JP4167308B2 - 冷媒循環式熱移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置や冷凍機に適用される冷媒循環式熱移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁(絞り)、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させながら、蒸発器での吸熱により冷房や冷凍を行わせるようにした冷媒循環式熱移動装置(熱移動装置と略す)は一般に知られている。
【0003】
この種の熱移動装置を冷房運転する空調装置や冷凍機に適用する場合、例えば、室内や冷凍庫内の温度調整は、室内等の現実の温度と温度設定手段により設定される目標温度との温度差に応じて、膨張弁の出口から圧縮機の吸い込み口までの間の低圧回路での冷媒の目標圧力を設定し、低圧回路での冷媒の圧力が目標圧力となるように圧縮機の回転数を制御するフィードバック制御により行うようにしている。
【0004】
この場合、例えば、現実の室内等の温度と目標温度との差が大きい場合には、目標圧力値を低く設定し、逆に温度差が小さい場合には目標圧力を高く設定する。そして、設定した目標圧力と現実の圧力との差が大きい場合には、圧縮機の回転数を上昇させ、逆に圧力差が小さい場合には回転数を低下させるように圧縮機を制御するようにしている。
【0005】
すなわち、現実の温度と目標温度との差が大きい場合には、圧縮機の回転数を上昇させることにより、絞りの上下流間での冷媒の圧力差を大きくし、蒸発器へ循環する冷房量を増加させることと、圧縮機の冷媒吸引作用を増大させて低圧側圧力を低下させ、これに伴い低圧側の冷媒温度を低下させることの両方により蒸発器での吸熱作用を促進させ、逆に、温度差が小さい場合には、圧縮機の回転数を低下させることにより、絞り上下流間での冷媒の圧力差を小さくし、これにより蒸発器での吸熱作用を抑制して室内等の温度を保つようにしている。また、同様に、空調装置の暖房運転においては、凝縮器が配置される室内の設定温度と現実の室内温度との差に応じ、差が大きい程、圧縮機から凝縮器を経て膨張弁に至る高圧回路の圧力の目標値を大きく設定し、高圧回路の圧力検知値が目標圧力となるように圧縮機の回転数を制御するフィードバック制御が実施されていた。これにより、凝縮器での要求放熱量に対応した放熱を可能としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
熱移動装置を利用した上記のような空調装置や冷凍機においては、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、絞り、蒸発器を経て圧縮機に戻すように冷媒の循環回路が構成されるが、この回路に蒸発器を複数設けることも行われており、例えば、空調装置では、室内機として蒸発器及び絞りを複数並列に設け、各室内機を部屋毎に設置することにより各部屋毎に冷房を行うことや一つの部屋を複数の室内機で冷房することが一般に行われている。また、同様に、例えば、空調装置において、複数の凝縮器及び絞りを複数並列に設け、各室内機を部屋毎に設置し、各部屋毎に暖房を行うことや、一つの部屋を複数の室内機で暖房することが一般に行われている。
【0007】
ところで、熱移動装置を利用した空調装置や冷凍機では、温度調整において上記のように圧縮機の回転数を制御するが、従来のこの種の制御では、予め最高回転数と最低回転数を設定し、この許容回転数内で圧縮機を制御するようにしており、上記のように複数の蒸発器(室外機)を備えた装置においても、一般には、駆動される室内機の数(接続容量)に拘らず、最高回転数及び最低回転数として一定回転数を設定し、その間の許容回転数域内で圧縮機を制御している。そのため、以下のような問題がある。
【0008】
すなわち、複数の室外機を備えた空調装置において許容回転数域を設定する場合、最高回転数は圧縮機の能力等により定めるが、最低回転数については、例えば、最小接続容量を基準として比較的低く設定する場合や、最大接続容量を基準として比較的高く設定する場合が考えられる。
【0009】
ここで、最小接続容量を基準として最低回転数を比較的低く設定すると、接続容量が大きい場合には、サーモオフ直前、つまり目標圧力値と低圧回路、あるいは高圧回路での現実の圧力値とが近似するところで圧縮機の回転数が大幅に低下し、その結果、各絞り上流側における冷媒の圧力が下がりすぎて、冷媒が飽和液温度より高い温度のまま絞りを通過する、つまり、気液混合状態の冷媒が絞りを通過して異常音を発生するという問題が生じる。
【0010】
一方、最大接続容量を基準として最低回転数を比較的高く設定すると、接続容量が小さい場合に、最低回転数に拘束されて回転数を充分に低下させることができない場合が生じ、このような場合には、絞り上下流間での冷媒の圧力差が大きくなって、冷房、冷凍運転時には蒸発器への冷媒循環量が増加するとともに、圧縮機の低圧冷媒の吸引作用が低下せず、低圧回路の圧力及び温度が低いままとなるので、蒸発器による吸熱作用が促進され過ぎ、その結果、室内を冷し過ぎるといった問題が生じる。また、同様に、暖房運転時には、凝縮器への冷媒循環量が増加するとともに、圧縮機の冷媒吐出圧力が低下せず、高圧回路の圧力及び温度が高いままとなるので、凝縮器による放熱作用が促進され過ぎ、その結果、室内を温め過ぎるといった問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、冷媒回路に複数の蒸発器を備え、これら蒸発器での吸熱により冷房または冷凍を行うようにした冷媒循環式熱移動装置において、蒸発器の接続容量に拘らず冷房、あるいは冷凍を適切に行わせることができる冷媒循環式熱移動装置を提供することを目的とする。