JPH09331226A - 多電極型弾性表面波装置 - Google Patents

多電極型弾性表面波装置

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JPH09331226A
JPH09331226A JP15131996A JP15131996A JPH09331226A JP H09331226 A JPH09331226 A JP H09331226A JP 15131996 A JP15131996 A JP 15131996A JP 15131996 A JP15131996 A JP 15131996A JP H09331226 A JPH09331226 A JP H09331226A
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center
surface acoustic
acoustic wave
wave device
idts
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JP15131996A
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Hiroshi Tanaka
宏 田中
Jun Koike
純 小池
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挿入損失が小さいだけでなく、通過帯域内に
おけるスパイク状リップルの大きさを効果的に低減する
ことができる多電極型弾性表面波装置を得る。 【解決手段】 表面波伝搬方向に複数のインターデジタ
ルトランスデューサ15〜19を配置してなり、複数の
IDT15〜19が交互に入力用IDT15,17,1
9と、出力用IDT16,18とを有し、隣接するID
T間の隣接する電極指の中心間距離のうち少なくとも1
つが、他の隣接するIDT間の隣接電極指の中心間距離
と異ならされている多電極型弾性表面波装置11。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のインターデ
ジタルトランスデューサ(以下、IDT)を有する多電
極型弾性表面波装置に関し、より詳細には、表面波伝搬
方向に沿って入力用IDT及び出力用IDTを交互に配
置してなる多電極型弾性表面波装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、移動体通信用バンドパスフィル
タとして、小型でありかつ量産性に優れた弾性表面波装
置が用いられている。この種の用途に用いられる弾性表
面波装置では、挿入損失が小さいことが強く求められて
いる。
【0003】そこで、例えば特願平4−222895号
には、挿入損失を低減するために、3個以上のIDTを
有する多電極型弾性表面波装置が提案されている。この
多電極型弾性表面波装置の構造を、図1を参照して説明
する。
【0004】図1は、上記多電極型弾性表面波装置の電
極構造を示す平面図である。圧電基板(図示せず)上
に、一対の反射器1a,1bが所定距離を隔てて形成さ
れている。反射器1a,1b間には、複数のIDT2a
〜2d,3a〜3cが配置されている。IDT2a〜2
dは入力用IDTであり、IDT3a〜3cは出力用I
IDTであり、入力用IDTと出力用IDTとは表面波
伝搬方向に沿って交互に配置されている。
【0005】また、各IDT2a〜2d,3a〜3c
は、複数本の電極指を有し、各IDT内における隣接す
る電極指間の中心間距離は、ほぼλ/2(λは表面波の
波長)とされている。また、反射器1a,1bも複数本
の電極指を有し、各反射器内における隣接する電極指間
の中心間距離はλ/2とされている。さらに、IDT2
a〜2d,3a〜3cにおいては、隣接するIDTの隣
接電極指間の中心間距離がほぼλ/2とされており、全
て等しい。
【0006】すなわち、図2に、IDT2aとIDT3
aとの隣接し合っている部分を代表して示すように、I
DT2aの電極指4とIDT3aの電極指5とが隣接し
合っている。この電極指4と電極指5との中心間距離X
が、前述したように、ほぼλ/2とされている。同様
に、IDT2a,3a内における隣接し合っている電極
指間の距離もほぼλ/2とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示した電極構造を有する従来の多電極型弾性表面波装置
