JP2601642Y2 - 水洗トイレ用芳香洗浄容器 - Google Patents

水洗トイレ用芳香洗浄容器

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JP2601642Y2
JP2601642Y2 JP1993007384U JP738493U JP2601642Y2 JP 2601642 Y2 JP2601642 Y2 JP 2601642Y2 JP 1993007384 U JP1993007384 U JP 1993007384U JP 738493 U JP738493 U JP 738493U JP 2601642 Y2 JP2601642 Y2 JP 2601642Y2
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将生 山本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はタンク式水洗トイレの貯
水タンク上面蓋の受水面上に取り付けて使用する芳香洗
浄容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香洗浄容器として様々な形状、
構造のものが考案されているが、便器の水洗時に貯水タ
ンクへ補給される水を利用してタンクの上蓋の皿状受水
面に置いた芳香洗浄容器内の芳香洗浄固形剤の一部を溶
かし、トイレ内に芳香を放つとともに芳香洗浄溶液を貯
水タンク内に貯留させて便器の水洗に供するものがあ
る。
【0003】従来のこの種の芳香洗浄容器には、容器内
の底部に放射状に形成した流水溝の中心部に洗浄溶液流
出孔を設け、流水溝間の座部に載せた芳香洗浄固形剤の
下面を溶かし、芳香洗浄溶液を洗浄溶液流出孔から貯水
タンク内に流し込むようにしたものがある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上述の芳香洗浄容器で
は、芳香洗浄固形剤と固形剤を入れたカップとの間隙に
水が立ち上がり、芳香洗浄固形剤が側面から溶けてカッ
プ内面に粘り付き、固形剤が下方に落ちにくくなって、
固形剤と容器内に流入する水との接触面積が小さくな
り、芳香洗浄溶液が薄くなるという問題点がある。ま
た、芳香洗浄容器の取り付けが不安定であると芳香洗浄
容器が受水面上の水流によって動揺し、固形剤がカップ
に接触してしまう。
【0005】本考案は受水面上に安定かつ簡単に取り付
けることができ、しかも一定濃度の芳香洗浄溶液を流し
出すことのできる芳香洗浄容器を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本考案の
芳香洗浄容器は芳香洗浄溶液の流出孔を底部中央に備
え、同流出孔のまわりにあけた水流入孔へ水を導くため
のリブを底部下面に備え、開口上部がキャップによって
密閉された椀状の容器本体内に、芳香洗浄固形剤を入れ
た有蓋で下方が開口する下部拡径のテーパー状カップを
設け、同カップの開口縁を容器本体内に設けた支持突起
によって容器本体の内底面よりも高い位置に支承し、前
記固形剤をカップ内から容器本体の内底面へ降下させる
ことにより固形剤とカップ内面との間に隙間をあけ、前
記支持突起の上部にカップの開口縁を容器本体内中央に
導く位置決め用のガイド片を突設したものとしてある。
【0007】また、請求項2に係る本考案の芳香洗浄容
器は前記洗浄溶液流出孔に上下両端を開成する筒状の
差込口を着脱可能に嵌合させたものとしてある。
【0008】
【作用】水流入孔から容器内に流れ込んだ水は容器本体
の内底面上に載せられた芳香洗浄固形剤を下面から溶か
し、芳香洗浄溶液となって洗浄溶液流出孔からトイレの
貯水タンク内へ供給される。カップの開口縁は支持突起
によって容器本体の内底面よりも高い位置に支承されて
いるので、固形剤とカップ内面との間に水が立ち上がら
ない程度の隙間が確保される。
【0009】また、カップは容器本体内周に設けられた
ガイド片によって容器本体内の中央にセットされるの
で、使用中における固形剤とカップ内面との接触が防止
される。
【0010】これにより、固形剤がカップに粘り付くよ
うなことはなく、固形剤は常に容器本体の内底面に接し
て下面から溶解されていくので、固形剤の全量が使用さ