また、冷媒回路に複数の凝縮器を備え、これら凝縮器での吸熱により暖房を行うようにした冷媒循環式熱移動装置において、凝縮器の接続容量に拘らず暖房を適切に行わせることができる冷媒循環式熱移動装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンによって駆動される圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器、絞り及び蒸発器を通って圧縮機に戻されるように構成されるとともに、室内機に設けられて暖房時に凝縮器となる室内熱交換器が複数並列に配設された冷媒回路を備え、上記室内熱交換器での放熱により暖房を行うようにされた冷媒循環式熱移動装置において、暖房の対象となる空間の温度を検出する温度検出手段と、目標温度を設定可能とする温度設定手段と、圧縮機の出口から絞りまでの間の高圧回路の圧力を検出可能とする高圧圧力検出手段と、上記温度設定手段により設定された目標温度と上記温度検出手段による検出温度との差に応じ、この温度差が大きい程、上記高圧回路の目標圧力を高く設定する圧力設定手段と、この圧力設定手段により設定された目標圧力と上記高圧圧力検出手段よる検出圧力との差に応じ、この圧力差が大きい程、回転数が高くなるように上記圧縮機の回転数を制御する制御手段と、上記エンジンを冷却するための冷却水回路と、上記絞りから圧縮機の入口までの間の低圧回路に設けられて、暖房時に、エンジン廃熱を回収した冷却水回路の冷却水により低圧回路内の冷媒を加熱する熱交換器とを備え、上記制御手段は、最高回転数と最低回転数との間の許容回転数域内で上記圧縮機の回転数を制御し、かつ、少なくとも最低回転数を上記室内機の接続容量に応じて設定し、この容量が大きい程、回転数が高くなるように構成されているものである(請求項)。
【0017】
この装置によれば、温度調整の際には、目標温度と現実の温度との温度差に応じ、高圧回路の冷媒圧力に対する目標圧力が設定され、現実の冷媒圧力が設定圧力となるように所定の許容回転数の範囲内で圧縮機の回転数が制御される。この際、許容回転数は、凝縮器の接続容量に応じ、この容量が大きい程、回転数が高くなるように最低回転数が設定される。そのため、凝縮器の接続容量が大きい場合に、サーモオフ直前等において圧縮機の回転数が最低回転数まで下がった時、絞り上流側圧力の過度の低下を防止することが可能となり、一方、凝縮器の接続容量が小さい場合には、回転数を十分に低下させて絞り上流の圧力を低下させることが可能となる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明は、エンジンによって駆動される圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器、絞り及び蒸発器を通って圧縮機に戻されるように構成されるとともに、室内機に設けられて暖房時に凝縮器となる室内熱交換器が複数並列に配設された冷媒回路を備え、上記室内熱交換器での放熱により暖房を行うようにされた冷媒循環式熱移動装置において、暖房の対象となる空間の温度を検出する温度検出手段と、目標温度を設定可能とする温度設定手段と、上記圧縮機の出口から絞りまでの間の高圧回路の圧力を検出可能とする高圧圧力検出手段と、上記温度設定手段により設定された目標温度と上記温度検出手段による検出温度との差及び上記室内機の接続容量を示すデータに基づき上記高圧回路の目標圧力を設定する圧力設定手段と、この圧力設定手段により設定された目標圧力と上記高圧圧力検出手段よる検出圧力との差に応じ、予め設定された一定値の最高回転数と最低回転数との間の許容回転数域内において、上記圧力差が大きい程、回転数が高くなるように上記圧縮機の回転数を制御する制御手段と、上記エンジンを冷却するための冷却水回路と、上記絞りから圧縮機の入口までの間の低圧回路に設けられて、暖房時に、エンジン廃熱を回収した冷却水回路の冷却水により低圧回路内の冷媒を加熱する熱交換器とを備え、上記圧力設定手段は、目標温度と検出温度との差が大きく、かつ上記室内機の接続容量が大きい程、目標圧力を高く設定するように構成されているものである(請求項)。
【0019】
この装置によれば、温度調整の際には、目標温度と現実の温度との温度差に応じ、高圧回路の冷媒圧力に対する目標圧力が設定され、現実の冷媒圧力が設定圧力となるように所定の許容回転数の範囲内で圧縮機の回転数が制御される。この際、最高回転数及び最低回転数が一定値とされた許容回転数の範囲内で圧縮機の回転数が制御されることとなるが、凝縮器の接続容量が大きい程、目標圧力が高く設定される結果、接続容量が大きい程、圧縮機が高回転に制御される。そのため、凝縮器の接続容量が大きい場合には、サーモオフ直前であっても、絞り上流側で過度の圧力低下を招く程に回転数が低下するようなことがなくなり、また、凝縮器の接続容量が小さい場合には、絞り上流側圧力を充分に低下させることが可能となる。
【0020】
特に、上記のような装置においては、コスト低減の目的等から上記絞りとして、開度が固定的に設定される固定絞りを設けることがあり、このような固定絞りを設けた装置では、低圧回路の圧力あるいは高圧回路の圧力の調整を絞りの開度制御によって行うわけにはいかないので、温度調整は専ら圧縮機の回転数制御によって行われることとなる。従って、このような固定絞りを設けた装置において、上記請求項1または2に記載の構成を採用するようにすれば(請求項)、コスト低減を達成しなが温度調整をより適切に行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の冷媒循環式熱移動装置の一例としての空調装置を示しており、この空調装置は、室外ユニット1Aと、複数の室内ユニット1Bとで構成されている。この空調装置には、水冷式ガスエンジン2(以下、エンジン2と略す)と、このエンジン2によって駆動される圧縮機20と、この圧縮機20の駆動により冷媒を循環させる冷媒回路30と、上記エンジン2を冷却するための冷却水回路90とが設けられている。
【0023】