を用いた場合、減衰量周波数特性において、通過帯域内
に大きなスパイク状のリップルが生じるという問題があ
った。移動体通信用バンドパスフィルタでは、通過帯域
内における挿入損失が小さいこと、並びに通過帯域内に
おける減衰量特性が平坦であることが強く求められる
が、上記のようなスパイク状リップルが発生すると、通
過帯域内における減衰量特性の平坦性が大きく損なわれ
る。特に、伝搬損失が小さな圧電基板を用いれば用いる
程、Qが高くなり、より大きなスパイク状リップルが生
じがちであった。
【0008】本発明の目的は、上述した従来の多電極型
弾性表面波装置の欠点を解消し、減衰量周波数特性にお
ける通過帯域内のスパイク状リップルを効果的に抑圧し
得る構成を備えた多電極型弾性表面波装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、従来の多
電極型弾性表面波装置において通過帯域内に大きなスパ
イク状リップルが生じる現象を鋭意検討した結果、多電
極型弾性表面波装置では、複数の表面波伝搬モードが存
在するが、各IDTにおける電極指の対数によっては、
通過帯域内のある周波数において各モードの表面波の位
相が強め合うことにより、スパイク状のリップルが生じ
ているのではないかと考えた。従って、通過帯域内にお
ける複数の伝搬モードの表面波の位相が相殺し合うよう
に構成すればよいのではないかと考え、本発明を成すに
至った。
【0010】すなわち、本発明に係る弾性表面波装置
は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された第1,第
2の反射器と、前記圧電基板上において第1,第2の反
射器間に形成された複数のIDTとを備え、前記複数の
IDTは、表面波伝搬方向に沿って、交互に配置された
入力用IDTと出力用IDTとを有し、かつ複数のID
Tにおいて、隣接するIDT間の隣接する電極指の中心
間距離のうち少なくとも1つの中心間距離が、他の中心
間距離と異ならされていることを特徴とする、多電極型
弾性表面波装置である。ここで、他の中心間距離とは、
隣接するIDT間の隣接する電極指の中心間距離のう
ち、残りの中心間距離をいうものとする。
【0011】本発明において、圧電基板としては、多電
極型弾性表面波装置に用いられている種々の圧電材料か
らなる基板を用いることができ、特に限定されるもので
はない。このような圧電基板の例としては、例えば、L
iTaO3 、LiNbO3 などの圧電単結晶からなる基
板、あるいはチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
のような圧電セラミックスからなる基板を挙げることが
でき、さらに、Al23 などの絶縁性セラミックスや
合成樹脂などの絶縁性材料からなる絶縁性基板上に、Z
nOなどの圧電性材料からなる圧電薄膜を積層したもの
を用いることもできる。
【0012】また、IDTや反射器を構成する金属材料
についても、従来より弾性表面波装置の電極材料として
用いられているAlなどを適宜用いることができ、特に
限定されるものではない。
【0013】また、本発明の特定的な局面では、上記圧
電基板として、(0,1,バー1,2)面α−Al2
3 基板と、該Al2 3 基板に積層された(1,1,バ
ー2,0)面ZnO圧電薄膜とを有する圧電基板が用い
られる。
【0014】また、本発明では、上述した隣接する電極
指間の中心間距離のうち少なくとも1つの中心間距離
は、通過帯域内に存在するスパイク状リップルの深さを
低減するように、他の中心間距離と異ならされている。
【0015】より好ましくは、上記隣接する電極指間の
中心間距離のうち少なくとも1つの中心間距離は、通過
帯域内のスパイク状リップルの深さを50%以上低減す
るように、他の中心間距離と異ならされており、それに
よって移動体通信用バンドパスフィルタとして好適な多
電極型弾性表面波装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の多電極型弾性表面波装置につき説明する。図3(a)
及び(b)は、本発明の多電極型弾性表面波装置の一例
を示す平面図及びその部分拡大平面図である。
【0017】図3(a)から明らかなように、多電極型
弾性表面波装置11は、矩形の圧電基板12を用いて構
成されている。図3(a)に示した多電極型弾性表面波
装置では、圧電基板12は、36°Y回転X伝搬のLi
