JPH09328460A - インダン化合物及び該化合物を用いた電子写真用感光体 - Google Patents

インダン化合物及び該化合物を用いた電子写真用感光体

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JPH09328460A
JPH09328460A JP16660596A JP16660596A JPH09328460A JP H09328460 A JPH09328460 A JP H09328460A JP 16660596 A JP16660596 A JP 16660596A JP 16660596 A JP16660596 A JP 16660596A JP H09328460 A JPH09328460 A JP H09328460A
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unsubstituted
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JP16660596A
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Atsushi Takei
厚志 武居
Mitsutoshi Anzai
光利 安西
Takanobu Watanabe
隆信 渡邊
Chieko Inayoshi
智恵子 稲吉
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Hodogaya Chemical Co Ltd
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体特性を満足し高感度、高耐久性を
有する電子写真用感光体を実現し得る電荷輸送剤として
有用なインダン化合物と該化合物を含有する感光層を有
する電子写真用感光体を提供すること。 【解決手段】 下記一般式[1]で表されるインダン化
合物。および導電性支持体上に該化合物を含有する感光
層を有することを特徴とする電子写真用感光体。 【化1】 〔式中、Ar1 及びAr3 は置換もしくは無置換のアリ
ール基を表し、Ar2は置換もしくは無置換のフェニレ
ン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしく
は無置換のビフェニレン基、または置換もしくは無置換
のアントリレン基を表し、Xは置換もしくは無置換のア
ルキル基または置換もしくは無置換のアリ−ル基を表
す。]で表されるインダン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用感光体
に用いられる電荷輸送剤として有用な新規なインダン化
合物及び該化合物を用いた電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式とは、一般に光導電性材料
を用いた感光体の表面に暗所で、例えばコロナ放電によ
って帯電させ、これに露光を行い、露光部の電荷を選択
的に逸散させて静電潜像を得、これをトナーを用いて可
視化したのち紙等に転写、定着して画像を得る画像形成
方法の一種である。感光体としては、セレン、酸化亜
鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導電性化合物
を主成分とする無機感光体と、電荷発生剤と低分子量あ
るいは高分子量の電荷輸送剤を結着剤樹脂中に分散させ
た有機化合物を用いた有機感光体がある。無機感光体は
それぞれ多くの利点があり今まで広く使用されてきた
が、例えばセレンは製造する条件が難しく、製造コスト
が高く、熱や機械的衝撃に弱く、結晶化をおこし易いた
め性能が劣化してしまう。酸化亜鉛や硫化カドミウムは
耐湿性や機械的強度に問題があり、また増感剤として添
加された色素の帯電や露光による劣化がおこり、耐久性
がでない等の欠点がある。シリコンも製造する条件が難
しい事と刺激性の強いガスを使用するためコストが高
く、湿度に敏感であるため取扱いに注意を要する。
【0003】近年、これら無機感光体の有する欠点を克
服する目的で種々の有機化合物を用いた有機感光体が研
究され、広く使用されるに至っている。有機感光体には
電荷発生剤と電荷輸送剤を結着剤樹脂中に分散させた単
層型感光体と、電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した
積層型感光体がある。機能分離型有機感光体は、各々の
材料の選択肢が広いこと、組み合わせにより任意の性能
を有する感光体を比較的容易に作製できる事から多くの
研究がなされ広く使用されている。
【0004】電荷発生剤としては、例えばアゾ化合物、
ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物、テトラキスアゾ化
合物、チアピリリウム塩、スクアリリウム塩、アズレニ
