JPH09330694A - 電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池 - Google Patents
電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池Info
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Abstract
に形成された微細な空隙2又は細溝に浸透して封着した
バインダー樹脂3を用いて、イオン交換性微粉体4を固
着することにより、イオン交換性微粉体が脱落すること
がなく、電解液保持性に優れ、長期間にわたってイオン
交換能を発揮することができる電池用セパレータ及びこ
れを用いたアルカリ二次電池を提供する。 【解決手段】オレフィン系繊維1の表面部は、微細な空
隙2又は細溝が存在している。前記微細な空隙2又は細
溝は、前記オレフィン系繊維を有機溶媒でエッチングす
ることにより形成される。この微細な空隙2又は細溝に
一部侵入する形でバインダー樹脂3が外部に突出した構
造で固着され、その突出部の先端の部分にイオン交換性
微粉体4が固定されている。バインダー樹脂3としては
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)
系熱可塑性共重合体が好ましい。
Description
及びこれを用いたアルカリ二次電池に関する。
−水素等のアルカリ二次電池用のセパレータには、高温
における耐アルカリ性や耐酸化性等の化学的安定性、電
解液保持性、通気性等の諸性能が要求されるため、セパ
レータの構成基材としては、オレフィン系繊維が主とし
て用いられている。しかし、オレフィン系繊維セパレー
タは、化学的安定性の点で非常に優れているが、疎水性
が大きく、電解液との親和性が劣り、電解液保持性も悪
く、長期間の充放電の繰り返し使用により電解液がドラ
イアウトし易い傾向にある。そこで、オレフィン系繊維
の問題点を解決するために、不織布シートに種々の親水
性処理を施したものとして、a.水溶性湿潤性付与剤と
して界面活性剤で後処理したもの、b.アクリル酸、ア
クリル酸エステル等のアクリル樹脂系のモノマーやポリ
マーを、紫外線や電子線によってグラフト重合したも
の、c.不活性ガス中で、酸素ガスやフッ素ガスで酸化
処理したもの、d.発煙硫酸、濃硫酸、クロル硫酸、亜
硫酸ガス等でスルフォン化処理したもの、が提案されて
いる。また、アルカリ二次電池の放電特性等を向上する
ため、耐アルカリ性合成繊維から成るセパレータ表層部
に、金属イオン吸着性を有する無機微粉体(マグネシュ
ウムシリケート)を結着剤により固着して電解液中への
離脱を防いで金属イオンを吸着せしめて反対極性への移
行をなくしたものも提案されている(特公昭52−37
574号公報)。さらに、オレフィン系樹脂繊維より構
成される多孔質シートに、エチレン−不飽和カルボン酸
共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体を基体と
し、金属カチオン(特に亜鉛イオン)を添加・溶融混合
して得られたアイオノマー樹脂を付与したものも提案さ
れている(特開平4−233158号公報)。
親水性処理を施したセパレータは、次の問題がある。即
ち、上記a,cのものは、電池の長期保存や充放電の繰
り返しによって界面活性剤や酸化物(−COOH,−O
H等)がオレフィン系繊維から簡単に脱落するため、セ
パレータ中の電解液が徐々に枯渇し、内部抵抗の上昇を
惹起し、放電容量が低下する。上記bのセパレータは、
アクリル系樹脂が耐熱性、耐酸化性に乏しいため、電池
の高温での寿命が短い。また、グラフト反応に紫外線や
電子線を使うため、オレフィン系繊維の劣化を惹起し
て、微少短絡の危険が生じる。さらに、グラフト重合時
に生じる副生物(ホモポリマー)の洗浄工程が必要であ
り、製造コストが高いという問題がある。上記dのセパ
レータは、耐熱性、耐アルカリ性、耐酸化性に優れてい
るが、電解液保持性に乏しく、この電解液保持性を改善
するためにスルフォン化率を増加させると、発煙硫酸等
の強酸によってオレフィン系繊維の劣化を生じ、微小短
絡の危険が生じる。また、スルフォン化処理後に、未反
応硫酸物の洗浄工程が必要であり、製造コストが高くつ
くという問題がある。また、無機微粉体を結着剤で固着
したセパレータは、結着剤が水系樹脂であり、かつ耐ア
ルカリ性繊維が疎水性であるため、結着剤と耐アルカリ
性繊維との接着力が弱く、無機微粉体が容易に脱落し易
いばかりか、大量の結着剤を用いると、無機微粉体の表
面が完全に結着剤によって被覆され、金属イオンの吸着
性能が十分に発揮し難く、また水系分散樹脂(エマルジ
ョン)を使用すると、その乳化剤が電解液中に溶解し
て、電池性能に悪影響を及ぼすという問題がある。とこ
ろで、近年アルカリ二次電池を使用する製品(携帯電話
・ノート型パソコン等のポータブル電子機器)の高性能
化に伴って、電池の性能(長寿命・高容量化・小型化
等)のより一層の向上が益々要求されているが、上記従
来技術では、十分に対応できていないのが実情である。
め、電解液保持性、イオン交換容量及び強度が高く、耐
アルカリ性や耐酸化性も良く、自己放電の抑制及び電池
の長寿命化を図ることができ、かつ安価に提供できる電
