JPH0939965A - 耐寒性シートパレット - Google Patents

耐寒性シートパレット

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JPH0939965A
JPH0939965A JP21510095A JP21510095A JPH0939965A JP H0939965 A JPH0939965 A JP H0939965A JP 21510095 A JP21510095 A JP 21510095A JP 21510095 A JP21510095 A JP 21510095A JP H0939965 A JPH0939965 A JP H0939965A
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Takeshi Kabaya
武 蒲谷
Shigeki Komori
茂樹 小森
Shigemitsu Kanbe
茂光 神戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐低温衝撃性に優れ、耐寒性、剛性、引張強
度等のバランスのよい耐寒性シートパレットを提供す
る。 【解決手段】 (A)プロピレン系重合体95〜50重
量%、および(B)下記(イ)〜(ニ)を満足するエチ
レン(共)重合体5〜50重量% (イ)密度 0.86〜0.
97g/cm (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜50
g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (ニ)組成分布パラメーターCb 2.0以下 からなり、かつ上面の摩擦係数が下面の摩擦係数より大
きく、厚さが0.3〜10mmであるシート状の耐寒シ
ートパレット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高耐寒性のシートパ
レットに関し、さらに詳しくは、プロピレン系重合体、
特定のエチレン(共)重合体および所望によりエチレン
系重合体を含むシートからなり、かつ上面の摩擦係数が
下面のそれより大きく、厚さが0.3〜10mmである
シートパレットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の省資源化に伴って、貨物の流通分
野においても、従来の木製パレットやプラスチック製パ
レットなどの代わりに、軽便なシートパレットを利用す
る流通システムか急速に普及しつつある。シートパレッ
トは、(イ)保管のためのスペースが節約できること、
(ロ)安価であること、(ハ)場合によっては回収を省
略できること、(ニ)製作が簡単であること、および
(ホ)作業能率を向上しうることなど多くの利点を有し
ている。このシートパレットは、プラスチックを主原料
として製作し、その構造や形状さらに組成にも特徴を持
たせた種々のものが提案されている。たとえば、実公昭
55−16821号公報に開示された「荷運び用の台」
は、包装貨物の運搬、移送を行う際に、ポリオレフィン
系熱可塑性樹脂の厚さ0.5ないし3.2mmのシート
パレットの少なくとも上面に粗面が形成されており、か
つ上面は下面よりも荒い面に形成することにより、上面
と貨物との間の静的摩擦係数を下面とプラテンとの間の
滑り摩擦係数よりも高くしたことを特徴とし、これによ
り荷役作業を円滑ならしめている。また、特公昭58−
1023号公報に開示された「スリップパレット」は、
ポリオレフィン樹脂を主成分とし、見掛け比重が0.4
〜0.7の発泡シートに罫線を刻設し、周縁の1箇所以
上にタブを設けたことを特徴とし、罫線部の破断防止や
耐衝撃性などの改良を目的とするシートパレットが提案
されている。これらの方法により、シートパレットの耐
水性、耐油性、耐薬品性、強度、耐熱性、耐衝撃性など
の基本的性状は一応満足できるものが得られている。ま
た耐寒性、耐衝撃性を向上させる材料としてはプロピレ
ン・ブロックコポリマーあるいはポリプロピレンとエチ
レン・プロピレンゴムとのブレンド組成物なども開発さ
れており、たとえば特開昭62−174233号公報に
開示された「耐寒性シートパレット」は、プロピレン重
合体と特定のエチレン・α−オレフィン共重合体とから
なる組成物を用いて、耐寒性を改良することを目的とし
たシートパレットを提案している。さらにポリプロピレ
ンにエチレン・プロピレンゴムおよびポリエチレンを配
合した組成物(たとえば特公昭39−18746号、特
公昭41−7345号、特開昭55−104334号各
公報など)も知られている。しかし近年は物流がより複
雑化し、使用範囲の拡大に伴い高温・低温両面の特性が
要望され、特に寒冷地、冷凍庫内などの超低温下の使用
を考慮して、強度、耐熱性などと同時に耐低温衝撃性の
向上が極めて重要になりつつある。通常プラスチック材
料において強度、剛性、耐熱性などは耐衝撃性とくに耐
低温衝撃性と相反する性状であるため、公知の組成物で
これらを同時に満足させることは困難であり、これら諸
性質間のバランスを考慮したシートパレットの開発が強
く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決することにあり、特に剛性および耐低温衝
撃性のバランスの点で優れた耐寒性シートパレットを提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿って鋭意検討した結果、プロピレン系重合体、特定
