JPH0933115A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置

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JPH0933115A
JPH0933115A JP18030095A JP18030095A JPH0933115A JP H0933115 A JPH0933115 A JP H0933115A JP 18030095 A JP18030095 A JP 18030095A JP 18030095 A JP18030095 A JP 18030095A JP H0933115 A JPH0933115 A JP H0933115A
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JP
Japan
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refrigerant
compressor
heat
pump device
heat exchanger
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Application number
JP18030095A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Mizuno
郁男 水野
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
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Publication of JPH0933115A publication Critical patent/JPH0933115A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/52Heat recovery pumps, i.e. heat pump based systems or units able to transfer the thermal energy from one area of the premises or part of the facilities to a different one, improving the overall efficiency

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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過熱による圧縮機の損傷を防止して耐久性を
高める。 【解決手段】 圧縮機20から吐出された冷媒を室内熱
交換器43a〜43dに供給し、ここで冷媒の凝縮熱を
放熱させることにより室内の暖房を行った後、冷媒を室
外熱交換器38a,38b及び二重管熱交換器55で加
熱して圧縮機20に戻すように冷媒回路30を構成し
た。また、圧縮機20から吐出された冷媒の一部を圧縮
機20に戻すリターンライン46を設けるとともに、室
外熱交換器38a,38bでの放熱後の低温の冷媒を室
外熱交換器38a,38b及び二重管熱交換器55を迂
回させて圧縮機20に戻すバイパスライン48を設け、
リターンライン46に、運転される室内熱交換器43a
〜43dの数に応じて冷媒のリターン量を調整する制御
弁47を設ける一方、バイパスライン48に、圧縮機2
0の温度検出に基づいて冷媒のバイパス量を調整する制
御弁49を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機、凝縮器、
膨張弁及び蒸発器を備えた閉回路に冷媒を循環させつ
つ、上記凝縮器での放熱や上記蒸発器での吸熱により冷
暖房、あるいは冷凍を行うように構成されたヒートポン
プ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種のヒートポンプ装置は
一般に広く知られ、例えば、凝縮器及び蒸発器として室
内、室外の熱交換器を備え、圧縮機及び上記室内、室外
熱交換器等を含む冷媒回路に冷媒を循環させることによ
って暖房や冷房を行う空調技術が知られており、最近で
は、この回路内において冷媒の循環方向を切換えること
によって一台の装置で冷房と暖房を行うようにしたヒー
トポンプ式の空調装置が頻繁に利用されるようになって
いる。
【0003】このようなヒートポンプ式の空調装置で
は、暖房を行う場合、圧縮機で圧縮された高温・高圧の
ガス状の冷媒が室内熱交換器に送られ、ここで凝縮熱を
放出することにより液化されるとともに、このときの凝
縮熱によって室内空気の暖房が行われる。そして、凝縮
熱を放出した冷媒は、室内熱交換器の直下流に設けられ
た膨張弁で減圧されて低温・低圧の霧状冷媒とされた
後、室外熱交換器に送られ、ここで蒸発熱を奪って気化
して圧縮機に吸入されるようになっている。
【0004】一方、冷房が行われる場合には、圧縮機で
圧縮された高温・高圧のガス状の冷媒が室外熱交換器に
送られ、ここで外気により冷却・凝縮させられた後、膨
張弁を介して室内熱交換器に送られる。つまり、膨張弁
において急激に減圧されて低温・低圧の霧状冷媒とされ
るとともに、この冷媒の蒸発に必要な潜熱が室内空気か
ら奪われることによって室内空気の冷却が行われる。そ
して、気化した冷媒はその後、圧縮機に吸入されるよう
になっている。
【0005】上述のようにヒートポンプ装置を用いた空
調装置において、最近では、1つの回路に複数の室内熱
交換器を並列に設け、各室内熱交換器を個別に運転する
ことによって各部屋毎に空調を行う装置も提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒートポンプ装
置によると、運転状態によっては凝縮器等での放熱量が
蒸発部等での吸熱量に比べて小さくなる場合がある。
【0007】例えば、複数の室内熱交換器を並列に備え
た空調装置においては、室内熱交換器の運転個数が1個
から最多数個まで大幅に変化し、室内熱交換器側の熱交
換能力が大幅に変化する。一方、室外熱交換器は、室内
熱交換器が最多個数運転されても対応できる熱交換能力
が要求され、そのように設定されている。このため、室
内熱交換器側の熱交換能力が小さくなり過ぎる場合があ
る。
【0008】つまり、暖房運転時において、室内熱交換
