JPH09328472A - キノリン誘導体およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

キノリン誘導体およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH09328472A
JPH09328472A JP8146948A JP14694896A JPH09328472A JP H09328472 A JPH09328472 A JP H09328472A JP 8146948 A JP8146948 A JP 8146948A JP 14694896 A JP14694896 A JP 14694896A JP H09328472 A JPH09328472 A JP H09328472A
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triphenylquinoline
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JP8146948A
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Toshihiro Onishi
敏博 大西
Masanobu Noguchi
公信 野口
Hideji Doi
秀二 土居
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】蛍光の量子収率が高く、熱安定性に優れ、溶媒
に可溶な2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体およ
びそれを用いて塗布法により容易に発光層の形成が可能
で優れた特性を有する有機エレクトロルミネッセンス素
子を提供する 【解決手段】〔1〕下記式(1)で表される2,3,4
−トリフェニルキノリン誘導体。 (式中、R1 、R2 、R3 は、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数1〜20のアルコキシ基など、mは、0〜
3の整数、n、pは、1〜3の整数である。同一のベン
ゼン環の置換基が複数のときには、該置換基は、互いに
同一でも異なってもよい。) 〔2〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、発光層が〔1〕記載
の2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体を含む有機
エレクトロルミネッセンス素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,3,4−トリ
フェニルキノリン誘導体およびそれを用いて作成された
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素
子ということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが、発光させるのに高電圧の交流が必要で
あった。近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層と
し、これと電子写真の感光体等に用いられている有機電
荷輸送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL素
子を作製し、低電圧駆動、高効率、高輝度の有機EL素
子を実現させた(特開昭59−194393号公報)。
有機EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高
輝度に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特
徴があることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸
送化合物について多くの試みが報告されている〔Jp
n.J.Appl.Phys.第27巻、L269頁
(1988年)〕、〔J.Appl.Phys.第65
巻、3610頁(1989年)〕。キノリンの誘導体に
関しては、ジキノリン誘導体、トリキノリン誘導体を用
いた有機EL素子が、特開平7−150137号公報に
開示されている。
【0003】しかしながら、これまで報告されたキノリ
ン誘導体は、強い蛍光を示す化合物であっても、薄膜で
結晶化しやすく、熱安定性が十分とはいえないものもあ
った。また、有機EL素子の発光層として用いるために
薄膜化することが、必ずしも容易ではなかった。強い蛍
光を持ち、溶媒への溶解性も十分で、安定性にすぐれた
キノリン誘導体を用いて、塗布法により容易に作成でき
る有機EL素子が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蛍光
の量子収率が高く、熱安定性に優れ、溶媒に可溶な2,
3,4−トリフェニルキノリン誘導体およびそれを用い
て塗布法により容易に発光層の形成が可能で優れた特性
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような事情をみて、
本発明者等は、溶媒に可溶で、熱安定性に優れ、強い蛍
光を持つ蛍光体について鋭意検討してきた。その結果、
2,3,4−トリフェニルキノリンを骨格とし、特定の
置換基を有する2,3,4−トリフェニルキノリン誘導
体が、強い蛍光を示すことを見いだし、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、〔1〕下記一般式
(1)で表される2,3,4−トリフェニルキノリン誘
導体に係るものである。
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 は、それぞれ独立に炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜40の芳
香族化合物基または炭素数4〜40の複素環化合物基で
ある。mは、0〜3の整数であり、n、pは、それぞれ
独立に1〜3の整数である。同一のベンゼン環の置換基
が複数のときには、該置換基は、互いに同一でも異なっ
てもよい。)
【0007】また、本発明は、〔2〕少なくとも一方が
透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる
電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、該発光層が〔1〕記載の
