JPH0941615A - 内壁面施工のための複合面材並びに内壁面の施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工の容易化、工期の短縮化を可能とした内
壁面の施工方法を低供する。 【解決手段】 基材２とこの基材２の片面に積層した化
粧面材３とによって構成し、前記化粧面材３の端縁部近
傍を基材２から剥離若しくは剥離可能な構成とする。基
材２の端面同士を互いに突き当てると共に、前記双方の
基材２の端面から突出する化粧面材３の端縁部近傍を重
ね合わせ、基材２の端面同士の突き当て位置からずれた
位置において、重ね合わせた化粧面材３を、カッター４
により切断して化粧面材３の重なり部分を取り除いて基
材２表面に接着剤等により密着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内装工事の仕上がり水
準を落とすことなく、施工の容易化、工期の短縮化を可
能とした、内壁面施工のための複合面材並びに内壁面の
施工方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、内装工事の際、表面に化粧シー
ト、化粧面材を積層した内装パネルを、下地壁に施工す
るにあたり、複数の内装パネルを、適当な位置にて突き
当てて、内壁面が凹凸のないように、見た目にも一体的
な壁面を形成するようにしてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内装パ
ネルと内装パネルとの突き当て面は、相当に寸法精度お
よび突き当て面表面の加工精度が高くないと隙間ができ
てしまう。従って、現場においての内装工事は、高い熟
練度が要求され、施工においての手間もかかり、工期が
長引く結果となり、労務費の高騰を招くこととなった。
本発明は、以上のような課題を改善するためになされた
ものであって、良好な仕上がりを維持しつつ、内装工事
の容易化を図り、工期の短縮化によって労務費を抑える
ようにした、内壁面施工のための複合面材並びに内壁面
の施工方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、基材とこの基材の少なくとも片面に
積層した化粧面材とによって構成し、前記化粧面材の端
縁部近傍を基材から剥離若しくは剥離可能状態とするこ
とを特徴とする。また、本発明は、基材とこの基材の少
なくとも片面に積層した化粧面材とによって構成し、前
記化粧面材の端縁部近傍を基材から剥離若しくは剥離可
能状態とすると共に、化粧面材の端部を、基材の端面よ
りも突出させるようにしたことを特徴とする。前述の構
成において、化粧面材は、表面にフッ素樹脂フィルムを
積層したものであることを特徴とする。また、前記化粧
面材は、表面にフッ素樹脂加工を施したものであること
を特徴とする。また、以上のような複合面材において、
予め、化粧面材の端縁部近傍に対応する基材を、所定寸
法切除して基材の端面から化粧面材の端縁部近傍を突出
させるようにし、前記切除した基材の端面同士を突き合
わせると共に、化粧面材の端縁部近傍を重ね合わせ、基
材の端面同士の突き合わせ位置からずれた位置におい
て、前記重ね合わせた化粧面材を、基材の端面に平行に
切断して化粧面材の重なり部分を取り除いて基材表面に
密着するようにしたことを特徴とする。また、少なくと
も片面に化粧面材を積層した基材の端面同士を互いに突
き当てると共に、前記双方の基材の端面から突出する化
粧面材の端縁部近傍を重ね合わせ、基材の端面同士の突
き当て位置からずれた位置において、前記重ね合わせた
化粧面材を、基材の端面に平行に切断して化粧面材の重
なり部分を取り除いて基材表面に密着するようにしたこ
とを特徴とする。また、基材の端面同士を互いに突き当
てると共に、これら基材を固定し、化粧面材によって前
記基材上を被覆する際、基材の端面同士の突き当て位置
からずらした位置において、化粧面材のそれぞれの端縁
部近傍を重ね合わせて基材の端面に平行に切断して化粧
面材の重なり部分を取り除いて基材表面に密着するよう
にしたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明における内壁面の施工方法によれば、複
合面材における基材の端面同士の突き当て位置と化粧面
材の継ぎ目位置がずれているので、前記基材の突き当て
箇所に微小な隙間があっても、表面の化粧面材によって
蔽われてしまうので、見た目上は差し支えない。なお、
化粧面材に、表面にフッ素樹脂フィルムを積層したもの
や、表面にフッ素樹脂加工を施したものを適用すると、
清掃性に優れたものとなる。また、前記化粧面材の継ぎ
目位置は、化粧面材を重ね合わせた状態で余分な部分を
切除して形成しているので、継ぎ目を隙間のないものと
することができる。さらに、当初、基材を内壁の下地壁
に基材の端面同士を互いに突き当てて、固定部材（釘
等）により固定し、化粧面材によって前記基材上を被覆
する際、基材の端面同士の突き当て位置からずらした位
置において、化粧面材のそれぞれの端縁部近傍を重ね合
わせて基材の端面に平行に切断して化粧面材の重なり部
分を取り除いて基材表面に密着するようにしたので、前
記固定部材を蔽い隠すことができる一方、化粧面材の継
ぎ目を隙間のないものとすることができ、施工を容易化
することができる。