ウム塩、シアニン色素、ペリレン化合物、無金属あるい
は金属フタロシアニン化合物、多環キノン化合物、チオ
インジゴ系化合物、またはキナクリドン系化合物等、多
くの有機顔料や色素が提案され実用に供されている。
【0005】電荷輸送剤としては、例えば特公昭34−
5466号公報のオキサジアゾール化合物、特開昭56
−123544号公報のオキサゾール化合物、特公昭5
2−41880号公報のピラゾリン化合物、特公昭55
−42380号公報や特公昭61−40104号公報、
特公昭62−35673号公報、特公昭63−3597
6号公報のヒドラゾン化合物、特公昭58−32372
号公報のジアミン化合物、特公昭63−18738号公
報や特公昭63−19867号公報、特公平3−393
06号公報のスチルベン化合物、特開昭62−3025
5号公報のブタジエン化合物等がある。これらの電荷輸
送剤を用いた有機感光体は優れた特性を有し、実用化さ
れているものがあるが、電子写真方式の感光体に要求さ
れる諸特性を十分に満たすものはまだ得られていないの
が現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機感光体に用いる電
荷輸送剤には、感度をはじめとする感光体としての諸特
性を満足する他、光やオゾン、電気的負荷に耐える化学
的安定性と繰り返し使用や長期使用によっても感度が低
下しない安定性や耐久性が要求される。本発明の目的
は、感光体特性を満足し高感度、高耐久性を有する電子
写真用感光体を実現し得る電荷輸送剤として有用な新規
なインダン化合物及び該化合物を用いた電子写真用感光
体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式
[1]
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、Ar1 及びAr3 は置換もしくは
無置換のアリール基を表し、Ar2は置換もしくは無置
換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン
基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、または置換
もしくは無置換のアントリレン基を表し、Xは置換もし
くは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のア
リール基を表す。〕で表されるインダン化合物であり、
また、導電性支持体上に該化合物を含有する感光層を有
することを特徴とする電子写真用感光体である。本発明
によって、感光体特性を満足し高感度、高耐久性を有す
る電子写真用感光体を提供することができる。
【0010】本発明において、電荷輸送剤として使用さ
れる前記一般式[1]で表されるインダン化合物は新規
化合物であり、これらの化合物は、例えば5−(N,N
−ジフェニルアミノ)インダン誘導体をホルミル化し、
相当するヒドラジン化合物とのヒドラゾン化反応により
合成される。ホルミル化はVilsmeier反応によ
るのが一般的な方法である。例えば下記一般式[2]
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、Ar1 およびAr2 は前記一般式
[1]におけるAr1 およびAr2と同じ意味を表
す。〕で表される5−(N,N−ジフェニルアミノ)イ
ンダン誘導体を、N,N−ジメチルホルムアミドおよび
オキシ塩化リンなどによりホルミル化を行い、下記一般
式[3]
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、Ar1 およびAr2 は前記一般式
[1]におけるAr1 およびAr2と同じ意味を表
す。〕で表されるアルデヒド化合物を得る。次に、この
アルデヒド化合物と下記一般式[4]
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、Ar3 およびXは前記一般式
[1]におけるAr1 およびXと同じ意味を表す。〕で
表されるヒドラジン化合物とを反応させることにより、
前記一般式[1]で表される本発明のインダン化合物が
得られる。
【0017】本発明において、前記一般式[1]で表さ
れるインダン化合物は、Ar1 またはAr3 が置換また
は無置換のアリール基である場合、アリール基としては
フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル
基、フェナントリル基またはピレニル基などを選択する
ことができる。
【0018】また、Ar1 及びAr3 が置換基を有する
アリール基である場合、置換基としては、炭素数が1〜
4の低級アルキル基、炭素数が1〜4の低級アルコキシ
基、炭素数が5〜6のシクロアルキル基、ベンジル基、
フェニル基、ハロゲン原子または炭素数が1〜4の低級
アルキルアミノ基などを選択することができ、さらにこ
