JPH1038394A - 冷媒循環式熱移動装置 - Google Patents

冷媒循環式熱移動装置

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JPH1038394A
JPH1038394A JP8192287A JP19228796A JPH1038394A JP H1038394 A JPH1038394 A JP H1038394A JP 8192287 A JP8192287 A JP 8192287A JP 19228796 A JP19228796 A JP 19228796A JP H1038394 A JPH1038394 A JP H1038394A
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JP
Japan
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refrigerant
expansion valve
bypass
pressure
temperature
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Withdrawn
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JP8192287A
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English (en)
Inventor
Hajime Kyogoku
肇 京極
Akira Kitai
明 北井
Yasunari Kawai
康成 河合
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非共沸冷媒を用いた冷媒循環式熱移動装置に
おいて、運転中の循環冷媒の組成比を正確に求めること
ができ、飽和温度の算出及び各種制御を精度良く行うこ
とができるようにする。 【解決手段】 圧縮機から吐出した非共沸混合冷媒を凝
縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環さ
せる冷媒循環式熱移動装置において、高圧側冷媒回路の
うちの吐出側ライン15と低圧側冷媒回路のうちの吸入
側ライン16を連通するバイパス通路34を設け、この
バイパス通路34に上流側から順に冷媒冷却用熱交換器
36、レシーバ37及びバイパス側膨張弁38を配設す
る。さらに、バイパス通路34における冷媒冷却用熱交
換器36の出口からバイパス側膨張弁38までの間で冷
媒温度を検知するバイパス冷媒温度センサ39を設け
る。そして、このセンサ39の検知温度と高圧側圧力セ
ンサの検知圧力とから、予め記憶されている組成比デー
タに基づいて組成比を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷房専用空調装置
を含む冷凍装置、冷暖両方の空調装置を含む熱ポンプ装
置等として使用される冷媒循環式熱移動装置に関し、と
くに作動冷媒に非共沸混合冷媒を用いた装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】冷媒を循環させる回路に圧縮機、凝縮
器、膨張弁及び蒸発器を備え、圧縮機で圧縮された冷媒
が凝縮器で放熱しつつ凝縮、液化し、次いで膨張弁で膨
張されてから、蒸発器で吸熱しつつ蒸発した後、圧縮機
に戻されるようにした冷媒循環式熱移動装置は冷凍装置
または熱ポンプ装置として一般に知られている。
【0003】また、このような冷媒循環式熱移動装置は
空調装置として広く用いられており、この空調装置は、
冷媒回路に圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交
換器を配設するとともに、冷媒循環経路を切替える四方
弁を設けている。そして、冷房時は、冷媒が圧縮機、四
方弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器、四方弁、
圧縮機の順に循環することにより、室外熱交換器が凝縮
器、室内熱交換器が蒸発器となって、室内熱交換器での
吸熱による冷房が行われ、一方、暖房時は、冷媒が圧縮
機、四方弁、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、四
方弁、圧縮機の順に循環することにより、室内熱交換器
が凝縮器、室外熱交換器が蒸発器となって、室内熱交換
器での放熱による暖房が行われるように冷媒回路を構成
している。
【0004】このような空調装置等として用いられる冷
媒循環式熱移動装置では、冷媒回路中の高圧側の圧力や
低圧側の圧力を圧力センサにより検知するとともに、飽
和温度マップからその圧力における飽和温度を算出し、
そのデータを各種制御に利用し、例えば後に詳述するよ
うな所謂サブクール制御や所謂スーパーヒート制御等に
利用している。
【0005】ところで、最近、作動冷媒として沸点温度
の異なる複数種の冷媒を混合させた非共沸混合冷媒が開
発されているが、この非共沸混合冷媒を使用する場合、
上記飽和温度は冷媒の組成比によっても変化する。そし
て、予め使用する冷媒の組成比(低沸点成分と高沸点成
分との初期割合)を定めておいても、アキュムレータ等
に高沸点成分を多く含む液冷媒が滞留してその滞留量が
運転状態によって変化すること等により、循環冷媒の組
成比が運転中に種々変動する。
【0006】従って、非共沸混合冷媒を用いる場合に上
記飽和温度を正しく算出するには、運転中に上記循環冷
媒の組成比を調べる必要がある。
【0007】このため、例えば特公平5−66503号
公報に示されるように、冷凍サイクルにおいて、冷媒回
路中の凝縮器と減圧装置(膨張弁)との間に受液器(レ
シーバ)を設けるとともに、上記受液器内の飽和圧力及
び飽和温度を検知する検知器を設け、これらの検知器で
検知された飽和圧力及び飽和温度に基づいて非共沸混合
冷媒の組成比を算出するようにしたものが考えられてい
る。
【0008】なお、上記公報に示された冷凍装置では、
上記のように非共沸混合冷媒の組成比を算出するととも
に、蒸発器出口の圧力及び温度を検知し、これらのデー
タに基づいて圧縮機に吸入される冷媒の加熱度を算出
し、その加熱度の大きさを上記減圧装置の開閉度で制御
して、所謂スーパーヒート制御を行うようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように凝縮器と
減圧装置との間の受液器に検知器を設けたものでは、凝
縮器の放熱状態が急変する過渡時に、凝縮器から受液器
に過冷却状態の液冷媒が流入したり乾き度が0でない気
液混合状態の冷媒が流入したりし、これによって受液器
内の冷媒温度が飽和温度からずれてしまうことがあるた
め、過渡状態のときに正確な組成比を求めることができ
ない。そして、正確な組成比が求められないと、スーパ
ーヒート制御や圧縮機への液冷媒流入防止のための制御
等を正しく行うことができなくなる。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑み、非共沸冷媒
を用いる場合において、運転中の循環冷媒の組成比を正
確に求めることができ、飽和温度の算出及び各種制御を
精度良く行うことができる冷媒循環式熱移動装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機から吐
出した非共沸混合冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て
圧縮機に戻すように循環させる主冷媒回路を備えた、冷
凍装置あるいは熱ポンプ装置として使用される冷媒循環
式熱移動装置において、圧縮機吐出口から膨張弁までの
高圧側冷媒回路のうちで圧縮機の吐出口から凝縮器の入
口までの間の部分と、膨張弁から圧縮機の吸込み口まで
の低圧側冷媒回路の途中とを連通し、冷媒流通量が上記
主冷媒回路よりも少なく設定されたバイパス通路と、こ
のバイパス通路の途中に上流側から順に冷媒冷却用熱交
換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設した組成比
検知用回路と、このバイパス通路のうち、冷媒冷却用熱
交換器の出口からバイパス側膨張弁までの冷媒温度を検
知するバイパス冷媒温度センサと、高圧側冷媒回路の途
中あるいはバイパス通路のうちでバイパス側膨張弁の上
流部の圧力を検知する高圧側圧力センサと、圧力及び温
度の2つの要素に対応した飽和蒸気及び飽和液の組成比
データを記憶する記憶手段と、上記高圧側圧力センサの
検知圧力及び上記バイパス冷媒温度センサの検知温度か
ら上記組成比データに基づいて組成比を算出する演算手
