JPH0941028A - 高清浄性極低炭素鋼の製造方法 - Google Patents
高清浄性極低炭素鋼の製造方法Info
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- JPH0941028A JPH0941028A JP19280295A JP19280295A JPH0941028A JP H0941028 A JPH0941028 A JP H0941028A JP 19280295 A JP19280295 A JP 19280295A JP 19280295 A JP19280295 A JP 19280295A JP H0941028 A JPH0941028 A JP H0941028A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高清浄性極低炭素鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】未脱酸又は弱脱酸溶鋼の出鋼の際に金属Al
又はAl合金含有スラグ改質剤を添加し、その後真空脱ガ
ス装置で脱炭を行う際に真空槽内溶鋼に酸素ガスを吹付
け又は吹込み、脱炭終了後に金属Al又はAl合金を添加
し、引続き脱酸を行う高清浄性極低炭素鋼の製造方法で
あって、下記〜の条件を同時に満たす方法。 取鍋溶鋼上のスラグ量が10kg/ton・溶鋼以下 真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+
(wt%MnO)が5以下 下記式(1) の関係を満たす酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)
を添加 (3.5) ・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%) 【効果】真空脱炭速度を低下させることなく、極低炭素
鋼の清浄性を向上させることができる。
又はAl合金含有スラグ改質剤を添加し、その後真空脱ガ
ス装置で脱炭を行う際に真空槽内溶鋼に酸素ガスを吹付
け又は吹込み、脱炭終了後に金属Al又はAl合金を添加
し、引続き脱酸を行う高清浄性極低炭素鋼の製造方法で
あって、下記〜の条件を同時に満たす方法。 取鍋溶鋼上のスラグ量が10kg/ton・溶鋼以下 真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+
(wt%MnO)が5以下 下記式(1) の関係を満たす酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)
を添加 (3.5) ・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%) 【効果】真空脱炭速度を低下させることなく、極低炭素
鋼の清浄性を向上させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清浄性に優れた極低
炭素鋼の溶製方法に関する。
炭素鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極低炭素鋼の溶製では、転炉などを用い
て経済的に許容し得る限界まで大気圧下で脱炭し、その
後真空脱ガス装置を用いて減圧下で鋼中酸素または添加
酸素源(取鍋スラグ、酸化性ガスまたは鉄酸化物などの
固体酸素)との反応により目的の濃度まで脱炭し、その
後脱酸剤を添加して成分調整・介在物低減処理を行う。
て経済的に許容し得る限界まで大気圧下で脱炭し、その
後真空脱ガス装置を用いて減圧下で鋼中酸素または添加
酸素源(取鍋スラグ、酸化性ガスまたは鉄酸化物などの
固体酸素)との反応により目的の濃度まで脱炭し、その
後脱酸剤を添加して成分調整・介在物低減処理を行う。
【0003】一般的に、転炉では炭素濃度0.02〜0.10Wt
%まで脱炭するが、この程度まで脱炭すると炭素以外に
も大量の鉄が酸化され、転炉終点時のスラグ中FeO 濃度
が高くなる。このスラグの一部は出鋼時に溶鋼とともに
取鍋に流出する。この状態において真空脱ガス装置で脱
炭処理した後、Alによる脱酸処理を行うと、スラグ中の
FeO が溶鋼中のAlと反応してAl2O3 系介在物が生成し、
これが溶鋼中に供給され、鋼の清浄性が低下する。
%まで脱炭するが、この程度まで脱炭すると炭素以外に
も大量の鉄が酸化され、転炉終点時のスラグ中FeO 濃度
が高くなる。このスラグの一部は出鋼時に溶鋼とともに
取鍋に流出する。この状態において真空脱ガス装置で脱
炭処理した後、Alによる脱酸処理を行うと、スラグ中の
FeO が溶鋼中のAlと反応してAl2O3 系介在物が生成し、
これが溶鋼中に供給され、鋼の清浄性が低下する。
【0004】特公平2−19168 号公報には、溶鋼上に浮
上しているスラグ中にスラグ還元剤を添加して酸化性ス
ラグを改質する際に、スラグ還元剤とともにガス発生物
質を併用添加するスラグ改質方法が示されている。
上しているスラグ中にスラグ還元剤を添加して酸化性ス
ラグを改質する際に、スラグ還元剤とともにガス発生物
質を併用添加するスラグ改質方法が示されている。
【0005】特開平2−277711号公報には、転炉出鋼時