れらの置換基がベンジル基またはフェニル基の場合は、
炭素数が1〜4の低級アルキル基、炭素数が1〜4の低
級アルコキシ基またはハロゲン原子で更に置換されてい
ても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】前述のアルデヒド化合物とヒドラ
ジン化合物との縮合反応はヒドラゾン化反応として知ら
れる反応であり、好ましくは酸性触媒の存在下で反応さ
せる。この場合、酸性触媒としては、塩酸、酢酸などが
用いられる。溶媒としてはメチルアルコール、エチルア
ルコール、t−ブチルアルコール、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N、
N−ジメチルホルムアミドなどが用いられる。反応温度
は通常室温から100℃である。本発明において原料と
して用いられる前記一般式[4]で表されるヒドラジン
化合物は、相当するアミン化合物をニトロソ化した後、
還元することにより容易に合成される。
【0020】電荷輸送剤として使用できる本発明に係る
化合物の好ましい具体的な例として、次のような化合物
が挙げられる。 化合物No.1
【0021】
【化7】
【0022】化合物No.2
【0023】
【化8】
【0024】化合物No.3
【0025】
【化9】
【0026】化合物No.4
【0027】
【化10】
【0028】化合物No.5
【0029】
【化11】
【0030】化合物No.6
【0031】
【化12】
【0032】化合物No.7
【0033】
【化13】
【0034】化合物No.8
【0035】
【化14】
【0036】化合物No.9
【0037】
【化15】
【0038】化合物No.10
【0039】
【化16】
【0040】化合物No.11
【0041】
【化17】
【0042】化合物No.12
【0043】
【化18】
【0044】化合物No.13
【0045】
【化19】
【0046】化合物No.14
【0047】
【化20】
【0048】化合物No.15
【0049】
【化21】
【0050】化合物No.16
【0051】
【化22】
【0052】化合物No.17
【0053】
【化23】
【0054】化合物No.18
【0055】
【化24】
【0056】化合物No.19
【0057】
【化25】
【0058】化合物No.20
【0059】
【化26】
【0060】化合物No.21
【0061】
【化27】
【0062】化合物No.22
【0063】
【化28】
【0064】化合物No.23
【0065】
【化29】
【0066】化合物No.24
【0067】
【化30】
【0068】化合物No.25
【0069】
【化31】
【0070】化合物No.26
【0071】
【化32】
【0072】化合物No.27
【0073】
【化33】
【0074】本発明の電子写真用感光体は、上記のイン
ダン化合物を1種または2種以上含有した感光層を有す
るものである。感光層の形態としては種々のものが存在
し、本発明の電子写真用感光体の感光層としてはそのい
ずれであっても良い。代表例として図1〜図5にそれら
の感光体を示した。
【0075】図1の感光体は、導電性支持体1上にイン
ダン化合物、増感色素および結着樹脂よりなる感光層2
を設けたものである。
【0076】図2の感光体は、導電性支持体1上にイン
ダン化合物と結着樹脂よりなる電荷輸送媒体3の中に電
荷発生物質4を分散せしめた感光層21を設けたもので
ある。本感光体では電荷発生物質が光を吸収することに
より電荷担体を発生し、これを電荷輸送媒体が輸送す
る。この場合、電荷輸送物質は電荷担体を発生させる光
に対して透明であることが望ましい。インダン化合物は
紫外部から可視部低波長域の一部に僅かな吸収があるの
みで、電荷発生物質と吸収波長域が重ならないという条
件を満足している。
【0077】図3の感光体は、導電性支持体1上に電荷
発生物質4を主体とする電荷発生層5とインダン化合物
と結着樹脂よりなる電荷輸送層3の積層からなる感光層
22を設けたものである。本感光体では電荷輸送層3を
透過した光が電荷発生層5に到達し、電荷発生物質4に
吸収され電荷担体が発生される。この電荷担体は電荷輸
送層3に注入され輸送される。
【0078】図4の感光体は、図3の感光体の電荷発生
層5と電荷輸送層3の積層順を逆にした感光層23を設
けたものである。上記と同様の機構によて電荷担体の発
生と輸送が説明できる。
【0079】図5の感光体は、機械的強度の向上を目的
として図4の感光体の電荷発生層5の上に保護層6を更
に積層した感光層24を設けたものである。
【0080】以上に例示したような本発明の感光体は常
法に従って製造される。例えば、前述した一般式[1]
で表されるインダン化合物を結着樹脂とともに適当な溶
剤中に溶解し、必要に応じて電荷発生物質、増感色素、
電子吸引性化合物あるいは可塑剤、顔料、その他添加剤