段とを具備したものである(請求項1)。
【0012】この装置によると、上記バイパス通路にお
けるバイパス側膨張弁より上流側の部分の圧力は主冷媒
回路の高圧側回路内と同等の高圧側圧力となり、冷媒冷
却用熱交換器の出口とバイパス膨張弁との間の、レシー
バが配置されている部分の温度は、上記高圧側圧力下で
の飽和液温度に相当するものとなり、この温度がバイパ
ス冷媒温度センサにより検知され、この検知温度と上記
高圧側圧力センサの検知圧力とから循環冷媒の組成比が
正しく求められる。とくに、主冷媒回路の凝縮器の放熱
状態が急変するような過渡状態にあるときにも、上記バ
イパス通路内の冷媒冷却用熱交換器とバイパス膨張弁と
の間の冷媒温度は高圧側圧力下での飽和液温度に保たれ
ることにより、組成比の算出が正確に行われる。
【0013】また、本発明の装置は、冷媒循環経路を四
方弁により切換えて、冷房時には圧縮機から四方弁、凝
縮器として機能する室外熱交換器、膨張弁、蒸発器とし
て機能する室内熱交換器、四方弁を順に通って圧縮機に
戻るように非共沸冷媒を循環させ、暖房時には圧縮機か
ら四方弁、凝縮器として機能する室内熱交換器、膨張
弁、蒸発器として機能する室外熱交換器、四方弁を順に
通って圧縮機に戻るように非共沸冷媒を循環させる主冷
媒回路を備えた空調装置に適用する場合においては、圧
縮機吐出口と四方弁との間の常時高圧側冷媒回路と圧縮
機吸込み口と四方弁との間の常時低圧側冷媒回路とを連
通し、冷媒流通量が上記主冷媒回路よりも少なく設定さ
れたバイパス通路と、このバイパス通路の途中に上流側
から順に冷媒冷却用熱交換器、レシーバ及びバイパス側
膨張弁を配設した組成比検知用回路と、このバイパス通
路のうち、冷媒冷却用熱交換器の出口からバイパス側膨
張弁までの冷媒温度を検知するバイパス冷媒温度センサ
と、常時高圧側冷媒回路の途中またはバイパス通路のう
ちでバイパス側膨張弁の上流部、あるいは、冷房時には
四方弁から室外熱交換器を経て膨張弁に至る部分、暖房
時には四方弁から室内熱交換器を経て膨張弁に至る部分
の圧力を検知する高圧側圧力センサと、圧力及び温度の
2つの要素に対応した飽和蒸気及び飽和液の組成比デー
タを記憶する記憶手段と、上記高圧側圧力センサの検知
圧力及び上記バイパス冷媒温度センサの検知温度から上
記組成比データに基づいて組成比を算出する演算手段と
を具備する(請求項3)。
【0014】このようにすれば、冷暖房の切換が可能な
空調装置において、非共沸混合冷媒の組成比の検出が効
果的に行われる。
【0015】上記のような構成に加え、バイパス通路の
レシーバよりも大容量であって、高圧側冷媒回路のうち
で凝縮器と膨張弁との間に配置された主レシーバと、蒸
発器もしくはその下流側の回路の吸熱能力を変更可能と
する吸熱能力可変装置と、上記低圧側冷媒回路(空調装
置にあっては常時低圧側冷媒回路)の途中あるいはバイ
パス通路におけるバイパス側膨張弁より下流の圧力を検
知する低圧側圧力センサと、上記低圧側冷媒回路のうち
で蒸発器出口から圧縮機吸込み口までの間の冷媒温度を
検知する蒸発器下流側冷媒温度センサ(空調装置にあっ
ては常時低圧側冷媒回路の冷媒温度を検知し、あるいは
室外熱交換器と膨張弁との間に主レシーバを配置する場
合において室内熱交換器から四方弁までの間の冷媒温度
を冷房時に検知し、または室内熱交換器と膨張弁との間
に主レシーバを配置する場合において室外熱交換器から
四方弁までの間の冷媒温度を暖房時に検知する蒸発器下
流側冷媒温度センサ)と、上記低圧側圧力センサの検知
圧力と上記演算手段により算出された組成比から上記組
成比データに基づき低圧側飽和蒸気温度を算出し、この
低圧側飽和蒸気温度より上記蒸発器下流側冷媒温度セン
サの検知温度の方が高くなるように上記吸熱能力可変装
置を制御する制御手段とを備えること(請求項2,請求
項4)が好ましい。
【0016】このようにすると、算出された組成比等に
基づき、所謂スーパーヒート制御が精度良く行われる。
【0017】この装置において、上記吸熱能力可変装置
は、例えば、蒸発器に対する送風用のファンと、このフ
ァンを回転数変更可能に駆動するファン駆動手段とで構
成し(請求項5)、または、膨張弁を開度変更可能とし
てこの膨張弁とその開度を調節する手段とで構成する
(請求項6)。あるいは、低圧側冷媒回路の途中で冷媒
を加熱し、かつ、その加熱量の調節が可能な冷媒加熱手
段を蒸発器とは別個に設け、この冷媒加熱手段により吸
熱能力可変装置を構成してもよい(請求項7)。また、
上記バイパス通路の下流端は、例えば低圧側冷媒回路の
うちで膨張弁と蒸発器との間の部分に接続しておけばよ
い(請求項8)。
【0018】また、本発明の他の好ましい構成として
は、冷凍装置あるいは熱ポンプ装置として使用される冷
媒循環式熱移動装置、または空調装置として使用される
冷媒循環式熱移動装置において、バイパス通路、組成比
検知回路、バイパス冷媒温度センサを請求項1または請
求項3の装置と同様に構成するとともに、高圧側冷媒回
路のうちで凝縮器出口から膨張弁までの部分の冷媒温度
を検知する膨張弁上流側冷媒温度センサと、低圧側冷媒
回路のうちで蒸発器出口から圧縮機の吸込み口までの間
において(空調装置にあっては常時低圧側冷媒回路の途
中で)液冷媒を貯留するアキュムレータと、凝縮器の放
熱能力を変更可能とする放熱能力可変装置と、上記バイ
パス冷媒温度センサの検知温度よりも上記膨張弁上流側
冷媒温度センサの検知温度の方が低くなるように上記放
熱能力可変装置を制御する制御手段とを備える(請求項
9,請求項10)。
【0019】このようにすると、上記バイパス冷媒温度
センサの検知温度と上記膨張弁上流側冷媒温度センサの
検知温度とに基づき、所謂サブクール制御が精度良く行
われる。
【0020】この装置において、上記放熱能力可変装置
は、例えば、凝縮器に対する送風用のファンと、このフ
ァンを回転数変更可能に駆動するファン駆動手段とで構
成し(請求項11)、または、膨張弁を開度変更可能と
してこの膨張弁とその開度を調節する手段とで構成する
(請求項12)。また、低圧側冷媒回路の途中に、液冷
媒を貯留可能とし、かつ内部に貯留される液冷媒を加熱
する補助加熱手段を配置したアキュムレータを設け、ア
キュムレータ内部に液冷媒が貯留する状態において、バ
イパス冷媒温度センサの検知温度よりも上記膨張弁上流
側冷媒温度センサの検知温度の方が低くなる場合に、上
記補助加熱手段により液冷媒を加熱するようにしてもよ
く(請求項13)、このようにすれば、液冷媒としてア
キュムレータに貯留され易い高沸点成分を気化させるこ
とになるので、循環冷媒の組成比の変動の抑制等に有利
となる。
【0021】上記バイパス通路の下流端は、例えば蒸発
器出口からアキュムレータまでの間の部分に接続し(請
求項14)、バイパス通路を通過した冷媒がアキュムレ
ータに導かれるようにしておく。あるいはバイパス通路
の下流端を低圧側冷媒回路のうちで膨張弁と蒸発器との
間の部分に接続し(請求項15)、バイパス通路を通過
した冷媒が蒸発器に送られて蒸発されるようにしておい
てもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0023】図1は、本発明の冷媒循環式熱移動装置の
一例としての空調装置を示す回路図である。この図に示
すように、空調装置1には、水冷式ガスエンジン2(以
下、エンジン2と略す)と、このエンジン2の出力軸3
にクラッチ4を介して連結された圧縮機5と、冷媒を循
環させる冷媒回路10と、上記エンジン2を冷却するた
めの冷却水回路50とが設けられている。冷媒として
は、沸点温度が異なる複数種の冷媒を混合した非共沸混
合冷媒が用いられており、例えば比較的低沸点の冷媒で
あるR32及びR125と比較的高沸点の冷媒であるR
134aを混合した冷媒が用いられている。
【0024】上記圧縮機5は、一般に知られているよう
に、上記エンジン2により駆動されて回転することによ
り、吸込み口から吸入した低圧の気相冷媒を圧縮し、高
圧にして吐出口から吐出するものである。
【0025】上記冷媒回路10は、圧縮機5から吐出さ
れる冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を通して圧縮機5に
戻すように循環させるための閉回路からなる主冷媒回路
を備えている。当実施形態では、冷房と暖房とに切換可
能な空調装置を構成すべく、冷媒循環経路を切替えるた
めの四方弁11と、室内熱交換器12と、膨張弁13
と、室外熱交換器14等が主冷媒回路に組み込まれてい
る。
【0026】すなわち、上記圧縮機5と四方弁11との
間には吐出側ライン15及び吸入側ライン16が配設さ
れており、上記吐出側ライン15は上流端側が圧縮機5
の吐出口に接続されるとともに下流端側が四方弁11の
