JPH0933512A - ガス分析方法及びそのための装置 - Google Patents

ガス分析方法及びそのための装置

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JPH0933512A
JPH0933512A JP18280795A JP18280795A JPH0933512A JP H0933512 A JPH0933512 A JP H0933512A JP 18280795 A JP18280795 A JP 18280795A JP 18280795 A JP18280795 A JP 18280795A JP H0933512 A JPH0933512 A JP H0933512A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定ガス中の酸化窒素とアンモニアを、同
時に、リアルタイムで検知することの出来るガス分析方
法及び装置の提供。 【解決手段】 被測定ガスをNH3 酸化触媒16Aに接
触させ、該被測定ガス中のアンモニアを酸化して酸化窒
素を生成せしめ、その生成酸化窒素と該被測定ガス中の
酸化窒素の合計量を第一のセンサ素子2Aにて検出す
る。一方、かかる被測定ガスをNH3 脱硝触媒14に接
触させ、該被測定ガス中の酸化窒素とアンモニアを反応
せしめ、そのうちの一方を実質的に除去した後、該被測
定ガス中に残存する酸化窒素の量、または該被測定ガス
中に残存するアンモニアを更にNH3酸化触媒16Bに
て酸化して生成される酸化窒素の量を第二のセンサ素子
2Bにて検出する。そして、それら第一及び第二のセン
サ素子2A、2Bから得られる二つの検出値に基づいて
演算装置30にて演算処理し、被測定ガス中の酸化窒素
量及び/又はアンモニア量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ガス分析方法及びそのための装
置に係り、特に、酸化窒素と共に、被測定ガス中に含ま
れるアンモニアの濃度も、同時に測定することの出来る
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、各種発電所設備やゴミ焼却炉等
から排出される燃焼排ガス中の所定のガス成分を測定
し、その濃度を監視する等の公害監視の目的より、また
所定のガス成分濃度から燃焼状態をフィードバック制御
する等の目的から、各種のガス分析装置が利用されてい
る。例えば、火力発電所においては、燃焼炉から排出さ
れる燃焼排ガス中に酸化窒素(NOx)が存在するとこ
ろから、NH3 脱硝反応(4NO+4NH3 +O2 →4
2 +6H2 O)を利用したアンモニア脱硝装置が設け
られているが、そのような燃焼排ガス中のNOxを除去
する脱硝装置においては、その脱硝効率を向上させるた
めの制御用途のNOx計や、脱硝装置出口(煙突入口)
において、未反応のNOxとNH3 の排出量をモニタす
る公害監視用途のNOx計とNH3 計が利用されてい
る。
【0003】そして、それらのガス分析計のうち、NO
x計では、化学発光法や赤外線吸収法等を用いたサンプ
リング方式のものが、またNH3 計では、化学発光法や
紫外線吸収法やイオン電極法等のサンプリング方式のも
のが、それぞれ、実用化されている。また、半導体式ガ
スセンサや固体電解質ガスセンサ等を燃焼排ガス中に直
入れして、NOxやNH3 の濃度を電気信号として取り
出すようにしたNOx計やNH3 計の開発も、試みられ
ている。
【0004】しかしながら、上記した化学発光法、赤外
線吸収法、紫外線吸収法、イオン電極法等を用いたサン
プリグ方式のガス分析計にあっては、燃焼排ガスの如き
被測定ガスの存在する空間より、長いガス配管(10〜
50m)を用いて、被測定ガスを吸引して、ガス分析計
まで導かねばならず、そのためにリアルタイムのガス測
定が出来ないところから、特に、制御用途には不向きで
あった。特に、脱硝装置には必ず付いてまわる、未反応
成分として排出されるNOxやNH3 の測定を考えた場
合において、前記のサンプリング方式のガス分析計で
は、巨大なガス検知部の2台(NOx検知部及びNH3
検知部)を設置しなければならず、価格的にも莫大なも
のとなる問題を内在している。このように、既に実用化
されているサンプリング方式のNOx計やNH3 計は、
その利用者に対して、充分な満足を与えていないのが、
現状である。
【0005】また、前記した半導体式のガスセンサや固
体電解質ガスセンサ等のガスセンサを、燃焼排ガスの如
き被測定ガス中に直入れするタイプのNOx計やNH3
計にあっては、ガスセンサの選択性が悪く、何れも、実
用化には至っていない。例えば、固体電解質ガスセンサ
からなるNOx計にあっては、被測定ガス中にNOxと
共にNH3 が存在すると、かかるNH3 がNOx測定環
境下において酸化され、NOとなるところから、被測定
ガス中のNOx濃度を正確に測定することが困難となる
のである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決すべき課題と
するところは、被測定ガス中の酸化窒素(NOx)とア
ンモニア(NH3 )を、同時に、リアルタイムで検知す
ることの出来るガス分析方法及びそのための装置を提供
することにある。また、本発明の更なる課題とするとこ
ろは、二つのNOxセンサ手段とNH3 脱硝触媒を用い
て、直入れ方式にて、酸化窒素とアンモニアの濃度を同
時に検出することの出来る方法及び装置を提供すること
にある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、上述の如き課
題を解決するために、酸化窒素及びアンモニアを含む被
測定ガスを分析する方法にして、(1)かかる被測定ガ
スをNH3 酸化触媒に接触させることにより、該被測定
ガス中のアンモニアを酸化して酸化窒素を生成せしめ、
そしてその生成した酸化窒素と該被測定ガス中に存在し
ている酸化窒素の合計量を検出する第一の酸化窒素検出
工程と、(2)かかる被測定ガスをNH3 脱硝触媒に接
触させることにより、該被測定ガス中の酸化窒素とアン
モニアを反応させて、そのうちの一方を実質的に除去し
た後、該被測定ガス中に残存する酸化窒素の量、または
該被測定ガス中に残存するアンモニアを更にNH3 酸化
触媒にて酸化して生成せしめられる酸化窒素の量を検出
する第二の酸化窒素検出工程と、(3)上記の第一及び
第二の酸化窒素検出工程において得られる二つの検出値
より、被測定ガス中の酸化窒素量及び/又はアンモニア
量を演算する工程とを、含むことを特徴とするガス分析
方法を、その要旨とするものである。
【0008】要するに、かかる本発明に従うガス分析方
法においては、被測定ガス中の酸化窒素(NOx)とア
ンモニア(NH3 )とは、接触せしめられる触媒の種類
によって、以下の及びに示される如く、異なる反応
を惹起するのである。なお、それらの反応は、主として
酸化窒素がNOの形態において進行するものであるとこ
ろから、ここでは、酸化窒素はNOとして示されてい
る。 NH3 酸化触媒(第一の酸化窒素検出工程) (NO)+4NH3 +5O2 →(NO)+4NO+6H
2 O このように、NH3 酸化触媒を存在せしめて、被測定ガ