上記エンジン2には吸気管3が接続され、この吸気管3にエアクリーナ4及びミキサー5が接続されている。このミキサー5には、図外の燃料ガス供給源に接続された燃料供給管6が接続されており、この燃料供給管6に流量制御弁7、減圧調整弁8及び電磁弁9が介設されている。そして、上記ミキサー5では、スロットル作動モータ5aによるスロットル弁の回動によりエンジンへの燃料ガス及び空気の供給量を調節するようになっている。エンジン2のオイルパンには、オイル供給管10を介してオイルタンク11が接続されており、上記オイル管10にはオイル供給量を調節するための電磁弁12が介設されている。
【0024】
また、上記エンジン2から排気管13が導出され、この排気管13に排ガス熱交換器14、排気サイレンサ15及びミストセパレータ16が介設されている。なお、17はエンジン2のオイルパン内のオイル温度を調節するためのヒータ、18は排ガス熱交換器14や排気サイレンサ15やミストセパレータ16からのドレン水を中和処理するドレン処理装置である。
【0025】
上記圧縮機20は、図示の例では2個の単位圧縮機20a,20bを有するマルチ型圧縮機からなり、上記各単位圧縮機20a,20bは電磁クラッチ21a,21bを介してエンジンの出力軸22に接続されている。23は圧縮機20内のオイル温度を調節するためのヒータである。また、24,25は圧縮機温度を検出する圧縮機温度センサである。
【0026】
上記冷媒回路30は、上記圧縮機20と、高圧冷媒を凝縮させて放熱する凝縮器と、凝縮後の冷媒を膨張させて低圧にする機能を有する絞りと、膨張後の冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器とを備え、圧縮機20から吐出した冷媒を凝縮器、絞り及び蒸発器を通して圧縮機20に戻すように構成されている。当実施形態では、室外ユニット1Aに設けられた室外回路31と、室内ユニット1Bに設けられた室内回路32とで冷媒回路30が構成されるとともに、冷房と暖房とに切換可能で、かつ複数箇所の冷暖房が可能な空調装置を構成すべく、冷媒循環経路を切替えるための四方弁33と、冷房時に凝縮器、暖房時に蒸発器となる室外熱交換器34とを室外回路31に設ける一方、毛細管からなる固定絞り35と、冷房時に蒸発器、暖房時に凝縮器となる室内熱交換器36とを、複数の室内ユニット1Bの各室内回路32にそれぞれ設けている。
【0027】
この冷媒回路30の構成を具体的に説明する。上記室外回路31において、圧縮機20と四方弁33との間には、圧縮機20の吐出口と四方弁33の第1ポート33aとを接続する吐出側ライン38と、四方弁33の第2ポート33bと圧縮機20の吸込口とを接続する吸入側ライン39とが設けられている。
【0028】
上記吐出側ライン38にはオイルセパレータ40が設置されている。このオイルセパレータ40にはヒータ41が設けられ、このヒータ41によりオイルセパレータ40の温度調節が行われる。そして、オイルセパレータ40からオイルがストレーナ42及び毛細管43を経て吸入側ライン39の下流部に導かれるようになっている。
【0029】
上記吸入側ライン39にはアキュムレータ45が設置されており、吸入側ライン39は、四方弁33の第2ポート33bとアキュムレータ45の入口とをつなぐ上流側ライン39aと、アキュムレータ45の気相冷媒の出口に接続されたライン39b、このライン39bに毛細管46及びこれと並列のU字形ライン39dを介して接続された下流側ライン39cとを有し、下流端部が一方向弁44を介して圧縮機2の吸込口に接続されている。そして、上記アキュムレータ45で気相冷媒と液相冷媒が分離され、気相冷媒がライン39b、毛細管46、ライン39c等を経て圧縮機20に吸入されるようになっている。
【0030】
上記アキュムレータ45の所定高レベル位置と所定低レベル位置とが、ストレーナ47及び毛細管48を有する通路とストレーナ49及び毛細管50を有する通路とによってそれぞれライン39dに接続され、これらの通路に対してヒータ51が設けられるとともに、各通路の温度を検出するセンサ52,53が設けられている。そして、アキュムレータ45内の液面レベルの上昇に応じて通路に液相冷媒が導出されると、ヒータ51で加熱されている通路内で温度変化が生じてこれがセンサ52,53で検出される。これによりセンサ52,53は、アキュムレータ45内の液面が所定高レベル位置に上昇した状態や所定低レベル位置に低下した状態を検出する液面検知センサとして機能するようになっている。
【0031】
さらにアキュムレータ45には、液面チェック用のサイトグラス55が設けられている。また、アキュムレータ45内のオイルを、さらに必要に応じて運転停止中に液相冷媒を導出し得るように、アキュムレータ45の下端部がストレーナ56及び制御弁57を有する通路39eを介してライン39dに接続されている。
【0032】
また、アキュムレータ45には、後述のライン63を流れる冷媒から吸熱する熱交換器58が設けられるとともに、ヒーター59が具備されている。
【0033】
四方弁33の第3ポート33cにはライン61を介して室外熱交換器34が接続されており、このライン61の途中にはプレート熱交換器62が設けられている。さらに室外熱交換器34にライン63が接続され、このライン63は、アキュムレータ45に設けられた熱交換器58を通って、端部がジョイント64に達している。このライン63の途中にはフィルタードライヤ65及び手動弁66が配置されている。
【0034】
四方弁33の第4ポート33dにはライン67が接続され、このライン67には手動弁68が配置されており、ライン67の端部がジョイント69に達している。
【0035】
さらに、室外回路31には、冷房時に室外熱交換器34の出口側に位置するライン63とアキュムレータ45の入口に通じるライン39aとの間に、バイパス通路70が接続されている。このバイパス通路70には、ストレーナ71と、開度調節可能な電磁弁からなる制御弁72とが配置されている。