のエチレン(共)重合体および所望によりエチレン重合
体を添加してなるシートを用いることにより、著しく耐
寒性、剛性、引張強度等の優れたシートパレットが得ら
れることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本
発明は、(A)プロピレン系重合体95〜50重量%、
および(B)下記の(イ)〜(ニ)の性状を満足するエ
チレン(共)重合体5〜50重量%からなり、かつ上面
の摩擦係数が下面の摩擦係数より大きく、厚さが0.3
〜10mmであるシート状の耐寒性シートパレットを提
供するものである。 (イ)密度 0.86〜0.97g/cm (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜50g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (ニ)組成分布パラメーターCb 2.0以下 さらには、前記(B)エチレン(共)重合体において
は、下記の(ホ)、(ヘ)の性状を満足することがより
好ましい。 (ホ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次
の関係を満足すること 1)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR≧0.93の場合 X<2.0 2)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR<0.93の場合 X<9.8×10×(0.9300−d+0.008
×logMFR)+2.0 (ヘ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数であること また、本発明は、前記(A)プロピレン系重合体95〜
50重量%と前記(B)エチレン(共)重合体5〜50
重量%および(C)他のエチレン系重合体45重量%以
下(ただし、A+B+C合計100重量%)とからな
り、かつ上面の摩擦係数が下面の摩擦係数より大きく、
厚さが0.3〜10mmであるシート状の耐寒性シート
パレットを提供するものである。
【0005】以下に本発明の内容を詳述する。本発明に
使用する(A)プロピレン系重合体としては、プロピレ
ンの単独重合体、プロピレンを主成分とする他のα−オ
レフィンとの共重合体およびそれらの混合物などが使用
されるが、耐熱性の点から結晶性のプロピレン単独重合
体、プロピレン・エチレンブロック共重合体などが好ま
しい。上記プロピレン・α−オレフィン共重合体中のα
−オレフィン含量はそれぞれ1〜20重量%が好まし
い。α−オレフィンの含量が1重量%未満の場合は衝撃
強度が十分ではない。また、α−オレフィンの含量が2
0重量%を超える場合は剛性が低くシート等として適さ
なくなる虞が生じる。上記プロピレン系重合体のメルト
フローレート(以下MFRという)は0.1〜20g/
10分の範囲が好ましく、特に0.3〜10g/10分
が好ましい。MFRが0.1g/10分未満では溶融樹
脂の流動性が悪く、押出機のスクリュー動力が高くなり
過ぎ、良好なシートの生産が困難となる。一方、MFR
が20g/10分を超える場合は、溶融樹脂のウェブが
垂れ下がり、良好な成形ができない。またシートの強度
その他の物性が低下する懸念が生ずる。
【0006】本発明の(B)エチレン(共)重合体は、
エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体であ
る。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好
ましくは3〜12のものであり、具体的にはプロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが
挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量
は、合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜20モ
ル%の範囲で選択されることが望ましい。
【0007】本発明の特定の(B)エチレン(共)重合
体は、(イ)密度が0.86〜0.97、好ましくは
0.89〜0.95g/cm、より好ましくは0.9
0〜0.94g/cmの範囲である。密度が0.86
g/cm未満では剛性耐熱性が劣り、0.97g/c
以上では耐衝撃性(低温脆化温度)が十分でない。
特に、0.90〜0.94g/cmの範囲であれば、
剛性耐熱性と耐衝撃性とがバランスされるシートパレッ
トが得られる。また、(B)エチレン(共)重合体の
(ロ)メルトフローレートは0.01〜50g/10
分、好ましくは0.03〜30g/10分の範囲であ
る。MFRが0.01g/10分未満では成形加工性が
劣り、50g/10分以上では強度が低下する。
【0008】本発明のエチレン(共)重合体の分子量分
布(Mw/Mn)の算出方法は、ゲルパーミエイション
クロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/
Mnを求めるものである。本発明のエチレン(共)重合
体の(ハ)Mw/Mnは1.5〜4.5であり、好まし
くは1.8〜4.0、さらに好ましくは2.0〜3.5
の範囲にあることが望ましい。Mw/Mnが1.5未満
では成形加工性が劣り、4.5以上では耐衝撃性が劣る
虞が生じる。
【0009】本発明のエチレン(共)重合体の(ニ)組
成分布は2.00以下であり、好ましくは1.08〜