2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体を含む有機エ
レクトロルミネッセンス素子に係るものである。
【0008】さらに本発明は、〔3〕少なくとも一方が
透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる
電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、さらに、陰極と発光層との
間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含む層を
設けてなり、該発光層および/または該電子輸送性化合
物を含む層が〔1〕記載の2,3,4−トリフェニルキ
ノリン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子
に係るものである。
【0009】さらに、本発明は、〔4〕少なくとも一方
が透明または半透明である一対の陽極および陰極からな
る電極間に、少なくとも発光層を有する有機エレクトロ
ルミネッセンス素子において、さらに、該陰極と該発光
層との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含
む層を設けてなり、該陽極と該発光層との間に、該発光
層に隣接して正孔輸送性化合物を含む層とを設けてな
り、該発光層および/または該電子輸送性化合物を含む
層が〔1〕記載の2,3,4−トリフェニルキノリン誘
導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に係るも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の2,3,4−トリフェニルキノリン誘導
体は、前記一般式(1)で表される化合物であることを
特徴とする。一般式(1)中、R1 、R2 、R3 は、そ
れぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜
20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ
基、炭素数6〜40の芳香族化合物基または炭素数4〜
40の複素環化合物基であり、mは、0〜3の整数であ
り、n、pは、それぞれ独立に1〜3の整数である。ま
た、同一のベンゼン環の置換基が複数のときには、該置
換基は、互いに同一でも異なってもよい。
【0011】具体的には、炭素数1〜20のアルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、メチル基、
エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基が好ましい。
【0012】また、炭素数1〜20のアルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ
基、オクチルオキシ基が好ましい。
【0013】アルキルチオ基としては、メチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチ
ルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチル
チオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げら
れ、メチルチオ基、エチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘ
キシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好ま
しい。
【0014】炭素数6〜40の芳香族化合物基として
は、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基
(ここで、C1 〜C12は炭素数1〜12であることを示
す。以下も、同様の意味の記載をすることがある。)、
4−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、
2−ナフチル基などが例示される。
【0015】炭素数4〜40の複素環化合物基として
は、2−チエニル基、2−ピロリル基、2−ピリジル
基、3−ピリジル基または4−ピリジル基などが例示さ
れる。合成の容易さから、アルコキシ基、芳香族化合物
基が特に好ましい。具体例として、次に示す化合物を挙
げることができるが、これに限定されるものではない。
【0016】
【化3】
【0017】本発明の2,3,4−トリフェニルキノリ
ン誘導体は、原料の組み合わせにより、R1 、R2 、R
3 が異なる構造を有する基とすることができるが、合成
の容易さから、R2 、R3 は、それぞれ同じものである
ことが好ましい。
【0018】本発明の2,3,4−トリフェニルキノリ
ン誘導体は、分子中に柔軟な部分を有していることか
ら、基本的には溶剤に溶解させて成膜することが困難で
はないが、1つの分子中に、少なくとも1つ、炭素数1
〜16のアルキル基またはアルコキシ基が含まれること
が好ましい。
【0019】なお、本発明の2,3,4−トリフェニル
キノリン誘導体に対する良溶媒としては、クロロホル
ム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラ
ン、トルエン、キシレンなどが例示される。2,3,4
−トリフェニルキノリン誘導体の構造にもよるが、通常
はこれらの溶媒に0.1wt%以上溶解させることがで
きる。
【0020】有機エレクトロルミネッセンス素子作成の
際に、これらの有機溶媒可溶性の2,3,4−トリフェ
ニルキノリン誘導体を用いることにより、溶液から成膜
する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去する
だけでよく、また後述する電荷輸送材料を混合した場合
においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利で
ある。
【0021】本発明の2,3,4−トリフェニルキノリ
ン誘導体の製造方法としては、例えば、2−アミノベン
ゾフェノンとカルボニル基に隣接したメチレン基を持つ
カルボニル化合物との分子間脱水縮合させる方法が例示
される。
【0022】次に、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子について説明する。本発明の有機エレクトロル
ミネッセンス素子は、少なくとも一方が透明または半透