【0036】
このほかに室外回路31には、吐出側ライン38の冷媒温度を検出する冷媒吐出温センサ73、吸入側ライン39の冷媒温度を検出する冷媒吸入温センサ74、吐出側ライン38の冷媒圧力を検出する冷媒吐出圧センサ75、吸入側ライン39の冷媒圧力を検出する冷媒吸入圧センサ(圧力検出手段)76、冷房時に室外熱交換器34の出口側となる部分の冷媒温度を検出する冷媒熱交出口温センサ77等のセンサ類が配備されている。
【0037】
室外回路31と室内回路32との間には、ジョイント64,69を介してライン63,67に接続されたライン81,82が設けられている。
【0038】
一方、室内回路32においては、上記ライン81,82から分岐したライン83,84が固定絞り35及び室内熱交換器36に接続されるとともに、固定絞り35と室内熱交換器36とがライン85を介して接続されている。また、ライン85内の冷媒温度を検出する冷媒温センサ86と、室内温度を検出する室内温センサ87とが室内ユニット1Bに設けられている。
【0039】
上記冷却水回路90は、ポンプ91、エンジン2のウォータジャケット92、ラジエータ93、サーモスタット94a,94b等を備え、これらの間に冷却水ラインが配設されている。
【0040】
すなわち、ポンプ91の吐出側から冷却水ライン90aが導出され、この冷却水ライン90aが排ガス熱交換器14及びウォータジャケット92に接続されるとともに、排ガス熱交換器14及びウォータジャケット92の冷却水流出側に冷却水ライン90bが接続され、この冷却水ライン90bが第1のサーモスタット式切換弁94aに接続されるとともに、このサーモスタット式切換弁94aより上流で冷却水ライン90bから分岐したライン90cが第2のサーモスタット式切換弁94bに接続されている。
【0041】
第1のサーモスタット式切換弁94aからは冷却水ライン90d及び冷却水ライン90eが導出されている。上記冷却水ライン90dはラジエータ93に接続され、ラジエータ93から冷却水ライン90fが導出されており、また上記冷却水ライン90eはプレート熱交換器62を通ってから冷却水ライン90fに合流している。さらに上記冷却水ライン90fの下流側が第2のサーモスタット式切換弁94bに接続され、サーモスタット式切換弁94bの下流の冷却水ライン90gがポンプ91の吸込み側に接続されている。第1のサーモスタット式切換弁94bは、冷却水ライン90cの冷却水温度、すなわち冷却水ライン90bの冷却水温度が第1の所定温度より低い場合に、冷却水ライン90cと冷却水ライン90gを連通する一方、冷却水ライン90fと冷却水ライン90gを遮断する。これによりエンジンの起動後の暖気を早める。第2のサーモスタット式切換弁94aは、冷却水ライン90bの冷却水温度が第2の所定温度(第1の所定温度より高い温度)より高い場合に、冷却水ライン90bと冷却水ライン90dを連通する一方、冷却水ライン90bと冷却水ライン90eを遮断する。これによりエンジンのオーバーヒートを防止する。そして、冷却水ライン90bの温度が第2の所定温度以下の時、第2のサーモスタット式切換弁94aは冷却水ライン90bと冷却水ライン9eを連通する一方、冷却水ライン90bと冷却水ライン90dを遮断する。これにより冷却水ライン90bの温度が第1の所定温度と第2の所定温度の中間の時、エンジン廃熱を回収した冷却水はパネル熱交換器62へ流れ、暖房時における低圧冷媒の加熱に使用される。
【0042】
なお、95a,95bはラジエータ93及び室外熱交換器34の両方に対する冷却用のファン、96a,96bは上記ファン95a,95bを駆動するモータ、97は冷却水ライン90gに冷却水補給ラインを介して接続された水タンクである。また、98はエンジンのウォータジャケットの出口部分の冷却水温を検出する冷却水温センサ、99は排ガス熱交換器14の出口部分の冷却水温を検出する冷却水温センサである。
【0043】
次に、上記空調装置の制御系について図2のブロック図を用いて説明する。なお、この図では主に冷媒回路30に関する制御系の構成を示している。
【0044】
同図に示すように、空調装置の制御系は、室外ユニット1A側に設けられている室外機制御装置101と、室内ユニット1B側に設けられている室内機制御装置102とを備え、これらの制御装置101,102が互いに関連して制御を行なうことができるように電気的に接続されている。
【0045】
上記室外機制御装置101には、図1中にも示した冷媒吐出温センサ73、冷媒吸入温センサ74、冷媒吐出圧センサ75、冷媒吸入圧センサ76、冷媒熱交出口温センサ77、圧縮機温度センサ24,25、冷却水温センサ98,冷媒熱交出口温センサ99、アキュムレータ45の高位及び低位の液面検知用のセンサ52,53からそれぞれ検出信号が入力される。さらに、図1中には示していないが、図2中に示すように圧縮回転数もしくはエンジン回転数を検出する回転数センサ103と、外気温を検出する外気温センサ104とからの検出信号及び接続台数情報105も室外機制御装置101に入力される。なお、上記接続台数情報105は、室外ユニット1Aに制御される室内ユニット1Bの台数を示すもので、室内機制御装置102からの信号もしくは入力操作等によって与えられる。
【0046】
室外機制御装置101からは、図1中にも示したバイパス通路70の制御弁72、通路39eの制御弁57、室外ファンモータ96a,96b、冷却水ポンプ91、アキュムレータ45の液面検知用の通路を加熱するヒータ51、四方弁33、エンジン2と圧縮機20a,20bとの間のクラッチ21a,21b等に対して制御信号が送られる。さらに、運転状態等を表示するためのLED106にも信号が送られるようになっている。なお、図中107は、各種設定データ等を記憶する記憶装置で、圧縮機20の回転数制御において設定される後述の許容回転数等のデータを記憶するようになっている。さらに、スロットル弁開度調整のためにパルスモータ5aへ、A/F制御のために流量制御弁7へ、起動時の燃料ガス供給源との燃料接続のために電磁弁9へ、オイルパン内油面低下時の補給のために電磁弁12へそれぞれ制御信号が出力される。