を添加して調製される塗布液を導電性支持体上に塗布、
乾燥して数μから数十μの感光層を形成させることによ
り製造することができる。電荷発生層と電荷輸送層の二
層よりなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布
液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷輸
送層の上に電荷発生層を形成させることにより製造でき
る。また、このようにして製造される感光体には必要に
応じ、接着層、中間層、バリヤー層を設けても良い。
【0081】塗布液調製用の溶剤としては、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、酢酸エチル等の極性有機溶剤、トルエ
ン、キシレンのような芳香族有機溶剤やジクロロメタ
ン、ジクロロエタンのような塩素系炭化水素溶剤等があ
げられる。インダン化合物と結着樹脂に対して溶解性の
高い溶剤が好適に使用される。
【0082】増感色素としては、例えばメチルバイオレ
ット、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレッ
ト、アシッドバイオレットのようなトリアリールメタン
染料、ローダミンB、エオシンS、ローズベンガルのよ
うなキサンテン染料、メチレンブルーのようなチアジン
染料、ベンゾピリリウム塩のようなピリリウム染料やチ
アピリリウム染料、またはシアニン染料等があげられ
る。
【0083】また、インダン化合物と電荷移動錯体を形
成する電子吸引性化合物としては例えば、クロラニル、
2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロ
アントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナン
トレンキノン等のキノン類、4−ニトロベンズアルデヒ
ド等のアルデヒド類、9−ベンゾイルアントラセン、イ
ンダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン等のケトン類、無水フタル酸、
4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラシア
ノエチレン、テレフタラルマレノニトリル、9−アント
リルメチリデンマレノニトリル等のシアノ化合物、3−
ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベン
ザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフ
タリド類があげられる。
【0084】結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、ブタジエン等のビニル化合物の重合体および共
重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタ
ン、セルロースエステル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹
脂、エポキシ樹脂等、インダン化合物と相溶性のある各
種樹脂があげられる。結着樹脂の使用量は、通常インダ
ン化合物に対して0.4〜10重量倍好ましくは0.5
〜5重量倍の範囲である。
【0085】また、本発明の感光層には成膜性、可とう
性、機械的強度を向上させる目的で周知の可塑剤を含有
しても良い。可塑剤としては、例えばフタル酸エステ
ル、リン酸エステル、塩素化パラフィン、メチルナフタ
リン、エポキシ化合物、塩素化脂肪酸エステル等があげ
られる。
【0086】更に、感光層が形成される導電性支持体と
しては、周知の電子写真用感光体に使用されている材料
が使用できる。例えば、アルミニウム、ステンレス、銅
等の金属ドラム、シートあるいはこれらの金属のラミネ
ート物、蒸着物、また金属粉末、カーボンブラック、よ
う化銅、高分子電解質の導電性物質を適当なバインダー
とともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、
プラスチックドラム、紙、紙管、あるいは導電性物質を
含有さすことにより導電性を付与したプラスチックフィ
ルムやプラスチックドラム等があげられる。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部は重量部を表わす。
【0088】[合成実施例1](化合物No.1の合
成) 「5−[N−(4−ホルミルフェニル)−N−フェニル
アミノ]インダンの合成」5−(N,N−ジフェニルア
ミノ)インダン24.4g(0.085mol)をN,
N−ジメチルホルムアミド130mlに溶解し、室温
で、オキシ塩化リン19.5g(0.13mol)を3
0分かけて滴下した。50℃まで昇温して3時間撹拌し
た。反応終了後、93%水酸化ナトリウム40g(0.
