JPH094015A - 水洗トイレ用芳香洗浄容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】洗浄固形剤が容器内で大きく動揺して割れやひ
びが入るようなことがなく、一定濃度の芳香洗浄溶液を
供給することができ、しかも洗浄固形剤の全量を使用で
きるようにする。 【構成】底部に洗浄溶液の流出口７を有する上部開口の
椀体２と、椀体２の開口上部を閉止するキャップ３とよ
りなる容器の上面または側面に芳香放散用の窓を兼ねる
取水口６を設け、前記キャップ３の上部に、中空にして
下部がキャップ内面に開口する略半球状の芳香剤収納部
３ａを突設してこの芳香剤収納部の下部開口部を通気性
を有するシート１５で仕切り、椀体の内底に載置した固
形洗浄剤４を逆さカップ状のカバー５で覆い、このカバ
ー５の周壁１７下縁に導水用の切欠部１８を形成し、同
カバー内に固形洗浄剤４の上半部を囲むガイド枠２０を
カバーの頂部内面から垂下させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は水洗トイレの貯水タンク
上蓋の受水面上に取り付けて使用する芳香洗浄容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】芳香洗浄容器には、容器の上部に芳香剤
を備えて芳香を放散するとともに、便器の水洗時に貯水
タンクへ供給される水をタンク蓋の皿状受水面に載せた
芳香洗浄容器内に通水させることにより、容器内の固形
洗浄剤の一部を溶かした溶液を水とともに貯水タンク内
へ貯留させ、便器の水洗に供するものがある。

【０００３】固形洗浄剤は使用の経過とともに溶かされ
て高さを減じ、全量が使用されるようになっているが、
使用中に固形洗浄剤が振動や水の流れによって容器内で
倒れると、固形洗浄剤が容器の内壁に粘り付いて全量を
使用することができなくなり、固形洗浄剤と水との接触
面積が変わって一定濃度の洗浄溶液を供給することがで
きなくなる。

【０００４】また、芳香洗浄容器の使用前における保管
あるいは輸送中の振動で固形洗浄剤が容器内で大きく動
揺すると、固形洗浄剤が容器内壁にぶつかって割れやひ
びが生じることがあり、固形洗浄剤に割れやひびが生じ
ると商品価値が下がるだけでなく、使用中には固形洗浄
剤と水との接触面積が割れやひびの分大となって一定濃
度の洗浄溶液を供給することができなくなる。

【０００５】そこで従来の芳香洗浄容器では、固形洗浄
剤の外径より内径がひと回り大なる逆さカップ状のカバ
ーを固形洗浄剤の上から被せ、固形洗浄剤が大きく動揺
したり倒れたりしないようにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の芳香洗
浄容器では、前記カバーの内壁と固形洗浄剤の外周との
間の隙間に水が立ち上がって固形洗浄剤の外周を上方ま
で溶かしてしまうことがあり、一定濃度の洗浄溶液を供
給することができなくなったり、固形洗浄剤がカバーの
内壁に粘り付いて固形洗浄剤の全量を使用できなったり
するという問題がある。

【０００７】一方、カバーの内径を固形洗浄剤の外径よ
りも充分大なるものとすれば、カバーの内壁と固形洗浄
剤の外周との間の隙間に水が立ち上がることはなくなる
が、カバーの内径を拡げた分、固形洗浄剤が動揺し易く
なり、使用前における容器の保管あるいは輸送中の振動
で固形洗浄剤に割れやひびが生じ易いという問題があ
る。

【０００８】本発明は固形洗浄剤が容器内で大きく動揺
して割れやひびが入るようなことがなく、一定濃度の芳
香洗浄溶液を供給することができ、しかも固形洗浄剤の
全量を使用できて無駄のない芳香洗浄容器を提供するこ
とを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る水洗トイレ用芳香洗浄容器は底部に洗
浄溶液の流出口を有する上部開口の椀体と、椀体の開口
上部を閉止するキャップとよりなる容器の上面または側
面に芳香放散用の窓を兼ねる取水口を設け、前記キャッ
プの上部に、中空にして下部がキャップ内面に開口する
略半球状の芳香剤収納部を突設してこの芳香剤収納部の
下部開口部を通気性を有するシートで仕切り、椀体の内
底に載置した固形洗浄剤を逆さカップ状のカバーで覆
い、このカバーの周壁下縁に導水用の切欠部を形成し、
同カバー内に固形洗浄剤の上半部を囲むガイド枠をカバ
ーの頂部内面から垂下させた構造のものとしてある。