れて、しかも一定濃度の芳香洗浄溶液が貯水タンク内へ
供給される。
【0011】さらに、請求項2に係る芳香洗浄容器によ
れば、洗浄溶液流出孔に嵌合した差込口を水洗トイレの
貯水タンク上蓋の皿状受水面における通水用の孔に挿入
することにより容器本体が受水面上に安定して取り付
けられる。
【0012】
【実施例】以下本考案の一具体例を図1〜7に基づいて
詳細に説明する。図1〜3は本考案に係る水洗トイレ用
芳香洗浄容器のそれぞれ平面図、縦断側面図、底面図を
示しており、図中の符号1は容器本体、2はキャップ、
3は芳香洗浄固形剤4収納用のカップを示している。
【0013】容器本体1はほぼ椀状のものとしてあっ
て、その底部中央には洗浄溶液流出孔5をあけてあり、
同流出孔5を中心として水流入孔6、6および7、7を
放射状にあけてある。
【0014】水流入孔6の長手方向の両側と水流入孔7
の長手方向中央にはそれぞれ導水用のリブ6a、7aを
下方に向かって設けてあって、タンク蓋の受水面上の水
を水流入孔7から容器本体1内へ導くようにしてある。
【0015】洗浄溶液流出孔5には上下両端を開成する
筒状の差込口8を下方から着脱可能に嵌合してあって、
この差込口8を水洗トイレの貯水タンクの上蓋皿状受水
面11における通水用の孔12に挿入することによって
容器本体1を取り付けるようにしてある。なお、差込口
8の下部には軸線方向へ複数のスリット8aを形成して
あって、受水面11の孔12の径が小さいばあいには、
孔12の径に合わせてある程度縮径できるようにしてあ
る。
【0016】容器本体1内には芳香洗浄固形剤4を入れ
たカップ3を設けてあり、このカップは有蓋で下方が開
口する下部拡径のテーパー状のものとしてあって、開口
縁3aが容器本体1の内周3か所に設けた支持突起1a
にて支承されている。
【0017】この支持突起1aの位置は、後述の方法で
カップ3内の固形剤4をカップ内から容器本体の内底面
に降ろした際、カップ内面と固形剤との間に水が立ち上
がらない程度の高さにカップの開口縁3aを支承するよ
うに設けてあり、また、支持突起1aの上部にはカップ
3を容器本体内の中央にセットするためのガイド片1b
を設けてある。
【0018】カップ3の蓋部3b中央にはピン孔3cが
あけられていて、洗浄固形剤4の上面に設けられた円板
9の中央のピン9aを挿通させている。容器本体1の開
口部を閉止するキャップ2は、容器本体の上部外面に外
側から嵌合することによって取り付けるものとしてあっ
て、このキャップ2の内側における上面中央には押出突
起10を設けてあり、キャップ2を容器本体1に取り付
ける際に、この押出突起10がカップ3のピン孔3cか
ら蓋部3b上に突出しているピン9aを押し下げるもの
としてある。
【0019】なお、固形剤4は開口縁3aを上向きにし
て円板9をセットしたカップ3内へ固形剤の原料を流し
込んで成型するものとしてあって、図7に示すように使
用前においてはカップ3の内面に張り付いており、この
固形剤4は次のようにして容器本体の内底面に降下させ
られる。
【0020】カップ3の開口縁3aを容器本体1内の位
置決め用ガイド片1bに合わせて容器本体内中央にセッ
トし、支持突起1aに載せた後、キャップ2を容器本体
1に嵌合させると、キャップ2の押出突起10がカップ
3のピン孔3cから突出しているピン9aを円板9とと
もに押し下げ、円板9に押し下げられた固形剤4がカッ
プ3から剥がれ落ちて容器本体1の内底面上、すなわち
水流入孔6、7および洗浄溶液流出孔5の上に降下させ
られる。
【0021】上述のように構成される芳香洗浄容器は、
容器本体1底面の差込口8を水洗トイレの貯水タンクの
タンク蓋皿状受水面11に開口する通水用の孔12に挿
入して取り付ける。
【0022】便器の水洗時に給水口から流出する水はリ
ブ6a、7aに案内されて容器本体1の底面にあけた水
流入孔6、6および7、7から容器本体内へ流入し、洗
浄固形剤4の下面に接触して固形剤を溶かし、芳香洗浄
溶液となって流出孔5から流れ出る。下面から溶かされ
る固形剤は使用の経過とともに高さを減じ、固形剤の頂
部まですなわち固形剤の全量が使用される。
【0023】容器本体は通水孔12を塞ぐように取り付
けるので、給水口から流れ出る水の量が多いばあいには
容器本体の周りに水が溜まることがあるが、容器の上部