2.00、さらに好ましくは1.10〜1.80の範囲
にあることが望ましい。1.08未満では、シート成形
加工性が劣り、2.00以上では、機械的強度の格段な
る改良が望めない虞がある。
【0010】本発明のエチレン(共)重合体の組成分布
パラメーターの測定法は下記の通りである。試料に耐熱
安定剤を加え、ODCBに濃度0.2重量%となるよう
に135℃で加熱溶解する。溶液を、けい藻土(セライ
ト545)を充填したカラムに移送し、0.1℃/分で
25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着する。次
に、ODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5
℃きざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を溶出さ
せ試料を分別する。溶液をメタノールで再沈後、ろ過、
乾燥し、各溶出温度の試料を得る。各試料の重量分率お
よび分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定
する。分岐度(測定値)は13C−NMRにより求め
る。
【0011】30℃から90℃のフラクションについて
は次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温
度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最
小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似
の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を
各フラクションの分岐度とする。溶出温度95℃以上で
は溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないの
でこの補正は行わない。
【0012】次にそれぞれのフラクションの重量分率W
を、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b
−bi−1)で割って相対濃度Cを求め、分岐度に対
して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この
組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パ
ラメーターCbを算出する。
【0013】
【数1】 ここでCとbはそれぞれj番目の区分の相対濃度と
分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組成
が均一である場合に1となり、組成分布が広がるに従っ
て値が大きくなる。
【0014】ポリマーの組成分布を測定する方法は多く
の提案がなされている。例えば特開昭60−88016
では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対
して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をす
ると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)
と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近似計
算は、試科の分岐数と累積重量分率が対数正規分布から
ずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて測定
を行うと相関係数Rはかなり低く、値の精度は充分で
ない。また、このCw/Cnの測定法は、本発明のCb
のそれと異なるが、あえて数値の比較を行えば、Cw/
Cnの値は、Cbよりかなり大きくなる。
【0015】本発明のエチレン(共)重合体の25℃に
おけるODCB可溶分(X重量%)は、下記の方法によ
り測定する。試料0.5gを20mlのODCBに加え
135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、2
5℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テ
フロン製フィルターでろ過してろ液を採取する。試料溶
液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm−1
付近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ作成した検量
線により試料濃度を算出する。この値より、25℃にお
けるODCB可溶分を求める。
【0016】本発明のエチレン(共)重合体は、好まし
くは、(ホ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン
(ODCB)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびM
FRが、密度dおよびMFRの値がd−0.008×l
ogMFR≧0.93を満たす場合は、Xは2重量%未
満であり、d−0.008×logMFR<0.93の
場合はX<9.8×10×(0.9300−d+0.
008×logMFR)+2.0の関係を満足してお
り、好ましくは密度dおよびMFRの値がd−0.00
8×logMFR≧0.93を満たす場合は、Xは1重
量%未満であり、d−0.008×logMFR<0.