第1ポート11aに接続され、上記吸入側ライン16は
上流端側が四方弁11の第3ポート11cに接続される
とともに下流端側が圧縮機5の吸込み口に接続されてい
る。
【0027】上記四方弁11の第2ポート11bにはラ
イン17を介して室内熱交換器12が接続され、この室
内熱交換器12にライン18を介して膨張弁13が接続
されている。また、上記四方弁11の第4ポート11d
には、ライン19を介して室外熱交換器14が接続され
ている。さらに、上記室外熱交換器14と膨張弁13と
はライン20を介して接続されている。
【0028】そして、暖房時には、四方弁11が第1ポ
ート11aと第2ポート11bを連通するとともに第3
ポート11cと第4ポート11dを連通する状態とされ
ることにより、冷媒が圧縮機5から四方弁11、室内熱
交換器12、膨張弁13、室外熱交換器14、四方弁1
1を順に通って圧縮機5に戻されるように循環し、室内
熱交換器12が凝縮器、室外熱交換器14が蒸発器とな
る。一方、冷房時には、四方弁11が第1ポート11a
と第4ポート11dを連通するとともに第3ポート11
cと第2ポート11bを連通する状態とされることによ
り、冷媒が圧縮機5から四方弁11、室外熱交換器1
4、膨張弁13、室内熱交換器12をこの順に通って圧
縮機5に戻されるように循環し、室内熱交換器12が蒸
発器、室外熱交換器14が凝縮器となるように構成され
ている。
【0029】従ってこの主冷媒回路では、暖房時は圧縮
機5の吐出口から室内熱交換器12を経て膨張弁13に
至るまでが高圧側冷媒回路、膨張弁13を過ぎてから室
外熱交換器14を経て圧縮機5の吸込み口に至るまでが
低圧側冷媒回路となり、一方、冷房時は圧縮機5の吐出
口から室外熱交換器14を経て膨張弁13に至るまでが
高圧側冷媒回路、膨張弁13を過ぎてから室内熱交換器
12を経て圧縮機5の吸込み口に至るまでが低圧側冷媒
回路となる。また、圧縮機5の吐出口と四方弁11との
間の吐出側ライン15が常時高圧側冷媒回路を構成し、
圧縮機5の吸込み口と四方弁11との間の吸入側ライン
16が常時低圧側冷媒回路を構成する。
【0030】上記吸入側ライン16には、アキュムレー
タ21が介設されている。このアキュムレータ21に
は、熱交換器22が設けられている。また、アキュムレ
ータ21の所定高レベル位置と所定低レベル位置とが、
ストレーナ23及び毛細管24を有する通路25とスト
レーナ26及び毛細管27を有する通路28とによって
それぞれ下流側のラインに接続されるとともに、これら
の通路25,28に対して温度センサ29,30が設け
られ、アキュムレータ21内の液面レベルの上昇に応じ
て液相冷媒が通路25,28に導出されると、それに伴
う温度変化が上記温度センサ29,30で検出されるこ
とにより、温度センサ29,30がアキュムレータ21
内の液面レベルを検出する機能を有するようになってい
る。
【0031】後述のスーパーヒート制御が行われるとき
に凝縮器と膨張弁との間となる部分には主レシーバ31
が設けられ、当実施形態では、冷房時にスーパーヒート
制御が行われる場合に適合するように、室外熱交換器1
4と膨張弁13との間のライン20に、主レシーバ31
が介設されている。この主レシーバ31は比較的大きな
容量のタンクからなっており、その上端部に、ライン2
0の室外熱交換器14側の通路が接続されるとともに、
下端部に、ライン20の膨張弁13側の通路が接続され
ている。また、この主レシーバ31の底部と室外熱交換
器14側の通路との間に、主レシーバ31内の液面レベ
ルを変更するための液面レベル切換弁32が接続されて
おり、後述するスーパーヒート制御時には液面レベル切
換弁32が閉じられることにより主レシーバ31内に液
冷媒が溜められ、サブクール制御時には液面レベル切換
弁32が開かれるようになっている。
【0032】上記吸入側ライン16の途中とライン20
の途中との対応部分には、液ガス熱交換器33が設けら
れている。
【0033】また、高圧側冷媒回路のうちで圧縮機5の
吐出口から凝縮器の入口までの間の部分と、低圧側冷媒
回路の途中とを連通するバイパス通路34が設けられ、
当実施形態では常時高圧側冷媒回路である吐出側ライン
15と常時低圧側冷媒回路である吸入側ライン16との
間にバイパス通路34が設けられており、このバイパス
通路34には組成比検知用回路35が組み込まれてい
る。バイパス通路34の下流端は吸入側ライン16にお
けるアキュムレータ21の上流側に接続され、つまり、
吸入側ライン16におけるバイパス通路接続部分と圧縮
機5の吸込み口との間にアキュムレータ21が配置され
ている。
【0034】上記組成比検知用回路35は、図2に示す
ように、上記バイパス通路34に上流側から順に冷媒冷
却用熱交換器36と、上記主レシーバ31よりも小容量
のタンクからなるレシーバ37と、バイパス側膨張弁3
8とを配設するとともに、バイパス冷媒温度センサ39
を設けたものである。そして、上記吐出側ライン15を
通る冷媒の一部がバイパス通路34に導かれ、冷媒冷却
用熱交換器36、レシーバ37及びバイパス側膨張弁3
8を経て吸入側ライン16に達するようになっている。
【0035】上記冷媒冷却用管熱交換器36は、バイパ
ス通路34の膨張弁38より上流の高圧の冷媒と吸入側
ライン16を流れる低圧の冷媒との間で熱交換を行わせ
ることにより、バイパス通路34の冷媒を冷却するよう
になっている。また、上記レシーバ37は、上記冷媒冷
却用管熱交換器36で冷却、凝縮されて液化した冷媒を
溜めて、徐々にバイパス側膨張弁38に送り出すように
なっている。
【0036】上記バイパス冷媒温度センサ39は、冷媒
冷却用熱交換器36の出口からバイパス側膨張弁38ま
での間で冷媒温度を検知し、例えば上記レシーバ37内
の冷媒温度を検知するようになっている。
【0037】さらに冷媒回路10には、図1中に示すよ
うに、高圧側冷媒回路の途中あるいはバイパス通路34
におけるバイパス側膨張弁38の上流部の圧力(例えば
吐出側ライン15中の圧力)を検知する高圧側圧力セン
サ40と、低圧側冷媒回路の途中あるいはバイパス通路
34におけるバイパス側膨張弁38より下流の圧力(例
えば吸入側ライン16中の圧力)を検知する低圧側圧力
センサ41と、高圧側冷媒回路のうちで凝縮器出口から
膨張弁までの部分の冷媒温度を検知する(例えば室内熱
交換器12と膨張弁13との間の部分の冷媒温度を暖房
時に検知する)膨張弁上流側冷媒温度センサ42と、低
圧側冷媒回路のうちで蒸発器出口から圧縮機吸込み口ま
での間の冷媒温度(例えば吸入側ライン16中の冷媒温
度)を検知する蒸発器下流側冷媒温度センサ43とが配
設されている。
【0038】また、44は室内熱交換器に対して送風を
行う室内機側ファン、45は室内温度センサ、46は室
外熱交換器14及び後記ラジエータ57に対して送風を
行う室外機側ファン、47は外気温センサ、48は圧縮
機5に設けられた圧縮機温度センサである。
【0039】また、上記冷却水回路50は、ポンプ52
の吐出側から冷却水ライン51aが導出され、この冷却
水ライン51aがエンジン側ポンプ53を介してエンジ
ン2のウォータジャケット54の冷却水導入口に接続さ
れるとともに、このウォータジャケット54の冷却水導
出口からサーモスタット55を介して冷却水ライン51
bが導出され、これがリニア三方弁56に接続されてい
る。
【0040】上記リニア三方弁56からは冷却水ライン
51c,51eがそれぞれ導出されている。上記冷却水
ライン51cはラジエータ57に接続されており、ラジ
エータ57から導出された冷却水ライン51dは上記ポ
ンプ52の吸入側に接続されている。一方、上記冷却水
ライン51eは、上記アキュムレータ21に設けられた
熱交換器22に至り、この熱交換器22を経て上記冷却
水ライン51dに接続されている。
【0041】上記リニア三方弁56は、冷却水ライン5
1c,51eの冷却水量の割合をリニアに変えることが
できるようになっている。そして、冷却水回路10にお
いて、エンジン2から熱を受け取った冷却水が上記リニ
ア三方弁56に導かれ、さらにこのリニア三方弁56の
作動位置に応じた量だけ冷却水ライン51eを介して上
記熱交換器22に導かれることにより、この熱交換器2
2でアキュムレータ21内の冷媒に熱が供給され、その
供給熱量が上記リニア三方弁56によって調節されるよ
うになっている。
【0042】次に、上記空調装置1の制御系について図
3のブロック図を用いて説明する。なお、この図では主
に冷媒回路10に関する制御系の構成を示している。
【0043】同図に示すように、空調装置1の制御系
は、上記室内熱交換器12及び膨張弁13等が設けられ
ている室内機60を制御する室内機制御装置61と、上
記圧縮機5、室外熱交換器14、四方弁11、アキュム