器での放熱量が小さい一方、外気温度が室外熱交換器を
通過する冷媒温度より比較的高く、これにより室外熱交
換器の吸熱量がそれぞれ小さくならない場合や、冷房運
転時において、外気温度が高いために室外熱交換器での
放熱量がそれほど大きくなく、これにより室内熱交換器
の吸熱量が比較的大きくならない場合等がこれに該当す
る。
【0009】暖房運転の場合を例としてより詳細に説明
すると、通常であれば、図8のP−h線図に示すよう
に、圧力P及びエンタルピhが、a(P1,h1)→b
(P2,h2)→e(P2,h0)→f(P1,h0)→a
(P1,h1)のように変化し、つまり圧縮機で圧縮され
たガス状の冷媒が(a→b)、室内熱交換器での放熱に
よりガス(b→c)→気液混合体(c→d)→液体(d
→e)と変化され、その後、完全に液化したところで膨
張されて霧状冷媒となるのであるが(e→f)、例えば
運転される室内熱交換器の数が少ない場合等には、室外
熱交換器での吸熱量に対して室内熱交換器での放熱量が
少なくなり、これにより室内熱交換器の冷媒が完全に液
化されない場合がある(c→d′)。
【0010】このような場合、冷媒が充分に液化されて
いない気液混合体の状態で膨張が行われると(d′→
f′)、気相冷媒についてはその重量が減少することに
なる。このため、圧縮機から吐出され室内熱交換器に送
られてくる冷媒の一部は膨張弁を通過できず、室内熱交
換器、特に、停止中の室内熱交換器に滞留することとな
り、これにより圧縮機に戻る冷媒が減少する。一方、膨
張弁を通過した冷媒は室外熱交換器で吸熱が十分に行わ
れる分、膨張弁から圧縮機の吸込み口の間の低圧側の冷
媒圧力が上昇し、このため、膨張弁での差圧は小さくな
り、これも膨張弁を通過する冷媒の重量が減少する原因
となり、停止中の室内熱交換器に停滞する冷媒量を増加
させる。これに伴い圧縮機の負荷が減少することで、圧
縮機の回転数が上昇し、吸熱による圧縮機の吸込み側の
温度上昇に加え、その摩擦熱等によって圧縮機自体の温
度が上昇することになる。
【0011】なお、室内熱交換器の運転台数に合わせ、
時間当りの冷媒循環量を減らすべく圧縮機の回転数を低
下させるようにしても、室内熱交換器の放熱量と室外熱
交換器の給熱量のバランスが崩れている場合には、室内
熱交換器において液化ができても、室外熱交換器におけ
る吸熱のため、低圧側の圧力上昇が起き、膨張弁におけ
る差圧が小さくなり、膨張弁を通過できる冷媒量が減少
するので、同様に膨張弁が閉じられた不使用の室内熱交
換器に滞留する冷媒量が少しずつ増加し、圧縮機に戻る
冷媒量は少しずつ減少してしまう。このため少ない運転
台数であっても暖房能力が低下してしまう。しかも、圧
縮機に吸い込まれる低圧側の冷媒温度は、吸熱を少しず
つ溜め込む結果、運転中少しずつ上昇してしまう。
【0012】ところで、例えば圧縮機で圧縮された冷媒
の一部をリターン通路を介して直接圧縮機に戻すように
し、室内熱交換器を通過する時間当りの冷媒循環量を放
熱量に見合うようにすることが考えられるが、高圧側か
ら室内熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器を迂回して圧
縮機の吸い込み側に冷媒を冷媒を戻すことは、高温高圧
の冷媒を圧縮機に戻すことであり、圧縮機の吸入冷媒温
度及び冷媒圧力が上昇してしまう。このため膨張弁での
差圧が減少され、膨張弁を通過する冷媒流量が減少する
ので、使用しない室内熱交換器内に冷媒が滞留したり、
高温高圧の冷媒が室外熱交換器側に逆流し、室外熱交換
器内で凝縮し、低圧側の回路内に液状冷媒が滞留すると
いう現象が発生してしまう。このため、圧縮機に吸入さ
れる気相冷媒量が減少し、負荷が減少することで圧縮機
の回転数が上昇し、圧縮機の温度が上昇してしまう。
【0013】このように圧縮機の吸入冷媒の温度が上昇
すると圧縮機の温度も上昇してしまう。また、圧縮機の
吸込冷媒量が減少して負荷が減少することにより圧縮機
の回転数が上昇する場合には圧縮機自体の発熱により圧
縮機の温度が上昇してしまう。そして、このように圧縮
機が過熱すると、圧縮機の作動性や耐久性を低下させる
虞がある。
【0014】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、過熱による圧縮機の損傷を防止して耐
久性を高めることができるヒートポンプ装置を提供する
ことを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るヒートポ
ンプ装置は、圧縮機と、凝縮器を有する放熱部と、膨張
弁と、蒸発器を有する吸熱部とを備え、上記圧縮機から
吐出された冷媒が上記放熱部、吸熱部を経て圧縮機に戻
されるように冷媒回路が構成されたヒートポンプ装置に
おいて、上記回路に、上記放熱部を経た冷媒を、上記吸
熱部のすくなくとも一部を迂回させて圧縮機に戻すバイ
パス通路が設けられるとともに、このバイパス通路に、
冷媒のバイパス量を調整するバイパス量調整手段が設け
られてなるものである。
【0016】このヒートポンプ装置では、上記圧縮器か
ら吐出された冷媒が上記放熱部、膨張弁(吸熱部)、吸
熱部(膨張弁)を経て圧縮機に戻るように循環すること
により冷房、暖房、あるいは冷凍等が行われる。このよ
うな冷媒の循環において、バイパス通路が閉じられてい
るときには、放熱部を経た冷媒の全てが吸熱部を通さ
れ、これにより冷媒の充分な加熱が行われる。一方、バ
イパス通路が開かれているときには、放熱部で冷却され
た冷媒の一部又は全部が吸熱部をバイパスして圧縮機に
戻され、冷媒の加熱が抑えられる。そのため冷媒の不要
な温度上昇が抑制され、また比較的低温の冷媒が圧縮機
に戻されることで圧縮機に対する冷却作用が発揮され
る。
【0017】請求項2に係るヒートポンプ装置は、請求
項1記載のヒートポンプ装置において、上記バイパス量
調整手段が、上記放熱部での放熱量に応じてバイパス量
を調整するように構成されてなるものである。
【0018】このヒートポンプ装置によれば、吸熱部を
通過する冷媒の量が放熱部での放熱量に応じて調整され
るため、冷媒の熱授受のバランスを正確に維持すること
が可能となる。
【0019】請求項3に係るヒートポンプ装置は、請求
項1又は2記載のヒートポンプ装置において、室内熱交
換器及び外部熱交換器を備え、その一方が凝縮器、他方
が蒸発器として機能するように冷媒回路が構成されてい
るものである。
【0020】このヒートポンプ装置では、室内熱交換器
が凝縮器となる場合には室内熱交換器において冷媒によ
