JPH0941364A - 高強度かつ高剛性の嵌合継手構造 - Google Patents
高強度かつ高剛性の嵌合継手構造Info
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- JPH0941364A JPH0941364A JP14850696A JP14850696A JPH0941364A JP H0941364 A JPH0941364 A JP H0941364A JP 14850696 A JP14850696 A JP 14850696A JP 14850696 A JP14850696 A JP 14850696A JP H0941364 A JPH0941364 A JP H0941364A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 一端にスリット状開口を有するパイプ状の雌
継手と、T型の雄継手で嵌合される継手構造であって、
嵌入性に優れ、従来以上の連続壁構築の大深度化に対応
可能な、高強度かつ高剛性の嵌合継手構造を提供する。 【解決手段】 一端にスリット状開口4を有するパイプ
状の雌継手1と、T型の雄継手7で嵌合される継手構造
であって、前記雌継手1と前記雄継手7が嵌合された状
態において、前記雌継手1のスリット状開口4のパイプ
内面先端部5と、前記雌継手1のスリット側に面する、
前記雄継手7の爪部先端部10とを結んで形成される面
11が、前記T型雄継手の引張軸方向12に対してなす
左右の平均の角度θが35度以上であり、かつ前記雌継
手1と前記雄継手7との隙間13には圧縮強度が150
kgf/cm2 以上の無機系充填材16が充填されていること
を特徴とする高強度かつ高剛性の嵌合継手構造。
継手と、T型の雄継手で嵌合される継手構造であって、
嵌入性に優れ、従来以上の連続壁構築の大深度化に対応
可能な、高強度かつ高剛性の嵌合継手構造を提供する。 【解決手段】 一端にスリット状開口4を有するパイプ
状の雌継手1と、T型の雄継手7で嵌合される継手構造
であって、前記雌継手1と前記雄継手7が嵌合された状
態において、前記雌継手1のスリット状開口4のパイプ
内面先端部5と、前記雌継手1のスリット側に面する、
前記雄継手7の爪部先端部10とを結んで形成される面
11が、前記T型雄継手の引張軸方向12に対してなす
左右の平均の角度θが35度以上であり、かつ前記雌継
手1と前記雄継手7との隙間13には圧縮強度が150
kgf/cm2 以上の無機系充填材16が充填されていること
を特徴とする高強度かつ高剛性の嵌合継手構造。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木・建築分野に
おける鋼構造、鋼とコンクリートの合成構造、あるいは
鉄筋コンクリート構造における矢板間、鋼管矢板間、パ
ネル部材間および、鉄筋篭間等の高強度かつ高剛性の嵌
合継手構造に関する。
おける鋼構造、鋼とコンクリートの合成構造、あるいは
鉄筋コンクリート構造における矢板間、鋼管矢板間、パ
ネル部材間および、鉄筋篭間等の高強度かつ高剛性の嵌
合継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地下空間の有効利用化が進み、特
に都市部での大深度地下空間利用が目立ってきている。
都市部での地中連続壁工事では騒音、振動の発生が問題
となるためバイブロハンマー等の打撃機は使用できな
い。そこで前述の場合は鋼矢板、鋼管矢板、鉄筋篭など
を予め掘削した溝に嵌入し建て込む工法が主流となって
いる。この時には、鋼矢板、鋼管矢板や鉄筋篭を継手を
介して水平方向に順次連結しながら建て込むことになる
が、この時、嵌入性に優れ、連続壁工事の大深度化に対
応して高い引張強度を有する継手構造が必要となってい
る。前述のような状況において、例えば、特開平2−9
6016号公報には、図30に示されるように、大深度
地下に連続壁を構築する場合の鉄筋篭間の嵌合継手用と
して高引張強度を有する継手構造が開示されている。そ
の開示された継手構造では、横断面が円形または円筒形
の係合部19とアーム18とを有する雄継手17と、嵌
合部横断面がトング刃先形状の円環形状の爪部23とア
ーム22とを有する雌継手21からなり、両継手17,
21に形成される隙間24にはセメント系充填材25が
充填されるようになっている。
に都市部での大深度地下空間利用が目立ってきている。
都市部での地中連続壁工事では騒音、振動の発生が問題
となるためバイブロハンマー等の打撃機は使用できな
い。そこで前述の場合は鋼矢板、鋼管矢板、鉄筋篭など
を予め掘削した溝に嵌入し建て込む工法が主流となって
いる。この時には、鋼矢板、鋼管矢板や鉄筋篭を継手を
介して水平方向に順次連結しながら建て込むことになる
が、この時、嵌入性に優れ、連続壁工事の大深度化に対
応して高い引張強度を有する継手構造が必要となってい
る。前述のような状況において、例えば、特開平2−9
6016号公報には、図30に示されるように、大深度
地下に連続壁を構築する場合の鉄筋篭間の嵌合継手用と
して高引張強度を有する継手構造が開示されている。そ
の開示された継手構造では、横断面が円形または円筒形
の係合部19とアーム18とを有する雄継手17と、嵌
合部横断面がトング刃先形状の円環形状の爪部23とア
ーム22とを有する雌継手21からなり、両継手17,
21に形成される隙間24にはセメント系充填材25が
充填されるようになっている。
【0003】一方、特開平4−89013号公報には、
図31に示されるように、自重による嵌入性に優れた嵌
合引張強度の高い継手構造が開示されている。その継手
構造では、アーム32と一体の爪部33の先端にバルジ
ング突起26が形成された雌継手31と、アーム28の
先端に湾曲した爪形係合部29を有する雄継手27とを
嵌合し、引張力を受けた場合に雌継手31のバルジング
突起26が雄継手27の爪形係合部29に噛み込む形と
なるものである。
図31に示されるように、自重による嵌入性に優れた嵌
合引張強度の高い継手構造が開示されている。その継手
構造では、アーム32と一体の爪部33の先端にバルジ
ング突起26が形成された雌継手31と、アーム28の