レータ21、レシーバタンク31等が設けられている室
外機ユニットを制御する室外機制御装置62とを備え、
室内機制御装置61と室外機制御装置62とが互いに関
連して制御を行なうことができるように電気的に接続さ
れている。
【0044】上記室内機制御装置61には、前述のファ
ン44、膨張弁13、膨張弁上流側冷媒温度センサ4
2、室内温度センサ45が接続されるとともに、オンオ
フスイッチや温度設定キーを備えた操作部63が接続さ
れている。そして、例えば上記操作部63を介して希望
温度が入力されると、室内機制御装置61により、室内
温度センサ45で室内温度が求められるとともに、この
温度と上記希望温度との差が求められ、この温度差を減
少させるべく上記ファン44の出力が制御されるように
なっている。
【0045】一方、上記室外機制御装置62には、エン
ジン2、四方弁11、リニア三方弁56、液面レベル切
換弁32、室外機側ファン46、バイパス側膨張弁37
等の制御対象要素が接続されるとともに、吸入側ライン
16に設けられた冷媒温度センサー43、圧縮機温度セ
ンサ48、アキュムレータ液面レベル検出機能を有する
温度センサ23,26、高圧側圧力センサ40、低圧側
圧力センサ41、外気温センサ47、バイパス冷媒温度
センサ39等の制御入力要素が接続されている。さら
に、非共沸混合冷媒の圧力及び温度に対応した飽和蒸気
及び飽和液の組成比データを記憶するとともに、制御の
ための各種データ及びプログラム等を記憶する記憶手段
65が室外機制御装置62に接続されている。
【0046】上記室外機制御装置62は、各室内機60
の冷暖切換えに応じて前述のように冷媒回路10での冷
媒の循環方向を切換えるべく四方弁11を切替制御す
る。さらに室外機制御装置62は、高圧側圧力センサ4
0の検知圧力及び上記バイパス冷媒温度センサ38の検
知温度から上記組成比データに基づいて組成比を算出す
る演算手段としての機能を有している。
【0047】また、上記各制御装置61,62は、運転
性能向上等のため、後に詳述するようなサブクール制御
やスーパーヒート制御を実行し、例えば暖房時にサブク
ール制御、冷房時にスーパーヒート制御を行う。そし
て、サブクール制御時には、高圧側飽和液温度より膨張
弁上流側冷媒温度センサ42の検知温度の方が低くなる
ように、凝縮器の放熱能力を変更可能とする放熱能力可
変装置を制御する。一方、スーパーヒート制御時には、
低圧側飽和蒸気温度より蒸発器下流側冷媒温度センサ4
3の検知温度の方が高くなるように、蒸発器の吸熱能力
を変更可能とする吸熱能力可変装置を制御する。
【0048】なお、上記放熱能力可変装置は、例えば上
記膨張弁13とその開度を調節する手段とで構成され
る。あるいは、サブクール制御が行われるときの凝縮器
(暖房時にサブクール制御を行う場合は室内熱交換器)
に対する送風用のファン44と、このファン44を回転
数変更可能に駆動するファン駆動手段とで放熱能力可変
装置を構成してもよい。
【0049】また、上記吸熱能力可変装置は、例えば上
記膨張弁13とその開度を調節する手段とで構成され
る。あるいは、スーパーヒートが行われるときの蒸発器
(冷房時にスーパーヒート制御を行う場合は室内熱交換
器)に対する送風用のファン44と、このファン44を
回転数変更可能に駆動するファン駆動手段とで吸熱能力
可変装置を構成してもよい。あるいはまた、低圧側冷媒
回路の途中で冷媒を加熱し、かつ、その加熱量の調節が
可能な熱交換器等の冷媒加熱手段を蒸発器とは別個に設
け、この冷媒加熱手段により吸熱能力可変装置を構成し
てもよい。
【0050】図4は、上記組成比検出とそれに基づく制
御の概略を、フローチャートで示している。このフロー
チャートの処理がスタートすると、先ず上記バイパス冷
媒温度センサ39によりバイパス冷媒温度TB1が検知さ
れる(ステップS1)。次に、空調装置の運転状態に応
じ、スーパーヒート制御を行うべきであるかサブクール
制御を行うべきであるかが判定される(ステップS
2)。
【0051】スーパーヒート制御を行うべき状態にある
場合の処理としては、先ず高圧側圧力P1 が高圧側圧力
センサ40で検知され(ステップS3)、この高圧側圧
力P1 と上記バイパス冷媒温度TB1とから、組成比デー
タとしての第5図に示すような気液平衡線図に基づき、
循環冷媒の組成比ηが算出される(ステップS4)。さ
らに、低圧側圧力P2 が低圧側圧力センサ41で検知さ
れ(ステップS5)、この低圧側圧力P2 と上記の算出
された組成比ηとから、気液平衡線図に基づいて低圧側
飽和蒸気温度TP2が算出される(ステップS6)。
【0052】この算出の仕方を具体的に説明する。図5
の気液平衡線図は、横軸を組成比(ここでは非共沸混合
冷媒中の高沸点成分の割合をいう)、縦軸を冷媒温度と
し、冷媒圧力Pが一定の高圧側圧力P1 の場合の飽和蒸
気線G1 及び飽和液線L1 と、冷媒圧力Pが一定の低圧
側圧力P2 の場合の飽和蒸気線G2 及び飽和液線L2
を示している。そして、上記バイパス通路34内の冷媒
冷却用熱交換器36の出口からバイパス側膨張弁38ま
での間にある冷媒は、主冷媒回路の高圧側冷媒回路内の
圧力と同等の高圧で、かつ、飽和状態となって液冷媒が
レシーバ37に溜められるので、その温度は高圧側圧力
1 の場合の飽和液温度TP1となる。従って、図5中の
飽和液線L1 上でバイパス冷媒温度TB1(=TP1)に対
応する点の横軸の値を求めれることにより、循環冷媒の
組成比ηが得られる。
【0053】また、上記組成比ηと低圧側圧力P2 とが
特定されれば、飽和蒸気線G2 上で組成比ηに対応する
点の縦軸の値を求めれることにより、低圧側飽和蒸気温
度TP2が得られる。なお、現実的な演算の手法として
は、例えば図6に示すような組成比(η0…ηj
ηn)、圧力(P0…Pi…Pm)、飽和蒸気温度(TG00
……TGmn)及び飽和液温度(TL00……TLmn)を対応
づけて示す気液平衡線図マップを予め作成して記憶手段
65に記憶させておき、このようなマップから上記組成
比ηや飽和蒸気温度TP2を求めるようにすればよい。
【0054】飽和蒸気温度TP2の算出に続いては、蒸発
器出口から圧縮機吸込み口までの部分の冷媒温度T2
冷媒温度センサ43で検知される(ステップS7)。そ
して、この冷媒温度T2 が低圧側飽和蒸気温度TP2より
も高くなるように上記吸熱能力可変装置が制御される
(ステップS8)。
【0055】一方、サブクール制御を行うべき状態にあ
る場合の処理としては、凝縮器出口と膨張弁との間の冷
媒温度T1 が冷媒温度センサ42で検知される(ステッ
プS9)。そして、この冷媒温度T1 が高圧側飽和液温
度TP1(つまりバイパス冷媒温度センサ39で検知され
た温度TB1)よりも低くなるように、上記放熱能力可変
装置が制御される(ステップS10)。
【0056】図7は、組成比検出とそれに基づく制御の
より具体的な例を示している。この図に示す例では、暖
房時にサブクール制御、冷房時にスーパーヒート制御が
行われるようになっている。
【0057】この制御では、先ず室内機が冷房運転か暖
房運転かの判別が行なわれ(ステップS11)、冷房時
には、ステップS12〜S18のメインルーチン処理
と、メインルーチン中のステップS14のときに開始さ
れるステップS19〜S25の並列ルーチン処理とが行
なわれ、一方、暖房時には、ステップS26〜S35の
メインルーチン処理と、メインルーチン中のステップS
28のときに開始されるステップS36〜S40の並列
ルーチン処理とが行なわれる。
【0058】冷房時には、室内機側の負荷及び温度条件
が検出され、温度条件としては室内温度が室内温度セン
サ45により、希望温度が操作部63の操作データによ
り、室外温度が外気温センサ47によりそれぞれ検出さ
れる(ステップS12)。次いで初期設定として、膨張
弁13の開度、三方弁56の開度、圧縮機5の回転数、
目標低圧値等につき、上記負荷及び温度条件に応じて冷
房運転時の好ましい値が設定される(ステップS1
4)。ここで、目標低圧値とは上記低圧側圧力の目標値
をいう。
【0059】続いてメインルーチンと並列同時に処理さ
れるステップS19〜S25の並列ルーチンを開始させ
る(ステップS14)。また、メインルーチン側では引
き続いて低圧側圧力センサ41により低圧側圧力が検出
され(ステップS15)、記憶手段65内にデータ保持
されている目標低圧値との比較が行なわれる(ステップ
S16)。そして、検出値の方が目標低圧値より所定値
以上低い場合には圧縮機5の回転数が減少補正され、検
出値の方が目標低圧値より所定値以上高い場合には圧縮
機5の回転数が増加補正される(ステップS17)。こ
の回転数補正の実行後に再度低圧側圧力が検出されて上
記目標低圧値との比較が行なわれ、ここでまだ検出値と