【0047】
一方、室内機制御装置102には、ライン85内の冷媒の温度を検出する冷媒温センサ86と、室内熱交換器36が配置されているところの室内温度を検出する室内温センサ(温度検出手段)87とからの各検出信号が入力されるとともに、室内機容量を示す室内機容量データ108と、図外の温度設定手段の操作によって与えられる設定温データ109も入力される。そして、室内制御装置102からは、室内熱交換器36の室内ファンモータ200へ制御信号が出力される。
【0048】
上記制御装置101,102は、四方弁33を制御することによって冷暖房の切替えを行うとともに、冷房運転時や暖房運転時には、設定温データ109等に応じて室内熱交換器36が配置されている室内の温度調整を適切に行うべく、上記スロットル作動モータ5aを介して圧縮機20の回転数を制御するようになっている。つまり、制御装置101,102により本発明における圧力設定手段や制御手段が構成されている。
【0049】
以下、上記制御装置101,102によって行われる圧縮機20の制御について図3及び図4を用いて説明する。
【0050】
図3は圧縮機20の回転数制御のメインルーチンを示し、このルーチンがスタートすると、室内機容量データ108、外気温センサ104の検出値(外気温)及び運転条件が読み込まれる(ステップS1)。なお、室内機毎の室内機容量とは、所定時間当り所定量の所定温度の空気が室内熱交換器36を通過するようにし、室内熱交換器36に所定温度の冷媒を通過させる時の冷房時の吸熱能力、あるいは暖房時の放熱能力をいい、室内機のファン回転数が大きい程、室内熱交換器36の放熱、あるいは吸熱のためのフィン面積が大きい程大きい。また、室内機容量データ108における室内機容量とは、接続される複数の室内機の個々の室内機容量から求めた平均的な室内機容量をいう。
【0051】
運転条件としては、例えば、冷房か暖房か、また通常制御か異常回避制御かといった条件が読み込まれる。なお、通常制御及び異常回避制御は、上記圧縮機温度センサ24,25、上記冷媒吐出圧センサ75、冷媒吸入圧センサ76及び冷却水温センサ98等の出力に基づき、図外のルーチンで選定され、例えば、高圧側冷媒圧力が所定の圧力値を超える等、冷媒回路30を循環する冷媒や圧縮機20、あるいはエンジン2等に異常が生じた場合に異常回避制御が設定され、それ以外は通常制御が選定される。
【0052】
次に、圧縮機20の許容回転数(運転範囲)、つまり最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)が設定される(ステップS2)。このステップS2においては、後述のサブルーチンプログラム(図4)が実施される。
【0053】
許容回転数が設定されると、冷媒の圧力値(現在圧力)と、回転数センサ103の出力値(回転数(Nc0))と、冷房時における室内温度センサ87による室内温度値と設定温データ109の差に対応する目標低圧圧力、あるいは暖房時の設定温度データ109と室内温度値との差に対する目標高圧圧力のいずれかの目標圧力値と、圧縮機20の回転数に対する最大変化量を示すデータ(maxdNc)とが読み込まれる(ステップS3)。そして、圧縮機20の現在の回転数(Nc0)に加算する変化量(dNc)が求められて圧縮機20の目標回転数(Nc)が設定される(ステップS4)。
【0054】
ここで、上記冷媒の圧力値は、暖房時には上記冷媒吐出圧センサ75の出力値で、冷房時には上記冷媒吸入圧センサ76の出力値である。また、上記目標圧力値は、室内温センサ87の出力値と設定温データ109との差に応じて設定されるもので、冷房時には室内熱交換器36が配置されている室内の現実の温度と目標温度との差が大きい程、目標圧力値として低い値が設定される。暖房時には目標温度と現実の温度との差が大きい程、目標圧力値として高い値が設定される。そして、変化量(dNc)は、この目標圧力値と冷媒吸入圧センサ76の出力値との比較に基づき、この圧力差が大きい程、回転数がより高くなるように、上記最大変化量(maxdNc)を超えない範囲で設定される。
【0055】
そして、目標回転数(Nc)と上記最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)との比較が行われ(ステップS5)、その結果に応じて、圧縮機20の回転数が制御される。具体的には、目標回転数(Nc)が最低回転数(minNc)以下の場合には、圧縮機20が最低回転数(minNc)で駆動され(ステップS6)、目標回転数(Nc)が最低回転数(minNc)を超え最高回転数(maxNc)未満の場合には、圧縮機20が目標回転数(Nc)で駆動され(ステップS7)、目標回転数(Nc)が最高回転数(maxNc)を超える場合には、圧縮機20が最高回転数(maxNc)で駆動される(ステップS8)。そして、ステップS1にリターンする。
【0056】
つまり、冷媒吸入圧センサ76の出力値が目標圧力値となるように、圧縮機20の回転数がフィードバック制御される。
【0057】
図4は上記ステップS2で行われる許容回転数(運転範囲)の設定制御のサブルーチンであり、このルーチンでは、先ず設定が冷房か暖房かの判断が行われる(ステップS11)。
【0058】
ここで、冷房時には、室内機容量データ108が読み込まれて(ステップS12)最高回転数(maxNc)が設定され(ステップS13)、さらに通常制御か異常回避制御かといった運転条件等が読み込まれて(ステップS14)、最低回転数(minNc)が設定される(ステップS15)。
【0059】
冷房時におけるこれら回転数(maxNc,minNc)は、読み込まれる室内機容量データ108に基づき、予め室内機容量とこれらの回転数(maxNc,minNc)の対応関係を定めたテーブルから求められる。