TaO3 基板を用いて構成されている。
【0018】圧電基板12上には、第1,第2の反射器
13,14が所定距離を隔てて形成されている。反射器
13,14は、表面波伝搬方向に直交する複数本の電極
指を両端で連結した構造を有する。この複数本の電極指
の隣り合う電極指間の中心間距離は、表面波の波長をλ
としたときに、λ/2とされている。
【0019】また、第1,第2の反射器13,14間に
は、表面波伝搬方向に沿って、複数のIDT15〜19
が形成されている。各IDT15〜19は、1本以上の
電極指を有する一対のくし歯電極を、互いの電極指が間
挿し合うように配置した構造を有する。
【0020】また、各IDT内においては、隣接する電
極指間の中心間距離は、ほぼλ/2とされている。ID
T15〜19のうち、IDT15,17,19の一方の
くし歯電極が、それぞれ接続点20を介して入力端子I
Nに電気的に接続されている。IDT15,17,19
の他方のくし歯電極はアース電位に接続されている。
【0021】IDT16,18の一方のくし歯電極は、
接続点21を介して出力端OUTに接続されており、他
方のくし歯電極がアース電位に接続されている。従っ
て、IDT15,17,19が入力用IDTを構成して
おり、IDT16,18が出力用IDTを構成してい
る。
【0022】図3(a)に示した多電極型弾性表面波装
置11の特徴は、IDT15〜19における隣接するI
DT間の隣接する電極指間中心間距離が一定ではないこ
とにある。すなわち、図3(b)に示すように、IDT
15とIDT16との隣接する電極指間の中心間距離x
1 が、IDT15〜19内における電極指の周期(≒
λ)をLとしたときに、0.21Lとされている。ま
た、IDT16,17間における隣接する電極指間の中
心間距離x2 は、0.22L、IDT17とIDT18
との隣接する電極指間の中心間距離x3 は0.22L、
IDT18,19の隣接する電極指間の中心間距離x4
は0.21Lとされている。すなわち、中心間距離
1 ,x4 が、他の中心間距離x2 ,x3 と異ならされ
ている。
【0023】多電極型弾性表面波装置11では、上記の
ように隣接するIDT間の隣接電極指間の中心間距離x
1 ,x4 が、他の隣接電極指間の中心間距離x2 ,x3
と異ならされているため、後述の具体的な実験例から明
らかなように、通過帯域内におけるスパイク状リップル
が効果的に抑圧される。次に、上記多電極型弾性表面波
装置11の具体的な実験例につき説明する。
【0024】第1の実験例 IDT15〜19として、交差幅が60μmであり、各
IDT15〜19における電極指の周期Lが2.74μ
mであり、中心間距離x1 〜x4 が上記のように設定さ
れている多電極型弾性表面波装置11を作製し、減衰量
周波数特性を測定した。結果を図4に示す。
【0025】また、比較のために、隣接電極指間の中心
間距離x1 〜x4 を全て0.21Lとしたことを除いて
は、上記と同様にして構成された多電極型弾性表面波装
置を作製し、減衰量周波数特性を測定した。この比較の
ために用意した多電極型弾性表面波装置の特性を図5に
示す。
【0026】なお、図4及び図5における実線B,D
は、それぞれ、実線A,Cで示した特性の要部を縦軸の
減衰量について右側の拡大したスケールで表した特性で
ある。図5から明らかなように、比較のために用意した
多電極型弾性表面波装置では、通過帯域内の1500M
Hz付近において矢印Eで示すスパイク状の大きなリッ
プルが存在しているのに対し、図4に示すように、本発
明の一実施例に係る多電極型弾性表面波装置では、通過
帯域内における上記スパイク状のリップルがほぼ消滅し
ていることがわかる。
【0027】すなわち、中心間距離x2 ,x3 を他の中
心間距離x1 ,x4 と異ならせたことにより、通過帯域
内における複数の伝搬モードの表面波の位相が打ち消し
あっているためか、上記スパイク状リップルがほぼ抑圧
されている。
【0028】第2の実験例 図3(a)に示した多電極型弾性表面波装置11におい
て、圧電基板12として、表面波の伝搬損失が小さい
(1,1,バー2,0)面ZnO圧電薄膜/(0,1,
バー1,2)面α−Al2 3 基板を用いたこと、並び
に入出力用IDT15〜19における交差幅を270μ
mとしたこと、また電極指の同期Lが3.51μmを除
いては、第1の実験例と同様にして多電極型弾性表面波
装置を作製し、減衰量周波数特性を測定した。結果を図
6に示す。