【０００６】

【実施例】次に、本発明にかかる内壁面施工のための複
合面材並びに内壁面の施工方法を実施するための一例を
挙げ、添付の図面に基づき以下説明する。図１に内壁面
施工に適用される複合面材１を示し、この複合面材１
は、基材２とこの基材２の片面に積層した化粧面材３と
によって構成し、前記化粧面材３の端縁部近傍を基材２
から剥離若しくは剥離可能な状態とした構成のものであ
る。前記基材２は、適宜な材質の板材でよく、例えば、
木材、合成樹脂板、断熱材（石膏ボード等）、不燃材、
不燃断熱材が適用可能である。前記化粧面材３には、周
知の軟質シート表面にフッ素樹脂フィルム（四フッ化フ
ッ素樹脂フィルム）を積層したものや、表面にフッ素樹
脂加工（例えばフッ素樹脂コーティング）を施したもの
を適用することができる。前記四フッ化フッ素樹脂フィ
ルムとしては、例えばエチレンテトラフルオロエチレン
共重合体（ＥＴＦＥ）、テトラフルオロエチレンパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）等が
ある。

【０００７】また、本発明にかかる内壁面施工に適用さ
れる複合面材１は、図２、図３に示すように、化粧面材
３の端縁部を、基材２の端面よりも突出する構成として
もよい。

【０００８】以上のような構成の複合面材１を使用し、
内壁への施工手順の一例を示すと以下の通りである（図
３参照）。 予め、化粧面材３の端縁部近傍に対応する基材２
を、所定寸法切断加工して、その切断加工面同士を突き
合わせ、化粧面材３の端縁部近傍を重ね合わせる。
基材２の端面から化粧面材３の端縁部近傍が突出するよ
うに構成したものにあっては、基材２の端面同士を互い
に突き当てると共に、前記双方の基材２の端面から突出
する化粧面材３の端縁部近傍を重ね合わせる。 基材２の端面同士の突き当て位置からずれた位置に
おいて、前記重ね合わせた化粧面材３を、カッター４に
より、基材２の端面に平行に切断して化粧面材３の重な
り部分を取り除いて基材２表面に接着剤等により密着す
る。

【０００９】このように、前述の複合面材１を用いた内
壁面の施工方法によれば、複合面材１における基材２の
端面同士の突き当て位置と化粧面材３の継ぎ目位置がず
れているので、前記基材２の突き当て箇所に微小な隙間
があっても、表面の化粧面材３によって蔽われてしまう
ので、見た目上は差し支えない。また、前記化粧面材３
の継ぎ目位置は、化粧面材３を重ね合わせた状態で余分
な部分を切除して形成しているので、継ぎ目を隙間のな
いものとすることができる。従って、従前の施工方法の
ような、基材２の端面までの寸法精度、端面表面の加工
精度が必ずしも必要ではなく、その分、施工が容易とな
り、施工に費やされる時間を節減することができ、結果
的に工期が短縮化され、労務費の高騰を抑えることがで
きる。なお、化粧面材３に、表面にフッ素樹脂フィルム
を積層したものや、表面にフッ素樹脂加工を施したもの
を適用すると、清掃性に優れたものとなる。

【００１０】以上、本発明にかかる内壁面施工のための
複合面材並びに内壁面の施工方法について、複合面材１
の一例を挙げて説明したが、本発明は次のような内壁面
の施工方法によっても実施することができる。すなわ
ち、図５、図６に示すように、 基材１０の端面同士を互いに突き当てると共に、こ
れら基材１０を固定部材１１により固定する。 化粧面材１２によって前記基材１０を被覆する際、
固定部材１１の箇所をパテ等で平滑に施工した後に、基
材１０の端面同士の突き当て位置からずらした位置にお
いて、化粧面材１２のそれぞれの端縁部近傍を重ね合わ
せて基材１０の端面に平行に切断して化粧面材１２の重
なり部分を取り除いて基材１０表面に密着る。

【００１１】かかる施工方法によれば、基材１０を固定
する固定部材１１を蔽い隠すことができる一方、化粧面
材１２の継ぎ目を隙間のないものとし、完全に平滑な内
壁面とすることができ（図７参照）、施工を容易化する
ことができる。

