JPH093798A - 多孔質スキン層を有する吸収性シートおよびその製造 方法 - Google Patents

多孔質スキン層を有する吸収性シートおよびその製造 方法

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JPH093798A
JPH093798A JP7147034A JP14703495A JPH093798A JP H093798 A JPH093798 A JP H093798A JP 7147034 A JP7147034 A JP 7147034A JP 14703495 A JP14703495 A JP 14703495A JP H093798 A JPH093798 A JP H093798A
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sheet
fiber
synthetic
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skin layer
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JP7147034A
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Yukio Kono
幸雄 河野
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 各成分の混合状態が均一で表面スキン層を薄
く、かつ、層間の剥離がない吸収性シート及びその製造
方法を提供する。 【構成】 合成パルプ単独もしくは50重量%以下の合
成繊維を含む混合物を湿式抄紙または乾式抄紙により1
層抄きしたシート状物を熱処理し、さらにその表面を高
温で加熱することによって得られる、吸収層の少なくと
も片面に表面層が形成された吸収性シートであって、該
表面層が坪量1ないし100g/m2 の多孔質スキン層
であることを特徴とする多孔質スキン層を有する吸収性
シート。この吸収性シートは、上記混合物あるいは必要
に応じてバインダーを含む混合物を湿式抄紙により1層
抄きしたシートを乾燥熱処理後、熱盤または熱プレスロ
ールにより、合成パルプまたは合成繊維の融点よりも5
ないし50℃高い温度で瞬時に加熱することにより得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも片面に多孔
質スキン層を有する吸収性シートならびにその製造方法
に関するものであり、より詳しくは、合成パルプを必須
成分とする吸収層と、同一成分のスキン層からなる表面
層から形成された多孔質スキン層を有する吸収性シート
ならびに、該素材を1回の抄造と熱処理を行うだけで、
簡単に抄造できる多孔質スキン層を有する吸収性シート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースパルプなどの天然パルプと、
ポリオレフィンパルプなどの合成パルプとの組成物か
ら、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、医療用スポン
ジ、または傷当てパッド等として使用される吸収体を製
造することはよく知られている。この際、天然パルプ
は、水性液体をよく吸収するが、それだけでは、液体吸
収後の強度が弱かったり、吸収体がバラケたりするた
め、合成パルプを配合することによって、その欠点を補
い、しかも、合成パルプの熱溶融特性を利用して、吸収
体全体を過度に熱融着した吸収体も知られている。
【0003】また、このような吸収体を、ティッシュペ
ーパー、不織布、フィルムまたはシートなどで包装した
り、積層したものも知られている。その積層・包装方法
としては、前記天然パルプと合成パルプの混合物からな
る吸収体の少なくとも一面に、接着剤を塗布した後、テ
ィッシュペーパー、不織布、フィルムまたはシートを圧
着ロール等で圧着して接着するか、あるいは、吸収体と
フィルム等を熱ロールで圧着したり、熱風を吹き付ける
ことによって一体化することが行われている。さらに、
天然パルプと合成パルプの混合物からなる吸収層の少な
くとも一面に、坪量0.1ないし100g/m2 で、合
成パルプ100ないし50重量%、セルロースパルプ0
ないし50重量%、合成繊維0ないし40重量%からな
る合成パルプ系組成物で構成した樹脂フィルムあるいは
シートを貼り付けることによって、表面にスキン層を形
成した吸収体を得る方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、接着剤を使用する場合に於ては、取扱いが面
倒であり、熱風を吹き付け一体化する場合においても、
表面層を適度の通気性を保持するように形成することが
技術的に困難になるなどの問題点がある。また、樹脂フ
ィルムあるいはシートを貼り付ける場合にあっては、ス
キン層の貼り付け操作が面倒で、作業上の効率が低下す
ると云う問題点がある。
【0005】このような状況下において、合成パルプ8
0ないし20重量%、複合繊維20ないし80重量%の
混合物から構成された、吸水性を有する薄板状の吸収体
であって、該吸収体の坪量が300ないし2,000g
/m2 であり、シートの形状を保ったまま自立すること