先端に湾曲した爪形係合部29を有する雄継手27とを
嵌合し、引張力を受けた場合に雌継手31のバルジング
突起26が雄継手27の爪形係合部29に噛み込む形と
なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の嵌合継手構造に
関しては、それなりの効果を発揮することは認められる
けれども、以下のような問題点を有している。
関しては、それなりの効果を発揮することは認められる
けれども、以下のような問題点を有している。
【0005】第1に、前記特開平2−96016号公報
の場合は、雌継手21内部にセメント系充填材25が充
填される関係で嵌合の状態によっては強度および剛性が
大きく変化してしまう。さらに詳しく言えば、雄、雌の
両継手17,21が引っ張られる状態で嵌合されている
状態(以下、引張嵌合と呼ぶ)では、大きな継手強度が
得られる。しかしながら、両継手が圧縮された状態で嵌
合されている状態(以下、圧縮嵌合状態と呼ぶ)あるい
は、雄継手17と雌継手21の中心線がずれた状態で嵌
合されている状態(以下、偏心嵌合状態と呼ぶ)では、
継手強度および剛性が著しく低下するという問題があ
る。これは以下のような理由による。圧縮嵌合状態の場
合には、雄継手17から雌継手21のパイプ状爪部23
に作用する力の向きは、大きく外側を向き、雌継手21
を押し広げる力が卓越するため、継手強度および剛性が
著しく低下するからである。偏心嵌合状態の場合には、
引張軸線のずれのために、雌継手21の片側のパイプ状
爪部23に集中して力が作用し、このパイプ状爪部23
の強度を有効に活用できないので、継手強度および剛性
が著しく低下するのである。
の場合は、雌継手21内部にセメント系充填材25が充
填される関係で嵌合の状態によっては強度および剛性が
大きく変化してしまう。さらに詳しく言えば、雄、雌の
両継手17,21が引っ張られる状態で嵌合されている
状態(以下、引張嵌合と呼ぶ)では、大きな継手強度が
得られる。しかしながら、両継手が圧縮された状態で嵌
合されている状態(以下、圧縮嵌合状態と呼ぶ)あるい
は、雄継手17と雌継手21の中心線がずれた状態で嵌
合されている状態(以下、偏心嵌合状態と呼ぶ)では、
継手強度および剛性が著しく低下するという問題があ
る。これは以下のような理由による。圧縮嵌合状態の場
合には、雄継手17から雌継手21のパイプ状爪部23
に作用する力の向きは、大きく外側を向き、雌継手21
を押し広げる力が卓越するため、継手強度および剛性が
著しく低下するからである。偏心嵌合状態の場合には、
引張軸線のずれのために、雌継手21の片側のパイプ状
爪部23に集中して力が作用し、このパイプ状爪部23
の強度を有効に活用できないので、継手強度および剛性
が著しく低下するのである。
【0006】第2に、前記特開平4−89013号公報
の雌継手31内に充填材がない構造では、緩みのために
引張嵌合状態以外の、圧縮嵌合状態や偏心嵌合状態で
は、剛性が著しく低下するという問題がある。
の雌継手31内に充填材がない構造では、緩みのために
引張嵌合状態以外の、圧縮嵌合状態や偏心嵌合状態で
は、剛性が著しく低下するという問題がある。
【0007】第3に、従来よりもさらに大深度で連続壁
を構築する場合のように、継手部にかなり大きな引張耐
力が必要とされる場合に、前記特開平2−96016号
公報や、特開平4−89013号公報に開示の嵌合継手
構造では、継手強度が不足するのでこれらの継手構造を
適用することが出来ないという問題がある。
を構築する場合のように、継手部にかなり大きな引張耐
力が必要とされる場合に、前記特開平2−96016号
公報や、特開平4−89013号公報に開示の嵌合継手
構造では、継手強度が不足するのでこれらの継手構造を
適用することが出来ないという問題がある。
【0008】本発明は、前記従来の問題点を解決して、
従来以上の連続壁構築の大深度化に対応できる、高強度
かつ高剛性な嵌合継手構造の提供を目的とする。
従来以上の連続壁構築の大深度化に対応できる、高強度
かつ高剛性な嵌合継手構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る高強度かつ高剛性な嵌合継手構造は、
以下の構成を要旨とする。 一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
と、T型の雄継手7で嵌合される継手構造であって、前
記雌継手1に前記雄継手7が嵌合された状態において、
前記雌継手1のスリット状開口4のパイプ内面先端部5
と前記雌継手1のスリット側に面する、前記雄継手7の
爪部先端部10とを結んで形成される面(垂直面)11
が、前記T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす左
右の平均の角度θが35度以上に確保される構成とし、
かつ前記雌継手1と前記雄継手7との隙間13には圧縮
強度が150kgf/cm2 以上の無機系充填材16が充填さ
れている。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1と、前記T型の雄継手7は雌継手1の引張軸方向と
直角方向に連続的または断続的に嵌合するとよい。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1に対して、T型の雄継手7を断続的に嵌合する際の
前記雄継手7の断続する区間長Pを雌継手7のパイプ厚
さの5〜30倍とするとよい。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1において、雌継手1のスリット状開口4のパイプ内
面先端部5と雌継手1の爪奥部6内面の一方又は両方に
突起を設けるとよい。 T型雄継手7において、雌継手1のスリット状開口4
側に面する、爪先端部10と雌継手1の爪奥部6側に面
する爪部9の中央部の一方又は両方に突起を設けるとよ
い。 なお、本発明では、前記雌継手1のパイプ内面側と前記
T型雄継手7の爪部先端部との嵌合部余裕は、引張軸方
向および、引張軸方向と直角方向において、両継手の加
工精度および、施工精度に応じて確保するようにしてい
る。また、本発明でいう雌継手1の爪部3がパイプ状で