る放熱が行われることにより室内空間に対して暖房機能
が発揮され、室内熱交換器が蒸発器となる場合には室内
熱交換器において冷媒による吸熱が行われることにより
室内空間に対して冷房機能が発揮される。つまり、いわ
ゆる空気調和装置において請求項1又は2の作用を得る
ことが可能となる。
【0021】請求項4に係るヒートポンプ装置は、請求
項3記載のヒートポンプ装置において、上記室内熱交換
器が、上記回路に並列に接続されてそれぞれ独立して運
転される複数の単位室内熱交換器からなるものであっ
て、上記バイパス量調整手段が、室内熱交換器が凝縮器
として機能する暖房運転下において、運転される単位室
内熱交換器の数が少なくなるに連れて冷媒のバイパス量
を増大させるように構成されてなるものである。
【0022】このヒートポンプ装置によれば、吸熱部を
通過する冷媒の量が、運転される室内熱交換器の数に応
じて調整されるため、運転される室内熱交換器の数が少
なくなることに起因して発生する圧縮機の過熱を有効に
阻止することが可能となる。
【0023】請求項5に係るヒートポンプ装置は、請求
項3又は4記載のヒートポンプ装置において、上記外部
熱交換器が、複数の単位外部熱交換器からなるものであ
って、上記バイパス通路は、これらの各単位外部熱交換
器のうちの少なくとも1つの熱交換器を迂回するように
構成されてなるものである。
【0024】このヒートポンプ装置によれば、冷媒を迂
回させる熱交換器の数や量によって、精密に冷媒の温度
上昇を抑えることが可能となる。
【0025】請求項6に係るヒートポンプ装置は、請求
項1乃至5のいずれかに記載のヒートポンプ装置におい
て、上記回路には、上記圧縮機の温度又は圧縮機の吸入
側の冷媒温度を示す情報を検出する検出手段が設けら
れ、上記バイパス量調整手段は、上記検出手段の検出値
に基づいてバイパス量を調整するように構成されてなる
ものである。
【0026】このヒートポンプ装置によれば、圧縮機の
温度又は圧縮機の吸入側の冷媒の温度検出に基づいて冷
媒のバイパス量が調整されるため、適量の冷媒を圧縮機
に戻して圧縮機の冷却を行うことが可能となる。
【0027】請求項7に係るヒートポンプ装置は、請求
項1乃至6のいずれかに記載のヒートポンプ装置におい
て、上記圧縮機の駆動を制御する制御手段が設けられ、
この制御手段が、上記放熱部での放熱量が小さいときに
圧縮機の回転数を所定値以下に制限するように構成され
てなるものである。
【0028】このヒートポンプ装置によれば、放熱量が
小さいときに、圧縮機の回転数上昇が制限されることに
より、圧縮機での発熱が抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0030】図1は、本発明に係るヒートポンプ装置を
利用した空気調和装置を示す回路図である。この図に示
すように、空気調和装置1(以下、空調装置1と略す)
には、水冷式ガスエンジン2(以下、エンジン2と略
す)と、これによって駆動される圧縮機20と、フロン
等の冷媒を循環させる冷媒回路30と、上記エンジン2
を冷却するための冷却水回路50とが設けられている。
【0031】上記エンジン2と圧縮機20とは、エンジ
ン2の出力軸3に取付けられたプーリ4と圧縮機20の
入力軸21に取付けられたプーリ22とに亘ってベルト
5が装着されることにより連結されており、エンジン2
で発生された回転が上記ベルト5を介して圧縮機20に
伝動されることによって圧縮機20が駆動されるように
なっている。
【0032】上記エンジン2には、吸気系として吸気管
6が接続されるとともに、この吸気管6にエアクリーナ
7及びミキサー8が接続されている。ミキサー8には、
図外の燃料ガス供給源に接続された燃料供給管9が接続
されており、この燃料供給管9に燃料ガス電磁弁10と
燃料ガスの減圧調整をするゼロガバナ11が接続されて
いる。
【0033】エンジン2のクランク室には、オイル供給
管を介してオイルタンク13が接続されている。また、
エンジン2からはブリーザ管14が導出されており、こ
のブリーザ管14にオイルセパレータ15が接続される
とともに、このオイルセパレータ15からガスライン1
6及びオイルライン17がそれぞれ導出され、ガスライ
ン16が吸気管6のミキサー8の上流側に接続される一
方、オイルライン17がエンジン2のクランク室に接続
されている。すなわち、エンジン2から排出されたブリ
ーザガスがオイルセパレータ15においてそのオイル分
を除去されて吸気管6に戻される一方で、除去されたオ
イルがエンジン2のクランク室に戻されるようになって
いる。
【0034】また、上記エンジン2には、排気系として
排気管18が導出されるとともに、この排気管18に排
ガス熱交換器19が設けられている。
【0035】上記冷媒回路30は、凝縮器を有する放熱
部と、膨張弁と、蒸発器を有する吸熱部とを備え、圧縮
機20から吐出される冷媒を上記放熱部、膨張弁、蒸発
部を通して圧縮機20に戻すように循環させるための閉
回路を構成している。
【0036】当実施形態では、4台の室内熱交換器43
a〜43dと、これらにそれぞれ具備される膨張弁42
と、2台の室外熱交換器38a,38bと、二重熱交換
器55等とが冷媒回路30に組み込まれ、かつ冷媒循環
方向を切換える四方弁33が設けられることにより、暖
房時には、室内熱交換器43a〜43dが凝縮器、室外
熱交換器38a,38bが蒸発器となり、冷房時には、
室内熱交換器43a〜43dが蒸発器、室外熱交換器3
8a,38bが凝縮器となるように構成されている。
【0037】具体的に説明すると、上記圧縮機20の吐
出側からライン31aが導出され、これがオイルセパレ
ータ32を介して四方弁33の第1ポート33aに接続
されている。四方弁33において、第3ポート33cか
らはライン31bが導出されており、このライン31b
が液ガス熱交換器34,サイレンサ35及びアキュムレ
ータ36を介して圧縮機20の吸入側に導入されるとと
もに、上記オイルセパレータ32から導出されたオイル
戻りライン45が上記アキュムレータ36よりも下流側
で、かつ後述のバイパスライン48の接続部分よりも下
流側においてこのライン31bに接続されている。な
お、45aは、オイル戻りライン45に設けられた毛細
管であり、87は圧縮機20に吸入される冷媒の温度を
検出する吸入冷媒温度センサーである。
【0038】また、上記ライン31aにおいて上記オイ
ルセパレータ32の下流側には、ライン31aから分岐
して上記サイレンサ35に至るリターンライン46が設
