JPH09331134A - 基板製造用配線体、基板およびこれらの製造方法 - Google Patents

基板製造用配線体、基板およびこれらの製造方法

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JPH09331134A
JPH09331134A JP14900996A JP14900996A JPH09331134A JP H09331134 A JPH09331134 A JP H09331134A JP 14900996 A JP14900996 A JP 14900996A JP 14900996 A JP14900996 A JP 14900996A JP H09331134 A JPH09331134 A JP H09331134A
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Japan
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substrate
manufacturing
board
axis
metal
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JP14900996A
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English (en)
Inventor
Michio Horiuchi
道夫 堀内
Yukiharu Takeuchi
之治 竹内
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Shinko Electric Industries Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度がよく、機械加工性にも優れる基板
製造用柱状体、基板およびこれらを生産性よく製造でき
る製造方法を提供する。 【解決手段】 柱状体10であって軸線に平行に金属細
線14が多数埋設されている気孔率20%以上50%以
下の無機絶縁物12焼成体から成ることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板製造用配線体、
基板およびこれらの製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】発明者は先に、容器中に銅等の金属細線を
多数容器の軸線と平行になるように配置し、この容器内
にアルミナ等の高温焼成セラミック粉末の分散液を充填
し、乾燥後、高温焼成セラミック粉末が十分緻密に焼結
するに必要十分な、金属細線の融点以上の高温条件で焼
成して、緻密な柱状の焼結体を得、この柱状体を軸線に
垂直にスライスして貫通したビア導体を有する基板を得
る方法を開発した。この方法によれば、金属細線は高温
焼成セラミック粉末の焼結時に液化するので、焼成時の
セラミックの収縮によっても断線等せず、密なパターン
のビア導体を有する基板を製造することができる。また
液化した金属細線がセラミック中に拡散してしまわない
ことも確認されている。
【0003】さらに発明者は、容器中に銅等の金属細線
を多数容器の軸線と平行になるように配置し、この容器
内にガラスを主成分とする低温焼成セラミック粉末を充
填し、金属細線の融点以下の低温で焼成して、柱状の焼
結体を得、この柱状体を軸線に垂直にスライスして貫通
したビア導体を有する基板を得る方法を開発した。この
方法によれば、逆にガラスを主成分とする低温焼成セラ
ミック粉末が焼成時に融解するので、金属細線にストレ
スを与えず、やはり断線のないビア導体を有する基板を
得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の方法によるときは、高温焼成セラミックが収縮率約
40%もの大きさで収縮するために、寸法精度がでない
という課題がある。また緻密に焼成するため、極めて硬
度が高く、容易にスライスができない。硬度を下げるた
めに添加物を添加すると逆に強度が低下するという課題
がある。また後者の方法によるときは、ガラスを主成分
とする低温焼成セラミックを用いるために、脆弱で強度
がでないという課題がある。そこで、本発明は上記課題
を解決すべくなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、寸法精度がよく、機械加工性にも優れる基板製造
用柱状体、基板およびこれらを生産性よく製造できる製
造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、本発明に係る基