【0029】また、比較のために、中心間距離x1 〜x
4 を全て0.21Lとしたことを除いては、上記第2の
実験例の多電極型弾性表面波装置と同様に構成された多
電極型弾性表面波装置を作製し、減衰量周波数特性を測
定した。結果を図7に示す。
【0030】なお、図6及び図7の実線G,Iは、それ
ぞれ、実線F,Hで示す特性の要部を、縦軸の減衰量に
ついて縦軸の右側に示した拡大スケールで示した特性を
示す。
【0031】図6及び図7の比較から明らかなように、
図7では、通過帯域内の1500MHz付近において、
矢印Jで示すようにスパイク状リップルが存在している
のに対し、図6に示す特性では、スパイク状のリップル
が完全には消滅していないが、かなり低減されているこ
とがわかる。
【0032】第3の実験例 図8は、本発明の多電極型弾性表面波装置の他の例を説
明するための略図的平面図である。多電極型弾性表面波
装置31では、36°Y回転X伝搬のLiTaO3 基板
により圧電基板32が構成されている。圧電基板32上
には、所定距離を隔てて第1,第2の反射器33,34
が形成されている。
【0033】図8では略図的に示しているが、第1,第
2の反射器33,34は、それぞれ、表面波伝搬方向と
直交する方向に延びる150本の電極指の両端を連結し
た構造を有する。また、反射器33,34間には、ID
T35〜38が配置されている。IDT35〜38は、
それぞれ、1本以上の電極指を有する一対のくし歯電極
を、互いの電極指が間挿し合うように配置した構造を有
する。
【0034】IDT35,37が、接続点39を介して
入力端INに接続されており、IDT35,37の他方
のくし歯電極はアース電位に接続されている。従って、
IDT35,37が入力用IDTを構成している。ID
T36,38の一方のくし歯電極は、接続点40を介し
て出力端OUTに接続されており、各他方のくし歯電極
がアース電位に接続されている。従って、IDT36,
38は、出力用IDTを構成している。
【0035】入力IDT35,37と、出力用IDT3
6,38は、表面波伝搬方向に沿って図示のように交互
に配置されている。この多電極型弾性表面波装置31に
おいては、IDT35〜38は、それぞれ、電極指の対
数が25となるように、かつ電極指交差幅は、通過帯域
内インピーダンスが50Ωとなるように決定されてい
る。
【0036】また、IDT35〜38内における電極指
の周期(=λ)、すなわち一方の電位に接続されるくし
歯電極の電極指の周期をLとしたときに、IDT35,
35の隣接する電極指間の中心間距離x1 、IDT3
6,37間の隣接する電極指間の中心間距離x2 及びI
DT37,38間の隣接する電極指間の中心間距離x3
は、
【0037】
【数1】
【0038】を満たす範囲に選ばれており、かつ中心間
距離x1 〜x3 が通過帯域内におけるスパイク状リップ
ルの深さhを低減するように決定されている。これを、
具体的な実験例に基づきより詳細に説明する。
【0039】図9は、多電極型弾性表面波装置31にお
ける通過帯域内に現れるスパイク状リップルの深さhを
説明するための減衰量周波数特性を示す図である。図9
に示す実線Lは、実線Kで示した特性について、縦軸の
減衰量を縦軸の右側で示す拡大スケールに従って拡大し
た特性を示す。通過帯域内のスパイク状のリップルM
は、1500MHz付近に表れており、この場合、リッ
プルの深さhとは、図示のようにリップルの高周波数側
における減衰量が最も小さい部分の減衰量からリップル
の谷部分における減衰量を減算した値の絶対値をいうも
のとする。
【0040】第3の実験例においては、多電極型弾性表
面波装置31において、上述した中心間距離x1 〜x3
を、下記の表1に示すサンプル番号1〜12に示すよう
に設定し、12種類の多電極型弾性表面波装置を作製
し、それぞれの減衰量周波数特性を測定し、上記リップ
ルの深さhを評価した。
【0041】表1から明らかなように、サンプル番号1
〜6では、少なくとも1つの中心間距離x1 〜x3 が、
残りの中心間距離と異ならされており、従って、本発明
の実施例に相当するものであり、サンプル番号7〜12
は、中心間距離x1 〜x3 が全て同等とされており、従
って、比較例に相当するものである。
【0042】図10は、サンプル番号7における減衰量
周波数特性を示し、図11は、サンプル番号1の多電極
型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す。また、図