目標低圧値との差の絶対値が所定値以上の場合はステッ
プS17による圧縮機回転数の補正が繰り返される。
【0060】上記検出値と目標低圧値との差の絶対値が
所定値以下となった場合は、並列ルーチン処理の終了を
まってリターンする(ステップS18)。
【0061】また、ステップS14で開始される並列ル
ーチン処理においては、高圧側圧力P1 及びバイパス冷
媒温度TB1が検出され(ステップS19)、これらの圧
力P1 及び冷媒温度TB1に応じて気液平衡線図マップか
ら循環冷媒の組成比ηが算出される(ステップS2
0)。さらに、低圧側圧力P2 及び吸入側通路16内の
冷媒温度T2 が検出され(ステップS21)、上記低圧
側圧力P2 と組成比ηとに応じて気液平衡線図マップか
ら低圧側飽和蒸気温度TP2が算出される(ステップS2
2)。次いで、吸入側通路16内の冷媒温度T2 と上記
低圧側飽和蒸気温度TP2との差が加熱度SHとして求め
られ(ステップS23)、この加熱度SHとその目標値
とが比較される(ステップS24)。加熱度SHが目標
値に対して所定値以上ずれている場合、加熱度SHが目
標値より小さければ膨張弁13の開度を減少し、加熱度
SHが目標値より大きければ膨張弁13の開度を増大す
る補正が行なわれる(ステップS25)。そして、加熱
度SHと目標値との差の絶対値が所定値以上である間は
ステップS19〜S25の処理が繰り返され、上記差の
絶対値が所定値以下となれば並列ルーチンの処理を終了
し、ステップS18を経てリターンする。
【0062】一方、暖房時には、室内機側の負荷及び温
度条件が検出され(ステップS26)、次いで初期設定
として、膨張弁13の開度、三方弁56の開度、圧縮機
5の回転数、目標高圧値、目標低圧値等につき、上記負
荷及び温度条件に応じて暖房運転時の好ましい値が設定
される(ステップS27)。ここで、目標高圧値とは上
記高圧側圧力の目標値をいう。
【0063】続いてメインルーチンと並列同時に処理さ
れるステップS36〜S40の並列ルーチンを開始させ
る(ステップS28)。また、メインルーチン側では引
き続いて高圧側圧力センサ40により高圧側圧力が検出
され(ステップS29)、記憶手段65内にデータ保持
されている目標高圧値との比較が行なわれる(ステップ
S30)。そして、検出値の方が目標高圧値より所定値
以上低い場合には圧縮機5の回転数が増加補正され、検
出値の方が目標高圧値より所定値以上高い場合には圧縮
機5の回転数が減少補正される(ステップS31)。こ
の回転数補正の実行後に再度高圧側圧力が検出されて上
記目標高圧値との比較が行なわれ、ここでまだ検出値と
目標高圧値との差の絶対値が所定値以上の場合はステッ
プS31による圧縮機回転数の補正が繰り返される。
【0064】上記検出値と目標高圧値との差の絶対値が
所定値以下となった場合は、低圧側圧力センサ41によ
り低圧側圧力が検出され(ステップS32)、この検出
値と上記目標低圧値との比較が行なわれる(ステップS
23)。ここで、検出値の方が目標低圧値より所定値以
上低い場合には、三方弁56の開度が増加補正されるこ
とにより低圧側冷媒への加熱量が増加され、また、検出
値の方が目標低圧値よりも所定値以上高い場合には、三
方弁56の開度が減少補正されることにより低圧側冷媒
への加熱量が減少される(ステップS34)。そして、
再度低圧側圧力が検出され、検出値と上記目標低圧値と
の差の絶対値が所定値以下でない場合はステップS34
の処理が繰り返される。ステップS33において検出値
と目標低圧値との差の絶対値が所定値以下となった場合
は、並列ルーチン処理の終了をまってリターンする(ス
テップS35)。
【0065】また、ステップS28で開始される並列ル
ーチン処理においては、バイパス冷媒温度TB1の検出及
び膨張弁入口側の冷媒温度T1 の検出が行われる(ステ
ップS36,S37)。次いで、高圧側飽和液温度TP1
に相当する上記バイパス冷媒温度TB1と膨張弁入口側の
冷媒温度T1 との差が過冷却度SCとして求められ(ス
テップS38)、この過冷却度SCとその目標値とが比
較される(ステップS39)。過冷却度SCが目標値に
対して所定値以上ずれている場合、過冷却度SCが目標
値より小さければ膨張弁13の開度を減少し、過冷却度
SCが目標値より大きければ膨張弁13の開度を増大す
る補正が行なわれる(ステップS40)。そして、過冷
却度SCと目標値との差の絶対値が所定値以上である間
はステップS36〜S40の処理が繰り返され、上記差
の絶対値が所定値以下となれば並列ルーチンの処理を終
了し、ステップS35を経てリターンする。
【0066】以上のような当実施形態の空調装置の作用
を、次に説明する。
【0067】空調装置1が冷房運転される場合には、前
述のように室外熱交換器14が凝縮器、室内熱交換器1
2が蒸発器として働くように冷媒の循環が行われるが、
この場合に、図7のフローチャート中の冷房時のメイン
ルーチン処理(ステップS12〜S18)において、低
圧側圧力の検出値と目標低圧値との比較に基づいた圧縮
機回転数の制御が行なわれるとともに、並列ルーチン処
理(ステップS19〜S25)で膨張弁開度が補正され
ることにより、スーパーヒート(加熱)制御が行なわれ
る。
【0068】ここでスーパーヒート制御とは、圧縮機吸
込み部の冷媒温度を飽和蒸気温度よりも高い温度に加熱
する制御である。具体的には、上記吸込み冷媒温度ある
いは圧縮機温度に応じ、この温度を所定高温度にまで上
昇させるように膨張弁開度を絞る方向に補正する。この
スーパーヒート制御時には、室外熱交換器14と膨張弁
13との間に設けられているレシーバタンク31に余剰
冷媒が溜められる。
【0069】このスーパーヒート制御によると、冷凍サ
イクルのP−h線図が図8(a)のようになる。すなわ
ち、気相冷媒が圧縮機5で圧縮されて圧力P及びエンタ
ルピhが上昇(a1→b1)した後、室外熱交換器14
で凝縮されてエンタルピhが低下するに伴い冷媒が気相
から気液混合ないし液相へと変化し(b1→c1)、次
いで液相冷媒が膨張弁13で膨張されて低圧となり(c
1→d1)、さらに室内熱交換器12での蒸発、吸熱に
よりエンタルピhが上昇するが(d1→a1)、この際
に飽和蒸気温度を大きく上回るように過剰に冷媒が加熱
され、スーパーヒート制御が行なわれる。なお、SHi
は加熱によるエンタルピ変化分である。
【0070】このスーパーヒート制御により、COP
(成績係数)が高められ、空調装置の性能が高められ
る。
【0071】すなわち、上記COPは、冷凍サイクルの
能率を表すものであって、圧縮機5での圧縮によるエン
タルピ上昇量をA、蒸発器での蒸発によるエンタルピ上
昇量をBとすると(図8参照)、冷房時と暖房時におい
てそれぞれ次のようになる。
【0072】 (冷房時) COP=B/A … (暖房時) COP=(A+B)/A … そして、冷房時にスーパーヒート制御が行われると、加
熱によるエンタルピ変化分SHiだけ上記式中のBの
値が大きくなるため、COPが向上されることとなる。
【0073】また、非共沸混合冷媒空調装置において
は、例えばスーパーヒート制御中には主レシーバ31に
溜る液冷媒の量が運転状態によって変動する等、種々の
要因で運転中に循環冷媒の組成比が変動する。そして、
組成比ηが変動するとそれに伴って低圧側飽和蒸気温度
P2が変動するため、上記スーパーヒート制御を適正に
行うには、冷媒温度センサ43による検知温度T2 と低
圧側飽和蒸気温度TP2との偏差SHを所定値に保つべ
く、膨張弁開度等の調整を行うことが要求される。
【0074】このような要求を満足するため、温度TB1
及び圧力P1 の検知に基づいて上記組成比ηが算出さ
れ、この組成比ηと圧力P2 とから低圧側飽和蒸気温度
P2が算出される。この場合に、組成比検出のためのバ
イパス通路34が設けられ、このバイパス通路34に冷
媒冷却用熱交換器36、レシーバ37及びバイパス側膨
張弁38が配設されるとともに、その熱交換器36の出
口からバイパス側膨張弁38までの間の冷媒温度がバイ
パス冷媒温度センサ39により検知され、この冷媒温度
B1と高圧側圧力P1 とから、組成比η及び飽和蒸気温
度TP2が精度良く算出される。とくに、主冷媒回路にお
いて室外熱交換器(凝縮器)での放熱状態が急変する過
渡状態でも、上記バイパス通路34においてレシーバ3
7が配置されている部分の冷媒温度TB1は正しく高圧側
飽和液温度を示し、これと循環冷媒の組成比ηとの対応
性が維持されるため、組成比η及び飽和蒸気温度TP2
算出が正確に行われ、スーパーヒート制御等の精度が高
められる。
【0075】一方、空調装置1が暖房運転される場合に
は、前述のように室内熱交換器12が凝縮器、室外熱交
換器14が蒸発器として働くように冷媒の循環が行われ
るが、この場合に、図7のフローチャート中の暖房時の