けられるとともに、このリターンライン46に流量調整
用の制御弁47が接続されている。
【0039】上記四方弁33において、第2ポート33
bからはライン31cが導出されており、このライン3
1cがストレーナ44を介して各室内熱交換器43a〜
43dに至っている。
【0040】各室内熱交換器43a〜43dは同図に示
すように互いに並列に配置されており、各々片方側(同
図では下側)の入出力部分が上記ライン31cに接続さ
れるとともに、他方側(同図では上側)の入出力部分が
各々膨張弁42を介してライン31dに接続されてい
る。
【0041】ライン31dは、ストレーナ41,サイト
グラス40及びドライヤ39を介して上記液ガス熱交換
器34に至り、この液ガス熱交換器34を経て室外熱交
換器38aに接続されている。室外熱交換器38aから
はライン31gが導出されており、このライン31gが
後に詳述する冷却水回路50との二重管熱交換器55を
経て上記四方弁33の第4ポート33dに接続されてい
る。
【0042】また、上記ライン31dからはライン31
eが分岐しており、このライン31eが室外熱交換器3
8bに接続されるとともに、室外熱交換器38bからラ
イン31fが導出され、このライン31fが室外熱交換
器38aと二重管熱交換器55との間において上記ライ
ン31gに接続されている。
【0043】さらに、上記ライン31dにおいて液ガス
熱交換器34と上記ライン31eの分岐部分との間に
は、ライン31dから分岐するバイパスライン48(バ
イパス通路)が設けられており、このバイパスライン4
8が上記アキュムレータ36の下流側において上記ライ
ン31bに接続されるとともに、このバイパスライン4
8に流量調整用の制御弁49(バイパス量調整手段)が
接続されている。
【0044】なお、上記冷媒回路30に適用される圧縮
機20の具体的な構造は本発明において特に限定するも
のではないが、本実施形態においては、圧縮機20とし
て図3〜図5に示すようなマルチ型圧縮機が適用されて
いる。
【0045】圧縮機20は、これらの図に示すようにケ
ース61を有し、このケース61内に、左右(図4で左
右)2台の圧縮機本体62と、各圧縮機本体62に共通
して設けらえる潤滑油供給源としてのオイル溜63とを
有している。
【0046】この圧縮機20では、図3の白抜き矢印に
示すように、上記冷媒回路30から還流した冷媒を各圧
縮機本体62により上記ライン31bから吸引、圧縮し
て高温、高圧のガス状冷媒とし、これをオイルセパレー
タ64を介してオイル溜63内に吐出するとともに、オ
イル溜63の天井部分に接続された上記ライン31aか
ら上記冷媒回路30に供給するようになっている。
【0047】また、図3の矢印に示すように、オイル溜
63中に開口したオイル供給口67から潤滑油を吸い上
げてこれを各圧縮機本体62の摺動部分に循環させるよ
うになっている。潤滑油は、各圧縮機本体62において
ガス状冷媒に混入されるが、ガス状冷媒と共にオイルセ
パレータ64を介してオイル溜63に吐出される際に分
離されてオイル溜63に戻されるようになっている。
【0048】上記圧縮機本体62は、図5に示すよう
に、ケーシング70と、クラッチ手段を介して上記入力
軸21に連結される駆動軸71と、これと一体に回転す
るロータ72と、楕円形の内壁を有するシリンダ74と
から構成されている。
【0049】ロータ72には、半径方向に付勢されてそ
の先端部がシリンダ74の内壁に摺接する複数のベーン
73が設けられ、これによりロータ72の回転に伴って
可変する2つの圧縮空間がシリンダ74内に形成される
ようになっている。また、シリンダ74には、各圧縮空
間に対応する連通路75と、板バルブ77を具備する吐
出口76とが設けられている。そして、各圧縮機本体6
2において、上記ロータ72が回転駆動されることによ
り、冷媒回路30から還流した冷媒がロータ72の一方
側の吸気口と、各連通路75を介して他方側の吸気口か
ら吸入され、上記各圧縮空間で圧縮された後各吐出口7
6から吐出され、吐出路79を経てオイルセパレータ6
4に導かれる。
【0050】さらに、この圧縮機20には、図5に示す
ようにケーシング70に圧縮機温度センサー78が取付
けられており、圧縮機20の温度が随時検出されて回路
制御装置82(図6に示す)に出力されるようになって
いる。そして、このようにして圧縮機20の温度変化を
検知することにより、後述する冷媒戻し制御において制
御弁49の開閉が行われるようになっている。
【0051】なお、上記冷却水回路50は、図1中に示
すように、ポンプ52の吐出側から冷却ライン51aが
導出され、この冷却ライン51aが上記排ガス熱交換器
19を経てエンジン2の冷却水導入口に接続されるとと
もに、エンジン2の冷却水導出口から冷却ライン51b
が導出され、これが切換弁53に接続されている。
【0052】切換弁53からは冷却ライン51c,51
eがそれぞれ導出されており、冷却ライン51cがラジ
エータ54の入力側に接続されている。ラジエータ54
の出力側からは冷却ライン51dが導出されており、こ
の冷却ライン51dが上記ポンプ52の吸入側に接続さ
れるとともに、上記冷却ライン51eが二重管熱交換器
55を介してこの冷却ライン51dに接続されている。
【0053】上記切換弁53は、内蔵されたサーモスタ
ットの作用により上記冷却ライン51c及び51eへの
冷却水の流量を調節するようになっている。具体的に
は、図2に示すように冷却水温度が78°C以下である
ときには冷却ライン51cを全閉するとともに冷却ライ
ン51eを全開として冷却ライン51eにのみ冷却水を
送り、冷却水温度が78°Cを超えると、冷却ライン5
1cを開きはじめて冷却ライン51cに冷却水を送る一
方、冷却ライン51eを閉じはじめて冷却ライン51c
に送る冷却水を抑え、さらに冷却水温度が86°Cを超
えると、冷却ライン51eを全閉するとともに冷却ライ
ン51cを全開として冷却ライン51cにのみ冷却水を
送る。これにより、暖房運転時に、冷却水温度が低いと
きには二重管熱交換器55において冷却水からできるだ
け多くの熱が吸収されるようにする一方、冷却水温度が
高いときに二重管熱交換器55で過剰な吸熱が避けられ
るようにしている。
【0054】また、上記冷却水回路50において、上記
冷却ライン51eの接続部分とラジエータ54との間か
らは上記冷却ライン51dから分岐する冷却水補給ライ
ン51fが設けられており、この冷却水補給ライン51
fが水タンク56に接続されている。同図において、5