あるいは出鋼後に取鍋にAlを添加してスラグ中FeO 濃度
を 0.2〜2.0 Wt%とし、その後、真空脱炭処理をする際
に、処理開始時に酸素ガスを溶鋼1t当たり0.14〜1.4N
m3添加しつつ、炭素濃度が0.003Wt %以下となった時期
にAlを添加して真空処理を5分以上継続する極低炭素鋼
の製造方法が示されている。この発明の実施例によれ
ば、表面欠陥発生率が著しく減少したとされる。
あるいは出鋼後に取鍋にAlを添加してスラグ中FeO 濃度
を 0.2〜2.0 Wt%とし、その後、真空脱炭処理をする際
に、処理開始時に酸素ガスを溶鋼1t当たり0.14〜1.4N
m3添加しつつ、炭素濃度が0.003Wt %以下となった時期
にAlを添加して真空処理を5分以上継続する極低炭素鋼
の製造方法が示されている。この発明の実施例によれ
ば、表面欠陥発生率が著しく減少したとされる。
【0006】特開平6−256836号公報には、製鋼炉で溶
製した未脱酸溶鋼を取鍋に出鋼し、この取鍋から真空脱
ガス装置の真空槽内に導入した溶鋼に酸化性ガスを供給
して真空脱炭処理を行う際に、真空脱炭処理終了後に取
鍋内スラグ上に還元剤を投入し、取鍋内スラグの改質を
行う高清浄度極低炭素鋼の溶製方法が示されている。
製した未脱酸溶鋼を取鍋に出鋼し、この取鍋から真空脱
ガス装置の真空槽内に導入した溶鋼に酸化性ガスを供給
して真空脱炭処理を行う際に、真空脱炭処理終了後に取
鍋内スラグ上に還元剤を投入し、取鍋内スラグの改質を
行う高清浄度極低炭素鋼の溶製方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来方
法には以下の問題点がある。
法には以下の問題点がある。
【0008】特公平2−19168 号公報の方法は、実施例
からわかるように〔C〕が0.04〜0.05%程度の低炭炭素
鋼を対象としており、このような低炭素鋼のスラグ改質
方法としては問題ない。
からわかるように〔C〕が0.04〜0.05%程度の低炭炭素
鋼を対象としており、このような低炭素鋼のスラグ改質
方法としては問題ない。
【0009】一方、本発明の対象となる極低炭素鋼で
は、真空下で〔C〕を望ましくは0.003 Wt%未満まで脱
炭処理する必要がある。このような終点〔C〕とした条
件下でスラグ改質を行う場合は、行わない場合と比較し
て溶鋼中の酸素が減少すること、溶鋼に酸素を供給する
能力を有するスラグ中の低級酸化物(FeO、 MnO等) 濃度
が低いことから、C+O=COなる脱炭反応に必要な酸
素が不足し、真空脱炭反応が阻害されてしまう。したが
って、スラグ改質を行っても真空脱炭を阻害しないよう
な酸素の供給条件が必要となる。
は、真空下で〔C〕を望ましくは0.003 Wt%未満まで脱
炭処理する必要がある。このような終点〔C〕とした条
件下でスラグ改質を行う場合は、行わない場合と比較し
て溶鋼中の酸素が減少すること、溶鋼に酸素を供給する
能力を有するスラグ中の低級酸化物(FeO、 MnO等) 濃度
が低いことから、C+O=COなる脱炭反応に必要な酸
素が不足し、真空脱炭反応が阻害されてしまう。したが
って、スラグ改質を行っても真空脱炭を阻害しないよう
な酸素の供給条件が必要となる。
【0010】しかし、特公平2−19168 号公報の方法
は、スラグ改質後の真空脱炭を全く考慮していないた
め、高清浄性極低炭素鋼の製造に適用するには不十分で
ある。
は、スラグ改質後の真空脱炭を全く考慮していないた
め、高清浄性極低炭素鋼の製造に適用するには不十分で
ある。
【0011】特開平6−256836号公報の方法では、真空
脱炭前にスラグ改質を実施することに伴って生じる脱炭
用酸素不足の問題を解消するため、真空脱炭処理終了後
にスラグ改質を行っている。しかし、この技術では真空
脱炭後にスラグ改質を行うためのバブリング処理が必須
となる。したがって、処理時間の延長、溶鋼温度の低下
(それを補うための転炉出鋼温度の上昇、それによる転
炉耐火物コストの上昇)、バブリング処理コストの上昇
などの問題がある。
脱炭前にスラグ改質を実施することに伴って生じる脱炭
用酸素不足の問題を解消するため、真空脱炭処理終了後
にスラグ改質を行っている。しかし、この技術では真空
脱炭後にスラグ改質を行うためのバブリング処理が必須
となる。したがって、処理時間の延長、溶鋼温度の低下
(それを補うための転炉出鋼温度の上昇、それによる転
炉耐火物コストの上昇)、バブリング処理コストの上昇
などの問題がある。
【0012】特開平2−277711公報の方法では、真空脱
ガス装置で真空脱炭処理する前に溶鋼にAlを添加して脱
酸処理を行ない、スラグ中FeO 濃度を0.2 〜2.0 Wt%と
しているために、不可避的に溶鋼中溶解酸素が低下する
ことが明示されている。そして、脱炭のための酸素不足
に対する対策として、酸素ガスの供給が不可欠であるた
め、上記特公平2−19168 号公報の方法の持つ問題点が
或る程度解決されている。
ガス装置で真空脱炭処理する前に溶鋼にAlを添加して脱
酸処理を行ない、スラグ中FeO 濃度を0.2 〜2.0 Wt%と
しているために、不可避的に溶鋼中溶解酸素が低下する
ことが明示されている。そして、脱炭のための酸素不足
に対する対策として、酸素ガスの供給が不可欠であるた