板製造用配線体では、多孔質に焼成された無機絶縁物か
ら成る柱状体中に、該柱状体の軸線と平行に金属細線が
多数本埋設されていることを特徴としている。前記多孔
質に焼成された無機絶縁物の気孔率は20体積%以上5
0体積%以下であることが好ましい。多孔質に焼成され
ているから、硬度もそれほど高くなく、加工性が容易で
容易にスライスして基板を得ることができる。また収縮
率も極めて低く、ビア導体の寸法精度がよい。なお、無
機絶縁物は連続相をなすスケルトン構造をなしているか
ら強度的に優れている。なお柱状体の気孔率が50%以
上であると、焼成時の条件設定が容易でなく、気孔率に
バラツキがでて、再現性が悪くなる。気孔率が40%前
後の場合が焼成時の収縮もほとんどなく、寸法精度がよ
い。また気孔率が20%よりも少なくなると、緻密化が
ある程度進み、収縮が生じるので寸法精度上問題となる
ことがある。また無機絶縁物中の気孔が一部連続気孔で
なくなり、樹脂の含浸が一部なされなくなる。
【0006】前記柱状体中にその軸線と平行に、セラミ
ック、金属あるいはセラミックと金属との複合体から成
る棒状体を埋設することにより、スライスして基板に形
成した際、該セラミック、金属あるいはこれらの複合体
部分を搭載する半導体チップの放熱体とすることができ
る。前記柱状体中にその軸線と平行に貫通孔を設けるこ
とにより、スライスして基板に形成した際、この貫通孔
部を搭載する半導体チップのキャビティとすることがで
きる。
【0007】前記無機絶縁物は、酸化アルミニウム、ム
ライト、コーディエライト、窒化アルミニウムの内のい
ずれかの焼成物が好適である。焼成時、粉体間にネック
が生じ、粉体間が連結されて多孔質の焼成物となる。ま
た、前記無機絶縁物を、軟化点1000℃以下のガラス
と、酸化アルミニウム、ムライト、コーディエライト、
酸化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ
素の内のいずれか1種以上との混合焼成物とすることが
できる。焼成時、ガラス成分がセラミック粉体を連結す
る作用を生じ、焼結に至らしめず、収縮を抑えることが
できる。
【0008】上記基板製造用配線体をその軸線に垂直に
スライスすることにより、貫通したビア導体を有する基
板を得ることができる。これら基板は半導体チップ用基
板など種々の配線基板として用いることができる。すな
わち、具体的に、表面に金属導体層および/または誘電
体層を形成し、焼成温度1000℃以下で二次焼成して
配線パターン等を形成して半導体チップ搭載用の基板と
することができる。これら基板の空隙にポリイミド系、
ベンゾシクロブテン系、ビスマレイミドトリアジン系、
エポキシ系、ポリフェニレンエーテル系の内のいずれか
の樹脂から成る有機絶縁物を含浸すると好適である。こ
れにより脆さを改善し、強度的に優れる基板を提供でき
る。ポリイミド系、ベンゾシクロブテン系の樹脂は耐熱
性に優れる。また樹脂を含浸することにより、熱膨張
率、熱伝導率、誘電率をコントロールできる。
【0009】また本発明に係る基板製造用配線体の製造
方法では、金属細線を容器の軸線に平行に多数本配置し
た該容器内に無機絶縁物粉末の分散液を充填し、乾燥
後、無機絶縁物粉末を気孔率20体積%以上50体積%
以下の範囲になるように焼成して柱状体を形成すること
を特徴としている。前記容器内に前記金属細線と共に容
器の軸線に平行にセラミック、金属あるいはセラミック
と金属との複合体から成る棒状体を配置することにより
放熱体入りの基板製造用配線体を製造することができ
る。さらに、前記容器内に前記金属細線と共に容器の軸
線に平行にセラミックあるいは金属から成る筒状体を配
置することにより柱状体に貫通孔を形成するようにする
ことができる。上記基板製造用配線体の製造方法によっ
て得られた柱状体を軸線に垂直にスライスして、貫通し
たビア導体を有する基板を効率よく製造することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は基板製造
用配線体たる柱状体10の概略的な断面図を示す。柱状
体10についてその製造方法と共に説明する。12は多
孔質にかつ柱状に焼成された無機絶縁物である。14は
この無機絶縁物12中に軸線に平行に多数埋設された
銅、アルミニウム等からなる金属細線である。この柱状
体10を軸線に垂直に適宜厚さでスライスすることによ
って、金属細線14による貫通したビア導体18を有す
る基板20(図3)が得られる。
【0011】もちろん半導体チップ15を搭載する基板
にするには、図4に示すように基板に配線パターン17
を形成する必要がある。あるいは必要に応じてコンデン
サ用の誘電体皮膜(図示せず)を形成する必要がある。
この場合には、銅ペースト等の導体ペーストおよび/ま