あるとは、単なる横断面が真円形という意味に限らず、
横断面が楕円形、多角形を含む。特に横断面が楕円形や
四角形の爪部は、前記θの度角を大きくするうえで有効
な形状である。
に、本発明に係る高強度かつ高剛性な嵌合継手構造は、
以下の構成を要旨とする。 一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
と、T型の雄継手7で嵌合される継手構造であって、前
記雌継手1に前記雄継手7が嵌合された状態において、
前記雌継手1のスリット状開口4のパイプ内面先端部5
と前記雌継手1のスリット側に面する、前記雄継手7の
爪部先端部10とを結んで形成される面(垂直面)11
が、前記T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす左
右の平均の角度θが35度以上に確保される構成とし、
かつ前記雌継手1と前記雄継手7との隙間13には圧縮
強度が150kgf/cm2 以上の無機系充填材16が充填さ
れている。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1と、前記T型の雄継手7は雌継手1の引張軸方向と
直角方向に連続的または断続的に嵌合するとよい。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1に対して、T型の雄継手7を断続的に嵌合する際の
前記雄継手7の断続する区間長Pを雌継手7のパイプ厚
さの5〜30倍とするとよい。 前記一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継
手1において、雌継手1のスリット状開口4のパイプ内
面先端部5と雌継手1の爪奥部6内面の一方又は両方に
突起を設けるとよい。 T型雄継手7において、雌継手1のスリット状開口4
側に面する、爪先端部10と雌継手1の爪奥部6側に面
する爪部9の中央部の一方又は両方に突起を設けるとよ
い。 なお、本発明では、前記雌継手1のパイプ内面側と前記
T型雄継手7の爪部先端部との嵌合部余裕は、引張軸方
向および、引張軸方向と直角方向において、両継手の加
工精度および、施工精度に応じて確保するようにしてい
る。また、本発明でいう雌継手1の爪部3がパイプ状で
あるとは、単なる横断面が真円形という意味に限らず、
横断面が楕円形、多角形を含む。特に横断面が楕円形や
四角形の爪部は、前記θの度角を大きくするうえで有効
な形状である。
【作用】本発明によると、パイプ内面先端部5と爪部先
端部10とを結ぶ面(垂直面)11が、雄継手7の引張
軸方向12に対してなる左右の平均角度θが35度以上
を保つ構成とし、かつ隙間13に無機系充填材16を充
填したことにより両継手の引張嵌合状態,圧縮嵌合状
態,偏心嵌合状態のいずれの嵌合状態においても、継手
強度と剛性を顕著に確保できるものである。
端部10とを結ぶ面(垂直面)11が、雄継手7の引張
軸方向12に対してなる左右の平均角度θが35度以上
を保つ構成とし、かつ隙間13に無機系充填材16を充
填したことにより両継手の引張嵌合状態,圧縮嵌合状
態,偏心嵌合状態のいずれの嵌合状態においても、継手
強度と剛性を顕著に確保できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明を説明
する。図1〜図3は、本発明の一例を示すものであっ
て、各図にはアーム2と一体に爪部3を有し、爪部3の
一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
に、アーム8と一体に爪部9を有するT型の雄継手7を
嵌合した継手構造の断面図が示されている。図におい
て、雌継手1のスリット状開口4側にあるパイプ内面先
端部5と、スリット状開口4側に面する雄継手7の爪先
端部10とを結んで形成される面(垂直面)11が、T
型雄継手7の引張軸方向12となす角度θは、左右の平
均値が35度以上を確保できる構成とする。本発明者ら
による試験結果によれば、その角度θの平均値が35度
未満では所要の継手強度が得られないことが判明した。
する。図1〜図3は、本発明の一例を示すものであっ
て、各図にはアーム2と一体に爪部3を有し、爪部3の
一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
に、アーム8と一体に爪部9を有するT型の雄継手7を
嵌合した継手構造の断面図が示されている。図におい
て、雌継手1のスリット状開口4側にあるパイプ内面先
端部5と、スリット状開口4側に面する雄継手7の爪先
端部10とを結んで形成される面(垂直面)11が、T
型雄継手7の引張軸方向12となす角度θは、左右の平
均値が35度以上を確保できる構成とする。本発明者ら
による試験結果によれば、その角度θの平均値が35度
未満では所要の継手強度が得られないことが判明した。
【0011】また、図2に示すように、雌継手1と雄継
手7との隙間13には圧縮強度が150kgf/cm2 以上の
無機系充填材16を充填する。その理由は、両継手に引
張力が作用したときに、充填材がせん断破壊する前に圧
壊しないためであり、さらに高い剛性を確保するためで
ある。無機系の充填材としては、セメントペースト、モ
ルタル、普通コンクリートあるいは高流動性コンクリー
トを適用できる。
手7との隙間13には圧縮強度が150kgf/cm2 以上の
無機系充填材16を充填する。その理由は、両継手に引
張力が作用したときに、充填材がせん断破壊する前に圧
壊しないためであり、さらに高い剛性を確保するためで
ある。無機系の充填材としては、セメントペースト、モ
ルタル、普通コンクリートあるいは高流動性コンクリー
トを適用できる。
【0012】前記の第1例の嵌合継手構造であれば、従
来技術で示した継手構造に対して、高い継手引張強度や
引張剛性および高い充填性が得られ、連続壁構築の大深
度化に十分対応できる性能を有する。図17に本発明の
効果についての実験データ(伸びと引張軸力の関係図)
を示す。実験に用いた試験体は雌継手1幅が200m
m、雄継手7幅が100mm、SM490材相当の鋼板
を用いパイプ厚が16mm(雄継手7を断続配置した場
