JPH09331210A - 送信部変調器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声帯域下部の制御データ信号を忠実に搬送
波に変調をかけることができる送信部変調器を提供す
る。 【解決手段】 送信部変調器１０は、音声信号及び制御
データ信号をベースバンド信号として出力するベースバ
ンド回路１１と、ベースバンド回路１１の出力に対しフ
ィルタリングを行うラグリードフィルタ１２と、ラグリ
ードフィルタ１２でフィルタリングされた信号を送信信
号に変調する変調器１３とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信端末等
に用いられる送信部変調器に係り、詳細には、音声帯域
下部を制御信号帯域に用いる方式の携帯電話機における
送信部変調器に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディジタルコードレス電話や携帯電話等
の移動体通信機器の同調回路用にはＰＬＬ周波数シンセ
サイザ回路が用いられている。

【０００３】ＰＬＬ（Phase Locked Loop）周波数シン
セサイザ回路は、正確な周波数を発振し、かつ周波数が
等間隔ずつ異なった多数の値に容易に設定が可能な発振
器であり、移動体通信機器の局発源として不可欠なもの
となっている。

【０００４】従来この種の携帯電話機においては、送信
変調信号はベースバンド回路からフィルタリングされて
直接変調器の変調入力端子に入力される。変調器は通常
ＰＬＬ構成をとり、変調端子を持った発振部、カウン
タ、位相比較器（ＰＤ）、チャージポンプ、ラグリード
フィルタ等からなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の音声帯域下部を制御信号帯域に用いる方式の携
帯電話機等にあっては、この信号帯域に対応させるため
には変調周波数特性を十分に低域まで伸ばさないと、高
調波成分を十分に落としきれなかった変調信号にサグが
発生し、変調度が必要以上に大きくなったり、変調度の
ふらつきが発生したり、さらにアイパターンの目づまり
を起こし（アイパターン法による判定ができない）基地
局ヘ制御データが伝わらなくなってしまう。しかるに、
変調周波数特性を十分に低域まで伸ばそうとすると、Ｐ
ＬＬ構成内のラグリードフィルタの特性から、ＰＬＬ回
路として本来持っている搬送波周波数を安定させる動作
が不完全となる恐れがあった。

【０００６】本発明は、音声帯域下部の制御データ信号
を忠実に搬送波に変調をかけることができる送信部変調
器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る送信部変調
器は、音声帯域下部を制御信号帯域に用いる送信部変調
器において、音声信号及び制御信号をベースバンド信号
として出力するベースバンド手段と、ベースバンド手段
の出力に対しフィルタリングを行うフィルタ手段と、フ
ィルタリングされた信号を送信信号に変調する変調手段
とを備えて構成する。

【０００８】また、フィルタ手段は、ラグリードフィル
タであってもよく、フィルタ手段は、音声信号を所定量
減衰させて通過させるとともに、制御信号は低周波成分
を減衰させずに通過させるフィルタ特性を有するフィル
タであってもよい。

【０００９】また、上記送信部変調器は、変調手段が、
所定のカットオフ周波数特性を持つハイパスフィルタ特
性を有し、フィルタ手段が、変調手段のハイパスフィル
タ特性を平坦にするフィルタ特性を有し、変調手段のハ
イパスフィルタ特性を、フィルタ手段のフィルタ特性で
平坦に近づけるように補正するものであってもよい。

【００１０】また、変調手段は、ベースバンド信号を送
受信無線周波数に変調して送出する無線手段を備えた構
成であってもよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明に係る送信部変調器は、携
帯電話装置等に用いられる送信部変調器に適用すること
ができる。

【００１２】図１は本発明の実施形態に係る送信部変調
器の構成を示す図であり、音声帯域下部を制御信号帯域
に用いる方式の携帯電話機における送信部変調器に適用
した例である。

【００１３】図１において、１０は携帯電話機における
送信部変調器であり、１１は音声信号及び制御データを
ベースバンド伝送するベースバンド回路（ベースバンド
手段）、１２はラグリードフィルタ（フィルタ手段）、
１３はベースバント信号を変調する変調器（変調手
段）、１４は変調器１３の変調端子である。

【００１４】すなわち、送信部変調器１０は、ベースバ
ンド回路１１と変調器１３の変調端子１４との間にラグ
リードフィルタ１２が挿入された構成となっている。

【００１５】上記ベースバンド回路１１は、ＩＤＣ（in
stantaneous deviation control）、スプラッタフィル
タ、ベースバンドフィルタ等から構成され、ここでは音
声信号及び制御データ信号波形が２元符号に対応してい
る。

【００１６】上記ラグリードフィルタ１２は、抵抗Ｒ
１，Ｒ２及びコンデンサＣからなるフィルタであり、位
相特性が最初位相が遅れ、その後位相が進んで元の位相
遅れのない状態に戻るラグリード（lag-lead）フィルタ
である。

【００１７】上記変調器１３は、変調端子１４に入力さ
れたベースバンド信号を変調するもので、例えばＰＬＬ
シンセサイザ、バンドパスフィルタ及び線形電力増幅器
等から構成される。この変調器１３内部においてもＰＬ
Ｌのループフィルタとして、ラグリードフィルタが使用
されている。

【００１８】特に、上記変調器１３の変調周波数特性
は、図２に示すように変調器内部ラグリードフィルタの
特性からカットオフ周波数ｆｃを持つハイパスフィルタ
特性となっている。これに対し、上記ベースバンド回路
１１と変調端子１４との間に挿入されたラグリードフィ
ルタ１２は、図３に示すような利得変化点ａ，ｂを持つ
周波数特性を持つ。