メインルーチン処理(ステップS26〜S34)におい
て、高圧側圧力の検出値と目標高圧値との比較に基づい
た圧縮機回転数の制御及び低圧側圧力の検出値と目標低
圧値との比較に基づいた三方弁56の開度の制御が行な
われるとともに、並列ルーチン処理(ステップS36〜
S40)で膨張弁開度が補正されることにより、サブク
ール(過冷却)制御が行なわれる。
【0076】ここで、サブクール制御とは、高圧側の膨
張弁近傍の冷媒温度を飽和液温度よりも低くなるように
冷却する制御である。具体的には、膨張弁上流側冷媒温
度の検出値に応じ、この温度を飽和液温度以下の所定値
にまで低下させるように膨張弁開度を絞る方向に補正す
ることをいう。
【0077】このサブクール制御によると、冷凍サイク
ルのP−h線図が図8(b)のようになる。すなわち、
気相冷媒が圧縮機5で圧縮されて圧力P及びエンタルピ
hが上昇(a2→b2)した後、室内熱交換器12で凝
縮、放熱されてエンタルピhが低下するに伴い冷媒が気
相から液相へと変化し(b2→c2)、この際に飽和液
温度を大きく下回るように冷媒が過冷却され、サブクー
ル制御が行なわれる。次いで液相冷媒が膨張弁13で膨
張されて低圧となり(c2→d2)、さらに室外熱交換
器14での蒸発によりエンタルピhが上昇する(d2→
a2)。なお、SCiは過冷却によるエンタルピ変化分
である。
【0078】このサブクール制御よっても、過冷却によ
るエンタルピ変化分SCiだけ上記式中のBの値が大
きくなるため、COPが高められ、空調装置の性能が高
められることとなる。
【0079】また、サブクール制御が行われると上記ア
キュムレータ21内に液相冷媒が滞留し、とくに非共沸
冷媒のうちで液化し易い高沸点成分(例えばR134
a)が時間経過とともに高い割合で滞留することによ
り、圧縮機5に吸入される気相冷媒中の低沸点成分(例
えばR32、R125)の割合が初期充填割合よりも増
大するというように、サブクール制御の運転中にも循環
冷媒の組成比が変動し、それに伴い、高圧側飽和液温度
P1が変動する。この場合も、バイパス冷媒温度センサ
39により検知される冷媒温度TB1は正しく高圧側飽和
液温度TP1を示すので、高圧側飽和液温度TP1と冷媒温
度センサ42による検知温度T1 との偏差を所定値に保
つべく膨張弁開度等の補正を行うサブクール制御が、精
度良く行われることとなる。
【0080】また、サブクール制御中に、上記アキュム
レータ21内の熱交換器22は、低圧側冷媒回路の途中
で蒸発器と独立に冷媒を加熱する補助加熱手段として機
能し、高圧側飽和液温度TP1より上記膨張弁上流側冷媒
温度センサ42の検知温度T1 の方が低いサブクール制
御時に、この熱交換器22によって低圧側冷媒の加熱が
行われることにより、アキュムレータ21に滞留する高
沸点成分が気化され易くなり、循環冷媒の組成比の変動
が抑制される。従って、サブクール制御がより一層良好
に行われる。
【0081】しかも、上記アキュムレータ21内で熱交
換器22によって冷媒に熱が与えられるため、外気温度
が低くて室外熱交換器14での吸熱が充分に行われにく
い場合でも、上記熱交換器22で吸熱が助成され、暖房
能力が向上される。
【0082】本発明の装置の他の実施形態を、以下に説
明する。
【0083】図9はバイパス通路34に設けられる組成
比検知用回路35の別の例を示している。この図に示す
例でも、バイパス通路34には上流側から順に冷媒冷却
用熱交換器101、レシーバ102及びバイパス側膨張
弁103が配設されるとともに、冷媒冷却用熱交換器1
01の出口からバイパス側膨張弁103までの間の、例
えばレシーバ102内の冷媒の温度を検知するバイパス
冷媒温度センサ104が設けられている。この図におい
て上記冷媒冷却用熱交換器101は、レシーバ102よ
り上流に位置する放熱側部分101aと、バイパス側膨
張弁103より下流においてバイパス通路34から分岐
したラインに設けられた吸熱側部分101bとを有して
いる。また、熱交換器101の吸熱側部分101bが位
置するラインには流量調節弁104が設けられている。
この流量調節弁104は図3中に示すように室外機制御
装置62で制御されるようしておけばよい。
【0084】この構造によると、スーパーヒート制御時
には、バイパス通路に導入された冷媒が先ず上記熱交換
器101の放熱側部分101aで冷却されて次第に液化
するが、バイパス側膨張弁で膨張されてから上記吸熱側
部分101bを通るときに再び蒸気となり、吸入側ライ
ン16を経て圧縮機に吸い込まれる。また、サブクール
制御時には、上記放熱側部分101aで冷却されて液化
した冷媒が膨張弁を経て吸入側ライン16に流出し、前
記アキュムレータ(図1参照)内の液冷媒に混合する。
【0085】このように組成比検知用回路35を構成し
た場合でも、バイパス冷媒温度センサ104で検知され
るバイパス冷媒温度が高圧側飽和液温度に相当し、これ
と高圧側圧力とに基づいて前述のように組成比が算出さ
れる。
【0086】図10は空調装置1の冷媒回路10等の別
の実施形態を示している。この図に示す冷媒回路10
は、レシーバタンクを有しておらず、例えば暖房時及び
冷房時ともサブクール制御を行うような場合に適合する
構造となっている。また、室内熱交換器12A〜12N
が並列に複数台設けられる一方、室外熱交換器14A,
14Bが並列に2台設けられている。そして。四方弁1
1の第3ポートから導出されたライン17が分岐して各
室内熱交換器12A〜12Nに至り、各室内熱交換器1
2A〜12Nにそれぞれライン18を介して膨張弁13
A〜13Nが接続されるとともに、各膨張弁13A〜1
3Nに続くラインが集合されてこれにライン20が連な
り、このライン20に室外熱交換器14A,14Bが接
続されている。
【0087】この実施形態でも、高圧側冷媒回路のうち
で圧縮機吐出口から凝縮器入口までの間の部分と低圧側
冷媒回路との間、例えば吐出側ライン15と吸入側ライ
ン16との間にバイパス通路34が配置され、このバイ
パス通路34に組成比検知用回路35が設けられてい
る。この組成比検知用回路35は例えば前述の図2に示
すような構成あるいは図9に示すような構成となってい
る。
【0088】さらに図10に示す回路では上記ライン2
0と吸入側ライン16との間に、制御弁82及びストレ
ーナ83を有するライン81が設けられ、また吐出側ラ
イン15と吸入側ライン16との間に、ストレーナ85
及び開閉弁86を有するライン84が設けられている。
また、上記吐出側ライン15にはオイルセパレータ71
が介設されている。一方、吐出側ライン15にはメイン
のアキュムレータ21に加えてその下流側にサブアキュ
ムレータ72が設けられており、このサブアキュムレー
タ72に対して液面レベルの検出のため、ストレーナ7
3及び毛細管74を有してサブアキュムレータ72の所
定レベル位置に接続された通路75と、この通路中の冷
媒の温度を検出する温度センサ76が設けられている。
アキュムレータ21及びその内部の熱交換器22などの
構成は前記の基本実施形態と同様であるが、運転停止時
等にアキュムレータ21内の液冷媒を導出可能とするた
め、ストレーナ78及び開閉弁79を有する通路77が
アキュムレータ21の底部に接続されている。
【0089】エンジン2及び圧縮機3等は前記の基本実
施形態と同様であるが、これらのより具体的な構造を図
10によって説明すると、エンジン2には吸気管90を
介してエアクリーナ91及びミキサー92が接続され、
このミキサー92には、流量制御弁93、ガバナ94等
を有する燃料供給管95が接続されている。エンジン2
の排気管96には排気ガス熱交換器97、排気サイレン
サ98及びミストセパレータ99が介設されている。ま
た、上記圧縮機5は、2個の単位圧縮機5a,5bを有
するマルチ型圧縮機からなっている。
【0090】この実施形態による場合でも、上記バイパ
ス通路34に設けられた組成比検知用回路35において
冷媒冷却用熱交換器の略中央部で冷媒温度が検知され、
この冷媒温度と高圧側圧力とに基づいて循環冷媒の組成
比が正しく求められる。そして、暖房時及び冷房時にそ
れぞれ、上記組成比等から算出される高圧側飽和液温度
と、暖房時に冷媒温度センサ42、冷房時に冷媒温度セ
ンサ150により検知される膨張弁上流側冷媒温度の検
出値との差に応じ、膨張弁開度等が制御されることによ
り、サブクール制御が行われる。
【0091】なお、上記各実施形態では、上記バイパス
通路34の下流側端部が主冷媒回路の吸入側ライン16
におけるアキュムレータ21より上流側に接続されるこ
とにより、サブクール制御時等に吐出側ライン15から
バイパス通路34を通って吸入側ライン16に流れる冷
媒がアキュムレータ21に経て圧縮機5に戻されるよう