合の、当該雄継手7の断続する区間長が雌継手1のパイ
プ厚さの6倍に相当する)とし、パイプの内径78mm
とした場合で、角度θを従来型で24°、本発明のもの
で58°とした場合の試験結果である。
来技術で示した継手構造に対して、高い継手引張強度や
引張剛性および高い充填性が得られ、連続壁構築の大深
度化に十分対応できる性能を有する。図17に本発明の
効果についての実験データ(伸びと引張軸力の関係図)
を示す。実験に用いた試験体は雌継手1幅が200m
m、雄継手7幅が100mm、SM490材相当の鋼板
を用いパイプ厚が16mm(雄継手7を断続配置した場
合の、当該雄継手7の断続する区間長が雌継手1のパイ
プ厚さの6倍に相当する)とし、パイプの内径78mm
とした場合で、角度θを従来型で24°、本発明のもの
で58°とした場合の試験結果である。
【0013】図1〜図3の第1例は、雌継手1と雄継手
7がともに雌継手1の引張軸方向と直角方向に連続的に
嵌合された例であるが、継手嵌合の状態は雌継手1と雄
継手7がともに雌継手1の引張軸方向と直角方向に断続
的であってもかまわないし、どちらか一方の継手が断続
的であってもかまわない。図4、図5には、雄継手7を
雌継手1の引張軸方向と直角方向に断続的に配置した第
2の実施例が示されている。この雄継手7の断続的な配
置に関して、当該雄継手7の断続する区間長(P)は雌
継手1のパイプ厚さ(tp)の5〜30倍とすることに
よって、雌継手1との嵌合強度が十分に確保される。雄
継手7の断続する区間長(P)が雌継手1のパイプ厚さ
(tp)の5倍未満では充填材の充填性の面および鋼材
量が多くなるため経済性の面で不利となる場合がある。
なお、P≦5tpの範囲であっては、雌継手1の全断面
に配置したのとほぼ同等の継手強度が得られることが経
験上、明らかになっている。一方、雄継手7の断続する
区間長(P)が雌継手1の爪部3のパイプ厚さ(tp)
の30倍より大きくなると、所要の継手強度が確保出来
ないので好ましくない。なお、雄継手7を断続的に配置
することは、前記のように充填材の充填性および経済性
の点で有効である。
7がともに雌継手1の引張軸方向と直角方向に連続的に
嵌合された例であるが、継手嵌合の状態は雌継手1と雄
継手7がともに雌継手1の引張軸方向と直角方向に断続
的であってもかまわないし、どちらか一方の継手が断続
的であってもかまわない。図4、図5には、雄継手7を
雌継手1の引張軸方向と直角方向に断続的に配置した第
2の実施例が示されている。この雄継手7の断続的な配
置に関して、当該雄継手7の断続する区間長(P)は雌
継手1のパイプ厚さ(tp)の5〜30倍とすることに
よって、雌継手1との嵌合強度が十分に確保される。雄
継手7の断続する区間長(P)が雌継手1のパイプ厚さ
(tp)の5倍未満では充填材の充填性の面および鋼材
量が多くなるため経済性の面で不利となる場合がある。
なお、P≦5tpの範囲であっては、雌継手1の全断面
に配置したのとほぼ同等の継手強度が得られることが経
験上、明らかになっている。一方、雄継手7の断続する
区間長(P)が雌継手1の爪部3のパイプ厚さ(tp)
の30倍より大きくなると、所要の継手強度が確保出来
ないので好ましくない。なお、雄継手7を断続的に配置
することは、前記のように充填材の充填性および経済性
の点で有効である。
【0014】次に、図6〜図8には、爪部3の一端にス
リット状開口4を有するパイプ状の雌継手1において、
スリット状開口4のパイプ内面側に突起14a,14
b,14cを設けた例が示されている。突起14a,1
4b,14cは、先端が尖ったもの(図6参照)であっ
てもよいし、丸形のもの(図7参照)や多角形(図8参
照)でもよい。また、各突起はパイプ状の爪部3と一体
であってもよいし、あるいは丸棒や角鋼などを溶接等で
スリット状開口4側のパイプ内面先端部5に取り付けて
もよい。
リット状開口4を有するパイプ状の雌継手1において、
スリット状開口4のパイプ内面側に突起14a,14
b,14cを設けた例が示されている。突起14a,1
4b,14cは、先端が尖ったもの(図6参照)であっ
てもよいし、丸形のもの(図7参照)や多角形(図8参
照)でもよい。また、各突起はパイプ状の爪部3と一体
であってもよいし、あるいは丸棒や角鋼などを溶接等で
スリット状開口4側のパイプ内面先端部5に取り付けて
もよい。
【0015】このように雌継手1のパイプ内面側に突起
14a,14b,14cを設けることによって、スリッ
ト状開口4側にあるパイプ内面先端部5と、雄継手7の
スリット側に面する爪部先端部10とを結んで形成され
る面(垂直面)11が、T型雄継手7の引張軸方向12
に対してなす角度θを嵌合の余裕を犠牲にせずに、しか
も充填材16(図2参照)の充填性を損なわないで、所
要の大きさ以上に確保することが可能となるので、継手
の引張強度および剛性を飛躍的に上昇させることが出来
る点で非常に有効である。
14a,14b,14cを設けることによって、スリッ
ト状開口4側にあるパイプ内面先端部5と、雄継手7の
スリット側に面する爪部先端部10とを結んで形成され
る面(垂直面)11が、T型雄継手7の引張軸方向12
に対してなす角度θを嵌合の余裕を犠牲にせずに、しか
も充填材16(図2参照)の充填性を損なわないで、所
要の大きさ以上に確保することが可能となるので、継手
の引張強度および剛性を飛躍的に上昇させることが出来
る点で非常に有効である。
【0016】また、図9〜図11には、雌継手1のパイ
プ状爪部3の内面側の爪奥部6中央に突起14d,14
e,14fを設けた例が示されている。突起14d,1
4e,14fは、先端が尖ったもの(図9参照)であっ
てもよいし、丸形のもの(図10参照)や多角形(図1
1参照)でもよく、また、それらはパイプ状爪部3と一
体であってもよいし、あるいは丸棒や角鋼などを溶接等
でパイプ状爪部3の奥部6に取り付けても良い。
プ状爪部3の内面側の爪奥部6中央に突起14d,14
e,14fを設けた例が示されている。突起14d,1
4e,14fは、先端が尖ったもの(図9参照)であっ
てもよいし、丸形のもの(図10参照)や多角形(図1
1参照)でもよく、また、それらはパイプ状爪部3と一
体であってもよいし、あるいは丸棒や角鋼などを溶接等