池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池を提
供することを目的とする。
め、本発明の電池用セパレータは、多孔性シートを構成
する有機系繊維の表面部に形成された微細な空隙又は細
溝に浸透して封着した有機溶媒に可溶なバインダー樹脂
を用いて、有機系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも
一部にイオン交換性微粉体を固着したことを特徴とす
る。この構成により、有機系繊維、バインダー樹脂、イ
オン交換性微粉体が全て耐アルカリ性、耐酸化性に優
れ、かつそれぞれの材料がアンカー効果により強固に固
着されているため、イオン交換性微粉体の物理的脱落や
化学的分解を全く生じることがなく、電解液保持性やイ
オン交換能力を長く発揮することができる。また、イオ
ン交換樹脂の付着量をコントロールするだけで、従来の
スルフォン化やアクリル酸グラフト重合処理等の親水化
処理に比べて、イオン交換容量を大幅に高め、かつ電解
液保持性向上の機能を発揮することができる。また、こ
のように構成されたセパレータをアルカリ二次電池に使
用すると、電解液中の有害イオンの吸着能力が高まり、
シャトル効果による自己放電を抑制することができると
共に、電解液枯れがし難いので、電池の長寿命化を図る
ことができる。また、上記のように固着したバインダー
樹脂はセパレータの構成基材繊維同士の結合も大にする
補強効果を発揮して、電池組み込み時の切断事故や長期
充放電サイクルによる短絡を防止することができる。
ては、バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重
量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:
0.3〜1:10の範囲であることが好適であり、より
好ましくはバインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:
0.5〜1:6の範囲である。
おいては、イオン交換性微粉体が、電解液中の有害イオ
ンを吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持する
機能を発揮するように固着されていることが好ましい。
すなわち、イオン交換性微粉体は、その表面がバインダ
ー樹脂によって完全に被覆されるのではなく、表面の一
部分を露出して被覆されるか、バインダー樹脂が微多孔
部を有して略くもの巣状に被覆されて、イオン交換性微
粉体のイオン交換能を十分に発揮することができる。こ
こで、電解液中の有害イオンとは、電解液中に出てくる
アンモニウムイオン、塩素イオン、硝酸イオン等の化学
イオンの他、マンガンイオン、鉄イオン、アルミニウム
イオン等が正極上に析出して、電池性能を劣化する金属
イオンである。
おいては、バインダー樹脂が、耐アルカリ性、耐酸化性
を有するスチレン系熱可塑性重合体、オレフィン系のポ
リプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂、ハロゲン化ポ
リオレフィン系のポリテトラフルオロエチレン樹脂から
選ばれる少なくとも一つの樹脂であることが好ましい。
スチレン系熱可塑性重合体としては、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBSと
略す)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブ
ロック共重合体(SEPSと略す)、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SISと略す)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)等を用いることができる。また前記したバインダー
樹脂の一部又は全部が、スチレン系のスチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレン系(SEBS)熱可塑性共重合
体であることが特に好ましい。
おいては、イオン交換性微粉体が、スチレン系又はアク
リル系の陽イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル系又
はフェノール系の陰イオン交換樹脂、スチレン系、アク
リル系又はピリジン系のキレート樹脂から選ばれる少な
くとも一つの樹脂であることが好ましい。また、イオン
交換性微粉体のイオン交換基は、電解液保持性を向上す
る点で、スルフォン酸基又はカルボン酸基から選ばれる
少なくとも一つであることが好ましい。
おいては、イオン交換性微粉体が、耐アルカリ性を有
し、かつアルカリ電解液中でイオン交換性を発現する金
属酸化物、水酸化物及びその無機塩から選ばれる少なく
とも一つを含むことが好ましい。また前記した本発明の
電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、チタ
ン酸カリウム、酸化ジルコニウムから選ばれる少なくと
も一つを含むことが好ましい。また前記した本発明の電
池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、表