め、上記特公平2−19168 号公報の方法の持つ問題点が
或る程度解決されている。
【0013】しかし、取鍋スラグ量が多ければ、脱酸処
理中にスラグ中低級酸化物からの酸素供給が生じる。す
なわち、スラグ中低級酸化物を0.2 〜2.0 Wt%と低くし
ても溶鋼中Alとの反応が生ずることにより、Al2O3 系介
在物の生成は抑制できないが、特開平2−277711公報の
方法はこの点を考慮していない。
理中にスラグ中低級酸化物からの酸素供給が生じる。す
なわち、スラグ中低級酸化物を0.2 〜2.0 Wt%と低くし
ても溶鋼中Alとの反応が生ずることにより、Al2O3 系介
在物の生成は抑制できないが、特開平2−277711公報の
方法はこの点を考慮していない。
【0014】さらに、溶鋼中Alとの反応によりAl2O3 系
介在物が生成する原因として、スラグ中FeO のみに着目
しているが、実際にはスラグ中MnO も溶鋼中Alと反応し
Al2O3 系介在物を生成する。したがって、スラグ中FeO
濃度を0.2 〜2.0 Wt%に制御しても、スラグ中MnO 濃度
が高ければ溶鋼の清浄性は確保できない。
介在物が生成する原因として、スラグ中FeO のみに着目
しているが、実際にはスラグ中MnO も溶鋼中Alと反応し
Al2O3 系介在物を生成する。したがって、スラグ中FeO
濃度を0.2 〜2.0 Wt%に制御しても、スラグ中MnO 濃度
が高ければ溶鋼の清浄性は確保できない。
【0015】酸素供給量が適切でない場合、例えば多す
ぎる場合には、鋼中炭素と反応しない未反応の酸素が溶
鋼中のMnや鉄を酸化させ、鉄歩留まりの低下やMn合金原
単位の増加によるコスト上昇をもたらす。さらにスラグ
中FeO あるいはMnO の増加により、スラグ中FeO 濃度は
真空脱炭前の0.2 〜2.0 Wt%よりも大きな値に増加して
しまい、溶鋼の清浄性への悪影響の問題も生じてしま
う。
ぎる場合には、鋼中炭素と反応しない未反応の酸素が溶
鋼中のMnや鉄を酸化させ、鉄歩留まりの低下やMn合金原
単位の増加によるコスト上昇をもたらす。さらにスラグ
中FeO あるいはMnO の増加により、スラグ中FeO 濃度は
真空脱炭前の0.2 〜2.0 Wt%よりも大きな値に増加して
しまい、溶鋼の清浄性への悪影響の問題も生じてしま
う。
【0016】しかし、特開平2−277711公報の方法で
は、真空脱炭時に供給する酸素ガス量が0.14〜1.4Nm3/t
onと規定されているだけであり、最小値と最大値とは10
倍も違い、溶鋼中炭素濃度の各条件で真空脱炭時の酸素
ガス供給量をどのように制御すべきかの指針も明記され
ていない。
は、真空脱炭時に供給する酸素ガス量が0.14〜1.4Nm3/t
onと規定されているだけであり、最小値と最大値とは10
倍も違い、溶鋼中炭素濃度の各条件で真空脱炭時の酸素
ガス供給量をどのように制御すべきかの指針も明記され
ていない。
【0017】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、本発明の目的は、高い真空脱炭速度と鋼の清浄性
とを両立させることができる極低炭素鋼の製造方法を提
供することにある。
あり、本発明の目的は、高い真空脱炭速度と鋼の清浄性
とを両立させることができる極低炭素鋼の製造方法を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の高
清浄性極低炭素鋼の製造方法にある。
清浄性極低炭素鋼の製造方法にある。
【0019】未脱酸または弱脱酸溶鋼を取鍋へ出鋼する
際に金属AlまたはAl合金を含有するスラグ改質剤を添加
し、その後真空脱ガス装置を用いて真空脱炭処理を行う
際に、真空槽内溶鋼に酸素ガスを吹き付けまたは吹き込
みにより添加し、脱炭処理終了後に金属AlまたはAl合金
を添加し、引き続き脱酸処理を行う高清浄性極低炭素鋼
の製造方法であって、下記〜の条件を同時に満たす
ことを特徴とする高清浄性極低炭素鋼の製造方法。
際に金属AlまたはAl合金を含有するスラグ改質剤を添加
し、その後真空脱ガス装置を用いて真空脱炭処理を行う
際に、真空槽内溶鋼に酸素ガスを吹き付けまたは吹き込
みにより添加し、脱炭処理終了後に金属AlまたはAl合金
を添加し、引き続き脱酸処理を行う高清浄性極低炭素鋼
の製造方法であって、下記〜の条件を同時に満たす
ことを特徴とする高清浄性極低炭素鋼の製造方法。
【0020】取鍋溶鋼上のスラグ量が10 kg/ton ・溶
鋼以下 真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+
(wt%MnO)が5以下 下記式(1) の関係を満たす酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)
を添加 (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%)
鋼以下 真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+
(wt%MnO)が5以下 下記式(1) の関係を満たす酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)