93mol)を水600mlに溶解した中に反応液を注
加して攪拌した。更にトルエン300mlを加え目的物
を抽出した後、水洗、濃縮して5−[N−(4−ホルミ
ルフェニル)−N−フェニルアミノ]インダン24.9
g(収率;93.6%)を得た。
【0089】「4−[N−(1,2−ジヒドロインデン
−5−イル)−N−フェニルアミノ]ベンズアルデヒド
N,N−ジフェニルヒドラゾンの合成」上記で合成し
た5−[N−(4−ホルミルフェニル)−N−フェニル
アミノ]インダン6.27g(0.02mol)をN,
N−ジメチルホルムアミド40mlに溶解して、室温
で、N,N−ジフェニルヒドラジン塩酸塩4.85g
(0.022mol)を添加した。室温で2時間撹拌し
た。反応終了後、系内を5℃以下に冷却してメタノ−ル
240mlを滴下した。更に28%アンモニア水2.6
mlを水40mlで希釈した水溶液を滴下した。析出し
た結晶をろ過、メタノ−ル洗浄および水洗を行って乾燥
した。この結晶をカラムクロマトグラフィ(担体;シリ
カゲル、溶離液;トルエン:ヘキサン=1:4)により
精製して4−[N−(1,2−ジヒドロインデン−5−
イル)−N−フェニルアミノ]ベンズアルデヒド N,
N−ジフェニルヒドラゾン7.44g(収率;77.6
%、融解開始温度;65.5℃)を得た。
【0090】元素分析値はC34293として次に示す
通りであった。炭素:85.24%(85.14%)、
水素:6.33%(6.10%)、窒素:8.51%
(8.76%)(計算値をかっこ内に示す。) 赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)の特性基波数(c
-1)は3026、2942、1587、1487、1
272、694等であった。
【0091】[合成実施例2](化合物No.6の合
成) 「4−[N−(1,2−ジヒドロインデン−5−イル)
−N−フェニルアミノ]ベンズアルデヒド N−メチル
−N−フェニルヒドラゾンの合成」実施例1で合成した
5−[N−(4−ホルミルフェニル)−N−フェニルア
ミノ]インダン6.27g(0.02mol)をN,N
−ジメチルホルムアミド40mlに溶解して、室温で、
N−メチル−N−フェニルヒドラジン3.17g(0.
026mol)及び氷酢酸3mlを添加した。室温で2
時間撹拌した。反応終了後、系内を5℃以下に冷却して
メタノ−ル240mlを滴下した。更に水40mlを滴
下した。析出した結晶をろ過、メタノ−ル洗浄および水
洗を行って乾燥した。この結晶をカラムクロマトグラフ
ィ(担体;シリカゲル、溶離液;トルエン:ヘキサン=
1:4)により精製して4−[N−(1,2−ジヒドロ
インデン−5−イル)−N−フェニルアミノ]ベンズア
ルデヒド N−メチル−N−フェニルヒドラゾン7.1
1g(収率;85.1%、融点;104.5−106.
0℃)を得た。
【0092】元素分析値はC29273として次に示す
通りであった。炭素:83.54%(83.42%)、
水素:6.28%(6.52%)、窒素:10.18%
(10.06%)(計算値をかっこ内に示す。) 赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)の特性基波数(c
-1)は3024、2940、1595、1498、1
308、745等であった。
【0093】[実施例1] 電荷発生剤として下記ジスアゾ化合物(電荷発生剤N
o.1)
【0094】
【化34】
【0095】1.5部をポリエステル樹脂(バイロン2
00、東洋紡(株)製)の8%THF溶液18.5部に
加え、メノウ球入りのメノウポットに入れ、遊星型微粒
粉砕機(フリッツ社製)で1時間回転し、分散した。得
られた分散液を導電性支持体であるアルミ蒸着PETフ
ィルムのアルミ面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常
圧下60℃で2時間、更に減圧下で2時間乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。一方、電荷輸送剤
として化合物No.1のインダン化合物1.5部をポリ
カーボネート樹脂(パンライトK−1300、帝人化成
(株)製)の8%ジクロロエタン溶液18.75部に加
え超音波をかけてインダン化合物を完全に溶解させた。
この溶液を前記の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布