はキャップ2で密閉されているので、容器内に流入しよ
うとする水は容器内の気圧に抗して流入しなければなら
ず、容器内に大量の水が流れ込むことがない。したがっ
て、給水口から流れ出る水の量が多くても固形剤に接触
する水の量はさほど増加せず、一定濃度の芳香洗浄溶液
を貯水タンク内に供給することができる。
【0024】なお、前記受水面11における通水用の孔
12にはタンク内へごみが流れ込まないように金網など
で塞がれたものがあり、差込口8を挿入できないばあい
があるが、このばあいには差込口8を容器本体1から取
り外し、洗浄溶液流出孔5が通水孔12の直上になるよ
うにして容器を設置する。
【0025】この際、容器本体底面に設けられたリブ6
a、7aが容器本体を受水面11上に支持し、流入孔
6、7と受水面11との間に水を容器内に流入させるた
めの間隔を確保する。
【0026】
【考案の効果】本考案に係る芳香洗浄容器によれば、カ
ップ内に収納された芳香洗浄固形剤が容器本体の内底面
に降下させられることによりカップ内面と固形剤との間
に水が立ち上がらない程度に充分な隙間が確保される。
【0027】また、容器本体の開口上部がキャップによ
って密閉されているとともに、水流入孔および洗浄溶液
流出孔は底面に開成しているので、容器周囲の水位が上
昇しても容器内へ流入する水の水位上昇は容器内の空気
によって妨げられ、しかも芳香洗浄固形剤のカップは芳
香洗浄固形剤が載せられる容器本体の内底面よりも高い
位置に支持されているので、容器内に流れ込む水はカッ
プに触れない。
【0028】さらに、カップは容器本体内周に設けられ
たガイド片によって容器本体内中央にセットされるの
で、使用中におけるカップと固形剤との間の隙間が常に
維持される。
【0029】したがって、固形剤とカップの間に水が立
ち上がることによって固形剤がカップに粘り付くという
従来の問題点が解消され、固形剤は常に容器本体の内底
面に接して下面から溶解されていくので、一定濃度の芳
香洗浄溶液を貯水タンク内へ供給することができる。
【0030】さらに、洗浄溶液流出孔に嵌合された差込
口を受水面の孔に挿入することにより、容器本体を受水
面上に安定して取り付けることができ、またこの差込口
は取り外しができるものとしてあるので、受水面の孔が
金網などによって塞がれていても受水面上に取り付ける
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す平面図。
【図2】同上の縦断正面図。
【図3】同上の底面図。
【図4】容器本体からキャップを取り外した状態を示す
平面図。
【図5】容器本体の底部を一部拡大して示すV−V線縦
断面図。
【図6】容器本体の底部を一部拡大して示すVI−VI
線縦断面図。
【図7】洗浄固形剤をカップから分離する様子を示す縦
断面図。
【符号の説明】
1 容器本体 1a 支持突起 1b ガイド片 2 キャップ 3 カップ 3a 開口縁 3b 蓋部 3c ピン孔 4 芳香洗浄固形剤 5 洗浄溶液流出孔 6、7 水流入孔 6a、7a リブ 8 差込口 9 円板 9a ピン 10 押出突起 11 受水面 12 孔

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香洗浄溶液の流出孔を底部中央に備え、
    同流出孔のまわりにあけた水流入孔へ水を導くためのリ
    ブを底部下面に備え、開口上部がキャップによって密閉
    された椀状の容器本体内に、芳香洗浄固形剤を入れた有
    蓋で下方が開口する下部拡径のテーパー状カップを設
    け、同カップの開口縁を容器本体内に設けた支持突起に
    よって容器本体の内底面よりも高い位置に支承し、前記
    固形剤をカップ内から容器本体の内底面へ降下させるこ
    とにより固形剤とカップ内面との間に隙間をあけ、前記
    支持突起の上部にカップの開口縁を容器本体内中央に導
    く位置決め用のガイド片を突設してなる水洗トイレ用芳
    香洗浄容器。
  2. 【請求項2】 前記洗浄溶液流出孔に上下両端を開成する
    筒状の差込口を着脱可能に嵌合させてなる請求項1に記
    載の水洗トイレ用芳香洗浄容器。
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