明である一対の電極間に設けられた発光層および/また
は電子輸送性化合物を含む層(以下、電子輸送層という
ことがある。)に、一般式(1)で表される、1種類以
上の2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体を、含む
ものである。
【0023】具体的には、本発明の有機EL素子は、少
なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極およ
び陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する有
機EL素子において、該発光層が本発明の2,3,4−
トリフェニルキノリン誘導体を含むものである。該発光
層は、さらに電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材
料の総称を意味する。)を含んでもよい。また、該有機
EL素子において、さらに、陽極と発光層との間に、該
発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む層を設けるこ
とが好ましい。
【0024】また、本発明の有機EL素子は、少なくと
も一方が透明または半透明である一対の陽極および陰極
からなる電極間に、少なくとも発光層を有する有機EL
素子において、さらに、陰極と発光層との間に、該発光
層に隣接して電子輸送性化合物を含む層を設けてなり、
該発光層または該電子輸送性化合物を含む層または該発
光層と該電子輸送性化合物を含む層が、本発明の2,
3,4−トリフェニルキノリン誘導体を含む有機EL素
子である。
【0025】さらに、本発明の有機EL素子は、少なく
とも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰
極からなる電極間に、少なくとも発光層を有する有機E
L素子において、さらに、該陰極と該発光層との間に、
該発光層に隣接して電子輸送性化合物を含む層を設けて
なり、該陽極と該発光層との間に、該発光層に隣接して
正孔輸送性化合物を含む層とを設けてなり、該発光層ま
たは該電子輸送性化合物を含む層または該発光層と該電
子輸送性化合物を含む層が、本発明の2,3,4−トリ
フェニルキノリン誘導体を含む有機EL素子である。
【0026】また、発光層や電荷輸送層は、1層の場合
も複数の層を組み合わせる場合も本発明に含まれる。さ
らに、発光層に、例えば下記に述べる該2,3,4−ト
リフェニルキノリン誘導体以外の発光材料を混合使用し
てもよい。また、該2,3,4−トリフェニルキノリン
誘導体および/または電荷輸送材料を高分子化合物に分
散させた層とすることもできる。
【0027】本発明に用いられる2,3,4−トリフェ
ニルキノリン誘導体とともに使用される電荷輸送材料、
すなわち電子輸送材料または正孔輸送材料としては公知
のものが使用でき、特に限定されない。正孔輸送材料と
しては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、ス
チルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはそ
の誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ
(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、また
はポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘
導体等が挙げられる。
【0028】電子輸送材料としては、オキサジアゾール
誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベ
ンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくは
その誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テト
ラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フ
ルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしく
はその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒド
ロキシキノリンの金属錯体もしくはその誘導体の金属錯
体等が例示される。具体的には、特開昭63−7025
7号公報、同63−175860号公報、特開平2−1
35359号公報、同2−135361号公報、同2−
209988号公報、同3−37992号公報、同3−
152184号公報に記載されているもの等が例示され
る。
【0029】これらの中で、正孔輸送材料としては、ト
リフェニルジアミン誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾ
ール)が好ましく、電子輸送材料としては、オキサジア
ゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アン
トラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシ
キノリンの金属錯体もしくはその誘導体の金属錯体が好
ましい。特に、正孔輸送材料としては、4,4’−ビス
(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビ
フェニル、ポリ(N−ビニルカルバゾール)が好まし
く、電子輸送材料としては、2−(4−ビフェニリル)
−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス
(8−キノリノール)アルミニウムが好ましい。これら
のうち、電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物のい
ずれか一方、または両方を同時に使用すればよい。これ
らは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
【0030】発光層と電極の間に電荷輸送層を設ける場
合、これらの電荷輸送材料を使用して電荷輸送層を形成
すればよい。また、電荷輸送材料を発光層に混合して使
用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用する化合物の
