JPH09126567A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH09126567A
JPH09126567A JP28094095A JP28094095A JPH09126567A JP H09126567 A JPH09126567 A JP H09126567A JP 28094095 A JP28094095 A JP 28094095A JP 28094095 A JP28094095 A JP 28094095A JP H09126567 A JPH09126567 A JP H09126567A
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JP
Japan
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refrigerant
compressor
heat exchanger
heating
expansion valve
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Application number
JP28094095A
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English (en)
Inventor
Yasunari Kawai
康成 河合
Hajime Kyogoku
肇 京極
Nobuyuki Kawashima
信行 河島
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09126567A publication Critical patent/JPH09126567A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2600/00Control issues
    • F25B2600/21Refrigerant outlet evaporator temperature
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/52Heat recovery pumps, i.e. heat pump based systems or units able to transfer the thermal energy from one area of the premises or part of the facilities to a different one, improving the overall efficiency

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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非共沸冷媒を用いたヒートポンプ式空調装置
において、有効にCOPを向上させて運転性能を向上す
るとともに、暖房能力が低下することを防止する。 【解決手段】 圧縮機20、四方弁33、室内熱交換器
42a〜72n、膨張弁43a〜43n、室外熱交換器
47a,47bが冷媒回路30に設けられ、冷媒として
非共沸冷媒が用いられている空調装置において、冷媒が
蒸発器から圧縮機20に戻る経路中にアキュムレータ3
7が配置されている。また、負荷に応じて圧縮機の回転
数を制御する一方、少なくとも暖房時に膨張弁の開度調
節により高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度を飽和液温度よ
りも低い温度とするサブクール制御を行う制御手段が設
けられている。さらに、上記室外熱交換器47a,17
bからアキュムレータ37に至るまでの暖房時の低圧回
路の途中に、二重管熱交換器34が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷暖房可能なヒー
トポンプ式の空調装置に関し、とくに作動冷媒に非共沸
冷媒を用いた空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷媒を循環させる回路に圧縮機、凝縮
器、膨張弁及び蒸発器を備え、圧縮機で圧縮された冷媒
が凝縮器で放熱しつつ凝縮、液化し、次いで膨張弁で膨
張されてから、蒸発器で吸熱しつつ蒸発した後、圧縮機
に戻されるようにしたヒートポンプは一般に知られてい
る。このヒートポンプの機能を利用した空調装置は、冷
媒回路に圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換
器を配設するとともに、冷媒循環経路を切替える四方弁
を設けている。そして、冷房時は、冷媒が圧縮機、四方
弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器、四方弁、圧
縮機の順に循環することにより、室外熱交換器が凝縮
器、室内熱交換器が蒸発器となって、室内熱交換器での
吸熱による冷房が行われ、一方、暖房時は、冷媒が圧縮
機、四方弁、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、四
方弁、圧縮機の順に循環することにより、室内熱交換器
が凝縮器、室外熱交換器が蒸発器となって、室内熱交換
器での放熱による暖房が行われるように冷媒回路を構成
している。
【0003】従来、この種の空調装置において、冷房時
及び暖房時にそれぞれ、圧縮機吸入側の冷媒温度を飽和
蒸気温度よりも高い温度とするように膨張弁等を制御す
る、所謂スーパーヒート制御を行うことにより、後に詳
述するようなCOP(成績係数)の向上、性能の向上を
図るようにしたものがある。
【0004】この装置は、冷媒回路にレシーバタンクを
組み込んで、このレシーバタンクが凝縮器と膨張弁との
間に位置するように、つまり冷房時は室外熱交換器と膨
張弁との間、暖房時は室内熱交換器と膨張弁との間に位
置するように冷媒回路を構成するとともに、四方弁と圧
縮機吸込み口との間に小容量のアキュムレータを設けて
いる。そして、冷房時及び暖房時とも、負荷が小となる
につれて圧縮機の回転数を低下させるとともに、膨張弁