12は、サンプル番号10の多電極型弾性表面波装置の
減衰量周波数特性を、図13は、サンプル番号4の減衰
量周波数特性を示す。さらに、図14は、サンプル番号
12の多電極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を、
図15は、サンプル番号6の多電極型弾性表面波装置の
減衰量周波数特性を示す。
【0043】なお、図10〜図15において、それぞ
れ、下方に示されている実線は、上方に示されている実
線の要部を縦軸の減衰量について縦軸の右側に示した拡
大スケールに沿って拡大した特性を示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、本発明の実施例
に相当するサンプル番号1〜6の多電極型弾性表面波装
置では、通過帯域内リップルの深さhは0.13dB以
下と小さく、比較例に相当するサンプル番号7〜12の
多電極型弾性表面波装置では、通過帯域内のスパイク状
のリップルの深さhが0.35dBと大きいことがわか
る。また、サンプル番号1〜6の各多電極型弾性表面波
装置についての結果を、それぞれ、相当する比較例の多
電極型弾性表面波装置(サンプル番号7〜12)と比較
した場合、表1から明らかなように、通過帯域内リップ
ルの深さhを0.22dB以上低減し得ることがわか
る。
【0046】なお、本実験例では、中心間距離x2 のみ
を変化させたが、IDTの個数やIDTにおける電極指
の対数によっては、複数の中心間距離を異ならせてもよ
く、それによっても通過帯域内リップルの深さhを効果
的に低減することができる。
【0047】第4の実験例 前述した第2の実験例で作製した多電極型弾性表面波装
置11において、IDT間の隣接電極指間の中心間距離
1 〜x4 を、下記の表2に示すように変化させて、サ
ンプル番号13〜18の多電極型弾性表面波装置を作製
し、減衰量周波数特性を測定し、第3の実験例の場合と
同様にして通過帯域内リップルの深さhを評価した。結
果を下記の表2に併せて示す。
【0048】なお、表2のサンプル番号13は、比較の
ために用意した多電極型弾性表面波装置であり、中心間
距離x1 〜x4 は、全て0.21Lとされている。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、サンプル番号1
3の多電極型弾性表面波装置の場合には、通過帯域内リ
ップルの深さhが0.82dBであったのに対し、本発
明の実施例に相当するサンプル番号14〜18の多電極
型弾性表面波装置では、中心間距離x1 〜x4 の少なく
とも1つが異ならされているため、通過帯域内リップル
の深さhが0.28dB以下に低減されていることがわ
かる。
【0051】また、ここでは、中心間距離x1 〜x4
うち、複数の中心間距離を種々変化させているが、1つ
の中心間距離のみを変化させた場合にも、同様に通過帯
域内リップルの深さhを低減することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、多電極型弾性表面波装置の複数のIDTにおい
て、隣接するIDT間の隣接電極指間の中心間距離のう
ち少なくとも1つの中心間距離が他の中心間距離と異な
らされているため、通過帯域内に表れていたスパイク状
のリップルを効果的に抑制することができ、それによっ
て通過帯域内の減衰量周波数特性の平坦性を高め得る。
従って、挿入損失が小さいだけでなく、通過帯域内の特
性が平坦な多電極型弾性表面波装置を提供し得るため、
本発明に係る多電極型弾性表面波装置は、例えば、移動
体通信用バンドパスフィルタなどに好適に用いることが
できる。
【0053】請求項2に記載の発明では、圧電基板とし
て、(0,1,バー1,2)面α−Al2 3 基板上に
(1,1,バー2,0)面ZnO圧電薄膜を積層してな
る基板を用いており、この基板では表面波の伝搬損失が
小さいため、共振のQが高く、従って、スパイク状リッ
プルが通過帯域内に大きく表れ易いが、本発明を利用す
ることにより、スパイク状リップルを効果的に低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の多電極型弾性表面波装置の電極構造を示
す平面図。
【図2】図1に示した多電極型弾性表面波装置における
隣接するIDT間の隣接電極指間の中心間距離を説明す
るための部分切欠平面図。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の多電極型弾性表