93の場合は、X<7.4×10×(0.9300−
d+0.008×logMFR)+1.0であり、さ
らに好ましくは密度dおよびMFRの値がd−0.00
8×logMFR≧0.93を満たす場合は、Xは0.
5重量%未満であり、d−0.008×logMFR<
0.93の場合は、X<5.6×10×(0.930
0−d+0.008×logMFR)+0.5の関係
を満足していることが望ましい。
【0017】25℃におけるオルソジクロロベンゼン可
溶分は、ポリマーに含まれる高分岐度成分および低分子
量成分であり、耐熱性の低下、成形品表面のベタツキの
原因となるためこの含有量は少ないことが望ましい。O
DCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および分子量
に影響される。従ってこれらの指標である密度およびM
FRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすこと
は、共重合したコモノマーのうち、ポリマーの高分岐度
成分に含まれるものの割合が少ないことを示す。
【0018】本発明のエチレン(共)重合体は、(ヘ)
連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度
−溶出量曲線において、ピークが複数であることが好ま
しい。さらに85℃から100℃の間にピークが存在す
ることが特に好ましい。このピークが存在することによ
り、成形体の耐熱性および剛性が向上する。また、図1
には本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線を示し、
図2は代表的なメタロセン触媒による共重合体の溶出温
度−溶出量曲線を示したものである。この図から明らか
なように本発明の(B)成分のエチレン共重合体は、一
般的なメタロセン触媒によるエチレン−α−オレフィン
共重合体とは明確に区別されるものである。
【0019】本発明にかかわる連続昇温溶出分別法(T
REF)の測定方法は下記の通りである。試料に耐熱安
定剤を加え、ODCBに濃度0.05重量%となるよう
に135℃で加熱溶解する。試料溶液5mlを、ガラス
ビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/分の冷却
速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈
着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流し
ながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温
し、試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶出する
試料について、メチレンの非対称伸縮振動の波数292
5cm−1に対する吸収を赤外検出機で検出し、定量分
析する。この値から、溶液中PEの重量濃度を定量分析
し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分析
は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を
連続的に分析できるため、分別法では検出できない比較
的細かいピークの検出が可能である。
【0020】本発明の特定のエチレン(共)重合体の製
造は、上記(イ)〜(ニ)の性状を満足すればよく、さ
らに好ましくは、(ホ),(ヘ)の性状をさらに満足す
ればよく、好ましくは以下のD1〜D5からなる触媒で
重合することが望ましい。すなわち、D1:一般式Me
p(OR)qX4−p−qで表される化合物
(式中MeはZr、Ti、Hfを示し、RおよびR
は各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン
原子を示し、p、qおよびrは各々0≦p<4、0≦p
+q≦4の範囲を満たす整数である)、D2:一般式M
m(OR)nXz−m−nで表される化合
物(式中Meは周期律表第I〜III族元素、R
よびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハ
ロゲン原子または水素原子(ただし、Xが水素原子の
場合はMeは周期律表第III族元素の場合に限る)
を示し、zはMeの価数を示し、mおよびnは各々0
≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、か
つ、0≦m+n≦zである)、D3:共役二重結合を持
つ有機環状化合物、およびD4:有機アルミニウム化合
物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を
含む変性有機アルミニウム化合物、D5:無機担体およ
び/または粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得ら
れる触媒である。
【0021】上記触媒成分(D1)の一般式Me
p(OR)qX4−p−qで表される化合物の式中
MeはZr、Ti、Hfを示す。これらの遷移金属の
種類は限定されるものではなく、複数を用いることもで
きるが、共重合体の耐候性の優れるZrが含まれること
が特に好ましい。RおよびRは各々炭素数1〜24
の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好
ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニ
ル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリ
チル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル
基、フェニルブチル基、ネオフィル基などのアラルキル
基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X
はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原
子を示し、pおよびqはそれぞれ0≦p<4、0≦q<
4、0≦p+q≦4の範囲を満たし、好ましくは0≦p
+q≦4の範囲である。
【0022】上記触媒成分(D1)の一般式で示される
化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テト
ラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、
テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノク
ロロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウ
ム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノク
ロロジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、
テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなど
が挙げられ、これらを2種以上混合して用いても差し支
えない。
【0023】上記触媒成分(D2)の一般式Me
m(OR)nXz−m−nで表される化合物の式中
Meは周期律表第I〜III族元素を示し、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。Rおよ
びRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは
炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体
的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基な
どのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル
基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリ
ール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチ
リル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは
分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素およ
び臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すもので
ある。ただし、Xが水素原子の場合はMeはホウ
素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族
元素の場合に限るものである。また、zはMeの価数