でパイプ状爪部3の奥部6に取り付けても良い。
【0017】このように雌継手1のパイプ内面側に突起
14d,14e,14fを設けることによっても、雌継
手1のスリット状開口4側にあるパイプ内面先端部5と
雄継手7のスリット側に面する爪部先端部10とを結ん
で形成される面(垂直面)11が、T型雄継手7の引張
軸方向12に対してなす角度θを所要の大きさ以上に確
保することが可能となるので、継手の引張強度および、
剛性を飛躍的に上昇させることが出来る点で有効であ
る。
14d,14e,14fを設けることによっても、雌継
手1のスリット状開口4側にあるパイプ内面先端部5と
雄継手7のスリット側に面する爪部先端部10とを結ん
で形成される面(垂直面)11が、T型雄継手7の引張
軸方向12に対してなす角度θを所要の大きさ以上に確
保することが可能となるので、継手の引張強度および、
剛性を飛躍的に上昇させることが出来る点で有効であ
る。
【0018】ここで、突起14d,14e,14fは図
18に示されるように嵌入する継手の、一度に嵌入させ
るエレメントの引張軸方向と直角方向の数カ所(最低、
エレメントの長手方向の上下と下方の2カ所)に取り付
けるだけで、その矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは
鉄筋篭間の他の継手の強度をも飛躍的に上昇させること
が出来るので、充填材16の充填性を損なわないで、加
工度の低い高強度かつ高剛性の継手群を得ることが可能
となる。
18に示されるように嵌入する継手の、一度に嵌入させ
るエレメントの引張軸方向と直角方向の数カ所(最低、
エレメントの長手方向の上下と下方の2カ所)に取り付
けるだけで、その矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは
鉄筋篭間の他の継手の強度をも飛躍的に上昇させること
が出来るので、充填材16の充填性を損なわないで、加
工度の低い高強度かつ高剛性の継手群を得ることが可能
となる。
【0019】さらに、図12〜図16には、雄継手7に
突起15a,15b,15c,15d,15eを設けた
例が示されている。図12および図13では、雌継手1
のスリット開口4側に面した雄継手7の爪部先端部10
の両側に突起15a,15bが設けられており、図1
4,図15および図16では、雌継手1の爪奥部6に向
かって突出するように、雄継手7の背面中央部に突起1
5c,15d,15eが設けられている。
突起15a,15b,15c,15d,15eを設けた
例が示されている。図12および図13では、雌継手1
のスリット開口4側に面した雄継手7の爪部先端部10
の両側に突起15a,15bが設けられており、図1
4,図15および図16では、雌継手1の爪奥部6に向
かって突出するように、雄継手7の背面中央部に突起1
5c,15d,15eが設けられている。
【0020】これらの雄継手7に設けられる突起15
a,15b,15c,15d,15eは、先端が鋭角に
尖ったもの(図12参照)であってもよいし、先端が丸
味を有するもの(図14参照)や多角形(図13,図1
5および図16参照)でもよい。また、それらは雄継手
7の爪部9と一体であってもよいし、あるいは丸棒や角
鋼などを溶接等で雄継手7における爪部9の爪部先端部
10および爪部9の背面中央部に取り付けても良い。
a,15b,15c,15d,15eは、先端が鋭角に
尖ったもの(図12参照)であってもよいし、先端が丸
味を有するもの(図14参照)や多角形(図13,図1
5および図16参照)でもよい。また、それらは雄継手
7の爪部9と一体であってもよいし、あるいは丸棒や角
鋼などを溶接等で雄継手7における爪部9の爪部先端部
10および爪部9の背面中央部に取り付けても良い。
【0021】このように雄継手7に突起を設けることに
よっても、雌継手1のスリット状開口4側にあるパイプ
内面先端部5と、雄継手7のスリット状開口4側に面す
る爪先端部10とを結んで形成される面(垂直面)11
が、T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす角度θ
を充填材16の充填性を損なわないで、所要の大きさ以
上に確保することが可能となるので、継手の引張強度お
よび剛性を飛躍的に上昇させることが出来る点で有効で
ある。
よっても、雌継手1のスリット状開口4側にあるパイプ
内面先端部5と、雄継手7のスリット状開口4側に面す
る爪先端部10とを結んで形成される面(垂直面)11
が、T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす角度θ
を充填材16の充填性を損なわないで、所要の大きさ以
上に確保することが可能となるので、継手の引張強度お
よび剛性を飛躍的に上昇させることが出来る点で有効で
ある。
【0022】また、前記パイプ状の雌継手1の横断面形
状は図20に示すように楕円形または、図21および図
22に示すように多角形、例えば長方形や6角形でもよ
い。
状は図20に示すように楕円形または、図21および図
22に示すように多角形、例えば長方形や6角形でもよ
い。
【0023】ここで、突起15c,15d,15eは図
19に示されるように雌継手1に嵌入する継ぎ手の、一
度に嵌入させるエレメントの引張軸方向と直角方向の数
カ所(最低、エレメントの長手方向の上方と下方の2ケ
所)に取り付けるだけで、その矢板、鋼管矢板等の鋼製
部材あるいは鉄筋篭間の他の継手の強度をも飛躍的に上
昇させることが出来るので、充填材16の充填性を損な
わないで、加工度の低い高強度の継手群を得ることが可
能となる。なお、突起14a〜14fまたは突起15a
〜15eを設ける場合には、図18または図19に示す
ように、それらの上端面または下端面を傾斜したガイド
面とするとよい。
19に示されるように雌継手1に嵌入する継ぎ手の、一
度に嵌入させるエレメントの引張軸方向と直角方向の数
カ所(最低、エレメントの長手方向の上方と下方の2ケ
所)に取り付けるだけで、その矢板、鋼管矢板等の鋼製
部材あるいは鉄筋篭間の他の継手の強度をも飛躍的に上
昇させることが出来るので、充填材16の充填性を損な
わないで、加工度の低い高強度の継手群を得ることが可
