUMが算
出される。なお、図7ではリーン側積算値TLSUM及
びリーン側カウンタNTLの推移は図示していないが、
時刻t1,t5,t9においてリッチ側積算値TRSU
M及びリッチ側カウンタNTRと同様にインクリメント
される。
【0074】図8は図3のステップS19における劣化
判定処理Aのフローチャートであり、アップカウントタ
イマTSTRGの値が所定の正常判定基準値TSTRG
OKより大きいか否かを判別し(ステップS101)、
TSTRG≦TSTRGOKであるときは直ちに、また
TSTRG>TSTRGOKであるときは、触媒16は
正常と判定し、正常判定フラグFOK67を「1」に設
定して(ステップS102)、本処理を終了する。
【0075】この処理により、遅れ時間が非常に長いと
きは直ちに正常と判定され、判定に要する時間を短縮す
ることができる。
【0076】図9は図3のステップS21における劣化
判定処理Bのフローチャートである。
【0077】先ずステップS111では、下記式により
判定時間TCHKを算出する。下記式から明らかなよう
に、判定時間TCHKは、遅れ時間TL,TRの平均値
である。
【0078】
【数1】 次いで、判定時間TCHKが劣化判定閾値TCHKLM
Tより大きいか否かを判別する(ステップS112)。
ここで、劣化判定閾値TCHKLMTは、前記単位時間
当たりの燃料噴射量TFの平均値TFAVEに応じて、
図10に示すTCHKLMTテーブルを検索して決定す
る。TCHKLMTテーブルは、平均値TFAVEが増
加するほど劣化判定閾値TCHKLMTが減少するよう
に設定されている。
【0079】ステップS112の答が肯定(YES)の
ときは、正常判定フラグFOK67を「1」に設定し
(ステップS113)、否定(NO)のときは「0」に
設定して(ステップS114)、本処理を終了する。
【0080】図11は、エバポ補正係数KEVAP算出
処理のメインルーチンのフローチャートであり、本処理
はTDC信号パルスの発生毎にこれと同期して実行され
る。
【0081】先ずステップS121では、エンジン1の
始動モードであるか否かを判別し、始動モードのとき
は、エバポ補正係数KEVAPの値を1.0とし(ステ
ップS122)、エバポ補正係数の学習値KEVAPR
EFを1.0として(ステップS123)、本処理を終
了する。
【0082】始動モードでないときは、パージ可能であ
ることを「1」で示すパージ許可フラグFFRが「1」
か否かを判別し(ステップS124)、FFR=1であ
るときは、図示しない処理で算出されるパージ制御弁2
0のパージデューティ量DFR(この値が大きいほど、
パージ量が増大する)が所定量DFREVより大きいか
否かを判別し(ステップS125)、DFR>DFRE
Vであるときは、更にエンジン回転数NEが所定回転数
NHOPより低いか否かを判別する(ステップS12
6)。そして、ステップS124〜S126の何れかの
答が否定(NO)のとき、すなわちパージが許可されて
いないとき、パージデュ−ティ量DFRが所定以下のと
き又はエンジン回転数NEが所定以上のときは、ステッ
プS132に進み、後述する図12の処理で使用するフ
ラグFKO2EVH及びFKO2EVLをともに「0」
とする。
【0083】次いでパージオン移行タイマtmEVDE
Cに所定時間(例えば0.5秒)をセットしてこれをス
タートさせ(ステップS133)、パージオフ移行タイ
マtmEVADDの値が0か否かを判別する(ステップ
S134)。パージオフ(パージカット)へ移行した直
後はtmEVADD>0であるので、ステップS136
に進み、エバポ補正係数KEVAPを前回値保持として
本処理を終了し、所定時間経過してtmEVADD=0
となると、エバポ補正係数KEVAPの前回値KEVA
P(n−1)に所定加算項DKEVADDを加算して、
今回値KEVAP(n)を算出して(ステップS13
5)、本処理を終了する。
【0084】ステップS135により、エバポ補正係数
KEVAPはパージ実行中の小さな値から1.0に向か
って徐々に増加する。
【0085】前記ステップS126の答が肯定(YE
S)のときは、ステップS127に進み、エバポ補正係
数KEVAPが所定値KEVADDより小さいか否かを
判別する。その結果KEVAP<KEVADDであっ
て、パージされる蒸発燃料量が多くパージの影響が大き
いときは、ステップS129に進み、パージオフ移行タ
イマtmEVADDに所定時間(例えば1.0秒)をセ
ットしてこれをスタートさせ、ステップS130に進
む。また、KEVAP≧KEVADDであって、パージ
の影響が小さいときは、ステップS128に進みタイマ
tmEVADDを0としステップS130に進む。従っ
て、パージの影響が小さいときは、前記ステップS13
6を経由することなく直ちにステップS135が実行さ
れることになる。
【0086】ステップS130では、後述する図12,
13のKEVAP算出処理を実行し、更にエバポ補正係
数KEVAPの学習値KEVAPREFを算出して(ス
テップS131)、本処理を終了する。なお、学習値K
EVAPREFの算出は前記式(2)により行う。
【0087】図12及び図13は、図11のステップS
130におけるKEVAP算出処理のフローチャートで
ある。
【0088】まずステップS141では、排気ガス中の