が可能な剛性を有することを特徴とする吸収性成形体が
発明され、特願平7−35452号として特許出願が行
なわれている。
【0006】この発明における技術的特徴は、合成パル
プに混合する繊維として、屈曲性合成繊維、三次元けん
縮型の偏芯鞘型またはサイドバイサイド型複合繊維など
の複合繊維を使用するものであり、これによって、シー
ト状のまま自立できる剛性を有する吸収性成形体を得る
ことができるものである。
【0007】本発明者は、湿式または乾式抄造法により
得られた一層から成るシート状物を乾燥・熱処理後、熱
盤または熱プレスロールによって表層部分を高温で瞬間
的に加熱することにより、表面層がスキン層となる現象
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、湿式または乾
式抄紙法と熱処理の組み合わせによって得られる、吸収
層の少なくとも一面に、液体透過性のスキン層が形成さ
れた多孔質スキン層を有する吸収性シートならびにその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を達成するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであり、該表面層ならびに
吸収層を構成する層構成材料として、特定の素材を選択
使用し、特定の方法で抄造する点に重要な特徴がある。
すなわち、本発明によれば、合成パルプ単独もしくは5
0重量%以下の合成繊維を含む混合物からなるシート状
物を熱処理することによって得られる、吸収層の少なく
とも片面に表面層が形成された吸収性シートであって、
該表面層が坪量1ないし100g/m2 の多孔質スキン
層であることを特徴とする多孔質スキン層を有する吸収
性シートが提供される。
【0010】また、本発明によれば、合成パルプ単独も
しくはこれと50重量%以下の合成繊維、さらに必要に
応じてバインダーを含む混合物から湿式または乾式抄紙
により1層抄きしたシートを乾燥熱処理後、熱盤または
熱プレスロールにより、上記合成パルプまたは合成繊維
の融点よりも5ないし50℃高い温度で瞬時に加熱する
ことにより、吸収層の表面に液体透過性のスキン層を形
成させた多孔質スキン層を有する吸収性シートの製造方
法が提供される。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明の吸収性シートは、表面層
および吸収層を構成する素材として、合成パルプ単独ま
たは合成パルプと合成繊維との混合物を用い、これを湿
式抄紙により1層抄きしたシートを乾燥熱処理後、熱盤
または熱プレスロールにより、表層部分を高温で瞬時に
加熱することにより得られるもので、表面層は液体透過
性のスキン層となっていることが重要な特徴である。
【0012】<表面層および吸収層>表面層および吸収
層を構成する素材としては、合成パルプ単独または合成
パルプに50重量%以下の合成繊維を混合し、これを湿
式または乾式抄造したものを用いる。表面層を好適な液
体透過性のスキン層に形成させるという点では、合成パ
ルプ単独または30重量%以下の合成繊維との混合物を
用いることが好ましい。
【0013】また、この素材には、抄造の際のバインダ
ーとして50重量%以下の熱融着性バインダー繊維およ
びバインダー用パウダーを配合することが好ましい。こ
れによって、熱処理時にバインダーが強固なネットワー
クを形成し、吸収層に所定の強度を与えることができ
る。バインダーを配合する場合であっても、混合物にお
ける合成パルプの割合は50重量%以上でなければなら
ない。表面層は、1ないし100g/m2 、好ましく
は、10ないし50g/m2 の坪量であることが強度と
液体の吸収速度の点から必要である。また吸収層は、坪
量10ないし1000g/m2 、好ましくは、50ない
し300g/m2 であることが望まれる。
【0014】<合成パルプ原料素材>本発明において用
いられる合成パルプは、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のオレフィンの単独重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレ
ン−4−メチルペンテン−1共重合体等のエチレンと他
のα−オレフィンとの共重合体などのポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリメチル・メタクリレート、ポリアク
リロニトリルなどの樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ナイロン、ポリエステルなどの重合体から得
られる合成パルプが挙げられるが、中でも、ポリオレフ
ィン系の合成パルプが安価であり、物性に優れているこ
とから好適に使用される。
【0015】本発明において用いられる合成パルプとし
ては、溶液あるいはエマルジョンのフラッシュ紡糸法に
よるものが好適に使用される。合成パルプそれ自体は公
知のものであり、例えば、下記の方法によって製造され
たものを使用することができる。
【0016】ポリオレフィン系合成パルプの製法の詳細
は、Encyclopedia of ChemikalTechnology 3rd ed.Vol.