を添加 (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%)
【0021】
【発明の実施の形態】本発明方法を具体的に説明する。
【0022】まず、転炉などで溶製して〔C〕を0.04Wt
%前後とした未脱酸または弱脱酸溶鋼を取鍋へ出鋼す
る。このとき、炉内スラグは不可避的に取鍋内へ流出す
る。この流出スラグは低級酸化物を含有し、脱酸した
後、脱酸剤元素と反応して介在物を生成する。このた
め、流出スラグ中の低級酸化物を事前に還元して、その
濃度を低減する目的で、出鋼時の出鋼流または取鍋内ス
ラグに金属AlまたはAl合金を含有するスラグ改質剤を添
加する。
%前後とした未脱酸または弱脱酸溶鋼を取鍋へ出鋼す
る。このとき、炉内スラグは不可避的に取鍋内へ流出す
る。この流出スラグは低級酸化物を含有し、脱酸した
後、脱酸剤元素と反応して介在物を生成する。このた
め、流出スラグ中の低級酸化物を事前に還元して、その
濃度を低減する目的で、出鋼時の出鋼流または取鍋内ス
ラグに金属AlまたはAl合金を含有するスラグ改質剤を添
加する。
【0023】スラグ改質剤は、Al40Wt%+CaCO3 60Wt%
またはAl50Wt%+Al2O3 40Wt%+CaO 10Wt%ような組成
のものを用いる。金属AlまたはAl合金は、スラグ中の低
級酸化物(FeO、 MnO等) の還元剤として含有させるもの
である。金属AlまたはAl合金に限定するのは還元力が強
く、上記の低級酸化物を還元させやすいからである。
またはAl50Wt%+Al2O3 40Wt%+CaO 10Wt%ような組成
のものを用いる。金属AlまたはAl合金は、スラグ中の低
級酸化物(FeO、 MnO等) の還元剤として含有させるもの
である。金属AlまたはAl合金に限定するのは還元力が強
く、上記の低級酸化物を還元させやすいからである。
【0024】次いで、真空脱ガス装置を用いて真空脱炭
処理を行う。本発明方法で用いる真空脱ガス装置は、真
空槽内の溶鋼へ酸素ガスを上吹きまたは浸漬で供給する
ことができる装置を備えておれば、いかなる装置でもよ
い。この装置により、真空槽内の溶鋼に酸素ガスを吹き
付けまたは吹き込みにより添加し、〔C〕が0.003 Wt%
未満になるまで脱炭処理を行う。
処理を行う。本発明方法で用いる真空脱ガス装置は、真
空槽内の溶鋼へ酸素ガスを上吹きまたは浸漬で供給する
ことができる装置を備えておれば、いかなる装置でもよ
い。この装置により、真空槽内の溶鋼に酸素ガスを吹き
付けまたは吹き込みにより添加し、〔C〕が0.003 Wt%
未満になるまで脱炭処理を行う。
【0025】その後、金属AlまたはAl合金を添加して引
き続き脱酸処理を行い、高清浄性極低炭素鋼とする。金
属AlまたはAl合金に限定するのは、還元力が強く、溶鋼
中溶存酸素の低減効果が高いからである。
き続き脱酸処理を行い、高清浄性極低炭素鋼とする。金
属AlまたはAl合金に限定するのは、還元力が強く、溶鋼
中溶存酸素の低減効果が高いからである。
【0026】本発明方法は、上記一連の工程において更
に、下記〜の条件を同時に満足させるものである。
以下、これらの限定理由について説明する。
に、下記〜の条件を同時に満足させるものである。
以下、これらの限定理由について説明する。
【0027】取鍋溶鋼上のスラグ量:10kg/ton・溶鋼
以下 このスラグ量は、出鋼の際に流出したものおよびスラグ
改質剤から生成するものの合計量である。取鍋に付着し
ているスラグ量が甚だしい場合には、この量も考慮する
必要があるが、取鍋付着スラグは受鋼前にできるだけ除
去しておくべきである。
以下 このスラグ量は、出鋼の際に流出したものおよびスラグ
改質剤から生成するものの合計量である。取鍋に付着し
ているスラグ量が甚だしい場合には、この量も考慮する
必要があるが、取鍋付着スラグは受鋼前にできるだけ除
去しておくべきである。
【0028】取鍋溶鋼上のスラグ量が10kg/ton・溶鋼を
こえると、スラグ中のFeO 、MnO (低級酸化物)濃度が
低くても、これらが脱酸後に溶鋼中〔Al〕を酸化し、Al
2O3系介在物を多量に生成させ得る。スラグ中の低級酸
化物の絶対量が多くなるからである。これを図1により
説明する。
こえると、スラグ中のFeO 、MnO (低級酸化物)濃度が
低くても、これらが脱酸後に溶鋼中〔Al〕を酸化し、Al
2O3系介在物を多量に生成させ得る。スラグ中の低級酸
化物の絶対量が多くなるからである。これを図1により
説明する。
【0029】図1は、添加酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)が
下記(1) 式を満たす場合に、溶鋼の清浄性、すなわち真
空精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に及ぼす取鍋溶鋼上の
スラグ量の影響を示す図である。
下記(1) 式を満たす場合に、溶鋼の清浄性、すなわち真
空精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に及ぼす取鍋溶鋼上の
スラグ量の影響を示す図である。