酸素濃度に応じて設定される空燃比補正係数KO2の、
パージの影響を考慮した上側閾値KO2EVH及び下側
閾値KO2EVLを次式により算出する。
【0089】KO2EVH=KREF+DKO2EVH KO2EVL=KREF−DKO2EVL ここでKREFは、空燃比補正係数KO2の学習値、D
KO2EVHは所定の加算項、DKO2EVLは所定の
減算項である。学習値KREFは空燃比フィードバック
制御中における空燃比補正係数KO2の値に基づいて算
出されるものであり、運転状態に応じて種々の値を有し
ている。ただし、エバポ補正係数KEVAPが所定値K
EVAPLより小さいときは、パージの影響が大きいと
判定し、学習値KREFの算出は禁止するようにしてい
る。
【0090】続くステップS142で空燃比補正係数K
O2の値が学習値KREFより大きいか否かを判別し、
KO2>KREFであるときはさらに空燃比補正係数K
O2の値が上側閾値KO2EVHより小さいか否かを判
別する(ステップS143)。その結果、空燃比補正係
数KO2の値が上側閾値KO2EVH以上であるときは
上側フラグFKO2EVHを「1」とするとともに下側
フラグFKO2EVLを「0」に設定してステップS1
48に進む。また、空燃比補正係数KO2が上側閾値K
O2EVHより小さいときは、上側フラグFKO2FH
及び下側フラグFKO2FLを共に「0」に設定して
(ステップS146)ステップS148に進む。
【0091】またステップS142において空燃比補正
係数KO2の値が学習値KREF以下のときは、ステッ
プS144に進み、さらに下側閾値KO2EVLより大
きいか否かを判別する。空燃比補正係数KO2が下側閾
値KO2EVL以下のときは、上側フラグFKO2EV
Hを「0」とするとともに下側フラグFKO2EVLを
「1」として(ステップS147)ステップS148に
進み、空燃比補正係数KO2の値が下側閾値KO2EV
Lより大きければ前記ステップS146に進む。
【0092】ステップS148では、下側フラグFKO
2EVLが「1」か否かを判別し、FKO2EVL=0
であるときは、上側フラグFKO2EVHが「1」か否
かを判別する(ステップS149)。そして、下側フラ
グFKO2EVL及び上側フラグFKO2EVHがとも
に「0」のときは、ステップS163(図13)に進
み、エバポ補正係数KEVAPを前回値保持として本処
理を終了する。すなわち空燃比補正係数KO2の値が、
上下の閾値内にあるときはエバポ補正係数KEVAP
(n)の値は従前の値に固定される。
【0093】また、FKO2EVL=0でFKO2EV
H=1であるときは、ステップS162に進み、空燃比
補正係数KO2の今回値KO2(n)が前回値KO2
(n−1)より大きいか否かを判別し、KO2(n)>
KO2(n−1)であって、空燃比補正係数KO2の値
が増加し学習値KREFから離れる方向に変化している
ときは、ステップS164(図13)に進み、前回値K
EVAP(n−1)に加算項DKEVAPPを加算して
今回値KEVAP(n)とする。一方、KO2(n)≦
KO2(n−1)であって空燃比補正係数KO2が減少
しているときは、前記ステップS163に進みエバポ補
正係数KEVAPを前回値保持とする。
【0094】また、ステップS148でFKO2EVL
=1であるときは、スロットル弁開度θTHの変化量D
TH(=θTH(n)−θTH(n−1))が負の所定
値DTHKEVより大きいか否かを判別し(ステップS
150)、DTH>DTHKEVであってエンジンの加
速中又は減速中であって減速度が小さいときは、空燃比
補正係数KO2の今回値KO2(n)が前回値KO2
(n−1)より小さいか否かを判別する(ステップS1
51)。その結果、DTH≦DTHKEVであって減速
度が大きいとき又はKO2(n)≧KO2(n−1)で
あって空燃比補正係数KO2が増加しているときは、前
記ステップS163に進んで前回値保持とする。
【0095】一方、ステップS151の答が肯定(YE
S)、すなわちKO2(n)<KO2(n−1)であっ
て空燃比補正係数KO2が減少しているときは、初期パ
ージ状態であることを「1」で示す初期フラグFFRA
DDが「1」か否かを判別し(ステップS152)、パ
ージ開始当初はFFRADD=1であるので、ステップ
S153に進んで初期パージ状態終了後の時間を計測す
る(後述するステップS154で参照される)遅延タイ
マtmDRKDECに所定時間をセットしてスタートさ
せ、図11のステップS133でスタートしたパージオ
ン移行タイマtmEVDECの値が「0」か否かを判別
する(ステップS155)。
【0096】最初はtmEVDEC>0であるので、ス
テップS156に進み、エバポ補正係数KEVAPを前
回値保持とし、tmEVDEC=0となると、ステップ
S157で前回値KEVAP(n−1)から第1減算項
DKEVDECを減算することにより今回値KEVAP
(n)を算出して、ステップS158に進む。
【0097】ステップS158では、学習値KEVAP
REFから所定値DKEVLMRFを減算して下限基準
値KEVLMREFを算出し、ついでエバポ補正係数K
EVAPの今回値KEVAP(n)がこの下限基準値K
EVLMREFより大きいか否かを判別し(ステップS
159)、KEVAP(n)≦KEVLMREFである