し、常圧下60℃で2時間、更に減圧下で2時間乾燥し
て膜厚20μmの電荷輸送層を形成せしめて、感光体N
o.1を作製した。
【0096】この感光体について静電複写紙試験装置
(商品名「EPA−8100」川口電機製作所(株)
製)を用いて感度を測定した。まず、感光体を暗所で−
6kVのコロナ放電により帯電させ、次いで3.0ルッ
クスの白色光で露光し、表面電位が初期表面電位の半分
に減少するまでの時間(秒)を測定し、半減露光量E1
/2(ルックス・秒)を求めた。この感光体の初期表面
電位は−841Vで、E1/2は1.00ルックス・秒
であった。
【0097】[実施例2〜12]実施例1で用いた電荷
発生剤および電荷輸送剤(インダン化合物)を[表1]
に示したものに代えた以外は実施例1と同様にして感光
体No.2〜12を作製した。尚、表1中に示した電荷
発生剤No.2〜No.4の構造を下記に示す。 電荷発生剤No.2
【0098】
【化35】
【0099】電荷発生剤No.3
【0100】
【化36】
【0101】電荷発生剤No.4
【0102】
【化37】
【0103】感光体No.2〜12を実施例1と同様に
して感度測定を行った。その結果について[表2]に示
した。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】[実施例13]実施例1で用いた電荷輸送
剤(インダン化合物)を化合物No.1のインダン化合
物と化合物No.6のインダン化合物の1:1重量比の
混合物に代えた以外は実施例1と同様にして感光体N
o.13を作製した。この感光体を実施例1と同様にし
て感度測定を行ったところ、初期表面電位は−852V
で、E1/2は1.22ルックス・秒であった。
【0107】[実施例14]電荷発生剤としてα型チタ
ニルフタロシアニンオキサイド(α−TiOPc)1.
5部をポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−
L、積水化学工業(株)製)の3%THF溶液50部に
加え、超音波分散機で45分間分散した。得られた分散
液を導電性支持体のアルミ蒸着PETフィルムのアルミ
面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下60℃で2
時間、更に減圧下で2時間乾燥して膜厚0.2μmの電
荷発生層を形成した。一方、電荷輸送剤として化合物N
o.1のインダン化合物1.5部をポリカーボネート樹
脂(パンライトK−1300、帝人化成(株)製)の8
%ジクロロエタン溶液18.75部に加え超音波をかけ
てインダン化合物を完全に溶解させた。この溶液を前記
の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布し、常圧下60℃
で2時間、更に減圧下で2時間乾燥して膜厚20μmの
電荷輸送層を形成せしめて、感光体No.14を作製し
た。
【0108】この感光体について静電複写紙試験装置
(商品名「EPA−8100」)を用いて感度を測定し
た。まず、感光体を暗所で−6kVのコロナ放電により
帯電させ、次いで光量3.0μW/cm2 の800nm
の単色光で露光し、表面電位が初期表面電位の半分に減
少するまでのエネルギー量を求め、半減露光量E1/2
(μJ/cm2 )を測定した。この感光体の初期表面電
位は−871Vで、E1/2は0.87μJ/cm2
あった。
【0109】[実施例15]電荷発生剤としてα−Ti
OPcの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用いる
以外は実施例14と同様に行って感光体No.15を作
成した。この感光体を実施例14と同様にして感度測定
を行ったところ、初期表面電位は−932Vで、E1/
2は0.70μJ/cm2 であった。
【0110】[実施例16]電荷発生剤として、α−T
iOPcの代わりに下記トリスアゾ化合物
【0111】
【化38】
【0112】を用いる以外は実施例14と同様に行って
感光体No.16を作製した。この感光体を実施例14
と同様にして感度測定を行ったところ、初期表面電位は
−977Vで、E1/2は0.82μJ/cm2 であっ
た。
【0113】[実施例17]電荷発生剤として下記チア
ピリリウム塩
【0114】
【化39】
【0115】0.1部、電荷輸送層として化合物No.