ス中のアンモニアを酸化せしめると、アンモニアより等
モル比でNOが生成するのであり、そして、この生成N
Oと、もともと被測定ガス中に存在している酸化窒素
(NOx)として表わされる(NO)との合計量が、第
一の酸化窒素検出工程において検出され、信号として取
り出されるのである。 NH3 脱硝触媒(第二の酸化窒素検出工程) 4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O このように、NH3 脱硝触媒が存在すると、被測定ガス
中の酸化窒素(NOx)は、NOの形態において、アン
モニア(NH3 )と等モル比で反応し、アンモニア脱硝
が行なわれる。このアンモニア脱硝によって、被測定ガ
ス中のNOx及びNH3 は消費され、消失することとな
るが、被測定ガス中には、一般に、NOx及びNH3
何れか一方が過剰となっているところから、NOx過剰
の場合には、その過剰のNOx量が検出される一方、N
3 過剰の場合には、その過剰のNH3 が、更にNH3
酸化触媒にて、上記のの反応式の如く酸化反応せしめ
られ、そしてその生成する酸化窒素の量が検出されて、
第二の酸化窒素検出工程における出力となるのである。
【0009】すなわち、本発明に従うガス分析方法にお
ける第一の酸化窒素検出工程にあっては、もともと被測
定ガス中に存在している酸化窒素(NOとする)と、N
3より生成せしめられたNO、換言すればNO(NH
3 )との合計量:NO+NO(NH3 )の出力が得られ
る一方、第二の酸化窒素検出工程においては、等モル比
でアンモニア脱硝が行なわれるところから、もともと被
測定ガス中に存在している酸化窒素量と、アンモニア
量、換言すればそれより生成せしめられる酸化窒素量と
の差の絶対値:|NO−NO(NH3 )|からなる出力
が得られるのであり、これを纏めると、下表の如く表わ
されるのである。
【0010】
【表1】
【0011】従って、かかる第一及び第二の酸化窒素検
出工程において得られる二つの検出値(出力)を、信号
処理(演算)して、それぞれの出力の和または差を取る
と、以下の如くなり、被測定ガス中の目的とする酸化窒
素量及びアンモニア量が実際の濃度の2倍の値にて求め
られ得るのである。 a)NO>NH3 の場合 +=2NO −=2NO(NH3 )=2NH3 b)NO<NH3 の場合 +=2NO(NH3 )=2NH3 −=2NO
【0012】かくして、本発明に従うガス分析方法によ
れば、被測定ガス中に共存する酸化窒素並びにアンモニ
アを、二つの酸化窒素検出工程から得られる検出値(出
力)を演算処理することにより、極めて簡単に且つ容易
に測定することが出来ることとなったのであり、しか
も、それら二つの工程における酸化窒素の検出は、それ
ぞれ、リアルタイムで行なうことが出来るところから、
酸化窒素とアンモニアの検出も同時に、リアルタイムで
行ない得るのであり、しかも、従来のサンプリング方式
の如き、大型の装置を用いる必要もなく、被測定ガスを
適当な酸化窒素検出手段(センサ)の二つに導けば足り
るところから、装置の小型化、更には低コスト化も、有
利に達成され得るのである。
【0013】なお、このような本発明に従うガス分析方
法において、前記第一若しくは第二の酸化窒素検出工程
におけるアンモニアの酸化は、先に述べた反応式を効果
的に進行せしめるべく、一般に400℃以上、より好ま
しくは500℃以上の温度下において行なわれることが
望ましい。そして、そのようなアンモニアの酸化のため
に用いられるNH3 酸化触媒は、Pt、Au、Ag、R
h及びPdからなる群より選ばれた1種若しくは2種以
上の成分にて構成されるものである。
【0014】また、本発明に従うガス分析方法の第二の
酸化窒素検出工程におけるNH3 脱硝触媒による酸化窒
素とアンモニアの反応は、200℃〜400℃の温度下
において行なわれることが望ましく、そのような温度領
域への制御によって、先に述べたアンモニア脱硝反応
が、有利に進行せしめられ得るのである。そして、その
ようなNH3 脱硝触媒は、V、Mo、W、Ni、Cu、
Cr、Pt、V2 5 、WO3 、TiO2 及びAl2
3 からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の成分
にて構成されるものである。
【0015】ところで、本発明は、また、酸化窒素及び
アンモニアを含む被測定ガスを分析するための装置にし
て、(a)かかる被測定ガスが接触させられる、該被測
定ガス中のアンモニアを酸化して酸化窒素を生成せしめ
るNH3 酸化触媒と、その生成した酸化窒素と該被測定
ガス中に存在している酸化窒素の合計量を検出する酸化
窒素検出手段とを有する第一の酸化窒素検出機構と、
(b)かかる被測定ガスが接触させられる、該被測定ガ
ス中の酸化窒素とアンモニアとを反応させて、そのうち
の一方を実質的に除去せしめるNH3 脱硝触媒と、該N
3 脱硝触媒に接触せしめられた被測定ガスが更に接触
させられる、該被測定ガス中に残存するアンモニアを酸
化して酸化窒素を生成せしめるNH3 酸化触媒と、該N
3 酸化触媒に接触せしめられた被測定ガス中の酸化窒
素量を検出する酸化窒素検出手段とを有する第二の酸化
窒素検出機構と、(c)上記の第一及び第二の酸化窒素
検出機構において得られる二つの検出値より、被測定ガ
ス中の酸化窒素量及び/又はアンモニア量を演算する演
算手段とを、含むことを特徴とするガス分析装置をも、
その要旨とするものである。
【0016】そして、このような構成のガス分析装置を
用いることにより、上記したガス分析方法が有利に実施
され得ることとなるのであり、また第一及び第二の酸化
窒素検出機構の酸化窒素検出手段を、それぞれ、被測定
ガス中に直入れして、酸化窒素とアンモニアをリアルタ
イムで検知することが出来るのである。
【0017】なお、この本発明に従うガス分析装置にお
いて、前記第一若しくは第二の酸化窒素検出機構におけ
るNH3 酸化触媒は、該第一若しくは第二の酸化窒素検
出機構における酸化窒素検出手段に被測定ガスを導くた
めの通路上、または該酸化窒素検出手段内に設けられる
ことが望ましく、また前記NH3 脱硝触媒は、前記第二
の酸化窒素検出機構における酸化窒素検出手段に被測定
ガスを導くための通路上、または該酸化窒素検出手段内
に設けられていることが望ましい。
【0018】特に、本発明に従うガス分析装置において
は、前記第一若しくは第二の酸化窒素検出機構における
酸化窒素検出手段は、外部の被測定ガス存在空間に連通
された第一の内部空所と、該被測定ガス存在空間より被
測定ガスを所定の拡散抵抗の下に該第一の内部空所に導
く第一の拡散律速手段と、第一の酸素イオン伝導性固体
電解質とこれに接して設けられた一対の電極からなる電
気化学的セルを用いて、それら一対の電極間への通電に
より、前記第一の内部空所に対する酸素のポンピングを
行ない、該第一の内部空所の雰囲気中の酸素分圧を、酸
化窒素が実質的に還元され得ない所定の低い値に制御せ
しめる第一の酸素ポンプ手段と、前記第一の内部空所に
連通され、内部に所定の酸化窒素還元触媒が配されてな
る第二の内部空所と、前記第一の内部空所内の制御され
た雰囲気を、所定の拡散抵抗の下に、該第二の内部空所
に導く第二の拡散律速手段と、第二の酸素イオン伝導性