【００１０】

【作用】キャップの上部に設けられた芳香剤収納部内の
芳香剤から通気性シートを通して芳香が放散され、この
芳香は容器の上面または側面に設けられた取水口から容
器外部へ放散される。また、取水口から容器内へ流入し
た水は固形洗浄剤のカバーの周壁下縁に形成された切欠
部からカバー内に入り、固形洗浄剤を下面から溶かし、
洗浄溶液となって流出口から水洗トイレの貯水タンク内
に供給される。

【００１１】前記カバー内に収納された固形洗浄剤はカ
バーの頂部内面から垂下するガイド枠によって側面を支
持されて、使用前における容器の保管中または輸送中の
振動あるいは使用中における容器の振動や水の流れによ
って大きく動揺したり倒れたりせず、固形洗浄剤に割れ
やひびが入ったりしない。また、カバーの前記ガイド枠
は固形洗浄剤の上半部のみを囲み、ガイド枠の下縁には
水に接触しないので、固形洗浄剤の外周とガイド枠の内
周間の隙間に水が立ち上がらず、固形洗浄剤がカバーの
内壁に粘り付くようなことがない。

【００１２】したがって、一定濃度の洗浄溶液を供給す
ることができ、しかも固形洗浄剤の全量を無駄なく使用
することができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明に係る芳香洗浄容器の具体例を
図１〜４に基づいて詳細に説明する。図において、符号
１は芳香洗浄容器、２は上部が開口する椀体、３は椀体
の開口上部を閉止するキャップ、５は固形洗浄剤４を覆
う逆さカップ状のカバーを示している。

【００１４】椀体２の側面には後述の芳香を放散させる
ための窓を兼ねる複数の取水口６をあけてあって、椀体
の底部中央には洗浄溶液の流出口７を中心に導水溝８を
放射状に形成してあり、導水溝間には固形洗浄剤４を載
せる坐部９を一段高く設けてある。導水溝８は流出口７
に向かって若干の下り勾配を付したものとしてあり、導
水溝８の外側端には椀体の下面に開口する下部取水口１
０をあけてある。

【００１５】椀体２の底面中央には、洗浄溶液の流出口
７に続く筒状の差込口１１が下方へ向かって突設されて
いて、この差込口１１を、水洗トイレの貯水タンク上蓋
の皿状受水面１２における通水孔１３に挿入することに
より、芳香洗浄容器１を取り付けるようになっている。

【００１６】差込口１１には軸線方向へ複数のスリット
１１ａを形成してあって、受水面１２の通水孔１３の径
が小さい場合には、通水孔の径に合わせてある程度縮径
できるようにしてある。なお、図中の符号１４は椀体２
を受水面１２上に安定して載せるための脚を示してい
る。

【００１７】キャップ３の上部には中空の略半球状に形
成された芳香剤収納部３ａが設けられていて、芳香剤収
納部３ａの下部はキャップ内に開口している。芳香剤収
納部３ａの開口下部は通気性を有するシート１５で仕切
ってあって、内部には、例えばゲル状の芳香剤１６を収
納してある。通気性を有するシート１５には例えば芳香
剤１６自体を通さない程度に目の細かい不織布を使用す
る。

【００１８】固形洗浄剤４を覆うカバー５は内径が固形
洗浄剤４の外径よりも充分大なる周壁１７の下端縁に、
椀体２内に流入した水をカバー５内へ導くための切欠部
１８を形成してあり、周壁１７が椀体２の内底面に突設
された突片１９に保持されて動揺しないようになってい
る。

【００１９】しかしてカバー５の内部には、周壁１７と
同心で、カバーの頂部内面から垂下する下部開口の筒状
ガイド枠２０を設けてある。このガイド枠２０の長さは
椀体２の坐部９上に載せられた固形洗浄剤４の上半部を
囲む程度のものとしてあり、またガイド枠２０の内径
は、ガイド枠の下端縁が固形洗浄剤４の外周に接触しな
い程度にしてある。

【００２０】上述のように構成される本発明の芳香洗浄
容器は、椀体２底面の差込口１１を水洗トイレの貯水タ
ンク上蓋の受水面１２に開口する通水孔１３に差し込ん
で使用する。便器の水洗時に貯水タンクの給水口から供
給される水は椀体２の側面にあけた取水口６から椀体内
に流入し、カバー５の周壁１７における切欠部１８から
カバー内に流れ込んで固形洗浄剤４を下面から溶かして
洗浄溶液となり、導水溝８を経て流出口７から流れ出
る。また、受水面１２上からの水は椀体２下面の下部取
水口１０から椀体２内に流入し、洗浄溶液と混合されて
流出口７から流れ出る。