【0060】
図5はそのような冷房時におけるテーブルを表にしたものである。この図に示すように、最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)は、それぞれ室内機の接続容量(平均的な室内機容量と接続台数の積、あるいは接続される室内機すべての室内機容量の積算値)の増大に伴い一定の割合で回転数が高くなるように設定されている。但し、最高回転数(maxNc)は、圧縮機の信頼性等を考慮して、所定の室内機接続容量以上で一定値となるように設定されている。また、最低回転数(minNc)は、通常制御の場合と異常回避制御の場合とで設定値が異なっており、異常回避制御での最低回転数(minNc)は通常制御に比べて十分に低い回転数に設定されている。
【0061】
最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)が設定されると、これら回転数を示すデータが記憶される(ステップS16)。
【0062】
一方、暖房時には、外気温センサ104の検出値(外気温)が読み込まれて最高回転数(maxNc)が設定され(ステップS17,18)、次いで室内機接続容量が読み込まれて最低回転数(minNc)が設定される(ステップS19,20)。
【0063】
暖房時の最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)は、予め外気温とこれらの回転数(maxNc,minNc)の対応関係を定めたテーブルに基づいて求められる。
【0064】
図6はそのような暖房時におけるテーブルを表にしたものである。この図に示すように、最高回転数(maxNc)は、室内機接続容量が一定のまま外気温が変化するとした時、所定温度(図示の例では2°)以下では略一定の値とされ、この温度以上では温度上昇に伴い回転数が低くなり、さらに所定温度(図示の例では7°)以上で再び一定値となるように設定されている。さらに、外気温度が一定のまま室内機接続容量が変化する時、室内機接続に対応して最高回転数(maxNc)が異なる複数種類のテーブルが設定されている。
【0065】
一方、最低回転数(minNc)は、通常制御か異常回避制御といった運転条件や外気温に拘らず一定の値に設定されている。この最低回転数(minNc)についても、室内機接続容量に対応して回転数の異なる複数種類のテーブルが設定されており、室内機接続容量に応じていずれかのテーブルを選択的に用いて最低回転数(minNc)を設定するようになっている。
【0066】
こうして暖房時の最高回転数(maxNc)及び最低回転数(minNc)が設定されると、ステップS16に移行されてこれら回転数を示すデータが記憶される。
【0067】
以上のような当実施形態の空調装置によると、冷媒回路において、冷房時と暖房時とに応じて上記四方弁33が切換えられることにより、室外熱交換器34、室内熱交換器36のうちの一方が凝縮器、他方が蒸発機となって、圧縮機20から吐出された冷媒が凝縮器、固定絞り35及び蒸発器をこの順に通って圧縮機20に戻るように循環される。
【0068】
すなわち、暖房運転時には、四方弁33の第1ポート33aと第4ポート33dとが連通されるとともに、第3ポート33cと第2ポート33bとが連通される。これにより、図1中に破線矢印で示すように、圧縮機20から吐出側ライン38に吐出された冷媒は、四方弁33からライン67、ジョイント69、ライン82を通って各室内ユニット1Bに送られ、凝縮器となる室内熱交換器36に導かれ、ここで放熱されて液化し、その凝縮熱で暖房を行う。それから、固定絞り35を経て、ライン81、ジョイント64、ライン63を通り、蒸発器となる室外熱交換器34に導かれ、ここで吸熱された後、四方弁33を経て吸入側ライン39に流れ、圧縮機20に戻される。
【0069】
一方、冷房運転時には、四方弁33の第1ポート33aと第3ポート33cとが連通されるとともに、第4ポート33dと第2ポート33bとが連通される。これにより、図1中に実線矢印で示すように、圧縮機20から吐出側ライン38に吐出された冷媒は、四方弁33を経て、凝縮器となる室外熱交換器34に導かれ、ここで放熱されて液化した後、ライン63からジョイント64およびライン81を通って各室内ユニット1Bに送られ、固定絞り35を経て、蒸発器となる室内熱交換器36に導かれ、ここで吸熱されて冷房が行われる。それから、ライン82、ジョイント69、ライン67を通り、四方弁33を経て、吸入側ライン39に流れ、圧縮機20に戻される。
【0070】
そして、このような冷房及び暖房運転中には、設定温データ109に応じて上記のように圧縮機20の許容回転数が設定され、その範囲内で上記スロットル作動モータ5aを介して圧縮機20の回転数がフィードバック制御されることにより室内熱交換器36が配置されている室内の温度調整が行われる。
【0071】
特に、上記空調装置によれば、冷房運転中は、圧縮機20の回転数が上述のように制御されることにより温度調整が適切に行われる。つまり、圧縮機20の回転数制御において、最低回転数(minNc)を室内機接続容量の増大に伴って高くするようにしているため、室内機接続容量に係らず最低回転数を一定値としている従来のこの種の装置、すなわち最小室内機接続容量を基準として最低回転数(minNc)を一律に低くい値に設定したり、あるいは最大室内機接続容量を基準として最低回転数(minNc)を一律に高い値に設定した装置のように異常音の発生や過剰冷却を誘発することなく蒸発器となる室内熱交換器を通過する冷媒圧力、すなわち冷媒温度を適正化して室内の温度調整を行うことができる。
【0072】