面に微細な空隙を有する粒状、フレーク状、ウィスカ状
又は鱗片状であることが好ましい。このイオン交換性微
粉体は、冷凍粉砕法、機械粉砕法、アトマイズ法から選
ばれる少なくとも一つの方法で得られ、より好ましくは
冷凍粉砕法によるものであり、さらに、イオン交換性微
粉体の平均粒径は、100μmパス、より好ましくは5
0μmパスであるものが好ましい。
おいては、有機系繊維が、耐アルカリ性及び耐酸化性を
有するポリマー系繊維であることが好ましい。また前記
した本発明の電池用セパレータにおいては、有機系繊維
の一部又は全部が、オレフィン系繊維であることが好ま
しい。
おいては、電池用セパレータがアルカリ二次電池用セパ
レータであることが好ましい。次に本発明の電池用セパ
レータは、前記のセパレータを用いたアルカリ二次電池
であるという構成を備えたものである。この構成によ
り、電解液保持性、イオン交換容量及び強度が非常に優
れ、耐アルカリ性や耐酸化性も良く、自己放電の抑制及
び電池の長寿命化を図ることができ、かつ安価に提供で
きる電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電
池を提供することができる。
面部(繊維表面から繊維内部にいたる表層部分)を有機
溶媒でエッチングして多孔化せしめて、これに耐アルカ
リ性、耐酸化性を有する有機溶媒に可溶なバインダー樹
脂がアンカー効果により強固に固着し、この強固に固着
したバインダー樹脂によって、電解液中の有害イオンを
吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持する機能
を有するイオン交換性微粉体を、アンカー効果を有して
強固に固着している。このようにしたイオン交換性微粉
体は、セパレータ製造工程中や電池組み込み時等におい
て物理的に脱落することがなく、電解液保持性に優れ、
長期間にわたってイオン交換能を発揮することができ
る。また、上記のように固着したバインダー樹脂はセパ
レータの構成基材繊維間同士の結合も大にしてセパレー
タ自体の強度を向上するという補強効果を発揮して、電
池組み込み時の切断事故や長期充放電サイクルによる短
絡を防止することができる。
は本発明の電池用セパレータの一実施形態を示す模型的
拡大図である。図1において、1は基体であるオレフィ
ン系繊維である。前記オレフィン系繊維1の表面部は、
微細な空隙2又は細溝が存在している。前記微細な空隙
2又は細溝は、前記オレフィン系繊維を有機溶媒でエッ
チングすることにより形成される。この微細な空隙2又
は細溝に一部浸入する形でバインダー樹脂3が外部に突
出した構造で固着され、その突出部の先端の部分にイオ
ン交換性微粉体4が固定されている。また前記イオン交
換性微粉体4の一部は、露出部5が存在している。図2
は本発明の異なる実施形態を示す模型的拡大図であり、
基体であるオレフィン系繊維1の表面部は、有機溶媒で
エッチングされた微細な空隙2又は細溝が存在し、この
微細な空隙2又は細溝に一部浸入する形でバインダー樹
脂3が固着すると共に、イオン交換性微粉体4をその表
面に多数の微多孔部6を有して固着している。
る有機溶媒に可溶なバインダー樹脂を、多孔性シートを
構成する有機系繊維の表面部に形成された無数の微細な
空隙又は細溝に浸透、封着し、この浸透、封着したバイ
ンダー樹脂で以て有機系繊維表面及び繊維交絡部の少な
くとも一部にイオン交換性微粉体を、このイオン交換性
微粉体の大部分がその表面の一部を露出して固着したも
のである。
との混合重量比は1:0.3〜1:10、好ましくは
1:0.5〜1:6の範囲であり、この混合重量比が
1:0.3より小さすぎると、イオン交換性微粉体の表
面がバインダー樹脂に完全に被覆されてしまって十分な
電解液保持量とイオン交換容量が得られず、また上記混
合比が1:10より大きすぎると、バインダー樹脂によ
るイオン交換性微粉体の保持力が不足して、セパレータ
製造工程中、電池組み込み中においてイオン交換性微粉
体の物理的な脱落が生じる。
ン繊維製不織布に、バインダー樹脂(SEBS)とイオ
ン交換性微粉体(スチレンスルフォン酸型強酸性陽イオ
ン交換樹脂微粉体)との混合重量比を1:0.2〜1:
12に変化させた溶液(有機溶媒:キシロール)を用い
て試験片を作成して、この試験片を用いて後述の試験方
法にて、混合重量比とイオン交換容量の関係を測定した
ところ、図3の結果を得た。また、混合重量比と電解液
保持率の関係を測定したところ、図4の結果を得た。こ
の結果から明らかなように、バインダー樹脂とイオン交
換性微粉体との混合重量比が1:0.3未満になると、
イオン交換容量及び電解液保持率が不十分であり、1:
10を越えると、イオン交換性微粉体の脱落が生じて、
イオン交換容量及び電解液保持率が低下することが確認
することができた。
は、耐アルカリ性、耐酸化性に優れるスチレン系熱可塑
性共重合体、オレフィン系のポリプロピレン樹脂又はポ
リエチレン樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン系のポリテ
トラフルオロエチレン樹脂のいずれか一種以上を用いる