固体電解質とこれに接して設けられた一対の電極からな
る電気化学的セルを用いて、それら一対の電極間への通
電により、前記第二の内部空所内の雰囲気中の酸素を汲
み出し、かかる雰囲気中の酸素分圧を、前記酸化窒素還
元触媒にて酸化窒素が還元され得る所定の値に制御する
一方、該第二の内部空所内の雰囲気中に存在する酸化窒
素を還元せしめて、その際に発生する酸素を汲み出すよ
うにした第二の酸素ポンプ手段と、該第二の酸素ポンプ
手段のポンプ作動によって流れるポンプ電流を検出する
電流検出手段とを、有していることが望ましく、このよ
うな構成の酸化窒素検出手段の採用によって、被測定ガ
ス中の酸化窒素の濃度を、該被測定ガス中の酸素濃度の
変化に影響を受けることなく、連続的に応答性よく且つ
長時間正確に測定可能と為し得るのである。
【0019】また、このような構成の酸化窒素検出手段
において、前記第一若しくは第二の酸化窒素検出機構に
おけるNH3 酸化触媒は、該酸化窒素検出手段を構成す
る前記第一の酸素ポンプ手段における電気化学的セルを
構成する一対の電極のうち、前記第一の内部空所内に配
される電極を兼ねるものであることが望ましく、これに
よって、酸化窒素検出機構の構造が有利に簡略化され得
ることとなる。
【0020】さらに、前記酸化窒素還元触媒にあって
も、それが、前記第二の酸素ポンプ手段における電気化
学的セルを構成する一対の電極のうち、前記第二の内部
空所内に配される電極を兼ねるように構成すれば、酸化
窒素検出手段の構造上の簡略化が有利に達成されるので
ある。
【0021】また、前記酸化窒素検出手段は、前記第一
及び第二の酸素イオン伝導性固体電解質を含んで一体構
造とされたセンサ素子を有し、該センサ素子に、前記第
一及び第二の内部空所と前記第一及び第二の拡散律速手
段と前記第一及び第二の酸素ポンプ手段とが一体的に設
けられている構成を、有利に採用するものであり、その
ような一体的に構成されたセンサ素子の採用によって、
装置乃至は機構のより一層の小型化や簡略化が図られ得
るのである。
【0022】なお、そのようなセンサ素子は、外部の被
測定ガス存在空間に開口する、予め定められた拡散抵抗
を有する細隙な平坦空間を有し、該平坦空間にて、前記
第一及び第二の拡散律速手段が構成されていると共に、
該平坦空間の前記被測定ガス存在空間開口側部位が前記
第一の内部空所とされて、そこに前記第一の酸素ポンプ
手段が設けられ、更に該平坦空間の該第一の内部空所よ
りも奥側の部位が前記第二の内部空所とされて、そこに
前記第二の酸素ポンプ手段が設けられている構成も、有
利に採用されることとなる。
【0023】そして、上述の如き構成の酸化窒素検出手
段に対しては、更に、前記第一の内部空所及び前記第二
の内部空所をそれぞれ所定の温度に加熱せしめ得る加熱
手段が、有利に設けられる。この加熱手段の配置によっ
て、被測定ガスの温度が低い場合においても、酸化窒素
検出手段を効果的に作動せしめ得、また、アンモニアの
酸化や酸化窒素の還元乃至は分解も有利に行ない得るの
である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、図面に示される具体例を参照しつつ、
本発明の実施の形態について、詳細に説明することとす
る。
【0025】先ず、図1は、本発明に従うガス分析装置
の基本的な一例を概略的に示すものであって、そこにお
いて、2A、2Bは、それぞれ、第一及び第二の酸化窒
素検出機構における酸化窒素検出手段たる第一及び第二
のセンサ素子である。なお、それらセンサ素子2A、2
Bは、ここでは、何れも、固体電解質ガスセンサ構造の
ものとされ、燃焼排ガスの如き被測定ガス中に直入れさ
れ得るようになっているが、その他、半導体式ガスセン
サ等構造のものにあっても、本発明における酸化窒素検
出手段として、同様に用いることが可能である。
【0026】ところで、かかる第一及び第二のセンサ素
子2A、2Bは、何れも、同様な構造を有するものであ
って、ジルコニア磁器等の公知の酸素イオン伝導性の固
体電解質材料からなる一体構造のセンサ本体4A、4B
内に、第一及び第二の内部空所6A、6B;8A、8B
を有しており、そして該第一の内部空所6A、6Bに
は、第一の拡散律速手段たる第一の拡散律速通路10
A、10Bを通じて、所定の拡散抵抗の下に、外部の被
測定ガスが導かれるようになっていると共に、第二の内
部空所8A、8B内には、第二の拡散律速手段たる第二
の拡散律速通路12A、12Bを通じて、所定の拡散抵
抗の下に、第一の内部空所6A、6B内の被測定ガスが
導き入れられるようになっている。なお、第二のセンサ
素子2Bの第一の拡散律速通路10Bの入口部には、ア
ルミナ等からなる多孔質層にV2 5の如きNH3 脱硝
触媒を担持せしめてなる、NH3 脱硝触媒層14が設け
られており、外部の被測定ガス存在空間から、被測定ガ
スが、かかるNH3 脱硝触媒層14を通過せしめられる
ことにより、該被測定ガス中に存在する酸化窒素(N
O)とアンモニア(NH3 )とが反応せしめられて、そ
のうちの一方が実質的に除去(消失)せしめられた後、
第一の拡散律速通路10Bを通じて、第一の内部空所6
B内に導き入れられるようになっている。
【0027】また、第一及び第二のセンサ素子2A、2
Bにおける固体電解質からなるセンサ本体4A、4Bの
第一の内部空所6A、6B内に露呈する部分には、それ
に接して、多孔質Pt電極からなる第一内側電極(ポン
プ電極)16A、16Bが設けられ、更に、それら第一
内側電極16A、16Bに対応するセンサ本体4A、4
Bの外面部位には、それに接するように、同様な多孔質
Pt電極からなる第一外側電極(ポンプ電極)18A、
18Bが設けられており、それら電極16A、18A;
16B、18Bとセンサ本体(固体電解質)4A、4B
とによって、それぞれ、第一の酸素ポンプ手段における
電気化学的セル、即ち第一の電気化学的ポンプセルが構
成されている。そして、かかる第一の電気化学的ポンプ
セルの二つの電極16A、18A;16B、18B間
に、外部の電源20A、20Bにて所望の電圧を印加せ
しめ、所定の方向に電流を流すことによって、第一の内
部空所6A、6B内の雰囲気中の酸素分圧は、酸化窒素
が還元されない所定の、望ましくは低い値に制御される
ようになっている。なお、ここでは、多孔質Pt電極
は、電極金属としてのPtとセラミックスとしてのZr
2 とからなるサーメット電極にて構成されているとこ
ろから、そのような多孔質Pt電極からなる第一内側電
極16A、16Bは、同時に、NH3 酸化触媒としても
機能し、第一の内部空所6A、6B内の雰囲気中に存在
するアンモニア(NH3 )を酸化せしめて、酸化窒素
(NO)を生成するようになっている。
【0028】さらに、第二の内部空所8A、8Bに対し
ては、固体電解質からなるセンサ本体4A、4Bの露呈
部分に、それに接して、第二内側電極22A、22Bが
設けられている。この第二内側電極22A、22Bは、
酸化窒素(NOx)を還元し得る金属たるRhとセラミ
ックスとしてのジルコニアとからなる多孔質サーメット
にて構成され、これによって、第二の内部空所8A、8
B内の雰囲気中に存在する酸化窒素(NOx)を還元せ
しめ得る酸化窒素還元触媒として機能する一方、ポンプ
電極としても機能し、センサ本体4A、4Bの外面に設