【0030】 (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%) 図1から、取鍋溶鋼上のスラグ量が10kg/Ton・溶鋼を超
えると溶鋼中T.〔O〕は20ppm を超え、鋼の清浄性が急
激に悪化してしまうことがわかる。
えると溶鋼中T.〔O〕は20ppm を超え、鋼の清浄性が急
激に悪化してしまうことがわかる。
【0031】取鍋溶鋼上のスラグ量の望ましい下限は1
kg/ton・溶鋼である。これ未満では溶鋼中Al2O3 介在物
の吸収能に限界が生ずる。
kg/ton・溶鋼である。これ未満では溶鋼中Al2O3 介在物
の吸収能に限界が生ずる。
【0032】真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度
(wt%FeO)+(wt%MnO):5以下 脱酸処理後、溶鋼中〔Al〕との反応によりAl2O3 系介在
物を生成する原因として、スラグ中FeO だけでなくMnO
も考慮する必要がある。このため、スラグ中低級酸化物
濃度として(wt%FeO)+(wt%MnO)を指標とした。この
低級酸化物濃度を或る値以下としなければ、溶鋼中〔A
l〕の再酸化によりAl2O3 系介在物を生じさせ、清浄性
が悪化する。図2によりこの現象を説明する。
(wt%FeO)+(wt%MnO):5以下 脱酸処理後、溶鋼中〔Al〕との反応によりAl2O3 系介在
物を生成する原因として、スラグ中FeO だけでなくMnO
も考慮する必要がある。このため、スラグ中低級酸化物
濃度として(wt%FeO)+(wt%MnO)を指標とした。この
低級酸化物濃度を或る値以下としなければ、溶鋼中〔A
l〕の再酸化によりAl2O3 系介在物を生じさせ、清浄性
が悪化する。図2によりこの現象を説明する。
【0033】図2は、前記および式(1) の2条件を満
たした場合に、真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度
(wt%FeO)+(wt%MnO)が溶鋼の清浄性、すなわち真空
精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に及ぼす影響を示す図で
ある。
たした場合に、真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度
(wt%FeO)+(wt%MnO)が溶鋼の清浄性、すなわち真空
精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に及ぼす影響を示す図で
ある。
【0034】図2から、スラグ中低級酸化物濃度が5wt
%を超えると溶鋼中T.〔O〕は20ppm を超え、鋼の清浄
性が急激に悪化してしまうことがわかる。したがって、
真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+(wt
%MnO)は5wt%以下とする必要がある。
%を超えると溶鋼中T.〔O〕は20ppm を超え、鋼の清浄
性が急激に悪化してしまうことがわかる。したがって、
真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+(wt
%MnO)は5wt%以下とする必要がある。
【0035】スラグ中低級酸化物濃度の望ましい下限は
0.5 Wt%である。この値未満にしようとすれば、スラグ
改質剤中のAlがスラグ中低級酸化物の還元だけでなく、
溶鋼中の溶在酸素を過度に低下させてしまう。そのた
め、真空脱炭中に酸素を供給する時間が長くなり、脱炭
時間が延長する。
0.5 Wt%である。この値未満にしようとすれば、スラグ
改質剤中のAlがスラグ中低級酸化物の還元だけでなく、
溶鋼中の溶在酸素を過度に低下させてしまう。そのた
め、真空脱炭中に酸素を供給する時間が長くなり、脱炭
時間が延長する。
【0036】添加酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)と真空脱
炭前の溶鋼中炭素濃度Y(wt%)との関係:下記式(1) (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) 真空脱炭時の添加酸素ガス量Xが10・Yを超えると、過
剰な酸素ガスにより真空度が悪化し、脱炭速度が低下す
る。さらに、過剰な酸素ガスが溶鋼および溶鋼中Mnを酸
化してFeO 、MnO が生成し、スラグ中の低級酸化物濃度
が増加する。一方、(3.5)・Y未満になると、脱炭
反応に必要な酸素が不足し、脱炭反応が阻害される。連
続鋳造の工程の都合により15分程度の脱炭時間が許容さ
れる場合には、上記添加酸素ガス量Xは(3.5)・Y
から4・Y程度までの範囲とすればよい。脱炭時間を12
分程度以下にする必要がある場合には、Xは4・Yから
10・Yの範囲とするのが望ましい。
炭前の溶鋼中炭素濃度Y(wt%)との関係:下記式(1) (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) 真空脱炭時の添加酸素ガス量Xが10・Yを超えると、過
剰な酸素ガスにより真空度が悪化し、脱炭速度が低下す
る。さらに、過剰な酸素ガスが溶鋼および溶鋼中Mnを酸
化してFeO 、MnO が生成し、スラグ中の低級酸化物濃度