ことができ、特にスチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン(SEBS)系共重合体を一部又は全部に用いる
と、オレフィン系繊維及びイオン交換性微粉体との接着
性の点で好ましい。
オン交換容量が0.5〜4.5meq/lのスチレン
系、アクリル系、フェノール系又はピリジン系樹脂を基
体とする陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂又はキレ
ート樹脂や、イオン交換容量が0.4〜10.0meq
/gのジルコニウム系、チタン系、アルミニウム系又は
アンチモン系の金属酸化物、水酸化物又はその無機塩
で、特に酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化アンチモ
ン、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムが適当であ
る。
ニルベンゼンで三次元架橋されたポリスチレン樹脂をス
ルフォン化した強酸型陽イオン交換樹脂又はその金属塩
か、ジビニルベンゼンで三次元架橋されたポリアクリル
酸エステル樹脂を加水分解した弱酸型陽イオン交換樹脂
又はその金属塩か、またはこれらを適当に組み合わせた
ものが好適である。上記イオン交換性微粉体とは、その
形状が粒状(球状、微多孔性粒状又は微粒状のものを含
む)、フレーク状、ウィスカ状又は鱗片状のものをい
い、これらのものを単独又は混合して用いることができ
る。特に、表面に微細な多孔(空隙)を有する形状のも
のを用いるときは、バインダー樹脂とアンカー効果を有
して固着されると共に、表面積の増大に伴ってアルカリ
電解液中においてイオン交換能を十分に発揮することが
できるので好ましい。
は、100μmパス,好ましくは50μmパスである
と、樹脂表面積が大きく、樹脂の有するイオン交換容量
を十分に発揮できるため、電解液保持性を向上させると
共に、膜抵抗(内部抵抗)を低くすることができる。と
ころで、上記金属塩は、カリウム型やナトリウム型の塩
にした状態で機械的に粉砕すると、容易に微粉体を得る
ことができる。また、イオン交換性の樹脂粉体は、含水
率が35〜75%、粒度分布が0.3〜1.2mmの球
状又は破砕状のイオン交換樹脂を乾燥処理して水分を飛
ばした後、液体窒素で冷凍粉砕して作製することもでき
る。このようなイオン交換樹脂としては、陽イオン交換
樹脂でも陰イオン交換樹脂でもよく、耐アルカリ性、耐
酸化性のあるポリスチレン系樹脂やアクリル系樹脂、フ
ェノール系樹脂を基体にした、スチレン系又はアクリル
系の陽イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル系又はフ
ェノール系の陰イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル
系又はピリジン系のキレート樹脂から適宜選択して用い
ることができる。
製”デュオライト(登録商標)”、三菱化学製”ダイヤ
イオン(登録商標)”、ローム・アンド・ハース製”ア
ンバーライト(登録商標)”、ダウケミカル製”ダウエ
ックス(登録商標)”等を用いることができる。
体としては、耐アルカリ性がある、ジルコニウム系、ア
ンチモン系又はアルミニウム系の各種金属酸化物、水酸
化物又はその金属塩を用いることができ、特に酸化チタ
ンやチタン酸カリウム、酸化アンチモン、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニウム等を用いることができる。とこ
ろで、上記溶剤系バインダー樹脂としてはスチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレン系熱可塑性共重合体が、イ
オン交換性微粉体としての、三次元架橋されたポリスチ
レン樹脂をスルフォン化したカチオン交換樹脂又はその
カリウム塩との組合せがアルカリ二次電池用セパレータ
として特に好ましい。
ルカリ性、耐酸化性を有するポリマー系繊維であり、好
ましくはオレフィン系繊維を一部又は全部に用いると好
適であり、オレフィン系繊維としては、ポリプロピレン
とポリエチレンやポリメチルペンテンとポリエチレンと
から成る分割型繊維の他、オレフィン系のポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン繊維や芯がポ
リプロピレン、鞘がポリエチレンである芯鞘型のポリオ
レフィン繊維や多孔質型のポリエチレン又はポリプロピ
レン繊維が使用できる。
タの製造方法の一例としては、オレフィン系繊維を膨潤
してその表面部に多数の空隙又は細溝を形成するための
芳香族炭化水素系の溶剤に、バインダー樹脂を溶解し、
かつイオン交換性微粉体を分散したスラリーを、オレフ
ィン系繊維から成る不織布シートに含浸、散布又は塗布
した後、熱風乾燥して溶剤を蒸発する製造方法がある。
ところで、上記方法において、スラリーの付着方法を、
含浸、散布又は塗布に変えることにより、イオン交換性
微粉体を不織布シートの内部に略均一に分散したり、ま
たは表面部から内部に又は逆に、比較的微細な粒径のイ
オン交換性微粉体が分散した高密度域を形成し、比較的
大なる粒径のイオン交換性微粉体が分散した低密度域を
形成する密度勾配型にすることができる。そして、この
密度勾配型にしたときは、セパレータを電池に組み込む