けられた多孔質Pt電極からなる第二外側電極(ポンプ
電極)24A、24Bとの間に、電源26A、26Bよ
り一定電圧が印加せしめられることによって、第二の内
部空所8A、8B内の雰囲気中の酸素を外部に汲み出す
ようになっている。従って、第二内側電極22A、22
Bと第二外側電極24A、24Bとセンサ本体(固体電
解質)4A、4Bとによって、第二の酸素ポンプ手段を
与える電気化学的セル、即ち第二の電気化学的ポンプセ
ルが構成されているのである。そして、この電気化学的
ポンプセル、換言すれば第二の酸素ポンプ手段のポンプ
作動によって流れるポンプ電流は、電流計28A、28
Bにて検出されるようになっている。なお、前記した電
源26A、26Bは、第二の拡散律速通路12A、12
Bによる制限された酸化窒素(NOx)の流入下におい
て、第二の電気化学的ポンプセルにての酸化窒素分解時
に生成した酸素のポンピングに対して限界電流を与える
大きさの電圧を印加せしめ得るようになっている。
【0029】そして、かかる第一、第二のセンサ素子2
A、2Bの第二の内部空所8A、8Bに対する酸素の汲
み出しのためのポンプ電流値:Ip1 、Ip2 が、それ
ぞれの電流計28A、28Bにて検出され、更にその出
力が演算装置30に入力せしめられて、それら出力を演
算処理(加算、減算)することにより、目的とする被測
定ガス中の酸化窒素量及び/又はアンモニア量が求めら
れるようになっているのである。
【0030】ところで、このような構成のガス分析装置
を用いて、酸化窒素(NOx)及びアンモニア(N
3 )を含む被測定ガスを分析するに際しては、それら
第一、第二のセンサ素子2A、2Bの先端部側が、被測
定ガス存在空間内に位置するように直入れされて、配置
される。
【0031】従って、第一のセンサ素子2Aに対して
は、被測定ガスは、第一の拡散律速通路10Aを介し
て、第一の内部空所6A内に直接に導入され、そして、
該被測定ガス中に存在するNH3 は、第一内側電極16
AのNH3 酸化触媒機能によって酸化されて、NOとさ
れる一方、第一の内部空所6A内の酸素分圧は、酸素濃
度制御手段たる第一の電気化学的ポンプセル(4A、1
6A、18A、)により、雰囲気中の酸化窒素が還元さ
れない所定の、望ましくは低い値に制御される。そし
て、その酸素分圧が制御された第一の内部空所6A内の
雰囲気は、該第一の内部空所6Aに第二の拡散律速通路
12Aを介して連通する第二の内部空所8A内に導か
れ、該第二の内部空所8Aにおいて、第二の内側電極2
2Aの作用によって、NOxが還元せしめられ、その
際、生成する酸素を、第二の電気化学的ポンプセル(4
A、22A、24A)を用いて、ガス拡散律速条件下
で、該第二の内部空所8A内より汲み出し、該第二の電
気化学的ポンプセルに流れる電流値により、被測定ガス
中のNOx量(被測定ガス中に存在しているNOxとN
3 の酸化により生成したNOとの合計量)が測定され
るのである。
【0032】なお、このようなNOx測定方法によれ
ば、第二の内部空所8A内の雰囲気中のNOx濃度(N
3 の酸化により生成したNOを含む):Cnは、Cn
=K・Ip1 −Aにて求められる。但し、Kは感度係
数、Ip1 は第二の電気化学的ポンプセルに流れる電流
値(電流計28Aの出力)、Aは第一の内部空所6A内
の雰囲気中に残留する少量の酸素に起因する定数であ
る。ここで、Ip1 は、その大部分が、被測定ガス中の
NOx成分が分解して生成した酸素によるものであり、
酸素を多量に含む被測定ガスを対象とする場合に比べ
て、被測定ガス中の酸素による影響を排除した状態で、
微量のNOxまで、精度よく測定することが出来るので
ある。
【0033】一方、第二のセンサ素子2Bにおいては、
被測定ガスは、NH3 脱硝触媒層14を通じて、第一の
拡散律速通路10Bによる所定の拡散抵抗の下に、第一
の内部空所6B内に導かれることとなるが、かかるNH
3 脱硝触媒層14を通過する際に、被測定ガス中のNO
xとNH3 は、先に示したアンモニア脱硝反応にて、等
モル比で反応し、そのために、被測定ガス中の存在量が
少ない方の成分が、実質的に除去(消失)せしめられた
状態下において、第一の内部空所6B内に導かれるので
ある。従って、第一の内部空所6B内の雰囲気中には、
被測定ガス中のNOxとNH3 のモル濃度差に相当する
NOx若しくはNH3 が存在することとなり、例えば、
NH3 が存在する場合(NH3 濃度>NOx濃度)に
は、上記第一のセンサ素子2Aの場合と同様に、第一内
側電極16Bにて酸化せしめられて、NOが生成せしめ
られる一方、かかる第一の内部空所6B内の酸素分圧
は、上記の第一のセンサ素子2Aと同様に、第一の電気
化学的ポンプセルのポンプ作動により、NOxが還元さ
れない所定の、望ましくは低い値に制御される。更に、
その酸素分圧が制御された第一の内部空所6B内の雰囲
気は、更に第一のセンサ素子2Aの場合と同様に、第一
の内部空所6Bに第二の拡散律速通路12Bを介して連
通する第二の内部空所8Bに導かれ、該第二の内部空所
8B内において、NOxが還元され、その際、生成する
酸素を、第二の電気化学的ポンプセルを用いて、ガス拡
散律速条件下で、該第二の内部空所8B中より汲み出
し、該第二の電気化学的ポンプセルに流れる電流値(電
流計28Bの出力:Ip2 )により、被測定ガス中の|
NO−NO(NH3 )|量が測定されるのである。
【0034】従って、演算装置30においては、第一の
センサ素子2Aの第二の電気化学的ポンプセルに流れる
電流値:Ip1 と第二のセンサ素子2Bの第二の電気化
学的ポンプセルに流れる電流値:Ip2 とに基づいて、
信号処理が行なわれ、それぞれの出力の和と差を取るこ
とにより、被測定ガス中のNOx量及び/又はNH3
が求められるのである。例えば、被測定ガス中のNOx
量がNH3 量よりも多い場合においては、前記出力の和
によって、2NO量が求められ、またそれら出力の差を
取ると、2NH3 量が求められるのである。また、これ
とは逆に、NOx量よりもNH3 量が多い場合にあって
は、それぞれの出力の和によって、2NH3 量が求めら
れ、またそれらの差を取ることによって、2NO量が求
められ得るのである。
【0035】なお、被測定ガス中において、NOx量及
びNH3 量の何れが多いかの判断については、種々なる
手法が採用され、例えば、被測定ガスの生成過程から、
理論的に若しくは計算によって判断され得る場合の他、
公知の他のガスセンサを用いて、予めNOx濃度とNH
3 濃度の一方又は両方を実測し、被測定ガスがNOx過
剰状態なのか、NH3 過剰状態なのかを判別したり、N
OxとNH3 ではセンサ出力の正負が異なるNOx/N
3 逆感応センサを用いたり、更にはNH3 過剰状態で
は出力が0となる過剰NOx測定センサ、またはそれと
は逆の過剰NH 3 測定センサを用いて、被測定ガス中の
NOx量とNH3 量の多少を判別したりすることが可能
である。
【0036】また、図2には、本発明に従うガス分析装
置におけるセンサ素子の、更に具体的な構造の一例が示
されている。そして、この図2に示される装置にあって
は、第一、第二のセンサ素子32A、32B内に、外部
の被測定ガス存在空間に開口するように設けた、予め定