が増加する。一方、(3.5)・Y未満になると、脱炭
反応に必要な酸素が不足し、脱炭反応が阻害される。連
続鋳造の工程の都合により15分程度の脱炭時間が許容さ
れる場合には、上記添加酸素ガス量Xは(3.5)・Y
から4・Y程度までの範囲とすればよい。脱炭時間を12
分程度以下にする必要がある場合には、Xは4・Yから
10・Yの範囲とするのが望ましい。
【0037】図3および図4により、前記およびの
2条件を満足した上で、真空脱炭時の添加酸素ガス量が
脱炭速度と溶鋼の清浄性に及ぼす影響を調査した結果を
説明する。図3は、添加酸素ガス量Xを真空脱炭前の溶
鋼中炭素濃度Yで割った値X/Yと脱炭速度定数Kとの
関係を示す図である。ただし、脱炭速度定数Kは、溶鋼
中炭素濃度の脱炭前の値Y、脱炭後の値Y1 および脱炭
時間Tcから、下記式を用いて計算した。
2条件を満足した上で、真空脱炭時の添加酸素ガス量が
脱炭速度と溶鋼の清浄性に及ぼす影響を調査した結果を
説明する。図3は、添加酸素ガス量Xを真空脱炭前の溶
鋼中炭素濃度Yで割った値X/Yと脱炭速度定数Kとの
関係を示す図である。ただし、脱炭速度定数Kは、溶鋼
中炭素濃度の脱炭前の値Y、脱炭後の値Y1 および脱炭
時間Tcから、下記式を用いて計算した。
【0038】K=ln(Y/Y1 )Tc 図3から、X/Yが特に4〜10の間で高い脱炭速度が得
られることがわかる。
られることがわかる。
【0039】X/Yが10を超えると前記のように真空度
が悪化し、脱炭速度が低下する。一方、X/Yが4未満
では脱炭に必要となる酸素が不足し、やはり脱炭速度が
低下する。
が悪化し、脱炭速度が低下する。一方、X/Yが4未満
では脱炭に必要となる酸素が不足し、やはり脱炭速度が
低下する。
【0040】図4は、添加酸素ガス量Xを真空脱炭前の
溶鋼中炭素濃度Yで割った値X/Yと真空精錬処理後の
溶鋼中T.〔O〕との関係を示す図である。図4から、X
/Yが10を超えると真空精錬処理後の溶鋼中T.〔O〕が
20ppm を超え、鋼の清浄性が急激に悪化することがわか
る。
溶鋼中炭素濃度Yで割った値X/Yと真空精錬処理後の
溶鋼中T.〔O〕との関係を示す図である。図4から、X
/Yが10を超えると真空精錬処理後の溶鋼中T.〔O〕が
20ppm を超え、鋼の清浄性が急激に悪化することがわか
る。
【0041】X/Yが3.5から4未満では、図3から
わかるように脱炭速度がやや低下し、前述のように15分
程度の脱炭時間となるが、図4に示すように鋼の清浄性
は悪化しない。すなわち、脱炭時間に余裕がとれる場合
には、X/Yは3.5から4未満の範囲としてもよい。
しかし、脱炭速度(脱炭時間12分程度以下)と鋼の清浄
性とを両立させたい場合には、X/Yを4〜10の間とす
るのが望ましい。
わかるように脱炭速度がやや低下し、前述のように15分
程度の脱炭時間となるが、図4に示すように鋼の清浄性
は悪化しない。すなわち、脱炭時間に余裕がとれる場合
には、X/Yは3.5から4未満の範囲としてもよい。
しかし、脱炭速度(脱炭時間12分程度以下)と鋼の清浄
性とを両立させたい場合には、X/Yを4〜10の間とす
るのが望ましい。
【0042】本発明方法では、さらに以下の条件を満足
することが望ましい。
することが望ましい。
【0043】炉からの出鋼時の望ましい溶鋼中炭素濃度
は0.02〜0.08Wt%である。この範囲が炉での経済的な脱
炭限界であるからである。これよりも低い炭素濃度まで
転炉で脱炭すると、転炉内で溶鋼中の炭素だけでなく溶
鉄および溶鋼中Mnの酸化が生じ、スラグ中のFeO 、MnO
濃度が増大する。このスラグは転炉からの出鋼流と共に
取鍋に流入し、取鍋スラグ中の低級酸化物が非常に高く
なる。したがって、真空脱炭処理前のスラグ改質処理に
より、スラグ中(wt%FeO)+(wt%MnO)を低減すること
が難しくなる。
は0.02〜0.08Wt%である。この範囲が炉での経済的な脱
炭限界であるからである。これよりも低い炭素濃度まで
転炉で脱炭すると、転炉内で溶鋼中の炭素だけでなく溶
鉄および溶鋼中Mnの酸化が生じ、スラグ中のFeO 、MnO
濃度が増大する。このスラグは転炉からの出鋼流と共に
取鍋に流入し、取鍋スラグ中の低級酸化物が非常に高く
なる。したがって、真空脱炭処理前のスラグ改質処理に
より、スラグ中(wt%FeO)+(wt%MnO)を低減すること
が難しくなる。
【0044】脱酸時の溶鋼中の望ましいsol.Al濃度は0.
01Wt%以上、更に望ましいのは0.03Wt%以上0.1 Wt%以
下である。スラグ中のFeO を還元するためには、溶鋼中
のsol.Al濃度が或る程度以上必要であるためである。so
l.Alが0.01Wt%未満では、Alの還元力が弱く、スラグ中
のFeO を1Wt%以下に低減できない。また、sol.Alが0.
03Wt%以上あれば、スラグ中の FeO、MnO の還元速度は
向上し、脱酸時間を短縮することができる。
01Wt%以上、更に望ましいのは0.03Wt%以上0.1 Wt%以
下である。スラグ中のFeO を還元するためには、溶鋼中
のsol.Al濃度が或る程度以上必要であるためである。so
l.Alが0.01Wt%未満では、Alの還元力が弱く、スラグ中
のFeO を1Wt%以下に低減できない。また、sol.Alが0.
