JPH093456A - コークス炉炭化室内圧力の制御方法 - Google Patents

コークス炉炭化室内圧力の制御方法

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JPH093456A
JPH093456A JP18109795A JP18109795A JPH093456A JP H093456 A JPH093456 A JP H093456A JP 18109795 A JP18109795 A JP 18109795A JP 18109795 A JP18109795 A JP 18109795A JP H093456 A JPH093456 A JP H093456A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メンテナンス少なく、乾留末期におけるコー
クス炉内圧を所定の微陽圧に保持する。 【構成】 コークス炉炭化室2内の圧力をコークス炉ガ
スの吸引量を調整することによって制御するコークス炉
炭化室内圧力の制御方法において、上昇管4部でコーク
ス炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コークス
炉ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド管5部に噴霧し
ている低圧安水10の流量または圧力を調整し、所定の
微陽圧に保持する。 【効果】 炉外からの空気進入に起因する爆発、発生ガ
スカロリーの低下、炉体の損傷を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コークス炉炭化室内
圧力を常に微陽圧に保持するためのコークス炉炭化室内
圧力の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉で石炭を乾留する際に発生す
るコークス炉ガスは、炭化室上部のガス道から上昇管、
ベンド管を経て集気本管に集められ、サクションメイン
を経由して後工程の精製工程の排気ブロワにより吸引配
送される。発生するコークス炉ガス量は、装入直後は極
めて多いが、急速に低下して乾留開始から3〜4時間後
にほぼ一定となり、最終段階で再び増加して極大となっ
たのち、急激に減少して火落ちとなる。また、ガス組成
では、当初CH4が多く発熱量が高いが、乾留末期では
2の発生が増え、発熱量は低下する。
【0003】コークス炉の操業においては、炭化室内圧
力を数mmAq程度の一定微陽圧に保持することは円滑
な操業を行ううえで重要なことである。その理由は、炭
化室内圧力が高いと発生コークス炉ガスが炉外や燃焼室
に漏洩し、負圧であると外部から空気を吸引して爆発し
たり、発生コークス炉ガスの発熱量が低下したり、空気
吸引部での局所燃焼により炉体の損傷を引き起こす等の
問題を生じるからである。従来、コークス炉の炭化室内
圧力の制御は、サクションメインに設けたアスカニアと
称されている制御弁の開度を調整して排気ブロワの吸引
圧を制御し、集気本管内圧力を数mmAq程度の一定微
陽圧に保持することによって行われていた。
【0004】炭化室で発生したコークス炉ガスは、上昇
管と集気本管とを連結するベンド管部に常時噴霧されて
いる低圧安水(ガス液)で洗浄され、約800℃から8
5〜95℃まで冷却されたのち、集気本管を経由してサ
クションメインに導かれる。一方、炭化室から発生する
コークス炉ガスは、乾留の全期間を通じて一定ではな
く、集気本管内圧力がほぼ一定の微陽圧に保持されてい
ても、乾留末期においては発生量が大きく低下し、ベン
ド管部の低圧安水噴霧によるエゼクターによって炭化室
内圧力が負圧に転じる。
【0005】また、炭化室に石炭を装入する場合には、
コークス炉外への粉塵、ガスの漏洩を防止する目的で、
上昇管ベンド部より蒸気または高圧安水などの高圧流体
によってエゼクターをかけ、炭化室内圧力を下げること
が従来から実施されている。さらに、装入直後のコーク
ス炉ガス発生量の極めて多い時期には、ベンド管部に設
けた高圧安水噴射によるエゼクターによって炭化室内圧
力の上昇を抑制して数mmAq程度の一定微陽圧に保持
することが行われている。
【0006】従来、コークス炉の炭化室内圧力の制御方
法としては、コークス炉ガスの吸引管の途中に設けられ
た渦形素子に吹込む制御用流体の流量を、コークス炉の
炉圧の設定値と、炉圧の実測値との差に基づき制御する
ことによって、コークス炉ガスの吸引量の調節を行う方
法(特公昭60−6387号公報)、装入から押出しま
での全乾留期間に、コークス炉内圧を大気圧以下に設定
し、測定圧力を同設定圧力と比較し、同差圧により発せ