められた拡散抵抗を有する細隙な平坦空間にて、第一の
拡散律速手段と第二の拡散律速手段とが構成されている
ところに、一つの特徴を有している。なお、この図2に
示されるセンサ素子32A、32Bにおいて、前記図1
に示される第一、第二のセンサ素子2A、2Bと同様な
部分には、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する
こととする。
【0037】具体的には、かかる図2に示される第一及
び第二のセンサ素子32A、32Bは、6つの酸素イオ
ン伝導性の固体電解質層34A1 〜34A6 ;34B1
〜34B6 を含んで積層せしめられてなる一体構造の細
長な矩形の板状体とされており、それら複数の固体電解
質層のうち、図において上から2つ目の固体電解質層3
4A2 、34B2 の先端部が所定長さに亘って矩形に切
り欠かれていることによって、センサ素子32A、32
Bの先端部に開口する所定の拡散抵抗を有する細隙な平
坦空間36A、36Bが所定幅にて、センサ素子32
A、32Bの長手方向に所定長さに亘って延在せしめら
れている。要するに、平坦空間36A、36Bは、長手
の矩形形状の平面形態を呈し、その一方の短辺部におい
て、外部の被測定ガス存在空間に開口せしめられている
のである。なお、第二のセンサ素子32Bにおける平坦
空間36Bの先端開口部内には、図1の具体例と同様な
NH 3 脱硝触媒層14が充填せしめられており、外部の
被測定ガス存在空間から導かれる被測定ガスは、かかる
NH3 脱硝触媒層14を通って、平坦空間36B内に導
かれるようになっている。
【0038】そして、それらの平坦空間36A、36B
内には、その開口部から、外部の被測定ガス存在空間の
被測定ガスが導き入れられ、そして所定の拡散抵抗の下
に、かかる平坦空間36A、36Bの奥部に到達せしめ
られることとなるところから、そのような平坦空間36
A、36B自体が、第一の拡散律速手段及び第二の拡散
律速手段を構成することとなるのである。また、かかる
平坦空間36A、36Bは、その開口側部位に、第一の
電気化学的ポンプセルを構成する第一内側電極(ポンプ
電極)16A、16Bが設けられることによって、当該
部位が第一の内部空所6A、6Bとされる一方、かかる
第一の内部空所6A、6Bよりも奥側の平坦空間36
A、36B部位が、第二の内部空所8A、8Bとされ
て、そこに、第二の電気化学的ポンプセルを構成する第
二内側電極(ポンプ電極)22A、22Bが配設せしめ
られている。
【0039】また、ここでは、基準空気導入通路38
A、38Bが、固体電解質層34A4、34B4 の切欠
部によって形成され、センサ素子32A、32Bの基部
側の端部において開口し、大気に連通せしめられてい
る。更に、この基準空気導入通路38A、38B内に
は、基準電極としても機能する第二外側電極24A、2
4Bが配置されており、平坦空間36A、36B内に設
けられた測定電極40A、40Bとの間において、電気
化学的センサセルを構成すると共に、第二内側電極22
A、22Bとの組み合わせにおいて、第二の電気化学的
ポンプセルを構成するようになっている。
【0040】そして、かかる第二外側電極24A、24
Bと測定電極40A、40Bと固体電解質層34A3
34B3 とによって構成される電気化学的センサセル、
換言すれば酸素分圧検出手段としての電気化学的セルに
よって、よく知られているように、第一の内部空所6
A、6B内の雰囲気と基準空気導入通路38A、38B
内の基準空気との間の酸素濃度差に基づいて、測定電極
40A、40Bと第二外側電極24A、24Bとの間に
発生する起電力を、電位差計42A、42Bにて測定す
ることにより、かかる第一の内部空所6A、6B内の雰
囲気中の酸素分圧が検出されるようになっている。そし
て、この電位差計42A、42Bにて検出された第一の
内部空所6A、6B内の雰囲気中の酸素分圧の値に基づ
いて、可変電源44A、44Bの電圧が制御され、以て
第一の内部空所6A、6B内の雰囲気中の酸素分圧が一
定の値に保持されるようになっているのである。
【0041】なお、第一、第二のセンサ素子32A、3
2B内には、二つの固体電解質層34A5 、34A6
34B5 、34B6 に挟まれた形態において、アルミナ
絶縁層46A、46Bが一体的に積層されており、そし
て、このアルミナ絶縁層46A、46B内に、外部から
の給電によって発熱せしめられるヒータ48A、48B
が埋設されている。このヒータ48A、48Bによる加
熱によって、被測定ガスの温度が低い場合にあっても、
第一の内部空所6A、6Bよりも第二の内部空所8A、
8Bの方がより高温に、換言すれば第一内側電極16
A、16Bや、測定電極40A、40Bよりも、第二内
側電極22A、22Bの方が、より高温に加熱せしめら
れるようになっているのである。例えば、被測定ガスの
ガス温度が300℃〜850℃の間で変化するとき、第
一の内部空所6A、6B内の第一内側電極16A、16
Bや測定電極40A、40Bが、400℃〜600℃
に、また第二の内部空所8A、8B内の第二内側電極2
2A、22Bが、700℃〜900℃に加熱せしめられ
るようになっているのである。加えて、第二のセンサ素
子32BにおけるNH3 脱硝触媒層14も、200℃〜
400℃の温度領域に加熱せしめられるようになってお
り、これによって、かかるNH3 脱硝触媒層14による
被測定ガス中のNOxとNH3 との脱硝反応が効果的に
進行せしめられ得るようになっている。
【0042】ところで、このような構成のガス分析装置
において、第一の内部空所6A、6B内の雰囲気中の酸
素分圧を、所定の一定値に保つには、よく知られている
ネルンストの式に基づいて、電気化学的センサセルにお
ける測定電極40A、40Bと第二外側電極24A、2
4Bとの間の起電力を、電位差計42A、42Bにて測
定し、それが例えば、203mV(500℃)になるよ
うに、第一の電気化学的ポンプセルの二つの電極16
A、18A;16B、18B間に印加する電圧(可変電
源44A、44B)を制御する手法が採用され、これに
よって、目的とする酸素分圧(例えば10-6atm)
に、容易に制御することが出来るのである。即ち、第一
の内部空所6A、6Bにおける所望酸素濃度と基準空気
の酸素濃度との差に相当する起電力となるように、第一
の電気化学的ポンプセルの電圧を制御すればよいのであ
る。なお、第一の拡散律速通路(36A、36B)は、
第一の電気化学的ポンプセルに電圧を印加した際、被測
定ガス中の酸素が測定空間(第一の内部空所6A、6
B)に拡散、流入する量を絞り込み、かかる第一の電気
化学的ポンプセルに流れる電流を抑制する働きをしてい
る。
【0043】また、第一の内部空所6A、6B内におい
ては、外部の被測定ガスによる加熱、更にはヒータ48
A、48Bによる加熱環境下においても、第一内側電極
16A、16Bや測定電極40A、40BによるNH3
の酸化は行なわれるものの、雰囲気中に存在するNOx
は還元されない酸素分圧下の状態、例えば、NO→1/
2N2 +1/2O2 の反応が起こらない酸素分圧下の状
況が形成されているのである。けだし、第一の内部空所
6A、6B内において、被測定ガス(雰囲気)中のNO
xが還元されると、第二の内部空所8A、8B内でのN