とき、高密度側を負極に、低密度側を正極に配置するこ
とにより、ガス透過性をより一層向上することができ
る。
キシレン、トルエン、メチルシクロヘキサン、テトラヒ
ドロナフタレン、デカヒドロナフタレンのいずれか一種
以上が適当である。ところで、蒸発速度の早いベンゼン
やシクロヘキサンのような芳香族系炭化水素の溶剤を使
用したり、加熱温度が高すぎると、溶剤の溶解作用によ
って繊維表面部に空隙又は細溝が形成される前に、溶剤
が蒸発してしまうため、オレフィン系繊維とバインダー
樹脂との接着力が不十分となり、また、イオン交換性微
粉体の脱落が生じ易くなって好ましくない。
用を生じる溶剤によって形成されたオレフィン系繊維表
面部の無数の微細な空隙又は細溝に、バインダー樹脂が
潜入して強固に固着し、イオン交換性微粉体がこの一種
のアンカー効果を有するバインダー樹脂で以て、多孔性
シートの繊維表面又は繊維交絡部の少なくともその一部
に、大部分のイオン交換性微粉体がその表面の一部に露
出部を有して強固に固着される。ここで、大部分のイオ
ン交換性微粉体がその表面の一部に露出部を有している
とは、分散したイオン交換性微粉体の全部がその全表面
をバインダー樹脂で完全に被覆された状態ではなく、完
全に被覆されたものや一部被覆されたものが混在して、
一部被覆されたものが過半数を占めている状態をいうも
のである。
各イオン交換性微粉体の表面の一部に存在している状態
をいうが、イオン交換性微粉体の表面積の少なくとも3
分の1以上の割合で多数の微多孔部を有するくもの巣状
に占める状態を呈する方がより好ましい。また、バイン
ダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比、付着量
をコントロールしたり、イオン交換性微粉体をカチオン
交換性微粉体とアニオン交換性微粉体とを併用すること
によって、電解液保持性やイオン交換性能等を要求され
る電池性能に応じて自由にコントロールすることができ
る。
説明する。 (実施例1)ポリエチレンとポリプロピレンとから成る
分割型ポリオレフィン繊維(大和紡績製 商品名DF−
72,繊度2d,分割後繊度0.2d)を用いて通常の
抄造法でシート化した後、ウオータジェット加工し、熱
カレンダー加工して、目付30g/m2 ,厚み100μ
mの不織布シートを作製した。次に、上記不織布シート
を、下記配合条件のスラリー(溶媒:キシロール、固形
分濃度10%)に含浸した後、80℃×5分間熱風乾燥
処理して溶剤を蒸発し、続いて厚み調整のために、熱ロ
ール(温度125℃)によるカレンダー加工をして、付
着量6g/m2 ,目付36g/m2 ,厚み100μmの
セパレータaを作製した。 配合条件1 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 スチレンスルフォン酸型強酸性陽イオン交換樹脂微粉体 300 (住友化学製、商品名Duolite C-20) 機械粉砕 100μmパス
いて、下記配合条件2のスラリー(溶媒及び固形分濃度
は実施例1と同じ)に含浸して実施例1と同様の方法
で、付着量6g/m2,目付36g/m2 ,厚み100μm
のセパレータbを作製した。 配合条件2 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 スチレンスルフォン酸型強酸性陽イオン交換樹脂微粉体 100 (住友化学製、商品名Duolite C-20) 機械粉砕 100μmパス
トを用いて、下記配合条件3のスラリー(溶媒及び固形
分濃度は実施例1と同じ)に含浸して、実施例1と同様
の方法で、付着量6g/m2 ,目付36g/m2 ,厚み
100μmのセパレータcを作製した。 配合条件3 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 酸化ジルコニウム粉粒体 300 (東亜合成化学製 商品名IXE-100) 100μmパス 上記実施例1,2,3の各セパレータの構成は、模型的
拡大図である図1に示すように、オレフィン系繊維1の
表面部に無数の空隙2を有し、この空隙2内に溶剤系バ
インダー樹脂3が浸透して封着して強固に固着するとと
もに、この溶剤系バインダー樹脂3が繊維表面及び繊維
交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体4を、そ
の大部分の表面に露出部5を有して強固に固着してい
た。
がポリエチレンから成る芯鞘型ポリオレフィン繊維(大
和紡績 商品名NBF,繊度0.9d/1.5d,混合
比率1:1)を用いて通常のカード法でクロスウェブの
シート化した後、熱カレンダー加工をして、目付50g
/m2 ,厚み170μmの不織布シートを作製した。次
に、上記不織布シートの内部に、下記配合条件4のスラ
リー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)が浸透す
るように塗布加工を施した後、100℃×5分間熱風乾
燥処理をして溶剤を蒸発して、付着量6g/m2 ,目付
56g/m2,厚み170μmの電池用セパレータdを
作製した。 配合条件4 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 スチレンスルフォン酸型強酸性陽イオン交換樹脂微粉体 100 (住友化学製、商品名Duolite C-20) 冷凍粉砕 100μmパス