たはチタン酸バリウム等の誘電体ペーストを塗布(スク
リーン印刷等)して後、二次焼成することによって形成
できる。この二次焼成時に無機絶縁物12が収縮を起こ
さないように、導体ペーストや誘電体ペーストには60
0℃程度の比較的低温でかつ短時間に焼成できるものを
用いるとよい。基板20に配線パターン17を形成し、
半導体チップ15を搭載し、はんだボール等のバンプ1
9を形成してBGAタイプの半導体装置21に形成でき
る。
【0012】上記のように基板20に配線パターン17
等を形成して後、無機絶縁物12の空隙に、ポリイミド
系、ベンゾシクロブテン系、ビスマレイミドトリアジン
系、エポキシ系、ポリフェニレンエーテル系の内のいず
れかの樹脂を含浸すると好適である。配線パターン17
等を二次焼成して後これら樹脂を含浸するので、二次焼
成の温度を気にすることなく樹脂の含浸が行える。柱状
体10をスライスして得られた基板20そのままでは空
隙が多いから比較的脆いが、上記樹脂を含浸することに
より強度的に改善でき、脆さを解消できる。さらに樹脂
を含浸することにより、無機絶縁物12と樹脂との割
合、すなわち柱状体10の気孔率を調整することによ
り、基板20の熱膨張率、熱伝導率、誘電率をコントロ
ールすることができる。なお、ポリイミド系、ベンゾシ
クロブテン系の樹脂は耐熱性に優れるのでその後のプロ
セッシングに好適である。これら樹脂を無機絶縁物12
中に含浸するには、無機絶縁物12との密着性をよくす
るために、まず減圧下でシランカップリング剤等のカッ
プリング剤を含浸させ、次いでワニス状の上記樹脂と置
き換えて後、樹脂を硬化させればよい。
【0013】無機絶縁物12は、酸化アルミニウム、ム
ライト、コーディエライト、窒化アルミニウムの内のい
ずれかの高温焼成セラミック粉体を用いて焼成すると好
適である。これら高温焼成セラミック粉体を用いた焼成
後の柱状体10の状態は図2の断面図に示されるように
多孔質の状態をなし、空隙部分は表面に開口する連続相
(一部はクローズドされた空隙であってもよい)をな
す。すなわち、高温焼成セラミック粉体が緻密化しない
ように焼成するのである。柱状体12の気孔率は20体
積%以上50体積%以下が好適である。気孔率が50%
以上であると、焼成時の条件設定が容易でなく、気孔率
にバラツキがでて、再現性が悪くなる。気孔率は40%
前後の場合が焼成時の収縮もほとんどなく、寸法精度が
よい。気孔率が20%よりも少なくなると、緻密化があ
る程度進み、収縮が生じるので寸法精度上問題となるこ
とがある。また無機絶縁物中の気孔(空隙)が一部連続
気孔でなくなり、樹脂の含浸が一部なされなくなる。
【0014】一般にセラミック焼成体の緻密度は、焼成
温度、焼成時間、粉体の粒度分布等に依存するが、セラ
ミック粒が表面がガラス化して隣接するもの同士ネック
を形成して互いにくっつく程度(図2参照)の緻密化し
ない焼成条件を選定するのである。緻密化の原理は、ま
ず隣接する粒同士がネックを形成し、さらに焼成が継続
されることにより表面積を小さくしようとする表面エネ
ルギーにより粒成長して巨大な粒子となるといわれてい
る。本実施の形態ではこの粒成長する表面エネルギーが
生じる前の段階で焼成を止めるのである。したがって焼
成温度は通常の緻密化する温度条件よりも低くし、また
焼成時間も一般的には短くし、さらに粒子径はむしろ大
きめにする。粒度分布もそれ程気にしなくともよい。し
たがって焼成条件は比較的ラフでよく、製造が容易とな
る。
【0015】そしてまた本実施の形態では、上記のよう
に気孔率の大きなまま焼成されるから、焼成時の収縮率
を極めて低く抑えることができる。収縮率としては好適
には1%以下にでき、5%以下にすることは容易であ
る。したがって基板20として切りだした際の基板20
の寸法精度、具体的にはビア導体18の位置精度のよい
基板20を得ることができる。また、緻密化した場合と
比して硬度は高くなく、したがってカッターによるスラ
イシングも容易であり、生産効率も向上する。
【0016】本実施の形態では、スラリー状あるいはペ
ースト状のセラミック粉体の分散液を用いて未焼成体を
形成する。そのため、有機バインダーを用いないか、あ
るいは少量しか使用しないスラリー状あるいはペースト
状のセラミック粉体(無機絶縁物粉体)の分散液に調整
することができ、これを図5に示すように、上下のワイ
ヤガイド板2、4を介して金属細線14を平行に張設し
た容器6中に注入し、乾燥することによって未焼成体を
得ることができる。このように有機バインダーを用いな
いことから、焼成時のバインダー出しが必要ない。した
がって十分な厚さの厚物(柱状体)の焼成が短時間で可
能となった。例えば、直径10cm、高さ20cm程度