03Wt%以上あれば、スラグ中の FeO、MnO の還元速度は
向上し、脱酸時間を短縮することができる。
【0045】添加酸素ガスとしては、純酸素以外に二酸
化炭素、Ar−O2混合ガスあるいはN2−O2混合ガス等の酸
化性ガスを用いることができる。純酸素以外の場合は、
各々の添加ガス中に含まれる酸素純分換算値を使用す
る。二酸化炭素の場合には、CO2 →CO+1/2 ・O2
の反応が生じるとして酸素純分換算値を用いる。
化炭素、Ar−O2混合ガスあるいはN2−O2混合ガス等の酸
化性ガスを用いることができる。純酸素以外の場合は、
各々の添加ガス中に含まれる酸素純分換算値を使用す
る。二酸化炭素の場合には、CO2 →CO+1/2 ・O2
の反応が生じるとして酸素純分換算値を用いる。
【0046】上記の酸素ガスあるいは酸化性ガスの吹き
付けは、真空槽内に設けた昇降ランスあるいは真空槽
(浸漬管)内壁に設けた斜め上吹き羽口から行ってもよ
い。吹き込みを行う場合には、真空槽(浸漬管)内壁に
設けた浸漬羽口あるいは取鍋溶鋼内に浸漬可能で、かつ
真空槽内の溶鋼に吹き込み可能なように設けた昇降ラン
ス羽口から行ってもよい。
付けは、真空槽内に設けた昇降ランスあるいは真空槽
(浸漬管)内壁に設けた斜め上吹き羽口から行ってもよ
い。吹き込みを行う場合には、真空槽(浸漬管)内壁に
設けた浸漬羽口あるいは取鍋溶鋼内に浸漬可能で、かつ
真空槽内の溶鋼に吹き込み可能なように設けた昇降ラン
ス羽口から行ってもよい。
【0047】
【実施例】転炉で〔C〕=0.02〜0.05Wt%まで粗脱炭し
た溶鋼(温度:1650℃)を250Ton取鍋に出鋼した。その
際に、不可避的に転炉から取鍋に流出したスラグなどを
改質するために、金属Alを含有する下記組成のスラグ改
質剤2kg/ton・溶鋼を添加した。その後、下記真空脱ガ
ス処理装置と条件で真空脱炭処理を行い炭素濃度を0.00
3%以下にまで低下させた。その際、真空脱炭初期に所定
の酸素ガスを真空槽側壁に設けた羽口から吹き付けた。
た溶鋼(温度:1650℃)を250Ton取鍋に出鋼した。その
際に、不可避的に転炉から取鍋に流出したスラグなどを
改質するために、金属Alを含有する下記組成のスラグ改
質剤2kg/ton・溶鋼を添加した。その後、下記真空脱ガ
ス処理装置と条件で真空脱炭処理を行い炭素濃度を0.00
3%以下にまで低下させた。その際、真空脱炭初期に所定
の酸素ガスを真空槽側壁に設けた羽口から吹き付けた。
【0048】 スラグ改質剤の化学組成:Al40Wt%、CaCO3 60Wt% 真空脱ガス処理装置:真空槽側壁に酸素上吹き羽口を備
え、真空槽下部に設けた浸漬管(上昇管、下降管)を取
鍋内溶鋼に浸漬し、真空槽内を真空排気し、上昇管から
溶鋼リフトポンプ用の不活性ガスを吹き込み、溶鋼を環
流させる真空脱ガス装装置 真空槽内圧力:50〜200Torr(真空脱炭初期)、1〜2To
rr(それ以降〜処理末期) (試験1)出鋼時のスラグ改質により、取鍋スラグ中の
(wt%FeO)+(wt%MnO)を5%以下とした。また、出鋼
時に転炉スラグストッパーを利用し、真空脱炭前の取鍋
溶鋼上のスラグ量を全てのヒートで10kg/ton・溶鋼以下
とした。
え、真空槽下部に設けた浸漬管(上昇管、下降管)を取
鍋内溶鋼に浸漬し、真空槽内を真空排気し、上昇管から
溶鋼リフトポンプ用の不活性ガスを吹き込み、溶鋼を環
流させる真空脱ガス装装置 真空槽内圧力:50〜200Torr(真空脱炭初期)、1〜2To
rr(それ以降〜処理末期) (試験1)出鋼時のスラグ改質により、取鍋スラグ中の
(wt%FeO)+(wt%MnO)を5%以下とした。また、出鋼
時に転炉スラグストッパーを利用し、真空脱炭前の取鍋
溶鋼上のスラグ量を全てのヒートで10kg/ton・溶鋼以下
とした。
【0049】以上の条件で、酸素ガス添加量Xを種々変
更し、脱炭時間に及ぼす影響を調査した。表1にその結
果を示す。
更し、脱炭時間に及ぼす影響を調査した。表1にその結
果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すように、X/Y=4〜10の関係
を満たせば12分以下で脱炭できること、X/Yが3.5
〜4未満では約15分程度で脱炭できること、X/Yが
3.5〜10の範囲外では脱炭時間が長くなることがわか
る。
を満たせば12分以下で脱炭できること、X/Yが3.5
〜4未満では約15分程度で脱炭できること、X/Yが
3.5〜10の範囲外では脱炭時間が長くなることがわか
る。
【0052】次に、表1と同一ヒートでの鋼の清浄性を
調査し、成品疵指数で評価した。表2にその結果を示
す。ただし、成品疵指数はヒートNo.1の結果を基準とし
た。
調査し、成品疵指数で評価した。表2にその結果を示
す。ただし、成品疵指数はヒートNo.1の結果を基準とし
た。
【0053】
【表2】
【0054】表2から、X/Yが10以下では真空精錬後
T.〔O〕は20ppm 以下、成品疵指数も1.2 以下と良好で
あった。これに対し、X/Yが10を超えたヒートでは成
品疵指数は4以上と悪化した。X/Yが10以下では、い
ずれも 品疵指数は1.2 以下と低位にあるものの、X/
Yが3.5未満になると、表1の結果から脱炭時間が約
15分程度以上に延長することが確実であり、連続鋳造と
のマッチングを考慮すると実用的ではない。
T.〔O〕は20ppm 以下、成品疵指数も1.2 以下と良好で
あった。これに対し、X/Yが10を超えたヒートでは成
品疵指数は4以上と悪化した。X/Yが10以下では、い
ずれも 品疵指数は1.2 以下と低位にあるものの、X/
Yが3.5未満になると、表1の結果から脱炭時間が約
15分程度以上に延長することが確実であり、連続鋳造と
のマッチングを考慮すると実用的ではない。
【0055】(試験2)X/Yを3.5〜10とした条件
で、取鍋溶鋼上のスラグ量および真空脱炭前取鍋スラグ
中(wt%FeO)+(wt%MnO)を種々変更し、清浄性との関
係を調査し、成品疵指数で評価した。表3にその結果を
示す。ただし、成品疵指数はヒートNo.1の結果を基準と
した。
で、取鍋溶鋼上のスラグ量および真空脱炭前取鍋スラグ
中(wt%FeO)+(wt%MnO)を種々変更し、清浄性との関
係を調査し、成品疵指数で評価した。表3にその結果を