ときは、今回値KEVAP(n)を該下限基準値KEV
LMREFに設定して(ステップS160)本処理を終
了する一方、KEVAP(n)>KEVLMREFであ
るときは、直ちに本処理を終了する。
【0098】その後初期フラグFFRADDが「0」と
なると、ステップS152からS154に進み、遅延タ
イマtmDRKDECの値が「0」か否かを判別する。
最初はtmDRKDEC>0であるので、前記ステップ
S155に進み、tmDRKDEC=0となると、前回
値KEVAP(n−1)から第2減算項DKEVAPM
を減算して今回値KEVAP(n)を算出して(ステッ
プS161)、本処理を終了する。
【0099】以上のように図12,13の処理によれ
ば、空燃比補正係数KO2に応じて該補正係数KO2に
よる補正を補うようにエバポ補正係数KEVAPの設定
が行われる。
【0100】なお、上述した実施例では、触媒劣化判定
パラメータとし遅れ時間TL,TRを用いたが、これに
代えて下流側O2センサ出力SVO2の基準値SVRE
Fに対する反転時間(図6、(TLD+TR),(TR
D+TL)を用いてもよい。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、触
媒手段の下流側の酸素濃度センサの出力の振幅が所定値
以下であるときは、触媒手段の劣化検出が禁止されるの
で、新品の触媒を用いた場合のように触媒下流側の酸素
濃度センサ出力が理論空燃比に対応する反転閾値近傍に
停滞しその変化が小さい場合における、酸素濃度センサ
出力に基づいた劣化判定パラメータによる触媒劣化の誤
検知を防止し、正確な劣化判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる内燃機関及びそ
の制御装置の構成を示す図である。
【図2】触媒の劣化判定処理の全体構成を示すフローチ
ャートである。
【図3】触媒の劣化判定処理の全体構成を示すフローチ
ャートである。
【図4】劣化モニタ許可フラグ(FCATCHK)の設
定を行う処理のフローチャートである。
【図5】劣化判定実行中の空燃比補正係数(CATKO
2)を算出する処理のフローチャートである。
【図6】劣化判定実行中に反転時間を算出する処理のフ
ローチャートである。
【図7】図5及び6の処理内容を説明するための図であ
る。
【図8】図3の劣化判定処理Bのフローチャートであ
る。
【図9】図3の劣化判定処理Aのフローチャートであ
る。
【図10】図9の処理で使用するテーブルを示す図であ
る。
【図11】エバポ補正係数(KEVAP)算出処理のメ
インルーチンのフローチャートである。
【図12】エバポ補正係数(KEVAP)算出処理のフ
ローチャートである。
【図13】エバポ補正係数(KEVAP)算出処理のフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 電子コントロールユニット 7 吸気管内絶対圧センサ 15 下流側O2センサ 16 三元触媒 20 パージ制御弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設けられ、排気ガス
    の浄化を行う触媒手段と、該触媒手段の下流側に設けら
    れ、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段
    と、該酸素濃度検出手段の出力に応じて空燃比制御量を
    演算する空燃比制御量演算手段と、該空燃比制御量に基
    づいて前記機関に供給する混合気の空燃比を制御する空
    燃比制御手段と、該空燃比制御手段による空燃比の制御
    時の前記酸素濃度検出手段の出力に基づいた触媒劣化判
    定パラメータにより前記触媒手段の劣化を検出する触媒
    劣化検出手段とを備えた内燃機関の触媒劣化検出装置に
    おいて、 前記酸素濃度センサの出力の振幅が所定値以下であると
    きは、前記触媒手段の劣化検出を禁止する劣化検出禁止
    手段を有することを特徴とする内燃機関の触媒劣化検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒劣化検出手段は、前記機関の吸
    気系へ供給する混合気の空燃比を変化させた後前記酸素
    濃度検出手段の出力が変化するまでの時間に基づいて前
    記触媒手段の劣化を検出することを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒劣化検出手段は、前記酸素濃度
    検出手段の出力の基準値に対する反転時間に基づいて前
    記触媒手段の劣化を検出することを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114215633A (zh) * 2022-01-04 2022-03-22 潍柴动力股份有限公司 一种三元催化器的诊断方法及装置

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CN114215633B (zh) * 2022-01-04 2023-01-20 潍柴动力股份有限公司 一种三元催化器的诊断方法及装置

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