の円柱状のものが4時間程度で焼成が可能となった。こ
れにより生産性が大幅に向上した。これに比し、有機バ
インダーを用いるときは焼成時にバインダー出しが必要
となるから、例えばグリーンシートを用いる場合、厚物
だとバインダー出しが十分行えないので、高々厚さ3c
m程度の薄物の焼成しか行えない。
【0017】金属細線14には、銅、金、アルミニウム
等を用いることができる。これら金属細線14は無機絶
縁物12の焼成時、溶融してもしなくともよい。すなわ
ち、無機絶縁物12は焼成時ほとんど収縮しない(緻密
化しない)条件で焼成されるから、金属細線14が溶融
しなくとも、無機絶縁物14の収縮による断線のおそれ
がないからである。なお、金属細線14が融解して液化
した場合、液化金属の蒸発やしみ込みあるいは拡散など
により導体金属自体が無くなってしまったり、金属細線
14間にショートが生じることが考えられるが、液化金
属の蒸発に対しては未焼成体端部にセラミックペースト
あるいはスラリーによりコーティングをすることによっ
て対処でき、またセラミック中への液化金属のしみ込み
あるいは拡散は実際ほとんど起こらないことが確認され
た。
【0018】なお焼成雰囲気は大気中で行えればコスト
の点から有利である。発明者らが確認したところ、金属
細線14が銅であるときは、大気中では銅が酸化してし
まうことから、非酸化性雰囲気中でなければならない。
金属細線14がアルミニウムであるときも同様にアルミ
ニウムの酸化が予想された。しかし、金属細線14がア
ルミニウムのときは予想に反してアルミニウムの酸化は
認められなかった。アルミニウムの金属細線14の表面
側には酸化膜の形成が認められたが、この酸化膜が一種
のバリヤーとなって、中心部への酸素の進入をくい止め
るからではないかと考えられる。その結果金属細線14
がアルミニウムの場合は、低コストな大気中での焼成が
行え、また電気的導通にも支障を来さなかった。
【0019】図6は柱状体10の他の実施の形態を示
す。本実施の形態は上記と同様の構造であるが、柱状体
10中に金属細線14の他に、窒化アルミニウム等のセ
ラミック、銅等の金属、あるいはセラミックと金属との
複合体からなる放熱性に優れる棒状体22が柱状体10
の軸線と平行に埋設されている。このような柱状体10
を得るには、図5に示す容器6中に金属細線14と共に
棒状体を配置すればよいことはもちろんである(図示せ
ず)。図7は上記柱状体10をカッターで適宜厚さにス
ライスして基板20に形成した実施の形態を示す。棒状
体22がスライスされて形成された放熱体22a上に半
導体チップを搭載することができる。これにより放熱性
に優れる基板20が提供される。この場合にも、図8に
示すように、基板20に図4に示したと同様に導体ペー
ストを二次焼成して配線パターン17を形成し、半導体
チップ15を放熱体22a上に搭載し、半導体チップ1
5と配線パターン17とをワイヤにより接続し、封止樹
脂23にて封止し、バンプ19を形成することにより半
導体装置21に形成できる。なお、前記実施の形態でも
同様であるが、基板20上には1つの半導体チップを搭
載する場合だけでなく、複数の半導体チップを搭載し得
るMCM用の基板としても提供できることはもちろんで
ある。
【0020】図9はさらに他の実施の形態を示す。本実
施の形態は上記と同様の構造であるが、柱状体10中に
金属細線14の他にセラミックあるいは金属等からな
る、四角あるいは円形等の適宜な断面形状を有する筒状
体24が埋没されてなる。このような柱状体10を得る
場合にも、容器6中に金属細線14と共に筒状体24を
配設して焼成すばよい。図10はこの柱状体10をカッ
ター等で適宜厚さにスライスして基板20に形成した実
施の形態を示す。これにより貫通孔24aを有する基板
20を得ることができる。なお、筒状体24はそのまま
残しておいてもよいし、製造工程中の適宜段階で抜き取
ってもよい。製造工程中で抜き取る場合、棒状体を用い
て貫通孔を形成してもよい。貫通孔24aは搭載する半
導体チップ用のキャビティとして用いることができる。
すなわち、基板20に貫通孔24aを覆って放熱板25
aを取り付け、貫通孔24a内に位置して放熱板上に半
導体チップを搭載するようにするのである。この場合に
も、図11に示すように、基板20に図4に示したと同
様に導体ペーストを二次焼成して配線パターン17を形
成し、半導体チップ15を放熱板25a上に搭載し、半
導体チップ15と配線パターン17とをワイヤにより接
続し、封止樹脂23にて封止し、バンプ19を形成する
ことにより半導体装置21に形成できる。
【0021】上記各実施の形態では無機絶縁物に高温焼
成用のセラミックを用いた例を示したが、無機絶縁物と