これについて図7のモリエル線図を用いてより具体的に説明すると、この種の装置の冷凍サイクルでは、圧縮機により気相冷媒が圧縮されて高圧になるとともにエンタルピが上昇し(a0→b0)、次に凝縮器での凝縮、放熱によりエンタルピが低下して冷媒が気相から液相へ変化し(b0→c0)、次に固定絞り等での膨張により低圧となり(c0→d0)、さらに蒸発器での蒸発、吸熱によりエンタルピが上昇する(d0→a0)という変化を繰り返しながら、蒸発器での冷媒の蒸発、吸熱により冷却機能が発揮される。
【0073】
しかし、最小室内機接続容量を基準として最低回転数(minNc)を低回転数の一定値に設定していると、例えば、最大室内機接続容量の場合には、サーモオフ直前、つまり圧縮機の吸入側の冷媒圧力が上記目標圧力値に近似する時点等で圧縮機が最低回転数となったときに吸引圧力が大きくならず低圧側圧力が上昇するとともに、吐出圧が小さい上に、凝縮器となる室外熱交換器34を通過する冷媒供給量が少ないのでより圧力低下し易く高圧側圧力が低下する。その結果、各絞りの上下流間での冷媒の圧力差が小さくなって、蒸発器となる室内熱交換器36を通過する冷媒量も低下する。例えば冷凍サイクルが図7のa1→b1→c1→d1→a1のごとく変化することとなる。これにより冷媒が飽和液温度より高い温度のまま絞りを通過する、つまり、気相を含んだ冷媒が絞りを通過し(点c1参照)、その結果、異常音が発生することとなる。
【0074】
また、最大室内機接続容量を基準として最低回転数(minNc)を高回転数の一定値に設定すると、例えば、最小室内機接続容量の場合に、最低回転数(minNc)になっても容量に対して冷媒送給量を充分に低下させることができず、また、圧縮機の吸引圧力が大きいので、その結果、絞りの上下流間での圧力差が大きくなって、例えば冷凍サイクルが図5のa2→b2→c2→d2→a2のごとく変化し、これにより冷媒の圧力及び温度が下がりすぎる傾向が生じて過剰冷却を招くこととなる。
【0075】
これに対して上記実施形態の装置によれば、最低回転数(minNc)が室内機接続容量の増大に伴い高くなるように圧縮機20の許容回転数が設定されるので、室内機接続容量が最大の場合には、サーモオフ直前に圧縮機20の回転数が下がり過ぎるのを防止することができる一方、室内機接続容量が最小の場合には、圧縮機20の回転数を充分に低下させることができる。そのため、室内機接続容量に拘らず、図5のa0→b0→c0→d0→a0に示すような理想的な冷媒サイクルを行わせることが可能であり、異常音の発生や過剰冷却を招くことなく適切に温度調整を行うことができる。
【0076】
さらに、上記実施形態の装置では、通常制御の場合と異常回避制御の場合とで最低回転数(minNc)の値を異ならせ、異常回避制御時には、最低回転数(minNc)を通常制御に比べて十分に低い値に設定するようにしているので、例えば、冷媒回路30の一部が詰まる等して冷媒の圧力が上昇する等の異常時には、異常回避制御が設定されることにより、圧縮機20の回転数を大幅に低下させることが可能となる。そのため、冷媒圧力の不要な上昇等、異常事態を有効に回避することが可能となるという利点もある。
【0077】
ところで、以上の装置では、冷房時の圧縮機20の回転数の制御において、最低回転数(minNc)が室内機接続容量の増大に伴い高くなるように圧縮機20の許容回転数を設定し、これにより圧縮機20の回転数を室内機接続容量に適した回転数に保つようにしているが、例えば、最低回転数(minNc)を従来のこの種の装置と同様に室内機接続容量に拘らず一定回転数に設定しておき、圧縮機20の目標回転数の設定時に室内機接続容量を考慮するようにしても同様の効果を得ることが可能である。
【0078】
すなわち、最小室内機接続容量を基準として最低回転数(minNc)を比較的低い値に設定する、一方、目標圧力値の設定の際に、室内温センサ87の出力値と設定温データ109との差、すなわち室内熱交換器36が配置されている室内の現実の温度と設定温度との差が大きく、かつ室内機接続容量が大きい程、目標圧力値として低い値を設定するようにする。
【0079】
このようにすれば、圧縮機20の目標回転数は室内機接続容量が大きくなるに伴い高回転となる。そのため、室内機接続容量が最大の場合に、サーモオフ直前等においても、冷凍サイクルの理想状態を損なう程に圧縮機20の回転数が低下することがない。一方、室内機接続容量が最小の場合には、上記のように最小室内機接続容量を基準に最低回転数(minNc)を設定しているので、必要十分な回転数まで圧縮機20の回転数を低下させることができる。
【0080】
従って、このような制御を行うことによっても、図5のa0→b0→c0→d0→a0に示すような理想的な冷媒サイクルを行わせることが可能であり、異常音の発生や過剰冷却を招くことなく適切に温度調整を行うことができる。
【0081】
なお、さらに暖房時においても、室内機接続容量の大小は凝縮能力の大小に相関し、室内機接続容量が大きい場合には、所定の圧縮機からの冷媒吐出圧であっても凝縮能力が大きい結果、高圧側の圧力が低下し易い。また、所定の圧縮機からの冷媒吸引力であっても、高圧側の圧力が低下し、絞りを通過して低圧側の蒸発器となる室外熱交換器34を通過する冷媒流量が減少する分、蒸発器でより多く蒸発し、場合によっては過加熱気味となるので、図7においてa1→b1→c1→d1のごとく変化することとなる。すなわち、室内機接続容量が大きい場合には、圧縮機回転数を室内機接続容量が小さい場合に比べて大きくしないと、絞りから異常音が発生することになる。また、室内機接続容量が小さい場合に、部屋を過暖房とすることになる。
【0082】