1gは空気抜き通路を、57は絞りをそれぞれ示してい
る。
【0055】次に、以上のように構成された空調装置1
の制御系について図6のブロック図を用いて簡単に説明
する。なお、この図では主に冷媒回路30に関する制御
系の構成のみ図示している。
【0056】同図に示すように、上記空調装置1には、
空調動作を統括的に制御する主制御装置80と、この主
制御装置80に接続される室内熱交換器制御装置81及
び室外機制御装置82とが設けられている。
【0057】室内熱交換器制御装置81には、上記室内
熱交換器43a〜43dを収容する室内機100a〜1
00dが接続されており、室内熱交換器制御装置81に
より室内熱交換器43a〜43dが統括的に制御される
ようになっている。各室内機100a〜100dには、
それぞれ送風用のファン84a〜84dと、室内熱交換
器43a〜43dの入口冷媒温度を検出する入口冷媒温
度センサー85a〜85dと、室内熱交換器43a〜4
3dの出口冷媒温度を検出する出口冷媒温度センサー1
01a〜101dと、オンオフスイッチや温度設定キー
を備えた操作部86a〜86dと、各室内温度を検出す
る室内温度センサー102a〜102dとが設けられて
いる。そして、例えば室内機100aにおいて操作部8
6aを介して希望温度が入力されると、室内熱交換器制
御装置81において、室内温度センサー102aで室内
温度が求められるとともに、この温度と上記希望温度と
の差が求められ、この温度差を減少させるべく上記ファ
ン84aの出力が上記室内熱交換器制御装置81を介し
て主制御装置80によって制御されるようになってい
る。
【0058】上記室外機制御装置82には、同図に示す
ように、エンジン2、圧縮機温度センサー78、制御弁
47,49、四方弁33、室外熱交換器38a,38b
及び吸込冷媒温度センサー87等が接続されている。室
外機制御装置82は、各室内機100a〜100dの冷
暖切換えに応じて冷媒回路30での冷媒の循環方向を切
換えるべく四方弁33を制御するとともに、上述のよう
な温度差を減少させるべくエンジン2の駆動を制御して
圧縮機20の出力を調整するようになっている。また、
上記室内熱交換器43a〜43dの作動状況、つまり運
転されている室内熱交換器43a〜43dの数等に応じ
て制御弁47の開度を制御してリターンライン46を流
れる冷媒の量を調整するようになっており、具体的に
は、運転される室内熱交換器43a〜43dの数が少な
くなるに連れて各制御弁47の開度を大きくしてリター
ンライン46を流れる冷媒の量を増大させるようになっ
ている。
【0059】さらに、室外機制御装置82は、暖房運転
時に、上記入口媒温度センサー85a〜85dにより検
出される放熱前の冷媒温度と上記出口冷媒温度センサー
101a〜101dにより検出される放熱後の冷媒温度
との温度差と、各膨張弁42a〜42dの開度及び高圧
側と低圧側の圧力差とに基づいて後記各室内熱交換器4
3a〜43dでの放熱量を演算し、求められた放熱量及
び上記吸込冷媒温度センサー87による検出温度等に基
づいて上記制御弁49を制御してバイパスライン48を
開閉する制御を行うか、図7に示すように、正確な放熱
量ではなく概略の放熱量、すなわち、運転状態にある室
内機毎の定格熱交換量を換算して得られる放熱量(図7
のステップS3)と、圧縮機吸入側冷媒温度の代わりに
圧縮機温度センサー78による圧縮機自体の温度(図7
のステップS5,S9)とにより制御弁49の制御を行
う。なお、図1において、110が高圧側圧力センサー
であり、11が低圧側圧力センサーである。
【0060】次に、以上のように構成された空調装置1
の作用について説明する。
【0061】最初に上記空調装置1が暖房運転される場
合について説明する。先ず、エンジン2の駆動に応じて
圧縮機20が作動され、高温・高圧のガス状冷媒がライ
ン31aに吐出されてオイルセパレータ32を経て四方
弁33の第1ポート33aに送られる。このように冷媒
がオイルセパレータ32を経ることでそのオイル分が除
去されて四方弁33に至るようになっている。なお、除
去されたオイル分はオイル戻りライン45及びライン3
1bを介して圧縮機20に戻される。また、制御弁47
は全閉されており、従って、冷媒は全て四方弁33に送
られる。
【0062】上記四方弁33は、暖房時には第1ポート
33aと第2ポート33bとが連通する状態とされてお
り、従って、四方弁33に送られた冷媒は四方弁33を
経てライン31cに送られ、ストレーナ44を介して各
室内熱交換器43a〜43dに至り、ここで、凝縮熱を
放出して液化する。すなわち、このとき各室内熱交換器
43a〜43dにおいて放出される凝縮熱によって室内
の暖房が行われる。
【0063】凝縮熱を放出して液化した冷媒は、それぞ
れ膨張弁42によって減圧されてライン31dに送ら
れ、ストレーナ41、サイトグラス40、ドライヤ39
及び液ガス熱交換器34を経た後、室外熱交換器38a
及び38bに至り、ここで外気から蒸発熱を吸収して気
化した後、ライン31gに送られて二重管熱交換器55
に至り、ここで冷却水回路50を流れる冷却水から熱を
吸収した後四方弁33に送られる。そして、制御弁49
が全閉されているときには、ライン31cを流れる冷媒
は全て室外熱交換器38a,38bに送られる。
【0064】四方弁33では、第3ポート33cと第4
ポート33dとが連通されており、従って、冷媒は四方
弁33を経てライン31bに送られ、液ガス熱交換器3
4、サイレンサ35を介してアキュムレータ36に至
る。そして、ここで冷媒が気体と液体とに分離された
後、ガス状の冷媒のみがライン31bを通って上記圧縮
機20に送られ、以後、同様にして冷媒回路30を冷媒
が循環させられる。
【0065】ところで、室内熱交換器43a〜43dの
うち一部の室内熱交換器が運転されるような場合には、
放熱部(室内熱交換器)での放熱量が吸熱部(室内熱交
換器及び二重管熱交換器)での吸熱量に比べて小さくな
って冷媒の熱授受のバランスが崩れる傾向が生じ易い。
なお、このような場合は、エンジン2による圧縮機駆動
力が制御されるとともに、制御弁47が開かれてライン
31aを流れる冷媒の一部がリターンライン46を介し
て圧縮機20に戻されることにより、室内熱交換器43
a〜43dの運転台数に応じて室内熱交換器43a〜4
3dへの冷媒の供給量が調整されるが、室内熱交換器の
運転台数が少ないときには、放熱部の容量が小さくなる
のに対して吸熱部の容量は大きいままであるので、上記