して、これら酸化アルミニウム、ムライト、コーディエ
ライト、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、
窒化ケイ素の内の1種以上の高温焼成用のセラミック
と、軟化点1000℃以下のガラスとの混合焼成物であ
ってもよい。この混合焼成物の場合には、ガラス成分が
低温で融解し、セラミック粉体を濡らすことによりセラ
ミックの粒同士がくっつくので、より低温での焼成が可
能となる。図12は本実施の形態の柱状体あるいは基板
の拡大断面説明図である。セラミック粒子(無機絶縁
物)12が溶融したガラス成分13によって連結され、
粒子間に空隙が生じていることがわかる。またこれをス
ライスして前記同様に基板を得ることができる。本実施
の形態では、より収縮率を低く抑えることができ、寸法
精度のよい柱状体あるいは基板を効率よく製造すること
ができる。ガラス成分13としては、焼成処理温度にお
いて十分流動化するものであれば基本的にはどのような
組成物でもよいが、好ましくはボロシリケートガラスや
CaO-BaO-SiO2等の結晶化ガラスまたは非晶質ガラスを主
成分としたものがよい。
【0022】
【実施例】
実施例1 酸化アルミニウム粉末50重量%と軟化点約850℃の
CaO-BaO-SiO2 系ガラス50重量%の組成物100重量
部に50重量部のエタノールと0.1重量部の界面活性
剤を加え、ボールミルにて20時間混合して分散液を得
た。これを上下のワイアガイド板を介して内部に径0.
3mmの銅線を張ったステンレス円筒容器内に充填し乾
燥させた。次いでドライ窒素流中最高温度960℃で1
時間の焼成を行った。得られた焼成体は気孔率が約34
%で収縮率は約0.6%であった。この焼成体をダイア
モンドソーで厚さ約1mmの基板に切り出し、洗浄、乾
燥後、市販の銅ペーストを基板両面にスクリーン印刷
し、ドライ窒素流中最高温度910℃で10分間の焼成
を行った。次いで市販のオーバーコート用ガラスペース
トを塗布し、窒素流中最高温度650℃で10分間の焼
成を行った。得られた両面配線基板の配線部の導通率は
100%であった。酸化アルミニウム粉末の代わりに、
ムライト、コーディエライト、酸化ケイ素、窒化アルミ
ニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素粉末を単独あるいは混
合して用いた場合にもほぼ同様の結果が得られた。CaO
-BaO-SiO2 系ガラスの代わりに軟化点約640℃のボロ
シリケートガラスを用いた場合にもほぼ同様の結果が得
られた。
【0023】実施例2 酸化アルミニウム粉末90重量%、残部に二酸化ケイ
素、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムからなる焼結助
剤を添加した組成物100重量部に、エタノール50重
量部と0.1重量部の界面活性剤を加え、ボールミルに
て48時間粉砕混合して分散液を得た。これを上下のワ
イヤガイド板を介して内部に径0.3mmの銅線を張っ
た円筒容器内に充填し乾燥させた。次いでドライ窒素流
中最高温度1200℃で30分の焼成を行った。得られ
た焼成体は気孔率が約33%で焼成収縮率は約1.5%
であった。この焼成体を実施例1と同様に切断し、両面
に銅配線を形成し、基板を介した両面間の各配線の導通
率が100%であることを確認した。酸化アルミニウム
粉末の代わりに、ムライト、コーディエライト、窒化ア
ルミニウム粉末を用いた場合にもほぼ同様の結果が得ら
れた。
【0024】実施例3 窒化アルミニウム粉末50重量%と軟化点約830℃の
ボロシリケートガラス50重量%の組成物100重量部
に80重量部のエタノールと0.1重量部の界面活性剤
を加え、ボールミルにて20時間混合して分散液を得
た。これを、内部に径約0.3mmの銅線を張り、さら
に径約14mmの窒化アルミニウムセラミック棒を貫通
させたグラファイト製円筒容器内に充填し、乾燥させ
た。次いでドライ窒素中最高温度850℃で1時間の焼
成を行った。得られた焼成体をマルチブレードソーで厚
さ約0.7mmの基板に切り出し、洗浄乾燥後、市販の
低温焼成用銅ペーストを基板両面にスクリーン印刷し、
ドライ窒素中最高温度650℃で10分間の焼成を行っ
た。次いで片面にオーバーコート用ガラスペーストを印
刷し、窒素流中最高温度650℃で10分間の焼成を行
った。この基板に高温はんだバンプを介してテスト用半
導体素子を接合した後、ポッティング用エポキシレジン
を用いて封止と共に基板への含浸を行い、ランドグリッ
ト状のパッケージ形状体を得た。エポキシレジンに代え
て、ポリイミド系、ベンゾシクロブテン系、ビスマレイ
ミドトリアジン系、ポリフェニレンエーテル系のレジン