【００２１】この際、固形洗浄剤４の外周とカバー５の
周壁１７との間には充分な隙間があり、しかもガイド枠
２０は固形洗浄剤４の上半部のみを囲んでいるので、固
形洗浄剤のまわりに水が立ち上がるようなことはない。
また、固形洗浄剤４はカバー５内のガイド枠２０によっ
て囲まれているので、芳香洗浄容器の振動や水の流れに
よって動揺したり倒れたりすることがない。

【００２２】したがって、固形洗浄剤は流入した水によ
って下面から溶かされて使用の経過とともに高さを減
じ、固形洗浄剤の頂部まで、すなわち固形洗浄剤の全量
が無駄なく使用される。

【００２３】一方、キャップ３の芳香剤収納部３ａ内の
芳香剤１６からは通気性シート１５を通して芳香が放散
され、この芳香は椀体２の側面にあけた取水口６から外
部へ放散される。

【００２４】上述した実施例においては、芳香放散用の
窓を兼ねる取水口６を椀体２の側面にあけてあるが、図
５、６に示す芳香洗浄容器２１のように椀体２２の側面
には取水口を設けず、キャップ２３の上面の芳香剤収納
部２３ａまわりに取水口２４を設けるようにして、この
取水口２４から固形洗浄剤を溶かすための水を取り入れ
るとともに、芳香を放散させるようにしてもよい。

【００２５】また、上述した実施例においては固形洗浄
剤のカバー５内部のガイド枠２０を、固形洗浄剤の全周
を囲む連続した筒状のものとしてあるが、図７に示すよ
うにガイド枠２５を固形洗浄剤が倒れない程度の隙間を
あけた不連続なものに形成してもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る水洗トイレ用芳香洗浄容器
は上述した構成のものとしてあるので、次の効果を奏し
得る。カバー内に収納される固形洗浄剤はカバーの頂部
内面から垂下するガイド枠によって側面を支持されるの
で、使用前における容器の保管中あるいは輸送中の振動
により固形洗浄剤に割れやひびが入るようなことがな
く、また、使用中における容器の振動や水の流れで倒れ
るようなこともない。

【００２７】また、ガイド枠は固形洗浄剤の上半部のみ
を囲み、ガイド枠の下縁には水に接触しないので、固形
洗浄剤の外周とガイド枠の内周間の隙間に水が立ち上が
らず、固形洗浄剤がカバーの内面に粘り付くようなこと
がない。

【００２８】したがって、本発明に係る芳香洗浄容器に
よれば、常に一定濃度の洗浄溶液を供給することがで
き、しかも固形洗浄剤の全量を無駄なく使用することが
できる。また、芳香剤収納部内の芳香剤から、容器にあ
けた取水口を通して芳香が容器外部へ放散され、トイレ
内の空気をさわやかにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る芳香洗浄容器の実施例を示す正面
図。

【図２】本発明に係る芳香洗浄容器の実施例を示す縦断
面図。

【図３】椀体の内底を示す平面図。

【図４】固形洗浄剤のカバーの底面図。

【図５】本発明に係る芳香洗浄容器の他の実施例を示す
平面図。

【図６】同上の縦断面図。

【図７】固形洗浄剤のカバーの他の実施例を示す底面
図。

【符号の説明】

１ 芳香洗浄容器 ２ 椀体 ３ キャップ ３ａ 芳香剤収納部 ４ 固形洗浄剤 ５ カバー ６ 取水口 ７ 流出口 ８ 導水溝 ９ 坐部 １０ 下部取水口 １１ 差込口 １１ａ スリット １２ 貯水タンクの受水面 １３ 通水孔 １４ 脚 １５ 通気性シート １６ 芳香剤 １７ 周壁 １８ 切欠部 １９ 突片 ２０ ガイド枠 ２１ 芳香洗浄容器 ２２ 椀体 ２３ キャップ ２３ 芳香剤収納部 ２４ 取水口 ２５ ガイド枠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】底部に洗浄溶液の流出口を有する上部開口
   の椀体と、椀体の開口上部を閉止するキャップとよりな
   る容器の上面または側面に芳香放散用の窓を兼ねる取水
   口を設け、前記キャップの上部に、中空にして下部がキ
   ャップ内面に開口する略半球状の芳香剤収納部を突設し
   てこの芳香剤収納部の下部開口部を通気性を有するシー
   トで仕切り、椀体の内底に載置した固形洗浄剤を逆さカ
   ップ状のカバーで覆い、このカバーの周壁下縁に導水用
   の切欠部を形成し、同カバー内に固形洗浄剤の上半部を
   囲むガイド枠をカバーの頂部内面から垂下させてなる水
   洗トイレ用芳香洗浄容器。