トを用いて、下記配合条件5のスラリー(溶媒及び固形
分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するよう
に実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付5
6g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータeを作
製した。 配合条件5 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 スチレンアクリル酸型弱酸性陽イオン交換樹脂微粉体 100 (住友化学製、商品名Duolite C-433) 冷凍粉砕 100μmパス
トを用いて、下記配合条件6のスラリー(溶媒及び固形
分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するよう
に実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付5
6g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータfを作
製した。 配合条件6 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 スチレン4級アンモニウム塩強塩基性陰イオン交換樹脂微粉体 100 (住友化学製、商品名Duolite A-113) 冷凍粉砕 100μmパス
トを用いて、下記配合条件7のスラリー(溶媒及び固形
分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するよう
に実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付5
6g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータgを作
製した。 配合条件7 混合重量比 SEBS樹脂(シェル製、商品名Kraton G-1652) 100 酸化ジルコニウム粉粒体 100 (東亜合成化学製 商品名IXE-100) 冷凍粉砕 100μmパス
の構成は、模型的拡大図である図2に示すように、基体
であるオレフィン系繊維1の表面部に、有機溶媒でエッ
チングされた微細な空隙又は細溝を有し、この微細な空
隙又は細溝に浸入する形でバインダー樹脂3が固着する
と共に、イオン交換性微粉体4をその表面に有して強固
に固着していた。また前記バインダー樹脂3には多数の
微多孔部6を有し、イオン交換性微粉体4が外部の液体
と直接接触できる状態を示していた。
(溶媒:水、固形分濃度10%)を用いて、実施例1と
同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付40g/m2 ,
厚み100μmのセパレータhを作製した。 配合条件8 混合重量比 PPエマルジョン 100 (三井石油化学製、ケミパールWP100,有効成分40%) スチレンスルフォン酸系強酸性陽イオン交換樹脂微粉体 300 (住友化学製、商品名Duolite C-20) 機械粉砕 100μmパス
SEBS樹脂とイオン交換樹脂粉体の重量比100:2
0にしたスラリーを用いて、付着量10g/m2 ,目付
56g/m2 、厚み170μmのセパレータiを作製し
た。
SEBS樹脂とイオン交換樹脂粉体の重量比100:1
200にしたスラリーを用いて、付着量6g/m2,目
付30g/m2、厚み100μmのセパレータjを作製
した。
した目付30g/m2,厚さ100μmの不織布シート
と、実施例4と同様の方法で作製した目付50g/m2,
厚さ170μmの不織布シートとに、公知の方法で発煙
硫酸及び濃硫酸を用いてスルフォン化処理したセパレー
タk,lを作製した。
方法で作製した目付30g/m2,厚さ100μmと目付
50g/m2,厚さ170μmの各不織布シートに、公知
の方法でアクリル酸をグラフト重合したセパレータm,
nを作製した。次に、上記実施例1,2,3,4,5,
6,7と比較例1,2,3と従来例1,2の各セパレー
タa,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,
m,nの14種類を用いて、下記試験方法で、耐アルカ
リ性、耐酸化性、電解液保持率、イオン交換容量、強度
を測定したところ表1の結果を得た。
の試験方法は次の通りである。 強度試験:引張試験機を用いて、チャック間距離10c
mで両端を把持した試験片(巾2cm)を引っ張り、破
断したときの強度を測定し、次式に基づき算出した。 強度比(%)=処理後の試験片強度/処理前の試験片強
度×100
らせてその重量(W)を測定した後、比重1.30の水
酸化カリウム溶液中に浸し、100℃で1時間浸漬す
る。その後水洗・乾燥して水分平衡状態に至らせたとき
の重量(W1 )を測定し、次式より耐アルカリ性を求め
た。 耐アルカリ性(%)=(W−W1 )/W×100
てその重量(W)を測定した後、1%の過マンガン酸カ
リウム溶液250ccに30%の水酸化カリウム溶液5