種類等によっても異なるので、十分な成膜性と発光特性
を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決めればよ
い。通常、発光材料に対して1〜40重量%であり、さ
らに好ましくは2〜30重量%である。
【0031】本発明に用いられる2,3,4−トリフェ
ニルキノリン誘導体と共に使用できる既知の発光材料と
しては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン誘導
体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしく
はその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン
系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン
の金属錯体もしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミ
ン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘
導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘
導体などを用いることができる。具体的には、例えば特
開昭57−51781号公報、同59−194393号
公報に記載されているもの等が使用可能である。
【0032】つぎに、本発明の有機EL素子の代表的な
作製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対
の電極において、透明または半透明な電極としては、ガ
ラス、透明プラスチック等の透明基板の上に、透明また
は半透明の電極を形成したものが挙げられる。該陽極の
材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄
膜等が用いられる。具体的にはインジウム・スズ・オキ
サイド(ITO)、酸化スズ等からなる導電性ガラスを
用いて作成された膜(NESAなど)、Au、Pt、A
g、Cu等が用いられる。作製方法としては真空蒸着
法、スパッタリング法、メッキ法などが用いられる。
【0033】次いで、この陽極上に発光材料として、上
記2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体を含む発光
層を形成する。形成方法としては、これら材料を真空蒸
着する方法、また溶液、混合液もしくは溶融液を使用す
るスピンコーティング法、キャスティング法、ディッピ
ング法、バーコート法またはロールコート法等の塗布法
が例示される。これらの中で、溶液もしくは混合液を用
いるスピンコーティング法、キャスティング法、ディッ
ピング法、バーコート法またはロールコート法等の塗布
法により成膜するのが特に好ましい。
【0034】該発光層の厚さとしては、好ましくは0.
5nm〜10μm、さらに好ましくは1nm〜1μmで
ある。電流密度を上げて発光効率を上げるためには、該
発光層の厚さは、10〜500nmの範囲が好ましい。
なお、塗布法により薄膜化した場合には、溶媒を除去す
るため、減圧下または不活性雰囲気下において、好まし
くは30〜200℃、さらに好ましくは30〜100℃
の温度で加熱乾燥することが望ましい。
【0035】また、該発光層と電荷輸送層(正孔輸送層
および電子輸送層の総称を意味する。)とを積層する場
合には、上記の成膜方法で発光層を設ける前に陽極の上
に正孔輸送層を形成すること、および/または発光層を
設けた後にその上に電子輸送層を形成することが好まし
い。
【0036】電荷輸送層の成膜方法としては、特に限定
されないが、電荷輸送材料の粉末を真空蒸着する方法、
または電荷輸送材料を溶解した溶液を用いるスピンコー
ティング法、キャスティング法、ディッピング法、バー
コート法もしくはロールコート法等の塗布法、または高
分子化合物と電荷輸送材料とを溶液状態もしくは溶融状
態で混合し、分散させた液を用いるスピンコーティング
法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法
もしくはロールコート法等の塗布法を用いることができ
る。
【0037】混合する高分子化合物としては、特に限定
されないが、電荷輸送を極度に阻害しないものが好まし
く、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用
いられる。混合する高分子化合物としては、例えば、ポ
リ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくは
その誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ
(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ
(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、
ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアク
リレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、またはポリシロキサンなどが例示され
る。成膜が容易に行なえるという点では、塗布法を用い
ることが好ましい。
【0038】電荷輸送層の厚さは、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚さが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電荷輸送層の厚さは、好まし
くは0.5nm〜10μm、さらに好ましくは1nm〜
1μm、特に好ましくは5〜200nmである。
【0039】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は、電子注入陰極となる。その材
料としては、特に限定されないが、イオン化エネルギー
の小さい材料が好ましい。該電極として、例えば、A
l、In、Mg、Ca、Li、Mg−Ag合金、In−
Ag合金、Mg−In合金、Mg−Al合金、Mg−L
i合金、Al−Li合金、グラファイト薄膜等が用いら
れる。陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタ
リング法等が用いられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 実施例1 <2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体1の合成>
4’−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)アセト
フェノン5.12gと2−アミノベンゾフェノン3.9
4gとを氷酢酸40mlに溶解した液に、濃硫酸2ml
を添加し、昇温、4時間還流し、反応させた。この反応
液を冷却した後、氷冷した濃アンモニア水50gとイオ
ン交換水80gの混合溶媒中に滴下した。生成した沈澱
を濾別した後、繰り返し水洗した。これを減圧乾燥し
て、下記式で表される2,3,4−トリフェニルキノリ
ン誘導体1を得た。
【化4】 該2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体1の構造に
ついては、NMR、質量分析法で確認した。
【0041】具体的には、NMRにおいては、測定溶媒
は、CDCl3 であり、検出ピークは、3.6〜3.8
ppmと6.5〜7.7ppmであり、それぞれの積分
値から算出されたプロトン数は、6Hと17Hであっ
た。質量分析法においては、FAB−MS(高速電子衝
撃法)を用い、加速電圧は、8kVであり、衝突原子は
Xeであり、検出ピークは、m/e=418であった。
【0042】<2,3,4−トリフェニルキノリン誘導
体1の蛍光測定>2,3,4−トリフェニルキノリン誘
導体をクロロホルムに溶解した。その溶液を石英板上に
スピンコートして薄膜を得た。この薄膜の蛍光スペクト
ルを日立製作所製蛍光分光光度計850を用いて測定し
たところ、ピーク波長は、482nmであった。
【0043】<素子の作成および評価>スパッタリング
によって、ITO膜を付けたガラス基板に、上記の通り
合成した2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体1の
クロロホルム溶液を用いて、スピンコーティングにより
成膜し(膜厚100nm)、これを減圧下で乾燥した。
次に、その上に陰極としてアルミニウム−リチウム合金
(重量比アルミニウム:リチウム=100:1)を蒸着
して有機EL素子を作製した。この素子に20Vの電圧
を印加すると青緑色の発光が認められた。
【0044】実施例2 スパッタリングによって、ITO膜を付けたガラス基板
上に、特開平3−244630号公報に記載の方法と同
様な方法で、ポリ(p−フェニレンビニレン)の発光層
を50nmの厚さで形成した。次に、実施例1で合成し
た2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体1のクロロ
ホルム溶液を用いて、スピンコーティングにより100
nmの厚さで成膜し、これを減圧下で乾燥した。次に、
その上に陰極としてアルミニウム−リチウム合金(重量
比アルミニウム:リチウム=100:1)を蒸着して有
機EL素子を作製した。この素子に20Vの電圧を印加
すると黄緑色の発光が認められた。
【0045】
【発明の効果】本発明の2,3,4−トリフェニルキノ
リン誘導体は、強い蛍光を有している上、結晶化しにく
く、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料、電
荷輸送材料等として用いることができる。また、該誘導
体は、溶媒に可溶であり成膜性がよいことにより、該誘
導体を用いて、塗布法によっても、容易に発光層を形成
することができ、有機EL素子を容易に作製することが
できる。さらに、本発明の誘導体を用いた有機エレクト
ロルミネッセンス素子は、熱的にも安定な2,3,4−
トリフェニルキノリン誘導体を用いているので、バック
ライトとしての面状光源,フラットパネルディスプレイ
等の装置として好ましく使用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されることを特徴と
    する2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は、それぞれ独立に炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、
    炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜40の芳
    香族化合物基または炭素数4〜40の複素環化合物基で
    ある。mは、0〜3の整数であり、n、pは、それぞれ
    独立に1〜3の整数である。同一のベンゼン環の置換基
    が複数のときには、該置換基は、互いに同一でも異なっ
    てもよい。)
  2. 【請求項2】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、該発光層が請求項1記載の2,3,4−トリフェニ
    ルキノリン誘導体を含むことを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子において、さらに、陽極と発光層との間に、該
    発光層に隣接して正孔輸送性化合物を含む層を設けてな
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  4. 【請求項4】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、さらに、陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物を含む層を設けてなり、該発光層お
    よび/または該電子輸送性化合物を含む層が請求項1記
    載の2,3,4−トリフェニルキノリン誘導体を含むこ
    とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、さらに、該陰極と該発光層との間に、該発光層に隣
    接して電子輸送性化合物を含む層を設けてなり、該陽極
    と該発光層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化
    合物を含む層とを設けてなり、該発光層および/または
    該電子輸送性化合物を含む層が請求項1記載の2,3,
    4−トリフェニルキノリン誘導体を含むことを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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