を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範
囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0024】上記触媒成分(D2)の一般式で示される
化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウム
などの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジ
エチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、
エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム
化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化
合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機
ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイド
ライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げ
られる。
【0025】上記触媒成分(D3)の共役二重結合を持
つ有機環状化合物とは、環状で共役二重結合を2個以
上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有
する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二
重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好まし
くは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭
素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水
素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が
部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩
(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ
素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれか
にシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0026】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0027】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。
【0028】
【化1】 ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0029】上記成分(D3)の有機環状炭化水素化合
物の具体例は、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチ
ルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−イ
ンデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリ
エン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテト
ラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのよ
うな炭素数7〜24のシクロポリエンまたは置換シクロ
ポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシク
ロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニル
シラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラ
ン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0030】触媒成分(D4)の有機アルミニウム化合
物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を
含む変性有機アルミニウム化合物とは、アルキルアルミ
ニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アル
ミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得られ、
分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のA
l−O−Al結合を含有する。また、変性有機アルミニ
ウム化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0031】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との
反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2
/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ま
しい。
【0032】触媒成分(D5)の無機物担体および/ま
たは粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸
化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あ
るいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、
鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的
にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO
、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等ま
たはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al
、SiO−V、SiO−TiO、S
iO−V、SiO−MgO、SiO−Cr
等が挙げられる。これらの中でもSiOおよび
Alからなる群から選択された少なくとも1種の
成分を主成分とするものが好ましい。また、有機化合物
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用
でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アク
リル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種
天然高分子およびこれらの混合物が挙げられる。
【0033】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物などに接触処理させた後に成分(D5)として用
いることもできる。
【0034】本発明の(B)エチレン・α−オレフィン
共重合体の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等
で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定され
るものではないが、特に気相法で製造されることが好ま
しい。
【0035】本発明の組成物を形成するエチレン系重合
体(C)成分は、大別して2種類があり、その第1の成
分(C1)は、従来のイオン重合法によるチグラー型触
媒またはフィリップス触媒(以下総称してチグラー型触
媒という)で得られる密度0.86〜0.97g/cm
のエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共
重合体であって、具体的には高密度ポリエチレン(HD
PE)、線状中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレ
ン(VLDPE)等が挙げられる。
【0036】上記チグラー型触媒による高密度・線状中
・低密度ポリエチレン(HDPE、MDPE、LLDP
E)とは、密度が0.91〜0.97g/cm、好ま
しくは0.91〜0.96g/cmの範囲であり、M
FRが0.05〜20g/10分、好ましくは0.1〜
10g/10分、さらに好ましくは0.3〜10g/1
0分の範囲で選択される。Mw/Mnは特に限定はない
が、3.0〜13、好ましくは3.5〜8の範囲である
のが一般的である。組成分布は特に限定はないが、1.