19 P420 ないし425 に詳細に説明されているが、たとえ
ば、溶融紡糸した繊維を短く切った後に叩解する方法、
溶液フラッシユもしくはエマルジョンフラッシュを行っ
た後に叩解処理をする方法などが例示される。なかで
も、ポリビニルアルコール(PVA)を親水化剤とし
て、エマルジョンフラッシュ法によって製造されたもの
が好適に使用される。この場合のPVA含有量は0.0
1ないし10重量%であることが好ましい。このように
して得られたポリオレフィン系合成パルプは、繊維長
が、0.1ないし10mmのもので、抄紙性に優れると
いう特徴を持つ。
【0017】<親水化処理>スキン層を通過させる液体
が水系である場合には、親水化処理された合成パルプが
使用される。親水化処理の方法としては、ノニオン性界
面活性剤、または、ポリプロピレングリコールで表面処
理されていることが必要で、イオン性界面活性剤で処理
した場合には湿式抄造時に界面活性剤が流出し親水効果
が無くなってしまう。親水化処理された合成パルプとし
ては、特開昭63−235575公報に示された合成パ
ルプが好適に使用される。また、親水化処理されない合
成パルプを使用する場合は、湿式抄造時に界面活性剤を
散布することにより、親水化処理することが必要であ
る。また、油類、アルコ−ル類の吸収剤として使用する
場合は、親水化処理の必要はない。
【0018】<合成繊維>吸収体の嵩高性を付与するた
めに合成繊維を0ないし50重量%、好ましくは0ない
し30重量%以下の割合で配合することができる。合成
繊維は、バインダーつまりバインダー繊維およびバイン
ダーの目的で使われる低融点のSWPよりも高い融点を
有する合成繊維を意味し、バインダーとの融点の差は5
℃以上、好ましくは20℃以上が好適である。このよう
な高融点合成繊維としては、例えば、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチル・メタ
クリレート、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン樹
脂、ナイロン、ポリエステル、ポリフルオロエチレン、
塩化ビニル樹脂、モダクリル樹脂、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂などから得られる各種合成繊維が例示され
る。
【0019】<複合繊維>さらに、繊維の形態を複合繊
維と言われるものとすれば、嵩高性、高弾性、通気性の
改良のような各種の特色を与え得ることができる。この
ような例としては、三次元捲縮型偏芯鞘芯型またはサイ
ドバイサイド型複合繊維は、ポリエステル複合繊維であ
って、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンイソフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレー
ト、5−ソジュウムスルホンフタレート共重合ポリエチ
レンテレフタレートなどの共重合ポリエステルからなる
性質の異なる2種類のポリエステルをサイドバイサイド
型あるいは偏芯鞘芯型複合紡糸して得たものを用いるこ
とができる。
【0020】<バインダー>バインダーとしては、主材
の合成パルプの融点もしくは分解温度よりも低い温度で
接着できる熱接着型バインダーが使用される。この例と
しては、主材の合成パルプよりも融点の低いポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリメチル・メタクリレート、ポリアクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン、ポリエステルなど
の重合体から得られる合成パルプが挙げられる。
【0021】また、該バインダーとして、上記合成パル
プと原料を同じくする各種合成繊維、芯の部分が主材の
合成パルプの融点よりも高い融点を有し、鞘の部分が合
成パルプの融点よりも低い融点を有する、いわゆる、鞘
芯型の複合繊維、ポリオレフィン系樹脂粉末、エポキシ
樹脂粉末、またはそれらのエマルジョン、天然あるいは