示す。ただし、成品疵指数はヒートNo.1の結果を基準と
した。
【0056】
【表3】
【0057】表3の結果から、成品疵指数を1.2 以下に
するには、さらに取鍋スラグ量を10kg/ton・溶鋼以下、
かつ真空脱炭前取鍋スラグ中(wt%FeO)+(wt%MnO)≦
5を同時に満足させる必要があることがわかる。
するには、さらに取鍋スラグ量を10kg/ton・溶鋼以下、
かつ真空脱炭前取鍋スラグ中(wt%FeO)+(wt%MnO)≦
5を同時に満足させる必要があることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明方法によれば、真空脱炭速度を低
下させることなく、極低炭素鋼の清浄性を著しく向上さ
せることができる。
下させることなく、極低炭素鋼の清浄性を著しく向上さ
せることができる。
【図1】真空精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に及ぼす取
鍋溶鋼上のスラグ量の影響を示す図である。
鍋溶鋼上のスラグ量の影響を示す図である。
【図2】真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%Fe
O)+(wt%MnO)が真空精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に
及ぼす影響を示す図である。
O)+(wt%MnO)が真空精錬処理後の溶鋼中のT.〔O〕に
及ぼす影響を示す図である。
【図3】添加酸素ガス量Xを真空脱炭前の溶鋼中炭素濃
度Yで割った値X/Yと脱炭速度定数Kとの関係を示す
図である。
度Yで割った値X/Yと脱炭速度定数Kとの関係を示す
図である。
【図4】添加酸素ガス量Xを真空脱炭前の溶鋼中炭素濃
度Yで割った値X/Yと真空精錬処理後の溶鋼中T.
〔O〕との関係を示す図である。
度Yで割った値X/Yと真空精錬処理後の溶鋼中T.
〔O〕との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】未脱酸または弱脱酸溶鋼を取鍋へ出鋼する
際に金属AlまたはAl合金を含有するスラグ改質剤を添加
し、その後真空脱ガス装置を用いて真空脱炭処理を行う
際に、真空槽内溶鋼に酸素ガスを吹き付けまたは吹き込
みにより添加し、脱炭処理終了後に金属AlまたはAl合金
を添加し、引き続き脱酸処理を行う高清浄性極低炭素鋼
の製造方法であって、下記〜の条件を同時に満たす
ことを特徴とする高清浄性極低炭素鋼の製造方法。 取鍋溶鋼上のスラグ量が10kg/ton・溶鋼以下 真空脱炭前のスラグ中低級酸化物濃度(wt%FeO)+
(wt%MnO)が5以下 下記式(1) の関係を満たす酸素量X(Nm3/ton・溶鋼)
を添加 (3.5)・Y≦X≦10・Y ・・・・・・・・・・(1) ただし、Y:真空脱炭前の溶鋼中炭素濃度(wt%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19280295A JPH0941028A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 高清浄性極低炭素鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19280295A JPH0941028A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 高清浄性極低炭素鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0941028A true JPH0941028A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16297238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19280295A Pending JPH0941028A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 高清浄性極低炭素鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0941028A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103305655A (zh) * | 2012-03-08 | 2013-09-18 | 杰富意钢铁株式会社 | 通过使用真空脱气系统以熔炼技术来制造超低碳钢的方法 |
JP2014509345A (ja) * | 2011-01-14 | 2014-04-17 | ニューコア・コーポレーション | 鋼脱硫方法 |
US20170271881A1 (en) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | General Electric Company | Rotor synchronization of cross-compound systems on turning gear |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP19280295A patent/JPH0941028A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014509345A (ja) * | 2011-01-14 | 2014-04-17 | ニューコア・コーポレーション | 鋼脱硫方法 |
CN103305655A (zh) * | 2012-03-08 | 2013-09-18 | 杰富意钢铁株式会社 | 通过使用真空脱气系统以熔炼技术来制造超低碳钢的方法 |
US20170271881A1 (en) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | General Electric Company | Rotor synchronization of cross-compound systems on turning gear |
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