5以上好ましくは2.0以上であるのが一般的である。
【0037】また、上記チグラー型触媒による超低密度
ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.86〜
0.91g/cm未満、好ましくは0.88〜0.9
05g/cm、MFRは0.01〜20g/10分、
好ましくは0.1〜10g/10分の範囲で選択され
る。該超低密度ポリエチレン(VLDPE)は、直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オ
レフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)との中間の
性状を示すポリエチレンを有しており、示差走査熱量測
定法(DSC)による最大ピーク温度(T)60℃以
上、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状
を有する特定のエチレン・α−オレフィン共重合体であ
り、少なくともチタンおよび/またはバナジウムを含有
する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒を用いて重合され、直鎖状低密度ポリエチレンが示
す高結晶部分とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
が示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であって、前者の特
徴である機械的強度、耐熱性などと、後者の特徴である
ゴム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存して
いる。
【0038】上記チグラー型触媒によるエチレン・α−
オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素数
3〜12、好ましくは3〜10の範囲であって、具体的
にはプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等を挙げることができる。こねらα−オレフィン
の含有量は3〜40モル%の範囲で選択されることが好
ましい。
【0039】本発明のエチレン系重合体の第2の成分
(C2)は、高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、エチレン・ビニルエステル共重合体、
エチレン・α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
との共重合体である。
【0040】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFR(メルトフローレート)が0.05〜20g/1
0分、好ましくは0.1〜10g/10分、さらに好ま
しくは1.0〜10g/10分の範囲である。この範囲
内であれば組成物の溶融張力が適切な範囲となりシート
成形等がし易い。また密度は0.91〜0.94g/c
、好ましくは0.912〜0.935g/cm
さらに好ましくは0.912〜0.930g/cm
ある。また、Mw/Mnは3.0〜12、好ましくは
4.0〜8.0である。
【0041】本発明のエチレン・ビニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニル
エステル単量体との共重合体である。これらの中でも特
に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることがで
きる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニ
ルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽
和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好まし
い。特にビニルエステル含有量は3〜20重量%、好ま
しくは5〜15重量%の範囲である。これら共重合体の
MFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは0.3
〜10g/10分である。
【0042】本発明のエチレン・α,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体
としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのア
ルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエス
テルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%の範囲である。これら共重合体のMFRは、0.1
〜20g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分
である。
【0043】本発明のシートパレットの組成は、 (A)プロピレン系重合体:95〜50重量%、好まし
くは93〜60重量%、さらに好ましくは87〜65重
量% (B)エチレン(共)重合体:5〜50重量%、好まし
くは7〜40重量%、さらに好ましくは13〜35重量
% (C)他のエチレン系重合体:0〜45%、好ましくは
0〜35重量%、さらに好ましくは0〜30重量% で、構成される。耐熱性等を重視する場合には、(A)
成分と(B)成分の2成分で構成されることが好ましい
が、耐寒性、加工性、経済性を考慮した場合には(C)
成分を45重量%までを配合することが望ましい。上記
(A)成分の配合量が50重量%未満ではシートの剛性
が低下し、(B)成分の配合量が5重量%未満では低温
衝撃性が改良されず、また、(C)成分が45重量%を
超えると引張強度等の機械強度特性等が改良されない虞
を生じる。