合成ゴムラテックスおよびアクリル系樹脂エマルジョン
からなる群より選ばれる少なくとも一種が例示される。
【0022】これらの中でも、ポリオレフィン系合成パ
ルプを使用することが好ましい。このバインダーは、主
原料である合成パルプの融点よりも低い融点、好ましく
は5℃以上低い融点を有するものであることが望まし
い。このバインダーは、合成パルプ等との混合物におい
て5ないし30重量%使用するが、とくに10ないし2
5重量%とすることが好ましい。
【0023】<シート化>本発明においては、上述した
各種原料を混合した後、湿式または乾式抄造によりシー
トが作製される。また、混合手段としては、パルパー、
ビーター等の通常の離解機が使用できる。
【0024】このようにして、抄き上げられたシートを
乾燥後、加熱処理が行われる。加熱処理の方法として
は、走行するメッシュ状の支持体上に置いた上記シート
を、下方向から吸引しながら、上方向から加熱する熱風
貫通型の方法、形成されたシートを熱ロールにて加熱す
る方法、シートを熱オーブン中で加熱させる方法、赤外
線ヒーター、あるいは超音波エネルギーを利用してシー
トを加熱する方法などが挙げられるが、熱処理温度と製
品の嵩高性付与の点で、熱風貫通型の方法が好ましく使
用される。この時に、熱処理温度は、熱融着バインダー
繊維の融着温度よりも高く、高融点合成パルプ、高融点
合成繊維等の吸収層の構成材の融点よりも低い温度が選
ばれる。
【0025】<表面仕上げ>表面層を平滑に仕上げるた
めには、熱ロールを通過させる方法、または熱盤による
プレスの方法が有効である。熱ロールの熱処理温度は、
合成繊維の融点よりも高い温度、つまり、融点より5な
いし50℃高い温度に設定し、ロール間の圧力0ないし
10Kg/cm2 で、短時間で表面を加熱する。また熱
プレスによる場合の圧力は0ないし10Kg/cm2
行い、接触時間は0.1ないし5秒が好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、一層抄きにより吸収層
と表面のスキン層を作製しているため、各成分の混合状
態が均一で、かつ、表面のスキン層をより薄くすること
が可能な吸収性シートを提供することができる。また、
本発明の吸収体は、抄造時に一層で抄造していることか
ら、吸収層と表面層は強固に結合しており、剥がれ難く
なっているとともに、表皮層は滑らかでツヤがあり紙粉
の発生が全くないという特徴がある。また、本発明によ
り作製されたシートは着色、印刷、エンボス加工、成形
加工が可能である。さらに、本素材を使うことにより、
室内用インテリア用途および多機能健康繊維、つまり芳
香剤吸収シート、防虫剤吸収シート、防ダニ剤吸収シー
ト、防カビ剤吸収シート、抗菌剤吸収シートおよびバッ
テリーセパレーター等への使用が可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明は、これらの実施例によって限定されるものでは
なく、その特許請求の範囲の規定を超えない限りにおい
て各種の構成を採り得ることは了解されるであろう。な
お、合成パルプの繊維長の測定は、フィンランド・カヤ
ニ社製FS−200型自動繊維長測定機にて行った。
【0028】本実施例においては、原料素材として次の
ものを使用した。 A.低融点合成パルプ[直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)] 平均繊維長 1.0mm 平均繊維径 15μm 融点 125℃ B.中融点合成パルプ[高密度ポリエチレン(HDP
E)] 平均繊維長 1.0mm 平均繊維径 15μm 融点 135℃ C.高融点合成パルプ[ポリプロピレン(PP)] 平均繊維長 1.0mm 平均繊維径 15μm 融点 156℃ D.ポリエステル系・複合型熱接着繊維 商品名:メルテイ−4080(ユニチカ製) 繊維長 5.0mm 繊維径 2デニ−ル 融着温度 110℃以上 E.中融点合成パルプ[HDPE] 平均繊維長 1.0mm 平均繊維径 15μm 融点 135℃ をノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン・ラウリ