にしているが、バイパス通路34の下流側端部を低圧側
回路のうちの蒸発器の上流側に接続し、バイパス側膨張
弁を経た冷媒が蒸発器に導かれて蒸発されるようにして
もよい。
【0092】また、図1〜図9に示す基本実施形態では
暖房時にサブクール制御、冷房時にスーパーヒート制御
を行うようにし、また図10に示す実施形態では、冷暖
房時ともサブクール制御を行うようにしているが、冷暖
房時ともスーパーヒート制御を行うようにしてもよい。
【0093】また、本発明は上記各実施形態に示す空調
装置に限らず、冷凍装置あるいは各種熱ポンプ装置に適
用することができる。
【0094】
【発明の効果】以上のように本発明は、圧縮機から吐出
した非共沸混合冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧
縮機に戻すように循環させる冷媒循環式熱移動装置にお
いて、高圧側冷媒回路のうちで凝縮器の入口までの間の
部分と低圧側冷媒回路の途中とを連通するバイパス通路
を設け、このバイパス通路に上流側から順に冷媒冷却用
熱交換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設すると
ともに、冷媒冷却用熱交換器の出口からバイパス側膨張
弁までの間で冷媒温度を検知するバイパス冷媒温度セン
サを設け、その検知温度と高圧側圧力センサの検知圧力
とに応じて組成比データから組成比を算出するようにし
ているため、運転中の非共沸冷媒の組成比を求めること
ができる。とくに、凝縮器の放熱状態が急変するような
過渡状態においても、循環冷媒の組成比を正確に求める
ことかできる。
【0095】この装置において、主冷媒回路の凝縮器と
膨張弁との間に配置された主レシーバと、蒸発器もしく
はその下流側の回路の吸熱能力を変更可能とする吸熱能
力可変装置と、低圧側圧力センサと、蒸発器下流側冷媒
温度センサとを設け、上記の算出された組成比と低圧側
圧力センサによる検知圧力とに応じて組成比データから
低圧側飽和蒸気温度を算出して、この低圧側飽和蒸気温
度より蒸発器下流側冷媒温度の方が高くなるように吸熱
能力可変手段を制御すれば、COP向上等に有利なスー
パーヒート制御を精度良く行うことができる。
【0096】また、上記装置において、低圧側冷媒回路
のうちで蒸発器出口から圧縮機の吸込み口までの間に配
置したアキュムレータと、凝縮器の放熱能力を変更可能
とする放熱能力可変装置と、膨張弁上流側冷媒温度セン
サとを設け、バイパス冷媒温度センサの検知温度よりも
膨張弁上流側冷媒温度センサの検知温度の方が低くなる
ように上記放熱能力可変装置を制御すれば、COP向上
等に有利なサブクール制御を精度良く行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調装置に適用した本発明の一実施形態を示す
全体回路図である。
【図2】バイパス通路とこれに設けた組成比検知用回路
を示す回路図である。
【図3】空調装置の制御系統を示すブロック図である。
【図4】組成比検出及びそれに基づく制御の概略を示す
フローチャートである。
【図5】気液平衡線図である。
【図6】気液平衡線図マップを示す図である。
【図7】組成比検出及びそれに基づく制御の具体例を示
すフローチャートである。
【図8】(a)はスーパーヒート制御時のモリエール線
図、(b)はサブクール制御時のモリエール線図であ
る。
【図9】組成比検知用回路の別の例を示す回路図であ
る。
【図10】本発明の装置の別の実施形態を示す全体回路
図である。
【符号の説明】
5 圧縮機 10 冷媒回路 11 四方弁 12 室内熱交換器 13 膨張弁 14 室外熱交換器 21 アキュムレータ 22 熱交換器 31 主レシーバ 34 バイパス通路 35 組成比検知用回路 36 冷媒冷却用熱交換器 37 レシーバ 38 バイパス側膨張弁 39 バイパス冷媒温度センサ 40 高圧側圧力センサ 41 低圧側圧力センサ 42 膨張弁上流側冷媒温度センサ 43 蒸発器下流側冷媒温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F25B 13/00 F25B 13/00 J K N

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機から吐出した非共沸混合冷媒を凝
    縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環さ
    せる主冷媒回路を備えた、冷凍装置あるいは熱ポンプ装
    置として使用される冷媒循環式熱移動装置において、 圧縮機吐出口から膨張弁までの高圧側冷媒回路のうちで
    圧縮機の吐出口から凝縮器の入口までの間の部分と、膨
    張弁から圧縮機の吸込み口までの低圧側冷媒回路の途中
    とを連通し、冷媒流通量が上記主冷媒回路よりも少なく
    設定されたバイパス通路と、 このバイパス通路の途中に上流側から順に冷媒冷却用熱
    交換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設した組成
    比検知用回路と、 このバイパス通路のうち、冷媒冷却用熱交換器の出口か
    らバイパス側膨張弁までの冷媒温度を検知するバイパス
    冷媒温度センサと、 高圧側冷媒回路の途中あるいはバイパス通路のうちでバ
    イパス側膨張弁の上流部の圧力を検知する高圧側圧力セ
    ンサと、 圧力及び温度の2つの要素に対応した飽和蒸気及び飽和
    液の組成比データを記憶する記憶手段と、 上記高圧側圧力センサの検知圧力及び上記バイパス冷媒
    温度センサの検知温度から上記組成比データに基づいて
    組成比を算出する演算手段とを具備したことを特徴とす
    る冷媒循環式熱移動装置。
  2. 【請求項2】 バイパス通路のレシーバよりも大容量で
    あって、高圧側冷媒回路のうちで凝縮器と膨張弁との間
    に配置された主レシーバと、 蒸発器もしくはその下流側の回路の吸熱能力を変更可能
    とする吸熱能力可変装置と、 上記低圧側冷媒回路の途中あるいはバイパス通路におけ
    るバイパス側膨張弁より下流の圧力を検知する低圧側圧
    力センサと、 上記低圧側冷媒回路のうちで蒸発器出口から圧縮機吸込
    み口までの間の冷媒温度を検知する蒸発器下流側冷媒温
    度センサと、 上記低圧側圧力センサの検知圧力と上記演算手段により
    算出された組成比から上記組成比データに基づき低圧側
    飽和蒸気温度を算出し、この低圧側飽和蒸気温度より上
    記蒸発器下流側冷媒温度センサの検知温度の方が高くな
    るように上記吸熱能力可変装置を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の冷媒循環式熱移
    動装置。
  3. 【請求項3】 冷媒循環経路を四方弁により切換えて、
    冷房時には圧縮機から四方弁、凝縮器として機能する室
    外熱交換器、膨張弁、蒸発器として機能する室内熱交換
    器、四方弁を順に通って圧縮機に戻るように非共沸冷媒
    を循環させ、暖房時には圧縮機から四方弁、凝縮器とし
    て機能する室内熱交換器、膨張弁、蒸発器として機能す
    る室外熱交換器、四方弁を順に通って圧縮機に戻るよう
    に非共沸冷媒を循環させる主冷媒回路を備えた、空調装
    置として使用される冷媒循環式熱移動装置において、 圧縮機吐出口と四方弁との間の常時高圧側冷媒回路と、
    圧縮機吸込み口と四方弁との間の常時低圧側冷媒回路と
    を連通し、冷媒流通量が上記主冷媒回路よりも少なく設
    定されたバイパス通路と、 このバイパス通路の途中に上流側から順に冷媒冷却用熱
    交換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設した組成
    比検知用回路と、 このバイパス通路のうち、冷媒冷却用熱交換器の出口か
    らバイパス側膨張弁までの冷媒温度を検知するバイパス
    冷媒温度センサと、 常時高圧側冷媒回路の途中またはバイパス通路のうちで
    バイパス側膨張弁の上流部、あるいは、冷房時には四方
    弁から室外熱交換器を経て膨張弁に至る部分、暖房時に
    は四方弁から室内熱交換器を経て膨張弁に至る部分の圧
    力を検知する高圧側圧力センサと、 圧力及び温度の2つの要素に対応した飽和蒸気及び飽和
    液の組成比データを記憶する記憶手段と、 上記高圧側圧力センサの検知圧力及び上記バイパス冷媒
    温度センサの検知温度から上記組成比データに基づいて
    組成比を算出する演算手段とを具備したことを特徴とす
    る冷媒循環式熱移動装置。