【００１２】さらに、本発明にかかる内壁面施工のため
の複合面材は、方形状のものに限定されず、異形（例え
ば他の多角形）のものでもよい。この場合、複合面材に
おける化粧面材のいずれの端縁部も剥離状態若しくは剥
離可能状態に構成しておくことができる。このような異
形の複合面材によれば、室内のあらゆる形状の内壁面の
施工に対応させることができる。

【００１３】

【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、 複合面材における基材の端面同士の突き当て位置と
化粧面材の継ぎ目位置をずらしたことにより、基材の突
き当て箇所に微小な隙間があっても、表面の化粧面材に
よって蔽われてしまうので、見た目上は差し支えない。
しかも、前記化粧面材は、重ね合わせた状態で余分な部
分を切除して形成しているので、継ぎ目を隙間のない、
高水準の仕上がりを確保することができる。 従前の施工方法程、基材の突き当て箇所の寸法精
度、加工精度に時間を費やす必要はなく、施工の容易化
と共に、工期の短縮化が可能となり、労務費の高騰を抑
制することができる。 化粧面材に、表面にフッ素樹脂フィルムを積層した
ものや、表面にフッ素樹脂加工を施したものを適用する
と、清掃性に優れたものとなる。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる内壁面施工のための複合面材の
一例を示した、模式的な斜視説明図である。

【図２】本発明にかかる内壁面施工のための複合面材の
別の例を示した、模式的な斜視説明図である。

【図３】図２に示す複合面材の模式的な断面説明図であ
る。

【図４】本発明にかかる内壁面施工手順を説明するため
の模式的な断面図である。

【図５】本発明にかかる内壁面の施工方法の別の例を説
明するための模式的な断面図である。

【図６】本発明にかかる内壁面の施工方法の別の例を説
明するための模式的な断面図である。

【図７】本発明にかかる内壁面の施工方法の別の例を説
明するための模式的な断面図である。

【符号の説明】

１、１０ 複合面材 ２ 基材 ３、１２ 化粧面材 ４ カッター １１ 固定部材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材とこの基材の少なくとも片面に積
   層した化粧面材とによって構成し、前記化粧面材の端縁
   部近傍を基材から剥離若しくは剥離可能状態とすること
   を特徴とする内壁面施工のための複合面材。
2. 【請求項２】 基材とこの基材の少なくとも片面に積
   層した化粧面材とによって構成し、前記化粧面材の端縁
   部近傍を基材から剥離若しくは剥離可能状態とすると共
   に、化粧面材の端部を、基材の端面よりも突出させるよ
   うにしたことを特徴とする内壁面施工のための複合面
   材。
3. 【請求項３】 前記化粧面材は、表面にフッ素樹脂フ
   ィルムを積層したものであることを特徴とする請求項１
   または２記載の内壁面施工のための複合面材。
4. 【請求項４】 前記化粧面材は、表面にフッ素樹脂加
   工を施したものであることを特徴とする請求項１または
   ２記載の内壁面施工のための複合面材。
5. 【請求項５】 予め、化粧面材の端縁部近傍に対応す
   る基材を、所定寸法切除して基材の端面から化粧面材の
   端縁部近傍を突出させるようにし、前記切除した基材の
   端面同士を突き合わせると共に、化粧面材の端縁部近傍
   を重ね合わせ、基材の端面同士の突き合わせ位置からず
   れた位置において、前記重ね合わせた化粧面材を、基材
   の端面に平行に切断して化粧面材の重なり部分を取り除
   いて基材表面に密着するようにしたことを特徴とする内
   壁面の施工方法。
6. 【請求項６】 少なくとも片面に化粧面材を積層した
   基材の端面同士を互いに突き当てると共に、前記双方の
   基材の端面から突出する化粧面材の端縁部近傍を重ね合
   わせ、基材の端面同士の突き当て位置からずれた位置に
   おいて、前記重ね合わせた化粧面材を、基材の端面に平
   行に切断して化粧面材の重なり部分を取り除いて基材表
   面に密着するようにしたことを特徴とする内壁面の施工
   方法。
7. 【請求項７】 基材の端面同士を互いに突き当てると
   共に、これら基材を固定し、化粧面材によって前記基材
   上を被覆する際、基材の端面同士の突き当て位置からず
   らした位置において、化粧面材のそれぞれの端縁部近傍
   を重ね合わせて基材の端面に平行に切断して化粧面材の
   重なり部分を取り除いて基材表面に密着するようにした
   ことを特徴とする内壁面の施工方法。