ルエ−テル)1.0%で表面処理したもの、 F.ポリエチレン/ポリプロピレン系・複合型熱接着繊
維 商品名:ES繊維(チッソ製) 繊維長 5.0mm 繊維径 2デニ−ル 融着温度 130℃
【0029】<実施例1>上記原料の、A=20重量
%、C=80重量%を、JIS型パルパ−にて60秒間
混合し、25×25cmの角型抄紙器にて坪量が300
g/m2 となるよう抄紙した。得られた湿潤状態のシー
トに界面活性剤(アルキルスルホコハク酸ナトリウム)
を原料に対して2重量%散布し、脱水後、得られた湿潤
シートを抄紙用ワイヤーから濾紙に移し取った。このよ
うにし得たシートの上に濾紙を置き、ハンドプレス脱水
した後絶乾状態まで乾燥した。その後、熱風貫通型の炉
にて、135℃で1分間熱処理を行った。得られたシー
トは、2.5mmの厚みを有していた。
【0030】このようにして得られた吸収性シートを耐
熱性フィルムで両面を挟んで鉄板に載せ、200℃に熱
せられた熱盤に0.5秒接触させた。つづいて鉄板に載
せた吸収性シートを取り出し、冷えた鉄板を重ねて冷却
した。冷却後耐熱性フィルムを剥すと表面にフィルム状
のスキン層が形成された。続いて吸収性シートを裏返し
て、同様の熱処理をし、吸収性シートの両側にスキン層
を形成した。このスキン層側から20℃の水を1cc滴
下したところ、瞬時に吸収した。また、吸収性シートの
両面を同時に同様の熱処理をし、両面に同時にスキン層
を形成し、このスキン層側から20℃の水を1cc滴下
したところ、この場合も瞬時に吸収した。
【0031】<実施例2>原料素材として、A=20重
量%、E=80重量%を、JIS型パルパ−にて60秒
間混合し、25×25cmの角型抄紙器にて坪量が30
0g/m2 となるよう抄紙した。得られた湿潤シートを
抄紙用ワイヤーから濾紙に移し取った。このようにして
得たシートの上に濾紙を置き、ハンドプレスで脱水した
後、絶乾状態まで乾燥した。その後、熱風貫通型の炉に
て、135℃で1分間熱処理を行い、厚みが2.0mm
のシートを得た。
【0032】このようにして得られた吸収性シートを耐
熱性フィルムで両面を挟んで鉄板に載せ、200℃に熱
せられた熱盤に0.5秒接触させた。つづいて鉄板に載
せた吸収性シートを取り出し、冷えた鉄板を重ねて冷却
した。冷却後耐熱性フィルムを剥すと表面にフィルム状
のスキン層が形成された。つづいて吸収性シートを裏返
して、同様の熱処理をし、吸収性シートの両側にスキン
層を形成した。このスキン層側から20℃の水を1cc
適下したところ、0.5秒で吸収した。
【0033】<実施例3>坪量を150g/m2 とした
以外は、実施例−1と同様にして吸収性シートを得た。
得られたシートのスキン層側から20℃の水を1cc適
下したところ、瞬時に水を吸収した。
【0034】<実施例4>原料素材をA=15重量%、
D=15重量%、C=70重量%とした以外は、実施例
−1と同様にして吸収性シートを得た。得られたシート
のスキン層側から20℃の水を1cc適下したところ、
瞬時に水を吸収した。
【0035】<実施例5>原料素材として、原料をB=
80重量%、F=20重量%とした以外は、実施例−1
と同様にしてシートを得た。得られたシートの機械的強
度は実施例−1で得られたシートと同じであった。また
スキン層側から20℃の水を1cc添加したところ、瞬
時に吸収した。
【0036】表1に、実施例における吸収性シートの製
作条件を示し、表2に、実施例で得られた吸収体の性能
を示した。なお、表2における性能の試験方法は下記の
通りである。
【0037】試験方法 A.スキン層の表面状態の評価 多孔質スキン層を有する吸収シートを作成し、スキン層
の表面を目視で観察した。 ◎:光沢および表面のツヤが優良のもの ○:光沢および表面のツヤが良好のもの △:光沢および表面のツヤがあまりないもの ×:光沢および表面のツヤがないもの
【0038】B.吸水性の評価 多孔質スキン層を有する吸収シートを作成し、そのスキ
ン層に直径約3mmの水滴を1滴落とし、完全に吸水す
るまでの時間を測定し、その秒数から吸水性を評価し