開度を絞ることにより、蒸発器(冷房時は室内熱交換
器、暖房時は室外熱交換器)において冷媒を完全に気化
させるだけでなく飽和蒸気温度以上に加熱するスーパー
ヒート制御を行うようにし、圧縮機の回転数低下に伴い
循環流量が減少することにより多量に発生する余剰冷媒
(充填冷媒量とヒートポンプ機能のための必要とされる
循環冷媒量との差に相当する冷媒)を凝縮器(冷房時は
室外熱交換器、暖房時は室内熱交換器)及び上記レシー
バタンクに内にゆっくり循環する液冷媒として溜めるよ
うにしている。
【0005】なお、上記アキュムレータは、過渡時に一
時的に蒸発器で蒸発しきれない液冷媒が生じた場合にこ
れを蓄えて、この液冷媒が圧縮機に吸われることを防止
するために設けられている。
【0006】また、従来のヒートポンプ式の空調装置の
別の例として、冷房時及び暖房時とも、高圧側の膨張弁
近傍の冷媒温度を飽和液温度よりも低い温度とするよう
に膨張弁開度等を制御する、所謂サブクール制御を行う
ことにより、上記COPの向上を図るようにしたものが
ある。
【0007】この装置では、上記アキュムレータの容量
を大きくする一方、レシーバタンクを廃止している。そ
して、冷房時及び暖房時とも、負荷が小となるにつれて
圧縮機の回転数を低下させるとともに、上記スーパーヒ
ート制御による場合と比べて膨張弁開度を大きめに設定
することにより、高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度を飽和
液温度以下に低下させるサブクール制御を行うように
し、余剰冷媒をアキュムレータ内に滞留させるようにし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、この
種の空調装置における冷媒として、オゾン層破壊の防止
及び冷媒能力向上などの要求を満足すべく、沸点温度の
異なる複数種の冷媒を混合させた非共沸冷媒が開発され
ているが、この非共沸冷媒を使用する場合、従来の装置
では次のような問題があった。
【0009】冷房時及び暖房時にそれぞれ上記スーパー
ヒート制御を行う装置では、暖房時において外気温度が
低い場合、室外熱交換器で充分吸熱して出口部の冷媒温
度を飽和蒸気温度以上に加熱するということができない
ため、暖房能力が低下するとともにCOPも低下し、か
つ非共沸冷媒の特性上、低沸点成分の気化は行なわれる
ため、室外熱交換器に着霜し易いという問題もある。
【0010】また、上記サブクール制御を行う装置で
は、余剰液冷媒をアキュムレータ内に滞留させるため、
定常運転時に圧縮機に吸入される冷媒は、非共沸冷媒の
特性上、低沸点成分の比率が初期充填時の組成比に対し
増加する。
【0011】この結果、低沸点成分の比体積は小さいた
め能力は増加する一方、吐出圧力が上昇して圧縮仕事が
増大しCOPが低下する問題点が生じる。ただし、暖房
時には能力増加割合が高いため、循環組成比が初期組成
比と等しくなる場合の圧縮機回転数に対し低く設定でき
ることにより、COPを向上させることができるので問
題にならないが、冷房時には能力増加割合が少ないた
め、COP低下を圧縮機回転数設定で補うことができな
い。
【0012】さらに暖房時において外気温度が低い場合
にも、非共沸冷媒の特性上、低沸点成分の気化は行なわ
れるため、補助熱源等を用いない限り室外熱交換器に着
霜するという問題点は解消することができない。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑み、非共沸冷媒
を用いる場合において、有効にCOPを向上させて運転
性能を向上するとともに、暖房能力等が低下することを
防止することができる空調装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
圧縮機と、暖房時に凝縮器、冷房時に蒸発器となる室内
熱交換器と、膨張弁と、暖房時に蒸発器、冷房時に凝縮
器となる室内熱交換器と、冷媒循環経路を切替える手段
とが冷媒回路に設けられ、暖房時には冷媒が圧縮機から
室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器をこの順に通って
圧縮機に戻され、冷房時には冷媒が圧縮機から室外熱交
換器、膨張弁、室内熱交換器をこの順に通って圧縮機に
戻されるように冷媒回路が構成されるとともに、上記冷
媒として非共沸冷媒が用いられた空調装置であって、冷
媒が蒸発器から圧縮機に戻る経路中にアキュムレータが
配置されるとともに、負荷に応じて圧縮機の回転数を制
御する一方、少なくとも暖房時に膨張弁の開度調節によ
り高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度を飽和液温度よりも低
い温度とするサブクール制御を行う制御手段が設けら
れ、かつ、上記室外熱交換器からアキュムレータに至る
までの暖房時の低圧回路の途中に、暖房時に冷媒を加熱
する加熱手段が設けられているものである。
【0015】この装置によると、暖房運転時においても
低圧回路での冷媒加熱によってサブクール制御が可能と
されることにより、COPが高められ、かつ室内熱交換
器での着霜も防止することができる。
【0016】請求項2に係る発明は、圧縮機と、暖房時
に凝縮器、冷房時に蒸発器となる室内熱交換器と、膨張
弁と、暖房時に蒸発器、冷房時に凝縮器となる室内熱交
換器と、冷媒循環経路を切替える手段とが冷媒回路に設
けられ、暖房時には冷媒が圧縮機から室内熱交換器、膨
張弁、室外熱交換器をこの順に通って圧縮機に戻され、
冷房時には冷媒が圧縮機から室外熱交換器、膨張弁、室
内熱交換器をこの順に通って圧縮機に戻されるように冷
媒回路が構成されるとともに、上記冷媒として非共沸冷
媒が用いられた空調装置であって、冷媒が蒸発器から圧
縮機に戻る経路中にアキュムレータが配置されるととも
に、負荷に応じて圧縮機の回転数を制御する一方、少な
くとも冷房時に膨張弁の開度調節により圧縮機吸入側の
冷媒温度を飽和蒸気温度よりも高い温度とするスーパー
ヒート制御を行う制御手段が設けられ、かつ、上記室内
熱交換器からアキュムレータに至るまでの冷房時の低圧
回路の途中に、冷房時に冷媒を加熱する加熱手段が設け
られているものである。
【0017】このようにすると、冷房運転時にスーパー
ヒート制御によりCOPが向上される。しかも、外気温