00ccを加えた混合溶液中に浸し、50℃で1時間浸
漬する。その後水洗・乾燥して水分平衡状態にに至らせ
たときの重量(W1 )を測定し、次式より耐酸化性を求
めた。 耐酸化性(%)=(W−W1 )/W×100(%)
平衡状態に至らせてその重量(W)を測定した後、試験
片中の空気を比重1.30の水酸化カリウム0.025
g/cm2 で置換し、水酸化カリウム溶液を保持させ
る。その後、この試験片を上下2枚のろ紙(直径20c
m)で挟み、上部より10分間、5kgの加重をした
後、試験片の重量(W1 )を測定し、次式により電解液
保持率を求めた。 電解液保持率(%)=(W−W1 )/W×100
至らせてその重量(W)を測定する。この試験片を5N
の塩酸200cc中に3時間浸積した後、取り出して蒸
留水で十分に洗浄し、100℃で1時間乾燥する。その
後、この試験片を0.05Nの水酸化カリウム50cc
中に60℃で5時間浸漬後、上澄み10ccを精取し、
ブロムクレゾールグリーン指示薬を加え0.05Nの塩
酸(力価fcl)を用いて滴定する。このときの0.05
N塩酸の消費量をXccとして、次式よりイオン交換容
量を求めた。 イオン交換容量(meq/m2 )=(10fk −fCl×
X)/4W
c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,nと、
正極にペースト式Ni極、負極にペースト式MH極及び
アルカリ電解液を用いて、電気容量2.1〜2.5A
(0.1時間率で充放電)のサブCサイズの密閉型ニッ
ケル水素電池A,B,C,D,E,F,G,H,I,
J,K,L,M,Nを作製し、これらの電池の高率放電
時の利用率、自己放電後の容量保持率及び充放電サイク
ル寿命を測定し、各セパレータの性能評価を行った。そ
の測定結果を表2に示す。
の試験方法は次の通りである。 初期活性化条件:温度30℃、放電0.1C率(290
mA)×12時間、休止0.5時間、放電0.1C率
(終止電圧1.0V)で10サイクル行った。 高率放電試験:温度30℃、放電0.2C率(290m
A)×6時間、休止0.5時間、放電0.1C率(終止
電圧0.8V)した時の放電容量に対する、同条件で充
電後、2.0C率(終止電圧0.8V)で放電した時の
放電容量の比を測定して求め、その値を高率放電時の利
用率(%)とした。 自己放電試験:温度30℃、放電0.1C率×12時
間、休止0.5時間、放電0.1C率(終止電圧1.0
V)した時の放電容量に対し、同条件で充電後、45℃
下で2週間放置した時の残存容量(0.1C率放電、終
止電圧1.0V)の比を自己放電後の容量保持率(%)
とした。 サイクル寿命特性:温度30℃、充電0.2C率×5時
間、休止時間0.5時間、放電0.2C率(終止電圧
1.0V)で500サイクル後の容量保持率を測定して
求めた。 なお、比較例Jはイオン交換樹脂粉体が脱落して電池の
組み込みができなかった。
グラフにまとめると図5のようになる。また同表のイオ
ン交換容量の比較をグラフにまとめると図6のようにな
る。次に上記表2の高率放電時の利用率の比較をグラフ
にまとめると図7のようになる。また同表の自己放電後
の容量保持率の比較をグラフにまとめると図8のように
なる。さらに同表の電池容量のサイクル変化の比較をグ
ラフにまとめると図9のようになる。上記表1〜2、及
び図5〜9から明らかなように、本発明の実施例のセパ
レータa〜g及び密閉型ニッケル水素電池A〜Gは、従
来例のセパレータk〜n及び密閉型ニッケル水素電池K
〜Nに比較して、それぞれ電解液保持率、イオン交換容
量及び強度において大幅に向上し、また電池の性能試験
においても特に自己放電後の容量保持率及び500サイ
クル後の容量保持率において飛躍的に向上することが確
認できた。
してポリエチレンとポリプロピレンとから成る分割型繊
維を用いて抄造法でシート化し、また芯鞘型繊維を用い
て通常のカード法でシート化したが、他の上述した繊維
以外の有機系繊維を用いてシート化することも可能であ
る。
オレフィン系繊維表面部に形成された無数の微細な空隙
又は細溝内に浸透して密着したバインダー樹脂を用い
て、オレフィン系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも
一部にイオン交換性微粉体がアンカー効果で強固に固着
されているため、電解液保持性、イオン交換容量及び強
度が非常に優れ、耐アルカリ性や耐酸化性も非常に良
く、自己放電の制御及び電池の長寿命化を図ることがで
きる。
表面部にアンカー効果を有して固着しているため、繊維
間同士の接着力を補強するよう作用して、細デニールの
繊維を使用しても繊維強度の低下をきたさず、電池組み
込み時の切断事故や、繰り返し充放電による繊維劣化が
生ぜず、微小短絡が生じることがなく、電池用セパレー
タの薄膜化を図ることができ、電池の高容量化に対応で
きる。
合やスルフォン化処理のような、未反応物の洗浄工程が
必要でないため、安価に製造することができる。また、
紫外線や電子線、あるいは強酸を使用しないため、セパ
レータの構成繊維基材であるオレフィン系繊維が劣化せ
ず、微小短絡の危険を生じることがない。
体との混合重量比や付着量を変化することによって、電
解液保持性やイオン交換性能等を簡単に調整することが