【0044】本発明に用いられる配合組成物が有する性
状の目標値は、曲げ剛性率5,000kg/cm
上、好ましくは5,500kg/cm以上、さらに好
ましくは6,000kg/cm以上であり、脆化温度
−50℃以下、好ましくは−55℃以下である。
【0045】上記三成分(A)、(B)および(C)の
配合方法としては任意の公知技術が使用でき、代表的な
例としてはヘンシェルミキサー、押出機、タンブラーな
どの通常の混練機を用いて、ドライブレンド、溶融混合
などの方法によって行われる。本発明は上記のように
(A)、(B)および(C)成分を所望の割合で混合し
た後、押出成形(たとえばTダイ法)またはカレンダー
法などの通常の方法でシート成形される。
【0046】シート上面の全部または所望部にエンボス
加工、サンドブラスト、コロナ放電処理、火炎処理、プ
ラズマ処理などの表面処理を施して粗面化するか、ある
いはシートの上面にエチレン−酢酸ビニル共重合体、合
成ゴムなどの防滑材を張り合わせまたは積層することに
より、上面の摩擦係数を大きくして荷滑りや荷くずれを
防止する。上記の摩擦係数については、紙製あるいはプ
ラスチック製など貨物の包装材料により、また貨物底部
の形状、貨物の重量などにより異なるが、たとえばボー
ル紙の表面に対しては上面静止摩擦係数として0.2〜
0.8、好ましくは0.3〜0.7の範囲が適当であ
る。シート上面が前記の摩擦係数の範囲であるために
は、シート粗面化を例えばエンボス加工処理で行う場
合、エンボスの程度である表面粗度Rmaxが10〜3
00μm、好ましくは20〜200μm、さらに好まし
くは30〜150μmである。なお、Rmaxとは粗面
の山谷差の最大値である。
【0047】本発明のシートパレットの厚さは0.3〜
10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましく
は0.8〜2.5mmの範囲において適宜選択する。シ
ートパレットの厚さが0.3mm未満においては、シー
トの剛性などの機械的強度が劣り、また厚さが10mm
を超える場合には、本発明において要求される特性は充
足されるが、重量が大となり、荷役の自動化や取扱いに
支障を来す懸念がある。本発明のシートパレットの形状
は、矩形、正方形、楕円形、円形など適宜の形状でよ
い。
【0048】本発明はまた溶融混合時にシート材料中
に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、金属
繊維などの各種充てん材または酸化防止剤、難燃化剤、
着色剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、分散剤など
通常の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
【0049】
【発明の効果】上記のように、本発明のシートパレット
はプロピレン系重合体、特定のエチレン(共)重合体お
よびエチレン系重合体の配合組成物を用いることによ
り、耐水性、耐油性、耐薬品性などの化学的性質が良好
で反復使用に耐えるのみならず、強度、剛性、耐熱性お
よび耐低温衝撃性などのバランスが従来のものより格段
に優れており、特に超低温の環境下における機械特性が
向上し、長期間支障なく使用することができる。
【0050】
【実施例および比較例】以下、本発明を実施例および比
較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。 <実施例1〜7、比較例1〜6>(A)、(B)および
(C)成分として次のものを使用した。 (A)成分: 試料A ポリプロピレンブロック共重合体(エチレン含
有量11重量%、MFR1.5g/10分) (B)成分: <エチレン・α−オレフィン共重合体の重合> (固体触媒の調製)窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調
製器1に精製トルエンを加え、ついでジプロポキシジク
ロロジルコニウム(Zr(OPr)Cl)28gお
よびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系
を保持しながらトリデシルアルミニウム45gを滴下
し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間撹
拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別の撹拌
器付き触媒調製器2に精製トルエンを加え、前記A溶液
と、ついでメチルアルミノキサン6.4molのトルエ
ン溶液を添加し反応させた。これをB液とする。次に窒
素下で撹拌器付き調製器1に精製トルエンを加え、つい
であらかじめ400℃で所定時間焼成処理したシリカ
(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300
/g)1400gを加えた後、前記B溶液の全量を
添加し、室温で撹拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を
除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒
Cとする。
【0051】(試料B1の重合)連続式の流動床気相法
重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/c
Gでエチレンと1−ブテンの共重合を行った。系内
のガス組成は、1−ブテン/エチレンモル比0.12、
エチレン濃度60mol%とした。前記触媒Cを連続的
に供給して重合を行い、系内のガス組成を一定に保つた
め、各ガスを連続的に供給した。なお、生成した共重合
体の物性は以下の通りであった。 MFR :1.4g/10分 密度 :0.911g/cm 融点 :115℃ 分子量分布(Mw/Mn):2.3 組成分布 :1.16 ODCB可溶分X :2.7wt% X(計算式1) :6.0 TREFピーク :複数