Oxの正確な測定が出来なくなるからであり、この意味
において、第一の内部空所6A、6B内において、NO
xの還元に関与する成分(少なくとも第一の電気化学的
ポンプセルの第一内側電極16A、16Bの成分)に
て、NOxが還元され得ない状況を形成する必要がある
のである。
【0044】このようにして、第一の内部空所6A、6
B内において酸素分圧が制御された被測定ガスは、第二
の拡散律速通路(36A、36B)を通って、所定の拡
散抵抗の下に、第二の内部空所8A、8B内に導かれる
こととなる。そして、第二の内部空所8A、8B内に導
き入れられた被測定ガスは、第二の電気化学的ポンプセ
ルを構成する第二内側電極22A、22Bと第二外側電
極24A、24Bとの間に、酸素が、第二の内部空所8
A、8Bから基準空気導入通路38A、38B側に汲み
出される方向に、所定の電圧、例えば449mV(70
0℃)が印加せしめられることによって、酸素のポンピ
ング作用を受け、これにより、第二の内部空所8A、8
Bにおいては、特に、第二内側電極22A、22Bの三
相界面において、更に酸素濃度が低下し、酸素濃度は1
-10 atmとなり、NOx還元触媒としても機能す
る、該第二内側電極22A、22Bの周りにおいて、N
Oxが還元される状態、例えば、NO→1/2N2 +1
/2O2 の反応が惹起される状況下に制御されるのであ
る。このとき、第二の電気化学的ポンプセルに流れる電
流は、第二の内部空所8A、8Bに導かれる雰囲気中の
酸素濃度、即ち、第一の内部空所6A、6B内の雰囲気
中の酸素濃度と、第二内側電極22A、22Bにて、N
Oxが還元されて発生した酸素濃度との和に比例した値
となるのであるが、該第一の内部空所6A、6B内の雰
囲気中の酸素濃度は、一定の低濃度に制御されていると
ころから、かかる第二の電気化学的ポンプセルに流れる
電流は、NOxの濃度に比例することとなる。そして、
そのNOxの濃度は、第二の拡散律速通路(36A、3
6B)にて制御されるNOxの拡散量に対応しているの
であり、かくして、NOx濃度の測定が可能となるので
ある。
【0045】例えば、第一の内部空所6A、6B内の雰
囲気中の酸素濃度が0.02ppmで、被測定ガス中の
NOx濃度が100ppmとすると、NOxが還元され
て発生する酸素濃度50ppmと、第一の内部空所6
A、6B内の雰囲気中の酸素濃度0.02ppmとの
和:50.02ppmに相当する電流が流れることにな
るのであり、従って第二の電気化学的ポンプセルにおけ
るポンプ電流値は、殆どがNOxが還元された量を表
し、それ故に、被測定ガス中の酸素濃度に依存すること
はないのである。
【0046】そして、それぞれのセンサ素子32A、3
2Bにおいて得られる第二の電気化学的ポンプセルのポ
ンプ電流値が、電流計28A、28Bより、演算装置3
0に出力され、そこで、先述せる如く演算されて、目的
とする被測定ガス中のNOx量及び/又はNH3 量が求
められるのである。
【0047】このように、本発明にあっては、被測定ガ
ス中のNOxとNH3 とを、それらの合計量において検
出する一方、NH3 脱硝反応にて、被測定ガス中のNO
x及びNH3 の何れか一方を除去せしめた状態におい
て、それら成分のモル濃度差として出力せしめ、そし
て、それら二つの出力に基づいて演算処理することによ
り、それぞれの成分の被測定ガス中の濃度を求めるよう
にしたものであり、そのためには、上で説明した二つの
センサ素子2A、2B;32A、32Bを用いた測定形
態が最も有利ではあるが、それら二つのセンサ素子は、
一体に構成されてなるものであっても、何等差し支えな
い。
【0048】また、上記の具体例にあっては、第一及び
第二の酸化窒素検出機構、特に、酸化窒素検出手段とし
て、同様な構造のセンサ素子2A、2B;32A、32
Bが用いられており、これによって、得られるNOx量
に対応する出力値の演算処理が容易となるようになって
いるが、それぞれの酸化窒素検出機構から出力されるN
Ox値の演算処理が可能であれば、異なる種類あるいは
構造の酸化窒素検出手段、更には酸化窒素検出機構を組
み合わせて、目的とする被測定ガス中のNOx量及び/
又はNH3 量を求めることも可能である。
【0049】さらに、上例の具体例では、第一及び第二
の拡散律速手段が、通路(10A、10B;12A、1
2B)や、細隙な平坦空間(36A、36B)にて構成
されていたが、所定の抵抗下に通気性を有する多孔質セ
ラミックス層にて構成することも可能である。
【0050】なお、本発明に従う第一及び第二の酸化窒
素検出機構において、被測定ガスが接触せしめられて、
そこに存在するNH3 が酸化せしめられる、NH3 酸化
触媒は、上記した具体例では、第一の電気化学的ポンプ
セルにおける第一内側電極16A、16Bにて兼ねる構
造となっているが、これに代えて、酸化窒素検出手段た
るセンサ素子、より具体的には、第一の内部空所6A、
6B乃至は平坦空間36A、36Bへ被測定ガスを導く
ための通路上に設けたり、或いは第一内側電極16A、
16Bとは別個に、第一の内部空所6A、6B乃至は平
坦空間36A、36B内に、または第一の拡散律速手段
(通路、平坦空間若しくは多孔質層)に設けることが出
来る。また、そのようなNH3 酸化触媒は、第一内側電
極16A、16Bの上に層状に形成することも出来る。
なお、このようなNH3 酸化触媒は、一般に、Pt、A
u、Ag、Rh及びPdからなる群より選ばれた、1種
若しくは2種以上の成分にて構成され、多孔質体に担持
せしめられた形態において用いられたり、或いは多孔質
なサーメット構造において、電極等の形態において用い
られることとなる。
【0051】また、第二の酸化窒素検出機構において、
被測定ガス中のNOxとNH3 とを反応せしめて、アン
モニア脱硝を行なう、NH3 脱硝触媒にあっても、上記
のNH3 酸化触媒と同様に、第二の酸化窒素検出機構に
おける酸化窒素検出手段(第二のセンサ素子2B、32
B)に被測定ガスを導くための通路上、または該酸化窒
素検出手段(第二のセンサ素子2B、32B)内、例え
ば、第一の拡散律速通路10B乃至は平坦空間36Bや
第一の内部空所6B内に設けることが可能である。更
に、このNH3 脱硝触媒を、第二のセンサ素子(2B、
32B)とは別体とし、該NH3 脱硝触媒を通った被測
定ガスを第二のセンサ素子(2B、32B)へ導くよう
にした構成を採用することも可能である。
【0052】そして、そのようなNH3 脱硝触媒は、一
般に、V、Mo、W、Ni、Cu、Cr、Pt、V2
5 、WO3 、TiO2 及びAl2 3 からなる群より選
ばれた、1種若しくは2種以上の成分にて構成され、そ
れらが、適当な多孔質セラミックス体に担持されたり、
或いは多孔質のサーメット等として用いられることとな
る。
【0053】さらに、例示の具体例では、センサ素子2
A、2B;32A、32Bにおける第二の内部空所8
A、8B内に設けられた第二内側電極22A、22B
が、多孔質なRhサーメット電極にて構成されて、NO
x還元触媒をも兼ねる構造とされているが、これに代え
て、NOx還元触媒を第二内側電極22A、22Bとは
別個に配することも可能であり、その場合には、かかる
第二内側電極22A、22Bに近接して設けられること
となる。また、Rh等からなるNOx還元触媒を担持し