た。 ◎:瞬時に吸水(0.1ないし0.3秒) ○:0.4ないし1.0秒で吸水 △:1.1ないし5.0秒で吸水 ×:吸水しない
【0039】C.層間剥離の評価 多孔質スキン層を有する吸収シートを作成し、スキン層
の表面にセロハンテープを貼り、剥した時にセロハンテ
ープ面に付着した紙粉および表皮層の有無で、層間剥離
性の優劣を評価した。なお、セロハンテープは、5.0
cm×1.9cmのものを用いた。 ◎:付着物がないもの ○:紙粉がほんの少し付着したもの(表皮の剥離なし) △:表皮の一部が剥離し、付着したもの(セロハンテー
プ面に対する表皮の剥離が30%以下) ×:セロハンテープ面のほぼ全面に表皮が付着したもの
(セロハンテープ面に対する表皮の剥離が30%を超え
るもの)
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成パルプ単独もしくは50重量%以下
    の合成繊維を含む混合物を湿式抄紙または乾式抄紙によ
    り1層抄きしたシート状物を熱処理し、さらにその表面
    を高温で加熱することによって得られる、吸収層の少な
    くとも片面に表面層が形成された吸収性シートであっ
    て、該表面層が坪量1ないし100g/m2 の多孔質ス
    キン層であることを特徴とする多孔質スキン層を有する
    吸収性シート。
  2. 【請求項2】前記吸収層の坪量が50ないし1000g
    /m2 で、嵩密度が0.1ないし0.5g/cm3 であ
    る請求項1記載の多孔質スキン層を有する吸収性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記シート状物にさらにバインダーをブ
    レンドして熱処理した請求項1または2記載の多孔質ス
    キン層を有する吸収性シート。
  4. 【請求項4】 前記合成パルプが、ポリオレフィン系の
    樹脂を原料とするものである請求項1または3のいずれ
    か1項記載の多孔質スキン層を有する吸収性シート。
  5. 【請求項5】 前記合成パルプが、ポリビニルアルコー
    ルを親水化剤としてエマルジョンフラッシュを行った後
    に叩解処理を行うことによって得られたものである請求
    項1ないし4のいずれか1項記載の多孔質スキン層を有
    する吸収性シート。
  6. 【請求項6】 前記合成繊維が、ポリエステル繊維、ポ
    リエチレン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維およびポ
    リプロピレン繊維からなる群よりである選ばれた少なく
    とも1種である請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    多孔質スキン層を有する吸収性シート。
  7. 【請求項7】 前記バインダーが、合成パルプ、ポリエ
    ステル繊維、複合型熱融着繊維およびポリエチレン/ポ
    リプロピレン系複合型熱融着繊維からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種である請求項2ないし6のいずれか1
    項記載の多孔質スキン層を有する吸収性シート。
  8. 【請求項8】 合成パルプ単独もしくはこれと50重量
    %以下の合成繊維、および必要に応じてバインダーを含
    む混合物を湿式抄紙または乾式抄紙により1層抄きした
    シートを乾燥熱処理後、熱盤または熱プレスロールによ
    り、合成パルプまたは合成繊維の融点よりも5ないし5
    0℃高い温度で瞬時に加熱することにより、吸収層の表
    面に液体透過性のスキン層を形成させた多孔質スキン層
    を有する吸収性シートの製造方法。
JP7147034A 1995-06-14 1995-06-14 多孔質スキン層を有する吸収性シートおよびその製造 方法 Withdrawn JPH093798A (ja)

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