られる制御信号によって、上昇管に設けた制御ダンパー
の開閉もしくは同上昇管内に圧力流体を吹込み、もしく
は2方法の組合せによって上昇管の吸引圧を調整する方
法(特開平6−041537号公報)が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭60−63
87号公報、特開平6−041537号公報に開示の方
法は、いずれもコークス炉内圧を測定して制御用流体の
流量あるいは皿弁の開度を制御するもので、コークス炉
内圧の測定精度は、月日の経過と共にタール、カーボン
の付着により悪化するため、頻繁にメンテナンスを行う
必要がある。また、コークス炉は、通常数十ないし百余
の炭化室が炉団を形成しており、各炭化室毎に圧力測定
器を設置するとメンテナンスに多大な労力を必要とする
という欠点を有している。
【0008】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、乾留末期におけるコークス炉内圧を所定の微陽
圧に保持でき、かつ、必要なメンテナンスの少ないコー
クス炉炭化室内圧力の制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく乾留開始から乾留終了までの炉内圧の挙動
に関する綿密な調査を行った。その結果、炉内圧は、ガ
ス発生量の極めて多い乾留初期のピーク圧から急速に低
下して乾留開始から3〜4時間後にほぼ一定となり、ガ
ス発生量が最終段階で再び増加して極大となったのち、
急激に減少して火落ちとなるのに同期して低下する。一
方、コークス炉ガス温度は、乾留初期から中期において
ほぼ一定か微減する傾向にあり、ガス発生量が最終段階
で再び増加して極大となったのち急激に減少する時期
に、同様に上昇したのち低下すること、したがって、上
昇管部でコークス炉ガス温度を連続測定すれば、乾留末
期の炉内圧力の低下時期を判定できることを究明し、こ
の発明に到達した。
【0010】すなわちこの発明は、コークス炉炭化室内
の圧力をコークス炉ガスの吸引量を調整することによっ
て制御するコークス炉炭化室内圧力の制御方法におい
て、上昇管部でコークス炉ガスの温度を連続測定し、乾
留末期の発生コークス炉ガスの温度変化に応じて上昇管
ベンド部に噴射している低圧安水の流量または圧力を調
整し、所定の微陽圧に保持することを特徴とするコーク
ス炉炭化室内圧力の制御方法である。
【0011】また、コークス炉炭化室内の圧力をコーク
ス炉ガスの吸引量を調整することによって制御するコー
クス炉炭化室内圧力の制御方法において、上昇管部でコ
ークス炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コー
クス炉ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド部と集気本
管との間の皿弁の開度を調整し、所定の微陽圧に保持す
ることを特徴とするコークス炉炭化室内圧力の制御方法
である。
【0012】
【作用】コークス炉の炭化室に空気が侵入するのは、炉
蓋部分であり、炉蓋部分で圧力を連続測定したところ、
図5に示すとおり、乾留初期には炉内圧は高いが乾留開
始から3〜5時間で微陽圧に低下する。乾留初期に炉内
圧が高いのは、乾留初期に高温の炉壁に接触した石炭か
らガスが多量に発生するためと思われる。乾留中期の微
陽圧は、乾留末期までほぼ一定で推移し、乾留末期には
ある時点を境に低下して負圧に転ずる。
【0013】一方、コークス炉ガスの温度は、図6に示
すとおり、乾留の初期から中期において500℃弱でほ
ぼ一定か微減する傾向にあり、乾留末期になるとしばら
く上昇し、次いで低下する。このように乾留末期にガス
温度が上昇するのは、乾留がほぼ終了してガス組成は熱
伝導性の良好な水素が80%以上を占めるようになるた
めと考えられる。したがって、炉内圧力とガス温度との
間に一定の相関関係が有り、コークス炉ガスの温度を連
続測定すれば、乾留末期のガス温度が上昇したのち下降
に転じる時点において、炉内圧が低下を開始するのがわ
かる。
【0014】この発明においては、上昇管部でコークス
炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コークス炉
ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド部に噴射している
低圧安水の流量または圧力を調整し、所定の微陽圧に保
持することによって、乾留末期におけるコークス炉ガス
の集気本管への過剰な吸引を防止でき、炉内圧が負圧に
なるのを防止することができる。また、発生コークス炉
ガスの温度は、熱電対によって簡単に信号を取出すこと