を含浸させた場合も、良好なパッケージ形状体を得た。
【0025】
【発明の効果】請求項1によれば、無機絶縁物が多孔質
に焼成されているから、硬度もそれほど高くなく、加工
性が容易で容易にスライスして基板を得ることができ
る。また収縮率も極めて低く、ビア導体の寸法精度がよ
い。なお、無機絶縁物は連続相をなすスケルトン構造を
なしているから強度的に優れている。無機絶縁物は、請
求項2のように、気孔率を20%以上50%以下にする
ことで、焼成時の焼成条件の設定が容易で、焼成時の収
縮もほとんどなく、寸法精度がよく、またスライスして
基板にした際の樹脂の含浸も良好に行える。請求項3に
よれば、柱状体中にその軸線と平行に、セラミック、金
属あるいはセラミックと金属の複合体から成る棒状体を
埋設することにより、スライスして基板に形成した際、
該セラミック、金属あるいはこれらの複合体部分を搭載
する半導体チップの放熱体とすることができる。
【0026】また請求項4によれば、柱状体中にその軸
線と平行に貫通孔を設けることにより、スライスして基
板に形成した際、この貫通孔部を搭載する半導体チップ
のキャビティとすることができる。請求項5に示すよう
に、無機絶縁物を酸化アルミニウム、ムライト、コーデ
ィエライト、窒化アルミニウムの内のいずれかの焼成物
とすることにより、焼成時、粉体間にネックが生じ、粉
体間が連結されて多孔質の焼成物となる。また、請求項
6のように、無機絶縁物を、軟化点1000℃以下のガ
ラスと、酸化アルミニウム、ムライト、コーディエライ
ト、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化
ケイ素の内のいずれか1種以上との混合焼成物とするこ
とにより、焼成時、ガラス成分がセラミック粉体を連結
する作用を生じ、焼結に至らしめず、収縮を抑えること
ができる。
【0027】請求項7に示すように、上記基板製造用配
線体をその軸線に垂直にスライスすることにより、貫通
したビア導体を有する基板を得ることができる。これら
基板は半導体チップ用基板など種々の配線基板として用
いることができる。すなわち、具体的に、請求項8のよ
うに、表面に金属導体および/または誘電体を塗布し、
焼成温度1000℃以下で二次焼成して配線パターン等
を形成して半導体チップ搭載用の基板とすることができ
る。請求項9のように、これら基板の空隙にポリイミド
系、ベンゾシクロブテン系、ビスマレイミドトリアジン
系、エポキシ系、ポリフェニレンエーテル系のいずれか
の樹脂から成る有機絶縁物を含浸すると好適である。こ
れにより脆さを改善し、強度的に優れる基板を提供でき
る。
【0028】また樹脂を含浸することにより、熱膨張
率、熱伝導率、誘電率をコントロールできる。請求項1
0に示す本発明に係る基板製造用配線体の製造方法で
は、セラミックの緻密化を図る必要がなく、焼成条件を
比較的ラフに設定でき、また短時間に焼成できるので量
産性よく柱状体を製造することができる。また請求項1
1に示すように、容器内に金属細線と共に容器の軸線に
平行にセラミック、金属あるいはこれらの複合物からな
る棒状体を配置することにより放熱体入りの基板製造用
配線体を容易に製造することができる。さらに請求項1
2では、容器内に金属細線と共に容器の軸線に平行にセ
ラミックあるいは金属からなる断面形状が円形または四
角形の筒状体を配置することにより柱状体に貫通孔を形
成するようにすることができる。請求項13では、上記
基板製造用配線体の製造方法によって得られた柱状体を
軸線に垂直にスライスして、貫通ビア導体を有する基板
を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱状体の第1の実施の形態を示した概略的な断
面図である。
【図2】図1の柱状体の拡大断面説明図である。
【図3】図1の柱状体をスライスして得た基板の説明断
面図である。
【図4】基板に半導体チップを搭載した状態の説明図で
る。
【図5】製造装置の説明断面図である。
【図6】柱状体の第2の実施の形態を示した概略的な断
面図である。
【図7】図6の柱状体をスライスして得た基板の説明断
面図である。
【図8】基板に半導体チップを搭載した状態の説明図で
る。
【図9】柱状体の第3の実施の形態を示した概略的な断
面図である。
【図10】図9の柱状体をスライスして得た基板の説明
断面図である。
【図11】基板に半導体チップを搭載した状態の説明図
でる。
【図12】ガラス成分を添加した場合の柱状体の拡大断
面説明図である。
【符号の説明】
2、4 ワイヤガイド板 6 容器 10 柱状体 12 無機絶縁物 13 ガラス成分 14 金属細線 15 半導体チップ 16 有機絶縁物 17 配線パターン 18 ビア導体 19 バンプ 20 基板 21 半導体装置 22 棒状体 22a 放熱板 23 封止樹脂 24 筒状体 24a 貫通孔

