JPH0938A - 結球野菜収穫機の根茎部切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャベツ、レタス等の結球野菜を圃場より収
穫する際に結球野菜を損傷させないようその根茎部を必
要充分に有効に切断可能とする。 【構成】 結球部１ａと根茎部１ｂとを有する結球野菜
Ａを機体前部の収穫装置２により圃場面Ｂより引き抜く
とともに、平行の両スクリューコンベア３ａ，３ｂによ
り根茎部１ｂを挾持して搬送しながら、カッターＣによ
り結球部１ａと根茎部１ｂとの境界部を切断して収穫す
ることができる結球野菜収穫機において、前記カッター
Ｃは両スクリューコンベア３ａ，３ｂに直交する横方向
の回転軸４により回転駆動自在とし、外周には回転軸４
の軸心方向に延長する複数の刃板５を同心円上に配設
し、各刃板５の中央部５ａが両スクリューコンベア３
ａ，３ｂ間上面の上方にのぞむとともに各刃板５の両側
部５ｂ，５ｃが中央部５ａから両端側にかけて軸心側に
じょじょに低くなって回転できるように、全体を中央部
が大径で両端側が小径に形設して構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、キャベツ、レタス等の
結球野菜を圃場より収穫する際に根茎部を切断処理する
ことができる結球野菜収穫機の根茎部切断装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来は、結球部と根茎部とを有する結球
野菜を機体前部の収穫装置により圃場面より引き抜くと
ともに、平行の両スクリューコンベアにより根茎部を挾
持して搬送しながら、カッターにより結球部と根茎部と
の境界部を切断して収穫することができる結球野菜収穫
機において、既に出願されている特願平６−１７４４３
７号にも見られるように、前記カッターは円板の回転刃
が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うにカッターが平板の円板であるがために、結球野菜の
結球部と根茎部との境界部を切断する場合、根茎部の上
端部まで長く切断しようとすると、根茎部の上部の外周
側となる結球部の下面側全体までをも切断しかねなく、
収穫される結球野菜が損傷しかねない、といった不具合
を呈している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、そのような不
具合を解決し、結球野菜を損傷させないようその根茎部
を必要充分に有効に切断可能とするものであり、そのた
め、結球部と根茎部とを有する結球野菜を機体前部の収
穫装置により圃場面より引き抜くとともに、平行の両ス
クリューコンベアにより根茎部を挾持して搬送しなが
ら、カッターにより結球部と根茎部との境界部を切断し
て収穫することができる結球野菜収穫機において、前記
カッターは両スクリューコンベアに直交する横方向の回
転軸により回転駆動自在とし、外周には回転軸の軸心方
向に延長する複数の刃板を同心円上に配設し、各刃板の
中央部が両スクリューコンベア間上面の上方にのぞむと
ともに各刃板の両側部が中央部から両端側にかけて軸心
側にじょじょに低くなって回転できるように、全体を中
央部が大径で両端側が小径に形設して構成したものであ
る。

【０００５】

【作用】したがって、結球野菜が収穫装置により圃場面
より引き抜かれて両スクリューコンベアにより根茎部を
挾持して搬送する際に、両スクリューコンベアに直交す
る横方向の回転軸中心に回転しているカッターの刃板の
中央部が根茎部の上部を必要充分の長さに切断すること
ができるが、刃板の両側部が中央部から両端側にかけて
軸心側にじょじょに低くなって回転しているので、刃板
の両側部は、根茎部の上部の外周側となる結球部の下面
側を切断することなく、結球部の最も外側となるいわゆ
る鬼葉といわれる不要の外面葉の下面側を切断できる。

【０００６】

【実施例】図１ないは図９は本発明の実施例を示し、両
クローラ６により走行することができる機体の前方部に
は、結球部１ａと根茎部１ｂとを有する結球野菜Ａを圃
場面Ｂより引き抜くことができる収穫装置２を配備する
が、該収穫装置２は、支持輪７により支持される機枠の
最前部には結球野菜Ａを引き抜くことができる左右一対
のピックアップディスク８ａ，８ｂを軸架し、その間の
下方からは結球野菜Ａの根茎部１ｂを挾持して後上方に
搬送することができる左右一対の両取り込みスクリュー
９を延設し、該取り込みスクリュー９の後部からは左右
一対の両持ち上げスクリュー１０を延設するとともに、
その上方には結球野菜Ａの頂部を押さえて安定良く搬送
させることができるベルトコンベア１１を装備して構成
する。