冷媒供給量の調整だけでは熱授受のバランスの崩れを解
消することが難しい。そして、このように熱授受のバラ
ンスが崩れている状態で長時間に亘り空調装置1が継続
して運転されると、冷媒に熱が蓄積されて次第に温度が
上昇し、これにより圧縮機20が過熱される虞がある。
【0066】そのため、本実施形態においては、冷媒戻
し制御、すなわち各室内熱交換器43a〜43dにおい
て凝縮熱を放出した後の比較的低温の冷媒を圧縮機20
に戻すようにし、これによって圧縮機20に吸入される
冷媒の温度を引き下げるとともに、圧縮機20の冷却を
行うようにしている。こうすることで冷媒の熱授受のア
ンバランスに起因して過熱された圧縮機20を冷却して
その損傷を防止しつつ、室外熱交換器38a,38bで
の吸熱を抑制して冷媒の熱授受のバランスを解消するよ
うにしている。
【0067】ところで、本実施形態においては、上述の
ような冷媒戻し制御を上記圧縮機温度センサー78によ
る圧縮機20の温度検知に基づき、図7のフローチャー
トに従って行うようになっている。以下、この制御につ
ていて簡単に説明する。
【0068】この制御では、先ず、エンジン2が運転中
か否かが判断され、運転中である場合には、さらに空調
装置1が暖房運転中であるか否が判断される(ステップ
S1,S2)。ここで空調装置1が暖房運転中である場
合には、室内熱交換器43a〜43dによる運転室内機
容量が所定の比較値Qよりも小さいか否かが判断され、
容量が大きい場合には、ステップS10に移行されて制
御弁49が開かれることなくステップS1にリターンさ
れる(ステップS3)。
【0069】ここで、上記運転室内機容量とは、室内熱
交換器の放熱量に対応するものであって、例えば、運転
されている室内熱交換器43a〜43dの個々について
求められた定格容量の総和である。この際、自動制御さ
れるファンの出力が高くなるに連れて放熱量が増加し、
それに伴って入口冷媒温度と出口冷媒温度との差が大き
くなることから、この温度差に膨張弁開度と圧力差と所
定係数とをそれぞれ乗算して室内機毎の容量を求めるよ
うにしてもよい。また、操作部で設定される希望温度と
室内温度との差が大きくなるとファンの出力が高められ
て放熱量が大きくなるので、上記希望温度と室内温度の
差に定数を乗じることで容量を求めるようにしてもよ
い。
【0070】そして、上記容量が小さくなると、充分な
放熱が行われ難くなり、これにより冷媒の熱授受(室内
器での放熱と室外器等での吸熱)のバランスが崩れ易く
なる傾向にある。そのため、ステップS3を置き、概略
の熱授受のバランスに応じた制御をするようにした。す
なわち、理論的に、あるいは実験的に冷媒の熱授受のバ
ランスが確実に保たれ得るような運転状態との境界を上
記容量の点から求めておき(比較値Q)、運転中の現実
の上記容量が所定値Qより大きい場合には、冷媒の熱授
受のバランスが適切に保たれていると判断し、制御弁4
9を閉じる、あるいは閉状態に保持すべく後記ステップ
S10に移行するようになっている。
【0071】一方、運転室内機容量が比較値Qよりも小
さい場合には、放熱量が小さくて冷媒の熱授受のバラン
スが崩れ易い運転状態にあるとしてステップS4に移行
される。ここで、既に制御弁49が開かれているか否か
が判断され、制御弁49が開かれていない場合には、さ
らにステップS5に移行されて圧縮機温度センサー78
の検出温度が105°C以上であるか否か、つまり圧縮機
20が過熱状態にあるか否かが判断される。ここで検出
温度が105°C以上である場合には、冷媒の熱授受のバ
ランスが崩れていると判断され、上記制御弁49が開か
れてライン31dを流れる冷媒がバイパスライン48を
介して圧縮機20に戻され、これにより冷媒戻し制御に
よる上述の作用が発揮される(ステップS6)。このと
き、検出温度が高くなるにつれて制御弁49の開度を大
きくするように制御弁開度を多段階もしくは無段階に制
御することが望ましい。
【0072】一方、ステップS1及びS2においてYE
Sの場合には、ステップS7に移行され、圧縮機温度セ
ンサー78の検出温度が105°C以上であるか否かが判
断され、ここで検出温度が105°C以上である場合には
ステップS6に移行され、上記同様、制御弁49が開か
れる。このような例としては、空調装置1の停止直後に
おいて圧縮機20が過熱状態にあるときであり、このよ
うな場合であってもライン31dにある残留冷媒が圧縮
機20に戻されることにより圧縮機20に対する冷却作
用が発揮されるようになっている。
【0073】ステップS7でNOの場合には、ステップ
S8に移行されて制御弁49が既に開かれているか否か
が判断され、ここで制御弁49が開かれていない場合に
は、制御弁49が閉状態に維持されてステップS1にリ
ターンされる。
【0074】ステップS8でYESの場合には、上記圧
縮機温度センサー78の検出温度が70°C以下であるか
否か、つまり圧縮機20が理想的な運転温度に保たれて
いるか否が判断され、ここで検出温度が70°C以下であ
る場合には冷媒戻し制御を行う必要がないために制御弁
49が閉じられて上記ステップS1にリターンされる
(ステップS9,10)。一方、ステップS9で検出温
度が70°C以上である場合には、ステップS6に移行さ
れ、制御弁49が開かれたままステップS1にリターン
される。つまり、温度上昇時は105°C以上で制御弁4
9が開となるのに対し、その後の温度下降時には70°C
まで開状態が保たれるようにヒステリシスをもった制御
が行われ、温度が充分に引下げられるようになってい
る。
【0075】このように上記空調装置1によれば、冷媒
の熱授受のアンバランスに起因して圧縮機20の温度が
上昇するような場合であっても、圧縮機温度センサー7
8による圧縮機20の温度検出に基づき、当該温度が所
定温度に達するとライン31dを通る低温の冷媒をバイ
パスライン48を介してライン31bに戻す上記冷媒戻
し制御を行い、これによって圧縮機20の冷却を行うと
ともに、冷媒を室外熱交換器38a,38b及び二重管
熱交換器55を迂回させることにより冷媒の加熱を抑制
するようにしているので、早急に圧縮機20を冷却して
その損傷を未然に防止することができるとともに、冷媒
の熱授受のバランスを解消することができる。
【0076】ところで、以上は上記空調装置1が暖房運
転される場合であるが、冷房運転される場合には、以下
のように冷媒の循環が行われる。
【0077】すなわち、冷房運転時には、上記冷媒回路