能となる。なお、突起14a〜14fまたは突起15a
〜15eを設ける場合には、図18または図19に示す
ように、それらの上端面または下端面を傾斜したガイド
面とするとよい。
【0024】本発明を実施する場合は、第8実施形態と
して図23,図24に示すように一方の矢板、鋼管矢板
等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に一方の雌継手1の
ア−ム2を溶接し、他方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材
あるいは鉄筋篭等34に他方の雌継手1のア−ム2を溶
接し、中間に、アーム2の両端に爪部3を有する雄継手
7を入れて両継手を嵌合させる。図25には、前記にお
ける雄継手7が図5に示す例と同様に上下に断続的に設
けられた例が側面図で示されている。
して図23,図24に示すように一方の矢板、鋼管矢板
等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に一方の雌継手1の
ア−ム2を溶接し、他方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材
あるいは鉄筋篭等34に他方の雌継手1のア−ム2を溶
接し、中間に、アーム2の両端に爪部3を有する雄継手
7を入れて両継手を嵌合させる。図25には、前記にお
ける雄継手7が図5に示す例と同様に上下に断続的に設
けられた例が側面図で示されている。
【0025】図26から図29には、本発明の第10お
よび第11の実施形態が示されている。これらは23図
において示した第8の実施例の形態が、中間アーム8の
両端に爪部を有する単独部材としての雄継手7を用い
て、左右の雌継手1を接続しているのに対し、第10お
よび第11の実施形態では、雄継手7が単独部材とされ
ず、雄継手7の爪部を有さないア−ム2の一端が一方の
矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に溶
接されており、また、他方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部
材あるいは鉄筋篭等34には雌継手1が直接あるいは、
ア−ム2を介して溶接されていて、このような構造の雄
継手7と雌継手1を介して2つの鉄筋篭等34が連結さ
れるように構成されている点である。
よび第11の実施形態が示されている。これらは23図
において示した第8の実施例の形態が、中間アーム8の
両端に爪部を有する単独部材としての雄継手7を用い
て、左右の雌継手1を接続しているのに対し、第10お
よび第11の実施形態では、雄継手7が単独部材とされ
ず、雄継手7の爪部を有さないア−ム2の一端が一方の
矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に溶
接されており、また、他方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部
材あるいは鉄筋篭等34には雌継手1が直接あるいは、
ア−ム2を介して溶接されていて、このような構造の雄
継手7と雌継手1を介して2つの鉄筋篭等34が連結さ
れるように構成されている点である。
【0026】例えば図26に示す例では、前述のよう
に、雄継手7のア−ム2を中間で切断して一方を省略
し、当該ア−ムを一方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あ
るいは鉄筋篭等34に溶接し、他方の矢板、鋼管矢板等
の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34には雌継手1のア−ム
2を溶接して、両継手を嵌合させている。この場合も継
手部の強度や剛性を顕著に高く確保できるという効果を
奏する。また図27に示すように雌継手1のア−ム2を
省略して爪部3の根元を直接矢板、鋼管矢板等の鋼製部
材あるいは鉄筋篭等34に溶接することもでき、この場
合も継手部の強度や剛性等についての効果は同様であ
る。図28および図29にその概略を図示している。
に、雄継手7のア−ム2を中間で切断して一方を省略
し、当該ア−ムを一方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あ
るいは鉄筋篭等34に溶接し、他方の矢板、鋼管矢板等
の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34には雌継手1のア−ム
2を溶接して、両継手を嵌合させている。この場合も継
手部の強度や剛性を顕著に高く確保できるという効果を
奏する。また図27に示すように雌継手1のア−ム2を
省略して爪部3の根元を直接矢板、鋼管矢板等の鋼製部
材あるいは鉄筋篭等34に溶接することもでき、この場
合も継手部の強度や剛性等についての効果は同様であ
る。図28および図29にその概略を図示している。
【0027】また、前記パイプ状の雌継手1の横断面形
状を図20に示すように楕円形または、図21および図
22に示すように多角形、例えば長方形や6角形に形成
した場合も、前記と同様に、雄継手7のア−ム2を中間
で切断して一方を省略し、当該ア−ムを一方の矢板、鋼
管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に溶接し、他
方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34
には雌継手1のア−ム2を溶接して、両継手を嵌合させ
ることもできる。また雌継手1のア−ム2を省略して爪
部3の根元を直接矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは
鉄筋篭等34に溶接することもでき、この場合も継手部
の強度や剛性等についての効果は同様である。
状を図20に示すように楕円形または、図21および図
22に示すように多角形、例えば長方形や6角形に形成
した場合も、前記と同様に、雄継手7のア−ム2を中間
で切断して一方を省略し、当該ア−ムを一方の矢板、鋼