度が低くても、低圧回路での冷媒加熱によりスーパーヒ
ート制御が可能とされ、アキュムレータ中での余剰冷媒
の貯留量が冷房時の定常運転状態で零とされることによ
り、アキュムレータに高沸点成分が滞留することがな
く、圧縮機に吸入される気相冷媒中の低沸点成分の割合
の増大によるCOPの低下を招くようなことがない。
【0018】請求項3に係る発明は、圧縮機と、暖房時
に凝縮器、冷房時に蒸発器となる室内熱交換器と、膨張
弁と、暖房時に蒸発器、冷房時に凝縮器となる室内熱交
換器と、冷媒循環経路を切替える四方弁とが冷媒回路に
設けられ、暖房時には冷媒が圧縮機から四方弁、室内熱
交換器、膨張弁、室外熱交換器、四方弁をこの順に通っ
て圧縮機に戻され、冷房時には冷媒が圧縮機から四方
弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器、四方弁をこ
の順に通って圧縮機に戻されるように冷媒回路が構成さ
れるとともに、上記冷媒として非共沸冷媒が用いられた
空調装置であって、冷媒が四方弁から圧縮機に戻る経路
中にアキュムレータが配置されるとともに、負荷に応じ
て圧縮機の回転数を制御する一方、暖房時に膨張弁の開
度調節により高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度を飽和液温
度よりも低い温度とするサブクール制御と、冷房時に膨
張弁の開度調節により圧縮機吸入側の冷媒温度を飽和蒸
気温度よりも高い温度とするスーパーヒート制御とを行
う制御手段が設けられ、かつ、上記四方弁からアキュム
レータに至るまでの低圧回路の途中に、冷媒を加熱する
加熱手段が設けられているものである。
【0019】このようにすると、上述の各作用が得られ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0021】図1は、本発明の空気調和装置を示す回路
図である。この図に示すように、空調装置1には、水冷
式ガスエンジン2(以下、エンジン2と略す)と、これ
によって駆動される圧縮機20と、冷媒を循環させる冷
媒回路30と、上記エンジン2を冷却するための冷却水
回路50とが設けられている。冷媒としては、沸点温度
が異なる複数種の冷媒を混合した非共沸冷媒が用いられ
ており、例えば比較的低沸点の冷媒であるR32及びR
125と比較的高沸点の冷媒であるR134aを混合し
た冷媒が用いられている。
【0022】上記エンジン2と圧縮機20とは、エンジ
ン2の出力軸3に取付けられたプーリ4と圧縮機20の
入力軸21に取付けられたプーリ22とに亘ってベルト
5が装着されることにより連結されており、エンジン2
で発生された回転が上記ベルト5を介して圧縮機20に
伝動されることによって圧縮機20が駆動されるように
なっている。
【0023】上記エンジン2には、吸気系として吸気管
6が接続されるとともに、この吸気管6にエアクリーナ
7及びミキサー8が接続されている。ミキサー8には、
図外の燃料ガス供給源に接続された燃料供給管9が接続
されており、この燃料供給管9に燃料ガス電磁弁10と
燃料ガスの減圧調整をするゼロガバナ11が接続されて
いる。
【0024】エンジン2のクランク室には、オイル供給
管12を介してオイルタンク13が接続されている。ま
た、エンジン2からはブリーザ管14が導出されてお
り、このブリーザ管14にオイルセパレータ15が接続
されるとともに、このオイルセパレータ15からガスラ
イン16及びオイルライン17がそれぞれ導出され、ガ
スライン16が吸気管6のミキサー8の上流側に接続さ
れる一方、オイルライン17がエンジン2のクランク室
に接続されている。すなわち、エンジン2から排出され
たブリーザガスがオイルセパレータ15においてそのオ
イル分を除去されて吸気管6に戻される一方で、除去さ
れたオイルがエンジン2のクランク室に戻されるように
なっている。
【0025】また、上記エンジン2には、排気系として
排気管18が導出されるとともに、この排気管18に排
ガス熱交換器19が設けられている。
【0026】上記冷媒回路30は、圧縮機20から吐出
される冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を通して圧縮機2
0に戻すように循環させるための閉回路を構成してい
る。
【0027】当実施形態では、複数台の室内熱交換器4
2a〜42nと、これらにそれぞれ具備される膨張弁4
3a〜43nと、2台の室外熱交換器47a,48b等
が冷媒回路30に組み込まれ、かつ冷媒循環経路を切替
える手段としての四方弁33が設けられている。そし
て、暖房時には、冷媒が圧縮機20から室内熱交換器4
2a〜42n、膨張弁43a〜43n、室外熱交換器4
7a,47bをこの順に通って圧縮機20に戻されるこ
とにより、室内熱交換器42a〜42nが凝縮器、室外
熱交換器47a,47bが蒸発器となり、一方、冷房時
には、冷媒が圧縮機20から室外熱交換器47a,47
b、膨張弁43a〜43n、室内熱交換器42a〜42
nをこの順に通って圧縮機20に戻されることにより、
室内熱交換器42a〜42dが蒸発器、室外熱交換器4
7a,47bが凝縮器となるように構成されている。
【0028】従ってこの冷媒回路30では、暖房時は圧
縮機20の吐出部から室内熱交換器42a〜42nを経
て膨張弁43a〜43nに至るまでが高圧回路、膨張弁
43a〜43nを過ぎてから室外熱交換器47a,47
bを経て圧縮機20の吸入部に至るまでが低圧回路とな
り、一方、冷房時は圧縮機20の吐出部から室外熱交換
器47a,47bを経て膨張弁43a〜43nに至るま
でが高圧回路、膨張弁43a〜43nを過ぎてから室内
熱交換器42a〜42dを経て圧縮機20の吸入部に至
るまでが低圧回路となる。
【0029】またこの冷媒回路30には、冷媒が蒸発器
から圧縮機20に戻る経路中にアキュムレータ37が配
置されている。このアキュムレータ37は、蒸発器を経
た冷媒中の液状成分を分離して、気相冷媒のみを圧縮機
20に戻すものである。さらに、上記室外熱交換器47
a,47bからアキュムレータ37に至るまでの暖房時
の低圧回路の途中に、暖房時に冷媒を加熱する加熱手段
としての二重熱交換器34が設けられている。
【0030】この冷媒回路30の構成を具体的に説明す