30における四方弁33の第1ポート33aと第3ポー
ト33d、第2ポート33bと第3ポート33cがそれ
ぞれ連通されており、従って、圧縮機20から吐出され
た冷媒はライン31a及びライン31gを通って室外熱
交換器38a及び38bに至る。なお、制御弁47は閉
じられており、従って冷媒は全て室外熱交換器38a及
び38bに送られる。
【0078】室外熱交換器38a,38bの冷媒は、こ
こで外気によって冷却、凝縮されて、高圧の液状冷媒と
なってライン31e,31f,31dを通り、液ガス熱
交換器34,ドライヤ39及びサイトグラス40を介し
て各膨張弁42に至る。なお、制御弁48は閉じられて
おり、従って冷媒は全て膨張弁42側に送られる。
【0079】各膨張弁42に送られた冷媒は、ここで減
圧されて各室内熱交換器43a〜43dに送られ、室内
空気から蒸発潜熱を吸収して蒸発(気化)する。つま
り、このように冷媒が室内の蒸発潜熱を吸収することで
室内の冷房が行われる。
【0080】気化した冷媒は、ライン31c,四方弁3
3を通ってライン31bに流れ、液ガス熱交換器34、
サイレンサ35及びアキュムレータ36を介して圧縮機
20に至る。そして、ここで冷媒が気体と液体とに分離
された後、ガス状の冷媒のみがライン31bを通って上
記圧縮機20に送られ、以後、同様にして冷媒回路30
を冷媒が循環させられる。
【0081】冷房運転においても、上記暖房運転の場合
と同様に、室内熱交換器43a〜43dのうち一部の室
内熱交換器が運転される場合には、その数に応じて制御
弁47が開かれることにより適量の冷媒が室内熱交換器
43a〜43dに供給されるようになっている。
【0082】ところで、このような冷房運転では、例え
ば、外気温度が高く、しかも全ての室内熱交換器43a
〜43dが運転されているような環境下では、室外熱交
換器38a,38bにおいて冷媒の放熱が充分に行われ
ず、これにより室外熱交換器の冷媒が完全に液化されな
いような場合があり、このような場合には、暖房運転時
で一部の室内熱交換器が運転される場合と同様に、室内
熱交換器43a〜43dでの吸熱量が多いことにより圧
縮機20の吸入側冷媒温度が上昇するとともに、膨張弁
42a〜42dでの差圧が減少して冷媒が冷媒回路30
内に滞留し、圧縮機20に戻る冷媒量が少しづつ減少す
ることになる。そして、吸込冷媒温度上昇、さらには圧
縮機の負荷軽減による回転数の上昇に起因して圧縮機2
0の温度上昇を誘発することになる。
【0083】しかし、このような場合にも、上記制御弁
49が開かれてライン31dを流れる冷媒の一部がバイ
パスライン48を介して圧縮機20に戻される上記冷媒
戻し制御が行われることにより、圧縮機20に対する冷
却作用が発揮されて圧縮機20の損傷が未然に防止され
る。ただし、このような冷房運転時の冷媒戻し制御で
は、室内熱交換器43a〜43dに至る以前の冷媒がバ
イパスライン48を介して圧縮機20に戻されることに
よって室内熱交換器43a〜43dへの冷媒の供給量が
不足するため、室内熱交換器43a〜43dでの冷房能
力は低下する。
【0084】なお、上記実施形態の空調装置1は、本発
明に係るヒートポンプ装置を利用した空気調和装置の一
例であってその具体的な回路構成等は、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0085】例えば、上記空調装置1の冷媒回路30に
おいて、バイパスライン48に代えて二重管熱交換器5
5のみをバイパスするラインを設け、制御弁により二重
管熱交換器55を通過する冷媒の量を調整したり、ある
いは室外熱交換器38a,38bの一方又は双方をバイ
パスするラインを設け、制御弁により室外熱交換器38
a,38bを通過する冷媒の量を調整するように冷媒回
路30を構成してもよい。このような構成によれば、暖
房運転時に、運転される室内熱交換器43a〜43dの
数に応じて二重管熱交換器55や室外熱交換器38a,
38bといった吸熱部を通過する冷媒の量を調整するこ
とができ、これにより冷媒の受熱量を調整することがで
きる。
【0086】さらに、上記冷媒回路30では、バイパス
ライン48の一端側がアキュムレータ36の下流側にお
いてライン31bに接続されているが、例えば、アキュ
ムレータ36の上流側においてライン31bに接続する
ように構成してもよい。このような構成によれば、アキ
ュムレータ36において液状冷媒を確実に除去してガス
状冷媒のみを圧縮機20に戻すことができるので、圧縮
機20の保護の面では望ましい。
【0087】また、熱授受のバランスが崩れて圧縮機温
度が上昇したときに、上記実施形態のように冷媒をバイ
パスさせる制御に加え、圧縮機の回転数上昇を抑制する
ようにエンジン出力を制御してもよい。例えば、図7中
のステップS6で、制御弁49の制御に加え、温度が高
くなるにつれてエンジン出力を低下させ、120°C以上
では、エンジン出力を最小(スロットル全閉)とするよ
うに制御する。このようにすれば圧縮機20の温度上昇
がより確実に防止される。
【0088】なお、熱授受の結果として圧縮機の温度が
上昇するのであるから、熱授受の結果のみに基づき制御
弁49の開閉を制御しても良い。この場合は、図7にお
いて、ステップS2,S5,S7,S8及びS9を省略
し、エンジン運転中でない場合には直ちにステップS1
0に進むようにし、そうでない場合には、ステップS3
に移行し、ステップS3において運転室内機容量が所定
容量Qより小さい場合にステップS6に移行し、そうで
ない場合には、ステップS10に移行するようにすれば
よい。また、圧縮機の温度、あるいは圧縮機の吸入側冷
媒温度に基づき、この温度が所定以上であれば、直ちに
制御弁49を開くようにしてもよい。また、熱授受の結
果に基づき圧縮機20の回転数を低下させるようにして
もよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヒートポ
ンプ装置は、圧縮機と、凝縮器を有する放熱部と、膨張
弁と、蒸発器を有する吸熱部とを備えた冷媒回路に、放
熱部通過後の冷媒を、吸熱部のすくなくとも一部を迂回
させて圧縮機に戻すバイパス通路を設けたので、循環す
る冷媒を上記吸熱部を通すことなくバイパス通路を介し
て圧縮機に戻することができる。そのため、放熱部で冷
却された冷媒の一部又は全部を吸熱部に通すことなくバ
イパス通路を介して圧縮機に戻すことにより、冷媒の加
熱を抑えることができる。従って、冷媒の不要な温度上
昇を抑制し、また比較的低温の冷媒を圧縮機に戻して圧