【００１９】ここで、上記ラグリードフィルタ１２の利
得変化点ｂの設定を、上記変調器１３内部ラグリードフ
ィルタや比較周波数などにより決定される変調周波数特
性のカットオフ周波数ｆｃに合わせるように設定する。

【００２０】以下、上述のように構成された携帯装置の
送信部変調器１０の動作を説明する。

【００２１】音声信号及び制御データ信号は、ベースバ
ンド回路１１から出力され、ラグリードフィルタ１２を
通って変調器１３の変調端子１４に入力される。

【００２２】このとき、音声信号はラグリードフィルタ
１２により一定量の減衰を受けて通過するが、制御デー
タ信号は低周波成分が減衰せずに通過する。

【００２３】その結果、変調器１３にて変調された搬送
波は、変調器１３のハイパスフィルタ特性にかかわら
ず、変調周波数特性が十分に伸びたと等価なものとな
る。

【００２４】以上説明したように、本実施形態に係る送
信部変調器１０は、音声帯域下部を制御信号帯域に用い
る送信部変調器１０に適用し、音声信号及び制御データ
信号をベースバンド信号として出力するベースバンド回
路１１と、ベースバンド回路１１の出力に対しフィルタ
リングを行うラグリードフィルタ１２と、ラグリードフ
ィルタ１２でフィルタリングされた信号を送信信号に変
調する変調器１３とを備えているので、ベースバンド回
路１と変調器３の変調端子４の間にラグリードフィルタ
２を挿入することにより、変調器３のハイパスフィルタ
特性をフラットに近づけるように補正し、音声帯域下部
の制御データ信号を忠実に搬送波に変調をかけることが
できる。

【００２５】したがって、このような優れた特長を有す
る送信部変調器を、携帯電話機等の無線携帯端末装置に
適用すれば、この無線携帯端末装置において品質劣化が
少ない情報伝達を行うことができる。

【００２６】なお、本実施形態では、音声帯域下部を制
御信号帯域に用いる方式の携帯電話機変調器部に適用し
た例を説明したが、これに限らず、ＤＣカット用コンデ
ンサと負荷抵抗から好むにかかわらず構成されてしまう
ハイパスフィルタ特性を補正する用途にも応用すること
ができる。

【００２７】また、上記実施形態に係る送信部変調器
を、上述したような携帯電話機等に適用することもでき
るが、勿論これには限定されず、上記音声信号と制御情
報を送受する通信システムであれば全ての装置（例え
ば、移動体通信端末）に適用可能であることは言うまで
もない。

【００２８】さらに、上記送信部変調器を構成するベー
スバンド回路、ラグリードフィルタ等の種類、数などは
前述した上述の実施形態に限られないことは言うまでも
ない。

【００２９】

【発明の効果】本発明に係る送信部変調器では、音声帯
域下部を制御信号帯域に用いる送信部変調器において、
音声信号及び制御信号をベースバンド信号として出力す
るベースバンド手段と、ベースバンド手段の出力に対し
フィルタリングを行うフィルタ手段と、フィルタリング
された信号を送信信号に変調する変調手段とを備えて構
成しているので、音声帯域下部の制御データ信号を忠実
に搬送波に変調をかけることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した実施形態に係る送信部変調器
の構成を示す回路図である。

【図２】上記送信部変調器の変調器内部のハイパスフィ
ルタ特性を示す図である。

【図３】上記送信部変調器のラグリードフィルタのフィ
ルタ特性を示す図である。

【符号の説明】

１０ 送信部変調器、１１ ベースバンド回路（ベース
バンド手段）、１２ラグリードフィルタ（フィルタ手
段）、１３ 変調器（変調手段）、１４ 変調端子

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 音声帯域下部を制御信号帯域に用いる送
   信部変調器において、 音声信号及び制御信号をベースバンド信号として出力す
   るベースバンド手段と、 前記ベースバンド手段の出力に対しフィルタリングを行
   うフィルタ手段と、 前記フィルタリングされた信号を送信信号に変調する変
   調手段とを備えたことを特徴とする送信部変調器。
2. 【請求項２】 前記フィルタ手段は、ラグリードフィル
   タであることを特徴とする請求項１記載の送信部変調
   器。
3. 【請求項３】 前記フィルタ手段は、前記音声信号を所
   定量減衰させて通過させるとともに、前記制御信号は低
   周波成分を減衰させずに通過させるフィルタ特性を有す
   るフィルタであることを特徴とする請求項１記載の送信
   部変調器。
4. 【請求項４】 上記請求項１、２又は３の何れかに記載
   の送信部変調器において、 前記変調手段は、所定のカットオフ周波数特性を持つハ
   イパスフィルタ特性を有し、 前記フィルタ手段は、前記変調手段のハイパスフィルタ
   特性を平坦にするフィルタ特性を有し、 前記変調手段のハイパスフィルタ特性を、前記フィルタ
   手段のフィルタ特性で平坦に近づけるように補正するよ
   うにしたことを特徴とする送信部変調器。
5. 【請求項５】 前記変調手段は、前記ベースバンド信号
   を送受信無線周波数に変調して送出する無線手段を備え
   たことを特徴とする請求項１又は４の何れかに記載の送
   信部変調器。