た多孔質アルミナ等を、第二内側電極22A、22Bの
上に印刷等で積層せしめて、NOx還元触媒が第二内側
電極22A、22Bに対して層状に形成されてなる構造
も採用可能である。なお、NOx還元触媒としては、第
二の内部空所8A、8B内の雰囲気中の酸素分圧や加熱
温度等に応じて、RhやPt等の公知のもののなかか
ら、適宜に選択されることとなる。
【0054】このように、本発明に従うガス分析方法及
びそのための装置は、請求項に記載の範囲から逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るも
のであり、そしてそのような実施の態様が、本発明の趣
旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範囲内
に属するものであると理解されるべきである。
【0055】
【実施例】ところで、図3〜図6には、図2に示される
ガス分析装置を用いて、NO及びNH3 を各種濃度にお
いて含む被測定ガスを分析した結果が示されている。な
お、各センサ素子32A、32Bにおける第一の内部空
所6A、6B内の雰囲気中の酸素分圧は、第一の電気化
学的ポンプセル(16A、18A、34A1 ;16B、
18B、34B1 )のポンプ作動によって、10-6at
mに制御された。また、ヒータ48A、48Bによる加
熱によって、第一の内部空所6A、6Bは、約500℃
に、更に第二の内部空所8A、8Bは、約800℃に保
持されるようにした。更に、第二の内部空所8A、8B
内の酸素分圧、具体的には第二内側電極22A、22B
の三相界面の酸素分圧が10-6atmとなるように、第
二の電気化学的ポンプセル(22A、24A、34
3 ;22B、24B、34B3 )がポンプ作動せしめ
られ、NOx還元触媒としても機能する、該第二内側電
極22A、22Bの周りにおいて、NOxが還元される
状態に維持せしめられた。そして、第一及び第二のセン
サ素子32A、32Bにおける電流計28A、28Bに
て検出される第二の電気化学的ポンプセルのポンプ電流
が、それぞれ、出力A及び出力Bとして、演算装置30
に入力されて、そこで加算乃至は減算し、その結果が、
それぞれの図面に示されているのである。
【0056】すなわち、被測定ガス中のNOがNH3
りも多い場合において、図3においては、NH3 を20
0ppmの一定濃度とし、そしてNO濃度を200pp
m、300ppm、400ppmと変化させた場合にお
ける出力A値、出力B値及びそれらの加減算値を示して
おり、また図4においては、NO濃度を200ppmの
一定として、NH3 濃度を0ppm、100ppm、2
00ppmと変化させた場合における出力A値、出力B
値及びそれらの加減算値を示している。
【0057】また、図5及び図6は、上記とは異なり、
被測定ガス中のNH3 濃度がNO濃度よりも大なる場合
におけるセンサ出力を示すものであって、それらのうち
の図5は、NH3 濃度を200ppmの一定とし、NO
濃度を0ppm、100ppm、200ppmと変化さ
せた場合における出力A値、出力B値及びそれらの加減
算値を示しており、また図6は、NO濃度を200pp
mの一定とし、NH3濃度を200ppm、300pp
m、400ppmと変化させた場合における出力A値、
出力B値及びそれらの加減算値を示している。
【0058】かかる図3〜図6の結果より明らかなよう
に、第一及び第二のセンサ素子32A、32Bからの出
力値A及びBの加算値及び減算値を検討すると、被測定
ガス中のNO濃度若しくはNH3 濃度が一定の場合に
は、それらの加減算値の一方が一定となっている。そし
て、このことから、他方の加減算値が2NO濃度若しく
は2NH3 濃度を表しているものと認められるのであ
る。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うガス分析方法及びそのための装置によれば、被測
定ガス中に存在する酸化窒素とアンモニアの濃度を、同
時に、リアルタイムで測定することが出来ることとなっ
たのであり、また装置的にも、第一及び第二の酸化窒素
検出機構、具体的には酸化窒素検出手段を設けて、被測
定ガス中のNOx量(NH3 の酸化により生成するNO
量をも含む)を測定するだけでよいところから、装置の
小型化や簡略化が効果的に達成され得、以て低価格のガ
ス分析装置が実現され得るのである。
【0060】特に、従来から火力発電所等に設置されて
いる、燃焼排ガス中のNOxを除去するNH3 脱硝装置
においては、NOx濃度とNH3 濃度の測定は必ず付い
てまわるものであり、それらの濃度を、本発明に従っ
て、リアルタイムで検知可能としたことにより、NH3
過剰注入によるNH3 消費コストの低減とNOx過剰排
出による環境汚染の防止を、同時に実現することが出来
ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うガス分析装置の基本的な一例を概
略的に示す説明図である。
【図2】本発明に従うガス分析装置の具体的な一例にお
けるセンサ素子部分を、断面にて示す説明図である。
【図3】実施例において求められたNO≧NH3 の場合
(NH3 一定)における、各センサ素子の出力A、出力
B及びそれらの加減算値を示すグラフである。
【図4】実施例において求められたNO≧NH3 の場合
(NO一定)における、各センサ素子の出力A、出力B
及びそれらの加減算値を示すグラフである。
【図5】実施例において求められたNO≦NH3 の場合
(NH3 一定)における、各センサ素子の出力A、出力
B及びそれらの加減算値を示すグラフである。
【図6】実施例において求められたNO≦NH3 の場合
(NO一定)における、各センサ素子の出力A、出力B
及びそれらの加減算値を示すグラフである。
【符号の説明】
2A、32A、;2B、32B センサ素子 4A、4B センサ本体 6A、6B 第一の内部空所 8A、8B 第二の内部空所 10A、10B 第一の拡散律速通路 12A、12B 第二の拡散律速通路 14 脱硝触媒層 16A、16B 第一内側電極 18A、18B 第一外側電極 22A、22B 第二内側電極 24A、24B 第二外側電極 26A、26B 電源 28A、28B 電流計 30 演算装置 34A1 〜34A6 ;34B1 〜34B6 固体電解
質層 36A、36B 平坦空間 38A、38B 基準空気導入通路 40A、40B 測定電極 42A、42B 電位差計 44A、44B 可変電源 46A、46B アルミナ絶縁層 48A、48B ヒータ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化窒素及びアンモニアを含む被測定ガ
    スを分析する方法にして、 かかる被測定ガスをNH3 酸化触媒に接触させることに
    より、該被測定ガス中のアンモニアを酸化して酸化窒素
    を生成せしめ、そしてその生成した酸化窒素と該被測定
    ガス中に存在している酸化窒素の合計量を検出する第一
    の酸化窒素検出工程と、 かかる被測定ガスをNH3 脱硝触媒に接触させることに
    より、該被測定ガス中の酸化窒素とアンモニアを反応さ
    せて、そのうちの一方を実質的に除去した後、該被測定