ると、上記圧縮機20の吐出側からライン31aが導出
され、これがオイルセパレータ32を介して四方弁33
の第1ポート33aに接続されている。一方、上記四方
弁33において、第3ポート33cからはライン31b
が導出されており、このライン31bが二重熱交換器3
4、液ガス熱交換器35、サイレンサ36及びアキュム
レータ37を介して圧縮機20の吸入側に導入されてい
る。また、上記オイルセパレータ32から導出されたオ
イル戻りライン38が上記アキュムレータ37よりも下
流側においてライン31bに接続されており、このオイ
ル戻りライン38には毛細管38aが設けられている。
【0031】上記アキュムレータ37には、アキュムレ
ータ37内に蓄えられる液相冷媒の組成比を検出する組
成比検出器61が設けられるとともに、アキュムレータ
37内の液面のレベルを検出する行為液面レベルセンサ
62及び低位液面レベルセンサ63が設けられている。
また、圧縮機20には圧縮機温度センサ64が設けら
れ、ライン31aには、圧縮機20から吐出された冷媒
の圧力を検出する高圧側圧力センサ65が設けられ、ラ
イン31bには、圧縮機20に吸入される冷媒の温度を
検出する吸込み冷媒温度センサ67及びこの冷媒の圧力
を検出する低圧側圧力センサ66が設けられている。
【0032】また、上記ライン31aにおいて上記オイ
ルセパレータ32の下流側には、ライン31aから分岐
して上記サイレンサ36に至るガスバイパスライン39
が設けられるとともに、このガスバイパスライン39に
流量調整用の制御弁40が接続されている。
【0033】上記四方弁33の第2ポート33bからは
ライン31cが導出されており、このライン31cがス
トレーナ41を介して各室内熱交換器42a〜42nに
至っている。
【0034】各室内熱交換器42a〜42nは同図に示
すように互いに並列に配置されており、各々片方側(同
図では下側)の入出力部分が上記ライン31cに接続さ
れるとともに、他方側(同図では上側)の入出力部分が
各々膨張弁43a〜43nを介してライン31dに接続
されている。なお、68a〜68nは暖房時に膨張弁上
流側部分の冷媒温度を検出する膨張弁上流側温度セン
サ、69は膨張弁の近傍のライン31d内の冷媒の組成
比を検出する組成比検出器である。
【0035】ライン31dは、ストレーナ44、サイト
グラス45及びドライヤ46を介して上記液ガス熱交換
器35に至り、この液ガス熱交換器35を経て室外熱交
換器47aに接続されている。室外熱交換器47aから
はライン31gが導出され、このライン31gが上記四
方弁33の第4ポート33dに接続されている。また、
上記ライン31dから分岐したライン31eが室外熱交
換器47bに接続されるとともに、室外熱交換器47b
から導出されたライン31fが上記ライン31gに接続
されている。なお、70は外気温センサである。
【0036】また、上記冷却水回路50は、図1中に示
すように、ポンプ52の吐出側から冷却水ライン51a
が導出され、この冷却水ライン51aが上記排ガス熱交
換器19を経てエンジン2のウォータジャケット53の
冷却水導入口に接続されるとともに、上記のウォータジ
ャケット53の冷却水導出口から冷却水ライン51bが
導出され、これがリニア三方弁54に接続されている。
【0037】上記リニア三方弁54からは冷却水ライン
51c,51eがそれぞれ導出されており、冷却水ライ
ン51cがラジエータ55の入力側に接続されている。
ラジエータ55の出力側からは冷却水ライン51dが導
出されており、この冷却水ライン51dが上記ポンプ5
2の吸入側に接続されるとともに、上記冷却水ライン5
1eが二重管熱交換器34を介してこの冷却水ライン5
1dに接続されている。
【0038】上記リニア三方弁54は、上記冷却水ライ
ン51c及び51eへの冷却水の流量を調節するように
なっている。具体的には、図4に示すようにこの三方弁
54の作動位置に応じ、この三方弁54に導かれる冷却
水を冷却水ライン51cに100%流す状態から冷却水
ライン51eへ100%流す状態にまでわたり、両冷却
水ライン51c,51eの冷却水量の割合をリニアに変
えることができるようになっている。そして、冷却水回
路50において、排ガス熱交換器19等から熱を受け取
った冷却水が上記リニア三方弁54に導かれ、さらにこ
のリニア三方弁54の作動位置に応じた量だけ冷却水ラ
イン51eを介して上記二重管熱交換器34に導かれる
ことにより、主に外気温が低いとき、二重管熱交換器3
4で冷媒に熱が供給され、その供給熱量が上記リニア三
方弁54によって調節されるようになっている。
【0039】次に、上記空調装置1の制御系について図
2のブロック図を用いて説明する。なお、この図では主
に冷媒回路30に関する制御系の構成を示している。
【0040】同図に示すように、空調装置の制御系は、
前記室内熱交換器42a〜42n及び膨張弁43a〜4
3n等が設けられている室内機80a〜80nを個々に
制御する室内機制御装置81a〜81nと、前記圧縮機
20、室外熱交換器47a,47b、四方弁33、アキ
ュムレータ37等が設けられている室外機ユニットを制
御する室外機制御装置82とを備え、各室内機制御装置
81a〜81nと室外機制御装置82とが互いに関連し
て制御を行なうことができるように電気的に接続されて
いる。
【0041】上記室内機80a〜80nには、それぞれ
送風用のファン71a〜71nと、膨張弁43a〜43
nと、暖房時における膨張弁上流側冷媒温度センサ68
a〜68nと、オンオフスイッチや温度設定キーを備え
た操作部72a〜72nと、各室内温度を検出する室内
温度センサー73a〜73n等が設けられている。そし
て、例えば室内機80aにおいて操作部72aを介して
希望温度が入力されると、室内機制御装置81aによ
り、室内温度センサー73aで室内温度が求められると
ともに、この温度と上記希望温度との差が求められ、こ
の温度差を減少させるべく上記ファン71aの出力が制
御されるようになっている。
【0042】一方、上記室外機制御装置82には、エン
ジン2、四方弁33、リニア三方弁54、開閉弁40、
室外機側ファン77等の制御対象要素が接続されるとと
もに、吸込み冷媒温度センサー67、圧縮機温度センサ
64、アキュムレータ液面レベルセンサ62,63、高