縮機を冷却することができ、これにより圧縮機の過熱に
よる損傷を防止してその耐久性を高めることができる。
【0090】また、このヒートポンプ装置において、上
記バイパス通路の流量を調整するバイパス量調整手段
を、放熱部での放熱量に応じて調整するようにすれば、
冷媒の熱授受のバランスをより正確に維持することが可
能となる。
【0091】さらに、室内熱交換器及び外部熱交換器を
備え、その一方が凝縮器、他方が蒸発器となるように冷
媒回路を構成すれば、空気調和装置等としての用途にお
いて有利な構成となる。特に、室内熱交換器が複数の単
位室内熱交換器からなる場合であって、当該装置が暖房
運転される場合には、運転される単位室内熱交換器の数
が少なくなるに連れて冷媒のバイパス量を増大させるよ
うにすれば、運転される室内熱交換器の数が少なくなる
ことに起因して発生する圧縮機の過熱を有効に阻止する
ことができる。
【0092】また、外部熱交換器が複数の単位外部熱交
換器からなる場合には、単位外部熱交換器のうちの少な
くとも1つを迂回するようにバイパス通路を構成するこ
とで、冷媒を迂回させる熱交換器の数や量によって、精
密に冷媒の温度上昇を抑えることができる。
【0093】さらに、検出手段により圧縮機の温度又は
圧縮機の吸入側の冷媒温度を検出し、これに基づいてバ
イパス量を調整するようにすれば、適量の冷媒を圧縮機
に戻して圧縮機の冷却を行うことができる。
【0094】また、放熱部での放熱量が小さいときに圧
縮機の回転数を所定値以下に制限するようにすれば、圧
縮機での発熱をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒートポンプ装置が適用される空
気調和装置の回路図である。
【図2】冷却水回路における切換弁の制御方法を示すグ
ラフである。
【図3】図1の装置に適用される圧縮機の構造を示す断
面図である。
【図4】圧縮機の構造を示す図3のA矢視図(一部破断
図)である。
【図5】圧縮機の構造を示す図3のV−V断面図であ
る。
【図6】図1に示す空気調和装置の制御系を示すブロッ
ク図である。
【図7】図1に示す空気調和装置における冷媒戻し制御
を示すフローチャートである。
【図8】冷媒サイクルのP−h線図である。
【符号の説明】
1 空気調和装置 2 水冷式ガスエンジン 20 圧縮機 30 冷媒回路 31a,31b,31c,31d,31e,31f,3
1g ライン 33 四方弁 43a〜43d 室内熱交換器 38a,38b 室外熱交換器 46 リターンライン 48 バイパスライン 47,49 制御弁 50 冷却水回路 55 二重管熱交換器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、凝縮器を有する放熱部と、膨
    張弁と、蒸発器を有する吸熱部とを備え、上記圧縮機か
    ら吐出された冷媒が上記放熱部、膨張弁、吸熱部を経て
    圧縮機に戻されるように冷媒回路が構成されたヒートポ
    ンプ装置において、上記冷媒回路に、上記放熱部を経た
    冷媒を、上記吸熱部のすくなくとも一部を迂回させて圧
    縮機に戻すバイパス通路が設けられるとともに、このバ
    イパス通路に、冷媒のバイパス量を調整するバイパス量
    調整手段が設けられてなることを特徴とするヒートポン
    プ装置。
  2. 【請求項2】 上記バイパス量調整手段は、上記放熱部
    での放熱量に応じてバイパス量を調整するように構成さ
    れてなることを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ
    装置。
  3. 【請求項3】 室内熱交換器及び外部熱交換器を備え、
    その一方が凝縮器、他方が蒸発器として機能するように
    冷媒回路が構成されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載のヒートポンプ装置。
  4. 【請求項4】 上記室内熱交換器は、上記回路に並列に
    接続されてそれぞれ独立して運転される複数の単位室内
    熱交換器からなるものであって、上記バイパス量調整手
    段は、室内熱交換器が凝縮器として機能する暖房運転下
    において、運転される単位室内熱交換器の数が少なくな
    るに連れて冷媒のバイパス量を増大させるように構成さ
    れてなることを特徴とする請求項3記載のヒートポンプ
    装置。
  5. 【請求項5】 上記外部熱交換器は、複数の単位外部熱
    交換器からなるものであって、上記バイパス通路は、こ
    れらの各単位外部熱交換機のうちの少なくとも1つの熱
    交換器を迂回するように構成されてなることを特徴とす
    る請求項3又は4記載のヒートポンプ装置。
  6. 【請求項6】 上記回路には、上記圧縮機の温度又は圧
    縮機の吸入側の冷媒温度を示す情報を検出する検出手段
    が設けられ、上記バイパス量調整手段は、上記検出手段
    の検出値に基づいてバイパス量を調整するように構成さ
    れてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のヒートポンプ装置。
  7. 【請求項7】 上記圧縮機の駆動を制御する制御手段が
    設けられ、この制御手段が、上記放熱部での放熱量が小
    さいときに圧縮機の回転数を所定値以下に制限するよう
    に構成されてなることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載のヒートポンプ装置。
JP18030095A 1995-07-17 1995-07-17 ヒートポンプ装置 Pending JPH0933115A (ja)

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JP18030095A JPH0933115A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 ヒートポンプ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115307234A (zh) * 2022-08-05 2022-11-08 南京天加环境科技有限公司 高效制热的燃气热泵冷热水机组及其控制方法

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