    ガス中に残存する酸化窒素の量、または該被測定ガス中
    に残存するアンモニアを更にNH3 酸化触媒にて酸化し
    て生成せしめられる酸化窒素の量を検出する第二の酸化
    窒素検出工程と、 上記の第一及び第二の酸化窒素検出工程において得られ
    る二つの検出値より、被測定ガス中の酸化窒素量及び/
    又はアンモニア量を演算する工程とを、含むことを特徴
    とするガス分析方法。
  2. 【請求項2】 前記第一若しくは第二の酸化窒素検出工
    程におけるアンモニアの酸化が、400℃以上の温度下
    において行なわれる請求項1記載のガス分析方法。
  3. 【請求項3】 前記第一若しくは第二の酸化窒素検出工
    程において用いられるNH3 酸化触媒が、Pt、Au、
    Ag、Rh及びPdからなる群より選ばれた1種若しく
    は2種以上の成分にて構成されている請求項1又は請求
    項2記載のガス分析方法。
  4. 【請求項4】 前記第二の酸化窒素検出工程におけるN
    3 脱硝触媒による酸化窒素とアンモニアとの反応が、
    200℃〜400℃の温度下において行なわれる請求項
    1乃至請求項3の何れかに記載のガス分析方法。
  5. 【請求項5】 前記NH3 脱硝触媒が、V、Mo、W、
    Ni、Cu、Cr、Pt、V2 5 、WO3 、TiO2
    及びAl2 3 からなる群より選ばれた1種若しくは2
    種以上の成分にて構成されている請求項1乃至請求項4
    の何れかに記載のガス分析方法。
  6. 【請求項6】 酸化窒素及びアンモニアを含む被測定ガ
    スを分析するための装置にして、 かかる被測定ガスが接触させられる、該被測定ガス中の
    アンモニアを酸化して酸化窒素を生成せしめるNH3
    化触媒と、その生成した酸化窒素と該被測定ガス中に存
    在している酸化窒素の合計量を検出する酸化窒素検出手
    段とを有する第一の酸化窒素検出機構と、 かかる被測定ガスが接触させられる、該被測定ガス中の
    酸化窒素とアンモニアとを反応させて、そのうちの一方
    を実質的に除去せしめるNH3 脱硝触媒と、該NH3
    硝触媒に接触せしめられた被測定ガスが更に接触させら
    れる、該被測定ガス中に残存するアンモニアを酸化して
    酸化窒素を生成せしめるNH3 酸化触媒と、該NH3
    化触媒に接触せしめられた被測定ガス中の酸化窒素量を
    検出する酸化窒素検出手段とを有する第二の酸化窒素検
    出機構と、 上記の第一及び第二の酸化窒素検出機構において得られ
    る二つの検出値より、被測定ガス中の酸化窒素量及び/
    又はアンモニア量を演算する演算手段とを、含むことを
    特徴とするガス分析装置。
  7. 【請求項7】 前記第一若しくは第二の酸化窒素検出機
    構におけるNH3 酸化触媒が、該第一若しくは第二の酸
    化窒素検出機構における酸化窒素検出手段に被測定ガス
    を導くための通路上、または該酸化窒素検出手段内に設
    けられている請求項6記載のガス分析装置。
  8. 【請求項8】 前記NH3 脱硝触媒が、前記第二の酸化
    窒素検出機構における酸化窒素検出手段に被測定ガスを
    導くための通路上、または該酸化窒素検出手段内に設け
    られている請求項6又は請求項7記載のガス分析装置。
  9. 【請求項9】 前記第一若しくは第二の酸化窒素検出機
    構における酸化窒素検出手段が、 外部の被測定ガス存在空間に連通された第一の内部空所
    と、 該被測定ガス存在空間より被測定ガスを所定の拡散抵抗
    の下に該第一の内部空所に導く第一の拡散律速手段と、 第一の酸素イオン伝導性固体電解質とこれに接して設け
    られた一対の電極からなる電気化学的セルを用いて、そ
    れら一対の電極間への通電により、前記第一の内部空所
    に対する酸素のポンピングを行ない、該第一の内部空所
    の雰囲気中の酸素分圧を、酸化窒素が実質的に還元され
    得ない所定の低い値に制御せしめる第一の酸素ポンプ手
    段と、 前記第一の内部空所に連通され、内部に所定の酸化窒素
    還元触媒が配されてなる第二の内部空所と、 前記第一の内部空所内の制御された雰囲気を、所定の拡
    散抵抗の下に、該第二の内部空所に導く第二の拡散律速
    手段と、 第二の酸素イオン伝導性固体電解質とこれに接して設け
    られた一対の電極からなる電気化学的セルを用いて、そ
    れら一対の電極間への通電により、前記第二の内部空所
    内の雰囲気中の酸素を汲み出し、かかる雰囲気中の酸素
    分圧を、前記酸化窒素還元触媒にて酸化窒素が還元され
    得る所定の値に制御する一方、該第二の内部空所内の雰
    囲気中に存在する酸化窒素を還元せしめて、その際に発
    生する酸素を汲み出すようにした第二の酸素ポンプ手段
    と、 該第二の酸素ポンプ手段のポンプ作動によって流れるポ
    ンプ電流を検出する電流検出手段とを、有している請求
    項6乃至請求項8の何れかに記載のガス分析装置。
  10. 【請求項10】 前記第一若しくは第二の酸化窒素検出
    機構におけるNH3酸化触媒が、前記第一の酸素ポンプ
    手段における電気化学的セルを構成する一対の電極のう
    ち、前記第一の内部空所内に配される電極を兼ねている
    請求項9記載のガス分析装置。
  11. 【請求項11】 前記酸化窒素還元触媒が、前記第二の
    酸素ポンプ手段における電気化学的セルを構成する一対
    の電極のうち、前記第二の内部空所内に配される電極を
    兼ねている請求項9又は請求項10記載のガス分析装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第一及び第二の酸素イオン伝導性
    固体電解質を含んで一体構造とされたセンサ素子を有
    し、該センサ素子に、前記第一及び第二の内部空所と前
    記第一及び第二の拡散律速手段と前記第一及び第二の酸
    素ポンプ手段とが一体的に設けられている請求項9乃至
    請求項11の何れかに記載のガス分析装置。
  13. 【請求項13】 前記センサ素子が、外部の被測定ガス
    存在空間に開口する、予め定められた拡散抵抗を有する
    細隙な平坦空間を有し、該平坦空間にて、前記第一及び
    第二の拡散律速手段が構成されていると共に、該平坦空
    間の前記被測定ガス存在空間開口側部位が前記第一の内
    部空所とされて、そこに前記第一の酸素ポンプ手段が設
    けられ、更に該平坦空間の該第一の内部空所よりも奥側
    の部位が前記第二の内部空所とされて、そこに前記第二
    の酸素ポンプ手段が設けられている請求項12に記載の
    ガス分析装置。
  14. 【請求項14】 前記第一の内部空所及び前記第二の内
    部空所をそれぞれ所定の温度に加熱せしめ得る加熱手段
    を、更に設けてなる請求項9乃至請求項13の何れかに
    記載のガス分析装置。
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