圧側圧力センサ65、低圧側圧力センサ66、外気温セ
ンサ70、組成比検出器61,69等の制御入力要素が
接続され、さらに、制御のための各種データ及びプログ
ラム等を記憶する記憶装置75が接続されている。
【0043】上記室外機制御装置82は、各室内機80
a〜80nの冷暖切換えに応じて前述のように冷媒回路
30での冷媒の循環方向を切換えるべく四方弁33を切
替制御する。さらに室外機制御装置82は、冷房時及び
暖房時にそれぞれ、例えば室内機運転台数やその他の運
転状態によって変化する負荷を調べ、その負荷に応じて
エンジン2の駆動を制御することにより圧縮機20の回
転数を調節し、負荷が低くなるほど圧縮機20の回転数
を低下させるように制御する。
【0044】さらに、上記各制御装置81a〜81n,
82は、少なくとも暖房時にサブクール制御を実行し、
当実施形態では、後に詳述する如く、暖房時にサブクー
ル制御、冷房時にスーパーヒート制御を実行するよう
に、上記膨張弁43a〜43n等を制御する。また、こ
のような制御とともに、暖房時はアキュムレータ37内
の液面レベル等に応じて二重管熱交換器34の熱交換量
を調節し、冷房時は外気温度等に応じて二重管熱交換器
34の熱交換量を調節するように、上記三方弁54を制
御する。さらに、サブクール制御を行なう暖房時には後
述の目標高圧値の補正及び高圧側圧力を上記目標高圧値
にするための圧縮機回転数等の制御を行ない、スーパー
ヒート制御を行なう冷房時には後述の目標低圧値の補正
及び低圧側圧力を上記目標低圧値にするための圧縮機回
転数等の制御を行なうようになっている。
【0045】なお、このほかに制御装置81a〜81
n,82は、上記室内熱交換器42a〜42nの作動状
況、つまり運転されている室内熱交換器42a〜42n
の数等に応じて制御弁40の開度を制御してガスバイパ
スライン39を流れる冷媒の量を調整するようになって
おり、具体的には、運転される室内熱交換器42a〜4
2nの数が少なくなるにつれて制御弁40の開度を大き
くしてガスバイパスライン39に流れる冷媒の量を増大
させるようになっている。
【0046】上記制御装置81a〜81n,82による
暖房時と冷房時とに応じた制御は、具体的には図3に示
すように行なわれる。なお、このフローチャートにおい
ては、主に暖房時のサブクール制御及び冷房時のスーパ
ーヒート制御と、これらに関連する制御とを示してい
る。
【0047】この制御では、先ず室内機運転状態に応じ
て室内機側の負荷が検出され(ステップS1)、次い
で、冷房運転状態か否かが判定される(ステップS
2)。そして、暖房時(ステップS2の判定がNO)に
はステップS3〜S10の処理が行なわれ、冷房時(ス
テップS2の判定がYES)にはステップS11〜S1
8の処理が行なわれる。
【0048】暖房時の処理としては、先ず暖房及び上記
負荷に応じた膨張弁開度と、目標高圧値とが設定される
(ステップS3)。この場合、例えば暖房時の負荷に対
する膨張弁開度及び目標高圧値の好ましい対応関係が予
め記憶装置75内に記憶され、この対応関係からそのと
きの負荷に応じた膨張弁開度及び目標高圧値が求められ
る。ここで、目標高圧値とは、圧縮機20の圧縮室出口
から膨張弁43a〜43nまでの高圧側回路内の圧力で
ある高圧側圧力の目標値をいう。
【0049】次に膨張弁上流側冷媒温度が検出され(ス
テップS4)、その検出値に応じ、サブクール制御が行
なわれるように膨張弁開度が補正されるとともに、上記
目標高圧値が補正される(ステップS5)。
【0050】ここで、サブクール制御とは、高圧側の膨
張弁近傍の冷媒温度を飽和液温度以下となるように冷却
する制御である。具体的には、膨張弁上流側冷媒温度の
検出値に応じ、この温度を飽和液温度以下の所定値にま
で低下させるように膨張弁開度を拡げる方向に補正す
る。
【0051】すなわち、飽和液温度は、上記高圧側圧力
センサ61で検出される高圧側圧力と組成比検出器69
で検出される循環冷媒組成比とから算出し、この飽和液
温度から膨張弁上流側冷媒温度を差し引いた値が正とな
るか、飽和液温度を上記冷媒温度で割った値が1より大
となるように、膨張弁開度を拡げる方向に補正する。
【0052】また、この制御が行なわれるとアキュムレ
ータ37に液相冷媒が溜ることとなるので、アキュムレ
ータ37内の液相冷媒の液面レベルを検出し、この液面
レベルが所定値(低位レベル)より低いときに所定値以
上となるまで膨張弁開度を拡げる方向に補正してもよ
い。
【0053】上記のように膨張弁開度及び目標高圧値が
補正された後、高圧側圧力が検出され(ステップS
6)、この高圧側圧力が上記目標高圧値となるように圧
縮機回転数等の制御による高圧制御が行なわれる。すな
わち、ステップS6で検出される高圧側圧力が上記目標
高圧値と一致し、あるいは両者の差が所定範囲内に収ま
るように圧縮機20の回転数を増減するフィードバック
制御が行なわれ、こうして高圧制御(ステップS7)が
実施される。
【0054】この高圧制御において圧縮機20の回転数
が所定運転範囲内にある状態で高圧側圧力が目標値と一
致あるいは所定範囲内の差に収めることができたか否が
判定され(ステップS8)、所定時間内に高圧側圧力が
目標値と一致あるいは所定範囲内の差に収めることがで
きない場合、あるいは圧縮機20の回転数が所定運転範
囲の限界回転数に達しても高圧側圧力が目標値と一致あ
るいは所定範囲内の差に収めることができない場合、三
方弁開度補正が実施され(ステップS9)、二重管熱交
換器34へ送る温水量が増減されることにより冷媒への
供給熱量が調整される。この調整が、高圧側圧力が目標
値と一致あるいは所定範囲内の差に収まるまで実施され
る(ステップS10,S9)。
【0055】なお、高圧側圧力を目標値と一致あるいは
所定範囲内の差に収めることができたとしても、さらに
確実に冷媒の温度コントロールを行なうため、上記のよ
うな高圧側圧力に基づく三方弁開度の補正に加え、また
はこれに代え、低圧側圧力を検出し、それに基づいて三
方弁開度の補正を行なうようにしてもよい。
【0056】一方、冷房時の処理としては、先ず冷房及
び上記負荷に応じた膨張弁開度と、目標低圧値とが設定
される(ステップS11)。この場合、例えば冷房時の
負荷に対する膨張弁開度及び目標低圧値の好ましい対応