なお、上記実施形態では、室内ユニット1Bに設けられる絞りとして固定絞り35を用いているが、固定絞り35の代わりに開度調整の可能な電子膨張弁等の可変絞りを設けることも可能である。但し、固定絞り35によれば冷媒回路30を安価に構成できるという利点があり、コスト面を考慮すれば固定絞り35を採用するのが有利である。なお、可変絞りを設けた冷媒回路によれば圧縮機20の回転数制御以外に、可変絞りの開度制御によっても温度調整が可能であるが、上記実施形態のような固定絞り35を設けた冷媒回路30によれば、温度調整は圧縮機20の回転数制御によってのみ可能となる。従って、本発明の装置構成は、適切に温度調整を行うという観点からは、固定絞り35を設けた上記実施形態のような装置において特に有用である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、冷媒回路で冷媒を循環させながら、この回路に設けられた室内熱交換器での放熱により暖房を行うようにした冷媒循環式熱移動装置において、温度調整の際に、目標温度と現実の温度との温度差に応じて高圧回路の冷媒圧力に対する目標圧力を設定し、現実の冷媒圧力が目標圧力となるように所定の許容回転数の範囲内で圧縮機の回転数をフィードバック制御するとともに、室内機の接続容量に応じ、この容量が大きい程、回転数が高くなるように許容回転数における最低回転数を設定するようにしたので、圧縮機の回転数を室内機の接続容量に応じた最適な回転数に保つことができる。
【0084】
特に、上記のような装置においては、コスト低減の目的等から上記絞りとして、開度が固定的に設定された固定絞りを設けることがあるので、このような固定絞りを設けた装置において、上記構成を採用するようにすれば、コスト低減を達成しながら温度調整を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調装置に適用した本発明の一実施形態を示す全体回路図である。
【図2】上記空調装置の制御系統を示すブロック図である。
【図3】圧縮機の回転数制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】回転数の許容範囲(運転範囲)設定制御のルーチンを示すフローチャートである。
【図5】冷房時における室内機接続容量と許容回転数の対応関係を示す図である。
【図6】暖房時における室内機接続容量をパラメータとした外気温と許容回転数の対応関係を示す図である。
【図7】空調装置における冷凍サイクルのモリエル線図である。
【符号の説明】
2 水冷ガスエンジン
5a スロットル作動モータ
20 圧縮機
30 冷媒回路
34 室外熱交換器
35 固定絞り
36 室内熱交換器
70 バイパス通路
72 制御弁
76 冷媒吸入圧センサ
101 室外機制御装置
102 室内機制御装置
1A 室外ユニット
1B 室内ユニット

Claims (3)

  1. エンジンによって駆動される圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器、絞り及び蒸発器を通って圧縮機に戻されるように構成されるとともに、室内機に設けられて暖房時に凝縮器となる室内熱交換器が複数並列に配設された冷媒回路を備え、上記室内熱交換器での放熱により暖房を行うようにされた冷媒循環式熱移動装置において、暖房の対象となる空間の温度を検出する温度検出手段と、目標温度を設定可能とする温度設定手段と、圧縮機の出口から絞りまでの間の高圧回路の圧力を検出可能とする高圧圧力検出手段と、上記温度設定手段により設定された目標温度と上記温度検出手段による検出温度との差に応じ、この温度差が大きい程、上記高圧回路の目標圧力を高く設定する圧力設定手段と、この圧力設定手段により設定された目標圧力と上記高圧圧力検出手段よる検出圧力との差に応じ、この圧力差が大きい程、回転数が高くなるように上記圧縮機の回転数を制御する制御手段と、上記エンジンを冷却するための冷却水回路と、上記絞りから圧縮機の入口までの間の低圧回路に設けられて、暖房時に、エンジン廃熱を回収した冷却水回路の冷却水により低圧回路内の冷媒を加熱する熱交換器とを備え、上記制御手段は、最高回転数と最低回転数との間の許容回転数域内で上記圧縮機の回転数を制御し、かつ、少なくとも最低回転数を上記室内機の接続容量に応じて設定し、この容量が大きい程、回転数が高くなるように構成されていることを特徴とする冷媒循環式熱移動装置。
  2. エンジンによって駆動される圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器、絞り及び蒸発器を通って圧縮機に戻されるように構成されるとともに、室内機に設けられて暖房時に凝縮器となる室内熱交換器が複数並列に配設された冷媒回路を備え、上記室内熱交換器での放熱により暖房を行うようにされた冷媒循環式熱移動装置において、暖房の対象となる空間の温度を検出する温度検出手段と、目標温度を設定可能とする温度設定手段と、上記圧縮機の出口から絞りまでの間の高圧回路の圧力を検出可能とする高圧圧力検出手段と、上記温度設定手段により設定された目標温度と上記温度検出手段による検出温度との差及び上記室内機の接続容量を示すデータに基づき上記高圧回路の目標圧力を設定する圧力設定手段と、この圧力設定手段により設定された目標圧力と上記高圧圧力検出手段よる検出圧力との差に応じ、予め設定された一定値の最高回転数と最低回転数との間の許容回転数域内において、上記圧力差が大きい程、回転数が高くなるように上記圧縮機の回転数を制御する制御手段と、上記エンジンを冷却するための冷却水回路と、上記絞りから圧縮機の入口までの間の低圧回路に設けられて、暖房時に、エンジン廃熱を回収した冷却水回路の冷却水により低圧回路内の冷媒を加熱する熱交換器とを備え、上記圧力設定手段は、目標温度と検出温度との差が大きく、かつ上記室内機の接続容量が大きい程、目標圧力を高く設定するように構成されていることを特徴とする冷媒循環式熱移動装置。
  3. 上記冷媒回路において、上記絞りは、その開度が固定的に設定された固定絞りであることを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒循環式熱移動装置。
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