面波装置の一例を示す模式的平面図及び部分拡大平面
図。
【図4】図3に示した多電極型弾性表面波装置の減衰量
周波数特性を示す図。
【図5】比較のために用意した多電極型弾性表面波装置
の減衰量周波数特性を示す図。
【図6】第2の実験例において用意された本発明に係る
多電極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図7】第2の実験例で用意された比較のための多電極
型弾性表面波装置に減衰量周波数特性を示す図。
【図8】本発明の多電極型弾性表面波装置の他の例を説
明するための模式的平面図。
【図9】通過帯域内に表れるスパイク状リップルを説明
するための減衰量周波数特性を示す図。
【図10】第3の実験例におけるサンプル番号7の多電
極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図11】第3の実験例におけるサンプル番号1の多電
極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図12】第3の実験例におけるサンプル番号10の多
電極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図13】第3の実験例におけるサンプル番号4の多電
極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図14】第3の実験例におけるサンプル番号12の多
電極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【図15】第3の実験例におけるサンプル番号6の多電
極型弾性表面波装置の減衰量周波数特性を示す図。
【符号の説明】
11…多電極型弾性表面波装置 12…圧電基板 13,14…反射器 15,17,19…入力用IDT 16,18…出力用IDT 31…多電極型弾性表面波装置 32…圧電基板 33,34…反射器 35,37…入力用IDT 36,38…出力用IDT

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、 前記圧電基板上に形成された第1,第2の反射器と、 前記圧電基板上において第1,第2の反射器間に形成さ
    れた複数のインターデジタルトランスデューサとを備
    え、 前記複数のインターデジタルトランスデューサは、表面
    波伝搬方向に沿って、交互に配置された入力用インター
    デジタルトランスデューサと出力用インターデジタルト
    ランスデューサとを有し、かつ複数のインターデジタル
    トランスデューサにおいて、隣接するインターデジタル
    トランスデューサ間の隣接する電極指間の中心間距離の
    うち少なくとも1つの中心間距離が、他の中心間距離と
    異ならされていることを特徴とする、多電極型弾性表面
    波装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電基板が、(0,1,バー1,
    2)面α−Al2 3基板と、該Al2 3 基板に積層
    された(1,1,バー2,0)面ZnO圧電薄膜とを有
    することを特徴とする、請求項1に記載の多電極型弾性
    表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記隣接する電極指間の中心間距離のう
    ち少なくとも1つの中心間距離は、帯域内に存在するス
    パイク状リップルの深さを低減するように、他の中心間
    距離と異ならされている、請求項1に記載の多電極型弾
    性表面波装置。
  4. 【請求項4】 前記隣接する電極指間の中心間距離のう
    ち少なくとも1つの中心間距離は、帯域内のスパイク状
    リップルの深さを50%以上低減するように、他の中心
    間距離と異ならされていることを特徴とする、請求項1
    に記載の多電極型弾性表面波装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190654A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 株式会社村田製作所 弾性波装置

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