関係が予め記憶装置75内に記憶され、この対応関係か
らそのときの負荷に応じた膨張弁開度及び目標低圧値が
求められる。ここで、目標低圧値とは、膨張弁43a〜
43nから圧縮機20の吸込み口までの低圧側回路内の
圧力である低圧側圧力の目標値をいう。
【0057】続いて、吸込み冷媒温度あるいは圧縮機温
度が検出され(ステップS12)、その検出値に応じ、
スーパーヒート制御が行なわれるように膨張弁開度が補
正されるとともに、上記目標高圧値が補正される(ステ
ップS13)。
【0058】ここでスーパーヒート制御とは、圧縮機吸
込み部の冷媒温度を飽和蒸気温度以上に加熱する制御で
ある。具体的には、上記吸込み冷媒温度あるいは圧縮機
温度に応じ、この温度を所定高温度にまで上昇させるよ
うに膨張弁開度を絞る方向に補正する。
【0059】すなわち、飽和蒸気期温度は、低圧側圧力
センサ66で検出される低圧側圧力と組成比検出器で検
出される循環冷媒組成比とから算出し、圧縮機への吸込
み冷媒温度から飽和蒸気温度を差し引いた値が正となる
か、上記吸込み冷媒温度を飽和蒸気温度で割った値が1
より大となるように、膨張弁開度を絞る方向に補正す
る。圧縮機20への吸込み冷媒温度とは、低圧回路中の
蒸発器から圧縮機の圧縮室までの間の冷媒温度であれば
よい。
【0060】次に、低圧側圧力が検出され、この低圧側
圧力が上記目標低圧値となるように圧縮機回転数等の制
御による低圧制御が行なわれる(ステップS14〜S1
6)。すなわち、ステップS14で検出される低圧側圧
力が上記目標低圧値と一致し、あるいは両者の差が所定
範囲内に収まるように圧縮機20の回転数を増減するフ
ィードバック制御が行なわれ、こうして低圧制御(ステ
ップS15)が実施される。
【0061】この低圧制御において圧縮機20の回転数
が所定運転範囲内にある状態で低圧側圧力が目標値と一
致あるいは所定範囲内の差に収めることができたか否が
判定され(ステップS16)、所定時間内に低圧側圧力
が目標値と一致あるいは所定範囲内の差に収めることが
できない場合、あるいは圧縮機20の回転数が所定運転
範囲の限界回転数に達しても低圧側圧力が目標値と一致
あるいは所定範囲内の差に収めることができない場合、
三方弁開度補正が実施され(ステップS17)、二重管
熱交換器34へ送る温水量が増減されることにより冷媒
への供給熱量が調整される。この調整が、低圧側圧力が
目標値と一致あるいは所定範囲内の差に収まるまで実施
される(ステップS18,S17)。
【0062】以上のような当実施形態の空調装置の作用
を、次に説明する。
【0063】空調装置が暖房運転される場合には、上記
四方弁33が第1ポート33aと第2ポート33bとを
連通するとともに第3ポート33cと第4ポート33d
とを連通する状態とされる。この状態では、図1中に実
線矢印で示すように、圧縮機20から吐出された冷媒が
四方弁33、室内熱交換器42a〜42n、膨張弁43
a〜43n、液ガス熱交換器35、室外熱交換器47
a,47b、四方弁33、二重管熱交換器34、液ガス
熱交換器35、アキュムレータ37をこの順に通って圧
縮機20に循環される。そして、室内熱交換器42a〜
42nが凝縮器として働いてここで放熱が行なわれるこ
とにより室内が暖房され、また室外熱交換器47a,4
7bが蒸発器として働いてここで吸熱が行なわれる。
【0064】この暖房運転時に、目標高圧値の設定(前
記ステップS3)及び補正(前記ステップS5)とそれ
に基づく高圧制御(前記ステップS6〜S7)が行わ
れ、負荷等に応じて圧縮機回転数が制御されるととも
に、高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度が飽和液温度以下と
なるように膨張弁開度が補正され(前記ステップS
5)、サブクール制御が行なわれる。そして、このサブ
クール制御状態では、室外熱交換器47a,47bと圧
縮機20との間において余剰冷媒がアキュムレータ37
に滞留する。
【0065】このサブクール制御によると、冷凍サイク
ルのP−h線図が図6(a)のようになる。すなわち、
気相冷媒が圧縮機20で圧縮されて圧力P及びエンタル
ピhが上昇(a1→b1)した後、室内熱交換器42a
〜42nで凝縮、放熱されてエンタルピhが低下するに
伴い冷媒が気相から液相へと変化し(b1→c1)、こ
の際に飽和液線を大きく下回るように冷媒が過冷却さ
れ、サブクール制御が行なわれる。次いで液相冷媒が膨
張弁43a〜43nで膨張されて低圧となり(c1→d
1)、さらに室外熱交換器47a,47bでの蒸発によ
りエンタルピhが上昇する(d2→a2)。なお、SC
iは過冷却によるエンタルピ変化分である。
【0066】このサブクール制御より、COP(成績係
数)が高められ、空調装置の性能が高められる。
【0067】すなわち、上記COPは、冷凍サイクルの
能率を表すものであって、圧縮機20での圧縮によるエ
ンタルピ上昇量をA、蒸発器での蒸発によるエンタルピ
上昇量をBとすると(図6参照)、暖房時と冷房時にお
いてそれぞれ次のようになる。
【0068】 (暖房時) COP=(A+B)/A … (冷房時) COP=B/A … そして、サブクール制御が行われると、過冷却によるエ
ンタルピ変化分SCiだけ上記式中のBの値が大きく
なるため、COPが向上されることとなる。
【0069】また、非共沸冷媒が用いられている空調装
置において上記サブクール制御が行われると、上記アキ
ュムレータ37内には余剰液冷媒が溜められるため、非
共沸冷媒の特性上、高沸点成分(例えばR134a)が
高い割合で滞留することにより、圧縮機20に吸入され
る気相冷媒中の低沸点成分(例えばR32、R125)
の割合が初期充填割合よりも増大する傾向が生じる。図
5によってこれを説明する。同図は横軸に非共沸冷媒中
の低沸点成分の組成比、縦軸に温度をとって、一定圧力
下での飽和蒸気線及び飽和液線を示しており、同図中に
示すように、サブクール制御によってアキュムレータ3
7内に導かれる冷媒温度が安定した場合、アキュムレー
タ37内に滞留する液相の非共沸冷媒中の低沸点成分の
組成比が低い値X1になる(高沸点成分の割合が多くな
る)一方、アキュムレータ37から圧縮機20に送られ
る気相の非共沸冷媒の低沸点成分の組成比が高い値X2
になる(低沸点成分の割合が多くなる)。