管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34に溶接し、他
方の矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等34
には雌継手1のア−ム2を溶接して、両継手を嵌合させ
ることもできる。また雌継手1のア−ム2を省略して爪
部3の根元を直接矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは
鉄筋篭等34に溶接することもでき、この場合も継手部
の強度や剛性等についての効果は同様である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
と、T型の雄継手7で嵌合される本発明の嵌合継手構造
では、前記雌継手1と前記雄継手7が嵌合された状態に
おいて、前記雌継手1のスリット状開口4側のパイプ内
面先端部5と、前記雌継手1のスリット側に面する前記
雄継手7の爪先端部10とを結んで形成される面11
が、前記T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす左
右の平均角度θを35度以上に確保される構成とし、か
つ前記雌継手1と前記雄継手7との隙間13には150
kgf/cm2 以上の圧縮強度を有する無機系充填材16を充
填しているので、両継手の引張嵌合状態のみならず、圧
縮嵌合状態あるいは偏心嵌合状態であっても、継手部の
強度や剛性を顕著に高く確保できるという効果を発現で
き、特に最近の連続壁構築の大深度化に対応した建て込
み工法への適用に有効である。
一端にスリット状開口4を有するパイプ状の雌継手1
と、T型の雄継手7で嵌合される本発明の嵌合継手構造
では、前記雌継手1と前記雄継手7が嵌合された状態に
おいて、前記雌継手1のスリット状開口4側のパイプ内
面先端部5と、前記雌継手1のスリット側に面する前記
雄継手7の爪先端部10とを結んで形成される面11
が、前記T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす左
右の平均角度θを35度以上に確保される構成とし、か
つ前記雌継手1と前記雄継手7との隙間13には150
kgf/cm2 以上の圧縮強度を有する無機系充填材16を充
填しているので、両継手の引張嵌合状態のみならず、圧
縮嵌合状態あるいは偏心嵌合状態であっても、継手部の
強度や剛性を顕著に高く確保できるという効果を発現で
き、特に最近の連続壁構築の大深度化に対応した建て込
み工法への適用に有効である。
【0029】また、本発明によると雌継手1の爪内部や
雄継手7の爪部および爪基部に設けられる突起は、前記
雌継手1のスリット状開口4のパイプ内面先端部5と、
前記雌継手1のスリット側に面する、前記雄継手7の爪
先端部10とを結んで形成される面11が、前記T型雄
継手7の引張軸方向12に対してなす角度θを、所要の
大きさ以上に確保するための補助的役割を果たし、かつ
充填材の充填性16をも確保する形状としたので、パイ
プ状の雌継手の強度や剛性を著しく上昇させることが出
来る点できわめて有効である。
雄継手7の爪部および爪基部に設けられる突起は、前記
雌継手1のスリット状開口4のパイプ内面先端部5と、
前記雌継手1のスリット側に面する、前記雄継手7の爪
先端部10とを結んで形成される面11が、前記T型雄
継手7の引張軸方向12に対してなす角度θを、所要の
大きさ以上に確保するための補助的役割を果たし、かつ
充填材の充填性16をも確保する形状としたので、パイ
プ状の雌継手の強度や剛性を著しく上昇させることが出
来る点できわめて有効である。
【図1】本発明の第1実施形態に係る嵌合継手の平面図
である。
である。
【図2】図1の嵌合継手の拡大図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】第2実施形態に係る嵌合継手の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第1
例の平面図である。
例の平面図である。
【図7】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第2
例の平面図である。
例の平面図である。
【図8】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第3
例の平面図である。
例の平面図である。
【図9】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第4
例の平面図である。
例の平面図である。
【図10】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第
5例の平面図である。
5例の平面図である。
【図11】パイプ状雌継手の爪内面部に設けた突起の第
6例の平面図である。
6例の平面図である。
【図12】T型雄継手の爪部に設けた突起の第1例の平
面図である。
面図である。
【図13】T型雄継手の爪部に設けた突起の第2例の平
面図である。
面図である。
【図14】T型雄継手の爪部に設けた突起の第3例の平
面図である。
面図である。
【図15】T型雄継手の爪部に設けた突起の第4例の平
面図である。
面図である。
【図16】T型雄継手の爪部に設けた突起の第5例の平
面図である。
面図である。
【図17】本発明の継手と従来の継手の変位と軸力との
関係を示すグラフの図である。
関係を示すグラフの図である。
【図18】図9〜図11のパイプ状雌継手とT型雄継手
を用いて嵌合した第3実施形態に係る嵌合継手の側面図
である。
を用いて嵌合した第3実施形態に係る嵌合継手の側面図
である。
【図19】パイプ状雌継手と図14〜図16のT型雄継
手を用いて嵌合した第4実施形態に係る嵌合継手の側面
図である。
手を用いて嵌合した第4実施形態に係る嵌合継手の側面
図である。
【図20】第5実施形態に係る嵌合継手の平面図であ
る。
る。
【図21】第6実施形態に係る嵌合継手の平面図であ
る。
る。
【図22】第7実施形態に係る嵌合継手の平面図であ
る。
る。
【図23】本発明の第8実施形態に係る嵌合継手の使用
状態図である。
状態図である。
【図24】図23の側面図である。