【０００７】前記収穫装置２の部位に立設した門形の前
部マスト１２の両側部にはセットボルト１３により固定
することができる支持ボス１４，１４をそれぞれ摺動自
在に嵌装し、両支持ボス１４，１４には先端部１５ａが
前記両ピックアップディスク８ａ，８ｂ間の上方にのぞ
むセンターマーカ１５の両後端部をそれぞれ固設し、セ
ンターマーカ１５が結球野菜等Ａの中心を指すことがで
きるとともに、結球野菜Ａの上方に接近できるよう上下
動調節可能にして構成する。

【０００８】機体の後部には、収穫された結球野菜Ａを
多数収納できるコンテナ２３を備えた収納部１６を配備
し、機体の最後部には昇降作業装置１７を備え、また、
機体の右側前部には搭乗運転部１８を配備して構成す
る。

【０００９】前記両持ち上げスクリュー１０の後端部後
方から前記コンテナ１５の上方に向けては、結球野菜Ａ
の根茎部１ｂを挾持して搬送することができる平行の両
スクリューコンベア３ａ，３ｂを延設し、該両スクリュ
ーコンベア３ａ，３ｂの上方位の両外側方には、図３に
示すように各弾圧ローラ１９により結球野菜Ａの両側面
側に弾圧されて結球野菜Ａを挾持しながら前記コンテナ
２３の上方位まで搬送することができる両搬送ベルト２
０ａ，２０ｂを配備し、両スクリューコンベア３ａ，３
ｂの途中上方には、搬送される結球野菜Ａの上面を押さ
えて姿勢を矯正させることができる回転ベルト２１を配
備して構成し、また、前記両スクリューコンベア３ａ，
３ｂの途中部位を分断するとともにその分断された間隔
内にはカッターＣを装備するが、該カッターＣは、両ス
クリューコンベア３ａ，３ｂに直交する横方向となって
直結のモータ２２によって駆動される回転軸４により回
転駆動自在とし、外周には回転軸４の軸心方向にらせん
状に延長するとともに前縁に刃縁５ｄを有する複数の刃
板５を同心円上に配設し、各刃板５の中央部５ａが両ス
クリューコンベア３ａ，３ｂ間上面の上方にＬ長だけ水
平となってのぞむとともに各刃板５の両側部５ｂ，５ｃ
が中央部５ａから両端側に軸心側にじょじょに低くなっ
て回転できるように、図４および図６に示すように全体
を中央部が大径で両端側が小径に形設して構成する。

【００１０】したがって、結球野菜Ａが収穫装置２によ
り圃場面Ｂより引き抜かれて、図５に示すように両スク
リューコンベア３ａ，３ｂにより根茎部１ｂを挾持する
とともに両搬送ベルト２０ａ，２０ｂにより結球部１ａ
を挾持して搬送する際に、図６に示すように、回転軸４
中心に矢印イ方向に回転しているカッターＣの各刃板５
の中央部５ａが根茎部１ｂの上部を必要充分の長さに切
断して除去できるが、図４に示すように、刃板５の両側
部５ｂ，５ｃが中央部５ａから両端側にかけて軸心側に
じょじょに低くなって回転しているので、刃板５の両側
部５ｂ，５ｃは、根茎部１ｂの上部の外周側となる結球
部１ａの下面側を切断することなく、結球部１ａの最も
外側となるいわゆる鬼葉といわれる不要の外面葉１ｃの
下面側を切断できることになり、結球部１ａを損傷させ
ることなくコンテナ２３に収容させることができる。

【００１１】なお、収穫装置２の前方にはセンターマー
カ１５を装備したので、図８に示すように、結球野菜Ａ
の中心上方にセンターマーカ１５の先端部１５ａが合う
ように機体を矢印ロ方向に前進させると、両ピックアッ
プディスク８ａ，８ｂ間に結球野菜Ａの根茎部１ｂを良
好に合わせることができることになり、また、結球野菜
Ａの大小に応じ、図９に示すようにセンターマーカ１５
を矢印ハで示すように上下動調節することができる。