【0070】しかし、暖房時に室外熱交換器47a,4
7bを通過した後の冷媒がアキュムレータ37に導かれ
る経路中に液ガス熱交換器35が設けられ、この液ガス
熱交換器35により冷媒が加熱されるため、アキュムレ
ータ37内に滞留する高沸点成分の量が低減され、上記
傾向が是正される。さらに外気温度が低い場合、アキュ
ムレータ37内に滞留する高沸点成分の量がさらに増加
するが、暖房時に室外熱交換器47a,47bを通過し
た後の冷媒がアキュムレータ37に導かれる経路中に二
重管熱交換器34が設けられ、エンジン廃熱を回収する
温水がこの二重管熱交換器34に導かれることにより冷
媒が加熱されるため、アキュムレータ37内に滞留する
高沸点成分の量を低減することができる。特に外気温度
が低いときに圧縮機20の制御のみによる高圧制御では
高圧側圧力を目標圧力に一致させ、あるいは所定範囲内
の差とすることができないが、上記二重管熱交換器34
による補助加熱により高圧側圧力を目標圧力に一致さ
せ、あるいは所定範囲内の差とすることができ、サブク
ール運転が可能となり、暖房能力が確保される。
【0071】すなわち、低温時においてもサブクール運
転を可能とし、しかも循環冷媒の組成比の変動(低沸点
成分の増大)を防止することができるので、COPの低
下が小さくされる。
【0072】一方、空調装置が冷房運転される場合に
は、上記四方弁33が第1ポート33aと第4ポート3
3dとを連通するとともに第2ポート33bと第3ポー
ト33cとを連通する状態とされる。この状態では、図
1中に破線矢印で示すように、圧縮機20から吐出され
た冷媒が四方弁33、室外熱交換器47a,47b、液
ガス熱交換器35、膨張弁43a〜43n、室内熱交換
器42a〜42n、四方弁33、二重管熱交換器34、
液ガス熱交換器35、アキュムレータ37をこの順に通
って圧縮機20に循環される。そして、室外熱交換器4
7a,47bが凝縮器として働いてここで放熱が行なわ
れる一方、室内熱交換器42a〜42nが蒸発器として
働いてここで吸熱が行なわれることにより室内が冷房さ
れる。
【0073】この冷房運転時に、目標低圧値の設定(前
記ステップS11)及び補正(前記ステップS13)と
それに基づく低圧制御(前記ステップS16〜S18)
が行われ、負荷等に応じて圧縮機回転数が制御されると
ともに、圧縮機吸込み部の冷媒温度が飽和蒸気温度以上
となるように膨張弁開度が補正され(前記ステップS1
3)、スーパーヒート制御が行なわれる。そして、この
スーパーヒート制御状態では、上記アキュムレータ37
に滞留する冷媒の量が少なくとも定常運転状態で零とさ
れる。
【0074】このスーパーヒート制御によると、冷凍サ
イクルのP−h線図が図6(b)のようになる。すなわ
ち、気相冷媒が圧縮機20で圧縮されて圧力P及びエン
タルピhが上昇(a2→b2)した後、室外熱交換器4
7a,47bで凝縮されてエンタルピhが低下するに伴
い冷媒が気相から気液二相ないし液相へと変化し(b2
→c2)、次いで液相冷媒が膨張弁43a〜43nで膨
張されて低圧となり(c2→d2)、さらに室内熱交換
器42a〜42nでの吸熱によりエンタルピhが上昇す
るが(d2→a2)、この際に飽和蒸気温度を大きく上
回るように過剰に冷媒が加熱され、スーパーヒート制御
が行なわれる。なお、SHiは過剰加熱によるエンタル
ピ変化分である。
【0075】このスーパーヒート制御によっても、過剰
加熱によるエンタルピ変化分SHiだけ上記式中のB
の値が大きくなるため、COPが向上されることとな
る。
【0076】しかも、この制御によってアキュムレータ
37中での余剰冷媒の貯留量が冷房時の定常運転状態で
零とされることにより、アキュムレータ37に高沸点成
分が滞留することがなく、従って圧縮機20に吸入され
る気相冷媒中の低沸点成分の割合が増大してCOPの低
下を招くといった事態が生じることはない。
【0077】また、負荷が減少したときに余剰冷媒が膨
張弁上流側に滞留するが、気液を分離するアキュムレー
タとは異なり、凝縮後の低沸点成分と高沸点成分とがと
もに滞留し、順次膨張弁を通過するので、ここでの滞留
により循環冷媒の組成比が変化することはなく、従って
COPの低下を招くことはない。
【0078】さらに、外気温度が低い場合、室外熱交換
器47a,47bでの凝縮量が過大となって高圧が下が
り、圧縮機20の低圧制御のみでは循環量が不足し冷房
不能となってしまう。また、仮に膨張弁開度を大きくし
て循環量の増大を図ったとしても、室内熱交換器42a
〜42nでの蒸発量が不足し、スーパーヒート制御は不
能のままである。しかし、冷房時に室内熱交換器42a
〜42nを通過した後の冷媒がアキュムレータ37に導
かれる経路中に二重管熱交換器34が設けられ、エンジ
ン廃熱を回収する温水がこの二重管熱交換器34に導か
れることにより冷媒が加熱されるため、スーパーヒート
制御を可能とする。これに伴い、室外熱交換器47a,
47bでの凝縮量が過大であっても高圧が維持され、冷
媒循環が維持され、冷房可能となる。また、スーパーヒ
ート制御を可能としているため、アキュムレータ37に
高沸点成分が滞留することはなく、COPの低下がな
い。
【0079】なお、上記実施形態では室内熱交換器42
a〜43nを複数台設けるとともに、室外熱交換器47
a,47bを2台設けているが、室内熱交換器及び室外
熱交換器はそれぞれ1台ずつであってもよい。その他の
各部の具体的構造も、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
設計変更して差し支えない。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明は、圧縮機と、室内
熱交換器と、膨張弁と、室外熱交換器と、冷媒循環経路
を切替える手段とが冷媒回路に設けられ、冷媒に非共沸
冷媒が用いられているヒートポンプ式の冷暖房可能な空
調装置において、冷媒が蒸発器から圧縮機に戻る経路中
にアキュムレータが配置されるとともに、少なくとも暖
房運転時にサブクール制御が行なわれるようにしている
ため、暖房運転時にCOPを高めて暖房運転性能を向上
することができ、かつ、このサブクール制御状態でも非
共沸冷媒の少なくとも低沸点成分は充分に循環されるこ
とにより、外気温度が低い場合でも吸熱が可能となり、