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質に焼成された無機絶縁物から成る
    柱状体中に、該柱状体の軸線と平行に金属細線が多数本
    埋設されていることを特徴とする基板製造用配線体。
  2. 【請求項2】 前記多孔質に焼成された無機絶縁物の気
    孔率が20体積%以上50体積%以下であることを特徴
    とする請求項1記載の基板製造用配線体。
  3. 【請求項3】 前記柱状体中にその軸線と平行に、セラ
    ミック、金属あるいはセラミックと金属との複合体から
    成る棒状体が埋設されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の基板製造用配線体。
  4. 【請求項4】 前記柱状体中にその軸線と平行に貫通孔
    が設けられていることを特徴とする請求項1または2記
    載の基板製造用配線体。
  5. 【請求項5】 前記無機絶縁物が、酸化アルミニウム、
    ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウムの内の
    いずれかの焼成物であることを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の基板製造用配線体。
  6. 【請求項6】 前記無機絶縁物が、軟化点1000℃以
    下のガラスと、酸化アルミニウム、ムライト、コーディ
    エライト、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ
    素、窒化ケイ素の内のいずれか1種以上との混合焼成物
    であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の基板製造用配線体。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の基板製造用配線体をその軸線に垂直にスライスして得
    られ、貫通したビア導体を有することを特徴とする基
    板。
  8. 【請求項8】 前記基板の表面に金属導体層および/ま
    たは誘電体層が形成され、焼成温度1000℃以下で二
    次焼成して成ることを特徴とする請求項7記載の基板。
  9. 【請求項9】 前記基板の気孔に、ポリイミド系、ベン
    ゾシクロブテン系、ビスマレイミドトリアジン系、エポ
    キシ系、ポリフェニレンエーテル系の内のいずれかの樹
    脂から成る有機絶縁物が含浸されていることを特徴とす
    る請求項7または8記載の基板。
  10. 【請求項10】 金属細線を容器の軸線に平行に多数本
    配置した該容器内に無機絶縁物粉末の分散液を充填し、
    乾燥後、無機絶縁物粉末を気孔率20体積%以上50体
    積%以下の範囲になるように焼成して柱状体を形成する
    ことを特徴とする基板製造用配線体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記容器内に前記金属細線と共に容器
    の軸線に平行にセラミック、金属あるいはセラミックと
    金属との複合体から成る棒状体を配置することを特徴と
    する請求項10記載の基板製造用配線体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記容器内に前記金属細線と共に容器
    の軸線に平行にセラミックあるいは金属から成る筒状体
    を配置することを特徴とする請求項10記載の基板製造
    用配線体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10、11または12記載の基
    板製造用配線体の製造方法によって得られた柱状体を軸
    線に垂直にスライスして、貫通したビア導体を有する基
    板を得ることを特徴とする基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7656013B2 (en) 2007-09-06 2010-02-02 Shinko Electric Industries Co., Ltd. Multilayer wiring substrate, method of manufacturing the same, and semiconductor device

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