ができ、しかも、測温精度は長期間に亘って悪化するこ
とはなく、一度設置すれば殆どメンテナンスを必要とし
ない。
【0015】また、この発明においては、上昇管部でコ
ークス炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コー
クス炉ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド部と集気本
管との間の皿弁の開度を調整し、所定の微陽圧に保持す
ることによって、乾留末期におけるコークス炉ガスの集
気本管への過剰な吸引を防止でき、炉内圧が負圧になる
のを防止することができる。また、発生コークス炉ガス
の温度は、熱電対によって簡単に信号を取出すことがで
き、しかも、測温精度は長期間に亘って悪化することは
なく、一度設置すれば殆どメンテナンスを必要としな
い。
【0016】この発明における上昇管部でのコークス炉
ガス温度の測定は、上昇管の基部あるいは上方に熱電対
を設置して測定すればよく、上昇管の基部あるいは上方
で若干の変動があるものの、乾留末期においてコークス
炉ガス温度がしばらく上昇し、ついで低下に転じること
を明確に測定することができる。
【0017】乾留末期においてコークス炉ガス温度がし
ばらく上昇しついで低下に転じた時点での低圧安水の流
量または圧力の制御は、予め炉内圧を所定の微陽圧に保
持するに必要な低圧安水の流量または圧力を求めてお
き、乾留末期にコークス炉ガス温度がしばらく上昇しつ
いで低下に転じた時点で、低圧安水の流量または圧力を
予め求めた値に制御すればよい。
【0018】また、乾留末期においてコークス炉ガス温
度がしばらく上昇しついで低下に転じた時点での皿弁の
開度調整は、予め炉内圧を所定の微陽圧に保持するに必
要な皿弁の開度を求めておき、乾留末期にコークス炉ガ
ス温度がしばらく上昇しついで低下に転じた時点で、皿
弁の開度を予め求めた開度に調整すればよい。
【0019】
【実施例】以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図
1および図4に基づいて説明する。図1はこの発明の乾
留末期の発生コークス炉ガスの温度変化に応じて低圧安
水の流量を制御する場合の系統図、図2は乾留末期の発
生コークス炉ガスの温度変化に応じて低圧安水の流量を
制御した場合の乾留初期からの炉内圧の変化を示すグラ
フで、図3はこの発明の乾留末期の発生コークス炉ガス
の温度変化に応じて低圧安水を切替えする場合の系統
図、図4はこの発明の乾留末期の発生コークス炉ガスの
温度変化に応じて低圧安水を切替えた場合の乾留初期か
らの炉内圧の変化を示すグラフである。
【0020】図1において、1はコークス炉、2はコー
クス炉1の炭化室、3は炭化室2の窯口に装着した炉
蓋、4は炭化室2の炉端に立設した上昇管、5は上昇管
4と集気本管6とを連結するベンド管、7はベンド管5
の下部に設けた皿弁、8はベンド管5の皿弁7の上方に
設けた低圧安水のスプレーノズルで、流量調整弁9を介
して低圧安水本管10と接続され、常時低圧安水がスプ
レーノズル8から噴霧され、乾留中コークス炉ガスを洗
浄冷却するよう構成されている。
【0021】11は上昇管4の上部に設置した熱電対、
12は炉内圧制御部で、入力キーボード13から予め求
めた乾留末期の炉内圧を所定の微陽圧に保持するに必要
な低圧安水の流量が入力設定されており、熱電対11か
ら入力される乾留末期の発生コークス炉ガスの温度変化
に応じて、低圧安水の流量調整弁9を制御し、スプレー
ノズル8からの低圧安水の流量を調整して炉内圧力を所
定の微陽圧に保持するよう構成されている。14は炉内
圧制御部12による発生コークス炉ガスの温度変化を示
すモニタテレビである。
【0022】上記のとおり構成したことによって、炭化
室2に装入炭15を装入して乾留するに際し、炉内圧制
御部12は、熱電対11から入力される乾留末期に発生
コークス炉ガスの温度がしばらく上昇しついで低下に転
じた時点、すなわち図2に矢印で示す時点で、予め入力
設定されている乾留末期の炉内圧を所定の微陽圧に保持
するに必要な低圧安水の流量となるよう流量調整弁9の
開度を調整し、乾留末期の炉内圧を所定の微陽圧に保持
した場合における乾留初期からの炉内圧の変化を図2に
示す。図2に示すとおり、炉内圧は、乾留中期から末期
にかけて約2mmAqで推移し、負圧になるのを防止す
ることができた。
【0023】図3において、21は安水切替弁、22は
低圧安水本管10よりも低い圧力の安水供給管で、スプ
レーノズル8と安水切替弁21を介して低圧安水本管1
0と共に接続されている。炉内圧制御部12は、熱電対