暖房能力を確保することができる。しかも、上記室外熱
交換器からアキュムレータに至るまでの暖房時の低圧回
路の途中に、暖房時に冷媒を加熱する加熱手段が設けら
れているため、サブクール制御を行なった場合にアキュ
ムレータから圧縮機の吸入側に導かれる冷媒中の低沸点
成分が増加してCOPが低下するという傾向を抑制する
ことができる。
【0081】また、冷房時に外気温度が高いときのみな
らず低いときにおいても膨張弁の開度調節により圧縮機
吸入側の冷媒温度を飽和蒸気温度よりも高い温度とする
スーパーヒート制御を行なって、アキュムレータ中での
余剰冷媒の貯留量を冷房時の定常運転状態で零にするよ
うに構成されている装置によると、冷房時にスーパーヒ
ート制御により、循環冷媒組成が変動することを避けつ
つ、COPを高めて暖房運転性能を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による空調装置の構造を示
す回路図である。
【図2】上記空調装置の制御系統を示す図である。
【図3】暖房時と冷房時とに応じた制御の一例を示すフ
ローチャートである。
【図4】上記空調装置の冷却水回路に組み込まれた三方
弁の作動特性を示す図である。
【図5】非共沸冷媒の組成比と温度との関係を示す図で
ある。
【図6】(a)はサブクール制御時の冷凍サイクルのP
−h線図であり、また、(b)はスーパーヒート制御時
の冷凍サイクルのP−h線図である。
【符号の説明】
1 冷媒回路 20 圧縮機 30 冷媒回路 33 四方弁 34 二重管熱交換器 37 アキュムレータ 42a〜42n 室内熱交換器 43a〜43n 膨張弁 47a,47b 室外熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F25B 13/00 341 F25B 13/00 341Z 27/00 27/00 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、暖房時に凝縮器、冷房時に蒸
    発器となる室内熱交換器と、膨張弁と、暖房時に蒸発
    器、冷房時に凝縮器となる室内熱交換器と、冷媒循環経
    路を切替える手段とが冷媒回路に設けられ、暖房時には
    冷媒が圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器
    をこの順に通って圧縮機に戻され、冷房時には冷媒が圧
    縮機から室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器をこの順
    に通って圧縮機に戻されるように冷媒回路が構成される
    とともに、上記冷媒として非共沸冷媒が用いられた空調
    装置であって、冷媒が蒸発器から圧縮機に戻る経路中に
    アキュムレータが配置されるとともに、負荷に応じて圧
    縮機の回転数を制御する一方、少なくとも暖房時に膨張
    弁の開度調節により高圧側の膨張弁近傍の冷媒温度を飽
    和液温度よりも低い温度とするサブクール制御を行う制
    御手段が設けられ、かつ、上記室外熱交換器からアキュ
    ムレータに至るまでの暖房時の低圧回路の途中に、暖房
    時に冷媒を加熱する加熱手段が設けられていることを特
    徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機と、暖房時に凝縮器、冷房時に蒸
    発器となる室内熱交換器と、膨張弁と、暖房時に蒸発
    器、冷房時に凝縮器となる室内熱交換器と、冷媒循環経
    路を切替える手段とが冷媒回路に設けられ、暖房時には
    冷媒が圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器
    をこの順に通って圧縮機に戻され、冷房時には冷媒が圧
    縮機から室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器をこの順
    に通って圧縮機に戻されるように冷媒回路が構成される
    とともに、上記冷媒として非共沸冷媒が用いられた空調
    装置であって、冷媒が蒸発器から圧縮機に戻る経路中に
    アキュムレータが配置されるとともに、負荷に応じて圧
    縮機の回転数を制御する一方、少なくとも冷房時に膨張
    弁の開度調節により圧縮機吸入側の冷媒温度を飽和蒸気
    温度よりも高い温度とするスーパーヒート制御を行う制
    御手段が設けられ、かつ、上記室内熱交換器からアキュ
    ムレータに至るまでの冷房時の低圧回路の途中に、冷房
    時に冷媒を加熱する加熱手段が設けられていることを特
    徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 圧縮機と、暖房時に凝縮器、冷房時に蒸
    発器となる室内熱交換器と、膨張弁と、暖房時に蒸発
    器、冷房時に凝縮器となる室内熱交換器と、冷媒循環経
    路を切替える四方弁とが冷媒回路に設けられ、暖房時に
    は冷媒が圧縮機から四方弁、室内熱交換器、膨張弁、室
    外熱交換器、四方弁をこの順に通って圧縮機に戻され、
    冷房時には冷媒が圧縮機から四方弁、室外熱交換器、膨
    張弁、室内熱交換器、四方弁をこの順に通って圧縮機に
    戻されるように冷媒回路が構成されるとともに、上記冷
    媒として非共沸冷媒が用いられた空調装置であって、冷
    媒が四方弁から圧縮機に戻る経路中にアキュムレータが
    配置されるとともに、負荷に応じて圧縮機の回転数を制
    御する一方、暖房時に膨張弁の開度調節により高圧側の
    膨張弁近傍の冷媒温度を飽和液温度よりも低い温度とす
    るサブクール制御と、冷房時に膨張弁の開度調節により
    圧縮機吸入側の冷媒温度を飽和蒸気温度よりも高い温度
    とするスーパーヒート制御とを行う制御手段が設けら
    れ、かつ、上記四方弁からアキュムレータに至るまでの
    低圧回路の途中に、冷媒を加熱する加熱手段が設けられ
    ていることを特徴とする空調装置。
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