できる。このセパレータを用いたアルカリ二次電池は放
電特性に優れ、充放電を繰り返し行っても高い容量保持
率を有する。
型的拡大図である。
模型的拡大図である。
換性微粉体との混合重量比とイオン交換容量の関係図で
ある。
換性微粉体との混合重量比と電解液保持率の関係図であ
る。
の加圧時の電解液保持率の比較を示すグラフである。
容量の比較を示すグラフである。
密閉型ニッケル水素電池において、高率放電時の利用率
の比較を示すグラフである。
密閉型ニッケル水素電池において、充電後、45℃で2
週間保存した場合の容量保持率の比較を示すグラフであ
る。
密閉型ニッケル水素電池において、電池容量のサイクル
変化の比較を示すグラフである。
Claims (17)
- 【請求項1】 多孔性シートを構成する有機系繊維の表
面部に形成された微細な空隙又は細溝に浸透して封着し
た有機溶媒に可溶なバインダー樹脂を用いて、有機系繊
維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性
微粉体を固着したことを特徴とするアルカリ二次電池用
セパレータ。 - 【請求項2】 バインダー樹脂とイオン交換性微粉体と
の混合重量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体
=1:0.3〜1:10の範囲である請求項1に記載の
電池用セパレータ。 - 【請求項3】 バインダー樹脂とイオン交換性微粉体と
の混合重量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体
=1:0.5〜1:6の範囲である請求項2に記載の電
池用セパレータ。 - 【請求項4】 イオン交換性微粉体が、電解液中の有害
イオンを吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持
する機能を有する請求項1に記載の電池用セパレータ。 - 【請求項5】 バインダー樹脂が、耐アルカリ性、耐酸
化性を有するスチレン系熱可塑性重合体、オレフィン系
のポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂、ハロゲン
化ポリオレフィン系のポリテトラフルオロエチレン樹脂
から選ばれる少なくとも一つの樹脂である請求項1に記
載の電池用セパレータ。 - 【請求項6】 バインダー樹脂の一部又は全部が、スチ
レン系のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系
(SEBS)熱可塑性重合体である請求項1又は5に記
載の電池用セパレータ。 - 【請求項7】 イオン交換性微粉体が、スチレン系又は
アクリル系の陽イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル
系又はフェノール系の陰イオン交換樹脂、スチレン系、
アクリル系又はピリジン系のキレート樹脂から選ばれる
少なくとも一つを含む請求項1に記載の電池用セパレー
タ。 - 【請求項8】 イオン交換性微粉体のイオン交換基が、
スルフォン酸基又はカルボン酸基から選ばれる少なくと
も一つである請求項6又は7に記載の電池用セパレー
タ。 - 【請求項9】 イオン交換性微粉体が、耐アルカリ性を
有し、かつアルカリ電解液中でイオン交換性を発現する
金属酸化物、水酸化物及びその無機塩から選ばれる少な
くとも一つを含む請求項1又は4に記載の電池用セパレ
ータ。 - 【請求項10】 イオン交換性微粉体が、酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化アンチモン、チタン酸カリウ
ム、酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つを含
む請求項9に記載の電池用セパレータ。 - 【請求項11】 イオン交換性微粉体が、表面に微細な
空隙を有する粒状、フレーク状、ウィスカ状又は鱗片状
である請求項1又は5に記載の電池用セパレータ。 - 【請求項12】 イオン交換性微粉体の平均粒径が、1
00μmパスである請求項1又は5に記載の電池用セパ
レータ。 - 【請求項13】 イオン交換性微粉体の平均粒径が、5
0μmパスである請求項12に記載の電池用セパレー
タ。 - 【請求項14】 有機系繊維が、耐アルカリ性及び耐酸
化性を有するポリマー系繊維である請求項1に記載の電
池用セパレータ。 - 【請求項15】 有機系繊維の一部又は全部が、オレフ
ィン系繊維である請求項1又は14に記載の電池用セパ
レータ。 - 【請求項16】 電池用セパレータがアルカリ二次電池
用セパレータである請求項1に記載の電池用セパレー
タ。 - 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載のセ
パレータを用いたアルカリ二次電池。
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1997
- 1997-03-12 JP JP05817797A patent/JP3783048B2/ja not_active Expired - Lifetime
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