11から入力される乾留末期に発生コークス炉ガスの温
度がしばらく上昇しついで低下に転じた時点で、乾留末
期の炉内圧を所定の微陽圧に保持するため、安水切替弁
21を切替えて低圧安水本管10から低圧安水本管10
よりも低い圧力の安水供給管22に切替えるよう構成さ
れている。
【0024】上記のとおり構成したことによって、炭化
室2に装入炭15を装入して乾留するに際し、炉内圧制
御部12は、熱電対11から入力される乾留末期に発生
コークス炉ガスの温度がしばらく上昇しついで低下に転
じた時点、すなわち図4に矢印で示す時点で、安水切替
弁21を切替えて低圧安水本管10から低圧安水本管1
0よりも低い圧力の安水供給管22に切替え、スプレー
ノズル8から噴霧する安水圧力を低下させ、乾留末期の
炉内圧を所定の微陽圧に保持した場合における乾留初期
からの炉内圧の変化を図4に示す。図4に示すとおり、
炉内圧は、切替弁21を切替えた直後に炉内圧は約2m
mAqから3〜4mmAqに若干上昇し、その後次第に
低下するが低下幅は小さく、乾留終了時点において約1
mmAqであり、負圧になるのを防止することができ
た。
【0025】なお、炉内圧の調整には、低圧安水の流量
または圧力を変化させる代わりに、乾留末期に皿弁7の
開度を調整することも有効で、熱電対11から入力され
る乾留末期に発生コークス炉ガスの温度がしばらく上昇
しついで低下に転じた時点で、皿弁7の開度を小さくし
たところ、低圧安水の流量または圧力を変化させたのと
同様に、一時的に若干炉内圧が上昇した後(図4のよう
に)、乾留終了時点において約1mmAqと負圧になる
のを防止することを確認している。
【0026】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、乾留末期の発生コークス炉ガスが減少した時点での
炉内負圧を防止でき、炉外からの空気進入に起因する爆
発、発生ガスカロリーの低下、炉体の損傷を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の乾留末期の発生コークス炉ガスの温
度変化に応じて低圧安水の流量を制御する場合の系統図
である。
【図2】乾留末期の発生コークス炉ガスの温度変化に応
じて低圧安水の流量を制御した場合の乾留初期からの炉
内圧の変化を示すグラフである。
【図3】この発明の乾留末期の発生コークス炉ガスの温
度変化に応じて低圧安水を切替えする場合の系統図であ
る。
【図4】この発明の乾留末期の発生コークス炉ガスの温
度変化に応じて低圧安水を切替えした場合の乾留初期か
らの炉内圧の変化を示すグラフである。
【図5】従来の乾留初期からの炉内圧の変化を示すグラ
フである。
【図6】乾留時間と発生コークス炉ガス温度の変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 コークス炉 2 炭化室 3 炉蓋 4 上昇管 5 ベンド管 6 集気本管 7 皿弁 8 スプレーノズル 9 流量調整弁 10 低圧安水本管 11 熱電対 12 炉内圧制御部 13 入力キーボード 14 モニタテレビ 15 装入炭 21 安水切替弁 22 安水供給管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉炭化室内の圧力をコークス炉
    ガスの吸引量を調整することによって制御するコークス
    炉炭化室内圧力の制御方法において、上昇管部でコーク
    ス炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コークス
    炉ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド部に噴霧してい
    る低圧安水の流量または圧力を調整し、所定の微陽圧に
    保持することを特徴とするコークス炉炭化室内圧力の制
    御方法。
  2. 【請求項2】 コークス炉炭化室内の圧力をコークス炉
    ガスの吸引量を調整することによって制御するコークス
    炉炭化室内圧力の制御方法において、上昇管部でコーク
    ス炉ガスの温度を連続測定し、乾留末期の発生コークス
    炉ガスの温度変化に応じて上昇管ベンド部と集気本管と
    の間の皿弁の開度を調整し、所定の微陽圧に保持するこ
    とを特徴とするコークス炉炭化室内圧力の制御方法。
JP18109795A 1995-06-22 1995-06-22 コークス炉炭化室内圧力の制御方法 Expired - Lifetime JP2970477B2 (ja)

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