  4. 【請求項4】 バイパス通路のレシーバよりも大容量で
    あって、高圧側冷媒回路のうちで凝縮器と膨張弁との間
    に配置された主レシーバと、 蒸発器もしくはその下流側の回路の吸熱能力を変更可能
    とする吸熱能力可変装置と、 上記常時低圧側冷媒回路の途中あるいはバイパス通路に
    おけるバイパス側膨張弁より下流の圧力を検知する低圧
    側圧力センサと、 上記常時低圧側冷媒回路の冷媒温度を検知し、あるいは
    室外熱交換器と膨張弁との間に主レシーバを配置する場
    合において室内熱交換器から四方弁までの間の冷媒温度
    を冷房時に検知し、または室内熱交換器と膨張弁との間
    に主レシーバを配置する場合において室外熱交換器から
    四方弁までの間の冷媒温度を暖房時に検知する蒸発器下
    流側冷媒温度センサと、 上記低圧側圧力センサの検知圧力と上記演算手段により
    算出された組成比から上記組成比データに基づき低圧側
    飽和蒸気温度を算出し、この低圧側飽和蒸気温度より上
    記蒸発器下流側冷媒温度センサの検知温度の方が高くな
    るように上記吸熱能力可変装置を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする請求項3記載の冷媒循環式熱移
    動装置。
  5. 【請求項5】 蒸発器に対する送風用のファンと、この
    ファンを回転数変更可能に駆動するファン駆動手段とで
    吸熱能力可変装置を構成したことを特徴とする請求項2
    または4記載の冷媒循環式熱移動装置。
  6. 【請求項6】 膨張弁を開度変更可能とし、この膨張弁
    とその開度を調節する手段とで吸熱能力可変装置を構成
    したことを特徴とする請求項2または4記載の冷媒循環
    式熱移動装置。
  7. 【請求項7】 低圧側冷媒回路の途中で冷媒を加熱し、
    かつ、その加熱量の調節が可能な冷媒加熱手段を蒸発器
    とは別個に設け、この冷媒加熱手段により吸熱能力可変
    装置を構成したことを特徴とする請求項2または4記載
    の冷媒循環式熱移動装置。
  8. 【請求項8】 バイパス通路の下流端を、低圧側冷媒回
    路のうちで膨張弁と蒸発器との間の部分に接続したこと
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の冷媒循
    環式熱移動装置。
  9. 【請求項9】 圧縮機から吐出した非共沸混合冷媒を凝
    縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環さ
    せる主冷媒回路を備えた、冷凍装置あるいは熱ポンプ装
    置として使用される冷媒循環式熱移動装置において、 圧縮機吐出口から膨張弁までの高圧側冷媒回路のうちで
    圧縮機の吐出口から凝縮器の入口までの間の部分と、膨
    張弁から圧縮機の吸込み口までの低圧側冷媒回路の途中
    とを連通し、冷媒流通量が上記主冷媒回路よりも少なく
    設定されたバイパス通路と、 このバイパス通路の途中に上流側から順に冷媒冷却用熱
    交換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設した組成
    比検知用回路と、 このバイパス通路のうち、冷媒冷却用熱交換器の出口か
    らバイパス側膨張弁までの冷媒温度を検知するバイパス
    冷媒温度センサと、 高圧側冷媒回路のうちで凝縮器出口から膨張弁までの部
    分の冷媒温度を検知する膨張弁上流側冷媒温度センサ
    と、 低圧側冷媒回路のうちで蒸発器出口から圧縮機の吸込み
    口までの間において液冷媒を貯留するアキュムレータ
    と、 凝縮器の放熱能力を変更可能とする放熱能力可変装置
    と、 上記バイパス冷媒温度センサの検知温度よりも上記膨張
    弁上流側冷媒温度センサの検知温度の方が低くなるよう
    に上記放熱能力可変装置を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする冷媒循環式熱移動装置。
  10. 【請求項10】 冷媒循環経路を四方弁により切換え
    て、冷房時には圧縮機から四方弁、凝縮器として機能す
    る室外熱交換器、膨張弁、蒸発器として機能する室内熱
    交換器、四方弁を順に通って圧縮機に戻るように非共沸
    冷媒を循環させ、暖房時には圧縮機から四方弁、凝縮器
    として機能する室内熱交換器、膨張弁、蒸発器として機
    能する室外熱交換器、四方弁を順に通って圧縮機に戻る
    ように非共沸冷媒を循環させる主冷媒回路を備えた、空
    調装置として使用される冷媒循環式熱移動装置におい
    て、 圧縮機吐出口と四方弁との間の常時高圧側冷媒回路と、
    圧縮機吸込み口と四方弁との間の常時低圧側冷媒回路と
    を連通し、冷媒流通量が上記主冷媒回路よりも少なく設
    定されたバイパス通路と、 このバイパス通路の途中に上流側から順に冷媒冷却用熱
    交換器、レシーバ及びバイパス側膨張弁を配設した組成
    比検知用回路と、 このバイパス通路のうち、冷媒冷却用熱交換器の出口か
    らバイパス側膨張弁までの冷媒温度を検知するバイパス
    冷媒温度センサと、 高圧側冷媒回路のうちで凝縮器出口から膨張弁までの部
    分の冷媒温度を検知する膨張弁上流側冷媒温度センサ
    と、 常時低圧側冷媒回路の途中で液冷媒を貯留するアキュム
    レータと、 凝縮器の放熱能力を変更可能とする放熱能力可変装置
    と、 上記バイパス冷媒温度センサの検知温度よりも上記膨張
    弁上流側冷媒温度センサの検知温度の方が低くなるよう
    に上記放熱能力可変装置を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする冷媒循環式熱移動装置。
  11. 【請求項11】 凝縮器に対する送風用のファンと、こ
    のファンを回転数変更可能に駆動するファン駆動手段と
    で放熱能力可変装置を構成したことを特徴とする請求項
    9又は10記載の冷媒循環式熱移動装置。
  12. 【請求項12】 膨張弁を開度変更可能とし、この膨張
    弁とその開度を調節する手段とで放熱能力可変装置を構
    成したことを特徴とする請求項9又は10記載の冷媒循
    環式熱移動装置。
  13. 【請求項13】 低圧側冷媒回路の途中に、液冷媒を貯
    留可能とし、かつ内部に貯留される液冷媒を加熱する補
    助加熱手段を配置したアキュムレータを設け、アキュム
    レータ内部に液冷媒が貯留する状態において、バイパス
    冷媒温度センサの検知温度よりも上記膨張弁上流側冷媒
    温度センサの検知温度の方が低くなる場合に、上記補助
    加熱手段により液冷媒を加熱するようにしたことを特徴
    とする請求項9乃至12のいずれかに記載の冷媒循環式
    熱移動装置。
  14. 【請求項14】 バイパス通路の下流端を、蒸発器出口
    からアキュムレータまでの間の部分に接続したことを特
    徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の冷媒循環
    式熱移動装置。
  15. 【請求項15】 バイパス通路の下流端を、低圧側冷媒
    回路のうちで膨張弁と蒸発器との間の部分に接続したこ
    とを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の冷
    媒循環式熱移動装置。
JP8192287A 1996-07-22 1996-07-22 冷媒循環式熱移動装置 Withdrawn JPH1038394A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010085014A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
JP2013170719A (ja) * 2012-02-20 2013-09-02 Nakano Refrigerators Co Ltd 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法

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JP2010085014A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
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