【図25】本発明の第9実施形態に係る嵌合継手の使用
状態図である。
状態図である。
【図26】本発明の第10実施形態に係る嵌合継手の使
用状態図である。
用状態図である。
【図27】本発明の第11実施形態に係る嵌合継手の使
用状態図である。
用状態図である。
【図28】図26の側面図である。
【図29】図27の側面図である。
【図30】従来の嵌合継手構造の形態を示す平面図であ
る。
る。
【図31】従来の嵌合継手構造の他例を示す平面図であ
る。
る。
1 雌継手 2 雌継手のアーム 3 爪部 4 スリット状開口 5 パイプ内面先端部 6 爪奥部 7 雄継手 8 雄継手のアーム 9 爪部 10 爪部先端部 11 面(垂直面) 12 引張軸方向 13 隙間 14a〜14f 突起 15a〜15e 突起 16 無機系充填材 17 雄継手 18 アーム 19 係合部 21 雌継手 22 アーム 23 爪部 24 隙間 25 セメント系充填材 26 バルジング突起 27 雄継手 28 アーム 29 爪形係合部 31 雌継手 32 アーム 33 爪部 34 矢板、鋼管矢板等の鋼製部材あるいは鉄筋篭等
Claims (5)
- 【請求項1】 一端にスリット状開口4を有するパイプ
状の雌継手1と、T型の雄継手7で嵌合される継手構造
であって、前記雌継手1と前記雄継手7が嵌合された状
態において、前記雌継手1のスリット状開口4のパイプ
内面先端部5と、前記スリット状開口4側に面する前記
雄継手7の爪部先端部10とを結んで形成される面11
が、前記T型雄継手7の引張軸方向12に対してなす左
右の平均の角度θが35度以上に確保される構成とし、
かつ前記雌継手1と前記雄継手7との隙間13には圧縮
強度が150kgf/cm2 以上の無機系充填材16が充填さ
れていることを特徴とする高強度かつ高剛性の嵌合継手
構造。 - 【請求項2】 前記雌継手1と、前記T型雄継手7が、
前記雌継手1の引張軸方向と直角方向に連続的または断
続的に嵌合される請求項1に記載の高強度かつ高剛性の
嵌合継手構造。 - 【請求項3】 前記雌継手1に対して、前記T型雄継手
7を断続的に嵌合する際の前記雄継手7の配置断続する
区間長Pが前記雌継手1のパイプ厚さの5〜30倍であ
る請求項2に記載の高強度かつ高剛性の嵌合継手構造。 - 【請求項4】 前記雌継手1において、前記雌継手1の
スリット状開口4のパイプ内面先端部5と、前記雌継手
1の爪奥部6の内面の一方又は両方に突起を設ける請求
項1、2または3のいずれかに記載の高強度かつ高剛性
の嵌合継手構造。 - 【請求項5】 前記雄継手7において、前記雌継手1の
スリット状開口4側に面する爪先端部10と雌継手1の
爪奥部6側に面する爪部9の中央部の一方又は両方に突
起を設ける請求項1、2、3または4のいずれかに記載
の高強度かつ高剛性の嵌合継手構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14850696A JPH0941364A (ja) | 1995-05-23 | 1996-05-21 | 高強度かつ高剛性の嵌合継手構造 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14691795 | 1995-05-23 | ||
| JP7-146917 | 1995-05-23 | ||
| JP14850696A JPH0941364A (ja) | 1995-05-23 | 1996-05-21 | 高強度かつ高剛性の嵌合継手構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0941364A true JPH0941364A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=26477618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14850696A Pending JPH0941364A (ja) | 1995-05-23 | 1996-05-21 | 高強度かつ高剛性の嵌合継手構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0941364A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015081435A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 新日鐵住金株式会社 | 擁壁構築部材及びその構築方法 |
| RU2646264C1 (ru) * | 2016-11-02 | 2018-03-02 | Дмитрий Борисович Ядрихинский | Шпунтовый замок (варианты) |
| JP2023144800A (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-11 | 日本製鉄株式会社 | 鋼管矢板壁用継手セットおよびその製造方法ならびに鋼管矢板 |
-
1996
- 1996-05-21 JP JP14850696A patent/JPH0941364A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015081435A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 新日鐵住金株式会社 | 擁壁構築部材及びその構築方法 |
| RU2646264C1 (ru) * | 2016-11-02 | 2018-03-02 | Дмитрий Борисович Ядрихинский | Шпунтовый замок (варианты) |
| JP2023144800A (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-11 | 日本製鉄株式会社 | 鋼管矢板壁用継手セットおよびその製造方法ならびに鋼管矢板 |
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