3のインダン化合物10部をポリカーボネート樹脂(パ
ンライトK−1300、帝人化成(株)製)の8%ジク
ロロエタン溶液125部に加え、超音波をかけてチアピ
リリウム塩とインダン化合物を完全に溶解させた。この
溶液を導電性支持体であるアルミ蒸着PETフィルムの
アルミ面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下60
℃で2時間、更に減圧下で2時間乾燥して膜厚20μm
の感光層を形成せしめて感光体No.17を作製した。
この感光体について静電複写紙試験装置(商品名「EP
A−8100」)を用いて感度を測定した。まず、感光
体を暗所で+7kVのコロナ放電により帯電させ、次い
で3.0ルックスの白色光で露光し、表面電位が初期表
面電位の半分に減少するまでの時間(秒)を測定し、半
減露光量E1/2(ルックス・秒)を求めた。この感光
体の初期表面電位は+852Vで、E1/2は1.8ル
ックス・秒であった。
【0116】[実施例18]実施例1で用いた電荷輸送
剤の塗工液をアルミ蒸着PETフィルムのアルミ面上に
ワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下60℃で2時間、
更に減圧下で2時間乾燥して膜厚10μmの電荷輸送層
を形成した。一方、電荷発生剤として実施例2で用いた
と同じジスアゾ化合物3.0部をポリエステル樹脂(バ
イロン200、東洋紡(株)製)の8%THF溶液1
8.5部に加え、メノウ球入りのメノウポットに入れ、
遊星型微粒粉砕機(フリッツ社製)で1時間回転し、分
散した。この分散液にTHF200部を加え、攪拌混合
して塗工液とした。この塗工液を上記電荷輸送層の上に
スプレーで塗工し、常圧下60℃で2時間、更に減圧下
で2時間乾燥して膜厚0.5μmの電荷発生層を形成し
た。更に、この電荷発生層の上にアルコール可溶性ポリ
アミド樹脂をイソプロパノールに溶解した溶液をスプレ
ーで塗工し、常圧下60℃で2時間、更に減圧下で2時
間乾燥して膜厚0.5μmのオーバーコート層を形成せ
しめて感光体No.18を作製した。この感光体を実施
例17と同様にして感度を測定した。この感光体の初期
表面電位は+840Vで、E1/2は1.4ルックス・
秒であった。
【0117】[比較例1]実施例1で用いた化合物N
o.1のインダン化合物の代わりに下記化合物
【0118】
【化40】
【0119】を用いる以外は実施例1と同様にして比較
用感光体を作製した。この感光体を実施例1と同様にし
て感度を測定した。この感光体の初期表面電位は−83
5Vで、E1/2は1.31ルックス秒であった。
【0120】
【発明の効果】本発明の新規なインダン化合物は優れた
電荷輸送能を有しており、電荷輸送材料として広範囲に
利用することができる。また、これらの化合物を含有す
る感光層を導電性支持体上に有する本発明の電子写真用
感光体は優れた感光体特性を示し、電子写真用感光体と
して広範囲に利用することができる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真用単層感光体の断面図である。
【図2】電荷発生物質を分散させた電子写真用単層感光
体の断面図である。
【図3】導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層の
順に積層した電子写真用感光体の断面図である。
【図4】導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順
に積層した電子写真用感光体の断面図である。
【図5】保護層を設けた電子写真用感光体の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2,21,22,23,24 感光層 3 電荷輸送媒体、電荷輸送層 4 電荷発生物質 5 電荷発生層 6 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07D 263/56 C07D 263/56 (72)発明者 稲吉 智恵子 茨城県つくば市御幸が丘45番地 保土谷化 学工業株式会社筑波研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[1] 【化1】 〔式中、Ar1 及びAr3 は置換もしくは無置換のアリ
    ール基を表し、Ar2は置換もしくは無置換のフェニレ
    ン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしく
    は無置換のビフェニレン基、または置換もしくは無置換
    のアントリレン基を表し、Xは置換もしくは無置換のア
    ルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表
    す。〕で表されるインダン化合物。
  2. 【請求項2】導電性支持体上に下記一般式[1] 【化2】 〔式中、Ar1 及びAr3 は置換もしくは無置換のアリ
    ール基を表し、Ar2は置換もしくは無置換のフェニレ
    ン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしく
    は無置換のビフェニレン基、または置換もしくは無置換
    のアントリレン基を表し、Xは置換もしくは無置換のア
    ルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表
    す。〕で表されるインダン化合物を含有する感光層を有
    することを特徴とする電子写真用感光体。
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