【0052】(試料B2の重合)(B2)はコモノマー
を1−ヘキセンとした以外は(B1)と同様の操作を行
って重合した。共重合体の物性は以下の通りであった。 MFR :1.4g/10分 密度 :0.920g/cm 融点 :119℃ 分子量分布(Mw/Mn):2.6 組成分布 :1.38 ODCB可溶分X :1.6wt% X(計算式1) :3.2 TREFピーク :複数
【0053】(C)成分: C1:チーグラー触媒による線状低密度ポリエチレン
(密度=0.925g/cm、MFR=2.0g/1
0分、Mw/Mn=4.3、組成分布=1.6商品名:
日石リニレックス、日本石油化学(株)製) C2:チーグラー触媒による超低密度ポリエチレン(密
度=0.905g/cm、MFR=1.0g/10
分、商品名:日石ソフトレックス D9510、日本石
油化学(株)製) C3:チーグラー触媒による高密度ポリエチレン(密度
=0.954g/cm、MFR=0.3g/10分、
商品名:日石スタフレン E803、日本石油化学
(株)製) C4:高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン(密
度=0.924g/cm、MFR=1.0g/10
分、商品名:日石レクスロン F22、日本石油化学
(株)製)
【0054】上記(A)、(B)および(C)成分を所
定の割合になるようドライブレンドした後、押出し機
(120mmφ)を用いて樹脂温度235℃、冷却ロー
ル温度100℃、引取り速度2mm/minのシート成
形条件で、厚さ1.8mm×幅1600mmのシートを
押出し成形し、さらにシートの上面にエンボス加工を施
してシートパレット材料を製造した。上記の各種シート
パレット材料の配合組成および性状を表1に示す。性状
値の測定方法は次のとおりである。 曲げこわさ :JIS K7106 脆化温度 :JIS K6760 静止摩擦係数:傾斜板法(ダンボール紙/シート面)
【0055】表1から明らかなように、本発明の実施例
においてはいずれも曲げ剛性率、引張強度が高く、かつ
脆化温度が十分に低くて、剛性と耐低温衝撃性のバラン
スが優れている。これに対し比較例の場合には、これら
の性状のバランスが十分でなく、両者を同時に満足させ
ることができなかった。
【0056】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線を示
す。
【図2】代表的なメタロセン触媒による共重合体の溶出
温度−溶出量曲線を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プロピレン系重合体95〜50重
    量%、および (B)下記(イ)〜(ニ)を満足するエチレン(共)重
    合体5〜50重量% (イ)密度 0.86〜0.97g/cm (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜50g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (ニ)組成分布パラメーターCb 2.0以下 からなり、かつ上面の摩擦係数が下面の摩擦係数より大
    きく、厚さが0.3〜10mmであるシート状の耐寒性
    シートパレット。
  2. 【請求項2】 前記(B)エチレン(共)重合体が、さ
    らに (ホ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次
    の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の耐
    寒性シートパレット。 1)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
    MFR≧0.93の場合 X<2.0 2)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
    MFR<0.93の場合 X<9.8×10×(0.9300−d+0.008
    ×logMFR)+2.0
  3. 【請求項3】 前記(B)エチレン(共)重合体が、さ
    らに (ヘ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の耐寒性シートパレット。
  4. 【請求項4】 前記(A)プロピレン系重合体95〜5
    0重量%と(B)エチレン(共)重合体5〜50重量%
    および(C)他のエチレン系重合体45重量%以下(た
    だし、A+B+C合計100重量%)とからなることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐寒性
    シートパレット。
  5. 【請求項5】 前記(A)プロピレン系重合体が、プロ
    ピレン−エチレンブロック共重合体であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐寒性シート
    パレット。
  6. 【請求項6】 前記(C)エチレン系重合体が、下記の
    エチレン(共)重合体から選択された少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の耐寒性シートパレット。 (C1)密度0.86〜0.97g/cmのエチレン
    ・α−オレフィン共重合体 (C2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、
    エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・α,β
    −不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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