【００１２】図１０および図１１は他の例を示し、機体
前部の両ピックアップディスク８ａ，８ｂ間の後方か
ら、結球野菜Ａの根茎部１ｂを挾持して搬送できる左右
一対のスクリューコンベア３ａ，３ｂを延設し、両スク
リューコンベア３ａ，３ｂの途中上方には、根茎部１ｂ
の上部を切断する円板刃の第１カッター２４と、根茎部
１ｂの適正な切断やいわゆる鬼葉である外面葉１ｃの下
面側を切断する円板刃の第２カッター２５とを順次、配
備するが、前記第１カッター２４の後方位には、それぞ
れの回転軸２６ａ，２６ｂが結球野菜Ａのサイズに合わ
せて横方向に移動できるとともに回転方向に対し摩擦ブ
レーキをかけられた垂立した円板刃の両サイドカッター
２７ａ，２７ｂを両側方に配備して構成したものであ
り、第１カッター２４により根茎部１ｂを切断した後
に、両サイドカッター２７ａ，２７ｂにより外面葉１ｃ
の両側面側を有効に切断できることになる。

【００１３】

【発明の効果】このように本発明は、結球野菜Ａが収穫
装置２により圃場面Ｂより引き抜かれて両スクリューコ
ンベア３ａ，３ｂにより根茎部１ｂを挾持して搬送する
際に、両スクリューコンベア３ａ，３ｂに直交する横方
向の回転軸４中心に回転しているカッターＣの各刃板５
の中央部５ａが根茎部１ｂの上部を必要充分の長さに切
断することができるが、各刃板５の両側部５ｂ，５ｃが
中央部５ａから両端側にかけて軸心側にじょじょに低く
なって回転しているので、刃板５の両側部５ｂ，５ｃ
は、根茎部１ｂの上部の外周側となる結球部１ａの下面
側を切断することなく、結球部１ａの最も外側となるい
わゆる鬼葉といわれる不要の外面葉の下面側を良好に切
断できることになり、結球野菜Ａの結球部１ａを損傷さ
せないようにして根茎部１ｂを必要充分に有効に切断で
きることになって好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】結球野菜収穫機を概略示した側面図である。

【図２】図１を概略示した平面図である。

【図３】図２の一部を概略示した平面図である。

【図４】本発明実施例の要部を示した正面図である。

【図５】図３の一部を示した正断面図である。

【図６】図４の一部を示した側断面図である。

【図７】図４の平面を示した平面図である。

【図８】図２の一部を示した平面図である。

【図９】図１の一部を示した側面図である。

【図１０】他の例を概略示した平面図である。

【図１１】図１０の一部を示した正面図である。

【符号の説明】

１ａ 結球部 １ｂ 根茎部 Ａ 結球野菜 Ｂ 圃場面 ２ 収穫装置 ３ａ，３ｂ スクリューコンベア Ｃ カッター ４ 回転軸 ５ 刃板 ５ａ 中央部 ５ｂ，５ｃ 側部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 結球部１ａと根茎部１ｂとを有する結球
   野菜Ａを機体前部の収穫装置２により圃場面Ｂより引き
   抜くとともに、平行の両スクリューコンベア３ａ，３ｂ
   により根茎部１ｂを挾持して搬送しながら、カッターＣ
   により結球部１ａと根茎部１ｂとの境界部を切断して収
   穫することができる結球野菜収穫機において、前記カッ
   ターＣは両スクリューコンベア３ａ，３ｂに直交する横
   方向の回転軸４により回転駆動自在とし、外周には回転
   軸４の軸心方向に延長する複数の刃板５を同心円上に配
   設し、各刃板５の中央部５ａが両スクリューコンベア３
   ａ，３ｂ間上面の上方にのぞむとともに各刃板５の両側
   部５ｂ，５ｃが中央部５ａから両端側にかけて軸心側に
   じょじょに低くなって回転できるように、全体を中央部
   が大径で両端側が小径に形設して構成したことを特徴と
   する根茎部切断装置。